Z世代向け音楽療法アプリのSpokeがAda Ventures主導で約1.7億円のラウンドを獲得

Spokeのチーム(画像クレジット:Spoke)

CalmやEndelといったアプリは「機能的な音」として知られるようになりつつある新しい世界を模索している。Calm(カーム)や各社が瞑想や睡眠の領域でそれを行っている一方、750万ドル(約8億6400万円)を調達したEndel(エンデル)は、仕事やその他の活動を強化するための「機能的な音」を作り出している。そして今、新しいスタートアップが「機能的音楽」と呼ぶものを立ち上げようとしており、その次の段階を後押しする機関投資家の支援を獲得している。

Spoke(スポーク)は「マインドフルネス効果」と称する音楽を生成する新しいアプリである。このアプリは、現代音楽アーティストや科学的アドバイザーとの18カ月にわたる研究開発に基づいており(臨床試験も予定されている)、主に「中高年向け」のマインドフルネスアプリやムーブメントを敬遠しがちなZ世代、もしくは25歳以下の年齢層を対象とした、マインドフルネスの要素と音楽を組み合わせたものだ。

このたび、英国を拠点とするAda Ventures(エイダ・ベンチャーズ)が110万ポンド(約1億7200万円)のプレシード投資を行い、英国の著名なエンジェル投資家が多数参加している。

AIを使って音を生成するEndelとは異なり、Spokeは臨床心理学者、セラピスト、神経科学者のチームによって訓練されたアーティストを採用し、ユーザーが望む精神状態になるように音楽を制作しており、同社は、これには治療行為と同じ効果があると主張している。

「Spokeは、音楽文化とメンタルヘルスという一見相反する世界を結びつけるものです」と、Spokeの創設者で共同CEOのAriana Alexander-Sefre(アリアナ・アレクサンダー=セフレ)氏は声明で述べている。「音楽業界は、リスナーやアーティストのメンタルヘルスにすばらしい役割を果たすことができ、根本的に変わる必要があると私たちは考えています。メンタルヘルスのアプリはたくさんありますが、十分なサービスを受けられていない世代がいます。これは私たちの第一歩です。私たちの使命は、音楽がいかにパワフルであるか、そして業界がいかに進化しなければならないかを示すことです」と語る。

Spokeによると、現在Jordy(ジョーディ)、VIC、Jamilah Barry(ジャミラ・バリー)を含む25以上のアーティストと協力しているとのことだ。おわかりかもしれないが、これらのアーティストは、瞑想アプリのような快適な世界とはかけ離れた存在であることが多い。

アレクサンダー=セフレ氏は、自ら命を絶った若者を知って、このアプリに取り組む気になったのだという。「私はこのことをとても身近に体験してきました。私が知っている最年少の若者はわずか15歳で、このことは当然、その子の身近な人たちに人生を変えるような影響を与えます」と語る。

彼女は私にこう言った。「私の最初のビジネスは、ライブ音楽とウェルビーイング体験を融合させたイベント会社でした。私は、ウェルビーイングの空間では、同じ人しか見かけないことに気づいたのです。通常、年配の女性、中流階級の女性です。ところが2017年、私の弟の親友が自ら命を絶ちました。そして、翌年中に友人の兄弟2人も命を絶ちました」。

「起こったことを本当に代謝するのに1年ぐらいかかりました。明らかに、起こったことは受け入れがたいことです。でも、それ以上に胸が痛むのは、弟とその友人たちが、学校のセラピーやカウンセリングを拒否していることだと思います。私は当時、福祉関係の仕事をしていましたが、何百万人もの人々が使っているこれらのツールのどれもが、この若者たちに文化的にフィットしていないことがわかったのです。そして、イギリスとアメリカでは、自殺者の80%が男性であり、静かな流行が起きていることを知りました。また、マインドフルネスの分野を大衆化させたと思われるCalmやHeadspaceは、25歳以上の女性に多く利用されていることもわかりました」と語る。

