OBS経由でZoomビデオ会議に利用可能、PCとウェブカメラだけでVTuber用アバターが使えるシステムが無償公開

ユーザーローカルは1月28日、ウェブカメラの映像を基にPC用ウェブブラウザー上にVTuberで使われるVRMキャラクターを表示する「ユーザーローカルWebcam VTuber」の無償提供を開始した。ソフトウェアをインストールするといったことは必要ない。利用者によるオリジナルVRMモデルのアップロードをサポートするほか、オープンソースソフトウェアの配信ツールOBS(Open Broadcaster Software)やHDMIキャプチャーと組み合わせることで、YouTubeでの配信やZoom通話に利用できる。

Webcam VTuberは、ウェブカメラを搭載したPCのウェブブラウザーで「ユーザーローカルWebcam Tuber」サイトにアクセスするだけで利用可能なサービス。

同サービスでは、AIアルゴリズムによってカメラ映像から利用者の顔の動きやまばたきを読み取り、画面内のVRMキャラクターにリアルタイム反映させる。ハンドトラッキングにも対応しており、腕や手のひら、指の動きを3Dモデルに反映できる。なお、AIによる顔のトラッキングや骨格推定はすべてウェブブラウザー内でのみ行われ、利用者のカメラ映像がインターネット上に送信されることはない。

顔の表情は「笑顔」「困り顔」「怒り顔」などがプリセットされており、画面上の表情アイコンやショートカットキー(1~5の数字)により変更可能。キャラクターアバターも複数モデルに切り替え可能で、利用者によるオリジナルVRMモデルのアップロードにも対応する。

動画配信ツールOBSなどで画面合成して配信したい場合、背景をグリーンバックに変更する必要がある。画面上の操作ボタンは非表示にできる。配信中のキャラクターのサイズ変更は、ショートカットキーとして「i」(ズームイン)、「o」キー(ズームアウト)を利用する。

対応OSは、Windows、Mac(M1以降推奨)、対応ブラウザーはChrome、Firefox。利用マニュアルも同時に配信している。

スマホ専用ブラウザ「Smooz」が広告ブロックなどiOS 11対応アップデート、8500万円の資金調達も実施

モバイルブラウザ「Smooz」を提供するアスツールは9月20日、ファンコミュニケーションズ、およびユーザーローカル代表取締役の伊藤将雄氏らを引受先とする、8500万円の第三者割当増資の実施を発表した。伊藤氏からの出資は2016年8月のシードラウンドでの資金調達に続き、2度目となる。

またアスツールは、iOS 11アップデートに対応したSmoozのバージョンアップも同日発表。App Storeでの配信を開始している。新バージョンでは「広告ブロック」、「かざして検索」などの新機能が追加された。

Smoozはスマホ専用のブラウザアプリ。スマホでの片手操作を念頭に、新規タブをバックグラウンドで読み込み、スワイプで切り替えやタブを閉じることができる独特のタブ操作や、読んでいるページを解析してユーザーが次に検索したいであろう検索語を予測表示する機能、SNSでの反応をワンタップで呼び出せる機能などが備わっている。2016年末にはAppleが選ぶApp Storeの2016年ベストアプリの1つに選ばれた。

新機能の広告ブロックは、Smoozユーザーへのアンケートで最も要望が多かった機能とのこと。iOS 11のコンテンツブロックAPIを利用しており、iOS 11上で動作する。設定をONにすることで、ウェブページ上の広告が表示されなくなる。機能の利用には、月額380円のプレミアムサービスへの加入が必要だが、初月は無料で利用することが可能だ。

また、調べたいものにスマホのカメラをかざすだけで、最適な検索結果を提供する新機能が、かざして検索だ。これまでのSmoozのバージョンでも、QRコードを開く、文字を認識して検索する、撮影した画像に似た画像を検索する、といった機能はあったのだが、今回のバージョンでは、iOS 11のVision Frameworkと呼ばれる機械学習ライブラリを使って被写体を自動的に判別する「自動モード」が搭載された。こちらの機能も利用するにはプレミアムサービスへの加入が必要だが、月10回までは無料で利用できる。

アスツールは、2016年2月に元楽天社員の加藤雄一氏が設立したスタートアップ。2016年9月のSmoozローンチ以来、これまで日本のApp Storeのみでアプリを配信してきたが、Android版の提供やグローバルでの展開も視野に入れているという。今回の調達資金はこれらの展開を見据え、開発チームおよびカスタマーサポートチームの強化に活用していく、としている。

ウェブ解析ツールを手がけるユーザーローカルがマザーズ上場へ

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User Insight」「Social Insight」などの解析ツールや、チャットボットを提供するユーザーローカルは2月23日、東京証券取引所マザーズ市場に新規上場を申請し承認された。上場予定日は3月30日で、証券コードは3984。

ユーザーローカルでは上場にともなって、20万5000株を公募し、20万株を売り出す。ユーザーローカル代表取締役の伊藤将雄氏(15万6000株)、同社取締役の渡邊和行氏(4万株)、同社監査役の中村賀一氏(4000株)が株式を放出する。オーバーアロットメントによる売り出しは6万700株。

公募・売り出し価格の仮条件の決定は3月10日、ブックビルディング期間は3月23日~3月28日。価格の決定日は3月22日。主幹事証券会社は大和証券となっている。

同社の2015年6月期の売上高は5億2082万円、経常利益は2億1581万円、純利益は1億3584万円。2016年6月期の売上高は7億8388万円、経常利益は3億2720万円、純利益は2億0105万円となっている。

ユーザーローカルは2005年9月に有限会社として創業され、2007年8月に株式会社へと組織変更。代表取締役の伊藤将雄氏は「みん就」の愛称で知られる「みんなの就職活動日記」の生みの親だ。学生時代にみん就を立ち上げた後、出版社を経て楽天へ入社。個人で運営していた同サービスを会社化、楽天へ売却した後にユーザーローカルを設立し、複数のツールを展開してきた。

 

解析サービスのユーザーローカル、クリムゾンG、YJ、EVから数億円を調達してAI事業を強化

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ウェブサイトのアクセス解析やビッグデータ解析サービスを提供するユーザーローカルは7月20日、クリムゾングループ、YJキャピタル、East Venturesからの資金調達を実施したことを発表した。詳細な金額は非公開だが、数億円に上るとしている。ユーザーローカルは2015年5月にもYJキャピタル、East Venturesから合計2億6000万円の資金調達を実施している。

ユーザーローカルは2007年に設立して以来、ユーザーのマウスの動きやタップなどをヒートマップで可視化する「User Insight」、ソーシャルメディアのマーケティング分析・管理ツール「Social Insight」、メディア運用者向けに記事コンテンツの分析ツール「Media Insight」などを提供してきた。これらの分析プラットフォームは20万以上のサイトで活用されており、ビジネス面でも「非常に好調に回っている状況」(ユーザーローカル代表取締役社長の伊藤将雄氏)

また同社は5月から人工知能ボットAPIを開発。これはプログラミングを行わなくともSNSの設定だけでLINE、Facebook、Twitter、Slackといった主要サービスにチャットボットを実装できるサービスだ。正式ローンチの時期は明記されていないが、サイトでは事前申し込みを受け付けており、すでに4000人の開発者に提供して、クローズドなテストが進められているという。

今回の資金調達は、この人工知能分野の拡充に向け、ディープラーニングや機械学習インフラの人材の採用を進める予定だ。2015年5月の資金調達以降、同社がさらにこの領域に踏み込むことに決めたと言っても過言ではない。伊藤氏は提供予定のプロダクトは「チャットボットだけではない」としているが、数カ月のうちにもプロダクトの正式ローンチを示唆した。

TechCrunchでは直近にもZEALSがメディア向けに提供するボット開発運用ツール「BOT TREE for MEDIA」などを紹介しているが、ボット用のAIエンジン、チャットのUIを利用したサービス(実は裏側はAIだけでなく、人力だったりすることもあるのだけど)などは国内でもその数を増やしつつあるようだ。

なお今回出資したクリムゾングループは代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏の個人資産管理会社。実は伊藤氏はユーザーローカルの設立以前に事業を楽天に売却した経験がある。そこからの繋がりもあって今回の出資に至っているようだ。