Disney Imagineeringが自律型ロボットスタントマンを開発

アクロバットロボットは宙を舞い、ぴたりと着地する

50年以上にわたり、ディズニーランドとその姉妹パークたちは、徐々に洗練が続く「アニマトロニック」(生き物のように動く機械)キャラクターたちのショーケースとなっている。最初は空気圧で動き、やがて水圧になり、最近は完全に電子式となったこれらのフィギュアは、乗り物や、アトラクション、様々なショーなどに登場し、そしてパーク内の様々な場所でインタラクティブに、生命と感情を模したものを提供している。

彼らが作るマシンは、広がりつつあるディズニーの世界の中で、描き出すキャラクターたちの、激しい物理的性質をより良く表現するために、よりアクティブで移動するものになってきている。そして最近追加されたものは、キャラクターたちがパーク内を動き回る方法を変え、私たちが移動するロボットに対して抱く考え方を変えてしまう可能性がある。

私は最近、ディズニーによる新しい取り組みについて書いた。それはより柔軟で、インタラクティブで、そして「静的」というよりはもっと生き生きとしている、事前ブログラムされた独立型アニマトロニクスを扱っている。本質的には非常に限定されたロボットに、説得力のある性質を加えるために、多くのことが行われてきた。

従来ほとんどのアニマトロニクスは、設置された場所や立っている場所から動くことはできず、事前に決めたれた動作を厳密に行うだけだった。ヒーローキャラクターが十分に効率的で耐久性があり、一日何百回も、来る日も来る日も、何年の間も動作し続けられるように、ショーのデザインとプログラミングのフェーズは密接に関連している。

ウォルト・ディズニー・ワールドの”The World of Avatar”内に登場するナヴィ・シャーマンが、この手の造形の最先端を表している。

しかし年々より多くのダイナミックでヒロイックなフィギュアが登場してくる、ディズニーの拡大する世界で、彼らがディズニーの世界を表現するパーク内のロボットたちを、より本物らしくそして活動的にする方法を探究しようと考えることは理にかなっている。

それこそがStuntronicsプロジェクトが始まったきっかけである。これは、数ヶ月前に行われたStickmanという研究実験から生まれたものだ。Stuntronicsは自律的で、自己修正をおこなう空中パフォーマーで、高く飛ぶスタントを毎回上手くやるために、リアルタイムの調整を行うことができる。基本的にロボットのスタントマンだ、よって名前もそれに由来している。

私はImagineerの主席研究者であるTony Dohiと、ディズニーのアソシエイトリサーチサイエンティストであるMorgan Popeの2人に、このプロジェクトについて尋ねてみた。

「ということで、これはキャラクターがスクリーンの上に登場してから行われる実在化なのです」とDohi。「それがStar Warsのキャラクターだろうが、Pixarのキャラクターだろうが、あるいはMarvelのキャラクターであろうが、さもなければ独自のアニメーションキャラクターであっても、本当に活発に動作を行います。そのため、私たちのテーマパークのお客さんたちは、そうしたキャラクターたちがパーク内でもスクリーンと同じような振る舞いをすることを期待するようになります。しかしアトラクションのことを考えたとき、私たちのアニマトロニクスフィギュアは何をするのでしょうか?ここには一種の断絶があるのです」。

このため彼らは、「ヒーロー」アニマトロニクスフィギュアためのスタントというコンセプトを思いついた。これは価値が高く繊細な俳優を、危険なシーンではスタントが置き換えるのと同様に、ショーの中でより派手な振る舞いが必要な場面でスタントを務めるのだ。

Stuntronicsロボットは、レーザー距離計によってサポートされた、オンボード加速度計とジャイロスコープアレイを備えている。現在の形状は、ヒューマノイドであり、あるパフォーマーのサイズや形状を、例えばThe IncrediblesやMarvelの登場人物のコスチュームに合わせて簡単に変えることができる。ボットはワイヤーの端から空中に放り出されることが可能で、そのポーズ、回転そして重心を制御して、正しく着地するだけでなく、空中でヒーローっぽいポーズを決めながら目標に飛び降りることもできる。

この利用は、アトラクションの途中で行われるものになるだろう。比較的静的なシーンでは、シャーマンのような主人公のアニマトロニクスや、Imagineeringが常に開発している新しいフィギュアが、顔と形を使ったニュアンスたっぷりのパフォーマンスを提供することができる。そして、ダイナミックで拘束を受けない、アクションや盛り上がるシーンでは、Stuntronicsによるスタントが自身で空中を飛び、軌跡を計算しながらオンボードハードウェアでポーズをキメて、毎回正確にターゲットに着地するのだ。そして次の観客のために、元の場所に戻る。

こうしたアニマトロニクスがより「リアル」でダイナミックなものに感じられるシナリオを作ることへ焦点を当てることはImagineeringの他の部門でも行われている。自律的な回転移動ロボットや、あるいはいつか、すばらしい二足歩行ロボットも登場するだろう。とはいえStuntronics自身は、標準的なアニマトロニクスフィギュアが実行できるものとのギャップを埋めるためのものだ。すなわちそのアクションとダイナミズムが本物であると、見るものに信じさせる能力を持つのだ。

「しばしば、私たちのロボットは不気味の谷に落ち込みます。沢山の機能は実現できるのですが、それでもあまり本物っぽくは見えないのです。ですが、私はStuntronicsでは事情は反対だと思っています」とPope。「空中を飛行しているときに、非常にすっきりとした物理学を活かすことによって、少しばかりの機能で、とても格好良く見える様々なものを生み出すことができるのです。空中で横回転や縦回転をただ行うことで、見る人からは予測しにくいのに美しく映える、放物線や正弦波を描くことができるのです」。

初期のBRICK

Imagineeringが問題に取り組む際の多くのソリューションと同様に、Stuntronicsは特定の目的はなく、研究プロジェクトとしてスタートした。この場合、それは当初BRICK(Binary Robotic Inertially Controlled bricK)と呼ばれていた。基本的に、センサーを備えた金属製のレンガ状の構造を使い、その重心を変化させてスピンを制御して、正確な高さで正確な方向を向かせる ―― そのことで毎回「ぴたりと着地する」のだ。

最初のBRICKの段階から、次にDisneyはStickmanに移行した。これはデバイスが関節で繋がれたもので、より積極的にデバイスの回転や向きを調整することができた。いくつかのレーザー距離計と組み合わせることで、目を細めながらという条件付きながら、人間のアクロバットをエミュレートすることのできる骨格のようなものを得た。

「Morganと私は口を揃えて、何だかはわからないけれど、おそらくここには何かありそうだと話し合いました。なので、さまざまな方向を突き回して、そこから何が出てくるかを見てみようと話したのです」とDohi。

しかし、Stickmanにはそれほど長期間は固執しなかった。

「BRICKをやっていたときは、私はそれがとてもクールだと思っていました」とPope。「そして私がBRICKを会議で発表したときには、既にTony(Dohi)がStickmanを作るのを手伝ってくれていましたが、そのときの私の気持ちは、ああこいつ(BRICK)はもうクールじゃないなというものでした。なにしろ今や本当にクールなのはStickmanなのですから。そしてその後、私はオーストラリアに行き今度はStickmanを発表したのですが、私たちは既に研究所ではStuntronicを開発していたのです。なのでそのときの気持は、ああこいつ(Stickman)はもうクールじゃないなというものでした」と彼は冗談を飛ばした。

「しかし、それはずっと楽しいことでした。その道のりの一歩一歩を考えるたびに、恍惚とした気分になりました。しかし、課題はどんどん押し寄せてきます…そうした挑戦を受けることは楽しみでした」。

こうしたプロセスが、Imagineeringが全体として進む方法として、私を魅了して止まないものの1つなのだ。問題の糸を解きほぐすために、マネジメントと内部構造によって権限を与えられた人びとが居て、たとえ何が結果として得られるかがはっきりわからないときにでも仕事を進めることができるのだ。地球上で最も大きな企業たちは、皆似たようなR&D部門を持っているが、それを例えばAppleのように、貸借対照表から切り離して考えている会社は、私の知る範囲ではほとんど存在していない。通常、R&Dの多くは、損益計算書のスプレッドシートに強く結びついているため、何が出て来るのかを見届けるまで待ち続けることは、本当に本当に困難なのだ。

数学、物理学、芸術、デザインのようなとても異なる分野の専門家たちを抱えることができることで、アイデアをテーブルに乗せて吟味して、片方の手ではストーリーテリングの問題を解きながら、もう片方では研究プロジェクトを行うことを可能になる。例えばもしこれをもう少し掘り下げたなら、目的のために役立つだろうか?ストーリーテリングが常に北極星として輝く限り、山を越えて導くガイドの光を得たことになり、反対側の端にたどり着いたときには、問題を解決することに結びつく様々なものを手にしていることができる。

「私たちは成功するかどうかがわからない、リスクの高いことを行える体制を保っています。なにしろ自分がやっていることの直接的な応用があるかどうかは、わからないのですから」とDohi。「しかし、ただそこに何かがあるかもしれないという直感は感じています、そのことが私たちに大きな範囲での自由を与え、可能性と単なるアイデアの周りを探究させるのです。それは本当に特権的なことですね。それこそが、私がこの場所を気に入っている理由の1つなのです」。

この遊びのプロセスと、反復、そしてストーリーテリングのゴールの追求は、Imagineeringの中に何度も何度も浮かび上がって来ているものだ。それは実際に、幅広い分野に対応した非常に賢い人々の集まりが、リーダーたちの中枢神経システムによって束ねられたものである。そうしたリーダーの1人が、ウォルト・ディズニーImagineering R&Dの所長であるJon Snoddyだ。彼は研究サイドとImagineeringの他の部門(パークの管理や、インタラクティブプロジェクトや、デジタル部門など)の天の間を結びつける手助けをしている。

そこには、無駄のない探究と、ストーリーに奉仕しないものの追求を有機的に抑制することを可能にする、経済学と組織に対するエゴを主張しない文化がある。Imagineeringの仕事を調査していた私は、しばしばそのプロセスがどれほど素晴らしいかということと、そのソリューションの巧みさを組織がどれほど伝えられているかの間には、大きな隔たりがあることに気が付いた。

ディズニーリサーチのホワイトペーパーは、新興テクノロジーに興味を持つ人々にとっては果てしなく魅力的だが、研究とパーク内での実用的な応用との統合ポイントは、多くの場合探究されないままだ。それでも、飛び抜けた成果だと感じるものを本当に見出したときには、彼らもそのことをきちんと理解し始めており、それを世界に伝えて行くためのよりよい方法も考え始めている。

実際、私たちの会話が終わる頃、Dohiはよいキャッチフレーズを思いついたと話したので、私は彼にその最高のピッチを促した。

「Stuntronicsの目標の1つは、私たちが不気味の谷を飛び越えることができるかどうかを知ることです」。

悪くない。

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(翻訳:sako)

ライフイズテックがディズニーと手を組んだ新教材を発表、販売価格は約12万円

中高生向けプログラミング教育事業を展開するライフイズテックは3月6日、ウォルト・ディズニー・ジャパンとライセンス契約を結び、ディズニーの世界を楽しみながらプログラミングを学べる「テクノロジア魔法学校」を開発したと発表した。同サービスのリリースは2018年4月21日を予定している。

2010年7月創業のライフイズテックはこれまで、春休みや夏休みを利用した3〜8日間のプログラミング教育キャンプ「Life is Tech!」や、オンラインでプログラミングを学べるSNS「MOZER(マザー)」の開発などを手がけてきた。2014年8月にはリクルートなどから総額3億1000万円を調達したほか、プロサッカー選手の本田圭佑氏は自身の投資先1号として同社を選んでいる。そのライフイズテックが次にリリースするのが、ディズニーとのコラボ教材だ。

テクノロジア魔法学校と名付けられた本教材では、魔法学校を舞台にしたオリジナルメインストーリーと、「アナと雪の女王」や「アラジン」など13のディズニー作品をテーマにしたレッスンでプログラミングを学習できる。

言語はJavaScript、HTML、CSS、Processing、Shaderなどに対応していて、メディアアート、ゲーム制作、Webデザインなどのカテゴリーを総合的に学ぶことが可能だ。合計100時間分の学習コンテンツが用意されていて、週1回2時間の学習で約1年間学ぶことができる設計となっている。

ライフイズテックは本教材を公式サイトで販売するほか、150店舗以上の家電量販店に展開する予定。販売価格は12万8000円だ。

テクノロジア魔法学校の販売価格を月あたりで計算すると、約1万円になる。ライフイズテックがもともと2018年春頃までに正式版リリースを目指していたMOZERは、「1コース月額1500円から」という価格での提供が想定されていたので、かなり“攻めた“価格設定と言えるのかもしれない(もちろんライセンス料を考慮する必要はあるが)。

2020年に必修化されることが決まり、ここ数年で世間からの注目が急速に高まりつつあるプログラミング教育。この分野に対し、教育熱心な親世代は果たしてどれだけの支出を許容するのだろうか。

専門のメンターがつくプログラミング学習サービスのなかには、10万円単位の授業料が発生するサービスもある。例えば、プログラミングブートキャンプ「TechAcademy」の料金は4週間で約13万円だ(社会人の場合)。

その一方で、人間のメンターなどはつけず、完全なオンライン教材という形に特化したサービスのなかには月額数千円ほどの価格帯で提供するものもある。テクノロジア魔法学校はこのタイプのオンライン学習サービスとして分類できるだろう。今回の場合は「ディズニーとのコラボ」というバリューを上乗せした、高価格帯のオンライン教育サービスがどれだけ受け入れられるのだろうか。テクノロジア魔法学校の売れ行きの動向は、ライフイズテックと同じくオンライン教材を提供する競合他社からの注目も集まりそうだ。

ディズニーがその驚異的なアバターロボットの中身を公開した

5月の終わりにディズニーはフロリダ州ディズニーワールドのアニマルキングダム内にアバターをテーマにしたエリア(パンドラ:ワールドオブアバター)をオープンした。まだオープンからほんの数週間しか経っていないために、まだ訪れた人は多くはないが、もし訪れたならナヴィ・リバー・ジャーニーに行く時間を是非とって欲しい。アトラクションの終点には、アニマトロニクス(生き物のように見えるロボット)のナヴィ(アバターに登場する青いヒューマノイド種)が居るが、これまでに作られたアニマトロニクスの最も素晴らしい例の1つだ。

今日(米国時間7月17日)の午後に、ボストンで開催された、TechCrunch主催のロボットイベントで、私たちはその中で何が起きているのかを見ることができた。

そして外部がきちんと覆われたナヴィ・シャーマンは、次のようなものになる:

しかし、マスクを引き戻してみると、信じられないほど美しく複雑なロボット機構がその下に横たわっている:

ディズニーはこれまで何十年もの間アニマトロニクスに新しい地平を切り拓いてきた(それぞれ1963年と1964年にさかのぼる、ティキルームの鳥と”Great Moments with Mr. Lincoln”にちなんだロボットプレジデント)。しかし、このナヴィ・シャーマンは表現力、動きの滑らかさ、そして観るものの心を吹き飛ばす力で、全く新しいレベルに到達したと言える。

さて、すべてが完成形となって、アトラクションに乗ったときに、全体がどのように見えるのかに興味はあるだろうか?これがそれだ:

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(翻訳:Sako)

子供向けチャットアプリ「Disney Mix」、ディズニーキャラクターのスタンプやゲームも楽しめる

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ディズニーは先日(米国時間8月4日)、新しいチャットアプリDisney Mix」をモバイルメッセージング市場に投入した。このアプリのターゲットは子供、14歳くらいまでのトゥイーン、ファミリーだ。WhatsApp、Facebook Messenger、Snapchatなど、他の人気メッセージングクライアントとは、あるレベルまでは競合するが、Disney Mixのゴールは子供による利用を考慮した、より安全な代替ツールの提供にある。つまりアプリの役目はチャット機能だけに限られず、ゲームプレイ、ミーム(おもしろネタ)の拡散、スタンプの共有などにあるとディズニーは述べている。

ディズニーはまた、子供向けオンラインコミュニティの構築においてはClub Penguin、MarvelKidsやその他のバーチャルワールドを含め、10年以上の経験があることにも言及している。

Disney Mixの製作にあたっては、Club Penguinを通しての学びをスタート地点として、そこからDisney Mixに固有の新たなツール、モデレーション機能、および教育的リソースを構築したという。

当然ながら、Disney Mixはターゲットとなるユーザー層に配慮して米国児童オンライン保護法(COPPA)を遵守している。これは子供向けサービスの運営時に企業が従うべき個人情報の収集・使用方法について規定する法律だ。

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ユーザーがアプリにサインアップする際には コミュニティルールに同意するようになっている。このルールには「安全に注意する」「他のユーザーを思いやる」「投稿内容に配慮する」などの決まりごとが含まれ、知らない人に個人情報を教えないことの大切さや、共有にふさわしいコンテンツについて言及している。これによりいじめや不適切な言葉遣いを防止する狙いだ。

アプリにはモデレーション機能も備わっており、いずれかのルールを破ったユーザーは一時的または恒久的にDisney Mixを利用停止にするとディズニーは話している。

このような管理を担うモデレーションチームには、チャットスレッド上部にある「ホイッスル」アイコンをクリックすることでいつでも連絡できる。チャット中にクリックすると会話内容が報告されて、モデレーションチームが対処する。また、ユーザーは友達リストで名前の左側をスワイプするだけでリストから削除することもできるようになっている。

ディズニーでは13歳以下の子供がサインアップする際には、保護者と子供でアプリのルールについて一緒に話し合うよう推奨している。

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アプリはApp Storeではレーティング「4+」になっているが、コンセプト的にはもう少し上から13歳くらいまでのプレティーンを惹きつけそうだ。

Disney Mixでは、友達同士でチャットして、ズートピアのフラッシュや、ファインディング・ドリーのハンク、ベビーシッター・アドベンチャーのジェニーなどのスタンプを送り合える。アプリのその他のコンテンツにはアナと雪の女王、モンスターズ・ユニバーシティ、トイ・ストーリー、ティーン・スパイ K.C.、ファミリー・ツリーなど、ディズニーのその他フランチャイズも使われているという。

このアプリを使ったチャットは友達や家族だけに留まらず、ディズニー・チャンネル、ディズニーXD、ディズニー・ムービーなどの「ディズニー・アカウント」も友達リストに追加できるようになっている。これらのアカウントからは定期的に新着の画像や動画、ニュースなどが送られてくる仕組みだ。

Disney Mixと他のメッセージングに特化したクライアントを比べた場合の最大の差別化要因は、インタラクティブで多様なアプリ一体型ゲームかも知れない。アプリにはSpikes、Elsa’s Winter Waltz、Cards of Doomなどのゲームが備わり、チャット画面から友達同士でプレイできるようになっている。

アプリの利用開始時には髪型や顔の特徴、アクセサリーなどを選択してカスタマイズしたアバターを設定する。これは任天堂のMiitomoとあまり違わない印象だが、Disney Mixのアバターは全身ではなく顔のみとなっている。

次回リリースでは画像と動画の共有など、さらなる機能をサポートするとディズニーは話すが、もちろん保護者による監督あっての機能提供であると念を押している。

Disney Mixは、iOSAndroid用に無料でダウンロードが可能だ。

[原文へ]

(翻訳:Ayako Teranishi)

ディズニーアクセラレーター第3期、ロボットからホログラムまで採択企業9社を紹介

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The Walt Disney Co.は、第3期となる企業アクセラレーターを今週キックオフする。 そして、プログラムに採択した9社を発表した。採択企業のリストはこの記事の最後にある。

Walt Disneyは映画VRからホログラムのコンテンツ、人の表情に近いロボットまで多岐にわたり開発する。

Disney Acceleratorの卒業企業は大手メディアやエンターテイメント企業と大々的なパートナーシッップを過去に獲得したことから、いくつもある企業アクセラレーターの中でもこのアクセラレーターは有望なプログラムと位置付けられている。

Future Asia Venturesの調査によると、現在世界中に131のアクティブな企業アクセラレーターがあり、2016年の前半には新たに13の新規プログラムがローンチした。アメリカには最も多い31のアクセラレーターがあり、案件を獲得するにあたり競争が激しいことがわかる。

Disney Acceleratorの卒業生には、スターウォーズのBB-8ドロイドを制作するSpheroなどがある。これは2015年、Disneyのベストセラー商品となった。他にもスポーツのデータプラットフォームStatMuseがあり、彼らはDisneyが保有するESPNに対し統計情報を提供している。

今年はTechStarsを頼ることなく、完全に社内でアクセラレータープログラムを運用する初めての年になる。TechStarsは外部のパートナーで、2014年にプログラムを立ち上げる助けをしていた。少しづつプログラムも変わっているようだ。

Disney Accelerator Mentor Ryan Spoon (Sr VP Product Management) meets with Disney Accelerator 2015 group.

Disney Acceleratorのメンターを務めるRyan Spoon (プロダクトマネジメントのシニアVP)とDisney Accelerator 2015年のグループの様子。

Walt Disney Companyのイノベーション部門のシニアVPを務めるMichael Abramsは、今年のDisney Acceleratorに参加する1つのチームはスタートアップではなく、社内のプロジェクトチームだという。

他の参加企業は、シード期や初期のアーリーステージ企業からそれなりに資金を調達し、何百万ドルの収益をあげている企業まで含まれるという。

これまでDisney Acceleratorはアーリーステージのビジネスのみを受け入れてきたし、社内プロジェクトも含まれていなかった。また、受け入れた10社全部に対して画一的な条件を適用していた。今回は各社それぞれと交渉して契約するとAbramsは話す。

「プログラムは進化しました。しかし、私たちはずっとメディアとエンターテイメントを主軸に置いてきたことは明白でしょう。私たちが他のアクセラレーターより上手くできることは、起業家が世界でも卓説したクリエイティブに触れることで、ストーリーを伝える方法を学び、その美学を追求できること。そして広告からテーマパークまでメディアやエンターテイメント業界における様々なビジネス要素への理解を深めることにあります」と彼は言う。

Disneyはよくアクセラレータープログラムの参加スタートアップとWalt Disney Co.の運営ユニットとを広くつなげる。スタートアップはWalt Disney Co.と共にパイロットプロジェクトを行ったり、他のパートナーシップを結んだりしていた。

最新の応募スタートアップに関して、AbramsはAIやロボットを手がけるスタートアップが前年に比べ増え、一方でGIFを使う企業は減ったという。

2016年Disney Acceleratorに採択された企業は以下の通りだ。

  • Ader
    ブランドとEスポーツやゲームのインフルエンサーとつなげるマーケットプレイス。Aderのインフルエンサーのネットワークは5000万人近い月間ビュアーへのリーチがある。Aderは12万5000ドルをシード資金として調達している。
  • Atom Tickets
    映画のモバイルチケットアプリで、カスタマーは映画チケットの購入、売店の軽食予約、金銭のやりとりなしの友人招待、新作映画の発見、予告編の視聴、レビューの閲覧などができ、映画館に行く予定を立てるためのアプリだ。Atom Ticketsはベンチャー投資で5000万ドルを調達している。
  • Hanson Robotics
    豊かな表情の人間味あふれるロボットを開発している。香港を拠点に置くHason Roboticsはビジネス向けからコンシューマー市場向けまで様々なロボットを開発している。彼らが制作したロボット「Sophia」の動画は10億回以上視聴されている。
  • Jaunt VR
    映画のVRコンテンツを制作できるハードウェア、ソフトウェア、ツールとアプリを開発している。Jauntはベンチャー投資で1億ドルを調達している。
  • littleBits
    リモコンカーに踊るロボット、スマートホーム端末まで、子供達がなんでも発明するための、簡単に使える電子製品の構成ブロックのプラットフォーム。littleBitsのファウンダーは、Open Hardware Summitの共同ファウンダーで、TEDのシニアフェローであるAyah Bdeirだ。彼は、MIT Media Labの卒業生でもある。littleBitsは6000万ドルを調達している。
  • Nom
    シェフやグルメ愛好家のためのオンライン・ライブストリーム動画コミュニティー。Nomのユーザーは、ライブ動画の制作、共有、視聴ができ、またチャットや会話を楽しみながら動画に参加することもできる。NomはYouTubeでエンジニアリードを務めたVijay KarunamurthyとYouTubeの共同ファウンダーでCTOのSteve Chenが創業した。
  • OTOY
    ホログラムのコンテンツプラットフォームで、VRやAR体験にライトフィールド・レンダリングやネットワークストリーミングを加える。
  • Playbuzz
    コンテンツ制作とオーディエンスのエンゲージメントを促すプラットフォーム。何万人のパブリッシャー、マーケッター、ブロガーやブランドが、ソーシャルシェアに最適化されたエンゲージメントの高いコンテンツをモバイル重視の形式で制作することを助ける。ニューヨークとテルアビブにオフィスがあり、PlayBuzzは3100万ドルを調達している。
  • Pley
    おもちゃのサブスクリプションサービスを提供。メンバーは月額利用料で500以上のおもちゃのカタログから好きなものを注文する。おもちゃは自宅まで配送され、好きなだけ遊ぶことができる。返却はいつでも良い。Pleyはベンチャー投資で1600万ドル以上を調達している。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website