彼女は何千時間にも及ぶリサーチを行い「若者はヨガの先生や専門家のお坊さんのような人の話を聞くことには興味がない」けれど、ミュージシャンのような文化的リーダーには興味があることがわかった。「私が話をしたほぼすべての若者にとって、ミュージシャンが最も影響力があることがわかりました。音楽産業がウェルネスの世界にまったく入ってきていないのは、とても皮肉なことだと思いました。実際、ミュージシャンというのは、精神衛生上、最も悪い状態にある人たちです。レーベルは彼らの面倒を見てくれないのです。そこで、マインドフルネスの新しい文化として、この科学的なインパクトが証明されたマインドフルネスと、セラピー的なガイダンスを組み合わせるというアイデアを思いついたのです。Spokeは、現在のマインドフルネス・アプリの実用性と、音楽アプリのエンターテインメント性を融合させ、パーソナライズされた体験を提供するものです」と語る。

Ada Venturesの創業パートナーであるCheck Warner(チェック・ワーナー)氏は「Spokeは、若い男性のためのメンタルヘルス・セラピーという、重要かつ完全に未開拓の市場に取り組んでいます。若者、特に若い男性が精神的な問題と戦っているという日々のニュースはとても悲しく、Spokeが取り組んでいる問題の大きさと重要性を常に思い起こさせてくれます。Spokeのユニークな製品は、音楽やラップを神経科学と組み合わせることで、不安や鬱を軽減する効果のある瞑想の製品を作り出しています」と語る。

アレクサンダー=セフレ氏の共同創業者兼共同CEOは、かつてアプリ出版社Zolmo(ゾルモ)を設立した連続起業家、Michael Maher(マイケル・メア)氏だ。

Spokeのクリエイティブ・チームには、リード・アーティストのLemzi(レムジー)とエグゼクティブ・プロデューサーのDaniel Miles(ダニエル・マイルズ)氏がいる。Lemziは、イースト・ロンドンを拠点とするラップ/ヒップホップ・アーティストだ。マイルズ氏は、Ivor Novello(アイヴァー・ノヴェロ)にノミネートされたプロデューサーで、以前はSony Music(ソニー・ミュージック)と契約していた。

Ada Venturesの他、プレシードラウンドには、Bethnal Green Ventures(ベスナル・グリーン・ベンチャーズ)とエンジェル投資家のNikhil Shah(ニヒル・シャー)氏(Mixcloud共同創業者)、Marla Shapiro(マーラ・シャピロ)氏(HERmesa創業者)、Toby Moore(トビー・ムーア)氏(Space Ape Games共同創業者)、Ascension Ventures(アセンション・ベンチャーズ)のCFOのEmma Blackburn(エマ・ブラックバーン)氏、スーパーエンジェルのEd Zimmerman(エド・ジマーマン)氏らが参加している。Metail(メテイル)の創業者であるTom Adeyoola(トム・アデユーラ)氏も投資しており、現在はSpokeの会長を務めている。

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(文:Mike Butcher、翻訳:Akihito Mizukoshi)

夜中目覚めたユーザーを再び眠りに誘うMuseの「脳感知」瞑想用ヘッドバンド最新版

瞑想ハードウエアは難しいものだ。マインドフルネスを追求して挫折したことのある人は誰もが間違いなく、練習をなんとか簡単に、あるいは少なくともジャンプスタートする方法を切望しているはずだ。私は、初代Museヘッドバンドがこのカテゴリーに加わり、ゲーム感覚でフォーカスできるようになったことをとても気に入っている(聞こえは悪いが、想像するよりも良いものだった)。

2020年のCESで発表された「Muse S」は、さらに基本的なもの、つまり「より良い睡眠」を約束するものだった。その当時に記事を書いた際、私はまだテストを始めたばかりで、正直なところ、頭にガジェットをつけたまま眠るのは難しいと思っていた。本当に使い続けられるだろうか、と声高に考えたものだ(ネタバレ:できなかった)。米国時間10月20日、同社はそれに続く、わかりやすいネーミングの「Muse S(Gen.2)」を発表した。

今回の製品は「眠ること」と同じくらい「眠り続けること」を重視している。後者の方が苦手な私にとっては、この点は高く評価できる。確かに今回のパンデミックでは、変に早く寝てしまったり、夜中に1〜2時間(あるいはもっと長い時間)目が覚めることが多かった。頭の一部では、人間は夜通し眠れるようにはできていないと確信している。

CDCによると、米国の成人の3分の1以上が7時間の睡眠をとれていないと言われているが、正直なところ、この数字は少ないように感じる。新しいMuseは「Digital Sleeping Pills(デジタル睡眠薬)」と呼ばれるものを利用している。これは、バンドの脳波(EEG)測定値を利用して、起床時に睡眠コンテンツを配信し、着用者を眠りに誘おうとするものには奇妙なネーミングだ。コンテンツには、以下のような選択肢がある。

  • オリジナル、クラシック、そしてアドベンチャー「スリープストーリー(Sleep Stories)」は、おなじみの童話や、新しいオリジナルの物語を音声でナレーションする
  • 「アンビエント・スリープ・サウンドスケープ(Ambient Sleep Soundscapes)」は、癒しのアンビエントミュージックとハーモナイズされたサウンドを音声ナレーションなしで提供する
  • 自然音やバイオフィードバックに対応する音楽を収録した「バイオフィードバック・スリープ・サウンドスケープ(Biofeedback Sleep Soundscapes)」(音声ナレーションなし)
  • 「ガイド付きスリープ・メディテーション(Guided Sleep Meditations)」は、瞑想インストラクターがあなたをリラックスさせるスリープ・メディテーションで眠りに導く

このコンテンツは、ソフトウェアアップデートによって第1世代のユーザーにも提供される。この他にも、新しいヘッドバンドには、精度の向上やバッテリー寿命の改善など、いくつかの微調整が施されている。今回も、400ドル(約4万5700円)という価格が大きな障害になると思われる。その数分の1の価格であれば、多くの人が睡眠ガジェットを試してみたいと思うのではないだろうか。

画像クレジット:Muse

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

【レビュー】OnePlus Buds Proは高コスパイヤフォン、1.65万円で音質、フィット感ともに文句なし

ワイヤレスイヤフォンで2021年に他社製品と差異化を図るには何をすべきだろうか。良いハードウェアが市場をほぼ制覇していて、答えるのがかなり難しい質問だ。筆者は2020年あたりからかれこれ10製品ほどを試した。正直なところ、それらはすべてかなりよかった。

NuraやNothingのような企業は興味深いアプローチを取っているが、スマホも販売しているハードウェアメーカーにとっては、ときに特定のモバイルデバイスにぴったりとくるものであれば十分だ。

OnePlusは、この2つの要素の間にある。同社ももちろん自前のスマホを作っているが、Samsung(サムスン)やApple(アップル)のような超大企業に近い販売台数ではない。OnePlus Buds Proも同じ路線を行っていて、自前のデバイスにぴったりくるイヤフォンだが、いくつかひねりが加わっている。競争の激しいこの分野でいくらか差異化を図る興味深い追加要素だ。

OnePlusのこの分野での現時点までの取り組みは、よく言っても例外的ではなく、悪く言えばなんともつまらない。同社がケーブルタイプの展開を経て、2020年に最終的にワイヤレス部門に参入したとき、筆者は大して感銘を受けなかった。100ドル(約1万1000円)弱というのはよかったが、ピッキングがまったくスリムではなく、おそらく3、4年前に発売できたと思わせるものだった。

画像クレジット:Brian Heater

幸いにもProはあらゆる点で改善されている。同社の共同創業者の1人がPro発売から1カ月もしなうちに独自のヘッドフォンを立ち上げたこともあり、同社にとって改善は少し安心するものに違いない。150ドル(約1万6500円)のProは同社のスタンダードイヤフォンならびにEar (1)より50ドル(約5500円)高い。しかし現在のイヤフォン業界を見渡すと、適正な価格だ。

このレビューで筆者はこのイヤフォンをOnePlusではないAndroidスマホとiPhoneで使ってみたことを記しておくべきだろう。この組み合わせではHeyMelody OnePlus / Oppoアプリの使用が必要だが、一言でいうと使わなかった。しかしいくつかの主要機能は利用できた。良好な音質が得られるよう、フィットテストがあり、そしてカスタムのサウンドプロフィールをつくることができるOnePlus Audio IDもある。

OnePlus Audio IDは、Nuraがユーザーに再生音を聴くことができるか尋ねながら、数多くの異なるトーンを通じて調整する古いタイプのサウンドテストで提供しているもののベーシックなバージョンだ。これはやや時間がかかるが、最終的には違いを生み出す。筆者が調整した後、より大きく豊かなサウンドになっていた。残念ながらそれ以上のEQカスタマイゼーションは多くない。つまり、サウンド面でベースへの過度の依存以外に不満はさほどない。

画像クレジット:Brian Heater

アプリとヘッドフォンのステム部分の両方でコントロールできるノイズキャンセリングも効果的だ。一方、ステムを長押し(3秒)するとこのイヤフォンの最もユニークな機能の1つ、Zen Mode Airが使える。どのテック企業もマインドフルネスのことを考えている時代にあって賢い機能だ。Zen Mode Airではホワイトノイズを流し込む。「Warm Sunrise」という鳥のさえずりや虫の音がする草原のようなサウンドスケープがデフォルトになっている。その他、キャンプファイヤーやビーチなど、4つのサウンドがあらかじめ用意されている。これは、筆者がこれまでに必要だと思った機能ではないが、あらゆることがストレスフルな時代、少し掘り下げてみよう。

デザイン面では、企業はこのごろ2つの選択肢のうちの1つをとっている。AirPodのようなものか、完全に異なるものだ。OnePlusが取った方向は一目でわかる。同社がレビューのために送ってきたマットブラックのペアはあまり目立たないが、白のバージョンは明白だ。マーケットリーダーであるAirPodに酷似しないよう、ステムがメタルになっているようだ。

画像クレジット:Brian Heater

快適性の観点からは、手強いものだ。筆者は長時間使用し、ランニングにも使ったがまったく不満はない。結局のところ、AirPodのデザインには何かがあるのだろう。バッテリー駆動時間は傑出していて、イヤフォン単体で5〜7時間(ANCを使用するかによる)もち、スリムケースと合わせると28〜38時間となる。ケースはワイヤレス充電に対応し、この価格ではますますユビキタスな機能だ。

OnePlusは明らかに最初に99ドル(約1万1000円)のイヤフォンを発売することで安価路線を踏襲したかった。しかしよりプレミアムなモデルで何ができるのかを示すGoogle(グーグル)のアプローチに何か感じるところがあり、安価路線から逸れたと筆者は考えている。ProはOnePlusが1年、あるいは2年前にリリースしておくべきだったヘッドフォンだという強い主張がある。しかし遅れてでも出さないよりはいい。

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画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

書く瞑想ジャーナリングアプリ「muute」が「Spotify」と機能連携、音楽と感情の関係性をAIで分析可能に

書く瞑想アプリ「muute」が「Spotify」と機能連携、音楽と感情の関係性をAIで分析可能に

「楽しくワクワクするデジタル体験を創造するデジタルプロダクト」の企画開発・運営を行うミッドナイトブレックファストは7月28日、AIジャーナリングアプリ「muute」(ミュート。Android版iOS版)と音楽ストリーミングサービス「Spotify」とを機能連携させ、「いつ・どのような音楽を聴いたか、どのように感情と関係しているか」を振り返る機能を追加したことを発表した。同時に、muuteに書き込んだ自分の感情の推移や記録をAIが分析してフィードバックを行う「インサイト機能」のリニューアルも実施した。

muuteは、ジャーナリング、つまり頭に浮かんだことをありのままに記述することで日々の行動を振り返り、自己肯定感につなげるという「書く瞑想」とも呼ばれるマインドフルネスの技法を中核に、メンタルヘルスを支援するアプリ。muuteでは、ユーザーが書き込んだ記録からAIが感情や思考を分析して提示することで、感情や思考が客観視でき、自分でも気がつかなかった価値観や願望を発見できるという。

今回はこれに「Spotify」が連携することとなり、「よく聴いたアーティスト」「よく聴いたアルバム」「聴いた音楽の特徴」などから、「最近視聴した曲TOP15」「最近視聴したアルバムTOP15」「最近聴いた中で一番明るい曲」「最近聴いた中で一番しんみりした曲」といった分析結果が示されるようになる。また、ジャーナリングの分析結果と音楽の分析結果を比較して、感情の変化と聴いた音楽との関係も知ることができる。

ミッドナイトブレックファストでは、「音楽視聴という行動軸での新しい観点から、さらに自分自身に対する理解を深め、muuteのミッションである『一人一人が自分らしさを受け入れられる社会をつくる』ことにより貢献できるツールとなることを期待しています」と話している。

書く瞑想アプリ「muute」が「Spotify」と機能連携、音楽と感情の関係性をAIで分析可能に

インサイト機能のデザインを一新、毎週フィードバックを示する「ウィークリーインサイト機能」も強化

インサイト機能のリニューアルでは、毎週フィードバックを示してくれる「ウィークリーインサイト機能」が強化された。これまでは、「muuteからのレター」「よく使った言葉」「印象に残った瞬間」「感情の空模様」「感情のリズム」「頭の中を占めるもの」「歩数と感情の関係」が提示されていたが、新たに「週間サマリー」「ポジティブ/ネガティブな投稿分析」「行った場所」「投稿状況」が加わり、前週のインサイトの比較も可能になった。

またインサイト機能のデザインも一新され、テキストの表示を縦スクロールから横スクロールに変更、1枚ごとに読み物風に表示することで振り返りやすさを向上、各フィードバック項目に画像や端的な説明を加えて理解度を高める、といった改良がなされた。

書く瞑想アプリ「muute」が「Spotify」と機能連携、音楽と感情の関係性をAIで分析可能に

muuteは、2020年112月にリリースされ、2021年1月にはAppStoreの「フィットネス/ヘルスケア部門」で1位を獲得した。同社の利用実態レポートによれば、ユーザーの9割が「よりよく自分を知ることにつながった」と回答しているという。

オーディオメーカーSONOSが2019年11月に発表したレポート 『音楽がもたらすストレス社会に生きる現代人への様々な効果』でも示されたように、音楽には「ストレス解消」や「モチベーションの維持・向上」といった効果があるとのことだが、「Spotify」との連携により、その相乗効果も期待されている。

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書く瞑想アプリ「muute」がAppStoreのヘルスケア/フィットネス領域で1位獲得、新機能も発表
AIが思考と感情を分析するメンタルケア手法「ジャーナリング」を支援するmuuteアプリ

カテゴリー:ヘルステック
タグ:アプリ / モバイルアプリ(用語)音楽ストリーミング(用語)Spotify / スポティファイ(企業)マインドフルネス(用語)ミッドナイトブレックファスト瞑想 / メディテーション(用語)メンタルヘルス(用語)日本(国・地域)

わずか8分でストレスを軽減できるTrippのサイケデリックVR瞑想アプリ

消費者のウェルビーイングやマインドフルネスを支援するモバイルアプリを投資家に売り込むスタートアップ企業が増えているが、中にはユーザーが周囲の世界から完全に切り離されるような、より没入感のある方法を模索しているスタートアップもある。

Tripp(トリップ)は、没入型のリラクゼーションエクササイズを開発している企業だ。それはガイド付き瞑想アプリで体験できるような種類のものと、より自由な形の体験を融合させることを目指したもので、ユーザーはVRヘッドセットの中で、フラクタル図形や光る木、惑星が目の前を通り過ぎるのを見ながら、日常から離れて自分の思考を探求することができる。

その社名が示すように、このスタートアップ企業は、幻覚剤を使わずに、サイケデリックトリップの際に感じるものを模倣した視覚と聴覚の体験を作り出そうとしている。

「幻覚剤を摂取することに抵抗を感じる多くの人にとって、これはより穏便な方法でサイケデリック体験の一部を提供できる、摩擦の少ない代替手段です」と、同社のNanea Reeves(ナネア・リーブス)CEOはTechCrunchに語った。「このアイデアは、マインドフルネスとビデオゲームの仕組みを組み合わせることで、人々の感覚を実際にハックできないかと発想したものです」。

Trippによると、同社はVine Ventures(ヴァイン・ベンチャーズ)とMayfield(メイフィールド)が主導し、Integrated(インテグレーテッド)などが参加した投資ラウンドで、1100万ドル(約12億2000万円)の資金調達を完了したという。これで同社が調達した資金の総額は1500万ドル(約16億6000万円)となった。

画像クレジット:Tripp

近年、VR関連のスタートアップ企業の多くは、投資家の熱い支持を得ることに苦労している。主なテックプラットフォームが次々とバーチャルリアリティへの取り組みを終了させ、今やFacebook(フェイスブック)とソニーだけがその分野の提供者として残ったが、彼らも依然として収益化に苦心している。その一方で、多くのVRスタートアップ企業が取り組みを続けているものの、5年前にこの分野の企業を支援していた多くの投資家は、より幅広い用途が期待できるコンピュータビジョンやゲームのスタートアップ企業に目を向けている。

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リーブズ氏によると、新型コロナウイルスの影響から、人々のマインドフルネスやメンタルヘルスに対する意識が高まったため、投資家もこの分野のプロジェクトを積極的に支援するようになったという。

Trippは、Oculus(オキュラス)とPlayStation VR(プレイステーションVR)の両方のストアにアプリを配信しており、月額4.99ドル(約550円)のサブスクリプションという形で利用できる。

同社はさまざまなガイド付き体験を提供しているが、ユーザーは「Tripp composer」を使って独自のビジュアルフローを構築することもできる。

カスタマイズだけでなく、Trippの大きな売りの1つは、消費者により深く、より早く瞑想体験を提供することであり、ユーザーはヘッドセットを装着してから8分という短い時間で、ストレスを軽減できると同社は主張する。

Trippはこのプラットフォームを、企業のオフィスでウェルネスソリューションとして活用することも検討している。現在はこのソフトウェアプラットフォームの治療器としての有効性を研究するため、臨床試験を行っているところだ。

同社によると、このアプリでは、これまでのべ200万回以上のセッションが、ユーザーによって行われたという。

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カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:Tripp瞑想VR資金調達OculusPlayStation VRマインドフルネスアプリ

画像クレジット:Tripp

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

リモートワーク社員を「遊び」でつなぐ「バヅクリ」を手がけるプレイライフが1.4億円を調達

リモートワーク社員を「遊び」でつなぐ「バヅクリ」を手がけるプレイライフが1.4億円を調達

企業や団体の「仲間づくり」を主軸としたリモート研修および人間関係構築プログラム「バヅクリ」を提供するプレイライフは6月15日、日本政策金融公庫とみずほ銀行から1億4000万円の融資を受けたことを発表した。今回の資金調達は、4回目の第三者割当増資と融資によるもので、2015年、2017年、2020年の第三者割当増資約3億円と合わせた累計調達額は4億5000万円に達した。

プレイライフは、2年後に「この世から孤独をなくす」ことをミッションに、「アソビ」を中核とした事業展開で上場を目指すスタートアップ企業。バヅクリ以外にも、遊び情報を検索・共有・投稿できる体験共有サイト「PLAY LIFE」などを提供している。

バヅクリは、「リモートワークで働く社員のつながりを作るオンラインチームビルディング」のためのサービス。図工、焚き火、マインドフルネスなど70種類の遊びのオンライン体験プログラムを通じて社員同士のつながりを強め、リモートワークのモチベーション向上につなげようというものだ。ビデオ会議やオンライン研修のためのサービスは数々あるが、「分散するスタッフの相互信頼性と心理安全性の関係構築に特化したサービス」として「バヅクリ」は唯一の存在となる。

活動プログラムには40人以上のプロの講師がつき、指導が受けられる。バヅクリを導入した企業では、社員の帰属意識が高まり、離職率低下と生産性の向上が実現しているという。また、内定者向けの懇談会や研修にバヅクリを利用することで、通常の1/10の経費削減も可能とのこと。

プレイライフは2019年8月、「遊び、学び、つながる」を中心にした遊びの学校コミュニティー「遊部」(あそぶ)事業を立ち上げたものの、コロナ禍で収益は赤字に転落した。しかし2020年、遊部で培ったノウハウを活かし、遊びを通じたオンライン交流の場としてバヅクリの提供を開始したところ、現在までに200社以上に採用され、売上げは30倍に増加した。参加人数はのべ8000人。200社のうち約9割は、みずほフィナンシャルグループ、三井住友海上火災保険、ふくおかフィナンシャルグループ、アイシン精機などの上場企業。

今回の資金調達で、新たなコンテンツ制作、講師や人材の拡充、販売促進など、事業拡大と成長により「今後も『孤独が無い社会づくり』に貢献します」とのことだ。

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活動プログラムには40人以上のプロの講師がつき、指導が受けられる。バヅクリを導入した企業では、社員の帰属意識が高まり、離職率低下と生産性の向上が実現しているという。また、内定者向けの懇談会や研修にバヅクリを利用することで、通常の1/10の経費削減も可能とのこと。

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今秋リリースのアップルのwatchOS 8にマインドフルネスと呼吸追跡の機能

読者のみなさんは2021年のWWDCではwatchOSの大きなアップデートは発表されないと思っていたのではないだろうか。Apple(アップル)のウェアラブルの出荷台数はiPhoneほどではないが、Apple Watchはスマートウォッチ市場を完全に独占していて、同社にとってかなりの成功となっている。

誰も驚きはしないだろうが、同社はマインドフルネスによりフォーカスしたアプローチを取っている。まだCalmやHeadspaceといったサービスに取って代わるものではないものの、自分に向かい合ってより意識することをユーザーに促す、待ち望まれていた新しいアニメーションが人気の呼吸機能に加わる。

また、これまではバックグラウンド機能だった呼吸トラッキングも、長期的なトラッキングやノーティフィケーションなどでwatchOSのエクスペリエンスの前面にくる。

もちろん、新しいフェイスなしにはwatchOSアップデートとはいえない。Appleは写真がロックスクリーンとしてうまく収まるよう、ポートレートモードをフェイスに加える。Watch Photosアプリも新しいレイアウトとなり、ウォッチからMailやMessagesといった同社のアプリへ写真を共有する機能も加わる。

Fitness+にも大量の新しいコンテンツが加わる。ここにはAlicia Keys(アリシア・キーズ)、Lady Gaga(レディー・ガガ)、Keith Urban(キース・アーバン)といったアーティストのワークアウト向けのものが含まれる。太極拳やピラティスもサポートするワークアウトのリストに加わる。

そして最後に、しかしもちろん多くの人にとって最後ではないが、watchOSはGIFをサポートするようになる。ベータ版が2021年7月から提供され、watchOS 8は今秋正式に展開される。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleWWDC 2021WWDCwatchOSApple Watchマインドフルネス呼吸

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi