米FCCが多発する新型コロナ関連ロボコールの被害を警告

ロボコールは何年も前から不注意な人々をターゲットにしてきたため、詐欺師たちが現在の世界的な大惨事を利用して活発に詐欺活動を行うことは、驚くに値しない。FCC(連邦通信委員会)は、新型コロナウイルスに関連したロボコールの被害が多数報告されていると警告している。

これまでのロボコール詐欺はIRS(米合衆国内国歳入庁)の罰則で脅かしたり、無料休暇を約束したりしていたのに対して、今回新たに登場した詐欺はパンデミック関連の情報と個人情報の両方を利用して、かなり説得力のある詐欺をしかけるというものだ。FCCに寄せられた一般的な詐欺をいくつか紹介しよう。

  • 検疫や戒厳令に関する警告:何かを注文させようとしているのかもしれないし、あるいは組織的な偽情報キャンペーンの一部なのかもしれない
  • WHOや慈善団体がチャリティーを要求していると称するメッセージ
  • 無料のウイルス検査キットの提供:なかには糖尿病患者を対象としたものもあり、無料の血糖モニターも提供する
  • ウイルスから保護するためのHVAC(空調)のクリーニング、アップグレードなどの提供
  • さまざまな偽製品やウイルス治療薬の販売促進
  • 政府からの小切手を確認するための情報の要求(このような手順はランダムなテキストメッセージでは行われない)

FCCに寄せられた事例投稿には、悪質なHVACのソリューションがどのように発信されているのか気になる場合のために、詐欺のいくつかの例(音声を含む)が掲載されている。

一般的なロボコールのルールとして、不明な番号(特に自宅の市外局番)は危険の兆候だ。メッセージは後でいつでも聞くことができる。もし注文の商品が用意できたという地元業者の連絡や病院予約の通知なら、その旨が伝えられるはずだ。

電話やテキストメッセージ、電子メールで個人情報や支払い情報を求める者は、ほぼ間違いなく詐欺師だ。この情報を安全でない方法で共有する必要はほとんどない。

不明な番号や不審な番号からのテキストメッセージ内のリンクには、絶対に触れないことだ。それらによってウェブ上からハッキングされたり、追跡されたりする可能性がある。

安全を確保しつつ、ロボコール対策を目的とした規制の枠組みが策定されることを期待しよう。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

米国議会に急かされてFCCはロボコール対策技術の実装をキャリアに義務化

通信キャリアに対して、1年間の猶予期間を与えた米国のFCC(連邦通信委員会)がついに本日、米国時間3月7日から、ロボコール排撃技術の実装を彼らに要請する。もちろんFCC自身も、待ちくたびれた議会にせっつかれて、通信キャリアに対する行動を起こさざるをえない。

この技術は「Secure Telephony Identity Revisited / Secure Handling of Asserted information using toKENs」と呼ばれ、幸いにも「STIR/SHAKEN」という略称がある。これは、電話番号の悪用を防ぐための一種の認証局だ。興味のある方は、この技術記事を読んでみよう。

STIR/SHAKENはかなり前から、ロボコール対策の重要なポイントとして頻繁に取り上げられてきた。2018年にFCCの議長であるAjit Pai(アジット・パイ)氏は、通信キャリアは2019年の末までにそれを実装せよと命じている。その2019年が過ぎ、FCCと通信キャリアは他のロボコール対策を導入し、STIR/SHAKENはほとんど忘れ去られていた。

その間、おそらく迷惑電話に悩まされ続けたと思われる議会は超党派で「TRACED Act」を成立させて、FCCとその他の省庁がロボコール対策のアクションを起こせることになった。そしてもちろん、通信キャリアはロボコール排撃サービスの料金を請求できない。

関連記事: ロボコール遮断法案が上院通過、大統領の署名待ちに

また議会は、FCCに対してSTIR/SHAKENの実装期限を設けるよう命じた。現在、パイ氏はそれに応じている。

パイ氏による3月7日の声明では「この重要な技術の全面的な展開を促進するために、FCCのアクションが必要なことは明らかである。ロボコールの根絶に特効薬はないが、しかしこれは 我々がかねてから攻撃していたターゲットにとって致命傷になる」と述べられている。

しかしまだ、みんなが急いでいる気配はない。必要なFCCの票決は3月終わりに予定されていて、音声サービスのプロバイダーはSTIR/SHAKENを2021年の6月までに実装しなければならない。実装が困難と自称している小規模なプロバイダーには、さらに1年間の猶予が与えられる。

ということは、クルーズ船の割引乗船料金とか、税務署からの警告などと称する奇怪な電話は、当分かかってくるということだ。もちろん、自分でできる迷惑電話対策もある。例えばこれらの簡単な工夫は、あなたの精神安定に役立つだろう。

関連記事: How to stop robocalls spamming your phone…ロボコール対策の基礎編(未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ロボコール遮断法案が上院通過、大統領の署名待ちに

大統領弾劾をめぐって両党が激しく対立している中で、米国上院はある法案を超党派で議決した。あとは、大統領が署名すれば法律が成立する。そのTRACED法(Telephone Robocall Abuse Criminal Enforcement Act、電話のロボコール濫用を犯罪とする法律)は、ロボコールが呼び出し音を鳴らす前にキャリアがそれを封ずることを義務付け、特に悪質なものはFCCに捜査権を与える。

下院エネルギーおよび商業委員会の法案共同提案者は:「不法なロボコールを遮断するこの法案を下院が速やかに可決したことは喜ばしい。我々は米国の人びとがこれらのしつこい不法な起呼から解放されるために懸命な努力を行った。この超党派の圧倒的多数で議決された法案に、大統領がきわめて速やかに署名することを期待する」。

関連記事: 米下院と上院が迷惑電話のロボコール対策法案で合意、早急の制定目指す

さまざまなケースが超党派と呼ばれるが、これは本物だ。上院と下院で法案の2つのバージョンが生まれ、どちらも圧倒的多数で議決された。関連する委員会が共同で両案を生かした統一バージョンの法案を作り、その後わずか1カ月でホワイトハウスに渡って大統領の署名を待つことになったのだから、すごいことだ。

法案の要約はここで読めるが、要約すると以下のようになる。

  • ロボコール迷惑行為に対するFCCの出訴期限を延長し、罰金を増額する
  • FCCはスパムコールとスパムテキストから消費者を護るための規則を作る(すでに着手)
  • FCCはロボコール対策に関する年報を作りFCC推奨の法案を作成する
  • 発信者電話番号の詐称を防止するためにSTIR/SHAKENフレームワークの適切なタイムラインを採用する
  • キャリアは上記サービスに課金せず、ありうる過誤を犯すことから自力で自己を遮蔽する
  • 司法長官は犯行者の訴追のために多省庁にまたがる特別調査委員会を召集する
  • 司法省は犯行者を訴追できる。
  • 規則が実効していることを確認するための切り抜き作成や調査を行い、関連団体などからのフィードバックが確実にあるように図る

この特定の問題に具体的にフォーカスしているという意味で、これはいい法案のようだ。余計なものは何もない。早く署名され、早く法律として発効することを望みたい。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米国の電話会社はロボコールを最初から遮断できるようになるかもしれない

FCC(Federal Communications Commission、米国連邦通信委員会)の今の委員たちのやり方は、ネット中立性の問題に見られるように、必ずしも消費者に評判がいいとは言えないが、ロボコールに対する今度のより厳しい規則ですこしファンができるかもしれない。米国時間5月15日朝、委員長のAjit Pai(アジート・パイ)氏は、モバイルのキャリアが好ましくない着信を無条件でブロックできる新しい規則を提案した。

委員長の説明によると、今の規則では多くの電話会社がそのような着信をブロックするツールの合法性に確信を持てないそうだ。

同氏は発表声明の中で「無条件で着信をブロックできるようになると、ロボコールに悩まされていた消費者の大きな利益になる。そのような着信のブロックを明示的に許容することによって、音声サービスのプロバイダーは好ましくない着信を最初からブロックして、消費者にかかってこないようにするために必要な合法性の面での確信を持てる。そして私は、この決定が採用されれば、ロボコールブロックサービスを現在と未来の顧客のためにデフォルトかつ無料で開始するようキャリアたちに積極的に勧奨したい」と述べている。

委員全員による票決は6月6日の会議で行われる。これらのオプションは電話企業がデフォルトで使えるだけでなく、提案ではロボコールを必要とする消費者にはブロックするツールをオプトアウトする能力が与えられるだろう。ロイターによると、好ましくない着信の量は相当大きい。例えばスペインでは、すべての着信のおよそ4分の1がこの分類に当てはまる。ここ米国ではほぼ10%に近い。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

FCC、ロボコール業者に罰金1億2000万ドルを科すも「海をスプーンで空っぽにするようなもの」

このすばらしきスマートホンの世界に電話勧誘がついてこない思った人は想像力に欠けている。ロボコール(自動電話勧誘)は怒濤のごとく増え続け、ある目立った業者に対しFCCが科した1.2億ドルの罰金ですら流れを止められそうにない。

罰金は今日おこなわれたFCCの月例公開会議で発表された。Mr Adrian Abramovichなる人物は3カ月間に1億回以上のロボコールをかけた責任を問われ、この記録的罰金によって破産に追い込まれることはほぼ間違いない。

「われわれの決定は明確なメッセージを発した」とFCCのChairman
Ajit Paiが声明で語った。「FCCは、いたずらやロボコールの規則に違反して消費者に害を与える者たちを積極的に取り締まっていく」。

これだけ聞くと感動的数字に見えるかもしれないが、これは2016年に発信されたロボット通話であり、今や〈先月だけ〉で34億回のロボコールが発信されている。コミッショナーのJessica Rosenworcelはこの罰金を称賛する一方、こうした犯罪がそもそも起きることを防止すべき状況で、個別に罰則を追求することの実利性に疑問を感じている。

「正直なところ、ひとりの悪者を追いかけることはスプーンで海を空っぽにしようとするようなもの」と声明で言った。

Rosenworcelは、ロボコールを防止するために作られた一連の規則が数カ月前に議会で破棄されたこと、FCCに対する20件の嘆願書に対応できていないことなどを指摘した。そしてロボコールを全面的に阻止する技術が1年以上前から推奨されており、カナダでは2019年に実施される予定だが、米国では何も決まっていないという。

こうしたロボコールをいつも受けている一人として、私は今回の罰金やRosenworcelが提案する規則の厳格化を全面的に支持する。早ければはやいほどよい。今これを書いている最中にもかかってきた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook