ニュースアグリゲーションにおける立場乱用疑いでインドがグーグルを調査へ

インドの独占禁止監視当局は、検索大手Google(グーグル)がニュースアグリゲーションにおける支配的な立場を「乱用」して、メディアに不当な条件を課していると主張する報道機関からの苦情を受け、Googleに対する調査を命じた。

インド競争委員会は現地時間1月7日、Googleが特定のオンラインサービスを支配している、と述べた。最初の見解は、Googleが現地の独占禁止法に違反しているというもので、フランスとオーストラリアの新しい規則を指摘した。同社は両国で「両者間の交渉力の不均衡とその結果としてのGoogleによる不当な条件の押しつけ」を解決するために、コンテンツの有料ライセンスについて報道機関と「公正・誠実な交渉」に入ることを求められている

「情報提供者の申し立ては、Googleが運営するこの垂直統合型エコシステムの中で見た場合、報道機関はGoogleが課す条件を受け入れるしかないというものです。Googleは、さまざまな報道機関とニュース読者との間のゲートウェイとして機能しているように見えます。報道機関にとってもう1つの選択肢は、Googleが生み出すトラフィックを見送ることであり、それは彼らの収益にとって不利となります」とインド競争委員会は21ページに及ぶ命令書の中で述べている。

この調査は、インド最大のメディア企業数社のデジタル部門で構成されるデジタルニュース出版社協会からの苦情を受けてのものだ。同協会によると、同協会の会員は、トラフィックの半分以上をオンライン検索エンジンから得ている。この部門はGoogleが明らかに支配しており、市場をリードする立場を利用して同社は出版社にいくつかの不利な条件を強要することができた、と同協会は主張している。

広範な苦情の中で協会は、ニュースアイテムのスニペットを表示するGoogleが報道機関へのビジターの数を制限して広告収入に影響を与え「その間、同社はその結果ページで広告収入を稼ぎ続け」つつ「検索クエリのボリュームから生じる検索アルゴリズムを強化している」と指摘している。

「また、報道機関Informant(インフォーマント)のメンバーとOPs(Googleとその子会社)の間で締結された広告収入分配に関する契約の条件は、OPsによって一方的かつ恣意的に決められており、Informantのメンバーは何の交渉力もなく、条件をそのまま受け入れる以外に選択肢がないとの主張があります」と当局は述べた。

「AMPシステムの唯一の代替案は、報道機関がGoogleを購読することであり、これは報道機関に不利益を与え、Googleを利することになります」と当局は述べている。同協会は、GoogleがAMPフォーマットの使用を強要しており、それが報道機関の収入に影響を及ぼしていると非難している。

Googleの広報担当者は、コメントの要請に応じなかった。

「よく機能する民主主義では、ニュースメディアが果たす重要な役割を損なうことはできません。すべての利害関係者の間で収益の公正な配分を決定する競争プロセスに害を及ぼさないよう、デジタルゲートキーパー企業がその支配的地位を乱用しないようにする必要があります」と、当局は付け加えた。

1月7日の調査は、インドの競争監視当局がここ数週間で命じた一連の調査の中で最新のものだ。インド競争委員会は2021年末に、Apple(アップル)のApp Storeの運営方法について調査を命じ、Appleに狙いを定めた最新の国になった。

画像クレジット:Sanjeev Verma / Hindustan Times / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

Apple News、さらに米国の3都市でローカルニュース提供開始

Apple Newsは、ローカルニュースの対象地域をシャーロットとマイアミとワシントンD.C.に広げた。ローカルニュースのこの拡大によってユーザーは「Axios Charlotte」「Charlotte Observer」「Eater Miami」「Miami Herald」「DCist」「Washingtonian」「Washington Post」などのメディアにアクセスできるようになる。


ローカルニュースはApple Newsの編集者たちが整理・選択し、レストランの開店や不動産価格の動向、重要な政策決定など、多様な話題を扱う。

Apple Newsが選択整理されたローカルニュースを最初に立ち上げたのは、2020年のベイエリアとヒューストン、ロサンゼルス、ニューヨークそしてサンフランシスコだった。そして2021年前半には、サクラメントやサンアントニオ、サンディエゴなどが追加された。

Appleによると、今後もローカルニュースの対象都市は増えていく。明らかにこの巨大テクノロジー企業は、FlipboardSmartNewsといったすでに何千もの米国の都市をカバーする他のニューズアグリゲーターとさらに競合していくつもりだ。

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Apple Newsのローカルへの拡張は、AppleがFitness+と同社のApple One Premierのサブスクリプションのバンドルを11月3日にさらに17カ国(オーストリア、ブラジル、コロンビア、フランス、ドイツ、インドネシア、イタリア、マレーシア、メキシコ、ポルトガル、ロシア、サウジアラビア、スペイン、スイス、アラブ首長国連邦)に拡張していくタイミングで行われた。

画像クレジット:Apple

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hiroshi Iwatani)

スマートニュースが約251億円調達、企業価値約2200億円超えの「ダブルユニコーン」に

東京拠点のニュース集約サイトアプリのSmartNews(スマートニュース)は、Apple Newsといった標準のニュースサービスとの厳しい競争にもかかわらず成長を続けている。米国時間9月15日、同社は2億3000万ドル(約251億4000万円)のシリーズFラウンドを完了したことを発表した。この結果、スマートニュースの総調達額は4億ドル(約440億円)を超え、会社評価額は20億ドル(約2200億円)に達した。同社は誇らしげに「ダブルユニコーン」だという

出資したのは米国のPrinceville CaptalとWoodline Partnersに加え、日本からJIC Venture Growth Investments、Green Co-Invest Investment、およびYamauchi-No.10 Family Officeが参加した。既存の出資者でこのラウンドに参加したのはACA InvestmentsとSMBC Venture Capitalだ。

2012年に日本で創業したスマートニュースは、2014年に米国に上陸し、2020年初めにローカルニュースの提供範囲を拡大した。同アプリのコンテンツチームには元ジャーナリストたちがいるが、読者の体験をパーソナライズするために機械学習を用いて記事を選別している。しかし、アプリの大きな差別要因の1つは、ユーザーのフィルターバブルを割るために、ユーザーがさまざまな政治的観点のニュースを読める「あらゆる立場からのニュース(News From All Sides)」機能を提供していることだ。

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同社は他にも、ワクチンのダッシュボードや米国選挙のダッシュボードといった新サービスを通じて重要な情報をひと目で見られるようにしている。追加された資金を使って、消費者の健康と安全に焦点を当てた機能を、米国ユーザー(日本以外では最大)向けにさらに開発するつもりだと同社はいう。新機能は今後数カ月のうちに公開予定で、山火事の最新情報や犯罪・安全レポートなどがある。ハリケーン追跡も最近始めた。

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スマートニュースのビジネスモデルは主として広告に焦点を当てている、と以前同社は語っており、米国ユーザーの85~90%はサブスクリプションを購入していない。しかしスマートニュースの信条は、有料無料に関わらずニュース利用者は質の高い情報をアクセスする権利があるということだ。

現在、スマートニュースは、全世界で3000以上のパブリッシングパートナーと契約していて、ウェブおよびモバイルアプリを通じてそのコンテンツを提供している。

収益を生むために、同社はインライン広告とビデオ広告を販売しており、収益はパブリッシャーと分配する。パブリッシングパートナーの75%以上が、同社の「SmartView(スマートビュー)」を活用している。これはアプリの速読モードで、Google AMPなどに代わるものだ。ユーザーはオフラインのときでも記事を読むことができる。同社はパブリッシャーに対して、稲妻アイコンがつけられたこれらのモバイルフレンドリーな記事は、高いエンゲージメントを得られると約束している。同社のアルゴリズムはこの種のコンテンツを多くの読者にむけて表示することでパブリッシャーに報いている。SmartViewのパートナーの中にはは、USA Today(ユーエスエー・トゥデー)、ABC(エービーシー)、HiffPost(ハフィントン・ポスト)などの有名ブランドも入っている。現在、スマートニュース全体のページビューのうち70%以上がSmartViewからのものだ。

スマートニュースのアプリは非常に粘着性があり、ユーザーの注意を引き寄せて維持する力が強い。同社はApp Annieの2021年7月のデータを引用して、米国モバイルデバイスでの月・ユーザー当たりの平均利用時間がGoogleニュースとApple Newsを合わせたよりも多かったという。

App Annieのデータ(画像クレジット:スマートニュース)

会社は月間アクティブユーザー数(MAU)の公表を拒んだが、2019年に米国と日本を合わせて2000万人に成長したという。そしてこの日、米国のMAUが2020年2倍に増えたと同社は述べた。

Apptopia(アップトピア)から提供されたデータによると、スマートニュースアプリは2014年10月の公開以来約8500万回ダウンロードされていて、うち1400万回は過去365日間に行われている。インストールが一番多いのは日本で、生涯ダウンロード数の59%を占めていると同社はいう。

「この最新の調達ラウンドを活かし、私たちのミッションの強さを一層確実にするとともに、とりわけ米国におけるプレゼンスを高め、米国のユーザーとパブリッシャーにアピールする機能を提供していきます」とSmarNewsの共同ファウンダーでCEOの鈴木健氏は語る。「私たちの米国や海外の投資家は、情報へのアクセスを民主化し、消費者、パブリッシャー、広告主全員の役に立つエコシステムを作るスマートニュースの取り組みの膨大な成長の可能性と価値を認めています」と付け加えた。

新たな資金は米国での成長を拡大し、会社のチームを強化するために投資すると同社はいう。2019年にユニコーンになった前回の資金調達以来、同社は従業員数を2倍以上に増やして全世界で約500名になった。現在米国内の人員100名を2倍にする計画で、エンジニアリング、プロダクト、および管理職を追加する。

The Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)は、スマートニュースがIPOを計画していると報じたが、同社はこれについてのコメントを拒んだ。

スマートニュースアプリはiOSとAndroidで世界150か国以上で利用できる。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

マイクロソフトがパーソナライズできるニュースサービス「Microsoft Start」を提供開始

米国時間9月7日、Microsoft(マイクロソフト)はニュースをパーソナライズして読める独自のサービスを開始した。Microsoft Startという名称で、ウェブサイトとモバイルアプリの両方で利用でき、さらにWindows 10と11、ブラウザのMicrosoft EdgeといったMicrosoft製品とも統合されている。フィードにはニュース提供元からのコンテンツがユーザごとの関心に応じて組み合わされて表示されるという。このカスタマイズのシステムは、ニュースを提供しているAppleやGoogle、そしてFlipboardやSmartNewsなどの人気アプリとの闘いにプラスに働くだろう。

Microsoftによれば、このプロダクトはMSNやMicrosoft Newsといったオンラインとモバイルの顧客向けサービスのレガシーの上に作られているという。ただしMSNを置き換えるものではない。MSNは引き続きサービスを提供し、MSNとMicrosoft Startは社内での新たな競合となる。

Microsoft Startを利用するには、スタンドアローンのウェブサイトであるMicrosoftStart.comにアクセスする。このサイトはGoogle ChromeとMicrosoft Edgeで利用できる(Safariでは利用できない)。またはiOSかAndroidでモバイルアプリのMicrosoft Startをダウンロードする。

Microsoft Startは、Windows 10のタスクバーとWindows 11のウィジェットでもニュースやトピックの表示に利用される。Microsoft Edgeでは新規タブのページにも表示される。

画像クレジット:Microsoft

ぱっと見たところ、Microsoft Startは他のオンラインポータルとよく似ている。さまざまな提供元からのニュースが集められ、天気、株価、スポーツなどのウィジェットもある。記事を読むためにクリックすると、Microsoftのドメインでホストされているシンジケート化バージョンが表示される。上部にはナビゲーションバー、見出しの下には絵文字のリアクションボタンも用意されている。

個別の記事ではなくホームページを見ているときも、絵文字でニュースにリアクションできる。

絵文字のセットはFacebookのものと似ている。ただしFacebookで問題視されている笑い顔は、考えている顔に置き換えられている(Facebookの笑い顔は、例えば新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死亡のような悲しい出来事を記したストーリーに対しても、大っぴらに投稿をばかにしたりしたり人をあざ笑ったりするのに使われているとして批判されることが増えている)。

Microsoftは絵文字にもう1つ変更を加えた。ホームページでストーリーに絵文字でリアクションすると、トップ3の絵文字ではなく自分が付けた絵文字だけが表示される。

画像クレジット:Microsoft

オンラインのウェブポータルに集められるニュースコンテンツはあまり動的でないことが多いが、Microsoft Startのフィードはさまざまな方法でユーザの関心に応じて調整される。

「パーソナライズ設定」ボタンをクリックすると、ニュースやエンタメ、スポーツ、テクノロジー、マネー、投資、トラベル、ヘルスケアなど多くのカテゴリーから興味のあるものを追加したり削除したりすることができる。あるいは、カテゴリーやトピックを検索してもっと細分化されたもの、もっとニッチなものを設定することもできる(「子育て」ではなく「中学生の子育て」のように)。これはFlipboardの最近のアップデートで、ユーザが同様に選択することにより「For You」フィードという自分専用のメインページを作れるようになったことを思い出させる。

Microsoft Startのフィードをブラウズする際に「このような記事を増やす」「このような記事を減らす」をクリックしてさらにフィードを調整できる。時間をかけてユーザがコンテンツを調整していくことでフィードはどんどん洗練されるとMicrosoftは説明する。このようなカスタマイズにはAIと機械学習の他、人間による調整も活用されていると同社は説明する。

フィードには他のオンラインポータルと同様に広告が掲載される。下へスクロールすると点々と広告が入り、サイト名の横に緑色の「PR」バッジが付いている。大半は製品広告で、ニュースコンテンツとは関係がないようだ。MicrosoftはMSNを継続しており、Microsoft Startは他の多くの製品と統合されているため、Startが始まったことでMicrosoftが広告を掲載できるスペースは増えている。

iOSアプリのプライバシーラベルを見ると、他社のアプリやウェブサイト間でユーザをトラッキングするのにIDが使われる。これに対してGoogleニュースはトラッキングをしていない。Microsoft StartもGoogleニュースも、位置情報、ID、検索履歴、使用状況データ、ユーザコンテンツなど「ユーザに関連づけられたデータ」は多数収集している。ウェブサイトについては、Microsoft全般のプライバシーステートメントにリンクしているのみだ。

ウェブサイト、アプリ、統合は公開が開始されている。iOSでは以下のQRコードをスキャンするとApp Storeのページへ移動できるが、Androidでは原文記事制作時点で古いアプリにリンクしていたようだ。

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画像クレジット:Microsoft

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

買収を続けるツイッターが今度は定額制ニュースアプリBriefのチームを「アクハイヤー」

Twitter(ツイッター)はこのところ立て続けに買収しているが、今度はニュースアグリゲーター・要約アプリのBrief(ブリーフ)のチームをアクハイヤー(人材獲得を目的とする買収)したと発表した。Briefは、元Google(グーグル)のエンジニアらが2020年に、サブスクリプションベースのニュース要約アプリを提供するために立ち上げた。このアプリは、情報過多、燃え尽き症候群、メディアバイアス、ニュースの正確性よりもエンゲージメントを重視するアルゴリズムなど、今日のニュースサイクルが抱える多くの問題に対処することを目的としている。

Twitterは取引条件の開示に応じなかった。

共同創業者でCEOのNick Hobbs(ニック・ホブス)氏は、Briefを立ち上げる前、GoogleのプロダクトマネージャーとしてAR、Googleアシスタント、Googleのモバイルアプリ、自動運転車などに携わっていた。一方、共同創業者でCTOのAndrea Huey(アンドレア・ヒューイ)氏は、Googleのシニア・ソフトウェア・エンジニアとして、GoogleのiOSアプリを担当していた他、Microsoft(マイクロソフト)に在籍していたこともある。

画像クレジット:Brief

ニュースの消費を改善するというBriefの野心的なプロジェクトに大きな期待が寄せられていたが、その成長を妨げたのは、採用したサブスクリプションモデルだったのかもしれない。このアプリは、従来のニュースメディアのようなブランド力がないにもかかわらず、月額4.99ドル(約550円)の課金が必要だった。ちなみに、The New York Timesの基本デジタル購読料は、現在、キャンペーンにより初年度は週4ドル(約440円)だ。

Twitterによると、Briefの社員2名を含むこのスタートアップのチームは、TwitterのExperience.orgグループに入り、Twitter SpacesやExploreなど、Twitter上での公の会話をサポートする分野を担当することになるという。

Twitterは、こうした仕事がどのようなものか具体的には説明していないが、TechCrunchに語ったところによると、創業者らのBriefでの専門知識を活用し、そうした分野のプロジェクトを開発・加速させたいと考えている。

Exploreはもちろん、Twitterの「ニュース」セクションであり、カテゴリーごとにトップストーリーとトレンドトピックが集約されている。しかし今のExploreには、Briefのアプリが提供しているような、ニュースを基本的な事実にまで絞り込み、バランスよく表示するという包括的なアプローチが欠けている。その代わり、Twitterのニュースアイテムには、見出しとストーリーの短い説明、そして注目すべきツイートが表示される。そこには確かに改善の余地がある。

TwitterのサブスクリプションサービスであるTwitter Blueの中に、ニュースに特化した何らかのプロダクトが組み込まれる可能性もあるが、現時点では単なる推測にすぎない。

Twitterによると、今回のオファーは同社がBriefに積極的に働きかけたものだという。Twitterは現在、M&A戦略の一環として、既存のチームを補完し、プロダクト開発を加速させる人材を獲得しようとしている。

Twitterは過去1年間に似たようなアクハイヤーを実行してきた。邪魔が入らない(広告なし)で読めるようになるサービス「Scroll」ソーシャルポッドキャスティングアプリ「Breaker」ソーシャルスクリーン共有アプリ「Squad」API統合プラットフォーム「Reshuffle」などだ。また、ニュースレタープラットフォーム「Revue」などのプロダクトを買収し、直接統合したこともある。さらに、ClubhouseやインドのShareChatとも買収交渉を行った。これらはずっと大きなM&A案件になるはずだった。

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「結局、Twitterにたどり着いて本当に良かったと思っています」とホブス氏はTechCrunchに話した。

「アンドレアと私は、健全な議論を促すニュースを構築するためにBriefを設立しましたが、公の会話を改善するためのTwitterの真摯な取り組みには深い感銘を受けています」と同氏は語る。「将来の計画について具体的に話すことはできませんが、Briefでの経験が、現在Twitterで起こっている多くのエキサイティングなことを加速するのに役立つと確信しています」と付け加えた。

ホブス氏は、チームが有料ジャーナリズムの将来について楽観的であるとも述べた。というのも、Briefは新たに改善されたニュース体験にお金を払う顧客がいることを実証したからだ。

「Briefはジャーナリズムの新しいビジョンを開拓しました。重点を置いたのは、読み手が耐えられる目一杯のニュースではなく、必要なニュースだけを提供することです」とBriefをシードステージで支援したSignalFireの創業パートナーでCTOのIlya Kirnos(イリヤ・キルノス)氏は指摘した。「読者への配慮から、SignalFireは創業者のニック・ホブスとアンドレア・ヒューイを支援することを誇りに思いました」。

Briefはこれまでに、SignalFireと、David Lieb(デビッド・リーブ)氏、Maia Bittner(マイア・ビットナー)氏、Matt Macinnis(マット・マシニス)氏といったSequoia Scoutsを含む数少ないエンジェル投資家から100万ドル(約1億1000万円)のシード資金を調達した。

米国時間7月27日の契約により、Briefは7月31日にサブスクリプションアプリを終了する。同社によると、現在のユーザーに対しては近日中の終了について通知するが、アプリはApp Storeに残り、ユーザーがアーカイブを探索できる新機能を提供する予定だ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Twitter買収ニュースアプリ

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

SmartNewsの新型コロナ「ワクチンアラーム」日本で提供開始から1週間でユーザー数100万人を突破

SmartNewsのアプリのワクチン警告とマップ機能(画像クレジット:SmartNews)

SmartNews(スマートニュース)は、日本のユーザーが近くの新型コロナワクチンの予約先を探すためのツールが、提供開始からわずか1週間で100万人以上のユーザーを獲得したと発表した。ニュースアプリのユニコーンであるSmartNewsが日本のアプリに「ワクチンアラーム」と「ワクチンマップ」機能を設けることを決めたのは、多くの人々がワクチンの展開スピードに不満を抱いているからだ。ワクチン接種が格段に進んでいる米国では、SmartNewsは米国時間4月22日に郵便番号で予約を検索できる機能をリリースしたばかりだ。

SmartNewsは、日米合わせて2000万人以上の月間アクティブユーザー(MAU)を抱えている。

日本テレビの世論調査によると、日本人の7割以上がワクチンの普及が遅れていることに不満を持っている。SmartNewsが2021年4月上旬に65歳から79歳までの900人を対象に行った調査によると、9割以上の人が「いつどこで、どのようにしてワクチンを接種できるのか」という情報が不十分だと感じていることが明らかになった。課題としては、ワクチン予約情報の一元化されたポータルがないため、地方自治体や医療機関に問い合わせが殺到したことが挙げられた。

SmartNewsの米国版アプリのワクチン発見機能のスクリーンショット

そこでSmartNewsは、全国1741の市区町村が発表した情報を集約して「ワクチンアラーム」と「ワクチンマップ」を作成した。「ワクチンアラーム」では、ユーザーの居住地、年齢、職業、健康状態などから、予防接種の対象となる時期の目安を知ることができる。「ワクチンマップ」では、約3万7000施設のデータを組み合わせ、自分の近くの予約可能な場所を確認したり、かかりつけの医療機関が予約を開始した際に通知を受けることができる。

これらの機能は日本で高齢者の予防接種が始まった4月12日の翌日、日本時間4月13日にリリースされ、1週間後には利用者数が100万人以上に達した。SmartNewsが同国内で最も人気のあるニュースアグリゲーターアプリの1つであることに加え、新機能が大手テレビ局のテレビ朝日で取り上げられたことも助けになった。

同社の担当者がTechCrunchに語ったところによると、ワクチン機能に登録した人々の多くはすでにSmartNewsのユーザーだったが、それらのユーザーがワクチン接種の予約情報を友人や家族と共有することで新たなダウンロードが発生したという。

関連記事:スマートニュースの浜本階生氏が米国におけるメディア分極化への取り組みについて語る

カテゴリー:ネットサービス
タグ:SmartNews日本新型コロナウイルスワクチンニュースアプリ

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(文:Catherine Shu、翻訳:Aya Nakazato)

地域の話題に注目してDAU1200万人、人気ニュースアプリ「News Break」が120億円調達

人気ニュースアプリ「News Break」が、新たに1億1500万ドル(約119億5000万円)の資金調達を行ったと発表した。

プレスリリースでは、このラウンドによってNews Breakは「2021年の最初の新しいユニコーンの1つ」になると主張しているが、同社は実際の評価額を公表することを辞退している。

創業者でCEOのJeff Zheng(ジェフ・ジェン)氏は、2015年に同社を立ち上げた際には、地域ニュースに特化することで他のニュースアグリゲーションアプリとの差別化を図り、「これらのローカルコンテンツのクリエイターを支援、あるいは彼らに力を与える」ことが目標だったと語っていた。

誤解のないようにいうと、News Breakでは他のニュースアプリで見られる似たような記事を見つけることもできる(たとえば新型コロナウイルスのニュースのためのセクションがあり、米国議会議事堂での暴動の翌日には、事件について多くの見出しが表示された)が、ユーザーのいる場所に基づいて特別に強調された記事もたくさんある。

「テクノロジーは当社のあらゆる側面に編み込まれています。地方の出版業者やローカルジャーナリストがより効果的にコンテンツを生成し、より効果的にオンラインのオーディエンスにリーチできるように、彼らに力を与える方法においても」とジェン氏は語る。「我々のAIツールは、ユーザーにとって関連性のある記事を提供するのに役立ちます【略】あなたが最も興味を持っている話題と位置情報のプロファイルをもとに、基本的にコンテンツとマッチするからです」。

ジェフ・ジェン氏(画像クレジット:News Break)

ジェン氏がいうには、地域ニュースに対する「強いユーザーの需要」はあるが、「供給は弱い」とのこと。地方ニュースビジネスが直面しているより広範な経済的課題(未訳記事)を考えると、そこに焦点を当てることの価値はますます高まっているかもしれない。そして、News Breakにとってこの戦略は成果を上げているようで、同アプリはAppleの米国App Storeのニュースカテゴリで複数回トップの座を獲得しており(現在は4位)、Google Playでも同様にランキングされている。同社によると、現在、デイリーアクティブユーザー数は1200万人に達しているという。

ジェン氏は、News Breakはすでに出版社と広告収入を共有しているが、同社とのパートナーシップがそれらの出版社に提供する価値は、時間の経過とともに成長するのみであることを期待している、と語った。「我々はできるだけ多くのお金をクリエイターに還元したいと考えています」。

出版社やジャーナリストは、読者にリーチするためにサードパーティのプラットフォームに頼りすぎることに警戒心を抱いているのではないかと指摘すると、ジェン氏は、News Breakのインセンティブは大手のインターネットやソーシャルメディアのプラットフォームとは大きく異なる、と主張した。

「私たちはローカル中心です」と彼はいう。「地方の出版社が苦戦し、新聞が毎年減少していたら遅かれ早かれ廃業に追いやられます」。

ジェン氏は以前、北京のYahoo Labsを率いていたが、中国のニューススタートアップ「Yidian Zixun」の創業者兼CEOでもあった。それに加え、同社は北京と上海にチームメンバーがいる。しかし彼は「デラウェア州で法人化された、マウンテンビューに本社を置く米国のハイテク企業」で、従業員の大半は米国におり、米国市場に焦点を当てていると強調した。米国政府が現在、一部の中国企業を禁止しようとしていることを考えると、News Breakが今後も成長を続けるならば、この区別は重要になるかもしれない。

News Breakは以前、3600万ドル(約37億4000万)の資金調達を行っていた。今回の新規ラウンドは、News Breakの取締役会に加わったFrancisco Partnersが主導した。IDG Capitalも参加している。

Francisco Partners代表のAlan Ni(アラン・ニー)氏は声明で次のように述べている。

当社が最初にNews Break社に注目した理由は、彼らの地域ニュース分野での数年にわたる躍進的な成功です。我々は彼らの使命に鼓舞され、最先端の機械学習とメディアの知識を駆使することにより地域ニュースの配信を21世紀に持ち込むために彼らが行った仕事に非常に感銘を受けています。彼らが地域ニュースのイノベーションを推進する一方で、ニュース以外の隣接するローカル分野にも急速に事業を拡大していく中で、News Breakの才能あるリーダーシップチームとパートナーを組むことができ、大変喜ばしく思います。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:News Break資金調達ニュースアプリ

画像クレジット:News Break

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(翻訳:Nakazato)