Googleの無人ドローンによる自動配達プロジェクトProject Wingが第一段階のテストを完了

Googleの実験的部門Google Xの、ドローンを使った無人配達のプロジェクトProject Wingが今日(米国時間6/7)、その取り組みの重要なアップデートを一般に共有した。同社は、無人航空機システム(Unmanned Aircraft Systems, UAS)の航行管理に関する、FAAとNASAが制定した一連のテストを完了した。それは、人間操縦者のいない機がある地点まで到達して、荷物やそのほかの品物を、大規模に自動化されているネットワークの一部として配達できるために、欠かせない要件だ。

Project Wingは、未来のための準備だ。その未来には、同社やそのほかの企業が、数千機から成るドローンの編隊を運用し、荷物の配達などの機能を実行している。そしてその飛行は、建物や悪天候やそのほかのUASに遭遇する環境で安全にインテリジェントに行われる。さまざまな要素が楽器のように加わるその交響曲は、有能な指揮者を要するが、バージニア工科大学のテストサイトで火曜日(米国時間6/6)にWingが行ったテストは、まさにその存在を示した。一人の地上操縦士が3台のWingドローンを同時にコントロールし、それぞれに、別々の集荷と配達ミッションをやらせた。そしてそのとき、同じ空域に、Intelのドローン2機とDJI Inspire 1機を飛ばせて、全員が同時に航行した。

そのデモでは、Wingの航行管理プラットホームが実際の野外環境で、それら全機の航路を自動的に計算把握し、それらを避ける自分の航路を飛行中にリアルタイムで見つけていった。このプラットホームを作るときとくに力を入れたのが、同じ空域を複数のドローンが飛んでいるときの航路計画、リモートの操縦者やその空域の各種警報によって予期せぬ変化が起きたときの通知と対応、そして山火事などの事変に対応する自動的な航路修正だった。

次は、もっと多い台数による同時飛行と、もっと複雑な環境に挑戦する。今回のテストは、あたりにほとんど何もない、都市部の複雑過密な空域とは大違いの環境で行われた。まだまだ初期的なテストだが、自動化ドローンによる自動配達の実現のためには絶対に必要な過程だ。規制当局を満足させ、都市の住民の安全を確保するためには。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

無人航空機によるインターネットアクセスの研究開発は挫折、GoogleはTitanのチームをProjects LoonとWingに移動

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GoogleがTitan Aerospaceを2014年4月に買収したとき、同社はその成功を確信していた。その高空を飛ぶドローンは同社にさまざまな可能性を提供し、中でも文明の恩恵に浴さない遠隔地に気球を利用して低費用でインターネットアクセスを提供するProject Loonをさらに拡張できる、と期待された。

そのUAV(unmanned aerial vehicle, 無人航空機)メーカーは、同じ時期にFacebookもねらっていたと言われるが、Googleにとっては、高品質なリアルタイムの画像をGoogle Mapsに提供して、災害救助などを助ける可能性もある、と同社は当時語っていた。

2015年の初めに、GoogleのトップSundar Pichaiは、その年の後半にTitanの最初のテスト飛行を行う、と発表した。同社のTitan部門はその後、Google/Alphabetの傘下となり、多少の異動もあったが、最終的には同社の実験部門であるGoogle Xに行き着いた。Xの仕事は、まだ誰も手を付けていない未踏の分野*の探究(例: 不老長寿)である、とされている。〔*: 英語ではmoonshot(s)だが、日本語の適訳がない。〕

しかし9to5Googleの最新の記事によれば、Titan部門は閉鎖され、その社員はProjects LoonやWingなど、ほかの部門へ移る。Wingは、ドローンによる配達を研究開発しているチームだ。

Titanの閉鎖について同社は、TitanをXに移してから比較的すぐに、ドローンによるインターネットアクセス提供サービスの探究は取り下げられ、すでに成功していた気球を用いるProject Loonに統合されていた、という。

この件に関してXの担当者は、本誌TechCrunchに次のような声明文をくれた:

Titanのチームは2015年にXに統合された。それからしばらく後(のち)に、弊社における、高高度UAVによるインターネットアクセスの探究は終了した。それとは対照的に当時は、Project Loonの経済的および技術的フィジビリティの方がはるかに有望と思われ、実際に世界の僻地にインターネット接続を供給できると考えられた。Titanチームからは多くの人びとが、今ではLoonやProject Wingなどの高高度飛行プロジェクトに出向して、その専門的知識や経験を役立てている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))