GoogleのArea 120がモバイルアプリ開発者のプライバシーコンプライアンス対応を支援するプロダクト「Checks」を発表

米国時間2月22日、Google(グーグル)内のあるチームが、モバイルアプリ開発者向けの新製品「Checks(チェックス)」を発表した。これは現在のようにアプリに対する規制やポリシーが急速に変化する状況の中で、AI技術を活用してアプリ内で起こりうるプライバシーやコンプライアンス上の問題を特定することができるというものだ。

Checksはフリーミアムなソリューションとして、AndroidおよびiOSのあらゆる規模のアプリ開発者に提供される。開発者はChecksを使うことで、自分のアプリを分析し、発見された問題に対処するための実用的な洞察を含むレポートを受け取ることができる。

Checksは、ジェネラル・マネージャーのFergus Hurley(ファーガス・ハーレー)氏と、法務リーダーのNia Castelly(ニア・カステリー)氏が共同で設立したプロジェクトで、Googleの社内インキュベーターであるArea 120(エリア120)内で、過去2年間にわたり開発を行ってきた。Checksのチームはこれまで、開発者の技術的課題に対処するAndroid Vitals(アンドロイド・ヴァイタルズ)などのツールを構築してきたが、AIを使ってプライバシーコンプライアンスの課題に対応するというアイデアも持っていた。

現代のアプリ開発者は、欧州のGDPR(一般データ保護規則)要件から、アプリストア自体が施行する新ルールまで、さまざまな新しい規制やポリシーに対応しなければならない。一方で、消費者はフリーソフトウェアを使用する際のトレードオフについても理解を深めており、アプリがどの程度まで自分のプライバシーを尊重しているか、自分のデータがどのようにアクセス、保存、共有されているかといったことを、知りたがるようになってきた。また、開発したアプリがすべてのルールを守っていても、その開発者が使用しているSDKがルールを守っていない場合や、SDKのデータ共有のあり方が時間の経過とともに変わる場合もあり、これも別のコンプライアンス上の課題となっている。

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Checksは、アプリ開発者が現在よりも簡単に、コンプライアンスを達成できるようにすることを目的としている。開発者は自分のアプリを提出して、プライバシーコンプライアンス分析を受ける。この分析には、自動化されたレビューの他、一部のサービス面では人間によるレビューも行われる。

Checksの利用を開始するためには、まずAndroidアプリの開発者は、自分のGoogleアカウントでログインし、Google PlayアプリのIDを入力する。その後、いくつかの質問に答えてアクセスを確認する。Checksは、アプリのプライバシーポリシー、SDK情報、ネットワークトラフィックなど、複数の情報源をスキャンしてレポートを作成する。このソリューションでは、自然言語処理を活用してアプリのプライバシー開示情報をスキャンするという、先進的な手法も採用されている。スキャンが完了すると、開発者には、発見された問題についての明確で実用価値のある洞察と、リソースのリストを含むレポートが提示される。

無料版では、自分が開発しているアプリを、Google Playの新しい「データ・セーフティ・セクション」に合致させるために使用できる。有料版のCore(コア)、Premium(プレミアム)、Enterprise(エンタープライズ)は、プロの開発者や、iOS向けの開発も含む大規模な企業のニーズに合わせて設計されている。

物理デバイスと仮想デバイスの両方で分析を行うChecksの利用には、技術的要件や前提条件はない。

月額249ドル(約2万9000円)の「Core」では、GDPRやCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)などの規制に対するコンプライアンスモニタリングや、今後のコンプライアンス要件に関するプロアクティブな通知機能が追加される。月額499ドル(約5万7000円)の「Premium」ユーザーは、自分の開発したアプリ内で行われるデータ共有行為のモニタリングを自動化し、SDK、パーミッション、アプリでデータ共有が行われている場所などを把握することができる。5つ以上のアプリをてがける顧客向けの「Enterprise」はカスタム価格となっており、より頻繁に、高度で詳細なプライバシーチェックが受けられる。さらに人間のレビュー担当者を含むコンプライアンスレビューチームの力を借りたり、カスタマイズされた分析やテストフローなども利用できる。

なお、Checksは、生成したデータやレポートをGoogle Playチームと共有することはないと述べている

チームは数百人のアプリ開発者からフィードバックを集めてChecksを構築した後、40人(社)のアーリーアダプターと協力して、発表前に製品をテストした。テスターには、Headspace(ヘッドスペース)、Sesame Workshop(セサミ・ワークショップ)、StoryToys(ストーリー・トイズ)、Carb Manager(カーブ・マネージャー)、Homer(ホーマー)、Lose It(ルーズ・イット)などの企業が名を連ねている。

現在、Checksはより多くの人々が利用できるようになっている。興味のある開発者は、Checksのウェブサイトでオンラインフォームに記入して、早期アクセスに申し込むことができる。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

グーグルのArea 120、デジタルクリエイター向けウェブストアフロントを提供するサービス「Qaya」を開始

米国時間12月15日、GoogleのチームがQayaという名前の新しいサービスを立ち上げた。クリエイターはこのサービスを使ってウェブ上に店舗をオープンし、自分のプロダクトやサービスをオーディエンスに直接販売することができる。Area 120は、初期のプロジェクトの多くがGoogleのCloud、Search、Shopping、Commerceなどの部門に移管されたことを受け、地位を昇格させた会社の大規模な再編成の一環となる。

関連記事:「Google Labs」の名が復活、AR&VR、Starline、Area 120が新設された「Labs」チームに移動

新プロジェクトQayaは、Area 120の社内創業者であるNathaniel Naddaff-Hafrey(ナサニエル・ナダフ-ハフリー)氏らが共同で創業した。ナダフ-ハフリー氏は以前、求人のマーケットプレイスKormoに在籍し、インドやインドネシア、バングラデシュなどのいわゆる「次の10億人の」インターネットユーザーを狙っていた。

彼は何十人ものクリエイターから話を聞き、デジタルビジネスの構築は時間ばかりかかってたいへんであることを理解し、そこから、彼らがファンに直接販売できるサービスとしてQayaを考えた。Qayaのチームにも数名のクリエイターが在籍しており、既存のクリエイターツールを使った体験を貴重なものとしてQayaに持ち込んだ。彼らは自分の体験と他のクリエイターたちの話から、クリエイターが自分の作品でお金を稼ぎ、自分のファンともっと良好な関係を築ける、ワンストップショップのような、柔軟性に富んだノーコードのプロダクトへの需要があることを知った。

Qayaのソリューションでは、クリエイターが自らの店をウェブ上に開き、プロダクトやサービス、その他のダウンロード可能なデジタル作品を並べて販売する。そこには、彼らのYouTube Merch Shelfのリンクがあってもよいし、Google検索やGoogleショッピングを統合することができる。写真やファイル、eブック、デジタルアート、写真のフィルターやプリセット、各種の仕事の生産性を高めるためのテンプレート、編み物のパターン、フィットネスのビデオなど、扱える作品にはほぼ制限はない。Googleによると、1つの店で最大1000のプロダクトを取り扱うことができる。

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また、デジタル作品ではないリアルのグッズや他のプラットフォーム上のサービスを売りたいクリエイターは、それらをQayaのページ上にフィーチャーでき、それらを自分のブランドにすることもできる。

各ストアは「qaya.store/●●●」という形の独自のカスタムURLを持つ。そしてそれを、LinktreeBeaconsなどが提供しているソーシャルメディア上のいわゆる「リンクインバイオ(プロフィール上のリンク)」の代わりに使ってもよい。

そうしたストアのサービスを利用するとクリエイターは、自分のさまざまなオンラインプレゼンスを指すマイクロウェブサイトを作ることができる。そこで、ソーシャルメディアのチャンネルとかショップ、ブログ、音楽やポッドキャストなどを紹介し、リンクを張ればよい。

この種のサービスの慣行に倣って、Qayaのストアでもページ最上部にある名前と自己紹介の下に、クリエイターは他のオンラインプロフィールのリンクも置ける。しかし、ストアの本来の目的は、クリエイターが販売したいと思うコンテンツにファンを直接コネクトすることだ。ファンをクリエイターのプロフィールやその他のサービスにコネクトする、単なるランディングページではない。

QayaにはGoogle Payが組み込まれており、サブスクリプションやチップ、都度払いなど、いろいろなタイプの収益化方法をサポートしている。また、Qayaはクリエイターの商品の売れ行きに関するインサイトや分析も提供する。

現在、このプロダクトは無料で使用でき、マネタイズはトランザクションベースで管理されている。つまり、クリエイターはQayaにアップロードして販売した商品から得られる収益の「大部分」は、クリエイターの手元に残るとGoogleはいう。

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Googleは現在、Qayaのベータに参加した一部のYouTubeクリエイターに、YouTube Merch Shelfの統合を進めている。同社によると、そのうちQaya でも、もっと広い範囲のプロダクトを販売できるようにするという。「その他のタイプのデジタルグッズ」も含まれるとのことで、おそらくそれはNFTのことだろう。Googleは、この話題について無視しているが。

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Googleによると、この新しいサービスは米国では本日からローンチし、他の国のユーザーはこれからとなる。Qayaのベータにアクセスしたいクリエイターは、Qayaのウェブサイトで招待状をリクエストできる。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

「Google Labs」の名が復活、AR&VR、Starline、Area 120が新設された「Labs」チームに移動

「Google Labs(グーグルラボ)」の名称が復活した。だが、今度のそれは実験的な製品やサービスを提供する消費者向けのブランドではない。Google(グーグル)のさまざまな革新的なプロジェクトや長期的な投資を1つにまとめることを目的とする組織再編のもとに設立された新しいチームの社内での名称だ。この新チームを率いるのは、Googleのベテラン副社長であるClay Bavor(クレイ・バーヴァー)氏。最近では「Project Starline(プロジェクト・スターライン)」として知られる最先端のホログラフィック・ビデオ会議プロジェクトなど、仮想現実や拡張現実におけるGoogleの先進的な取り組みを指揮している人物だ。

バーヴァー氏は、既存のARおよびVRへの取り組み、未来的なProject StarlineArea 120(エリア・ワントゥエンティー)と呼ばれる社内インキュベーター、およびその他の「将来性の高い、長期的な」プロジェクトを含む新組織を指揮していく。同氏はGoogleのSundar Pichai(スンダー・ピチャイ)CEOの直属となる。

2016年に開設されたArea 120は、起業家精神旺盛な人材をGoogleに定着させる方法として構想されたもので、チームがGoogleのデータ、製品、リソースを利用しながら新しいアイデアを試すことができる。

長年にわたり、この組織は数多くのプロジェクトを生み出し、成功させてきた。その中には、新興市場向けのHTML5ゲームプラットフォームで、現在は一部の国でGoogle Chrome(クローム)に統合されているGameSnacks(ゲームスナック)、珍しく外部スピンアウトとなった技術面接プラットフォームのByteboard(バイトボード)、AirTable(エアテーブル)のライバルでGoogle Cloud(グーグル クラウド)に移行したTables(テーブルズ)、A.I.を活用した会話型広告プラットフォームのAdLingo(アドリンゴ)、Google Search(Google 検索)とShopping(Google ショッピング)にそれぞれ移行したビデオプラットフォームのTangi(タンギ)とShoploop(ショップループ)、ウェブベースの旅行アプリでCommerce(コマース)に移行したTouring Bird(ツーリングバード)などがある。

Area 120では現在、職場用の短い動画プラットフォームであるThreadIt(スレッディット)、スペクトルマーケットプレイスのOrion(オリオン)、ドキュメントスキャナーのStack(スタック)などのプロジェクトをインキュベートしている。常に約20のプロジェクトが進行中だが、すべてのプロジェクトが公開されているわけではない。

しかし、以前の組織体制では、Area 120はGoogleのスンダー・ピチャイCEOへの報告系統が3層に分かれており、にも関わらず、ピチャイCEO自身がすべての出口に署名しなければならなかった。また、このグループは、グローバルパートナーシップおよびコーポレートディベロップメント担当プレジデントであるDon Harrison(ドン・ハリソン)氏の下に配置された雑多なグループの中にあった。今回の再編により、Area 120は他の革新的なプロジェクトと一緒に移されることになり、参加しているチームとその取り組みの認知度が向上する可能性がある。

Googleは、新しいグループの名称として「Labs」というブランドを社内で使用しているが、この名称が選ばれた背景には同社の豊かな歴史があり、決して退屈な選択というわけではない。かつてGoogle Labsというブランドは、ベータ版から一般公開に至ることも多いGoogleの対外的な実験に関連するものだった。

2002年から2011年の間に、Google Labsは、Personalized Web Search、Googleアラート、GoogleドキュメントおよびGoogleスプレッドシート、Googleリーダー、Google Shopper(現在のGoogleショッピング)、AardvarkというQuoraのようなQ&Aサイト、Google GoggleというGoogleレンズの前身、Gesture Search for Android、iGoogle、Googleマップ、Google Transit、Googleビデオ、Googleトーク、Googleトレンド)、Google Scholar、Googleソースコード検索、Google Suggest、Googleグループ等々、Googleの中核的な製品やサービスとなる製品を生み出してきた。

Googleの新しい計画は、Labsを対外向けのブランドにするわけではなく、スタッフは(Starlineなどの)プロジェクトチームに採用されることになるが、この組織再編自体は、Googleの大きな賭けのいくつかに向けられる注目を増大させることになるだろう。

また、これまでGmail、Googleドライブ、Googleドキュメント、Google Apps for Work(現在のGoogle Workspace)など、多くの著名なGoogleプロジェクトで製品管理を担当してきたベテランGooglerであるバーヴァー氏がLabsを率いるということは、革新的なアイデアを中核製品に変えた経験を持つリーダーがチームに配置されるという意味である。

スタッフへ向けたアナウンスで、Googleは今回の組織再編が、将来を見据えた新しい投資分野を全社的に起ち上げ、成長させることに重点を置いたものだと説明している。

「この組織の中心となるのがLabsと呼ばれる新しいチームで、テクノロジーのトレンドを推定し、将来性の高い長期的な一連のプロジェクトをインキュベートすることに力を入れます」と、Googleは述べている。

Googleは今回の組織再編を公に発表していない。しかし、社内の関係者からこの動きを聞いたTechCrunchが同社に確認したところ、バーヴァー氏の新しい役職を含め、我々が上述した通りの変更であることを認めた。

「クレイは、拡大した役割を担うことになります。彼の仕事は、当社の中核製品や事業を直接サポートする長期的な技術プロジェクトに集中することになるでしょう」と、Googleの広報担当者は語っている。

画像クレジット:lex Tai/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

技術面接プラットフォーム「Byteboard」がGoogleの社内研究開発ラボArea 120からスピンアウト

企業の採用プロセスにおいて対面の前に行う技術面接を、ウェブベースのものに置き換えるサービスのByteboard(バイトボード)が、Google(グーグル)からスピンアウトすることがTechCrunchの取材で明らかになった。Byteboardは、Googleの社内研究開発ラボ「Area 120」で生まれ、CEOのSargun Kaur(サルグン・カー)氏が率いてきた。今回の動きにより、ByteboardはArea 120のプロジェクトとしては初めて、Googleの外に出て独立した会社となる。Googleによると、これは例外であり、ルールに基づくものではないという。

Googleは、今回のスピンアウトが、既存のArea 120チームやグループの将来の戦略に影響を与えることはないと話している。同社の研究開発部門は、自社のビジネスチャンスを広げる可能性が最も高いプロジェクトへの資金提供に引き続き注力するという。

今回のスピンアウトに加え、ByteboardはCowboy Venturesなどから、1000万〜1500万ドル(約11億〜16億5000万円)の範囲で新たに投資を受けた。だが、これは「バイアウト」ではないと思われる。Googleは新会社の株式を保持し、共同創業者のカー氏とNikke Hardson-Hurley(ニッケ・ハードソン-ハーリー)氏が引き続き指揮を執ることになるからだ。

「Byteboardが過去3年間、GoogleのArea 120の中で成長し、見せてきた進歩を目の当たりにして感激しています」とGoogleの広報担当はTechCrunchに対して語った。「Byteboardのソリューションは、優秀な技術者を評価・採用するために必要なツールを、高成長企業に効率的かつフェアに提供しています。我々はサルグン、ニッケ、そしてByteboardチームの他のメンバーと引き続き仕事をしていくことを楽しみにしています」と述べた。

2019年に発足したByteboardの構想は、技術面接を退屈なものにせず、より効果的にするツールを開発するというものだった。チームは当時、現在のソフトウェアエンジニア面接のプロセスは、その人が日々のエンジニアの仕事をどれだけうまくこなせるかを判断するという点で、あまり機能していないことに気づいた。面接では、スキルの実用性よりも暗記力が問われるため、準備に時間とリソースをかけられる人が有利になることが多い。

画像クレジット:Byteboard

Byteboardは、候補者に実際のコーディング環境を提供し、Java、Python、Ruby、C++、C#、JavaScript(node.js)、Go、PHPなどのサポートされている言語の中から選択できるようにした。

ウェブベースの面接はHTML、CSS、JavaScriptで行われ、モバイル面接はSwift(iOS)とKotlin(Android)で、データエンジニアリング面接はPythonとJavaで行われる。

同社のサービスには、面接プラットフォーム、20以上のソフトウェアエンジニアリングの必須スキルを網羅した質問集、そして事後評価が含まれる。経験豊富なエンジニアのグループが、面接の振り返りと評価を行う。評価過程から偏向を除外するため、評価は匿名で行われる。

2019年に始めてから、事業は軌道に乗った。新型コロナウイルスにともなうロックダウンの初期には一時的に低迷したが、企業が採用活動を再開した2020年第3四半期に勢いを取り戻した。Byteboardのウェブサイトによると、同社のサービスを利用しているのはLyft、Hulu、Figma、Imperfect Foods、PlayVS、Betterment、Robinhood、GoodRx、ETHOS、Ezoic、Glowforgeなどとなる。

面接プロセスを対面(新型コロナ時代の懸念の1つ)ではなくウェブで行うことによるメリット、データや評価の質、候補者にとってのストレスの少ない環境などに加え、企業のコスト削減にもつながる可能性がある。面接スタッフや結果を判断するエンジニアへの支払いが不要になるためだ。

だが、Byteboardの可能性は、Google傘下の製品のままでは限られていたかもしれない。

というのも、Google傘下のByteboardでは、エンジニアが人事評価の一部を担っていたため、Googleが他社の採用グループの一部となってしまっていたからだ。場合によっては、他社には直接競合する企業も含まれていた。これは明らかに、倫理的な問題を生む。一般的に、企業は自社の採用プロセスに競合他社を関与させないからだ。ByteboardがGoogleのプロジェクトではなく、独立したビジネスとして前に進もうとしているのは、そうした理由からだ。

関係者がTechCrunchに語ったところによると、Byteboardの総勢6名のチームメンバーのうち、数名は独立する会社に参画し、数名はGoogleに残って新たなプロジェクトに移ることを選択したという。Googleは、この取引の詳細については明らかにしていないが、Byteboardは今後も中核となる製品と業務に重点を置きながら拡大していくと述べており、今後数カ月の間にさらに詳細を発表する予定だ。

画像クレジット:Byteboard

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

グーグルの研究開発部門がGoogleドライブを利用したニュースレターサービスの実験開始

Facebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)などのテック大手がニュースレター市場に参入したのに続き、Google(グーグル)もニュースレターサービスの実験を開始した。Googleの社内スタートアップインキュベーターであるArea 120は「Museletter(ミューズレター)」という新しいプロジェクトを立ち上げた。Museletterでは、誰もがGoogleドライブのファイルをブログやニュースレターとして、Museletterの公開プロフィールやEメールリストに公開することができる。

この試みは、Googleの既存の文書作成ツールを再利用して、Substack(サブスタック)、Ghost(ゴースト)、Revue(レヴュー)など、今日、利用者が増加している他のニュースレタープラットフォームに対抗する手段となる。

Googleのこの試みは、今週、9to5GoogleAndroid Policeなどのサイトで報じられた。

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TechCrunchがコメントを求めたところ、Area 120の広報担当者は「Museletter」の詳細については言及せず、同プロジェクトは研究開発グループにおける「多くの実験の1つ」であり「まだ非常に初期の段階」であるとだけ述べた。

しかし、Museletterのウェブサイトから、このプロジェクトについてすでに多くのことを知ることができる。サイトでは、Googleのニュースレタープロジェクトが競合他社との差別化を図るために、クリエイターがGoogleドライブをどのように収益化できるかを説明している。ニュースレターをGoogleドキュメントで作成するだけでなく、他の生産性向上アプリを使用して読者と情報を共有することもできる。例えば、ニュースレタークリエイターは、読者が自分のGoogleスライドにアクセスできる有料のサブスクリプションプランを提供することができる。金融関係の記事を書いているクリエイターは、Googleスプレッドシートに役立つスプレッドシートを公開し、それをサブスクライバーが利用できるようにすることが可能だ。

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これを実現するために、Museletterのクリエイターは、自分のGoogleドライブに公開プロファイルを作成し、そこに任意のGoogleドライブファイルを直接公開する。これによりランディングページが作成され、ドキュメント、スプレッドシート、スライドなどのさまざまなGoogleドライブファイルを公開していることをアピールできる。

また、クリエイターはオプションで、他のプラットフォームから取り込んだリストを含むEメールリストに公開することもできる。ニュースレターの購読はクリエイターの好みに応じて無料または有料にできるが、Museletter自体の利用は無料だ。その代わりに、カスタムドメインやウェルカムメールなどのプレミアム機能での収益化を目指しているという。

また、このプラットフォームでは、オーディエンスを惹きつけ、ニュースレターのパフォーマンスを追跡するためのツールや分析機能を約束している。

このサイトでは広告の計画については一切触れられていないが、この分野での成功は、Googleに新たな広告収入をもたらす可能性がある。時を同じくして、同テック巨人が制してきた数百億ドル(数兆円)規模の広告市場にはAmazon(アマゾン)という新たな挑戦者が現れており、その広告事業はいずれFacebook(フェイスブック)と、Google(グーグル)の二強構図に挑戦していくかもしれない。

GoogleはMuseletterの開始時期を明らかにしていないが、ウェブサイトではユーザーが早期アクセスをリクエストできるフォームへのリンクを提供している。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

グーグルが個人の書類をデジタル化して重要な情報を抽出するアプリ「Stack」を公開

米国時間3月30日、Google(グーグル)の社内インキュベーターであるArea 120がStackという最新のプロジェクトを公開した。Stackは書類やレシートなど家中に散らばっている紙をデジタル化し、自動でGoogleドライブに保存するアプリだ。さらにこのアプリはスキャンした書類の名前と適切なカテゴリー、つまり「スタック」(束)を推測する。

Stackで請求書やレシート、身分証明書など、さまざまな大きさの書類をスキャンし、PDF化して整理できる。そしてファイルに含まれる重要な情報がAIテクノロジーで詳細に読み取られる。

Stackのアイデアを考えたのは、EdTechのスタートアップで2018年にグーグルに買収されたSocraticの共同創業者であるChristopher Pedregal(クリストファー・ペドレガル)氏だ。

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Socraticではグーグルのコンピュータビジョンと言語理解テクノロジーを活用して高校生の学習を支援していたとペドレガル氏はいう。同氏はグーグルでこのテクノロジーを書類の整理にもっと活用するにはどうすればいいかと考え始めた。このアイデアを実験するために、同氏はMatthew Cowan(マシュー・コーワン)氏と組んだ。2人はまず、膨大な書類を分析するAIテクノロジーを手がけるGoogle CloudのDocAIチームで仕事をした。

2人は企業向けのDocAIのテクノロジーを個人の書類にも応用できると考え、これがStackの開発につながった。

StackアプリはAndroid版が米国で公開された。書類の写真を撮るとアプリが自動で書類に名前を付け、適切なカテゴリーのスタックに入れる。カテゴリーには請求書、銀行、家、身分証明書、入国、保険、法律、医療、ペット、レシート、税金、旅行、クルマ、仕事などがある。

1件の書類をスキャンする際に複数のページを含めるとStackは書類内のページをすべてOCR処理するので、全文を検索できる。重要な書類にすぐアクセスできるように星をつける機能もある。

写真を撮ってすばやく書類をデジタル化する機能は目新しくはない。例えばMicrosoftは何年も前からOffice Lensを提供している。しかしStackでは請求書の「期限」や「合計金額」「口座番号」といった重要な情報を書類の中から認識できるようになる予定だ。認識された情報が取り出されて後から見つけやすくなる。

書類のタイトルだけでなく全文を検索して必要な情報を見つけられる。Stackの書類を守るためにGoogleドライブと同様に指紋か顔で保護したり、スキャンした書類をすべて自動でGoogleドライブに同期することもできる。

アプリは現在Android版が公開されている。ダウンロードは無料でアプリ内購入もない。iOSなど他のプラットフォームにもStackを展開するかどうかは、ユーザーのフィードバックで決める予定だ。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:GoogleArea 120スキャン

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)