フェイスブックは新型コロナの感染爆発に対応してコミュニティヘルプ機能をグローバルに拡大

Facebook(フェイスブック)が「コミュニティヘルプ」を開始したのは2017年。危機的事件の影響下にある人たちに、利用者が支援を提供したり、または援助を探したり受けたりできるようにする機能だ。以来これは、テロ攻撃や気象災害など、人為的、偶発的または天然の災厄の後にフェイスブック利用者を結び付けてきた。そして3月31日、フェイスブックはコミュニティヘルプを新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対応して機能を拡大する。新設された「COVID-19コミュニティヘルプハブ」は、新型コロナウイルスのアウトブレイクで被害を受けた人々が助けを求めたり、支援を申し出たりできるようになる。非営利の資金調達活動への寄付もできる。

フェイスブックが世界規模でコミュニティヘルプを展開するのは、今回が初めてだ。伝染病のパンデミックに使われるのも初めてとなる。

この機能はまず米国、カナダ、フランス、英国、オーストラリアで開始されるとFacebookは話している。

これと似たような機能は、フェイスブックのライバルである地域型SNSのNextdoor(ネクストドア)が、Help Map(ヘルプマップ)という形で最近導入しているが、まだ広く受け入れられてはいない。その原因にNextdoorがこの新機能を目立たせようとしていない点がある。現在それは「More」タブの中に埋もれていて、アプリの重要な機能としての扱いを受けていない。しかもHelp Mapは、支援を提供できる、または支援を必要としていることを利用者がリストに記入するだけのものだ。

それに対してフェイスブックのコミュニティヘルプハブは、フェイスブックが以前から取り組んでいる「クライシスレスポンス」の上に構築されていて、さまざまなツールが1箇所で使えるようになっている。

COVID-19コミュニティヘルプ機能は、Facebookで30カ国以上に展開されている「新型コロナウイルス(COVID-19)情報センター」の中にある。

3月初めに登場した新型コロナウイルス情報センターは、現在ニュースフィードのトップに表示され、世界の医療専門機関からの信頼できる医療情報にアクセスできるようになっている。また政治家、ジャーナリスト、その他の公的な人々の精査された投稿も読める。

提供開始以来、10億人を超える人たちが情報センターでシェアされた医療専門家の情報にアクセスし、フェイスブックやInstagramの教育的ポップアップを見ているとFacebookは話している。情報源の詳しい情報を学びたいと1億人以上の人がクリックスルーしたという。

本日の公式発表に先立って、新型コロナウイルス情報センターは、アメリカの一部の州でコミュニティヘルプの試験を行った。そこでは、各地域の利用者からの援助の要求があった。例えば病院でマスクを求めている、または食料品を配達するボランティアを募集しているなどだ。また、無償支援を申し出る人もいた。仕事を失ったパートタイマーに無料で食事を届けたい、ジムに通えなくなった人たちにバーチャル・ワークアウトを無料で指導したい、などといった内容だ。

これが今、対象市場全体にコミュニティーハブとして継続されるようになった。だが、今後はFacebookが主体的な目的を示す存在となる。資金調達がそのひとつだ。また食料品、赤ちゃん用品、洗面化粧品、事業支援といったカテゴリーも追加される。事業支援では各地域の企業が助けを求めたり、支援の申し出に対応できるようになる。

フェイスブックでは利用者は支援の申し出に関する投稿に対して、個人利用者として、あるいはフェイスブックページとして、投稿したりコメントしたりできると約束している。また個人でもフェイスブックページでも、助けを求める投稿をシェアして広めることができる。

さらに、COVID-19コミュニティヘルプハブは、国連財団とWHOによるCOVID-19 Solidarity Response Fund(COVID-19連帯対応資金)と、疾病管理予防センターによるCombat CoronavirusキャンペーンのためのFacebook募金という2つの新型コロナウイルス感染症のための募金活動を開始する(どちらも米国内のみ)。フェイスブックはそこで、それぞれ最大1000万ドル(約10億8000万円)の寄付金のマッチングを行う。まだスタートしていないが、間もなく、各地の非営利の募金活動を探して募金できるようになるとフェイスブックは話している。

フェイスブックによれば、今後数週間以内により多くの国々で新型コロナウイルスコミュニティヘルプハブが利用できるようになるという。まずは、リスクの高いヨーロッパとアジア太平洋地域の国々だ。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:金井哲夫)

Facebook、Lyftらと提携して危機支援機能を強化

FacebookはCommunity Help(社会支援)の取組み強化の一環として、Lyft、Chase、International Medical Corps、Save the Childerらの企業、団体と協力して、危機に瀕している人たちに食料、輸送、住居などの情報を容易に提供できる手段を提供する。

「われわれの優先課題は、人々の安全を守るためのしくみを作り、危機からの復旧復興に必要な支援を提供することだ」とFacebookの社会的利益プロダクト責任者、Asha Sharmaがブログに書いた。

Lyftなどの企業と組むことで、危機に陥っている人々が、Lyftの無料利用や、非営利団体Direct Reliefの支援物資についての情報を得ることができる。現在ほかに、Chase、Feeding America、International Medical Corps、The California Department of Forestry and Fireなどの組織が参加している。「数週間以内」には、他の企業に関する社会的支援の投稿もできるようにする、とFacebookは言っている。

「Lyftでは、安全で信頼性の高い移動手段を容易に利用できるようにすることに力を入れてきた」とLyftの社会的影響活動の責任者、Mike Massermanが声明で語った。「FacebookのCommunity Helpのしくみを利用して、危機の最中に支援を必要とする人々に輸送手段を提供し、地域社会の復興を支援する」

Facebookが社会的支援プロジェクトを立ち上げたのは昨年2月で、自然災害とビル火災の後に人々の日々の生活を支援することを目標に掲げた。自然災害とビル火災は、安否確認のためのSafety Check機能が発動する可能性のもっとも高い2種類の災害だ。

Safety Checkは2014年に導入され、災害が起きたとき、その地域にいる家族や有人の安否を簡単、迅速に伝えるために作られた。Safety Checkの一機能としてCommunity Help(社会的支援)をスタートして以来、約500件の危機に関して75万回以上の投稿、コメント、メッセージがあった。

community-help

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook