Netflixが他では有料のRiot Games LoL音ゲー「Hextech Mayhem」を含むゲームを2作追加

ストリーミングサービスのNetflix(ネットフリックス)は、ゲームのラインナップを再び拡充し、2月1日午後5時(米国東部時間)から全世界で展開を開始する2作品を追加した。新たに加わったのは、Riot Games(ライアットゲームズ)の「Hextech Mayhem(ヘクステックメイヘム:リーグ・オブ・レジェンド ストーリー)」で、同タイトルはNintendo Switch、Steam、Epic Games Store、GOG.comなどのゲームプラットフォームやマーケットプレイスでも販売されており、他では9.99ドル(約1145円)の有料ダウンロードとして提供されている。もう1つの新タイトル「Dungeon Dwarves」は、カナダのデベロッパーHyper Hippo(ハイパーヒッポ)の作品。同社はClub Penguin(クラブペンギン)の共同設立者であるLance Priebe(ランス・プリーベ)氏が2012年に設立した会社だ。

1日にリリースされるタイトルは、いずれもNetflixにとって新たなゲーミングパートナーシップとなる。

Netflixによると「Hextech Mayhem」はハイスピードなリズム&ランナーゲームで、テスト市場であるポーランド、イタリア、スペイン、ブラジルですでにソフトローンチしていたが、今回、全世界の加入者に向けて提供開始される。注目すべきは、このゲームは、2021年11月に他のゲームプラットフォームでリリースされたばかりのかなり新しいゲームであるということだ。また、Netflixのゲームコレクションに初めて登場するメジャーなゲームフランチャイズでもある。しかし、他で販売されているゲームがNetflixに登場するのはこれが初めてではない。最近追加された「Arcanium: Rise of Akhan(アルカニアム: ライズ・オブ・アカン)」もプレミアムタイトルとして他のプラットフォームで販売されている。

一方、ダンジョンクロウルゲーム「Dungeon Dwarves」は、Netflix会員向けに配信が開始されたばかりだ。これは、Netflixサービスでローンチされた最初で唯一の放置系ゲームになる。

画像クレジット:Netflix

Netflixのユーザーは、他のゲームと同様に、iOSおよびAndroidの同社アプリを通じて新しいタイトルにアクセスすることができる。Android版では、アプリのメインナビゲーションにあるゲーム専用タブなど、複数の場所でゲームを見つけることができる。しかしiOSでは、ゲームはアプリ内で専用の列に表示される。ゲーム自体はNetflixのインフラではなく、各プラットフォームのアプリストアでホストされているが、プレイできるのはNetflixのユーザーのみだ。ゲームをインストールすると、ユーザーはNetflixのアカウント情報を使った認証を求められる。

Netflixは、2021年末に「Stranger Things(ストレンジャー・シングス)」をテーマにしたいくつかのタイトルや、その他のカジュアルなタイトルを含む初期のラインナップを発表して以来、ゲーミングサービスの構築を進めてきた。その後、パズルゲーム、レースゲームオープンワールドストラテジーなど、急速にサービス内容を拡大している。ゲーム自体は、Netflixが自社で開発したものではなく、Frosty Pop、Rogue Games、BonusXPなどのパートナーから提供されてきた。Netflixはこれまでに12のタイトルをリリースしているが、「Oxenfree」などのストーリー重視のゲームで知られるNight School Studiosを買収したことを、今のところ活かせていない。

Netflixは投資家に向け最近行われた第4四半期の決算説明会で、これらの初期ゲーム配信は、Netflixの新サービスに対する顧客の要望をより深く理解するための準備であると説明した。

NetflixのCOO兼チーフプロダクトオフィサーであるGreg Peters(グレッグ・ピーターズ)氏はその際、通話の中でこう述べている。「ここまで来ることができたのは、非常にエキサイティングなことです。というのも、このようなことができるようになるまでに、裏方の配管やすべての技術インフラを構築してきたからです。今後、これらのゲームから、発見パターン、エンゲージメントパターン、パフォーマンス、会員がNetflixサービス上のゲームに何を求めているかを学んでいくことができます」。

とはいえ、Netflixは同社ゲームのパフォーマンスの詳細についてはまだ明らかにしておらず、ゲームタイトルのデイリーアクティブユーザー数(DAU)およびマンスリーアクティブユーザー数(MAU)が「増加している」とのみ述べている。

また、Netflixは、将来的に人々に認知されるような大規模なゲームIPのライセンス取得に前向きであることを示唆しており「今後1年間で、そのようなことがいくつか起こると思います」と述べている。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

Riot Gamesの新eスポーツ社長がNBAとのコラボ、Netflixヒットシリーズ、NFTについて語る

米国時間11月21日、NBAゴールデンステート・ウォリアーズ対トロント・ラプターズの試合中に演出されたイベントで、Riot Games(ライアットゲームズ)の新eスポーツ社長であるJohn Needham(ジョン・ニーダム)氏が、スポーツファンで埋め尽くされたスタジアムに「League of Legends(LoL)」のTシャツをパラシュートで落下させ、シネマティックトレーラーとともに、世界最大級のeスポーツトーナメントが北米で復活することを発表した。

これは、2022年11月に開催される「2022 League of Legends World Championship」の決勝戦が行われるサンフランシスコの最新施設、Chase Centerを、世界中から数十名のプレス関係者が集まって見学した1日のクライマックスだった。

ニーダム氏はTechCrunchの取材に対しこう語った。「2016年以来、メジャーな国際イベントを北米では開催しておらず、さらにここ数年は新型コロナにともなう渡航制限のため、カムバックが果たせませんでした。ライブイベントを再開できることに非常に興奮しており、ファンのみなさまには、スーパーボウルのハーフタイムショーのようなスリリングな演出を期待していただきたいと思っています」とも。

2011年にRiotが「Worlds」と呼ばれるワールドチャンピオンシップを初めて開催して以来、10年以上になる。マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)ゲームであるLeague of Legendsは、月間1億8千万人以上のアクティブプレイヤーを誇る。LoLには10のフランチャイズチームがあり、それぞれNBA関係のオーナーと繋がりがある。Steph Curry(ステフィン・カリー)氏Michael Jordan(マイケル・ジョーダン)氏、Magic Johnson(マジック・ジョンソン)氏といったNBAのオールスター選手をはじめ、ゴールデンステート・ウォリアーズ、ロサンゼルス・レイカーズ、ヒューストン・ロケッツ、クリーブランド・キャバリアーズ、ミルウォーキー・バックス、メンフィス・グリズリーズ、ニューヨーク・ニックス、フィラデルフィア・セブンティシクサーズ、ワシントン・ウィザーズ、シャーロット・ホーネッツなどの関係者がLoLチームに出資している。

ニーダム氏によると、2020年の4600万人から2021年には7380万人のファンがWorldsの決勝戦を観戦するようになり、League of Legends eスポーツトーナメントは、Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)、AXE by Unilever(ユニリーバ・アックス)、Spotify(スポティファイ)、Bose(ボーズ)、Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)、Red Bull(レッドブル)、Coca-Cola(コカ・コーラ)、Fenty by Rihanna(リアーナ・フェンティ)などの大手ブランドを引き寄せるビッグビジネスとなっている。

「当社はファンにバリューを提供するためにブランドと提携していますが、そうした際に、両方のブランドが引き上げられることがよくあると発見しました。ブランド各社は、我々の貴重でリーチしにくいZ世代へのアクセスを得られる一方で、当社はブランドと提携することで信頼を得ることができるのです」とニーダム氏は語る。「ルイ・ヴィトンが当社のために初のデジタルファッションラインを作ってくれたことで、ファンのゲーム体験がさらに充実しました。この種のスキンは非常に人気があるため、当社のビジネスモデルの基盤となっており、圧倒的に多くの収益を生み出しています」。

Riotの巨大なファン層は、グローバルなエンターテインメント企業になることを目指す同社の資産であることも証明されている。

米国時間11月6日には、Riot初のNetflix(ネットフリックス)シリーズ「Arcane(アーケイン)」の予告編がWorlds決勝戦で流され、約7400万人のファンが視聴した。また、Riotの親会社であるTencent(テンセント)が一部所有する、3億5千万人以上の登録プレイヤーがいるゲーム「Fortnite(フォートナイト)」の中でも「Arcane」のプロモーションを行った。数日のうちに「Arcane」はNetflixのチャートのトップに躍り出て、11月8日の週には3400万人以上の視聴者を獲得して第2位となった

北米よりも欧州とアジアで大きなプレゼンスを持つ同社についてニーダム氏は、2022 Worldsツアーを、同ゲームへの新たな関心を生み出す手段と考えている。

「創設以来、世界中で6億人以上のプレイヤーがLeague of Legendsの世界を楽しんでくださっています。チャーンして現在ゲームをプレイしていない方も、プレイインのメキシコシティ、準々決勝のニューヨーク、準決勝のトロント、決勝のサンフランシスコと、我々が北米エリアをカバーしていく中で、再開していただきたいと思っています」。

  1. Riot-Games-eSports-president-John-Needham-_-photo-credit-Martine-Paris

  2. Riot-press-conference-with-John-Needham-on-the-left-_-photo-credit-Martine-Paris

  3. Riot-eSports-president-John-Needham-on-the-left-giving-press-tour-of-where-the-2022-League-of-Legends-World-Championship-will-be-held-at-the-Chase-Center-_-photo-credit-Martine-Paris

  4. Riot-rings-the-game-bell-_-photo-credit-Martine-Paris

  5. Warriors-Steph-Curry-investor-in-League-of-Legends-esports-team-TSM-_-Photo-by-Martine-Paris

Riotは新しいプラットフォームへの進出に興味を持っているが、ニーダム氏によると、メタバースに飛び込む計画はないとのこと。

「当社と提携してNFTをやりたいというパートナーはたくさんあり、分析しているところですが、今はまだ語れるようなNFTやブロックチェーンの戦略はありません。コレクターズアイテムは、伝統的なスポーツとは異なり、eスポーツでは大きな役割を果たしていないのです」と彼はいう。「eスポーツの観点から飛び込む前に、NFT市場がもう少し成熟するのを見たいと考えています」。

また、RiotはNetflix Gaming(ネットフリックス・ゲーム)やRoblox(ロブロックス)との提携も予定していないと同氏は付け加えた。

画像クレジット:Netflix

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(文:Martine Paris、翻訳:Dragonfly)

Riot Gamesの元同僚二人が設立した新しい投資会社Patronが約103億円確保

Axie Infinityからのワンシーン(画像クレジット:Yield Guild Games)

テック関連のニュースを追っている人なら、ブロックチェーンベースの「遊んで稼ぐ」トレンドに関する記事が増えていることにおそらくお気づきだろう。これは個人が暗号資産によるゲームをし、そのゲームの中で資産やトークンを稼ぎ、それを「現実」のお金に替えて生計を立てることができるものだ。

「Axie Infinity」と呼ばれるベトナムの会社が、この動きを推進している。同社は非常に人気があるため、フィリピンには「Axie Infinity」でゲームを始めたい人向けにお金を貸すためだけに存在しているスタートアップがあるほどである(ゲームを始めるにはまずデジタルクリーチャーを購入する必要がある)。このお金の貸し手も、ゲームの背後にある会社も、どちらも現在Andreessen Horowitzから資金援助を受けている。

このトレンドは一過性のものではないと、Patronと呼ばれるアーリーステージ専門の新しい投資会社を創設したある共同創設者2人はいう。彼らは「Axie」のようなゲームが分散型「Web 3」と呼ばれる時代の最大の消費者になると信じている。

私たちは、先にPatronの創設者たちにもっと詳しく話を聞くためにメールをした。彼らのうちの1人、Brian Cho(ブライアン・チャオ)氏は、過去7年間Riot Gamesで過ごし、ビジネスおよび企業開発のグローバル責任者を務めた(また、彼は2012年からアンドリーセンホロウィッツに2年間勤務している)。共同創設者であるJason Yeh(ジェイソン・イェ)氏は、過去4年間、ドイツのベルリンで自ら投資会社を立ち上げ運営していた。またそれ以前はEU Esportsの責任者としての業務も含め、8年間Riot Gamesで働いていた。

2人には多くの共通の知り合いがおり、そうした人々がPatronの新しい投資家層を形成している。その中には、Andreessen Horowitzのパートナー数人や、Union Square VenturesのFred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏、 Initialized CapitalのGarry Tan(ギャリー・タン)氏、GGV CapitalのHans Tung(ハンス・タング)氏などが含まれる。2人は、Patronの今度の道筋についても語ってくれた。

TC:お2人はRiot Gamesで知り合ったのですよね。ご自身の会社を立ち上げるために、いつ頃独立する決心したのですか?

BC:私たちはRiot Gamesで同僚として知り合い、過去10年ほどにわたってさまざまな取引に共同で投資する中で、次第に関係を深めて行きました。Patronのコンセプト自体は長い間温めてきたのですが、ごく最近になるまで、私たちがもともと思い描いていた種類の会社を作ることができるようなマーケットニーズがありませんでした。

TC:Patronには著名な多くのVCが投資していますね。最初に投資してくれたのはどこですか?

BC:私たちは、ゲームに個人的に関与し、私たちの会社がシリーズAを順調に達成できるよう支援したいと考えてくれている投資家を引き入れることに意図的に力を入れました。また、これは予期していなかったのですが、私たちの初期のLPが、全体的な資金調達と市場で最も競争力のあるシード取引を勝ち取ることに非常に大きな影響を及ぼしたようです。結果的に 4カ月で9000万ドル(約103億円)を集めることができました。

LPの多くは、過去10年ほ多くの期間、同僚や共同投資家として親しい関係にあった人々です。したがって彼らに最初に関わってもらうという判断は理にかなったものでした。最初に資金提供してくれたのは、私たちのボスでメンターだったa16zのChris Dixon(クリス・ディクソン)氏やMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏、FirstMarkのRick  Heitzmann(リック・ヘイツマン)氏やAmish Jani(アミッシュ・ジャニ)氏といった人々、そしてRiot Gamesの創設者です。個人からの資金提供額平均は40万ドル(約4600万円)を超えており、多くの方々が個人的に多額の資金援助をしてくれました。

TC:機関投資家は関与していないのですか?Riot Gamesはどうでしょう?

JY:Horsley Bridge PartnersとInvesco が当社の最も重要な機関投資家です。Riot Gamesは当社には出資していません。というのも、私たちは資金を提供するための戦略よりも個人や機関を優先したいと考えていたからです。

TC:「遊んで稼ぐ」は「Axie」のおかげで今突如としてトレンドになっていますね。お2人はこのトレンドにどれくらいの期間注目してきたのですか?そして興味深いスタートアップは他にもありますか?そしてそれはなぜですか?

BC:私は約4年前にRiot Gamesを退社して、Cryptokittiesの発売に合わせてNFTゲーム関連の会社を立ち上げました。残念なことに、当時は消費者や投資家の関心が高くなかったので、タイミングがよくありませんでした。2018年に市場の景気は底を打った後は特にです。それでも、過去1年間で私たちにとって最も重要なシグナルだったのは「AxieInfinity」や「 NBATop Shot」など非暗号ユーザーをプラットフォームにオンボーディングできる製品に関するものでした。

さらに、BAYCやPunksといった暗号資産ベースの製品がメインストリームになってきました。Coinbase NFTマーケットプレイスでの230万件のウェイティングリストと、AAAおよびWeb 2ゲーム開発者がこの分野で会社を立ち上げるために現在の勤め先を退社するという流れは、すべてすばらしい兆候でした。

TC:現在までにいくつ投資を行いましたか?

JY:発表はまだされていませんが、いままでのところ4つの投資を行いました。

TC:トークンや株式を買うために資金を使う予定ですか?これらの異なる投資のモードについてどうお考えですか、そしてこれについて御社のLPはどのように考えているのでしょうか?

JY:はい、その予定です。私たちの最初の取引の1つは純粋なトークン取引です。私たちはこれらを1つ1つ評価しています。またこのトークン取引が、創設者が構築しようとしているスタートアップや製品のタイプに適した配慮の行き届いたものであるべきだ、と考えています。私たちはLPに対し、ゲームとWeb 3の強力な融合を考えると、Web 3やトークンに資金の相当な部分を使うことになると伝えてあります。それが、彼らがPatronでの投資活動に興奮している理由の1つです。

TC:投資の対象を考えたとき、ロサンゼルスに拠点があるということは、なにか特別な利点があると思われますか?

JY:はい。ロサンゼルスには現在アート、創作、ゲーム、エンターテインメント、暗号資産が色濃く交差しています。そうはいっても、私たちは仮想的な性質をもった会社であり、ロサンゼルスやシリコンバレーで存在感を発揮する一方、サービス提供は国際的なものになるでしょうし、取引の約半分はアメリカ国外のものになると予想しています。

私は過去10年間のほとんどをベルリンで過ごし、最近ロサンゼルスに戻ってきたところです。そしてブライアンも私もRiot Gamesでは、東アジアや東南アジアにおけるビジネスチャンスのために働いていました。私たちは、こうした地域のどこからでも世界的な消費者ビジネスを構築できると信じています

TC:出資の額面についてですが、あなたが投資する際の最低出資額、そして上限については、どのようにお考えですか?

JY:私たちは高い信念と集中型ポートフォリオモデルを持っています。つまり、私たちは量よりも質を重視し、シードステージでの機会を主導または、共同で主導することを目指しています。これは、私たちが活動するステージにおいて、主要投資家として早い時期に高い割合でオーナーシップを持つことを目標に100万ドルから400万ドル(約1億円から4億6000万円)の間で投資することを意味しています。

TC:興味深いプロジェクトをどこで見出すのですか?

JY:私たちのLPは私たちの取引の流れ、そして競争の厳しい取引を勝ち取るための最善のソースです。また、もちろん、TwitterやDiscordが私たちにとって創設者たちと繋がるのに自然な場所になるでしょう。また私たちはDAOsや緊密に結びついたエンジェルシンジケート(私たちもその一部ですが)といった新しい領域が私たちの取引の流れの重要なソースになることを期待しています。

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(文:Connie Loizos、翻訳:Dragonfly)