飲食店の未来が東小金井に出現、コネクテッドロボティクスの蕎麦茹でロボが実戦配備へ

コネクテッドロボティクスは3月16日、JR東日本の中央線・東小金井駅の改札内にある駅そば店「そばいち」に、同社が開発した蕎麦茹でロボットを期間限定で配備した。

4月15日までの約1カ月間、独自チューニングされたアームロボが茹でた蕎麦を食べられる。営業時間は朝7時から22時まで。

今回の取り組みは、同社がJR東日本スタートアップが実施した「JR東日本スタートアッププログラム2019」に採択されたことで実現したもの。JR東日本スタートアップと同じJR東日本のグループ会社で、JR東日本の駅構内の飲食店などの運営を手掛ける日本レストランエンタプライズを加えた3社での実証実験となる。

蕎麦を茹でる工程。3食の蕎麦を同時に茹でられ、交互に計6食の蕎麦を茹でることが可能だ

茹でた蕎麦のぬめり取りと水切りの工程

日本レストランエンタプライズが運営するそばいちは、注文が入ったら店舗で生蕎麦を茹でて提供するスタイル。

コネクテッドロボティクスが開発した蕎麦茹でロボットは、茹でる、湯切りする、ぬめりを取る、冷水で締める、水切るするという蕎麦の調理工程を流れ作業で処理。一度に6食ぶんの蕎麦を茹でることが可能で、1時間あたり40食程度の処理が可能という。なお、茹で上がった蕎麦につゆを入れて薬味や天ぷらをトッピングする作業については人力となる。ちなみに店舗内にはフライヤーも設置されており、こちらもその場で揚げるシステムだ。

蕎麦は基本的には券売機で食券で購入する。現金のほかもちろんSuicaなどの交通系ICカードでのキャッシュレス決済も可能だ

コネクテッドロボティクスの沢登哲也CEOによると「東小金井駅は弊社から近いこともあり、実証実験の場として選ばれた」とのこと。「生蕎麦を茹でるというそばいちの調理方法が弊社開発のロボットとマッチしました。これまでそれほど気にしてなかったのですが、食べ比べてみると茹でおきした蕎麦とはまったく違いました」とまずは味の感想を語ってくれた。現在、蕎麦店だけでなくラーメン店などからも問い合わせが来ているそうで、「ラーメン、特にとんこつラーメンの場合は麺の硬さを選べますが、それこそがロボットが得意とする部分です」と沢登氏。

蕎麦の茹で時間は飲食スペースに設置されたディスプレイで確認できる。茹で上がったあとにつゆやトッピングを投入をスタッフが担当する

駅そば店は朝早くから夜遅くまで稼働時間が長いことからメンテンスの頻度について質問したところ「メーカーによりますが汎用アームロボットは4〜5年の連続稼働を想定して開発されており、実際には10年ぐらいは大きな故障もなく使えることが多い」とのこと。なお、今回の蕎麦茹でロボットの導入コストは明らかにされていないが、以前の取材で沢登氏は「RaaS(ロボットをサービスとして提供)として提供する場合、1年間のコストはアルバイトの1人分の人件費程度」と語っていたことを踏まえると、安定した蕎麦茹でスキルを備えたロボットが最低でも5年程度、通常運用であれば10年稼働することによって、人手不足の解消に貢献することは間違いないだろう。

そばいちでは、生蕎麦から茹でるため調理に時間がかかる。取材時は稼働していなかったが、店内のディスプレイで購入した蕎麦の出来上がりが確認できる。こちらは蕎麦茹でロボットと直接連動しているわけではない

同社の佐藤泰樹COOもラーメン店でのロボット展開に期待を寄せる。「チェーン展開しているラーメン店の多くはとんこつラーメン店で、専用の麺茹でロボットとなると麺の茹でより時間が重要になってくる」としたうえで「問題はバリカタです」とのこと。店舗によって茹で時間は異なるが、一般的に「粉落とし」「ハリガネ」「バリカタ」などは茹で時間が数秒から十数秒と短いため、麺茹でロボットにとっては克服すべき課題の1つとのこと。またとんこつラーメン店では替え玉の需要が高いが「替え玉の場合は、麺茹でのあと麺を畳むように丼に入れ、ラーメンのタレをかけるまでの工程を自動化したいという要望もあり、超えるベきハードルは多い」とのこと。

今回の蕎麦茹でロボットの実戦配備については「蕎麦茹で以外の店舗作業のロボット化についても要望が多いのですが、展示会などでのデモンストレーションだけでなく、実際の飲食店で本格稼働するロボットをいち早く世に出したかった」と語る。

ちなみに同社開発のロボットはすでに飲食店2店舗に実戦配備されている。2018年7月に長崎県のハウステンボスにある飲食店、2019年10月に千葉にあるイトーヨーカドー幕張店に、たこ焼きロボットのOctSheff,ソフトクリームロボットのレイタがともに稼働中で、期間限定ながら蕎麦茹でロボットが導入されるのは今回が初だ。そのほか、大手企業のたこ焼き工場に配備されている機体もある。

JR東日本スタートアップの柴田 裕社長は今回の実証実験について「駅構内といっても郊外の飲食店は人手不足が深刻です。今回の実証実験で運用上の問題点などをチェックして本格稼働につなげていきたい」と語る。「一昨年にはサインポストと無人コンビニエンスストア、昨年はShowcase Gigとセルフオーダーなどの取り組みを続けてきました。JR東日本沿線では郊外や観光地の駅構内・隣接の飲食店は、対策を打たないと近い将来に人手不足で閉店になってしまうところもあります。この問題をロボットが補うことで多くの店舗の閉店を回避したい」と今回の実証実験について期待を寄せていた。

今後の蕎麦茹でロボットの配備計画は未定としたうえで「そばいちは現在8店舗あり、ほとんどの店舗が東小金井店と同じキッチンレイアウト」とのこと。ロボットのサポート・メンテナンス体制などの課題もあるが、本格導入が決まればまずは系列店舗に配備されるかもしれない。ちなみに今回、東小金井駅のそばいちに配備されたアームロボットは壁に取り付けられおり、事前に壁の補強工事などを実施したとのことだが、既存のキッチンスペースを拡張することなく配備が完了したとのこと。

コネクテッドロボティクス渾身の食洗機ロボを初披露、自動蕎麦ゆでロボは3月中旬に駅そば店に導入決定

コネクテッドロボティクスは2月18日から21日までの4日間、千葉の幕張メッセで開催されている「国際ホテル・レストラン・ショー」に出展し、同社開発のさまざまなロボットを展示している。

たこ焼きロボットの「オクトシェフ」

TechCrunchではもはやおなじみの、たこ焼きロボットの「オクトシェフ」、ソフトクリームロボットの「レイタ」、コンビニエンスストア向けのホットスナック調理ロボットの「Hot Snack Robot」の改良版などの動きを実際に確かめられる。

ソフトクリームロボットの「レイタ」

同社は「調理をロボットで革新する」をミッションに掲げる2014年2月設立のスタートアップ。単純だが過酷な作業をロボットに任せることで、スタッフがクリエイティブな仕事に注力できるように、さまざまなロボットを開発している。ロボット自体は汎用のアームロボットを使うのが特徴で、AIや画像認識などによって飲食店内の各種作業に最適化した動きを実現する。

コンビニエンスストア向けのホットスナック調理ロボットの「Hot Snack Robot」

今回の目玉は、業務用厨房機器の総合メーカーのタニコーと共同開発した「どんぶり食洗ロボット」と、3月中旬にJR東小金井駅の駅そば店に導入される「そばロボット」。どんぶり食洗ロボットは、タニコーの既存の食洗機をベースにコネクテッドロボティクスが独自設計したカスタム品だ。

テクノロジー満載のどんぶり食洗ロボット

どんぶり食洗ロボットは、同社の画像認識技術でどんぶり、小皿、汁椀、コップという4種類の食器を識別し、アームロボットに取り付けられた吸盤で各種食器を食洗機のラックに収納していく。食器はすべて裏返しにして置く必要があるが、重ねてもOK。スタッフは下膳した食器を洗い場まで持って行き、残飯などを取り除いた状態で食洗機レーンに放置するだけで、あとはロボットに作業を任せられる。

ロボットはアームの先端に搭載されている吸盤を使って各種食器を水を張ったシンクに付けていく。このシンク内は水の流れがあり、汚れが落ちやすくなっている。

また、どんぶりはシンク内に設置されている回転ブラシ、汁椀は同様にシンク内に設置されているシャワーで大きな汚れを落とせる。そのあと食器は食洗機のラックに移されていき、ラックがいっぱいになればそのラックをロボットアームが食洗機に押し込むという流れだ。アームには、吸盤のほか、ラックを食洗機へ押し込んだり、食洗機から引き出したりするためのパーツも備わっている。

洗浄を終えた食器は、もう1本のアームロボットによって食洗機からラックごと引き出され、洗浄前と同様に画像を認識しながら各食器を決められた場所に移動する。洗い終わった食器の移動が終了したらアームロボットが食洗機側にラックを戻すと、もう一方のアームロボットが再び動き出すという仕組みだ。ラックの配置場所は2本のアームロボットの操作で循環するようになっているので、洗い場から食器がなくなるまでロボットは働き続ける。

どんぶり食洗ロボットには、同社が開発した高度な画像認識・AI技術が導入されており、食器と特性するためのマーカーなどは不要だ。食器の汚れなども認識し、シンクで予備洗いするなど芸が細かい。このロボットを導入することで、30分で20〜30人分の食器を洗浄できる。同社によると、最大12種類の食器を認識することが可能とのこと。今後チェーン店での実証実験を進めていくそうだ。

東小金井駅への実戦配備間近のそばロボット

そばロボットは、JR中央線・東小金井駅構内の駅そば店「そばいち nonowa東小金井店」への試験導入が決定している。そばいちは、JR東日本のグループ企業である日本レストランエンタプライズが運営する店舗で、店内で生そばを茹でるのが特徴だ。コネクテッドロボティクスで1本のアームロボットで、茹で、ぬめり取り、水締め、水切りの4つ動作を実現。生そばから茹でるため、茹で麺機に投入してから100秒待ってぬめり取り用シンクにつけ込み、その後、水締め用のシンクに移動、最後に軽く水切りをして一連の工程を終える。その後は、スタッフが再度水切り後、そばつゆを入れたり、天ぷらをトッピングすれば完成となる。

このロボットでは1時間に40杯のそばを茹でられる。同社によると、そばロボット自体は1時間に80杯を作る能力があるとのこと。

また一度茹でられている冷凍そばや、事前に茹でたそばを茹で麺機で温めるだけの駅そば店であれば、茹で時間を短縮できるほか、ぬめり取りの工程を飛ばせるので短時間でさらに多くのそばを作れるそうだ。

そのほか、同社のブースでは従来に比べて安価なアームロボットを利用したビールサーバーロボも展示されている。

たこ焼きロボがイトーヨーカドー幕張店に実戦配備、今川焼きロボ、食洗機ロボの導入も視野に

コネクテッドロボティクスセブン&アイ・フードシステムズは10月16日、千葉・幕張にあるイトーヨーカドー幕張店にコネクテッドロボティクスが開発した、たこ焼きロボット「オクトシェフ」(愛称:ハッピー)2体とアイスクリームロボット「レイタ」(愛称:ワンダー)1体を導入したことを発表した。3体のロボットは10月17日朝9時から稼働する

「まずは幕張店へ導入・検証したうえで他店への展開も考えていく」と語るセブン&アイ・フードシステムズの小松雅美社長

実際に3体のロボットが配備されるのは、イトーヨーカドー幕張店の1F奥にあるフードコート。イトーヨーカドー店舗内を中心に営業しているファストフード店のポッポ幕張店だ。同店では、お好み焼きやラーメン、たこ焼き、ソフトクリームなどを販売しており、今回のロボット導入でたこ焼きとソフトクリームの提供作業が省人化される。

「2020年に100台、2022年に1000台のロボットの普及を目指す」と語る、コネクテッドロボティクス創業者の沢登哲也氏

たこ焼きロボットのハッピーは、コネクテッドロボティクスが長崎・ハウステンボスに導入しているオクトシェフをベースにポッポ仕様にカスタマイズされた機体だ。具体的には、ロボットのスキルアップ(制御部分のチューニング)、業務用厨房機器メーカーのタニコーとの協力により安定性・信頼性を持たせた。そのほか、アームの先に取り付ける器具などの消耗品の耐久性も向上させている。

たこ焼きの生地や具材、油などをあらかじめ所定位置にセットしておくことで、鉄板への油入れ、生地の流し込み、具材の投下、たこ焼きをひっくり返す、たこ焼きをピックアップするという操作をロボットが代行してくれる。店舗スタッフは、ロボットがピックアップしたたこ焼きを小皿に取り分けて、ソースやマヨネーズ、かつお節などのトッピングを追加すればいい。たこ焼き製造のためのスタッフの教育コストや時間を削減できるうえ、高温の鉄板の前にスタッフが常駐する必要がなく労働環境の改善にもなる。もちろんスタッフの人員も削減できるので労働力確保が問題となる飲食店としては強い味方となるだろう。

たこ焼きの焼き加減はロボットに搭載されたカメラで取り込んだ画像を解析して最適な状態を判別。約20分で96個(12人ぶん)のたこ焼きを製造できる。ロボットの操作はタブレットと一元管理可能で、何時に何個作るまでを細かく指定できる。

さらにポッポでは今回のロボット導入にエンターテインメント性を持たせ、「ポッポサーカス上陸!」として盛り上げる。たこ焼きロボットのハッピーはたこ焼きピックの色をタコに合わせて赤色に統一しているほか、アイスクリームロボットのランダーは犬の外装をまとう。

なお、セブン&アイ・フードシステムズの小松雅美社長によると、たこ焼きロボットとソフトクリームロボットの実戦配備だけでなく、今後は第2フェーズとしてポッポで提供している今川焼き(黄金焼き)製造へのロボット導入、第3フェーズとして食洗機ロボットの導入を計画しているという。幕張店が第1号店になった理由としては「若年層、ファミリー、シニア層など幅広い客層が来店する店舗である」と語った。

コネクテッドロボティクスの特徴は、比較的安価な汎用アームロボットをソフトウェアでチューニングして調理ロボットに変身させている点。数千万円する専用ロボットに比べて開発コストが抑えられる。さらに同社はロボットをサービスとして提供するRaaSモデルとして提供するため、店舗側は初期導入コストやランニングコストを抑えられ、常に最新のロボットを導入できるというメリットがある。

たこ焼きロボでおなじみのコネクテッドロボティクスが食洗機協働ロボを開発

コネクテッドロボティクスは9月13日まで東京・お台場にある東京ビッグサイト青海展示棟にて開催中の「フードシステムソリューション2019」に2種類の食洗機ロボットを出展している。業務用厨房機器を開発・販売しているタニコーとホシザキのブースでデモを見られる。

同社は、汎用のアームロボットを使って、たこ焼きロボット「Octo Chef」やソフトクリームロボット「レイタ」を開発している2014年2月設立のロボティクス系スタートアップ。

関連記事:器用にたこ焼きを返す調理ロボットを開発、コネクテッドロボティクスが6300万円調達

Octo Chefはセブン&アイ・フードシステムズとの提携が決まっており、関東近郊のイトーヨーカドー内に出店しているファストフード店「ポッポ」に、Octo Chefとレイタを展開することを発表済みだ。10月をメドに関東近郊の1店舗にまず導入し、その後に他店舗に広げていく方針とのこと。

関連記事:たこ焼きロボ開発のコネクテッドロボティクスが8.5億円調達、イトーヨーカドー内へロボ設置も

タニコーのブースでは、ホテルや病院、給食センターなどに適したフライトコンベアタイプの大型食洗機と協働するアームロボットを出展。レーンに流れてくる複数の食器の形状をカメラが認識し、アームロボットがそれぞれの食器をレーン上の適切な場所に移動する。

そのあと洗浄されて形状が同じ食器ごとに集められる。

アームロボット自体はコネクテッドロボティクスではおなじみとなる、デンマークのユニバーサルロボット製だ。

通常、洗い物がコンベアで流れてくるタイプの洗浄機は、洗い工程に入る手前で人の目と手で食器の位置を並べ替えるという単純作業が必要だ。この誰にでもできて退屈な仕事をアームロボットが代行する。アームロボットの先にはコンプレッサー内蔵の吸盤が付いており、この吸盤で食器を吸着して位置を調整する仕組みだ。

ホシザキのブースでは、ホシザキのシステム洗浄機「SJW-S530」とコネクテッドロボティクスのアームロボを組み合わせたソリューションが参考出品されていた。SJW-S530は、キャリーテーブルと食洗機、リフト、ワゴンが一体化した業務用食洗機システムで、すでに製品化されているもの。まずは、アームロボットが食器を並べるためのラックを洗い場に配置する。アームロボがラックの位置を微調整するなど芸が細かい。

次に、シンク横に置かれた皿やコップを吸盤に持ち上げ、シンクに溜めた水に浸けて複数回水切りを行ったあと(デモでは水には浸けていない)、ラックに適切に配置する。こちらもカメラが食器やコップの形状を認識して底面中央に吸盤を吸着させて持ち上げる。ラック側にはカメラはついていないが、最適な配置場所を計算して順番に置いていく。

アームロボットの仕事はここまで。洗い物が並べられたラックを食洗機に入れる作業や、洗い上がった食器類をラックごと棚に移動・保管する作業などはSJW-S530が請け負う。

TC Tokyo 2019団体チケット販売開始、5人以上の申し込みで1人あたり2万円に

11月14日(木)と15日(金)に東京・渋谷ヒカリエで開催する日本最大級のスタートアップ・テクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo 2019」。

チケット購入はこちらから

現在、「前売りチケット」(3万2000円)、設立3年未満(2016年10月以降に設立)のスタートアップのみなさんに向けた「スタートアップチケット」(1万8000円)、設立3年未満のスタートアップ企業を対象とした2日間のデモブース出展の権利と2名ぶんの参加チケットがセットになった「スタートアップデモブース券」(3万5000円)、学生向けの学割チケット(1万8000円)を販売中だ。

TechCrunch Tokyo 2019ではすでに、トヨタ自動車の子会社で自動運転を研究しているTRI-AD(Toyota Research Institute – Advanced Development)のジェームス・カフナーCEO、世界各地の住所を3単語で表すジオコーディング技術を開発したwhat3wordsのクリス・シェルドリック氏CEO、たこ焼きロボなどの調理ロボットを開発するコネクテッドロボティクスの沢登哲也CEO、自動運転OS「Autoware」の開発者でありティアフォーの加藤真平取締役会長兼CTOの登壇が決まっている。このあとも登壇者情報を続々とアップしていく予定だ。

TRI-AD(Toyota Research Institute – Advanced Development)のジェームス・カフナーCEO

関連記事:目指すは「世界で最も安全な自動運転車」、トヨタの自動運転開発子会社TRI-ADのCEOがTechCrunch Tokyoに登壇決定

what3wordsのクリス・シェルドリック氏CEO

関連記事:正確な位置情報を3単語で表現する「住所革命」のwhat3words、TechCrunch Tokyoに登壇決定

コネクテッドロボティクスの沢登哲也CEO

関連記事:たこ焼きロボ開発のコネクテッドロボティクス沢登CEOがTC Tokyo 2019に登壇決定

ティアフォーの加藤真平取締役会長兼CTO

関連記事:TC Tokyo 2019にティアフォー加藤CTOの登壇決定、自動運転OS「Autoware」の開発者は何を語る?

例年、登壇者の情報があまり決まっていない7月、8月に2万円の超早割チケットを販売しているが、登壇者が続々と告知される9月以降も超早割と同じ価格でチケットを購入する方法がある。企業や団体、仲間内で5人以上がTechCrunch Tokyo 2019に参加するならぜひ団体チケットを購入を検討してほしい。5枚以上の購入が前提なので10万円以上となるが、イベント当日まで一人あたり2万円で購入できる。なお、10万円以上のチケット代金の場合は請求書払いも可能だ。

チケット購入はこちらから

現在、「スタートアップバトル」の募集も受け付けている。法人設立3年未満、ローンチ1年未満のプロダクトやサービスを持つ新進気鋭のスタートアップがステージ上で熱いピッチを繰り広げる、TechCrunch Tokyoの目玉イベントだ。

関連記事:TC Tokyo 2019スタートアップバトルの受付開始!仮登録は9月16日、本登録は9月末まで

スタートアップバトルの応募はこちらから

たこ焼きロボ開発のコネクテッドロボティクス沢登CEOがTC Tokyo 2019に登壇決定

TechCrunch Japan編集部では、通算9回目となるスタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo」を11月14日(木)、15日(金)に東京・渋谷ヒカリエで開催する。現在、国内外のVCや投資家、スターアップ企業の経営者などに登壇を交渉中だが、今回3人目の登壇者を紹介できることになった。コネクテッドロボティクスで代表取締役/CEOを務める沢登哲也氏だ。

コネクテッドロボティクスで代表取締役/CEOを務める沢登哲也氏

コネクテッドロボティクスという社名を知らなくても、長崎のハウステンボスで昨年7月から1年以上稼働しているたこ焼きロボット「Octo Chef」やソフトクリームロボット「レイタ」を知っている人は多いはずだ。同社は2014年2月設立のロボティクス系スタートアップ。

関連記事:器用にたこ焼きを返す調理ロボットを開発、コネクテッドロボティクスが6300万円調達

特徴はなんといっても、汎用の産業用アームロボットを利用してさまざまな調理補助ロボットを開発している点。食品業界では工場を中心にロボット化は進んでいるが、カスタムメイドのものが多く初期導入コストは数千万円かかる。そのため、資金が豊富で長期的なスケールメリットを生かせる大手企業や、24時間フル稼働する工場を除くと、ロボットの導入は高いハードルとなっていた。

一方、コネクテッドロボティクスが利用するアームロボットは量産化が進んだ汎用品のため、1体数百万円で手に入る。これを同社がソフトウェア制御でチューニングすることで調理補助ロボットに変身させているのだ。同社は高度にチューニングされたこれらのロボットを、飲食業へ人件費1人ぶんもしくはそれ以下のサブスクリプションコストでの導入を考えている、仮に年間人件費1人ぶんがかかったとしても、最初から熟練した技術を持ち、休みなく働け、そして退職リスクがない従業員が1人増えることになる。

すでにセブン&アイ・フードシステムズとの提携が決まっており、関東近郊のイトーヨーカドー内に出店しているファストフード店「ポッポ」に、Octo Chefとレイタを展開することを発表済みだ。10月をメドに関東近郊の1店舗にまず導入し、その後に他店舗に広げていく方針とのこと。

関連記事:たこ焼きロボ開発のコネクテッドロボティクスが8.5億円調達、イトーヨーカドー内へロボ設置も

CEOの沢登氏は、大学卒業後に飲食店に働いた経験があり、本来は食べる喜び、出会う喜び、語らう喜びを人々に提供する場である場所であるはずの飲食店が、敬遠される仕事になりつつあることに危機感を持ち同社を創業。ロボットとの協働によって働く人と食卓での楽しいひと時を過ごす人たちの喜びを取り戻すことを目指している。

TechCrunch Tokyo 2019では対話形式の公開インタビューであるファイヤーサイドチャットに登壇予定で、沢登氏には5G時代を迎えるロボティクスの未来について話を聞く予定だ。

TechCrunch Tokyo 2019は、8月31日まで超早割チケットを2万円(税込)で販売中。9月1日からは3万2000円(税込)の前売りチケット、10月1日かは4万5000円(税込)の一般チケットの販売に切り替わる。

既報のとおり、沢登氏のほか、トヨタの自動運転開発子会社TRI-ADのCEOであるジェームス・カフナー氏、地球上を57兆個のマスに分割し3単語で表現するジオコーディングシステムを開発するwhat3wordsのCEOであるクリス・シェルドリック氏の登壇も決まっている。

チケット購入はこちらから

それ以外の登壇者も続々と確定しており、9月頭にはプログラムの大枠が完成する予定だ。また現在、スタートアップバトルの募集も受け付け中。設立3年未満でローンチ1年未満もしくは未ローンチのプロダクトやサービスを開発しているスタートアップ企業は、ぜひこの機会を逃さないでほしい。

関連記事:TechCrunch Tokyo スタートアップバトルへの道

スタートアップバトルの応募はこちらから

たこ焼きロボからマイクロモビリティまで竹芝埠頭にロボ集結

東急不動産と鹿島建設は、両社が共同開発する「(仮称)竹芝地区開発計画」のエリアマネジメントの一環として、両社が共同設立した事業会社であるアルベログランデ、一般社団法人の竹芝エリアマネジメントと共同で「竹芝ふぇす TAKESHIBA Seaside Music & Dining」を8月23日まで開催中だ。開催時間は17時30分~21時。

期間中は、東京都野外広告条例の規制緩和に向けた実証実験として、開場に隣接する建物を利用したプロジェクションマッピングイベント「TAKESHIBA TOWN OF LIGHT FESTIVAL」も同時開催される。また「街全体のロボット実装化に向けた実証実験」の場として、公募によって選ばれたさまざまなロボットが展示されていた。

THOUZER

一般社団法人CiP協議会が開発したリンゴをモチーフにしたコンパクトな店舗「apfel.min」と追従運搬型ロボット「THOUZER」を組み合わせたソリューション。ステンレスで作り上げられたTHOUZERは、一定間隔を保って人のあとを追従して注文した商品を運んでくれる。

OctoChef

コネクテッドロボティクスは、大手チェーンへの導入実績もある、汎用アームロボットをチューニングしたたこ焼きロボを展示。従来は、デンマーク・ユニバーサルロボットのアームロボットを使っていたが、今回は台湾テックマン製のアームロボット(国内代理店はオムロン)に変更されていた。このたこ焼きロボットは4代目で、さまざまな汎用アームロボット向けにチューニングすることで、同様の動きを再現できることがわかる。関係者によると、同じ会社が製造する同じシリーズのアームロボットでも型式によって関節の仕組みが異なるため、個体ごとに微調整は必要とのこと。

出展されていたたこ焼きロボは簡易仕様で、画像解析によるたこ焼きの焼き具合を判断する機能を備わっていないが、たこ焼きの生地やトッピングは事前に用意しておけば、油引き、生地の流し込み、たこ焼きの回転、鉄板からのたこ焼きのピックアップまでを全自動でこなす。あとは、人の手でたこ焼きを取り分けてソースやマヨネーズ、青のりなどを振りかければ完成だ。

さらに今回は、たこ焼きロボットの開発を生かしたビールサーバーロボットも展示されていた。チェーン居酒屋などで見かける自動ビールサーバーと前述のアームロボットを組み合わせ、ビールのコップをセットするところから、ビールが満たされたコップを提供するまでを全自動でこなす。連続で2杯のビールを注いで提供することができる。

今回はたこ焼きロボとビールサーバーロボで別々のアームロボットを利用していたが、1台のアームロボットで一方でたこ焼きを作り、空き時間にビールを注ぐという1台二役の動作も可能とのこと。

Hot Snack Robot

コネクテッドロボティクスは、コンビニなどへの導入を計画している揚げ物担当ロボットも展示していた。揚げ物を作るためのフライヤー、食材を保存しておくための冷凍庫、出来上がった揚げ物をディスプレイする陳列棚の中心にユニバーサルロボットのアームロボットが鎮座。冷凍庫の扉を開けて食材を取り出し、食材をフライヤーで揚げる、揚げ上がった食材の油切り、揚げ物を陳列棚に移動、客のオーダーにより陳列棚から取り出すという一連の作業を全自動でこなす。

ロボットが認識できるように、食材をトレイに均一に並べたり、二次元バーコードでマークをつけるといった下準備は必要だが、猛暑の中でただでさえ高温のフライヤーの前に人間が立つ必要がなく、隣でほかの作業をこなしながらサポートするだけだいいのはありがたい。

自律声がけロボット

サーバーエージェントのAI Labは大阪大学と共同で、周辺の環境を認識して、通行人の行動の認識・予測、通行人の注意を惹きつけるロボットの動作生成などの要素技術を研究。今回展示されていたコミュニケーションロボットはバックにLEDパネルが設置されており、遠隔地にいるスタッフが接客する仕様だった。

REBORG-Z

綜合警備保障(ALSOK)は、ビルなどへの導入実績がある警備ロボットを展示。警備と案内、巡回に特化したロボットで、内蔵の液晶パネルでイベントの概要を参照できるほか、域内をパトロールするといった動作が可能だ。多言語対応の音声対話のほか、受付、火災検知、消火活動、異常音検知、警戒監視、顔認識、危険性ガス検知などの機能を搭載する。

poimo

メルカリの研究開発組織であるmercari R4Dは、東京大学川原研究所と共同開発した「poimo」を展示。poimoは、空気を注入したボディを利用する電動モビリティーで、耐荷重100kg程度、時速10km程度で走行できる。電動キックボードなどと同様に公道を走るには車両登録や原付免許が必要となるが、今後はpoimoでの走行が許可されている竹芝国家戦略特区での実証実験を進めていくという。

また電動キックボードなどを充電するための無線充電マットも展示されていた。マット上に停車させておけば自動的に充電される。スマートフォンの無線充電規格であるQiよりも長距離となる数cm離れた状態での充電が可能。パネルを連結させることで充電範囲を広げられるのが特徴だ。

コネクテッドロボティクスが10万円台の教育用ロボを朝食調理ロボ「Loraine」に超改造

TechCrunch読者にはたこ焼きロボでおなじみのコネクテッドロボティクスは7月18日、カンデオホテルズ東京六本木にて朝食調理ロボットサービス「Loraine」(ロレイン)の実証実験を報道関係者に披露した。

写真に向かって左から二人目が開発チームリーダーの宮武茉子さん、右端がコネクテッドロボティクスで取締役COOを務める佐藤泰樹氏

Loraineは、東京大学工学部4年の宮武茉子さんが開発チームリーダーを務めるインターン生だけで開発したロボット。チームは、大学でロボットを専門に研究している学生2名と、ロボコンサークルに所属する2名の計4名で構成されている。

なんといっても注目なのが、同社のお家芸ともいえる安価な汎用ロボットをチューニングして調理用ロボットにカスタマイズしている点だ。今回使われていたのは、市販価格15万円前後の「Dobot Magician」。教育用として売られている製品で、ペイロード(アームが持ち上げられる重量)は500g、0.2mm間隔の繰り返し精度を備える4軸アームロボット。

宮武さんによると、開発には1年を要したとのこと。意外にも、最も時間がかかったのはどういう相手に何を届けるかという仕様の部分だったそうだ。3月に米国テキサス州オースティンで開催されたSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)では、ホットプレートの上に食材を直接投下して調理していたが、今回はホテルで多人数の対しての調理が必要なため、食材をアルミニウムの小皿に小分けした状態で調理する仕様に変更している。

ホテルへの設置には3時間ほどを要したとのこと。各機材の位置決めと固定はもちろんだが、研究環境とは湿度や温度が異なるため、ホットプレートの温度などを現地で微調整が必要だった。ただし、一度設定してしまえば3日間問題なく稼働したという。

Loraine自体は座標によって位置を認識しており、食材を調理するホットプレート上の、ワイヤーで区分けさらた固定のエリアを認識し、玉子、ベーコン、さつまいもの3種類の食材を調理する仕組み。食材を設置する場所とそれぞれの調理時間を決めておくことで、9分ほどで温かい料理が出来上がる。「画像認識技術と使わないのか」という問いには「今回のような用途であれば、座標位置を捕捉するだけ問題なく稼働するので、システムが複雑になりコストもかかる画像認識は搭載しなかった」と宮武さん。

調理方法は蒸し焼きで、Loraineがアルミ小皿をホットプレートに設置したあと、シリコンのフタをかぶせる。食材をスロットにセットしておけば、あとはタブレット端末の「START」ボタンを押すだけで調理が始まる。蒸し焼きのため食材から出た水分が水蒸気となり、シリコン製のフタに水滴が付着するが、こちらも水滴を落とす工程を組み込むことで、テーブルを濡らさないよう工夫している。

カンデオホテルズ東京六本木の関係者によると「厨房の人手不足を解消するために今回の実証実験に参加した」とのこと。同ホテルは特にコネクテッドロボティクスの食洗機ロボに興味を示していたので、同ロボの実験の場として今後選ばれるかもしれない。今回は7月16日〜18日までの朝食時の7〜10時までの3時間、計9時間の実験だったが、反応は上々で写真や動画を撮影する宿泊客も多かったとのこと。

チームリーダの宮武さんは、現在はアルミニウムの小皿のまま提供しているが、ロボットのアーム部分は付け替えも可能なので今後は盛り付けまでできるように改良したいとのこと。

たこ焼きロボ開発のコネクテッドロボティクスが8.5億円調達、イトーヨーカドー内へロボ設置も

写真に向かって前列の左から3人目がコネクテッドロボティクス代表取締役社長の沢登哲也氏

たこ焼きやソフトクリームなどの調理ロボットを開発しているコネクテッドロボティクスは7月3日、約8.5億円の資金調達を発表した。グローバル・ブレインをリードインベスターとしたシリーズA投資ラウンド1で、以下の企業を引受先とした第三者割当増資となる。

  • グローバル・ブレイン(グローバル・ブレイン7号投資事業有限責任組合)
  • ソニー(Sony Innovation Fund)
  • 東京大学協創プラットフォーム開発(協創プラットフォーム開発1号投資事業有限責任組合)
  • 500 Startups Japan(現・Coral Capital)
  • 三井不動産

なお同社はシードラウンド2ですでに約1億円を調達しており、調達総額は約9.5億円となる。同社は2014年2月設立のスタートアップ。代表取締役社長の沢登哲也氏は、東京大学でロボット工学を学んだあと、京都大学大学院に進学。卒業後に飲食店を立ち上げ、飲食業界のさまざまな問題点に直面したことがきっかけで、コネクテッドロボティクスを設立したという異色の経歴の持ち主だ。

関連記事:器用にたこ焼きを返す調理ロボットを開発、コネクテッドロボティクスが6300万円調達

今回調達した資金により同社は、マーケティング強化による販路拡大と新ロボットおよび新ロボットサービスの開発を進める。具体的には、人材の採用と技術力の強化を計画しており、事業推進を大きく加速させさたいとしている。

同社のロボットといえば、テレビにもたびたび登場する長崎・ハウステンボス内にあるたこ焼きロボ「OctoChef」(オクトシェフ)とソフトクリームロボの「レイタ」があまりにも有名だ。

OctoChefは、ディープラーニングを活用して焼き具合を画像解析することで、適切な時間でたこ焼きをひっくり返すことができるアームロボ。生地の作成などの準備、タコや天かすなどの具材の生地への投入、ソースやマヨネーズなどをかけるといったトッピングには人の手が必要だが、鉄板への生地の流し込みから焼き上げ、焼き上がったたこ焼きの取り分けまでをOctoChefが担う。OctoChef1台で、1回あたりの生産量96個、約12人ぶんのたこ焼きを製造できる。

ソフトクリームロボのレイタは、注文から商品提供までに対応。タブレット端末などでメニューを選んだあと、ソフトクリームのコーンをロボットのアーム部分に差し込むと、あとは器用にアームを動かしてソフトクリームを作り上げていく。ソフトクリーム1個あたりの提供時間は30~40秒。

これらのロボットの特徴は、産業用のアームロボットを使っている点。同社がソフトウェアでチューニングを施すことで専用ロボ化しているのだ。特定用途向けに特注するロボットは導入コストが1000万円を超えるケースも多いが、大量生産される汎用ロボであれば導入コストを大幅に抑えられる。同社によると、これらのロボットシステムをサブスクリプション契約した場合の年間コストは、スタッフ1人の人件費よりも安価になるという。もちろん、休憩を取らせる必要もなく、8時間以上労働させてもまったく問題がないし、不平不満も言わない。ちなみに、OctoChefはユニバーサルロボット社のURS、レイタはDobot社のDobot Magicianがベースだ。

同社はこのほかにも、自動食洗機ロボットサービス「Dish Washing System」やコンビニ向け「Hot Snack Robot」、自動朝食調理ロボットサービス「Loraine」の開発も手がけている。今回の資金調達によりこれらの開発スピードがアップすることに期待したい。

  1. CR06

    自動食洗機ロボットサービス「Dish Washing System」
  2. CR04

    コンビニ向け「Hot Snack Robot」
  3. CR05

    自動朝食調理ロボットサービス「Loraine」

さらにコネクテッドロボティクスは本日、セブン&アイ・フードシステムズと提携し、関東近郊のイトーヨーカドー内に出店しているファストフード店「ポッポ」に、Octo Chefとレイタを展開することを発表した。

10月をメドに関東近郊の1店舗にまず導入し、その後他店舗に広げていく方針だ。具体的な店舗名にについては現時点では非公開となっている。

器用にたこ焼きを返す調理ロボットを開発、コネクテッドロボティクスが6700万円調達

調理ロボットを開発するコネクテッドロボティクスは1月25日、500 Startups JapanDraper Nexusエースタート、複数の個人投資家を引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。調達金額は6300万円だ。

写真中央がコネクテッドロボティクス代表取締役の沢登哲也氏

コネクテッドロボティクスは企業向けの調理ロボットを開発するスタートアップだ。同社はその第1弾として、たこ焼き調理ロボットの「OctoChef」を2018年春にリリースする予定としている。

この調理ロボットがなかなかスゴイ。ロボティクスに関しては素人の僕がOctoChefの話を聞いた時、どこまで自動化できるのだろうと疑問に思った。でも、その答えは”最後まで”だった。

このロボットが実際動いている動画を見て欲しい。たこ焼きのなかに入れる具材こそ調理済みのものだけれど、生地の流しこみからたこ焼きのひっくり返し、そして容器への移し替えまですべてをロボットが行っている(まだまだ大阪人の読者からはツッコミが入る出来かもしれないが)。

「ロボットが苦手とするのは”切る”という動作。その工程が少ないたこ焼きはロボットでも可能だと考えた。あまりに素早い動きを繰り返すと安全性も低くなるし、動力のロスも大きくなる。だから、焼き上がるまでの待機時間がある点もロボットとは相性がいい」とコネクテッドロボティクス代表取締役の沢登哲也氏は話す。

聞けば、このロボットのプロトタイプの開発費用は200〜300万円ほどだったという。しかも、それに要した期間もわずか2ヶ月だ。「プロトタイプの開発に必要なロボットはオリックス・レンテックを通してレンタルした。このような環境が整ったことで、ロボットビジネスを始めるためのハードルはかなり低くなった」(沢登氏)

同社はOctoChefのような調理ロボットを「2年で投資回収できる程度の」価格で企業に提供していく。また、そういった買取型のマネタイズだけでなく、初期費用を抑えることができるサブスクリプション型も将来的なビジネスモデルとして視野に入れているという。

沢登氏は、東京大学大学院でロボット工学を学んだあと、最初は飲食店の立ち上げというかたちでビジネスの世界に足を踏み入れた。彼の祖父母や叔父が長年飲食店を営んでいたことから、もともと飲食業界への興味があった沢登氏は言う。その後、飲食とロボティクスを組み合わせた「飲食ロボット」の製造を専門としたコネクテッドロボティクスを2014年2月に創業した。

同社は今回調達した資金をロボットエンジニアの採用とロボット機材の購入費用に充てるという。今後はたこ焼きだけではなく、カレー、寿司、牛丼、焼き鳥などの自動調理にも取り組んでいく予定だ。