【抄訳】
2008年以降、Google Mapsには、世界中の誰もが地図データを寄与貢献できるツールMap Makerがあった。そのツールが、閉鎖される。Googleはこのプロジェクトのフォーラムで今日(米国時間11/8)、独立のプロダクトとしてのGoogle Map Makerは2017年3月に撤退する、と発表した。しかしGoogle Mapsへのクラウドソースの寄与貢献が終わるわけではなく、それらはGoogleのLocal Guidesプログラムへ移行する、としている。
Local Guides(地域案内)は、今や古くなったMap Makerサービスの現代版、と言えなくもない。
Map MakerサービスではMap上にオンラインのツールとエディターが現れて、誰もが地図情報のアップデートを投稿できる。それをモデレーターが認めたら、地図上に反映される。その重要な目標は、僻地や低開発国など詳細な地域地図のないところで、Google Mapsに道路や事業所などの情報を盛り込むことだった。
しかしご存知のように、Map Makerのクラウドソース機能が悪用される事件も相次いだ。たとえば2015年には、AndroidのマスコットキャラクターがAppleのロゴにおしっこをかけている絵がMap Makerを使ってGoogle Mapsに載った。Googleは、そんないたずらがあるたびに、Map Makerを一時的に閉鎖せざるを得なかった。
そうやってMap Makerがコミュニティの管理で苦労している間に、GoogleはLocal Guides の開発に着手していた。
この企画はYelp ElitesのGoogle版とも言われ、ボランティアがGoogle MapsやGoogleの企業リストに貢献すると、ポイントがもらえたり、イベントに招待されたり、新しい機能に一般よりも早くアクセスできたりする。
ポイントは地図への貢献だけでなく、レビューを書いたり、写真をポストしたり、いろいろな理由でもらえる。
またMap Maker独特の機能、たとえば道路をエディットする機能などは、2027年3月の閉鎖以降、Local Guidesで利用できるようになる。機能が可利用になれば、プロダクトのWebサイト: Map Maker Help ForumやLocalGuidesConnect.comで告知される。
また今日以降は、Google Mapsに提出されたエディットはMap Makerのモデレーションを経由しない。それは作業を簡素化して、それらのエディットの公開を早めるためだ、とGoogleは言っている。
同じような機能がMap MakerとLocal Guidesの両方にあってもしょうがないし、Guidesの承認プロセスではいたずらを防げそうだから、今回の閉鎖と移行はよろしいけれども、問題は、Map Makerのけっこう高度なエディティング機能が、完全にGuidesでも提供されるのか、という点だ。
Googleはプロダクトの閉鎖を‘春の大掃除’でまとめてやることが多いが、今回のMap Makerの閉鎖は単独かつ静かだ。同じく昨日(米国時間11/7)は、映画サイトGoogle Showtimesが、やはり静かに閉鎖された。
【中略】
以下は、「Google Map MakerがGoogle Mapsを卒業する」と題する発表声明だ: