延期されていたJAXAのこうのとり8号機打ち上げがライブ配信

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は日本時間9月25日1時5分頃、実験物資と小型衛星のペイロードを国際宇宙ステーション(ISS)へとに打ち上げる。ペイロードは三菱重工業のH-IIBロケットにより、無人輸送機のこうのとり8号機(HTV8)に搭載され、科学実験装置やISSで使用されていた古いニッケル水素電池の代わりに使用される新しいリチウムイオン電池を届けるため、ISSとランデブーする。

このミッションはHTV8というコードネームで呼ばれ、三菱重工業によるこうのとりを用いた8回目のミッションだ。打ち上げは種子島宇宙センターから実施される。なお今回の打ち上げは、前回の打ち上げ前に発射台からの小規模な出火が発生し、原因を究明し解決した後の二度目のものである。

H-IIBロケットは液体酸素を燃料とするセンターコアと、推力を向上させるためにセンターコアを囲む四つの固体燃料ブースターを設置した使い捨てロケットであり、静止トランスファ軌道なら1万8000ポンド(約8.1トン)、地球低軌道なら3万6400ポンド(約17トン)の打上げ能力がある。

8回目となる今回のH-IIBの打ち上げ最後から2回目のもので、この構成での打ち上げをもう1回実施した後は、ロングコースト・静止トランスファ軌道への打ち上げ能力を最大1万4300ポンド(約6.5トン)まで増強し、打ち上げコストを5000万〜6500万ドル(約54億円〜70億円)へと半額以上に削減し、SpaceX(スペースX)のような新興の商業的打ち上げ業者との価格競争力を高めるH3ロケットに注力する予定だ。H3は来年度に初のテスト飛行を予定しており、商用飛行は2021年から開始される。

なお、こうのとり8号機の打ち上げはJAXAにより、YouTubeにてライブ配信される。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

SpaceXがStarship計画の進捗を土曜日に報告 新たな写真も公開

SpaceX(スペースX)のCEOことElon Musk(イーロン・マスク)氏は先週末にテキサス州のBoca Chica(ボカチカ)を訪れ、同社のStarshipのプロトタイプ機の重要な建造工程を視察した。マスク氏はStarshipの最新情報を発表する予定で、これまでの進捗状況をまとめ、次世代宇宙船とローンチシステムの将来に関する同社の計画の詳細なロードマップを提供するだろう。

マスク氏は現在建造中のプロトタイプ機の写真を公開し、Mk 1にはまだ搭載されていない宇宙船上半分のフィンと連動し、大気圏再突入と着陸の際の安定性を向上させるロケット下半分のリアの可動フィンが取り付けられると述べた。

プロトタイプ機のMk1は、新しいRaptorエンジンの1つをテストし、低高度飛行や制御、着陸能力を実証するという目標を最初に達成したプロトタイプ機のStarhopperに連なる、軌道到達可能な宇宙船の最終形態を表す最初の機体だ。Starhopperは2カ月以内に実施された大小2回の「ホップ」テスト飛行を行った後に引退している。SpaceXは、Boca Chicaとフロリダのもう1つの施設で開発中のMk1とMk2を使用し、複数のRaptorエンジンによるより高い高度とより長い期間の飛行をテストする。

マスク氏によると、Mk1にはすでに3基のRaptorエンジンが搭載されており、最初のテスト打ち上げのための通信設備に関する許可を得るために必要な書類を、FCC(連邦通信委員会)に提出したという。米国時間の9月21日にはさらに具体的な情報が出てくるはずだ。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

三菱重工業のH-IIBロケット再打ち上げは9月24日を予定

先週、打ち上げ台上の火災でつまずいた三菱重工業(MHI)が再び、国際宇宙ステーションに備品などを運ぶ補給機HTV-8のミッションに挑戦する。打ち上げは当初9月11日を予定していたが、火災の後始末や原因調査などもあり、新たな打ち上げ日は日本時間の9月24日午前1時30分に決まった(米国東部時間9月23日午後12時半、太平洋時間午後9時半)。

火災は消火されロケットにも積荷にもダメージを残さなかったが、調査によると原因は静電気の蓄積による可能性が極めて高い。静電気の発生は、ロケットエンジンへの推薬補給時に排気口から滴下する酸素によるものと思われる。MHIはすでに対策に着手しており、ロケットと打ち上げ用施設設備は今や完全な機能性があって、二度目の打ち上げへの準備が完了している。

打ち上げに使われるH-IIBロケットはMHIのM-IIシリーズロケットの推力が最も大きい構成で、ISSの備品のほかに、さまざまな学術および商用の顧客のための複数の小型衛星とそのCubeSatランチャーも運ぶ。H-IIBは中心に1基のブースターがあり、エンジンは液体酸素を推薬(推進剤)として使用、そしてロケットの底部にある4基の固体燃料ブースターがさらなる推力を与える。静止遷移軌道への最大積載量は、8200キログラムである。

H-IIBのミッションは、来年あともう一度ある。その後、MHIは完全に使い捨ての打ち上げ機H3に注力する。これは主に商用の顧客の利用を目指していて、中程度のペイロードではコスト的にSpaceXなどの競合相手と互角に勝負できることを目指している。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

SpaceXのStarship宇宙船プロトタイプの製造進捗が明らかに

SpaceX(スペースX)は同社CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏が公開した新しい写真で確認できるように、宇宙船ことStarshipのプロトタイプの製造を進めている。このフルサイズのプロトタイプ機は、Raptorエンジンによる低高度の「ホップ」飛行をテストするために使われた、縮小バージョンのStarHopperを引き継ぐものだ。

テキサス州南部とフロリダ州にあるSpace Xの施設にて、同時に建設中のStarshipのプロトタイプ機ことMk IとMk IIは、より高い高度とより高速でのテスト飛行に使用される予定で、StarHopperでは1基搭載されていたRaptorエンジンを3〜6基搭載する予定だ。

上の写真に写っているプロトタイプ機の直径9mの丸いパーツは重ねられ、またStarHopperとは違なり上部が滑らかにカーブしている。

そして完成すれば、SpaceXは12マイル(約19km)の高度に到達する最初の飛行テストを行い、その後に同等の高度でのより高速なテストを実施し、最後に最初の軌道飛行をおこなう。

最終的なStarshipでの目標は、Falcon 9やFalcon Heavy、Dragon宇宙船を完全におきかえ、軌道打ち上げだけでなく将来的には火星への宇宙飛行士や補給品の輸送といった、両方のニーズに対応することだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

月と地球を結ぶエレベーター「スペースライン」を科学者が提唱

SFやフリンジ科学のファンなら「宇宙エレベーター」の構想にはなじみがあるだろう。まさしくその名の通りのものであり、現在の科学ではまったく実現不可能だ。しかし、2人の科学者は代替案を発見したと考えている。月エレベーターだ。それはわずかにバカバカしさの少ない技術だ。

宇宙エレベーターは、アーサー・C・クラークが小説「楽園の泉」で初めて詳しく探求した構想で、実質的には宇宙に到達するほど背の高いタワーだ。宇宙船や物質を地表から軌道に送り込む代わりに、このタワーのエレベーターに載せるだけで、頂上に着けばそこは高度約4万2000kmの対地同期軌道で、重力に引っ張られることなくあらゆる意図や目的のために使える。

楽しいアイデアだが、単純な事実としてこのタワーは自身の重さを支えるだけの強度を持ち、反対側にはカウンターウェイトを置く必要もあり、これを実現できる材料は発見されたことがないのはもちろん、考えることもできない。絶対に。そのため宇宙エレベーターは提言されて以来、サイエンスフィクションの「フィクション」側に置かれている。だからといって特許を申請する人を妨げるものはない。

関連記事:Company Awarded Patent For ‘Space Elevator’

しかし、宇宙エレベーターをさらに大きくして、現在入手可能な材料で作れると私が言ったらどうだろうか?私にそんなものを作る資格はないと言われるだろうし、それは実に正しい。しかし、ケンブリッジ大学とコロンビア大学の宇宙科学者2人は代替案を考えついた。その名は「スペースライン」。

秘密は、宇宙エレベーターを地表に固定するというコンセプトを捨てたことだ。代わりに彼らは、タワーまたはケーブルを〈反対側〉から伸ばす方法を提案している。月面から地球の周りの対地同期軌道に向けて。

実はこのアイデア、1970年代にはすでに提唱されていた。Zephyr Penoyre氏とEmily Sandford(エミリー・サンドフォード)氏は論文で以下のように書いている。

これはコンセプトを純粋な数学的および物理学的記述として表現したものである。われわれや過去の著者らが驚きとともに発見したきわめて妥当なコンセプトであり、人類が太陽系内を移動する能力の発展における大きな一歩としてこれまで見逃されてきたものと思われる。

diagram

Math by Cambridge and Columbia. Diagram by MS Paint.

言い換えると、これまでに提唱した人はいたが計算はされていなかった。そして、これは実際に実現可能である。そして費用は数十億ドルにすぎないということのようだ。スペースラインはタワーというよりスカイフックと呼ぶべきだろう。細くて強靭な材料(鉛筆の芯の太さを想像されたい)で月面から地球上空の、人工衛星を妨害したり、悪天候に遭遇しない安全な距離まで約36万キロ延びる。

月へ行きたい人は、スペースラインの末端がある高度まで飛んでいくと、そこには宇宙ステーションがある。そこからソーラー推進を使ってワイヤーに沿って進んでいく。燃料は必要ない。終点では減速して月面軌道や何らかの月面施設に軟着陸する。

重要なのはスペースラインが地球と月の間のラグランジュ点を通過することで、そこは実質的に無重力で物理的障害物もないため建築や保管が容易だ。

基地には少人数の科学者と技術者のみを配置するだけで、新しい世代の宇宙での研究設備の制作やメンテナンスが可能になる。望遠鏡、粒子加速器、重力波検知器、生態動物園、発電機、太陽系の他の部分へのミッションの発射場所などが考えられる。

NASAが計画しているあのちっぽけな「月軌道ゲートウェイ」よりは良さそうに思える。

提唱者たちはこれを「根拠のないゲーム解析ではない」と言っているが、もちろんそんなことはなく、これは現実的な理論ではなく、だれも真に受けない非現実的な話だ。それでも、計算した人が出てきた今、その可能性には興味をそそられる。宇宙にとりつかれたビリオネアの誰かが次の情熱プロジェクトとして月面エレベーターを作ってくれるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

地球から110光年先のスーパーアースに液状の水

氷やガス状の水は私たちの銀河系宇宙でそんなに珍しくはないが、液体の水は極めまれだ。そして、地球に似た太陽系外惑星上の液状およびガス状の水どうだろう?それはまだ、見つかっていなかった、これまでは。天文学者たちはこの、天空の珍獣とも言うべき系外惑星K2-18bを、今や古色蒼然たるハッブル宇宙望遠鏡を使って発見した。

K2-18bは、質量と大きさが地球に近いので「スーパーアース」と呼ばれる。それだけでなく、太陽系の「可住ゾーン、ハビタブルゾーン」に存在し、水を液状に維持できる。それは、110光年先の獅子座の中にある。

スーパーアースや可住域の惑星、それに水のある惑星の数はとても多いけど、この3つの条件が揃った惑星はこれまでなかった。3連勝は今回が初めてだ。

研究者たちはハッブルの過去のデータを使って、K2-18bの太陽の光がその大気を通過するときのスペクトル特性を調べた。彼らは液状ガス状両方の水の証拠を見つけ、それは地球上のような水循環を示唆していた。蒸発、凝縮、などなどの。

関連記事:There is liquid water on Mars(火星に液状の水がある、未訳)

しかしそれは、そこに小さな宇宙人がいるかも云々という話ではない。K2-18bの太陽は赤色矮星で、惑星はその放射を浴び続けている。宇宙望遠鏡科学研究所のHannah Wakeford(ハンナ・ウェイクフォード)はNature誌に「生命や生物が私たちが日頃知ってるようなものだとすると、この世界が生存可能であることはほとんどありえない」とコメントしている。

残念だが、そもそも科学者たちはそれを見つけようとしていたのではない。しかし、地球に似た惑星がハビタブルゾーンにあって地球に似た水循環があることを見つけたのは、本当にすごい。これまで調べた系外惑星の数の少なさから見れば、奇跡に近いのかもしれない。銀河系宇宙だけでも系外惑星はものすごく多いから、K2-18bののような星もまた、意外と多いのかもしれない。

この発見は、別の意味でも興味深い。最近の天文学の研究の多くがそうであるように、これもまた、一般公開されている(2016年から2017年までの)過去データの分析により発見された。そして分析にはオープンソースのアルゴリズムが使われた。つまり、データも研究方法もどちらも、そこらにオープンに存在している。でもそれを使いこなせるためには、本格的な科学的努力を要する。

K2-18bに関しては2つの資料が公開されている。1つはモントリオール大学、もうひとつはユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンからだ。前者は原本が昨日Arxivに掲載され、後者は本日、Nature Astronomy誌に載った。

画像クレジット: ESA/Hubble, M. Kornmesser

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

SpaceXが宇宙船Starshipの飛行に向けFCCに書類申請

SpaceX(スペースX)は、軌道に到達できる宇宙船ことStarshipの飛行試験を開始するために必要な準備を整えており、同社が提出した申請書類(ソース:Teslarati)は、飛行中のプロトタイプ機と通信するために必要な許可をFCC(連邦通信委員会)に求めている。

SpaceXは今週、米規制当局にテスト飛行のための書類を提出したが、その最高高度は7万4000フィート(約23km)で、地球軌道には遠く達しないが、宇宙船運用の準備のためのテスト機「Starhopper」 のデモンストレーションの約500フィート(約150m)よりは、はるかに高い高度だ。

SpaceXのCEOことElon Musk(イーロン・マスク)氏はツイートにて、これが準備中であることを認めた。同氏は以前、成功したStarhopperの最終的テストを、実物大のプロトタイプ機でも迅速に実施したい伝えていた。また、この低高度飛行テストと同じく、SpaceXはStarshipのプロトタイプ機を打ち上げて、わずかに少し離れた場所に着陸させる予定だ。

プロトタイプ機の組み立てと建設は順調に進んでいるようで、マスク氏は9月28日のイベントにて、Starshipのアップデートを予告していた。これはおそらく、組み立てられているプロトタイプ機や10月に予定されているテスト飛行に関するものとなるだろう。

Starshipは、最大限に再利用が可能なSpaceXの次世代宇宙船で、現在と将来の顧客のニーズに応えることができ、最終的にはFalcon9とFalcon Heavyの両方を置き換える宇宙船となる。Starshipはまた、火星に継続的な人間のプレゼンスを確立するという、マスク氏の野心的な計画の重要な要素でもある。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

JAXAのこうのとり8号機とH-IIBロケットの打ち上げがライブ配信

三菱重工業の打上げ部門は、国際宇宙ステーション(ISS)へとJAXAの補給機を打ち上げる準備を整えた。打上げ時刻は日本時間の9月11日6時33分で、種子島宇宙センターからミッションが実施される。

打ち上げには三菱重工業のH-IIBロケットが利用され、これは日本で開発し製造されるこうのとり(HTV、H-11 Transfer Vehicle)にとって8回目の打上げとなる。

H-IIBの構成では、液体燃料ロケットの中央コアと、打上げ能力を向上させるための4基の固体ロケットブースターが利用される。こうのとり8号機には与圧部、非与圧部をあわせて5.3トンのISSへの補給物資が搭載されている。

積荷には、小型衛星放出機構「J-SSOD」を備えた日本実験棟「きぼう」の保全部品も含まれる。きぼうからは、JAXAと初めて民間オペレーターとして衛星放出について契約したスタートアップのSpace BDと東京大学が開発した推進技術のデモ機など、さまざまな超小型人工衛星「CubeSats」が放出される。

JAXAはH-IIBロケットの打上げを、上のYouTube動画にてライブ中継する。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

インドの月面探査機、着陸ミッション中に信号途絶

インドによる無人探査機を初めて月の南極に軟着陸させる試みは失敗に終わったと、同国の宇宙機関は米国時間8月7日に発表した。

月面から2マイル(約3.2km)未満の上空で、着陸機のVikra(ヴィクラ、インドの宇宙開発の父ことVikram Sarabhai、ヴィクラム・サラバイ氏にちなんだ名前)と管制室との通信がロストした。

インドのNASAに相当するISRO(インド宇宙研究機関)からのライブ中継は、管制室がランダーからの信号を受信できず、科学者たちが緊迫する様子を流した。

着陸の試みを見守っていたインド首相のNarendra Modi(ナレンドラ・モディ)氏は、ISROにて同室した科学者と子どもたちに励ましの言葉をかけた。

「勇気を出して。ISROへの信頼は失われていない。その努力と旅路にはその価値があったことを誇りに思う。我々の宇宙開発の最良の瞬間はこれからなのだ」。

宇宙開発は難しい。月面は着陸を試みて失敗した宇宙船の破片でいっぱいだ。月の大気は非常に薄いためパラシュートは使えず、宇宙船はスラスタによって速度を調整するしかない。

Chandrayaan-2(チャンドラヤーン2号)は約1億4000万ドル(約150億円)をかけたミッションで、2008年に実施されたChandrayaan-1で発見された水が存在する月のクレーターの研究を目的としている。

ミッションが成功すれば、インドは月面への軟着陸に成功した4番目の国になっただろう。今のところ、これを成し遂げたのは旧ソ連、米国、中国だけだ。

7月15日にAndhra Pradesh(アーンドラ・プラデーシュ)州のSriharikota(シュリーハリコータ)にあるSatish Dhawan(サティシュ・ダワン)宇宙センターから打ち上げられた全長142フィート(約43m)のロケットは、オービター、ランダー(着陸機)、および六輪のローバー(探査車)を搭載していた。ランダーとローバーは2週間しか稼働しない予定だが、今週初めにランダーを分離したオービターは、少なくとも1年間稼働する。

ISROは、ロケットの部品を自転車で運び手で組み立てるなど、1960年初めから低コストの宇宙開発に特化した長い道のりがある。

2013年、ISROは初の惑星間ミッションとして7400万ドル(約94億円)で火星へとオービターを打ち上げた。これは、同じ年にNASAが火星へのミッションに費やした6億7100万ドル(約720億円)のほんの一部にすぎない。2017年、ISROはわずか18分で104機の人工衛星を宇宙へと打上げた。

ISROは今年初め、独自の宇宙ステーションを将来的に設置し、太陽と金星へのミッションを行う計画を明らかにした。英国からの独立75年を記念して、2022年にGaganyaan(サンスクリット語で宇宙輸送機の意味)と呼ばれる初の有人宇宙飛行ミッションを行い、その後宇宙ステーションの開発に着手する予定だ。インド政府はGaganyaanミッションのために、1000億ルピー(約1500億円)の予算を認めた。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

3Dプリンター最後のフロンティア、Made In Spaceは自らを作る宇宙船を作っている

カリフォルニア州マウンテンビューのモフェット・フィールドにある何の変哲もない建物の中では、いまだどこのベンチャーキャピタルにも手をつけられていない80人の会社、Made In Spaceが次世代の人工衛星と宇宙探査のための道具を作っている。中でも目を引くのが、初めての自己製造衛星で、3年以内の完成を目指している。

3Dプリンターと自動組立技術を利用して、地上ではなく宇宙で製造することには多くの利点がある。組み立て済みのかさばる部品の代わりに、密度の高い3Dプリンター原料を送ることで場所を節約できる。さらに重要なのは、ロケット発射時の衝撃的な力に耐える必要がないので、壊れやすくても軽量な設計が可能になることだ。

Made In Spaceの3Dプリンターは、すでに国際宇宙ステーションで何回も職務をこなしている。「5年前、宇宙での製造は夢だった」と共同創業者でCEOのAndrew Rush(アンドリュー・ラッシュ)氏は「今は軌道上でさまざまな物を作るのが当たり前になる日がすぐそこに来ている」と語る。

「製造が、3Dプリントが、そして組み立てができたら、次はロボット操作だ」とNASAのジム・ブライデンスタイン長官はコメントしている。本社オフィスの彼の後ろにはロボットアームが3Dプリントされたフルサイズの反射円板にワイヤーをかけているところが見える。横には懐かしいスタートレックのポスターの横には世界最大の3Dプリント作品の写真もある(37.7mの宇宙空間ポリマーチューブ。そこでやめたのは通路の長さが足りなくなったから)。2022年の打ち上げを目標にしているその画期的プロジェクトは「Archinaut One」(アーキナント・ワン)と呼ばれている。

もちろん、衛星全体を軌道上でポリマーの塊とワイヤーから作るわけではない。しかしNASAがMade In Spaceに7370万ドルで委託したArchinaut Oneは、、従来の小型パネルを広げる方式に代えて長さ10メートルのソーラーパネルウィングを宇宙で製造することによって「同じサイズの宇宙船のソーラーパネルの5倍以上のパワーを得られる」という。

商業利用の可能性は幅広い。たとえば、衛星経由インターネットは膨大な帯域を必要としており、基本的に電力は帯域に等しい。ブライデンスタイン氏はこの仕事がNASA内部ではなくスモールビジネスによって成し遂げられたことを称賛し、NASAが自ら新しいテクノロジーを所有、開発するよりも、民間宇宙セクターの顧客、それも「数多い顧客のひとつ」になることを明確に望んでいる。そしてArchinaut Oneは、物議をかもしている月軌道ゲートウェイのロボットによる製造を見越したプロトタイプとも考えられている。

しかし、仮にあなたがゲートウェイ構想の筋金入りの懐疑派だとしても、Made In Spaceのテクノロジーは純粋に心躍らせるものであり、驚くほど多面的だ。彼らはISSの廃棄ポリマーをリサイクルするつもりだ。宇宙で光ファイバーを製造する計画もあり、その性能は通常のファイバーを著しく上回る。金属板材の押出加工も行い、ポリマーだけでなく宇宙での 金属3Dプリントにも関心を持っている。

なによりも興味深いのは、彼らが月などのレゴリス(表土)を3Dプリント材料に転換し、それを使って非常に強度のある気密性の高い構造を作ろうとしていることだ。月の表土70%と ポリマー粒子30%を混合加熱することで、焼結のわずか13分の1のエネルギーコストで3Dプリント原料を作ることができる。彼らの途方もなく素晴らしく途方もなく野心的な、隕石から宇宙船を作る長期計画は「Project RAMA」と名付けられており、アーサー・C・クラークの小説に敬意を表したものと思われる。

夢物語のようにも聞こえるが、これまでの実績を踏まえると、Made In Spaceは本物としてに捉えられる資格を得たようだ。同社の共同創業者の4人は、シリコンバレー拠点の教育機関であるシンギュラリティ・ユニバーシティで出会い、NASAからホコリまみれの使われていない地下室を借りて最初のオフィスにした。そして、(VCが立ち並ぶ)サンドヒルロードから数マイルの場所にいるにもかかわらず、現在の規模になるまで希釈的な資金調達を行っていない。彼らの科学的工学的実績に劣らぬ成果だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ロシアのヒューマノイドが国際宇宙ステーションに着任

ロシアのソユーズ宇宙船は、米国時間8月27日の夜遅く、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングした。本来は、8月24日に予定していたが、その際にはうまくいかなかった。

この2回目の試みは順調に進行し、カプセルはISSのロシアのZvezda(ズベズダ)モジュールのポートに駐機した。このカプセルの船長席は、もちろん人間が乗るように設計されたものだが、今回は代わりにSkybot(スカイボット)のF-850が座っている。ロシアのRoscosmos(ロスコスモス)宇宙局によって開発されたヒューマノイド型ロボットだ。

ロボットが実際に宇宙船を操縦したわけではない。今回は手動操縦をする人間も搭乗しない、完全自動操縦による運行だった。また今回は、ロシアのソユーズロケットの新しいバージョンを使って、ソユーズ宇宙船を打ち上げた。これまでは、貨物を運搬する無人の宇宙船を打ち上げるためにしか使われていなかったロケットだ。このミッションは、人を乗せないソユーズ宇宙船を使って、改良されたロケットをテストするために計画されたもの。来年以降、同じモデルのロケットを使った有人飛行を始めるための準備としてだ。

Skybot F-850には、多数のセンサーが内蔵されている。乗員の体に加わるGや振動、温度、その他の値を測定して、実際にロボットではなく人間が座席に座った場合に体験することを、正確に把握することができる。

今回は、こうした能力を持ったRoscosmos製ロボットの最初の任務であり、SkybotはISSに2週間ほど滞在してから地球に帰ることになる。Skybotは、打ち上げ時の状態を計測するだけではない。一般的なAlexaスピーカーのような機能も備えていて、質問に答えたり、短い会話をしたり、たまには冗談も言う。しかし本当の目的は、Skybotやその後継機が、船外の真空状態など、人間を寄せ付けないような環境でも活動できる能力を持つ相棒となるよう、開発を進めることにある。

画像クレジット:Rocsosmos

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

SpaceXのドラゴンが3回目のISS補給ミッションを完了

7月から国際宇宙ステーションにドッキングしていたSpaceXの商用カプセル「ドラゴン」は、米国時間8月27日に太平洋に着水し、ISS往復を3度経験した初の宇宙船となった。SpaceXは商用カプセルのドラゴンを使って、実験器具、補給品などの貨物をISSに運搬するだけでなく、カプセルを再整備して別の飛行ミッションで再利用することによって、宇宙飛行をより経済的にしようとしている。

SpaceXは、昨日着水したカプセルを回収し陸地に引き上げた。宇宙船にはISSから戻ってきた約2700(1.2トン)の材料や実験結果が積載されていた。今後NASAの地上スタッフが調査、研究に使用する。ドラゴンは5000ポンド(2.3トン)以上の貨物をISSに運び、その半分以上が科学および調査ミッションに関連している。戻ってきた荷物の中には、球形ロボットのCIMONもいた。

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AIコンパニオンロボットのCIMONは、ISSで過ごしたあと、SpaceXのドラゴン・カプセルで地球に戻ってきた

SpaceXのドラゴンカプセルは、地球に帰還する際に機体が損なわれないため、壊れやすいものを持ち帰るのに適している。そして同社の次期バージョン、クルードラゴンが運行を開始した際には、補給品や機器の運搬だけでなく、宇宙飛行士を連れ帰ることも期待されている。最初の有人飛行は今年末か来年に実施する計画だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Space XのStarhopperが高度約150mのテスト飛行に成功

SpaceX(スペースX)は、次世代の宇宙船ことStarshipの建造に使用される技術実証のためのデモプロトタイプ機となる、Starhopperの2回目の低高度テスト飛行を完了した。今回のテストでは米国テキサス州にあるSpaceXのテスト施設で、これまで飛行した中で最高となる高度約150mまで「ホッピング」した。約50秒(上のGIFは2倍速)のホップ飛行の後、わずかに離れた着陸パッドにきちんと着陸した。

これは、Starhopperの2回目の係留なしのテスト飛行であり、また最後のテストで、SpaceXは現在フロリダとテキサスで同時にStarship Mk IとMk IIのプロトタイプの建設を進めている。今回のテストは、昨日予定されていたテストが最後の1秒で中止されたあとに仕切り直し、1分足らずのホップ飛行のためにすべてを確認したあとの2度目の試みだった。

7月には、SpaceXがスターシップ用に開発中しているRaptorエンジンと他のサブシステムの動作をテストするために、非係留でのテストが実施された。飛行時間はわずか22秒で、高度はわずか20mだった。

現在、SpaceXのテキサスとフロリダの両施設で、フルサイズのStarshipのプロトタイプの建設が進められている。より大型のプロトタイプは、実際に打ち上げに近くより多くのRaptorエンジンを搭載し、またより高い高度を目指す予定で、これは同社が初の軌道テスト打ち上げに向けて取り組む上で重要なステップだ。

最終的にSpaceXは、Falcon 9とFalcon Heavyの両方を異なる構成のStarshipで置き換えたいと考えている。Starshipは完全に再使用が可能なためコスト削減に役立ち、またロケット開発を1種類の機体に集中させることになる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

米空軍のスペースプレーン実験機が軌道周回飛行の記録更新

米空軍が発注し運用しているBoeing(ボーイング)のスペースプレーン実験機「X-37B」が、飛行時間の記録を更新した。今回のミッションは719日間続いていおり、Space.comによれば2017年に終了した前回のミッション期間を上回った。人工衛星は5年以上の寿命があるため全体をみれば新記録ではないが、再使用可能な宇宙船などに関する米国の技術実証を目的とした、秘密のベールに包まれた米空軍のスペースプレーンにとっては大きなマイルストーンだ。

SpaceX(スペースX)のFalcon 9ロケットで打ち上げられたX-37Bは、現在のミッションを2018年9月に開始した。ミッションの具体的な詳細は秘匿されているがが、明らかに宇宙での時間が増え続けており(ミッションのたびに期間が延長されている)、「地球に持ち帰り調査できる実験を行っている」とされている。これらのテストには誘導、ナビゲーション、サーマルプロテクション、高温材料と耐久性、飛行と推進システムなどに関連する技術が含まれている。

X-37Bに搭乗している乗組員はいないが、NASAのスペースシャトルのように、自律的に地球の大気圏を降下し、滑走路に水平着陸できる。

NASAは1999年にX-37のプログラムを開始した。これは2004年にDARPAとアメリカ空軍に移管され、X-37Bはこれまでに4回飛行している。これらの最初の4回のミッションで、2085日間の宇宙飛行を完了したことになる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

衛星インターネットスタートアップのAstranis、Falcon 9ロケットによる初打ち上げを契約

Y Combinatorが支援するスタートアップのAstranis(アストラニス)は、来年の第4四半期にFalcon 9ロケットで初となる商用通信衛星を打ち上げる予定だ。Astranisの目標は、現在ブロードバンドインターネットにアクセスできない世界の膨大な人々の市場を開拓することで、既存の衛星よりもはるかに早く製造して打ち上げられる低コストな人工衛星を使い、既存のグローバルな携帯通信ハードウェアの価格を大幅に下げることだ。

Astranisの衛星は小型で製造が簡単なため、コスト効率が非常に高く、今後の通信事業者や接続プロバイダーのパートナーの事業展開を変えうる。このアプローチは、すでにアラスカ州で衛星ブロードバンド接続の拡大を目指して設立された、Microcom(マイクロン)の子会社であるPacific Dataport(パシフィック・データポート)との提携を獲得している。Astranisによると、SpaceXのロケットで静止軌道に1機の衛星を打ち上げることで、アラスカのインターネットプロバイダーのネットワーク容量を3倍となる7.5Gbps以上に拡大し、さらに潜在的にコストを「3分の1」にすることができる。

なお、これはAstranisが宇宙に送る初めての衛星ではない。2018年にデモ衛星を打ち上げ、技術が宣伝どおりに機能することを示した。Astranisのアプローチは、SpaceX自身のStarlinkプロジェクトなど、衛星ベースのインターネットを提供しようとする他のアプローチとは異なり、サービスを提供する地域の上空に留まる衛星を構築することに焦点をあてている。これは、地球低軌道に衛星コンステレーションを構築して、カバーエリアを広げるアプローチとは対象的だ。後者では、常に1機以上の衛星がカバー範囲に存在し、さらに衛星から衛星へと接続を引き継ぐ必要がある。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

日本のispaceは2021年の月面着陸、2023年のローバー月探査を目指す

民間月面探査機のミッションを目指している民間企業の1社がその計画のスケジュールを変更したが、その任務の重要さを考えれば、驚くようなことではない。日本初のスタートアップのispaceは、2021年の初めての月面着陸と、2023年のローバー(探査車)による月面探査を予定しているのだ。

ispaceの「HAKUTO-R」プログラムは、当初は2020年にペイロードと搭載しない技術実証目的の月周回衛星を送る予定だったが、かわりに2021年までに商用顧客の実際のペイロードを届けることに注力することとなった。

同社によると、この変更の目的は世界市場で商業打ち上げサービスとペイロード輸送が加速したことが理由で、これには月に荷物を輸送する民間企業を支援するNASAのCommercial Lunar Payload Servicesプログラムも含まれる。

ispace自身はNASAのプログラムの第1ラウンドの9社には含まれていないが、同社は米NPOのDraperを支援するという形で支援している。Draperとispaceの協力は、ispaceの2020年の月周回衛星計画の発表の後に実現したもので、この新しい協力の優先度を考えれば、計画の変更は理にかなっている。

HAKUTO-Rは初めのミッションでSpaceX(スペースX)のFalcon 9を使用し、同社はまたJAXAやスズキ、住友商業、小学館、シチズンホールディングスを含む新たなコーポレートパートナーとの提携にも署名した。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

NASAの新HPE製スパコンが月面着陸する宇宙飛行士を支援へ

NASAとHewlett Packard Enterprise(HPE)は、米国カリフォルニア州にあるNASAのエイムズ研究センター向けに新しいスーパーコンピューターを開発し、アルテミス計画の月面着陸における着陸プロセスのモデルとシミュレーションを支援する。

このスーパーコンピューターは、米国の天文学者のRobert Grant Aitken(ロバート・グラント・エイトケン)氏の名前から「Aitken」と名付けられ、理論性能で最高3.69ペタフロップスでのシミュレーションが可能だ。AitkenはHPEとNASA、エイムズ研究所が共同設計したモジュール式のデータセンターで、2017年からスーパーコンピューターのハードウェアの冷却に使用する水とエネルギーの量を大幅に削減するプロジェクトがすすめられてきた。

Aitkenは第2世代のIntel(インテル) Xeonプロセッサ、Mellanox InfiniBandの高速ネットワーク、221TBのメモリをストレージとして搭載する。これはNASAとHPEにおける4年間の協力の成果であり、月に打ち上げられるアルテミスの宇宙船の突入、降下、着陸のさまざまな方法をモデル化し、シミュレーションを実行してその可能性を判断し、最良かつ最も安全なアプローチを決定するのを助ける。

HPEとNASAの協力はこれだけではない。宇宙空間の環境にも耐えられる新型のエンタープライズ向けコンピューターを開発し、火星を含む長期間ミッションのテストを準備するために、2017年に国際宇宙ステーションへと送った。その後、このパートナーはこのスーパーコンピューターをサードパーティーの実験用に昨年公開した。

HPEはまた、スーパーコンピュータを開発しているCrayを13億ドル(約1400億円)で買収すると今年発表した。CrayはNASAのスーパーコンピューター開発における長年のパートナーで、NASAの専用のコンピューターモデル部門の設立や、エイムズ研究所のCentral Computing Facilityの立ち上げに携わったこともある。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

国際宇宙ステーションに商用ドッキングアダプターの取り付け成功

ISS(国際宇宙ステーション)は、民間宇宙企業が運用する有人ロケットによる訪問者の受け入れ準備OKとなった。NASAの宇宙飛行士、ニック・ハーグとアンドルー・モーガンの宇宙遊泳により、ISSには2つ目のIDA(国際ドッキングアダプター)が設置された。

このドッキングアダプターは2個目であるにもかかわらずIDA-3と呼ばれる。実はIDA-1はCRS-7ミッションのペイロードに含まれていたが、2015年6月28日のSpaeceXの打上失敗で失われてしまった。そのため2016年6月のSpaceX CRS-9ミッションに搭載されたIDA-2が最初のIDAとなった。

既存のIDA-2はすでに充分に有効性を実証している。今年3月3日にSpaceXのく有人ドラゴンの実験機、Demo-1がドッキングアダプターに自動操縦で結合し、実際にクルーが搭乗した状態での結合に重要な装置であるいことを示した。

IDA-3は自動操縦結合をサポートする2番目のドッキングアダプターだ。従来、ドッキングする機体はISSの至近距離に近づいて同一軌道を飛行し、ISSのロボットアーム、Canadarm2で慎重に引き寄せられる必要があった。新しいドッキングアダプターではプロセスが標準化され、マニュアル操縦なしにドッキングできるだけでなく、SpaceXの有人宇宙往還機、Crew Dragonからボーイングが計画しているCST-100など各種の機体と接続可能となっている。これによりISSへの人員、カーゴの搬入、搬出はきわめて容易となる。

ドッキングアダプターを設計、製造したのはボーイングで重量は521kg(1150ポンド)、サイズは高さ約1m(42インチ)、幅1.6m(63インチ)だ。つまりこのアダプターは普通の体格の男性にはやや狭い(SF映画で見るような立派な通路ではない)。

IDAの設置はISSが民間宇宙飛行の利用者を受け入れるために必須のステップの1つだったが、これでハードルがすべてクリアされたわけではない。まずは有人飛行によるドッキングを実証する必要がある。

【 Japan編集部追記】上のNASAの公式ビデオはライブ配信のためビデオの最後が現在。過去のシーンはタイムラインをスクラブして探す必要がある。今のところPDA-3の取り付けシーンはタイムラインの冒頭にある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ISSドッキング設備を宇宙遊泳で取り付ける様子をNASAがライブ放送

NASAの宇宙飛行士、Nick Hague(ニック・ヘイグ)氏とAndrew Morgan(アンドリュー・モーガン)氏は米国時間8月21日、新しいInternational Docking Adapter(IDA)の国際宇宙ステーション(ISS)への設置を実施する。これは、未来の民間企業による宇宙船が宇宙飛行士をISSへと輸送するための新しい設備となる。

ISSにIDAが設置されるのは今回が2回目で、宇宙飛行士による宇宙遊泳は東部時間で午前8時20時に実施される。このドッキングアダプターは、7月に実施されたSpaceX(スペースX)のCRS-18補給ミッションにて打ち上げられた。アダプターはBoeing(ボーイング)のCST-100 StarlinerやSpaceXのCrew Dragonといった、未来の有人宇宙船に自動ドッキング手順を提供し、将来ISSへと到達する他の民間宇宙船でも使用されることとなる。

2つのIDAとその運用は、予定されている運用期間をとうに過ぎているISSへと、用途と最終的な後継機の開発の両方への民間企業からの支援を目的とした、NASAによるISSの民営化と基本的にオープンな事業化を目指す、NASAの計画の重要な一部となる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

NASAが木星の衛星エウロパの「氷の海」探査ミッションを正式発表

NASAは、木星の衛星エウロパの探索ミッションを実施することを正式に発表した。同ミッションは2017年からNASAが実現方法を探求していたが、このほど計画の詳細を設計するは運びとなり、実際に使用する宇宙船および搭載する科学実験装置などの製造へと進む。

エウロパ・クリッパーと呼ばれる探査計画のゴールは、木星を周回する氷で覆われたこの衛星の気候下で生命の維持が可能であるか、居住、植民が可能であるかどうかを調べることだ。加えて、人間が接近して直接探査することで、エウロパをもっとよく知ることができることは間違いない。

エウロパは巨大ガス惑星である木星の知られている衛星79個のひとつで、太陽系全体で6番目に大きい衛星だ。われらが地球の月よりわずかに小さく、主に氷からなる地殻を持つ。その氷の地殻の下には海があると信じている科学者もおり、もしそんな海が存在するのであれば、太陽系の中でも生命が存在する可能性の高い場所になる。

NASAの同ミッションの目標は、早ければ2023年までに打ち上げることだが、そのためには大型打ち上げシステム(SLS)が完成している必要がある。延長された計画では2025年までの打ち上げを見込んでおり、現在のさまざまな状況を踏まえるとその方が現実的だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook