第1四半期もアプリのエコシステムの成長は続きダウンロード数は370億、消費者支出は約4兆円に

今週発表されたiOSとAndroidのアプリのエコシステムの最新分析によると、世界のアプリ市場はまだピークに達していないとのことだ。data.aiApp Annie)のレポートによると、2022年第1四半期の世界のアプリダウンロード数は、iOSとGoogle Play全体で370億に達し、前年比11%増となった。同四半期にアプリのダウンロード数が最も多かった市場はインド、米国、ブラジルで、メキシコ、トルコ、ブラジルは前四半期比で最も大きな伸びを示したと同社は述べている。

第1四半期には、アプリに対する消費者の支出も増加した。第1四半期の消費者支出は330億ドル(約4兆円)に達し、再び過去最大となった。この点でもiOSアプリが引き続きアプリエコシステムの成長の大部分を牽引し、第1四半期の消費者支出330億ドル(約4兆円)の65%を占め、過去2年間で42%増となっている。65%という数字も、過去5四半期とほぼ同じであるとdata.aiは述べている。

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支出の上位カテゴリには、ゲーム、エンターテインメント、写真・動画アプリが含まれる。また、iOSアプリが牽引する消費者支出の割合は、ゲームを除外するとさらに高くなる。ゲーム以外のアプリでは、iOSアプリがGoogle Playアプリに対して消費者支出の73%を占めており、これは主にストリーミングビデオアプリ、デートアプリ、ライブストリーミングアプリのアプリ内購入の人気によるものだ。

また、iOSの医療用アプリ(23%増)や健康・フィットネス用アプリ(20%増)など、当四半期の消費者支出を加速させた小規模なカテゴリーもあったと同社は述べている。Androidでは、パーソナライゼーション、食品・飲料、自動車・車両アプリなどのカテゴリが伸びている。

当四半期の支出に関する大きな節目となったのは、Disney+で、生涯グローバル消費者支出20億ドル(約2400億円)を達成したモバイル企業34社に加わった。

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このレポートは、アプリ業界の継続的な成長以外の状況について、あまり説明していない。iOSが引き続き消費者支出を牽引しているように、新しいアプリのインストールの大半は、長年そうであったように、Google Playが牽引している。当四半期のAndroidユーザーは、新興市場でのAndroidの牽引により、合計370億の新規アプリダウンロードのうち285億という膨大な数のアプリをインストールし、前年同期比16%増を記録した。最も多くダウンロードされたアプリは、ゲーム、ツール、ソーシャルアプリだった。

ダウンロード数の上位は、TikTok(ティックトック)、Instagram(インスタグラム)、Facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)などのアプリが独占し、比較的安定していたが、いくつかの顕著な変化があった。第1四半期のSnapchat(スナップチャット)は、最近開始したARショッピングを受け、世界的なアプリの新規インストール数で7位から5位に躍進した。一方、シンガポールを拠点とするコマース企業Shopee(ショッピー)は、2021年に51億ドル(約6200億円)のGAAP収益を報告した後、ダウンロード数で10位から7位に浮上した。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

第3四半期の全世界のアプリダウンロード数は360億回、支出額約3.8兆円でともに過去最多に

アプリ経済に関する新たな予測では、第3四半期にアプリとゲームに費やされる額は過去最多となることが見込まれている。App Annieは、世界の消費者が同四半期にアプリとゲームに前年同期比20%増の340億ドル(約3兆7650億円)を費やすと推定している。この増加は、人々が現在エンターテインメント、買い物、仕事、教育などのためにアプリをどのように使っているかという点において、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが消費者行動にまだ影響を及ぼし続けていることを示している。

App Annieに関しては、初期に秘密の情報源を使って情報を人為的に操作し、証券会社のクライアントに不正確な情報を伝えていたことが先にニュースになったことを記しておくべきだろう。同社はそうしたことを防ぐために内部コントロールで統計的にモデル化してきた。証券会社が投資判断を下すのに操作されたデータを使ったため、App Annieは証券詐欺で1000万ドル(約11億円)超の罰金を支払うことで米証券取引委員会と和解した。

しかしこうした操作にもかかわらず、App Annieのデータは今日でもモバイルマーケットをかなり正確にとらえており、かなりのアプリ会社、マーケッター、投資家にモバイルエコシステムに関する情報を提供している数多くのトップ企業の1社だ。

第3四半期のアプリ売上高に最も貢献したのは、引き続きゲームでの支出とモバイルサブスクリプションだとApp Annieは指摘した。モバイルサブスクは、Apple(アップル)とGoogle(グーグル)がアプリストアプラットフォームを通じての購入で手数料を徴収する権利を保持しようとする中で、訴訟や増えつつある規制の焦点となっている。ゲームは引き続き消費者支出の大部分を占めているが、ゲーム以外の支出もサブスクのおかげでここ数年割合を増やしてきた。

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また、ダウンロード数では引き続きAndroidがiOSを凌いでいるが、消費者支出額では逆の構図であるのも変わらない。

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第3四半期のダウンロード数は前年同期に比べて10%増え、過去最多の360億回に達した。この増加は主にGoogle Playによるもので、特にインドやブラジルなどの新興マーケットでのダウンロードが貢献した。増加幅が最も大きかったのはブラジル、フィリピン、メキシコで、中南米マーケットは今や世界のアプリ会社の注目を集め始めていて、成長の可能性を秘めている。

ダウンロード数の成長を支えた産業は、旅行、教育、医療だ。この3部門はパンデミックの影響を受けた。旅行アプリのダウンロードは Google Playで前年同期比35%増、iOSで同15%増だった。ワクチン接種が広がる中で夏の旅行シーズンを迎えたことが貢献した。もちろん医療と教育のアプリもパンデミックに結びついていて、ユーザーはオンライン学習や診察、新型コロナ検査やワクチン接種の予約でモバイルテクノロジーを活用した。

モバイルアプリの売上高となるとiOSが優勢で、過去4四半期でもそうだったが世界のアプリストアの消費者支出の65%を占めた。

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iOSアプリでの消費者支出額は前年同期比15%増の220億ドル(約2兆4360億円)に達し、Google Playでは同15%増の120億ドル(約1兆3290億円)だった。売上高の大半はゲームアプリによるもので、両アプリストアでの支出額の66%を占めた。非ゲームアプリ部門では、消費者支出の76%がiOSでのものだった。どちらのアプリストアでもゲーム以外の部門での成長のほとんどはエンターテインメント、写真・ビデオ、ソーシャルメディア、デートのアプリによるものだった。

消費者支出額においては米国と中国が最大のiOSマーケットで、日本、米国、台湾で最も増加した。Google Playでは、米国、日本、韓国の消費者支出額が最大だったが、日本、ロシア、オーストラリアが成長を牽引した。

売上高やダウンロード数の調査はこれまでモバイル経済の全体図を把握するのに役立ってきた一方で、マーケットが成熟するにつれ、アプリをデバイスにすでにインストールした消費者のアプリエンゲージメントにもかなりの関心が寄せられている。

App AnnieのライバルSensor Towerが9月23日に発表した調査結果では、ゲームアプリと非ゲームアプリのアクティブユーザー、セッション、リテンション(保持)の数字を分析している。同社によると、世界のトップ500のアプリの平均の月間アクティブユーザー数は9170万人で、この数字は第2四半期に前年同期の8460万人から8.4%増えた。

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ビジネスアプリは2018年第1四半期から2021年第2四半期の間に約42%という最も高い複合年間成長率(CAGR)を見せた、とSensor Towerは指摘した。一方、消費者は2021年第2四半期にエンターテインメントアプリで最も多くの時間を費やし、トップ100の各アプリの使用時間は平均1日あたり約29分だった。

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ゲームの中では、ジャンル別に「PUBG Mobile」や「Garena Free Fire」などのシューティングゲームのデイリーアクティブユーザーが第2四半期に最も多く、このジャンルのトップ50のゲームのデイリーアクティブユーザーは平均760万人だったが、ハイパーカジュアルゲームがトップだった。

Sensor Towerはまた、ロックダウン中に人々がモバイルデバイスを頻繁に利用するようになり、初期のアプリ全般のアクティブユーザー数の増加は新型コロナパンデミックによるものとしている。しかし2020年第3四半期でわずかに減ったのち、アクティブユーザー数はいまパンデミック前のレベルに戻った、と指摘した。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

