サムスンのGalaxy Watch Active 2はAndroidユーザーに最適なスマートウォッチ

Samsung(サムスン)製のスマートウォッチは、実はなかなかよくできているのだが過小評価されている。1人のプレーヤーがほぼ完全に支配しているカテゴリーで、大きな注目を集めるのは難しい。それでも最近の調査結果によると、サムスンは世界市場のシェアで2位の座を維持している。シェアは11.1%で、Apple(アップル)の数字の3分の1よりもちょっと少ないといったあたり。

Galaxy Watchシリーズは、アップルの製品との違いがかなり際立つものとなっている。サムスンのスマートウォッチに流れる哲学は、同社の他のモバイル製品と共通している。つまり、バラエティに豊んだ製品を提供し、新しいことに挑戦するのを恐れないというもの。これは、Apple Watchの毎年の変化の少なさと好対照だ。アップルの場合、1種類のキーとなる製品を提供し、それを少しずつ改善していく方針を採用している。

Galaxy S10が発表された2月のUnpackedイベントでは、簡略化されたGalaxy Watch Activeも登場した。シンプルになり、そして何よりも安価になったシリーズは、TizenベースのOSを搭載するウェアラブル製品のラインアップに組み込まれた。正直に言って200ドル(約2万1600円)という価格は重要だった。比較的最近になって、このカテゴリでシェアを急拡大したFitbitと競える価格帯に、このデバイスをぶつけることになったからだ。

それからわずか6カ月、早くもGalaxy Watch Active 2が登場した。新しいデバイスは、心拍数モニタリング機能の改良(現状ではいまだベータ版のECGセンサーを使ったもの)、LTEモデルや、大型の44mmバージョンの追加などはあるが、それほど大きなアップグレードは受けていない。ありがたいことに、無駄を省いたデザインは維持されている。同社の他の大きくてかさばる製品と比べると歓迎すべき特徴だ。

なぜかはわからないが、サムスンはActiveシリーズでは回転式のメカニカルベゼルを廃止してしまった。このカテゴリの製品の中で、サムスンならではの差別化のポイントとなっていた部分だ。それも、一種のミニマリズムの追求の結果なのかもしれない。私としては、回転式のメカニカルベゼルは、AppleのDitigal Crownも含むスマートウォッチのインターフェイスの中で、はっきり言って最高のものと考えていた。

しかしActive 2では、回転ベゼルの機能を、触覚フィードバック付きでデジタル的に再現している。ウォッチの外周のエッジをスワイプすると、触覚フィードバックによってホイールのクリック感が再現されるようになっている。この使用感は事前に予想していたよりも優れていた。それでも、物理的な回転ベゼルがなくなったのは残念でならない。これについては、サムスンが将来のバージョンで復元してくれることを願っている。

最新版のApple Watchと同様、画面は常時表示に設定することも可能だが、バッテリー寿命への影響が大きい。とはいえ常時表示でなければ、1回の充電で2日間以上も持続する。これは、他に見劣りするようなものではない。Apple Watchよりも優れているが、Fitbitが到達した領域にはまだまだ及ばない。

はっきり言って、どのスマートウォッチメーカーも、2019年中には、1回の充電でもっと長く持続させる方法を探求する必要がある。特に、何らかの睡眠モニター機能を備えたものでは急務となっている。さらに今後は、ECG(心電計)のような機能が一般的なものになる。そうなれば、バッテリー寿命の改善は業界全体として取り組むべき課題となるはずだ。

自分が着ている服などをスマホで撮影した写真を基に、ウォッチフェイスの色をアプリでカスタマイズできるMy Styleは楽しい。しかし、結局は不要なギミックだ。Apple Watchに比べると、まだアプリの種類はかなり限られている。とはいえ、Spotifyがあるのは大きい。オフラインのプレイリストもサポートするようになった。また、YouTubeのような、他の主要なアプリも進化している。

サムスンが、サードパーティ製のアプリに関してアップルに追いつくことを想像するのは難しい。それでも、Apple Watchにはない大きな利点を最初から持っている。それはAndroidとの互換性だ。そして、GoogleのWear OSが、いつまで経ってもつまらないものでしかないのだから、サムスンにはもっと大きなマーケットシェアを獲得する条件が揃っていると言える。

