Ikea、便利屋サービスのTaskRabbitを買収

TaskRabbitは、家具の組み立てからApple Storeの行列並びまであらゆる仕事の代行人を派遣する、オンデマンドプラットフォームだ。このほど同社はIkeaに買収された。Recodeが最初に報じた。その後家具小売り大手は買収の事実を正式に認め、TaskRabbitの株式を100%保有するが、TaskRabbitは引き続き独立して運営されるという計画を話した。

つまり、TaskRabbitのCEO Stacy Brown-Philpot(上の写真)はスタッフと共に社に残り、引き続き他の小売業者とのパートナー契約を推進していくことになる。今年の4月、TaskRattitが戦略的バイヤーを探しているという噂がウォール街に流れた。どうやらそのバイヤーはIkeaになったようだ。

「IKEAグループ傘下に入ることで、TaskRabbitはいっそう大きなチャンスを生かすことができる。作業代行者の収益水準を高め、消費者には広い分野の様々なサービスを手頃価格で提供していく」とPhilpotがプレスリリースで語った。

契約の金銭条件は非公開だが、以前TaskRabbitはFounders Fund、First Round、Floodgateらの投資家から合計3800万ドルを調達している。

この買収は極めて理にかなっている。私の経験によると、Ikeaの家具は組み立てるのが大変で、屈強な人の助けをTaskRabbitから借りる必要があるからだ。昨年12月、IkeaはTaskRabbitとパートナー契約を結び、オンデマンド便利屋スタートアップはロンドンの公式家具組み立て業者になった。

「目まぐるしく変化する小売業界で、われわれは消費者の生活を少しでも楽にする製品の新規開発と改善に取り組み続けている」とIkeaのCEO Jesper Brodinがプレスリリースで言った。「オンデマンド共有経済の世界に参入することで、その支援が可能になる。われわれはTaskRabbitからデジタル技術を学ぶと同時に、IKEA顧客には柔軟で求めやすいサービスソリューションを利用する新たな方法を提供することで、今日の顧客ニーズにこたえていく」。

この買収と同じころ、別の請負労働提供会社のGrubHubは、配達ドライバーをW-2従業員ではなく、1099契約者と呼ばれる非正規社員として雇用していた件で裁判が進行中だ。訴訟の結果によっては、 TaskRabbitを含めこの分野の会社のビジネス運営方法に影響があるかもしれない。どうやらIkeaにとってそれは障害ではなかったらしい。

IkeaとTaskRabbitは今週9月25日月曜日に契約に署名しており、正式に発効されるのは10月に予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

消費者/労働者保護のオピニオンリーダーElizabeth Warrenが“いわゆるギグ・エコノミー”について語る

Cropped Approved CFF

Elizabeth Warren上院議員が、New America Foundationの今年の年次大会の木曜日(米国時間5/19)のスピーチで、Uber, TaskRabbit, Alfredなどの“いわゆるギグ・エコノミー(gig economy)”を構成している企業に関して、言葉を選びながら述べた。彼女は決してそれらの企業を否定する者ではないが、しかし企業と政治家の両方に対して、労働者指向の変化を促した: “いかなる労働者も、クラック*に落ちて這い上がれない状態になるべきではない”。〔*: クラック, cracks, 登山用語で深い岩の割れ目(救助が難しい)。〕

スピーチの中で上院議員は、産業を進歩させ新しい課題に挑戦していくテクノロジーの役割を称賛したが、まさにその直後に、彼女の本当に言いたかった言葉が続いた:

[真の問題はこうだ: イノベーションは生活の質を高め、新たな富を作り出す。しかし労働者がその富に与れるのは、そのための政策や方針〔政治と企業の〕があるときのみだ。]

“LyftやUberのような企業は、日々彼らの業績に貢献している労働者と同じ労働者たちが、その労働によって稼ぎだした富の、より大きな配分にアクセスしようとする努力に、しばしば抵抗してきた”、とスピーチの書き起こしにある。“彼らのビジネスモデルには、運転者の極端な低賃金に依存している側面がある”。

彼女の言う“低賃金”は、もちろん、他と比較した場合のことだ。Uberのドライバーは平均して1時間に15ドルから20ドルぐらい稼ぐが、ガソリン代や車の修理費などは自分持ちだ。良い商売、である場合もあるが、売上増など業績アップの余地はほとんどない。この問題がほかの方法で解決されるまで、客は彼らにチップを払わざるをえない

さらに彼らには、福利厚生も失業保険もない。だからその“雇用”は、真の雇用からほど遠いものに見えてくる。でもそれは、決して新しい問題ではない。Warrenはこう指摘する:

これらの問題のどれも、ギグ・エコノミーが発明したものではない。むしろ、ギグ・エコノミーは、弱い労働市場において生活を支えることのできない一部の労働者のための、一時しのぎになっている。ギグ労働の柔軟性や独立性、クリエティビティなどの美徳が派手に賞賛され、それは一定の条件下における一部の労働者には真実かもしれないが、しかし多くの労働者にとってギグ・エコノミーは、福利厚生が上位10%の労働者にしか提供されていない世界で何らかの経済的安定を得ようとする、徒労な努力の連鎖の、一歩であるにすぎない。

上院議員はこれに続けて、非正規雇用の仕事を二つとか三つ抱えて生きている大量の労働者を救うための、提案を述べている。いずれも、ギグ・エコノミーがもたらすとされるポジティブな効果やイノベーションを、大きく失うことはない、とされる施策だ。以下は、それらの提案の、ぼく自身(の無償労働!)による要約だ:

まず、正社員に提供されている“安全ネット”を、非正規〜臨時雇用者にも部分的に提供すること。

  • 臨時雇用、時給制労働者、パートタイマーなどすべての労働者が社会保障費を支払うこと。給与天引きをルールとし、雇用者がその事務を行う。
  • すべての労働者が自己を名義人とする高額医療費保険に加入すること。“すべての、とは、文字通りすべての労働者であり、障害者認定に至らない実質的障害者も含む。また、従来的な労働者災害補償の対象外の労働者も含む”。
  • すべての労働者に有給休暇があること。その具体的な条件等は今後の検討課題だが、全員に完全自由休日が与えられ、また家族の問題や医療にあてる休日も、リーズナブルな量、与えられること。
  • 医療や退職等に関わる福利厚生が、できるかぎり、複数の雇用者にまたがってポータブルであること。それに関し、被雇用者自身の事務負担等が極力少ないこと。

次は、労働法の改善と強化だ:

  • 労働の分類に錯誤や抜け穴があって、雇用者の無責任が許される状態がないこと。
  • 労働者の定義が単純明快であること。安全ネットの普遍化は、(区別が不要になるので)単純化を助ける。保険や福利厚生の要素で違いがあるのではなく、労働そのものの違いに焦点が当てられるべきである。
  • “すべての労働者に組織化の権利があること(例外なく)。正社員、パートタイム、一時雇用、ギグ労働者、契約社員、などなど、労働を提供する者全員が集団交渉の権利を持つべきであり、そのことは、労働条件をコントロールする者が誰であっても変わらない。またそれによる報復や差別から、労働者は保護されなければならない”。

スピーチの初めの方で彼女は、産業革命の初期にも、工場に対する規制がなく、労働者は死と隣り合わせの劣悪な条件と環境で働かされた、と述べた。そして、ちょっと気を利かせて、TaskRabbitのワーカーはこれまで、それほど苛酷な条件で働かされたことはないだろう、とも述べた。Warrenは、機は熟している、今こそ規制は、これらの新しい業態に適合するとともに、そこで働く労働者を保護するためにも、大幅に変わらなければならない、と語った。

“この国が100年前に行ったこととまさに同じように、今は労働者と企業との基本的な契約関係を再考すべきときである”、と彼女は語る。“新しい技術によってより大きな富が生まれているとき、その経済を支える労働者がその富を確実に共有できるために、私たちは何を為すべきか?”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))