Googleが3Dプリンターを使って古代遺跡を複製している

3Dプリントの最大のセールスポイントは、これまでの方法では作るのが難しかったオブジェクトを、作れることにある。しかしGoogleと業務用3DプリンターのメーカーStratasysのコラボレーションは、誰もがよく知ってるものを作ろうとしている。

最近GoogleのOpen Heritage Projectに新たに加わったのは、Google Arts and CultureがStratsysの多色プロトタイピングマシンJ750 3Dを使って作った古代遺跡や歴史的建造物の模型だ。その目的は、博物館に行く人や研究者たちに貴重な史跡へのアクセスを与えると同時に、それらを時間の猛威(経年変化)から護ることだ。

Google DesignのテクノロジストBryan Allenが、発表声明の中でこう述べている: “プロジェクトの目的はこれらの文化的遺物を物理的に再現して、博物館に来る人や研究者たちに本物を見る感動と感激を与えることだ。そのために、3Dプリントを使った。3Dプリントも今ではいろんな素材を使えるから、色や質感を本物に近づけ、また細部まで頑丈に作れる”。

チームは3Dスキャナーを使ってオブジェクトや古代遺跡の3Dデザインを作っている。それらはファイルとしてアクセスでき、手元の3Dプリンターでプリントすることもできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ビョークが衣装に3Dプリントマスクを導入予定、日本科学未来館でお披露目も

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歌手のビョーク(Björk)は、今後のライブで着用を予定している大胆なデザインの3Dプリントマスクを共同制作した。MITのMediated Matter研究所やStratasysとのコラボで誕生したマスクは、Rottlaceと呼ばれ、最新の3Dプリント用フィラメントや3Dプリント技術によって、不思議な毛のような質感が表現されている。マスクの製作にあたっては、Mediated Matter研究所のNeri Oxman教授がチームを率いた。

「Neri Oxman教授の作品には、本当に心から感動しました。ついに彼女と一緒に仕事ができるということにも興奮しています」とビョークは語った。「Oxman教授は、3Dプリントを使って繊細で素晴らしい生物的表現を行う、真の意味でのパイオニアです。仕事を通じて彼女のことを知ることができたのもとても嬉しかったです!」

マスクは「ビョークの顔の構造を模倣」しており、彼女の顔の高速3Dスキャンデータや大胆なレンダリングによって、表面の筋肉組織や毛が表現されている。

プレスリリースの中には、「パーツのない全体(whole without parts)」や「調節可能な物理的属性(tunable physical peroperties)」といった奇妙な表現が見られたが、とにかく今回作られたマスクは本当にかっこよくて、普通の方法では作ることができないということがわかる。

今回作られたマスクのひとつは、日本科学未来館で行われたビョークのパフォーマンスでも使用され、Stratasysのマルチマテリアル3Dプリンターで作られました。この製法によって、ある物体の幾何学的に入り組んだ構造上に散らばった、様々な属性の複雑な組合せを表現することが可能となります。今回使われたStratasysのConnex3という技術では、3つの異なる素材の配合を事前に設定することで、幾何学的・構造的・生理学的制約に応じた剛性・不透明性・色を変化させることができるのです。

それぞれのマスクのデザインには、人間の筋骨格系の根底にある、幾何学的・素材的なロジックが勘案されています。ここでの筋骨格系とは具体的に、人間の声をコントロールしている、筋肉や、結合組織、腱、靭帯の複雑な構造を指します。この厚く織り重なったコラーゲン繊維が、筋肉と骨、骨と骨、筋肉と筋肉の繋がりの、機能的な「類型」を形成しているのです。人間の体内で繋がりあったコラーゲンのパーツが、それぞれに作用させ合う力によってその化学的、力学的属性を変化させるように、それぞれのマスクは「パーツのない全体」を成す合成繊維としてデザインされています。さらに各マスクが調節可能な物理的属性を持つことで、マスクの下にある顔の形や動きを再現したり、拡張したり、コントロールすることができます。着用者の顔をもとに「筋肉繊維」として生み出された今回のマスクは、マルチマテリアル構造によって、着用者の顔や首の形状や構造だけでなく動きまで再現することができるのです。

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3Dプリントで作られたこんなに複雑な造形物が、ステージの上で利用されるのは恐らく初めてだろう。さらにそのデザインから、数時間に及ぶライブ中の着脱にも耐えることができるため、その奇妙な(または素晴らしい)姿をライブで見ることができる。また、ビョークはファッションブランドthreeASFOURのPangolinと呼ばれるドレスも着用予定で、こちらはさらに耐久性・柔軟性の高いNano Enhanced Elastomeric Technologyフィラメントが使われている。要するに、ビョークはその革新性を持ってビョークであり続けなければならないのだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Autodesk、オープンソースの3Dプリンティング規格、Sparkを発表―3DプリンターのAndroidを狙う

