今年で15歳になるBlack Duck Softwareは、オープンソースソフトウェアを利用する企業が行うべき、コンプライアンス問題などのチェックや管理を代行して、それらの安全な利用を担保する。その同社を今日、半導体設計ソフトを作っている上場企業Synopsysが買収した。
その最終合意によると、社歴31年のSynopsysが約5億6500万ドルを払う。Black Duckのバランスシート(負債額)を引くとキャッシュの額は5億4800万ドルとなる。
さらにSynopsysによると、そのほかにBlack Duckの社員たちの未確定株式がいくらかある。
すべて、現金取引である。
来月完了すると予想されるこの契約は、エンタープライズにおけるソフトウェアの購入やデプロイの変化を反映している。すなわち近年では、変化に対してオープンでフリーに採用できるソフトウェアがもはや例外扱いされず、エンタープライズのルールの枠内で扱われるようになった。しかもオープンソースのソフトウェアは、今日のアプリケーションのコードの60%あまりを占めている。そこでBlack Duckの技術と蓄積したノウハウはおそらく、Synopsysのソフトウェア開発のライフサイクルにおいてセキュリティと品質試験のレベルをアップし、同社の顧客のリスク軽減に寄与することになる。
Black Duckは、Synopsysの今年初めての買収のようだ。ただし同社は1月に、オランダのソフトウェア企業Forcheckの一部資産を買い上げている。Forcheck社の‘For’はFortranの意味であり、同社はFortranで書かれたアプリケーションの欠陥や異状を検出する静的分析ツールを作っている。
Synopsysの時価総額は130億ドルと大きく、一般的にはあまり買収に依存せずにすむレベルだろう。同社の近年の買収履歴は、Crunchbaseのこのページに載っている。
マサチューセッツ州バーリントンのBlack Duckはこれまで、Crunchbaseによれば7550万ドルを調達している。その投資家は、Fidelity Ventures, Focus Ventures, Gold Hill Capital, Split Rock Partners, General Catalyst Partners, next47(Siemensのベンチャー部門), そしてFlagship Pioneeringなどだ。