2021年第1四半期のモバイルゲーム週支出額が過去最多の約1872億円に、パンデミック前から40%増

新型コロナウイルスパンデミックでは、ロックダウン下に置かれた消費者がゲームなどエンターテインメントのオンラインソースに目を向けたため、モバイルゲームに対する需要が増えた。しかし新型コロナ規制が緩和されても、モバイルゲーム需要は減退していない。モバイルデータ分析会社App AnnieがIDCの協力を得てまとめた新たなレポートによると、2021年第1四半期の世界のゲームダウンロード数は2019年第4四半期に比べ30%多く、2021年第1四半期のモバイルゲーム週支出額は過去最多の17億ドル(約1872億円)だった。

この額はパンデミック前より40%多い、とレポートにはある。

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北米と西欧マーケットにおける2021年第1四半期のモバイルゲーム支出額の前年同期からの成長は、米国とドイツがそれぞれのマーケットを引っ張った。そしてアジア太平洋地域を除く世界の成長ではサウジアラビアとトルコがリードした。アジア太平洋地域は2021年第1四半期のモバイルゲーム支出額の約半分を占めた、とApp Annieは指摘した。

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モバイルゲーミング分野の成長は、部分的にはパンデミックにより加速したが、そのペースはデジタルゲーム消費の他のフォームを上回っている。2021年、モバイルゲーミングの支出額はPCとMacの2.9倍、家庭ゲームコンソールの3.1倍とリードをさらに広げた。

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ただ、この変化はモバイルとコンソールのマーケットが合併しつつある中でのものだ、とApp Annieは指摘している。クロスプラットフォーム能力やソーシャルゲーミング機能など、より多くのモバイルデバイスがコンソールのようなグラフィックスやゲームプレイエクスペリエンスを提供している。

リアルタイムのオンライン機能を持つゲームがアプリストアの売上高チャートのトップを独占する傾向にある。例えば2021年第1四半期にiOSとGoogle Playで世界で最も売り上げが多かったモバイルゲームはRobloxだった。その次がビジュアルエクスペリエンスが評価され、WWDCでAppleデザイン賞を獲得したGenshin Impactだった。

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レポートはまた、ゲーミングを取り巻く広告マーケットと、My NintendoやXbox Game Pass、PlayStation App、Steam、Nintendo Switch、Xboxアプリなどゲームコンソール用のモバイルコンパニオンアプリの成長についても分析した。こうしたアプリのダウンロード数はロックダウン下で2020年4月にピークに達したが、パンデミック前よりも好調を維持し続けている。

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広告面に関しては、ゲーム内モバイル広告に対するユーザーマインドは2019年第3四半期に比べて2020年同期は改善したものの、米国では動画リワード広告とプレイアブル広告(実際に触って遊べる広告)が好まれた。

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アプリに毎日費やす時間は平均4.2時間、2年前から30%増
2021年第1四半期のアプリ支出額は過去最多の約3.5兆円

カテゴリー:ゲーム / eSports
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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

アプリに毎日費やす時間は平均4.2時間、2年前から30%増

新型コロナウイルスパンデミックは私たちの合計スクリーンタイムを増やしたが、特にモバイルデバイスで顕著だ。モバイルデータ分析会社App Annieの新たなレポートによると、世界の消費者は現在スマートフォンのアプリに1日あたり平均4.2時間費やしており、これは2年前に比べて30%増えている。一部のマーケットでは平均時間はより長く、5時間以上だ。

2021年第1四半期に毎日アプリに費やした時間は米国、トルコ、メキシコ、インドで初めて4時間を超えた、とレポートにはある。中でもインドは最大の伸びで、消費者は2021年第1四半期にスマホアプリに2019年第1四半期より80%も多い時間を費やした。

米国マーケットをみると、Nielsenは2020年、消費者が生放送あるいは録画したテレビの視聴に4時間半費やし、スマホアプリに使った時間は3時間46分だったという。

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しかし、NielsenとApp Annieの分析は必ずしも直接比較できるものではないことは指摘しておくべきだろう。App AnnieはAndroid端末の使用時間のみを測定しており、多くの米国人はiPhoneを使っているからだ。一方、Nielsenは代表的なサンプリングを行うのにアドバイス機関に頼っている。にもかかわらず共通する傾向は大まかには、モバイルアプリは米国人のテレビという古き良き過ごし方よりも人気のエンターテインメント手段であるということだ。

App Annieのレポートはまた、ブラジル、韓国、インドネシアの3つのマーケットで、1日にアプリに費やした平均時間が2021年第1四半期に5時間超に増えたことも指摘した。

最もダウンロードされたアプリは毎四半期ほぼ同じであるため、どのアプリがこうした平均使用時間アップをもたらしたのか決めるのは難しい。アプリのダウンロード数チャートの上位はTikTok、YouTube、Facebookなどおなじみの名前で独占されている。だからこそApp Annieは、同社が「ブレイクアウトアプリ」と呼ぶもの(iOSとAndroidの両方にわたって四半期比較でダウンロード数が急増したアプリ)を追跡している。

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2021年第1四半期に欧米マーケットでは安全なメッセージアプリのSignalとTelegramのダウンロードが急増した。たとえばSignalは英国、ドイツ、フランスでブレイクアウトアプリランキング第1位で、米国では第4位だった。Telegramは英国で第9位、フランスで第5位、米国で第7位だった。

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投資と取引のアプリもまた同四半期に人気だった。Coinbaseの暗号資産(仮想通貨)アプリは米国と英国で第6位で、Binanceはフランスで第7位だった。一方、暗号資産取引アプリのUpbitは韓国で第1位だった。日本のブレイクアウトアプリランキングでは決済アプリのPayPayが第1位だった。そしてRobinhoodは米国で第2位だった。

Clubhouseもまたブレイクアウトアプリチャートに登場した。ドイツで第4位、日本で第3位と米国外のマーケットで勢いを得た。

中国のブレイクアウトアプリチャートは異なり、TikTok、Kwai、CapCut、iQIYIといったビデオアプリが上位に入った。

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TikTokのゲームへの影響も同四半期に顕著だった。イスタンブール拠点のRollic(現在はZyngaが所有)のゲームHigh HeelsはTikTok上でかなり広告され、米国と英国のゲーム部門のブレイクアウトアプリチャートで第1位、中国で第3位、ドイツで第7位、ロシアで第6位だった。

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その他のハイパーカジュアルなゲームも健闘した。「Project Makeover」「DOP 2:Delete One Part(DOP 2:一部を消そう)」「Phone Case DIY(スマホケースDIY)」などだ。

「Crash Bandicoot:On the Run(クラッシュ・バンディクー ブッとび!マルチワールド)」もまたブレイクアウトした。3月25日にリリースされたにもかかわらず、わずか4日間で2100万回ダウンロードされ、ドイツではブレイクアウトアプリチャートのトップとなり、米国では第2位、英国では第3位、フランスでは第9位だった。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

2021年第1四半期のアプリ支出額は過去最多の約3.5兆円

パンデミックのアプリ産業への顕著な影響は2021年も衰えていない。実際、消費者のアプリ支出は2021年第1四半期に過去最多を記録したとApp Annieの新レポートで示されている。2021年第1四半期に消費者はiOSとGoogle Playで320億ドル(約3兆5384億円)使った。前年同期比40%増で、過去最多だとApp Annieは指摘している。

2020年、新型コロナウイルスによるロックダウンで人々は仕事、教育、買い物、フィットネス、エンターテインメント、ゲームなどのアプリを急速に受け入れ、アプリのダウンロード数と消費者支出どちらも増加した。App Annieは以前、2020年の世界のアプリダウンロード数は2180億回、消費者支出額は1430億ドル(約15兆8126億円)といずれも過去最多となった、とのレポートを発表していた

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こうしたトレンドは2021年も続き、2021年第1四半期のモバイル消費者の支出額は前年同期より約90億ドル(約9952億円)多いようだ。2021年第1四半期の消費者支出額はiOSが210億ドル(約2兆3221億円)と、Androidの110億ドル(約1兆2163億円)より多かったが、いずれのストアも40%成長だった。

しかし支出につながったアプリのタイプは、2つのアプリストアでは若干異なる。

Google Playではゲーム、ソーシャル、エンターテインメントのアプリが支出額では前年同期比で最も成長し、一方iOSではゲーム、写真&ビデオ、エンターテインメントのアプリが最も成長した。

ダウンロード数においても両アプリストアでは様子が異なる。

Google Playでは、ソーシャル、ツール、ファイナンスのダウンロード数が最も成長したが、iOSではゲーム、ファイナンス、ソーシャルネットワーキングだった。また、Google Playではダウンロード数が成長した他のカテゴリーに天気(40%)、デート(35%)が含まれるが、iOSではヘルスとフィットネスのアプリのダウンロードが25%も成長した。おそらく、これは外出禁止措置に新年の抱負(減量)が組み合わさった「パーフェクトストーム」によるものだろう。外出禁止措置ではユーザーはジムに行くことなく健康を維持する新たな方法を見つけることを余儀なくされた。

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しかしながら第1四半期に上位にきたアプリはほぼいつもと同じ顔ぶれだ。ダウンロード数でTikTokがFacebookを上回り、次いでInstagram、Telegram、WhatsApp、Zoomと続く。ただ、消費者支出額ではTikTokは2位で、トップはYouTubeだった。そしてTinder、Disney+、Tencent Videoの順となっている(Netflixはアプリ内購入を通じてではなく、現在新規ユーザーを直接サインアップするように誘導しているためチャート入りしなかった)。

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Facebookのアプリはダウンロード数ではTikTokの後塵を拝したが、傘下のアプリFacebook、WhatsApp、Messenger、Instagramが月間アクティブユーザー(MAUs)数では大きな割合を占めている。一方のTikTokのMAUsは第8位だった。

第1四半期に健闘した新進気鋭アプリとしては、プライバシーに注力しているメッセージアプリSignalがある。ダウンロード数とMAUsの両方で最も成長した。そしてSignalに肉薄したのがTelegramだ。議事堂暴動後に主流のソーシャルメディアからユーザーが移ってきた。その他の「ヒットした」アプリはMX TakaTakで、インドでのTikTok禁止でショートビデオ部門にできたその穴を埋めている。

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一方、ゲームはいつものことながら第1四半期の消費者支出の大半を占め、220億ドル(約2兆4328億円)だった。内訳は、iOSで前年同期比30%増の130億ドル(約1兆4375億円)、Androidで同35%増の90億ドル(約9952億円)だ。ゲーマーたちは1週間あたり約10億のタイトルをダウンロードし、これは前年同期比15%増だった。

ダウンロード数ではAmong Us!が2位に順位を下げ、Join Clash 3Dがトップに躍り出た。一方、DOP 2:Delete One Partが順位を308位上げて3位に入った。

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消費者支出額ではRobloxがトップで、2位以降はGenshin Impact、Coin Master、Pokémon GOの順だった。Among Us!はダウンロード数では順位を下げたものの月間アクティブユーザー数では1位を維持した。次いでPUBG Mobile、Candy Crush Saga、Robloxの順だった。

パンデミックはまたモバイルゲーミングマーケットの成長を加速させ、2020年のダウンロード数の成長率はゲーム全体のダウンロード数の2.5倍だったとApp Annieは指摘している。そしてモバイルゲーミングの2021年の消費者支出額は1200億ドル(約13兆2728億円)と、他のフォーマットの合計の1.5倍になると予測している。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

アプリの市場データと分析ツールを提供するApp Annieの新アプリはPulseは経営者が迅速に判断するためのもの

モバイル分析と市場データ会社のApp Annieは米国時間2月10日、新アプリを発表した。CEOのTed Krantz(テッド・クランツ)氏はこのアプリは「データに埋もれた」アナリストのためではなく「より高度なトップダウンの視点」を必要とする経営者のために作られているという。

アプリApp Annie Pulse最大の新機能はApp Annie Performance Scoreと呼ばれるもので、クランツ氏はこれをモバイルアプリのFICOスコアと比較している。同機能はアプリのユーザー獲得、エンゲージメント、マネタイズ、センチメントを1つのスコアにまとめ、アプリが競合他社と比較してどのようなパフォーマンスを発揮しているかを評価するものだ。

クランツ氏によると、最終的にはパフォーマンスストアは顧客ごとにカスタマイズできるようになり、「重要なメトリクスにあわせてカスタマイズできるようになります」と述べている。同アプリはまた主要なアプリのメトリクスの変化をハイライトし、潜在的な原因を特定し、ユーザーがフォローしているアプリやマーケットで何が起きているかを示すニュースフィードを備えている。

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クランツ氏は特に「モバイルが非常に重要」になっており、経営陣が必要なデータを調べたりレポートを待ったりすることなく、必要なデータの概要をすばやく知ることができるようになるのが目標だとつけ加えた。経営陣が毎日チェックするアプリを作成することがチームの「最終目標」だが、当初は必ずしもそうなるとは思っていない。

アプリApp Annie PulseはApp Annieの市場レベルのデータに基づいているため、Apple(アップル)の今後のプライバシー変更の影響を受けるべきではないと、クランツ氏は述べている。同時にファーストパーティとサードパーティのデータを統合するという同社の広範な目標が「少しトリッキー」に見え始めていることも認めた。

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App Annie Pulseは現在iOSで利用可能だが、同社は2021年の第2四半期(4月〜6月)にAndroid版をリリースする予定だ。またPulseはApp Annieの有料顧客のみが利用可能だが、クランツ氏によれば「無料プランを見直し、さらに充実した内容のものにする計画もある」と述べている。

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(文:Anthony Ha、翻訳:塚本直樹 / Twitter

2020年のアプリ消費額は過去最多の約12兆円、ダウンロードは1300億回

モバイルデータ分析会社App Annieの年末推計によると、2020年に消費者はApple(アップル)のApp StoreとGoogle Playで前年比10%増の1300億回アプリをダウンロードした。この2つのアプリストアでの消費額は、年末までに前年比25%増の1120億ドル(約11兆7000億円)に達するとApp Annieは予想している。

通常、ダウンロード回数の増加は主に新興マーケットが主導するが、2020年は状況が異なる。

新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックのために、モバイルの浸透が2、3年分加速した。その結果、消費者は仕事、教育、エンターテインメント、買い物などのためのデジタルソリューションとしてアプリに向かった。これが、モバイルマーケットの成熟にもかかわらず、ダウンロード回数やモバイル使用時間、消費額の増加につながった。

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Google Playの2020年のダウンロード回数はiOSを160%上回った。しかしいずれも10%の増加だ。一方、ダウンロード回数におけるゲームのシェアは40%増えた。Google Playでは全ダウンロード回数におけるゲームの割合は45%で、前年より5%増えた。しかしiOSでのゲームの割合は30%を維持した。2つのアプリストアでの消費額に関しては、1ドルあたり0.71ドルがゲーム関係だった。

また新型コロナのために消費者はこれまで以上にデバイスを使用した。Androidの使用時間は2019年比25%増の3兆3000億時間だった(App AnnieはiOSデバイスの使用時間は測定できない)。

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デバイス使用時間の増加は消費額の増加につながり、2020年は過去最多の1120億ドル(約11兆6800億円)となった。1ドルあたり65セントがiOSでのものだが、Google Playでの支出額は引き続き増えている。今年は30%近くになるとApp Annieは予想している。

iOSでの消費額が多かったマーケットは米国、日本、英国だ。このリストは2018年と2019年のものと異なる。過去2年は米国、中国、日本だった。Google Playの方のリストは米国、韓国、ドイツだった。過去2年と比較すると、成長という点で韓国とドイツは日本と英国の座を奪った。

App Annieのレポートではまた2020年のトップアプリのリストも紹介され、TikTokがダウンロード回数において第1位、消費額で第2位だった。しかし、月間アクティブユーザー数においてはFacebook(フェイスブック)には敵わなかった。ロックダウンにもかかわらず、デートアプリTinderが消費額で第1位だった。

InstagramやMessenger、WhatsAppといったフェイスブックのほかのアプリはダウンロード回数やアクティブユーザー数のチャートで上位を維持した。新型コロナのおかげでZoomはダウンロード回数のチャートで第4位に入った。Appleがこのほど発表したように、iOSではZoomはダウンロード回数第1位で、TikTokがその後に続いた。Google Meetもランクインし第7位だった。

画像クレジット:App Annie

App Annieが発表したこうした数字がモバイルマーケット全体を表しているわけではないという点は注意すべきだろう。というのもこのレポートは中国のサードパーティのアプリストアをカバーしていないからだ。中国の数字は、年初めに発表されるApp Annieのより広範をカバーしている「State of Mobile」レポートに含まれている。

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(翻訳:Mizoguchi

トップモバイルアプリ、競争激化で人気に陰り

モバイルアプリのダウンロードと利用がかつてないほどに増えている。App Annie(アップアニー)の最近のデータによると、モバイルユーザーのアプリ平均所持数は2015年12月時点で85個だったが、2019年12月時点では93個に増えている。利用アプリ数も月平均41個で、2015年は35個であった。この増加に関連して、ユーザーの1日あたりのアプリ利用時間も増加している。例えば、世界の平均で見ると、1日あたりのアプリ利用時間は2015年の2.1時間から2019年には3.1時間に増えている。

レポートでは、この利用拡大に伴って、トップアプリの顔ぶれが多様化していることも分かった。つまり、5年前に比べて、アプリの利用時間全体に占めるトップアプリの利用時間の割合が低下している。

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このレポートを依頼したのがFacebook(フェイスブック)だったという点は注目に値する。App Annie(アップ・アニー)によると、過去5年間のアプリエコシステムの進化をつまびらかにしようとしたらしい。レポートは、人気のアプリカテゴリの観点からトップパブリッシャーの成長がどのように進展しているのかを明らかにしつつ、新しく成功しているアプリがどのようにして短時間で大きな成長を遂げているのか洗い出すことを目的としている。

過去にFacebookは、このタイプの市場リサーチデータを同社のOnavo VPNアプリケーション(プライバシーの問題で提供を終了)やその他同様のサービスにより自前で入手していた

App Annieのデータチームの利用は、同社にとってこれまでと同様のデータを入手するための新しい方法に過ぎない。

App Annieの市場分析も、部分的にはサードパーティ製のアプリを使って行われている。同社はDistimo(ディスティモ)を2014年に買収し、2016年からはDistimoブランドでVPNアプリのPhone Guardianを提供している。2015年にはMobidia(モビディア)も買収し、My Data Managerを提供している(現在はApp StoreでDistimoブランドとして提供)。どちらのアプリもApp Annieとの関係を明らかにしており、収集するタイプのデータを例示してアプリが市場調査の目的で使われることを説明している。

レポートから新たにわかったことは、Facebookや他のトップアプリのパブリッシャーにとって、すべてが良い知らせではないかもしれない。アプリ経済が発展するにつれ、ユーザーがモバイル上で時間を費やす「場所」はますます増えている。

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過去5年間、ダウンロード数は世界で増加を続けており、2019年には1200億に達している。この増加をけん引しているのは、インド(2019年前年比10%増)、ブラジル(同9%)、インドネシア(同8%)、ロシア(同7%)を中心とした新興市場だ。

成熟市場におけるダウンロード数も2019年に過去最高を記録し、米国(123億)、日本(25億)、英国(21億)、韓国(20億)、ドイツ(19億)、フランス(19億)で軒並み増えている。

1日あたりのアプリの利用時間が3.1時間に増えるにつれ、ユーザーが利用するアプリの種類も増えている。レポートによると、上位100アプリのうち35個が2019年に初ランクインしている。2016年の初ランクインは27個であった。ソーシャル、写真、ビデオ、コミュニケーション、エンターテイメントなどカテゴリは多岐にわたる。

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旗艦アプリだけでなく、Instagram(インスタグラム)、Messenger(メッセンジャー)、WhatsApp(ワッツアップ)など、たくさんのトップアプリを長年提供しているFacebookなどのトップアプリのパブリッシャーにとって、これはおそらく気がかりなデータである。競争圧力が高まるにつれ、モバイルデバイスの利用時間全体におけるこれらトップアプリの利用時間の割合が減っているのである。新しいアプリを気軽に試すユーザーが増えており、ゲーム、エンターテイメント、ビデオのカテゴリでは特にその傾向が顕著である。

2016年、米国ユーザーのゲーム以外のアプリ全体の利用時間のうち、上位30のアプリの利用時間は69.4%を占めていた。2019年には65.5%になり、約4%も低下している。ゲームに関しても、49%から39%へ、10%低下している(米国のGoogle Playのデータ)。

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レポートから、ユーザーが新しいアプリを試すことに抵抗がなくなっているだけでなく、新しいアプリがアプリストアですぐに成功できることもわかった。例えば、米国では、アプリの60%以上が最初の半年でカテゴリのトップ30に入っている。

この要因には、最初にプッシュ型のマーケティングが大々的に実施されることやユーザーのデバイス自体の機能、つまりストレージや処理能力が向上しているためダウンロードしやすいといったことが挙げられる。

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また、かつての目標指標である月間アクティブユーザー数(MAU)100万人を達成できるアプリも数多くある。2019年には、4600以上のアプリが100万MAUを達成しており、これにはソーシャルやコミュニケーション以外のアプリ、例えば、Netflix(ネットフリックス)、Roku(ロク)、Disney(ディズニー)、CBS、Amazon(アマゾン)、Alibaba(アリババ)、Walmart(ウォルマート)、Target(ターゲット)、PayPal(ペイパル)、Venmo(ベンモ)、Chase(チェース)、Capital One(キャピタル・ワン)、Uber(ウーバー)、DoorDash(ドアダッシュ)、McDonald’s(マクドナルド)、Starbucks(スターバックス)なども含まれる。

Image Credits: App Annie

Image Credits: App Annie

2015年から2018年のデータを分析すると、アプリが100万件ダウンロードを達成するまでの時間も短くなっている。App Annieによると、ビデオ、ファイナンス、コミュニケーション、ソーシャル、写真、エンターテイメントのカテゴリで言えば、67%のアプリが最初の12ヶ月で100万件ダウンロードを達成している。

この増加により、トップアプリ間での重複も増えた。レポートによると、現在モバイルユーザーはソーシャル上を含めて、同様のニーズに対処するために同じカテゴリまたは異なるカテゴリの複数のアプリを選んで使うことが多い。

例えば、2020年4月、米国のSnapchat(スナップチャット)のユーザーの89%はYouTube(ユーチューブ)を、75%はInstagarmを利用していた。

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TikTok(ティックトック)は、Snapshatのユーザーに利用されている割合が2019年4月の17%から2020年4月には大幅に増えている。これは若い世代の支持が広がっていることを示す。

一方、ユーザーのアプリ利用時間の多くを占めつつあるのがビデオアプリとゲームである。この「遊ぶ」に大きくまとめられるカテゴリのアプリは、2019年に増加したアプリ利用時間の22%を占めている。

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また、トップのゲームアプリにはソーシャル機能も備わっている。これには、Fortnite(フォートナイト)、Clash of Clans(クラッシュ・オブ・クラン)、Call of Duty: Mobile(コールオブデューティモバイル)、Township(タウンシップ)、Star Wars: Galaxy of Heroes(スター・ウォーズ/銀河の英雄)、New Yahtzee with Buddies(ニューヤッツィーウィズバディーズ)、Golf Clash(ゴルフクラッシュ)、Slotomania(スロットマニア)など上位50のゲームが含まれる。

上位50のゲームの3分の2以上にソーシャル機能が少なくとも1つは追加されており、友達をゲームに招待できるものや仲間と協力してゲームを進められるもの、ギルドやクラン機能、アプリ内チャットを利用できるものがある。この機能により、プレイヤーは友達とつながることができるため、結果としてユーザーのゲーム時間は増えている。

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このトレンドをよく示すゲームの1つ、フォートナイトは、買収したHouseparty(ハウスパーティ)のテクノロジーをベースにしたパーティハブの提供を2019年9月に開始した。提供開始3ヶ月で、フォートナイトのプレイ時間は1.3倍に増加した。

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ゲーム以外でも、ソーシャル、ビデオ、エンターテイメントの人気カテゴリの要素を融合したTikTokの利用時間が上昇している。Musical.lyとの統合後、TikTokはすぐさまビデオ編集機能を追加し、宣伝費を増やしてユーザーベースとエンゲージメント(繰り返し使ってもらうこと)の拡大に積極的に取り組んできた。2019年12月までの米国ユーザーの月あたりの同アプリ平均利用時間は16時間20分であったが、これは2018年8月の5時間4分から大幅に増えている。

Image Credits: App Annie (note above chart only showcases Google Play data)

レポートでは、国別の内訳も詳しく報告されているが、全体として、2019年はほとんどの国でダウンロード数が過去最高を記録しており、アプリの利用頻度や利用時間についても同様の傾向が見られることがわかった。

比較により面白いことも分かった。米国ユーザーは他の市場に比べてインストールしているアプリの数は多いが(97に対して93)、利用しているアプリの数は世界と比べて少ないということだ(36に対して41)。また、1日あたりのアプリ利用時間もわずかに少なく、世界平均が3.1時間であるのに対して、米国は2.7時間であった。

「このレポートからわかることは、現在のアプリ業界はかつてないほどに競争が激しくなっているということです。新しい企業が、ユーザー自身さえ気づいていなかったニーズを満たす革新的なアプリケーションを武器に成功を収めています」と、FacebookのNew Product Experimentationチーム(ソーシャルアプリの新しいモデルを模索するFacebookの社内チーム)のリーダーであるIme Archibong(イメ・アーチボン)氏は述べている。さらに「この選択と競争がすべてともいえる環境がイノベーションを生み出し、Facebookの原動力になります」とも付け加えている。

App Annieのレポート全文はここで入手できる

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(翻訳:Dragonfly)