建築現場の3DデジタイズロボットがStartup Battlefieldベルリンの最優秀賞を獲得

ベルリンで開催されたTechCrunch Disrupのスタートアップ・バトルフィールドの参加者は当初14チームあった。2日間にわたる激烈な競争を勝ち抜いて勝者が決定した。

Startup Battlefieldの登壇者はすべて我々が慎重に選定した優秀なスタートアップばかりだ。チームはベンチャーキャピタリスト、テクノロジー界のリーダー、著名ジャーナリストを含む審査員グループの前で公開プレゼンを行い、Disrupt杯の名誉と5万ドル(約550万円)の賞金獲得を目指した。

1日目のプレゼンの後、TechCrunchの編集部は審査員の評価メモをベースに数時間わたって討議し、GmeliusHawa DawaInovatScaled RoboticsStableの5チームを最終候補とした。

選ばれたチームは2日目に最終決定を決定を行う審査員の前でプレゼンを行った。パネルのメンバーは、Accel PartnersのAndrei Brasoveanu (アンドレイ・ブラソヴェアヌ)氏、 Sequoia CapitalnのAndrew Reed (アンドリュー・リード)氏、ソフトバンクビジョンファンドのCarolina Brochado(カロライナ・ブロチャド)氏、Generation Investment ManagementのLila Preston
リラ・プレストン)氏の各氏にTechCrunchのMike Butcher(マイク・ブッチャー)記者が加わった。

優勝:Scaled Robotics


Scaled Roboticsが開発したのは、建設現場の詳細な3D画像を自動的に取得するロボットだ。処理は高速で極めて精密な測定を行うことができる。例えば、設置された梁材の位置が設計と1、2センチずれているだけで判別できるという。建設現場の責任者はロボットのソフトウェアを利用してどのような部材がどのフロアのどの位置に設置されているか、ほぼリアルタイムで詳細にチェックできる。また設置が許容誤差の範囲内にあるかも判別できる。また廃棄物の堆積などが作業の安全を脅かしていないかチェックできる。下は作動中のロボットのビデオだ。関連記事はこちら

準優勝:Stable

Stableは農産物等の購入者を価格変動から守る保険を自動車保険なみの手軽さで提供するサービスだ。コカ・コーラのような巨大企業からスムージーを販売するローカルビジネスまで、世界の関係者は農産物に加えてパッケージやエネルギー関連プロダクトまで多数のアイテムに保険をかけることができるStableについては別記事で詳しく紹介している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Disrupt BerlinでのStartup Battlefieldファイナリスト5社が決定

現地時間12月11日、ドイツ・ベルリンで開催されたDisrupt Berlinのステージに14社のスタートアップが立ち、ライブのデモと彼らの起源とビジネスモデルに関するプレゼンテーションを行い、業界のエキスパートである審査員たちの質問に答えた。そこからTechCrunchは、審査員たちの意見も参考に、5社のファイナリストを選んだ。彼らの製品は、生産性ツールから大気汚染に至るまで実にさまざまだ。

これらのファイナリストたちは明日12月12日の決勝のステージで、新たな審査員を前に再びプレゼンを行う。その実況はTechCrunchのウェブサイトでも見られる。そして優勝チームは5000ドルの賞金と、由緒あるDisrupt Cupを1年間管理する権利を勝ち取る。以下が、そのファイナリストだ。

Gmelius


Gmeliusは、Gmailの中に作業スペースを作り、チームが次々と新しいソフトウェアを導入するのではなく、既存のさまざまなツールで仕事ができるようにする。GmeliusはGmailの作業スペースに、受信トレイの共有やヘルプデスク、アカウント管理、オートメーションツールなどさまざまな機能を加える。関連記事はこちら

Hawa Dawa

Hawa Dawaは、衛星や大気質監視ステーションなどからのデータを組み合わせて大気汚染のヒートマップを作り、そのマップをAPIのサブスクリプションとして都市や企業に売る。データの利用はハードウェアを特定しないが、同社は大気質センサーを装備していない企業や都市のために、独自のIoTセンサーを作って提供している。関連記事はこちら

Inovat

Inovatは、旅行者に対する付加価値税の還付手続きを容易にする。アプリとOCRと機械学習を併用してレシートを解釈し、取られすぎの税金を計算して、正しい形式の申告書類をオンラインで、または税関に直接提出する。関連記事はこちら

Scaled Robotics

Scaled Roboticsのロボットは、建築現場の3D進捗マップを数分で作る。精度は高く、梁の1〜2cmのずれでも見つける。現場監督はそのマップを見て細部の状況をチェックできる。現場に残された残骸が多すぎるという検知もできる。関連記事はこちら

Stable

Stableが提供するソリューションは自動車保険並にシンプルだ。同社は世界中の農家を、価格変動から護る。このスタートアップを利用して、小さなスムージーショップからコカコーラのような大企業に至るまで、何千種類もの農産物や包装資材、エネルギー製品などに保険を付けることができる。関連記事はこちら

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

EVに自動充電するロボチャージャーがサンフランシスコにやってくる

現在の電気自動車の充電スタンドは、人間の運転者向けに設計されている。Electrify America(エレクトリファイ・アメリカ)と、米国サンフランシスコに拠点を置くスタートアップのStable(ステーブル)は、運転者が人間ではなくなる日に向けて準備中だ。

Electrify Americaは、フォルクスワーゲンが創立した会社。例のスキャンダルとなったディーゼル車の排気ガスに関する不正行為に対して、米規制当局との和解に基づいて設立された。今回、Stableと提携し、人間が操作しなくても電気自動車を充電できるシステムをテストする。

この自律型電気自動車充電システムは、Electrify Americaの150kw DC急速充電装置と、Stableのソフトウェアおよびロボット工学を組み合わせたもの。EV充電装置に取り付けられるロボットアームは、電気自動車の充電ポートを見るためのコンピュータービジョンを備えている。両社は、2020年初頭までにサンフランシスコに自動充電ステーションを開設する予定だ。

自律型電気自動車充電ステーションのイメージ

このシステムは、単にちょっと気の利いたロボットアームというだけのものではない。Stableのソフトウェアとモデリングのアルゴリズムが、いつ来るとも知れないロボタクシーだらけの時代を待つことなく、今日でも立派に役立つものとなる上で、非常に重要な役割を果たしているのだ。

現在の道路は自動運転車であふれているわけではないものの、企業や政府が使う車両群、UberやLyftのようなライドヘイリングのプラットフォームが使う車両を合わせれば、何千台もの車で埋め尽くされている。こうした、いわば商用車両は、経済状況や規制の影響もあって、どんどん電動化が進んでいる。

「そろそろ、そうした車両群について真剣に考えなければならなくなっています。自動運転車であるかどうかに関係なく、大量の電気自動車群をどうやって充電すればいいのか」と、Stableの共同創立者兼CEOであるRohan Puri(ローハン・プーリ)氏は、最近のTechCrunchのインタビューで語っている。

Stableは、まだ従業員が10人程度の小さな会社。その多くは、テスラ、EVgo、Faraday Future、グーグル、スタンフォード大学、およびMITの出身者だ。EVステーションを配備する際に、充電装置を設置する最適な場所を定め、スケジューリングのソフトウェアを最適化するデータサイエンスのアルゴリズムを開発した。

同社のデータサイエンスに基づくアルゴリズムは、設置コスト、利用可能な電力、土地の価格、といった要素に加えて、充電が必要となった車が、充電サイトに移動し、充電を終えて元の業務に復帰するのに要する時間までを考慮したものとなっている。Stableでは、商用車群に関しては、1つの巨大な集約型充電ハブを設けるよりも、市街地に分散された充電サイトのネットワークの方が利用されやすく、運用コストも低いという結論に達している。

そのようなサイトからは、Stableのソフトウェアが、電気自動車を、いつ、どれだけの時間をかけて、どれくらいの速度で充電すればよいのか、といった指示を出す。

2017年に創立されたStableは、Trucks VC、Upside Partnership、MITのE14 Fundからの投資を受け、NerdWalletの共同創立者のJake Gibson(ジェイク・ギブソン)氏、Sidecarの共同創立者兼CEOのSunil Paul(スニル・パウル)氏など、多くのエンジェル投資家の出資も受けている。

サンフランシスコでの試験的なプロジェクトは、プーリ氏が期待するような大量の車両群に注力した充電サイトへ進展するための第1歩となる。そのプロジェクトに共同で取り組むElectrify Americaは、これまでは主に消費者向けの充電ステーションに注力してきた。Electrify Americaは、今後10年で、クリーンエネルギーのインフラと教育のために20億ドル(約2142億円)を投資すると発表した。同社は、すでに486以上の電気自動車充電ステーションを設置済、または建設中としている。そのうち262の充電ステーションは、すでに認可され、一般向けに公開されている。

一方のStableは、自律型電気自動車充電システムのデモンストレーションと、車両群を抱える顧客の獲得に熱心だ。

「我々がやろうとしたのは、この新しい交通手段の時代のために、ガソリンスタンドを再発明することです。それは、大規模な車両群を中心としたもので、もちろん電気です」と、プーリ氏は説明する。「確かなのは、適切なインフラが、適切な場所に十分設置されているという状況には、まだほど遠いということです」。

画像クレジット:Stable

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(翻訳:Fumihiko Shibata)