標識などを瞬時に訳してくれるGoogle Translateが、対応言語を27ヵ国語に拡大

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自国語の通じない国を旅行したことはおありだろうか。最近ではそうした際に利用できるツールがいろいろと登場してきている。しかしそんな中でも、Google Translateが、No.1ツールとしての地位を獲得しているのではなかろうか。

手軽さでいってもナンバーワンで、6ヶ月前からはインスタント翻訳の機能も備えるようになった。これは、買収したWord Lensの機能を利用したもので、標識などにカメラを向けると、直ちに(かつ驚くほど正確に)内容を翻訳してくれるというものだ。

その機能はこれまで7ヵ国語で利用できるものだったが、このたび27ヵ国語に拡大されたのだ。これにより利用可能な言語は英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、ブルガリア語、カタロニア語、クロアチア語、チェコ語、デンマーク語、オランダ語、フィリピン語、フィンランド語、ハンガリー語、インドネシア語、リトアニア語、ノルウェイ語、ポーランド語、ルーマニア語、スロバキア語、スウェーデン語、トルコ語、そしてウクライナ語となった。iPad版およびAndroid版の双方で、アップデートの提供を開始したところだ。

インスタント翻訳および音声翻訳のスピードはニューラルネットワークを活用することで実現しているのだそうだ。仕組みについてはGoogle TranslateのソフトウェアエンジニアであるOtavio Goodがブログで説明している。なかなか難しい内容だが、テクノロジーに興味のある人には面白い内容だろう。

個人的には、ついには他言語を学ぶことなく、テクノロジーの力により理解できる時代になってきたのかと感慨深く思う。これはたとえばGPSに似ているだろうか。そちらの方も仕組みはよくわからないものの、手放せないツールとなっている。ついには外国語も「理解せずとも使える」段階になりつつあるのかもしれない。

(訳注:原文にはこの後、Google TranslateのプロダクトマネージャーであるJulie Cattiauへのインタビューが掲載されています)

原文へ

(翻訳:Maeda, H

Googleとどう違う? エキサイト翻訳が15年目の機能拡張で専門用語を強化

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オンライン翻訳サービスの老舗「エキサイト翻訳」。2015年8月に15周年を迎えるこのサービスが機能拡充を実施した。8系統106分類の分野を選択することで、それぞれの専門用語にも対応した翻訳が可能になる(現状は英語のみ)。数個のボタンがついた程度で、以前と比べて正直見た目の大差はほとんどない。だがビジネスや専門分野の翻訳において使い勝手が大幅に向上しそうだ。

このサービスの詳細を伝える前に、まずは僕らが普段利用している翻訳サービスに大きく2つの種類があるという話をしたい。僕は今回紹介するエキサイト翻訳に加えて、Google翻訳を利用することが多い。正直どちらが優れているというよりかは、両者が得意とするコンテンツ、苦手とするコンテンツが結構違っていて、片方でうまく翻訳できない場合でも、もう片方ではうまく翻訳できる、なんてことが少なくないからだ。

それもそのはずで、(知っている人からすればとっくに知っている話だろうけど)この2つのサービス、同じ機械翻訳とはいえ翻訳エンジンの内容がまったく違うのだ。

統計ベース、ルールベース2つの翻訳エンジン

まずGoogle翻訳だが、これは「統計ベース」の翻訳エンジンを使用している。これは大量の対訳データを収集して、その統計データを元に翻訳の仕方を学習するというものだ。データがあればあるほど自然な表現にもなるし、訳文の精度も高まっていく。

ただし、統計ベースの翻訳エンジンでは、データの内容や分量によってそのクオリティが大きく変わる。基本的には日常会話や口語文、スラングなんかは得意なのだけれど、説明書や技術書、ビジネス文書なんかあまり得意ではないのだそう。統計ベースの翻訳サイトといえばGoogle翻訳のほか、Microsoft Translator(BingやFacebook、Twitterの自動翻訳など)

もう1つあるのが「ルールベース」の翻訳エンジンだ。これは文章の構文「主語」「述語」「目的語」といったように解析し、それぞれに対して辞書にある意味を当てはめて翻訳するというものだ。辞書をベースに翻訳をするため、一貫性がある翻訳結果を返すし、辞書を増やせば増やすだけ、幅広い業界の用語にも対応できるというわけだ。

もちろん弱点はある。文法的に正しくない文章であれば翻訳もうまくいかないし、辞書を使うので自然な翻訳文は苦手だ。だから日常会話なんかの翻訳はうまくいかない。これはエキサイト翻訳のほか、Yahoo!翻訳やLINE翻訳、Weblio翻訳といったポータル系の翻訳サービスに導入されている。

技術者や大学生のニーズに対応

この翻訳エンジンの違いを理解すると想像できるかも知れないが、エキサイト翻訳の利用者に多いのは、技術職や学生(特に大学生)。これはつまり専門書や仕様書、論文といった専門性の高い、ルールベースの翻訳エンジンの得意領域を多用するユーザーが多いということだ。そんなこともあって今回、専門用語辞書が追加されたのだそう。

この辞書の重要性が分かるのが多義語の処理。例えば「power」という単語はITや電気といった分野によっては「電源」を意味するが、「体力」だったり「支配力」だったりといろいろな意味を持っている。今回最適な分野を選択することで、こういった単語、文章もスマートに翻訳してくれるのだそうだ。

「retirement-accounting」というちょっと聞き覚えのない単語で実際に試してみよう。Google翻訳だとハイフンがそのまま訳されてしまって「退職-会計」となり、これまでのエキサイト翻訳だと「退職アカウンティング」とこちらもよく分からない言葉になる。それが新機能で「社会学系:金融」の辞書を選択すると「除却会計」となり、正しい「retirement」の解釈がなされることになる。ちなみにエキサイト メディアサービス本部ポータルメディア部の井上佳央里氏いわく、統計ベースとルールベースの翻訳サービスは、「競合として見るのではなく、用途によってどちらも使うのがおすすめ」とのこと。

このほかエキサイトでは、機械翻訳ではどうにもならない場合のために、500円(1文字6円程度)から人力で翻訳するというサービスも提供している。

Google Translateのモバイルアプリにリアルタイムの音声/街路標識翻訳が加わる

Google Translateは今すでに、海外で生活している人や、よく旅をする人にとって、たいへん便利なアプリケーションだが、今日(米国時間1/13)はそのモバイルアプリがさらにお利口になった。AndroidとiOSアプリの今回のアップデートでは、二つの気の利いた機能: リアルタイムの音声翻訳と街路標識の翻訳が加わったのだ。

街路標識(下図)については、GTには画像からの翻訳機能が前からあったが、今回のはリアルタイムで遅れがないし、オフラインでも使えるから旅行者にはとくに便利だ。

このビジュアルな翻訳は、GTアプリの中でモバイルデバイスのカメラをセレクトすると有効になる。そしてカメラを標識に向けると、その翻訳がすぐに画面に現れる。ただし、表示板の全体をカメラに写さないと、翻訳はできない。


リアルタイムの音声翻訳も、すごい。それぞれ相手の国語が分からない二人がいたら、このアプリは両者間の通訳を演ずることができる。

アプリ内のマイクをタップしてから、まず自分の国語で話す。その言語が認識されたら、マイクをもう一度タップすると、二人の会話を開始できる。リアルタイムでテキスト翻訳も併用するから、より優秀な通訳機能になる。

AndroidのGTアプリには前から音声翻訳の機能があったが、今やそれがiOSにもやってきた。ただしGoogleによると、Androidの方が“より速くてよりナチュラル”だそうだ。


なお、この‘瞬間的翻訳機能’には、まだ制限がある。今のところ対応言語は、英語⇔仏語|独語|伊語|葡萄牙語|露語|西班牙語のみ、である。仏語⇔独語、などはまだない。Googleは、徐々に言語は拡張する、と言っている。

Googleがついでに発表したGTの利用者データによると、毎月5億人が利用し、一日に10億件あまりの翻訳を行っているそうだ。

これらの数字もまたすごいが、iOSとAndroidアプリの両方に二つのとっても便利な機能が加わったのはありがたい。GTは今後さらに、巨大な怪物のようなアプリに育っていくのだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))