Active Watch 2は、もうちょっと大胆な価格設定を採用すればよかったのにと思う。アップルが、古いバージョンのApple Watchを継続して販売する意味は、例えばSeries 3を200ドル(税別1万9800円)で入手できるということ。また、200ドル(約2万1600円)のFitbit Versa 2もある。今後、ECGのような機能が追加されることを考えれば、280ドル(約3万300円)から、という価格帯も納得できるという人はいるかもしれない。しかし、ほとんどの消費者にとって、それなら元の200ドルのActive Watchの方が買いだ、ということになってしまうだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

インターネットに接続されタッチスクリーンのある冷蔵庫、SamsungのFamily Hub Refrigerator

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自分はSamsungの役員たちが会議をしている部屋の壁にとまっている蝿だ、としばし想像しよう。そうすると同社のFamily Hub Refrigeratorの偉大さが、分かるかもしれない。

スマートホームのブームに乗り遅れるべきではない、と誰かが言う。まずキッチンをディスラプとするのだ…こうして同社はIoTの競争レースに参加する。そしてたしかに、このスマートな〔電脳式の〕冷蔵庫の随所に、決して軽視すべきではないものがいくつかある。

まず、ドアの内側にはカメラが三つあって、ドアを閉めるたびに冷蔵庫の内容を撮影する。それらはワイヤレスでインターネットに接続され、Family Hubのオーナーはモバイルのアプリから冷蔵庫の中身を確認できる。

スーパーで、天井のライトがジージー鳴っていたり、香辛料の陳列棚が圧倒的に長かったりすると、ぼくはいつも、頭の中のショッピングリストの半分は忘れてしまう。そんな人間にとって、スマホから冷蔵庫の中身を確認できる機能はありがたいと思う。

この冷蔵庫の最良の機能かと思われるカメラにも、欠点がある。まず、三つの棚の上のものしか分からないし、ドアポケットは全然分からない。

しかし、これらのカメラは実は、この’Hub’を名乗るスマート冷蔵庫のメインイベントの、脇役にすぎない。この製品が今年のCESに登場したとき、メディアはそれを、‘ドアにタブレットがある冷蔵庫’と呼んだ。

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今日(米国時間5/5)ニューヨークで行われたプレスイベントで同社は、“それ以上のものだ”、と主張して、その汚名を雪(そそ)ごうとした。

Samsungの連中は、家族(family)、食品(food)、娯楽(entertainment)という三つのねらいを強調した。会議室の役員たちがentertainmentでなくfunを選んでいたら、‘三つのF’になったのに、残念だね。

冷蔵庫のドアのスクリーンは、画像やメモやカレンダーを共有するためにあるものだから、“家族”(ファミリー)の要素だ。“食品”は、冷蔵庫だから当然。そして“娯楽”は、内蔵のスピーカーからPandoraなどのサードパーティアプリが提供するし、SamsungのスマートTVのビデオも見られる。

Samsung Family Hub Refrigerator

たしかにFamily Hubは、タブレットを組み込んだ冷蔵庫以上のものかもしれないけど、でもふつうのタブレットで十分間に合うところに、なぜ冷蔵庫にわざわざスクリーンがあるのか、それを納得するのが難しい。娯楽はもちろんだが、食品のオーダーもFresh Directのようなアプリでできる。

この製品のローンチのときにも書いたが、ふつう冷蔵庫のライフサイクルはタブレットのそれよりずっと長い。タブレットなら最新の機種に買い換えればいいが、冷蔵庫のドアについているスクリーンの、最低限のタッチインタフェイスと、いつまで付き合うことになるのか…、と考えてしまう。

Samsung Family Hub Refrigerator

もちろんアップデートはあるだろう。それはインターネットからでも、あるいはドアの後ろに隠れているUSBポートからでもできる。しかしオペレーティングシステムに基本的な制約がある。それは、Samsungが長年しまっていたTizenだから、アプリがきわめて少ない。同社は今後のアプリの充実を約束しているが、それらはユーザーがアプリストアから自由にダウンロードするのではなく、質問に対してオプトインしたユーザーの冷蔵庫に勝手にインストールされる。

インターネットへの接続をベースとする機能は、今後もっと、消費者への説得力のあるやつが増えるのかもしれない。たとえばリモートのモニタリングとか。でも現状を見たかぎりでは、目先の関心に訴える新奇な製品の域を出ない。そんな、単なる‘おもしろ製品’でありながら、お値段は5800ドルからだ。でも、それを本当に便利と感じた人は、今日すぐに買うべきだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Samsung、Android搭載のGalaxy GearでもTizenを利用可能にするアップデートを提供開始

新しいSamsung Gear 2は、前世代のGalaxy Gearにそっくりだ。おまけにUIを見て、異なるOSで動作しているなどと思わない人がほとんどだろう。実のところ、Gear 2がTizenで、GearはAndroidで動作しているのだ。そして新機種をTizenベースとしたSamsungは、旧機種のGearでもTizenを利用できるようにすると言っていた。それは本気の表明だったようで、実際に使えるようになったようだ(via SamMobile)。旧機種に、ダウンロードしたTizenをインストールすることができるようになった。

先に述べたように、ほとんどの人はAndroid版とTizen版の違いに気づかないのではないかと思われる。Samsungは、アイコンや画面パーツなどがほとんど同じに見えるようにデザインしたようだ。但し、バッテリーのもち時間は改善されているのだとのこと。またカメラを操作するボイスコマンドなどに加え、Tizen本体のみで音楽を楽しむことのできる機能も追加されている。

当初、Samsungはスマートフォンの分野でもTizenに軸足を移していくのだろうと思われていた。自らが開発に関わっているOSを利用することで、Googleの動きに左右されずに済むようになるからだ。自らの思い通りに開発を進めることができるようになる。しかし少なくとも今のところ、Samsungはスマートフォン後のモバイルデバイスにて、Tizen活用の道を探っているように思われる。そうした分野での方が、省電力性や軽快さを備えた標準OSとしての魅力が活かせると考えているようだ。

オリジナルGearのオーナーはSamsung Kies経由でアップデーターのダウンロードをすることができる。少なくとも今のところは、Gear単体でのアップロードは行えない。

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(翻訳:Maeda, H


Samsung、柔軟な姿勢でAndroid、Tizen、Android Wearなどのバランスを模索中

Reutersの記事によれば、Samsungは年内に、Tizenを採用したスマートフォンをリリースする予定となっている。また、Androidベースのスマートウォッチもリリースするのだそうだ。方針が定まっていないようだと評価すべきなのだろうか。

Samsungは現在、スマートフォンはAndroid(およびWindows Phone)ベースのもののみをリリースしており、最新のスマートウォッチはTizenベースとなっている。この既存路線も逆を行うというのが、Reuterの伝える話だ。

この話が真実であるとして、これはSamsungの混乱ぶりを示すものではなく、市場動向を意識した柔軟性と評価すべきなのだろう。Googleが発表したAndroid Wearは、かつてSamsungがスマートウォッチに採用したAndroidと比べて大幅な進化が見られるはずのものだ。このAndroid Wearの魅力を無視してTizen版のみを作り続けることは、Samsungにとって大きなリスクとなりかねない。

Tizenを搭載するスマートフォンについては、かねてから噂にはなっていた。しかし2014年の現在、Samsungはスマートフォン市場において大きなシェアを獲得しており、このタイミングでこそ新たなチャレンジが行えるとも考えているのだろう。TizenのスマートフォンがAndroid機のシェアを上回るとは考えにくいが、自らの企業体力などを見つめながら、選択肢を増やしておくことはリスク管理の面でも重要なことだ。Android搭載スマートフォンのライセンス費用の問題もある中、Tizenにも意識をおいておくのは良い考えだろう。Tizen搭載のスマートフォンを戦略的な価格で売り出すことができれば、新興エリアにおいて強力な武器となる可能性もある。

いずれにせよSamsungは、消費者向けエレクトロニクス製品を扱う以上、常に各所に目を配り動き続けることが重要であると認識しているわけだ。

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(翻訳:Maeda, H