Amazon(アマゾン)とWalmart(ウォルマート)が所有するFlipkart(フリップカート)は、インドの小売市場での存在感を確立し、最近の規制上のハードルをの乗り越えるために数十億ドル(数千億円)を投下した。しかしそれに加えて両社は、アジアで最も裕福な男性であるMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏からの新しい挑戦を受けることになった。
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アンバニ氏がCEOを務めるReliance Industries(リライアンス・インダストリーズ)の2つの子会社であるReliance RetailとReliance Jio社は、JioMartをソフトローンチしたことを発表した。これはインドのマハーラシュトラ州の一部であるナビムンバイ、カリヤーン、ターネー近隣の店舗と密接に連携するeコマースベンチャーだ。
ヒンディー語で「新店舗」を意味する「Desh Ki Nayi Dukaan」(デシュ・キ・ナイ・ドゥカーン)としてマーケティングが行われているこのeコマースベンチャーは、現在5万点の取り扱い食料品と「無料迅速配達」を売りにしている。
Reliance Jioの顧客へのメールの中で、前述の2つの子会社がeコマースベンチャーを立ち上げようとしていることや、この先数カ月のうちにサービスをインドの多くの場所に展開する計画であることを伝えている。このジョイントベンチャーはまたはJioの有料会員に対して、初期特典にアクセスできるようにJioMartにサインアップするよう呼びかけている。Relianceの広報担当者は、これ以上の情報提供は拒んでいる。
今週のソフトローンチは、インド最大の企業グループであるReliance Industriesを経営するアンバニ氏が、全国の膨大な数の小売業者と店舗経営者たちにサービスを提供したいと発言した数カ月後に実現したものだ。
もしインドに、強大なアマゾンやウォルマートと競争できる立場にいる人物がいるとするなら、それは彼をおいて他にいない。2006年創業のReliance Retailは、インド国内最大の売上を持つ小売業者だ。6500拠点以上のインドの都市と町にある、約1万軒の実店舗を通して、毎週350万人以上の顧客にサービスを提供している。
そしてReliance Jioは、3億5000万人以上の加入者を持つインド最大の通信事業者である。この2016年下半期に商用運用を開始した4G専用通信事業者は、長期間にわたって大量のデータ通信および音声通話を低額もしくは無料で提供することで、国内の既存の通信事業たちを大いに悩ませてきた。
1月に行ったスピーチで、インドのNarendra Modi(ナレンドラ・モディ)首相の盟友であるアンバニ氏は、マハトマ・ガンジー氏を引用し、政治的植民地化への反対運動を指導したガンジー氏のように「データ植民地化への新しい反対運動をまとめ上げる必要があります。インドがこのデータ主導革命で成功するには、インドのデータのコントロールと所有権をインドに戻す必要があるのです。言い換えるなら、インド人の富をすべてのインド人に取り戻す必要があるのです」と語った。その聴衆の中に、アマゾンとFlipkartに影響を与える規制を発表したばかりの、政府の責任者であるモディ首相がいたのだ。
eコマースがインドの小売売上高全体で占める割合は、まだまだ小さなものだ。調査会社Technopak Advisorsは、インドの小売市場は昨年の約790億ドル(約8兆6000億円)から今後4年間で1880億ドル(約20兆円)に成長すると予想している。
Amazon IndiaのマネージャーであるAmit Agarwal(アミット・アガルワル)氏は、今年初めのインタビューで「心に留めておくべきことは、eコマースはインドの小売消費全体の非常に小さな部分だということで、おそらく3%未満です」と述べている。
彼らのビジネスをインド人にアピールするために、AmazonとFlipkartの両社 はサービスを拡大し、新しいビジネスに参入した。どちらのプラットフォームも食品小売に取り組んでいる。Amazonは、インドで2番目に大きい小売チェーンFuture RetailのFuture Couponsや、インドのスーパーマーケットチェーンのMore、そしてデパートチェーンであるShopper’s Stopといった、インドの多くの小売業者の株式を買い集めている。
Flipkart は、ShadowFaxやNinjacartなどの、多くの物流スタートアップに投資している。またAmazon Indiaはバンガロールに拠点を置くスタートアップの株式を購入するために、Ninjacartとも協議中であると、この問題に詳しい人々は語っている。
アプローチを受けた多くのショップオーナーたちの証言によれば、直近の四半期に、Reliance Jioの幹部たちが、インドの多くの場所で、ショップオーナーたちと接触し、彼らのPOSマシンを紹介して、JioMartへの参加を勧誘しているということだ。
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(翻訳:sako)