Autodeskが個人向け3Dプリンティングの分野に本格的に参入する戦略だということは3Dモデリング・ソフトウェアのTinkercadを買収し、アマチュア・モデラーがスマートフォン上で3D作品を作れるアプリをリリースしたことでも明らかになっていた。Autodeskは、こうしたソフトで作った作品を出力できるエコシステムを作ろうと、Sparkと呼ばれる3Dプリンティング・プラットフォームを発表した。

このプロジェクトには2本の柱がある。まず第一にプラットフォームとしてのSparkはユーザーが3Dオブジェクトをデザインし、3Dプリンタに送信するレンダリングのためのデータを準備する。Autodeskは多くのサードパーティーの3Dプリンター・メーカーがSpark標準の3Dプリンタを開発することを狙っている。次の柱として、AutodeskはSparkプラットフォームの参照機となる3Dプリンタを開発中だ。価格は5000ドル程度になるという。Sparkはオープンソースで、すべての技術的詳細が無償公開される。

Autodeskのブログ記事によれば、

Sparkは3Dプリンティングのプラットフォームだ。これによってハード、ソフト、素材のメーカー、製品デザイナーが利益を受ける。Sparkは新しい効率的な方法で3D作品をビジュアル化し、3Dプリンタのためにレンダリング・データを準備する。これによって無駄な試行錯誤が避けられ、3Dプリンティングに用いられる素材も大幅に拡大する。Sparkプラットフォームはオープン・プロジェクトであり、そのテクノロジーはすべての部分が誰でも無償で利用できる。

Autodeskはデスクトップ3Dプリンター分野に参入する必要に迫られていた。3Dプリンタの2大トップメーカーの一つ、StratasysはMakerBotの買収によって順調に売上を伸ばしている。もう一方の3D Systemsもホーム分野への参入に熱心だ。その理由は、産業用3Dプリンタはきわめて高価な装置であり、販売にもサポートにも多大なコストがかかるからだ。個人向けのデスクトップ3Dプリンターは、インクジェット・プリンターと同様のコモデティーであり、スケールさせることさえできれば有利なビジネスになる。

AutodeskはSpark規格が事実上の標準として普及し、いわば3Dプリンティング版のAndroidとなることを望んでいるようだ。実際、現在の3Dプリンティングには標準がまったく欠けている。互換性、安定性をもたらす試みはユーザーに歓迎されるだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


消費者向け3DプリンタのMakerBotを工業用3DPの雄Stratasysが買収

今日(米国時間6/19)、本誌が前に報じたように、工業用3Dプリンタの大手Stratasysが、消費者向け3DプリンタのリーダーMakerBotを買収したと発表した。買収価額の4億300万ドルは、現在の株価に基づいてStratasysの株で支払われる。これにより、業務用3Dプリントのリーダーとデスクトップ3Dプリントの新進リーダーが結婚するわけだが、両社はプレスリリースで、これにより、あらゆる分野における3Dプリントの採用が加速される、と述べている。

買収の条件として、MakerBotの企業としての独立性は維持される。すなわち今回の買収は、いわゆる持ち株交換方式らしい。M社はS社の子会社として消費者/デスクトップ市場をターゲットとし、S社はこれまでと同じく業務用分野を対象とする。

MakerBotは2009年に創業され、今日まで22000台あまりの3Dプリンタを売った。そのうちの11000は、昨年9月発売の最新機種Replicator 2だ。今回の買収は、M社の上昇機運のさなかに行われたことになり、その経過はさぞかし順調だったものと思われる。

Stratasysは、本誌の読者にはなじみが薄いと思われるが、この前報じた買収交渉の記事を読んで、その名前を知った方もおられよう。われわれ一般人にとって無名とはいえ、同社は3Dプリンタの世界ではすでに有名企業である。同社の製品は、各種のプロトタイプやコンセプト、コンポーネント、部品、などなどを高精度実物大で3Dプリントし、それらを企業顧客が業務用〜商業目的で使用している。すでに公開企業であり、2012年にはObject Ltd.と合併して業容を拡大した。本社はミネアポリスとイスラエルのレホヴォトの両方にある。

これまでの動きを見ると、Stratasysには3Dプリントの世界を支配したいという意思があるようだ。このパズルにおいてMakerBotは、消費者向け製品という名の大きなピースだ。またMakerBotとしては、Stratasysの豊富な経験から学ぶものが大きいし、今後の新しい技術導入も可能だ。S社の技術力やマーケティング〜営業力から得るところも大きいだろう。

MakerBotは4年前の発足以来、ハードウェアとソフトウェアのアップデートを一貫して真摯に行っている。つい先週にも、最終プリント物の品質向上のために、ファームウェアと設計ソフトの更新を行った。消費者向け3Dプリンタのメーカーとしては、最近新製品のテストを行ったForm Labsをはじめとして、競合他社も多いが、その中でMakerBotはリーダーの位置につけており、また今回のStratasysとの合体で、成長のために吸収する栄養成分がぐんと増えるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))