デベロッパーの収益源になるAlexaのスキル内購入機能が国際展開へ

1年前にAmazonがアメリカのAlexaデベロッパーのために設けたスキル内購入の機能が、今日からはグローバルに提供される。最初はイギリスとドイツと日本だけだが、その後、そのほかの国でもできるようになる。デベロッパーはスキル内購入を利用して、Alexaの音声アプリからさまざまな方法で収益を得ることができる。それは、デジタルグッズでもいいし、何かのサブスクリプションや消耗品でもよい。

デジタルグッズには、クイズなどの拡張パックがあってもいいが、消耗品(consumables)はゲームのヒントなど一回かぎりの購入だ。一方サブスクリプションはデベロッパーに継続的な収益機会を与える。それらは、会員特典やアプリのアップグレード、コンテンツの定期的な更新などだ。

コンスタントな収益があれば、その音声アプリを今後継続的に開発していくこともできる。音声アプリケーションはまだ日が浅いから、デベロッパーはまだいろんな試行錯誤をしている。どんなユーザー特典が喜ばれるかも、長期間やってみないと分からない。だから開発を続けられることは、とても重要だ。

Alexaのスキルは、すでに80000を超えている。あまり人気のないアプリのロングテールがあって、ごく一部だけがヒットしている、という状況だ。

Amazonは今日、スキルのヒット作を二つ紹介している。ひとつはGal Shenar作のゲームスキルEscape the Airplaneで、彼によるとコンバージョンレートが34%だそうだ。

もうひとつの、Nick Schwab作の環境音スキルは200万近いアクティブユーザーがいる。彼は無料のトライアルと月額のサブスクリプションを提供し、一度聴いた人はその30%がトライアルに申し込む。そして無料トライアルユーザーの90%が有料のサブスクリプションに換わる。

上の二つのケースでは、どちらも有料サブスクリプションがオプションであり、ハードセルではない。そして彼らは、自分のスキルを、はまりやすくて、くせになりそうな仕上がりにしている。

そのほかの上位スキルは、Jeopardy!Escape the RoomBeat the IntroBig SkyWould You Rather for FamilyQuestion of the Day、そしてYes Sireなどだ。

スキル内購入が国際展開になったから、デベロッパーは自分のスキルをローカライズして、いろんな国で稼げる。そのためには、Alexa Command-Line InterfaceやAlexa Developer Consoleを使える。

関心のあるデベロッパーは、このフォームで申し込み、自分のアイデアをAlexaのチームに説明しよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AmazonのAlexa Blueprintsで作った自作スキルを家族や友人と共有できる

【抄訳】
この春Amazonは、コードを書けない人でもAlexaのスキルを作れるサービス“Alexa Blueprints”を導入した。今日(米国時間6/13)からはそのスキルを、テキストメッセージやメール、WhatsAppのようなメッセージングアプリ、FacebookやTwitterやPinterestのようなソーシャルメディアでほかの人と共有できるようになる。

友だちや家族が使うスキルは、Amazonが提供しているテンプレートをご自分のコンテンツで満たすだけで作れる。コード(プログラム)を書く必要はない。Amazonは、共有機能はたとえば勉強グループ(や研究グループ)がフラッシュカード的なスキルを作ったり、誕生日を家族で共有するために利用できる、と言っている。後者の場合は、スキルが誕生日プレゼントになるかもしれない。

Blueprintsは今のところ、家でAlexaと遊ぶための楽しい方法だ。たとえば、“いちばんすてきなお母さんは誰のお母さん?”という質問に答えさせたり(もちろん、私の、だ)、家族の好きなジョーク集を作ったり、雑学クイズを作ったりできる。

でも、スキルを自作するユーザーはそんなに多くない。それは、Alexaのユーザーにとって必須ではなく、ちょっとした遊びだから。

スキルを作るのは、簡単だ。Amazonがテンプレートを提供していて、そこにはすでに見本が書かれているが、それを自分のニーズに応じて書き換えればよい。

そして、自分が作ったスキルのリストを見るとき、“Access”のところのステータスを”just me”(自分だけ)から”shared”(共有)に変えれば、そのスキルは共有される。共有をやめたいときは、”revoke”(取り消し)を指定する。

共有によってそのスキルのリンクが作られるから、そのリンクをメールなどで送れる。もらった人がリンクをクリックすると、Alexa Blueprintsのサイトへ行って自分のためにそのスキルを有効にできる。

Blueprintsのスキルは個人利用が前提だから、それをAlexa Skill Storeで一般公開することはできない。でもBlueprintsのサイトでAlexaオーナーのコミュニティを作れるし、また、ほかの人たちのコラボレーションを誘ってもよい。

たとえば、ある特定のテレビ番組の大ファンたちが集まって、その番組の超難度の雑学クイズをコラボで作ると楽しいだろう。近親者や親戚なども含めた大家族の中で、あなたが唯一のテクノロジー通なら、そんなみんなのためのスキル集を作って共有してもよい。

Alexa Blueprintsのサイトは、ここだ 。〔いろんな作例が載っている。〕

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Alexaのスキルのデベロッパーは8つの声を使い分けられるようになる(当面アメリカ英語のみ)

これからは、デベロッパーが作るAlexaの音声アプリは、Alexaの声でなくてもよい。Amazonは今日(米国時間5/16)からデベロッパーに、テキスト→音声変換サービスAmazon Pollyで使われている声の中から8つを無料で提供する。ただし当面はアメリカ英語だけで、Amazon PollyのWebサイトによると、女声5名、男声3名だ。

Amazon Pollyが最初に紹介されたのは2016年11月のAmazon re:Inventデベロッパーイベントで、その後着実に能力を高めている。このテキスト音声変換サービスは今では、ささやき声やスピーチマーク、音色の変化、ダイナミックレンジの圧縮、などの機能を提供しており、これらにより声がより自然に聞こえる。

今回Alexaデベロッパーに提供されるのはアメリカ英語だけだが、このスピーチエンジンは今では20あまりの言語をサポートしている:

Australian English Nicole Russell
Brazilian Portuguese Vitória Ricardo
Canadian French Chantal  
Danish Naja Mads
Dutch Lotte Ruben
French Céline Mathieu
German Vicki Hans
  Marlene  
Icelandic Dóra Karl
Indian English

Raveena

Aditi

 
Italian Carla Giorgio
Japanese Mizuki Takumi
Korean Seoyeon  
Norwegian Liv  
Polish Ewa Jacek
  Maja Jan
Portuguese – Iberic Inês Cristiano
Romanian Carmen  
Russian Tatyana Maxim
Spanish – Castilian Conchita Enrique
Swedish Astrid  
Turkish Filiz  
UK English Amy Brian
  Emma  
US English Joanna Matthew
  Salli Justin
  Kendra Joey
  Kimberly  
  Ivy  
US Spanish Penélope Miguel
Welsh Gwyneth  
Welsh English   Geraint

 

でも、複数の声が使えると、ゲームやお話などではAlexaがもっと楽しくなる。ほかにも、いろいろ、奇抜な使い方があるだろう。

今、自分が作るスキルで複数の声を使ってるデベロッパーは、mp3のファイルをアップロードするなど、面倒なことをいろいろしなければならない。

Amazon Pollyを使うなら、デベロッパーはStructured Speech Markup Language(SSML)という言語を使い、その“voice name”タグで声を指定する。指定するだけだから、自分でmp3を録音することに比べると、超楽である。

Amazonはこれまでも、Pollyの用途を広げようと努力してきた。最近ではWordPress用プラグインを提供し、テキストによるブログを簡単にポッドキャストに変身できるようにした。

もちろん今回のAlexaのスキルAPIへの提供も、その努力の一環だ。ライバルのGoogle Assistantとの競合、というねらいもある。

(Googleは先週のデベロッパーカンファレンスで、Wavenetが生成する6つの声を発表したが、その中には歌手のJohn Legendの声もある。その展開は今年後半からだが、たぶんAssistantのデベロッパーにもその声の利用を売り込む気だろう。)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa