FacebookがZoom対抗のグループビデオチャット「Messenger Rooms」を世界展開へ

Zoomはもともとソーシャルネットワークとなることを目指したアプリではなかった。しかし企業がリモートワークを余儀なくされ、自宅から友人や家族とビデオでいっしょに過ごしたいと考える人々も急増したため、このところZoomの機能にはソーシャルな側面が強まっている。

米国時間5月14日、FacebookはZoomに対抗してスタートさせたソーシャルビデオのMessenger Roomsの公開を世界の全ユーザーに拡大する。 このグループビデオチャットはMessengerと同じく利用は無料、最大50人の参加者をサポートし通話時間は無制限だ。Messengerのビデオ機能の急速な拡大は最近Facebookグループ全体でビデオチャットのトラフィックが巨大化したことを背景にしている。またFacebookが本体とInstagramのホーム画面に「ライブ動画」のセクションを作って積極的にプッシュする成長戦略の一環でもある。

Messenger Roomsはドロップイン(随時参加)のビデオチャットだ。つまりFacebookのメンバーがMessenger Roomを作成すると友達(の一部)はニュースフィードの専用セクションやプッシュ通知で知ることができる。Facebookがこの機能を発表したとき説明していたとおり、今後はInstagramのダイレクトメッセージやWhatsAppやPortalデバイスからも参加し、通話を開始できるようになる。Facebookグループのサービスを横断するソーシャルなビデオチャンネルとなるわけだ。

現時点では、ユーザーはMessengerまたはFacebook本体のアプリから通話を開始することになる。通話先としてはFacebookアカウントを持っていないユーザーを招待することもできる。

FacebookのCEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、最近の決算報告で、「ここ数週間でグループビデオチャットの利用時間は1000%増加した」と語っている。Facebookの本質と画面共有機能がない点を考えると新機能が企業ユースに大きくスケールアップししてZoomのビジネスの中心的部分を奪うことになる可能性は低いだろう。数ヶ月前からショートビデオやビデオチャットは業界でももっともホットな話題となっている。Messenger RoomsはZoomやTikTokなどに流れたビデオ会話を奪い返すための大規模なサービスという性格だと思われる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

新興市場向けInstagram Liteが公開終了、ただし再出発する模様

新興市場向けのInstagramアプリとして2年間公開されてきたInstagram Liteがひっそりと消えた。ケニア、メキシコ、ペルー、フィリピンなど、Instagram Liteアプリが公開されていた国で以前はGoogle Play Storeの上位にランクインしていたが、4月13日にはチャートから姿を消した。Instagram Liteアプリを使うと「Instagram Liteのサポートは終了しました」というメッセージが表示され、通常のInstagramアプリが案内される。

Android系ニュースサイトのAndroid Policeが、最初にInstagram Liteの終了を報じた。その後、TechCrunchではInstagramの親会社であるFacebookに詳細を確認していた。

Facebookの広報担当者は「我々はInstagram Liteアプリのテストを縮小している。Instagramの最新バージョンで、お気に入りの人々や物事とつながることができる」と述べた。

Instagram Liteは、2018年に特に発表などはされずにGoogle Play Storeに登場した。「Lite」と名乗るほかのアプリと同様に、Instagram Liteの目的はモバイルデバイスのストレージ容量をあまり消費しないようにアプリの容量を減らすことだった。これは特に、容量の懸念がある新興市場のユーザーへの配慮のためだ。Instagram Liteアプリの公開時の容量は573KBで、32MBのInstagramアプリのおよそ55分の1だった。

スリムなInstagram Liteアプリでは、Instagramと同じように写真を選んでフィードやストーリーに投稿したり、Exploreページでコンテンツを見たりすることができた。ただし、ビデオを投稿したり友達にダイレクトメッセージを送ったりする機能はなかった。

2018年6月28日に、Instagram Liteは初めてメキシコで配信された。メキシコが同アプリの全インストール数の62%と過半数を占めている。アプリ調査会社のSensor TowerがTechCrunchに共有したデータによると、これまでにメキシコでInstagram Liteはおよそ440万回ダウンロードされた。2番目に大きい市場はフィリピンで全インストール数の14%、さらにケニアが12.5%、ペルーが12%と続く。

これらの国では「Lite」アプリの需要が高いため、Instagram LiteはGoogle Play Storeの上位にランクインすることができた。ケニアではGoogle Play Storeの「ソーシャル」カテゴリーの8位、ペルーでは12位、メキシコでは15位、フィリピンでは22位になった。

4月15日までにInstagram Liteアプリはすべてのランキングから消え、同社はこれらの国でアプリを削除したことを認めた。

アップデートの計画があるときにアプリが完全に引き上げられることは珍しいが、FacebookはInstagram Liteを準備中であるとTechCrunchは見ている。

このアプリはずっと「テスト」と位置づけられていたが、同社はこれまでに学んだことを生かしてInstagram Liteの新バージョンを開発する計画だ。いつ公開されるかは不明だが、新バージョンは現在作成されている。

Facebookは、Instagram Liteのほかにも「Lite」アプリをいくつか提供している。2015年にはFacebook Lite、2016年にはMessenger Liteを公開した。Uber、Tinder、Spotify、Twitterなどの大手テック企業も新興市場向けに「Lite」版などと呼ばれるアプリを提供している。Googleは「Go」というブランドで展開している。

しかし多くの「Lite」アプリとは異なり、Instagram Liteはこのアプリのターゲットと考えられる規模の大きな新興市場にはまだ提供されていなかった。例えばインド、インドネシア、ブラジルなどだ。しかしこれは今後変更される可能性がある。

当面、LiteユーザーにはメインのInstagramアプリが案内される。あるいはスマートフォンからウェブでInstagramを利用することもできる。

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(翻訳:Kaori Koyama)

PTSDになったFacebookのコンテンツモデレーターに補償金総額約56億円が支払われる

Facebookは、仕事が原因で精神疾患になった現在と過去のコンテンツモデレーターに5200万ドル(約56億円)の補償金を支払うことで原則合意した。

The Vergeの米国時間5月12日の記事によると、この和解はこのソーシャルメディアプラットホーム上でコンテンツの調整に関わっていた間に、うつ病や薬物アルコール等依存症などの精神疾患に罹患した1万1000名あまりのコンテンツモデレーターを対象とする。

実は、この調査の契機となったのがThe Vergeだ。同メディアのシリコンバレー担当エディターであるCasey Newton(ケイシー・ニュートン)氏が、Facebookのコンテンツモデレーターはアウトソーシングの大手のCognizantによりフェニックスタンパで雇われ、ヘイトスピーチや殺人、自殺などの凄惨なコンテンツにさらされていると報じた。

Facebookは数千人のコンテンツモデレーターを雇って、大量のポストや画像など同サイトに投稿されるコンテンツをふるいにかけている。ほかのユーザーがルール違反の懸念のあるコンテンツを知らせてきたら、それをコンテンツモデレーターがレビューして採否を決めることが多い。

以前コンテンツモデレーターだったSelena Scola(セレーナ・スコラ)氏によると、彼女は心的外傷後ストレス障害(PTSD)になり、Facebookを訴えて現在と過去のモデレーターのための診断と治療事業のためのファンドを立ち上げるよう求めた。Cognizantは、The Vergeによる調査のあとコンテンツモデレーターの市場から完全に撤退した

予備的和解は、2015年以降のアリゾナ、カリフォルニア、フロリダ、およびテキサスの各州のモデレーターが対象になり、一人当たり少なくとも1000ドルを受け取る。個々の被害補償額としては、最大5万ドル(約536万円)が支払われる。この訴訟を統括しているカリフォルニアの裁判所は、最終結審を今年の終わりごろ行う予定だ。

FacebookのスポークスパーソンはTechCrunchに対し「この重要な仕事を通じてFacebookをみんなにとって安全な環境にしてくれた人々に感謝する。私たちは今回および今後の和解を通じて、彼らにさらなる支援を提供したい」と語った。

あなたまたは誰かが助けを必要としている場合は1-800-273-8255、全米自殺予防支援電話に電話を。あるいは無料のテキストライン741-741、Crisis Text LineにHOMEとテキストを。米国以外では、国際自殺予防協会のデータベースをまず調べよう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Facebookとの関係をなかなか断ち切れないユーザーの苦悩

Haje Jan Kamps(ヘイジ・ジャン・キャンプス)氏は、数年前にTechCrunchのライターとして活躍し、その後、Konf(カンフ)というバーチャル会議プラットフォームを立ち上げた、起業家であり写真家でありジャーナリストだ。先日、私は彼に連絡をとり、新型コロナウイルス(COVID-19)蔓延している現在の仕事や生活について話を聞いた。しかし話の内容は、ソーシャルネットワーク、メッセージ、ライブストリームの各プラットフォームで行動が記録され、このパンデミックの間も多くのユーザーが使い続けそうな気配があるFacebookのことで長々と盛り上がった。

そして、もともとは大学生専用のSNSだったFacebookが、2006年ごろに13歳以上で有効な電子メールアドレスを持つ人なら誰でも参加できるようになったときからFacebookを使っているキャンプ氏に寸評というかたちで意見を聞いた。

以下はあくまで彼の私的見解だが、世界中で友だちや家族と離れ離れになっている数多くのFacebookユーザーが、その巨大ハイテク企業との関係を深めるほどに、その成長の勢いを助長している現実への苦悩を裏付けている。

なおキャンプス氏の言葉は、字数の調整と明瞭化のために、多少編集してある。


私はこれまで何度もFacebookとの関係を絶ってきた。なぜなら、それはあまりにも多く、あまりにも頻繁に人のアルゴリズムを変更するために、ときどき本当にうんざりさせられるからだ。だから私はマウスカーソルを使って、しばらくの間そこから抜け出るほうに投票する。そしてまた戻ってくる。すると、たくさんの友だちが新しいことや何やらをやっている。

私は、友だちの人生が更新されるのはいいと思う。だが、世界の重荷を自分で背負いたいとまでは思わない。私は少し前、自分の気持ちを楽にしたくてニュースを読むのを意識的に止めた。もしそれがFacebookの裏口から入り込むようなことがあれば「いらねーよ」と言ってやる。

今朝、ちょっとした出来事があった。目が覚めて少し寝坊したけど、Facebookを見ると私の友だちがライブ配信をしていた。人々を少しだけ励まそうと考えたようだ。彼女はウクレレを引いて15分ほど歌っていた。20人ぐらいの友だちが見ていたが、彼女は「みんなにとって良い日でありますように」みたいなことを言っていた。みんなが自宅隔離を要請される以前は、そんなことを言う人じゃなかった。

たくさんのグループが登場している。古いグループの活動再開も見られる。私も、Human Awareness Institute(ヒューマン・アウェアネス・インスティテュート、人間性を覚醒させるワークショップ)でひとつ始めてみた。そこには、大規模なグループでの共有というコンセプトがある。基本的に、大勢の人の前に立って真実の、心がこもった、自分と密接な事柄を話すというものだ。ワークショップはすべて中止せざるを得なかったが、反対にデジタル版でもみずみずしく美しい連帯感が得られることがわかった。みんなは支えがほしくてそこへ飛び込んでくるわけだが、私の話に寄せられた大量のコメントには、Facebookが長い間失ってきたものが感じられた。

実にわかりやすいと思うが、私の一番大きな気付きは、Facebookは単なるツールに過ぎず、どのツールを使うか、それで何をするかは自分で決めなければならないということだ。そこを、喜びやクリエイティブな活動を広めるための場所だと自分で決めれば、そして他の人たちがそうしているのを見た私がとてもいい気分になれたなら、私も同じようにするかもしれない。

私とFacebookとの間には愛憎がある。何週間も、ときには何カ月もサインインしないときがある。インターネットと、そこで得られる情報には大変に感謝しているが、米国では基本的な原典批評すらまったく教えられていないようだ。つまり、インターネットで何かを読んだとき、それが真実かどうか判断できるかどうかだ。私が育ったノルウェーでは、歴史の時間に原典そのものを批評することを教わる。「これは信頼できる情報源か?」「『勝者のが書いた記録』ではないのか?」「どのように情報源をつなぎ合わせれば、現実に起こったことを心地いい話にできるか?」と問われる。

フェイクニュースがなんとなく支配権を持つようになった事実に、私は恐れを抱いている。先日のヨガの教室でのことだ。ヨガの先生が小さなスプレーボトルを持ってきて(マットをきれいにするためのものだ)こう言った。「この中にはエッセンシャルオイルが入っています。手やマットや顔にも使えます。食用なので飲んでも大丈夫です」と。これって「食用だったらウイルスには効くわけねーよな」みたいな。たしかに、エッセンシャルオイルの中には一部のウイルスに有効なものもあるだろう。私はわからない。だが、消毒剤が発明されたのには相応の理由があるのだ。

人は、自分が信じたいものには幻想を抱き、それを肯定する言葉だけが聞こえる場所に身を置きたがる。ワクチン忌避運動もそのひとつだ。ほかにも馬鹿らしいニュースが世間には山ほどある。今の社会状況を真剣に知りたいと思えば、私ならBBCやニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストのようなしっかりとした報道機関に頼る。なぜなら、公表されているものは実際にある程度の分別のある内容かどうかを検証する仕組みを彼らは内部に持っているからだ。

インターネットでそれをやるのは、かなり難しい。現在は、これまでになく大量の情報にあふれている。望むならば、もっとも優れた情報が手に入る。医療専門サイトで新型コロナウイルスに関する記事を読むこともできる。だが、絶対に100%捏造でありながら、人々が真実だと思い込んでいるニュースも大量にある。私ならこう言う。「寄ってたかって馬鹿ばっかりなのか、ただそう信じたいだけのどちらからだ」とね。

Facebookが真実を見極めるを監視人になるべきかどうかについて、私は特に意見を持っていない。しかし、偽情報がいとも簡単にシェアされ拡散してしまう事実は、大規模なパンデミックが続く中で、何ひとついいことはない。

“新型コロナウイルス

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

FacebookとInstagramに搭載された新型コロナと戦う地域事業者を応援する新機能とは?

新型コロナウイルス(COVID-19)と戦っている地域事業者を支援できる機能をFacebookが発表した。ユーザーが地域のスモールビジネスを登録すると、常にセールやお知らせなどを含む最新情報を得ることができる。

画像:Muhammed Selim Korkutata/Anadolu Agency/Getty Images(画像は編集されている)

FacebookがリリースしたBusinesses Nearbyでは、一定の距離内(1.6kmから800kmまでの任意の距離を選択できる)のスモールビジネスの最新の情報を見ることができる。これには現在の営業時間、注文や配達ができる場合にはその方法などが含まれ、こちらからメッセージを送ることが可能だ(Japan編集部注:日本ではまだ全ユーザーに公開されていない)。

Facebookはブログで「これはメンバーが日常必須なプロダクトをすぐに見つけることができるようにするための方法」だとしている。同時にビジネス側で物理的店舗を休業していてもオンラインで営業を続けるために役立てることができるとして「クラウドに移行することでバーチャルな来客を確保することできる」と述べている。

Facebook Businesses Nearby

Image Credits: Facebook

さらに、Instagramでは「Support Small Business」というステッカー、Facebookでは「#SupportSmallBusiness」というハッシュタグが用意され、ユーザーは地域のビジネスへの支援を表明できる。ステッカーを使用して投稿すると、フォローしているアカウントで同じステッカーを利用した投稿とともにInstagramの共有ストーリーに追加される。Facebookの場合は投稿に選択した企業名のハッシュタグを「支援中」として含めることができる。

また、FacebookはMessengerアプリにビジネス用受信トレイを追加し、地域ビジネスと顧客とのコミュニケーションを容易にしようとしている。地域の店舗はFacebookページに投稿された質問に対してMessengerを使って素早く回答できるようになる。またFacebookページの新型コロナウイルス関連の投稿にそれを示すタグをつけられるようになった。

Instagram stickers

Image Credits: Facebook

Facebookによれば、Facebookアプリ、Instagramアプリの双方でスモールビジネス向けに新型コロナウイルス関連の有用な情報や対処のためのツール、各種のヒントが提供される予定だ。FacebookアプリのショートカットまたはInstagramのビジネスプロフィールを介してこの情報にアクセスできる。

これらのアップデートは新型コロナウイルスに関連してFacebookが3月に発表したスモールビジネス向けの107億円の助成プログラム営業時間などの臨時の変更を簡単に周知する新機能の提供に引き続くものだ新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Facebookも巨額出資するJio、新型コロナ症状チェッカーの結果を漏洩

新型コロナウイルスの流行が始まって以来、政府や企業はユーザーがCOVID-19の症状を特定するのに役立つアプリやウェブサイトの開発に取り組んでいる。

Reliance(リライアンス)の子会社でインド最大のセルネットワークであるJio(ジオ)は、コロナウイルスのさらなる拡散を防ぐためにインド政府が実行した全国的なロックダウンの直前に、コロナウイルス自己診断プログラムを3月下旬にローンチした。この症状チェッカーを使用すると、スマートフォンやJioのウェブサイトから症状をチェックして詩自分が新型コロナに感染していないかどうかを確認できる。

しかし、セキュリティの欠落により症状チェッカーのコアデータベースの1つがパスワードなしでインターネット上に公開された事実をTechCrunchが発見した。

Jioの新型コロナ症状チェッカー

Jioによる新型コロナウイルス感染症の症状チェッカー。データベースの1つがユーザーの回答を公開してしまった

セキュリティ研究者のAnurag Sen(アヌラグ・セン)氏は、データベースが最初に露出された直後の5月1日にそのデータベースを発見し、Jioに通知するようTechCrunchに報告した。JioはTechCrunchが連絡をとった後すぐにシステムをオフラインにしたが、他の誰かがデータベースにアクセスしたか否かは不明である。

「弊社は直ちに行動を起こしました」とJioの広報担当者Tushar Pania(トゥーシャー・パニア)氏は話す。「ロギングサーバーは、ウェブサイトのパフォーマンスを監視するためのものであり、COVID-19の症状があるかどうかを確認するためにセルフチェックを行う人々の限定的な目的のためのものでした」。

データベースには、4月17日からデータベースがオフラインになるまでの間の数百万件のログと記録が含まれている。サーバーにはウェブサイトのエラーやその他のシステムメッセージの実行ログが含まれていたが、ユーザーが生成した膨大な数のセルフテストデータも取り込まれていた。各セルフテストはデータベースに記録され、「自分」か親戚か、年齢、性別など、テストを受けたユーザーの記録が含まれていた。

このデータには、ユーザーのブラウザーバージョンやOSに関する断片的情報である個人のユーザーエージェントも含まれていた。ユーザーエージェントは通常ウェブサイトを正常にロードするために使用されるが、ユーザーのオンラインアクティビティの追跡にも使用できるものだ。

ユーザーは登録してプロファイルを作成することにより症状を長期にわたって更新できる仕組みだが、データベースには登録されたこれらのユーザーの個人の記録も含まれている。これらの記録には、ユーザーが抱えている症状、接触した人、健康状態など、症状チェッカーによって尋ねられた各質問に対する回答が含まれている。

一部の記録にはユーザーの正確な位置情報も含まれるが、この情報が記録されるのはユーザーが症状チェッカーにブラウザーまたはスマートフォンの位置データへのアクセスを許可した場合に限定される。

以下に編集を加えたものを掲載する。

露出したデータベースの編集版

露出したデータベースの編集版

我々が入手したデータのサンプル1つから、インド全国の何千人ものユーザーの正確な地理位置情報が見つかった。TechCrunchはデータベースにある緯度と経度の記録を使用して、人々の家を識別することさえできた。

ほとんどの位置データはムンバイやプネーなどインドの主要都市に集中しているものの、TechCrunchはイギリスと北米のユーザーも見つけている。

インドの電気通信大手にとって今回の露出はこの上なく危機的なタイミングだ。先日FacebookはJioのプラットフォームの10%近くの持ち分を取得するために57億ドル(約6100億円)を出資しており、Reliance子会社である同社は約660億ドル(約7兆円)と評価されているのだ。

Jioは我々からのその後の補足質問には答えず、また、症状追跡システムを使用したユーザーにセキュリティの欠落について告知するか否かについても回答することはなかった。

関連記事:Facebookがインド最大の通信事業者Jioに約6100億円を出資

Category:セキュリティ

Tags:Jio 新型コロナウイルス Facebook インド

[原文へ]

(翻訳:Dragonfly)
“新型コロナウイルス

Facebookも巨額出資するJio、新型コロナ症状チェッカーの結果を漏洩

新型コロナウイルスの流行が始まって以来、政府や企業はユーザーがCOVID-19の症状を特定するのに役立つアプリやウェブサイトの開発に取り組んでいる。

Reliance(リライアンス)の子会社でインド最大のセルネットワークであるJio(ジオ)は、コロナウイルスのさらなる拡散を防ぐためにインド政府が実行した全国的なロックダウンの直前に、コロナウイルス自己診断プログラムを3月下旬にローンチした。この症状チェッカーを使用すると、スマートフォンやJioのウェブサイトから症状をチェックして詩自分が新型コロナに感染していないかどうかを確認できる。

しかし、セキュリティの欠落により症状チェッカーのコアデータベースの1つがパスワードなしでインターネット上に公開された事実をTechCrunchが発見した。

Jioの新型コロナ症状チェッカー

Jioによる新型コロナウイルス感染症の症状チェッカー。データベースの1つがユーザーの回答を公開してしまった

セキュリティ研究者のAnurag Sen(アヌラグ・セン)氏は、データベースが最初に露出された直後の5月1日にそのデータベースを発見し、Jioに通知するようTechCrunchに報告した。JioはTechCrunchが連絡をとった後すぐにシステムをオフラインにしたが、他の誰かがデータベースにアクセスしたか否かは不明である。

「弊社は直ちに行動を起こしました」とJioの広報担当者Tushar Pania(トゥーシャー・パニア)氏は話す。「ロギングサーバーは、ウェブサイトのパフォーマンスを監視するためのものであり、COVID-19の症状があるかどうかを確認するためにセルフチェックを行う人々の限定的な目的のためのものでした」。

データベースには、4月17日からデータベースがオフラインになるまでの間の数百万件のログと記録が含まれている。サーバーにはウェブサイトのエラーやその他のシステムメッセージの実行ログが含まれていたが、ユーザーが生成した膨大な数のセルフテストデータも取り込まれていた。各セルフテストはデータベースに記録され、「自分」か親戚か、年齢、性別など、テストを受けたユーザーの記録が含まれていた。

このデータには、ユーザーのブラウザーバージョンやOSに関する断片的情報である個人のユーザーエージェントも含まれていた。ユーザーエージェントは通常ウェブサイトを正常にロードするために使用されるが、ユーザーのオンラインアクティビティの追跡にも使用できるものだ。

ユーザーは登録してプロファイルを作成することにより症状を長期にわたって更新できる仕組みだが、データベースには登録されたこれらのユーザーの個人の記録も含まれている。これらの記録には、ユーザーが抱えている症状、接触した人、健康状態など、症状チェッカーによって尋ねられた各質問に対する回答が含まれている。

一部の記録にはユーザーの正確な位置情報も含まれるが、この情報が記録されるのはユーザーが症状チェッカーにブラウザーまたはスマートフォンの位置データへのアクセスを許可した場合に限定される。

以下に編集を加えたものを掲載する。

露出したデータベースの編集版

露出したデータベースの編集版

我々が入手したデータのサンプル1つから、インド全国の何千人ものユーザーの正確な地理位置情報が見つかった。TechCrunchはデータベースにある緯度と経度の記録を使用して、人々の家を識別することさえできた。

ほとんどの位置データはムンバイやプネーなどインドの主要都市に集中しているものの、TechCrunchはイギリスと北米のユーザーも見つけている。

インドの電気通信大手にとって今回の露出はこの上なく危機的なタイミングだ。先日FacebookはJioのプラットフォームの10%近くの持ち分を取得するために57億ドル(約6100億円)を出資しており、Reliance子会社である同社は約660億ドル(約7兆円)と評価されているのだ。

Jioは我々からのその後の補足質問には答えず、また、症状追跡システムを使用したユーザーにセキュリティの欠落について告知するか否かについても回答することはなかった。

関連記事:Facebookがインド最大の通信事業者Jioに約6100億円を出資

Category:セキュリティ

Tags:Jio 新型コロナウイルス Facebook インド

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(翻訳:Dragonfly)
“新型コロナウイルス