今日(米国時間7/10)、Microsoft、Red Hat、IBM、Docker、 Mesosphere、 CoreOS、 SaltStackの各社はGoogleが開発したDockerコンテナのオープンソース管理ツール、Kubernetes プロジェクトに対する支持を発表した。
Dockerコンテナは最近、分散アプリケーションの開発と運営における標準的なテクノロジーになってきた。ここ数ヶ月で有力なクラウド・ベンダーがこぞってDockerをサポートしている。Docker.io自身もシリーズBのラウンドで1500万ドルを調達し、Dockerプラットフォームの拡充に務めている。
それでもDockerコンテナの利用にはかなりの困難が伴う場合がある。そこで1ヶ月前にGoogleはその巨大データセンターのインフラ上でDockerコンテナをサポートするKubernetesプロジェクトをローンチした。今日の発表に加わった各社は、それぞれ得意分野のテクノロジーでこのプロジェクトに貢献することを約束した。
「各社はそれぞれユニークなテクノロジー上の強みを持っている。Kubernetesが強力なオープンソースのコンテナ管理フレームワークになり、どんなクラウドでも、あるいはプライベート・クラウドやハイブリッド・クラウドでも作動するようわれわれは協力していく」とGoogle上級副社長、ウルス・ヘルツルは今日の発表で述べた。
コンテナはデベロッパーがさまざまな異なる環境のサーバや異なるクラウドににアプリケーションをインストールし、運用することを容易にするためのテクノロジーだ。そこでMicrosoftは、正確には、 Microsoft Open TechnologiesはLinux版KubernetesをAzureプラットフォームで提供していくことを約束した。Microsoftはまた別のDockerプロジェクトであるlibswarmもAzureでサポートする。
Red HatはKubernetesを自社のハイブリッド・クラウドでサポートする。IBMはコードを提供する他、Dockerエコシステム全般を支援し、「こうしたコンテナがエンタープライズ・レベルの適合性を持つことを確認し、Dockerコミュニティーがオープンな組織として機能することを助ける」という。
MesoSphere、CoreOS、SaltStackはそれぞれ自社のテクノロジーにKubernetesを組み込む。MesoSphereは昨年末にDockerのサポートを開始しているが、そのスケジューリングと管理機能をKubernetesのユーザーにも提供していく。私の取材に対してCoreOSチームが答えたところによれば、KubernetesにすでにはCoreOSのクラスタのバックボーンとなるetcdキーバリューストアが用いられているという。
全体として今回の発表はDockerプロジェクトにはこの上ない朗報となった。参加した各企業はすでに何らかの形でKubernetesを支援していたが、こうした形で公式にグループが結成され、エコシステムの構築に向けて協力が約束されたことはDockerの普及に大きな弾みをつけることになるだろう(同時にライバルのバーチャル化テクノロジーにとっては手強いライバルの出現を意味する)。
[原文へ]
(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)