新たな画像誘導手術システムを開発するZeta Surgicalがステルス状態から脱して約6億円調達

ボストンを拠点とするZeta Surgical(ゼータ・サージカル)は先日、ステルス状態から脱して520万ドル(約6億800万円)のシード資金調達を発表した。Innospark Ventures(イノスパーク・ベンチャーズ)が主導したこのラウンドは、Y Combinator(Yコンビネーター)とPlug and Play Ventures(プラグ・アンド・プレイ・ベンチャーズ)による25万ドル(約2900万円)のプレシードに続くものだ。

同社はハーバード大学の卒業生であるJose Maria Amich(ホセ・マリア・アミチ)氏とRaahil Sha(ラーヒル・シャ)氏によって設立された。2人は現在、それぞれCEOとCTOを務めており、ハーバード大学医学部脳神経外科のWilliam Gormley(ウィリアム・ゴームリー)准教授が、同社の最高医学責任者を務めている。同チームのミッションは、手術室の外で行われる非侵襲的な手術のために、正確な医用画像ガイダンスを提供することだ。

脳室開窓術や神経調節療法のような手術を手始めに、Zetaは同社の技術で精度を上げ、参入障壁が低くなることによって、このような手術の民主化に貢献できると信じている。

「現在、我々が行う手術には、一方では精度が高くても、もう一方に属する手術では技術や精度がまったく欠如しているという、大きな断絶があるのです」とゴームリー氏は語る。「その理由は、これらの手術の多くが緊急手術であり、そのような患者を治療するための技術が開発されていないためです。アミチ氏とシャ氏がもたらすものは、そんな技術です。この技術は、覚醒していて実際に動き回る患者に対し、外科医チームをほとんど必要とせず、非常に迅速に適用することができます。私たちがやっていることとどれだけ違うか、言葉で言い表すのは難しいですが、このような患者にとっては、すべてがまったく変わるということです」。

画像クレジット:Zeta Surgical

Zetaシステムには、外科医が低侵襲な脳外科手術をピンポイントで行えるように支援するために開発された複合現実(MR)オーバーレイが含まれている。これに組み合わて使用できるオプションのロボットシステムは、市販のDoosan(ドゥサン)製ロボットアームを独自のツールと組み合わせて活用している。同チームは、医用画像の表示にヘッドセットも検討したが、このような手術にはまだ十分な精度がないと判断したという。

「ARとVRの両方のシステムを検討しましたが、現時点では標準的な画面ベースのナビゲーションを採用することにしました」と、シャ氏は語る。「その理由のいくつかは技術的なものです。ARシステムには、外科手術に必要な精度が足りません。ARのオーバーレイは可能ですが、脳外科手術に必要なほどの精度は得られません」。

このスタートアップ企業は、北米とアジア市場を視野に入れ、ボストンとシンガポールで非臨床試験を完了させている。2022年前半にはFDA(米国食品医薬品局)への承認申請を予定しており、承認が計画通りに進めば、夏の終わりから秋の初めには製品版を発売する予定だ。

「今回のラウンドでは、2つの主要な成果物に焦点を合わせています。1つは、装置の初期臨床試験を完了させることです」と、アミチ氏は説明する。「そしてもう1つは、FDAの認可を受け、認可後に最初の臨床パートナーたちとともに実用を開始することです。それには何よりもまず、システムの完全な開発を完了させなくてはなりません。そのためにはチームを拡大し、新しいエンジニアを雇用することが必要になります」。

画像クレジット:Zeta Surgical

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

冠動脈疾患・脳梗塞治療に向け医師がX線被曝なしにトレーニングできる血管内治療シミュレーター開発、小型化・コスト削減

冠動脈疾患・脳梗塞・脳動脈瘤の治療に向け医師がX線被曝なしにトレーニングできる血管内治療シミュレーター開発、小型化・コスト削減を実現

血管モデルの可視光による画像(左)と、非被爆血管内治療シミュレーターによるX線模擬画像(右)

理化学研究所は2月25日、通常は、医師がX線透視像を見ながら行う血管内治療のトレーニングを、放射線被曝しない形で簡便に行える「非被爆血管内治療シミュレータ」を開発した。テーブル上に設置でき、従来方法よりはるかに安価なため、いつでもどこでもトレーニングが行えるという。

冠動脈疾患、脳梗塞、脳動脈瘤などの治療には、血管内にカテーテルやステントを通す血管内治療が行われることが多い。奥行き情報のない2次元的なX線透視像で、器具の先端の動きを見ながら血管の中に器具を通しゆくため、高度な技術を要する。しかしそのトレーニングは実際にX線を使って行う必要があり、医師は放射線被曝が避けられない。また、実際のカテーテル室で行わなければならないため、時間的な制約があり、同時に複数の医師がトレーニングできないといった課題があった。

血管内治療の模式図。(A)術部へのカテーテルの誘導。(B)脳動脈瘤に対する血管内治療。(C)頚動脈狭窄に対する血管内治療。(D)脳血管閉塞に対する血管内治療。(E)心臓冠動脈梗塞に対する血管内治療

白色光源とビデオカメラを使ったトレーニングシステムもあるが、それでは血管の分岐部やガイドワイヤーの上下の動きなどが陰影から推測できてしまうため、平面的な映像だけが頼りの実際の治療とは条件が違ってしまう。そこで、理化学研究所(深作和明氏)は、琉球大学病院(横田秀夫特命教授、岩淵成志特命教授、大屋祐輔教授)と共同で、「非被爆血管内治療シミュレータ」を開発した。

このシミュレーターの特徴は、X線透視像と同じく、奥行き情報のない画像で訓練ができる点にある。このシステムでは、高感度カメラと波長選択フィルターを使い、透明な血管モデルを可視光で撮影するという方式を採っている。造影剤には液体の蛍光色素を使い、ガイドワイヤー、カテーテル、バルーン、ステントにも同じ波長の蛍光色素を塗り、血管内と器具の特定の部位だけが発光するようにした。それにより、X線透視像と同じく奥行きのない映像を作ることができるようになった。さらに、リアルタイムで画像処理を行い、実際の手術の際に用いられる、複数の映像を重ねたり輝度を反転させたり差し引いたりして作られるサブトラクション血管造影と同等の、デジタル化したサブトラクション血管造影(DSA)の機能も実現させた。

(A)造影剤を入れた血管の画像。(B)ガイドワイヤーとカテーテルの画像。(C)血管とカテーテルを重ねた画像。(D)一般のカメラで撮影した画像

そしてもちろん、X線を使わないため、トレーニングを行う医師に放射線被曝の心配は一切ない。装置は60cm四方の場所に設置できるため、いつでもどこでも安全にトレーニングが行える。コストも、従来方法よりもはるかに安価になるという。

研究グループは、同グループが開発した患者個体別血管モデリングシステムと組み合わせ、実際の患者の血管形状を反映した3Dモデルや、統計的に多発する病態モデルでのシミュレーションへの展開を目指すと話している。

ロボットが人の手を借りずに豚の腹腔鏡手術に成功

Johns Hopkins(ジョンズ・ホプキンズ大学)の研究者たちは今週、彼らが開発した「Smart Tissue Autonomous Robot(STAR、スマート組織自律ロボット)」システムが、人間の誘導なしにブタの組織の腹腔鏡手術を完了したことを記したレポートを発表した。この手術は、2つの腸管端部を縫合するもので、動物での手術に成功し、人間が行った場合よりも「格段に良い」結果が得られたと、研究者チームは述べている。

このような手術を完全に自動化するためには、いくつか越えなければならないハードルがある。その筆頭には、人間や豚などの組織は柔軟であり、予測不可能な性質を持っているため、プログラムを組むのが非常に難しいという事実がある。

人間の外科医は長い時間をかけて組織を扱う方法を学んできたが、ロボットの外科医にとってはさらに大変な仕事になる。今回のロボットシステムは、2016年に開発されたシステムがベースになっており、すでに豚の手術を上手くやり遂げたことがあるものの、これまでは人間の手による誘導や大きな切開などの補助が必要だった。STARの誘導システムのアルゴリズム構築には、3次元マシンビジョンが使用されている。

本論文の筆頭著者であるHamed Saeidi(ハメド・サエディ)氏は「STARが特別なのは、人間の介入を最小限に抑えながら軟部組織での手術計画を立案し、適応し、実行した初めてのロボットシステムだということです」と、リリースの中で述べている。

システムの開発者たちは、この技術がさらに高い精度と再現性を持って、このような手術に使えるようになると確信している。ロボット手術は、これまで高度に専門的な技術が必要とされた手術を、より多くの人が均等に受けられるようになるために役立つ可能性があるとして、ここ数十年の間に多くの関心と資金を集めるようになっている。

画像クレジット:Johns Hopkins, Axel Krieger, Jin Kang

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

米国メリーランド大学が遺伝子操作した豚の心臓を人間の患者に移植し成功、術後3日経過も安定

米国メリーランド大学が遺伝子操作した豚の心臓を人間の患者に移植し成功、術後3日経過も安定

Thierry Dosogne via Getty Images

米メリーランド大学の医師が、遺伝子操作した豚の心臓を人間の患者に移植し、成功したと発表しました。術後3日の時点では顕著な拒絶反応もなく、機能しているとのこと。

移植を受けたのは57歳のデヴィッド・ベネット氏。57歳のベネット氏は、彼の息子がAPに語ったところによると心臓移植をしなければ余命わずかと診断されているものの、人間の心臓移植を受けることができない状況にありました。ほぼ前例がないだけに、成功するかどうかはわからない遺伝子操作済みの豚の心臓移植だけが唯一の選択肢といて示されたとき、ベネット氏は「一か八かだが、最後の選択だ」と語ったとのことです。

通常、このような手術の許可は簡単には下りません。しかし、米食品医薬品局(FDA)は、生命を脅かされた状況にあり、なおかつ他の選択肢がまったくない患者の最後のチャンスとなる「同情的利用」と呼ばれる緊急認可手段を適用しました。

とはいえ、豚の心臓をそのまま人体に移植すれば、強い拒否反応が出るのは目に見えています。ただ、逼迫している心臓移植の需要への対処のため、近年はいくつかのバイオテック企業が豚の心臓を人体に移植するための研究と技術開発を行っており、その中のひとつであるUnited Therapeuticsの子会社Revivicorが、ベネット氏へ移植するため、遺伝子組み換えで拒否反応の原因となる4種類の遺伝子を取り除き、一方で6種類の人の遺伝子を挿入した特別な心臓の提供を申し出ました。

昨年9月には、実験用に献体された人に豚の腎臓を一時的に移植したところ、それが機能したとの実験結果がニューヨークの研究者らによって発表されており、豚から人への臓器移植の相性が良いことが注目されています。

そして、今回のベネット氏への移植手術は、過去5年間に50頭のヒヒに豚の心臓を移植して研究を重ねてきたバートリー・グリフィス医師が担当しました。7時間かけて手術を終えたグリフィス医師は、ベネット氏の心不全と不整脈の状態は人間の心臓を移植しても改善できなかった可能性があると述べています。そして、豚の心臓弁は人に移植されるようになって長く、ベネット氏自身も(息子によれば)10年程前に弁の移植を受けていたとのことでした。

もちろん、術後しばらくは安定していてもその後拒否反応が出てしまう可能性はまだ否定できません。ベネット氏の息子は「父はこの手術におけることの大きさと重要性をしっかり理解している」とし「今後2~3日、いや1日しか生きながらえられないかもしれない。今の時点ではまったく未知の領域です」と述べました。

しかし術後の経過は悪くなく、メリーランド大学医学部の異種移植プログラムの責任者ムハンマド・モヒディン博士は「この手術が成功すれば、苦しみながら移植の順番待ちに並ぶ患者たちに臓器を提供しやすくなり、劇的な変化をもたらすだろう」と述べました。

米国では、臓器移植の順番待ちでおよそ10万人がリストアップされており、毎日17人が持ちこたえられず命を落としているとされています。

(Source:AP NewsEngadget日本版より転載)

国立がん研究センターが8K腹腔鏡手術システムによる遠隔手術支援の有用性を確認

高度医療ロボのリバーフィールドが約30億円調達、執刀医にリアルタイムで力覚を伝える空気圧精密駆動手術支援ロボの上市加速

国立がん研究センターは11月2日、8K映像システムを使った腹腔鏡手術のリアルタイム映像を送受信して手術指導を行う世界初の実証事件により、その医学的有用性が確認されたことを発表した。また、遠隔支援(指導)により外科医の内視鏡技術が向上し、手術時間が短縮されることも確認できた。

これは、日本医療研究開発機構(AMED)「8K等高精細映像データ利活用研究事業」の支援による、国立がん研究センターとNHKエンジニアリングシステムなどによる共同研究。実験では、NHKエンジニアリングシステムと池上通信機が共同開発した小型の8K内視鏡カメラと、オリンパスが開発した8K腹腔鏡手術システムが使われた。手術室を想定した千葉県の実験サイトで、動物の直腸切除手術を行い、その様子を光ファイバーや5Gなどによるブロードバンドで京都府の京阪奈オープンイノベーションセンターに送信。外科医3名で手術を行ったが、遠隔支援がある場合とない場合との手術技術の改善度を評価した。

超高精細映像の「本物に迫る立体感」で、遠隔地でも手術状況を詳細に把握でき、質の高い手術支援が提供できたことで、外科医の内視鏡技術が向上し、手術時間が短縮された。また、映像伝送においては、転送レート80Mbps、遅延時間約600ミリ秒を達成し、十分な性能を確認できた。

これにより、少数の医師での治療が可能になり、若手育成、外科医の偏在の解消などが期待される。今後は、外科医を1名減らした場合の評価、「4K8K高度映像配信システム」への手術映像のアーカイブの開発などを進め、近い将来の社会実装に向けた具体的な計画を策定するとのことだ。

臓器調達におけるテクノロジーの推移

米国では毎年、10万人以上の人々が移植用臓器の提供を待っている。そして、臓器の提供を待っている間に、毎日10数人の患者が亡くなっている。臓器調達の世界で働くには、このような冷酷な計算と楽観的な考え方が必要となる。

この数十年の間に、57の臓器調達機関(OPO)が設立されたが、いずれも全米臓器分配ネットワーク(UNOS)と提携している。UNOSは、連邦政府との契約に基づき提供された臓器と患者(レシピエント)とのマッチングを行う非営利団体だ。

これは医療界のユニークな一面であり、また初めの印象より驚くほどテック系スタートアップに似ている。初期のベータ版製品から、より専門的かつ近代的な技術スタックに至るまで、UNOSのネットワークとそれに関わる企業は、臓器移植プロセスのスピードと信頼性を向上させるべく努力してきた。

ここでは、物流や分配計画のためのインフラ整備など、いくつかの団体における最新の取り組みを紹介するとともに、異種移植、ドローン配送システム、臓器生存プラットフォームなど、よりSF的なプロジェクトについても探ってみたい。そこでUNOSと2つのOPOの関係者数人にインタビューを行い、最先端の状況と将来の夢について聞いた。

ある電話番号の男

UNOSで30年近く働き、現在シニアコミュニケーションストラテジストを務めるJoel Newman(ジョエル・ニューマン)氏は「移植は、誰もがリアルタイムでコミュニケーションを取り、協力し合わなければならない。しかも常に知っている相手とは限らない。そういう意味では以前からずっとユニークだ」といい、臓器移植という生死にかかわる問題のわりには、意外かもしれないが「これらの段取りの多くは、驚くほど略式のものだった」と語る。

実際、初期の頃はあまりにも簡易的であり、ドナーとレシピエントのマッチングはボイスメールの受信箱を介して行われていた。

臓器調達機関Gift of Life(ギフト・オブ・ライフ)の現社長であるHoward Nathan(ハワード・ネイサン氏、1984年に代表に就任して以来、全OPOの中でも最も長く社長を務めている)によると、1980年代に臓器移植が活発に行われるようになってきた初期には、Don Denny(ドン・デニー)氏という1人の男性が協力体制の多くを運営していたという。

1977年にピッツバーグに移り住んだデニー氏は、レシピエントの状態を1~4の段階で評価する独自のシステムを構築した。同氏のシステムでは、「1」が最も臓器移植の緊急性が高いことを示していたが、現在の評価システムでは逆になっている。「デニー氏は毎日、ボイスメールにレシピエントの状態を録音し、ドナーを探す側ではその録音を聞く。そして、集中治療室で移植に適合する臓器のドナーが見つかった場合、家族の同意を得てデニー氏に電話する」とネイサン氏は当時を説明する。同氏によると、デニー氏は4年半の間に2700件の移植をコーディネートしたが、すべてはデニー氏の録音したボイスメールと電話を介して行われたという。

UNOSは1977年に設立され、1984年に法人化された。1986年には、当時の最新通信技術だったFAXを利用して、臓器移植のマッチングを行うためによりコンピューター化されたシステムを開発した。現在、ギフト・オブ・ライフの臨床サービス担当副社長であり、2022年にネイサン氏の後任として社長に就任するRick Hasz(リック・ハース)氏は、当時の技術はそれほど信頼できるものではなかったという。「入社した頃は、感熱紙のFAXを使っていた。早くマッチングしなければ、印字が消えてしまい、情報が失われてしまっていた」と同氏は語る。

もちろんUNOSは、ドナー、ドナー病院、レシピエント、移植センターのニーズに合わせて、時間とともにテクノロジーを進化させ続けてきた。UNOSは、ウェブベースのアプリケーションを利用しており、現在ではモバイルアプリも提供している。

同社でITカスタマー支援担当ディレクターを務めるAmy Putnam(エイミー・パットナム)氏は、間違いを減らすためにモバイルアプリを導入したことが大きなブレークスルーになったという。「2012年、UNOSはTransNet(トランスネット)と呼ばれる変革に取り組んでいた。トランスネットはiOS(アイオーエス)とAndroid(アンドロイド)上で動作するモバイルアプリで、OPOが臓器を電子的にパッケージ化し、ラベル付けすることができる。夜中の3時ともなると、大抵の人の手書き文字は読みづらく、データ入力のミスが多くなってしまう。だからトランスネットは本当に助けになった」と同氏は語る。

しかし、このシステムを構築したことによる真の成果は、すべてのOPO関連企業と協力して作業を進め、すべてのユーザーからのフィードバックに基づいてプロセスを改善できるようになったことだった。

臓器のエクスペディアを構築する

画像クレジット:aydinmutlu / Getty Images

移植の調整では、電話とコミュニケーションが重要となる。臓器提供は通常、突然発生し、ほとんどどこでも起こりうる。そして、ドナー病院から移植センターのレシピエントに臓器を届けるまでOPOに与えられる時間は、わずか数時間しかない。加えて、対象の臓器の提供を待つ可能性のある数十の移植センターの中から、どの患者が適合するか極めて迅速に判断しなければならない。そういった要件をリアルタイムで処理することが、UNOSの最新技術スタックの大きな強みとなっている。

ニューマン氏は、その複雑な作業の一部を説明してくれた。「腎臓は多くの場合、およそ24時間以内であれば移植できる。しかし、摘出した後は早く移植するほうが望ましいため、おそらくほとんどが12時間以内に移植されている。肝臓や膵臓の場合は8時間以内が理想的で、心臓や肺の場合は4~6時間程度にまで短くなる」と同氏は述べる。血液が供給されなくなった後、臓器が生存できる時間を「阻血時間」という。

この数年をかけ、UNOSは臓器の所在を把握するために、より精巧な追跡システムを開発してきた。OPOの1つであるLifeSource(ライフソース)の主任臨床役員を務めるJulie Kemink(ジュリー・ケミンク)氏は「今見ているものは、Amazon(アマゾン)のパッケージに似ている。出荷されたことはわかるが、正確にどこにあるかは必ずしもわかるわけではない」という。

しかし、UNOSのインフラが新しくアップデートされたことにより、すべての臓器のリアルタイムな位置情報が提供されるようになってきた。「これは、Uber(ウーバー)のようなもので、臓器が実際にどこにあるのかを常に確認することができる」と同氏はいう。

臓器ごとにGPS位置情報を持たせるのは簡単なことのように思えるが、膨大な調整が必要だった。ドナー病院、臓器調達機関、移植センターはそれぞれ異なる団体であるため、位置に関する共通基準を定義することには困難が伴った。さらに、基本的に臓器の輸送はランダムに起きるため、適切な機器と追跡装置を米国各地に設置することは、それだけでハードルが高かったのだ。

物流情報が充実した現在、移植外科医は臓器の到着時間をリアルタイムに把握できるようになった。臓器が飛行機の貨物室に入れられ空輸される場合でも、その飛行機が早く空港に到着すれば、医師に予定よりも早く進行していることが通知され、レシピエントの準備を早めることができる。逆に、車の渋滞で臓器の到着が遅れている場合、移植センターはレシピエントの術前処置を遅らせることができる。

UNOSでは、より多くのデータが得られるようになったことを受け、パットナム氏が「臓器のエクスペディア」と呼ぶ「トラベルアプリ」の開発を検討している。「そのアプリでは、OPOや移植病院が、ドナー病院とレシピエントセンターに関する具体的な情報を入力すると、オプションが表示され、飛行機の選択肢や、車で移動する場合の輸送に要する時間を確認してオプションを選ぶことができる」と同氏は述べる。また、このアプリは現在試験的に運用されているが、将来的にはアプリの操作だけで臓器の割当ができるようになるかもしれないと、同氏はいう。

このインフラは非常に重要だ。というのも、UNOSは臓器の距離を定義する方法を改定しているからだ。数十年にわたり、UNOSとそのOPO加盟団体は、地域の境界線に基づきシステムを運用していた。例えば、ミネソタ州にある臓器は、まずミネソタ州のレシピエントが対象とされ、その後、適合者が見つからなければ近隣の地域に対象を広げる、といった具合だ。

これは単純なシステムだが、富裕層を中心に利用される可能性があった。今から10年以上前、Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)氏がテネシー州に住んでいないにもかかわらず、テネシー州で臓器移植を受けたことが物議を醸した。同氏は、当時「マルチプルリスティング」と呼ばれていた方法を利用して臓器移植を受けた。これは、手段を持つレシピエントができるだけ多くの地域の臓器提供の順番待ちリストに登録することができる仕組みだ。米国内のどこかで適合する臓器が見つかれば、レシピエントはすぐにプライベートジェットをチャーターして臓器移植を受けに行き、リストを待つ時間を実質的に短縮することができたのだ。

現在、UNOSでは、恣意的な地域の境界線ではなく、実際の半径に基づいた距離アルゴリズムを使用している。しかし、それでもいくつかのバランスの悪さが残る。ミネアポリス地域を担当するOPOであるライフソースのケミンク氏は「ミネソタ州は東西どちらの海岸にも近いため、米国全土から臓器提供を受けるチャンスがある」という。これは、沿岸部では利用できないオプションだ。「カリフォルニアでは、ニューヨークから心臓の提供を受けることは基本的に不可能だ」と同氏はいう。

物流の改善に加えて、UNOSは統合のためにプラットフォームを最適化した。「一般に、多くの人は複数のユーザー名やパスワードを持つことを嫌い、複数のソリューションを持つことも嫌う。そのため、最も重要なことは統合だ。統合する必要がある」とパットナム氏は最近のアップグレードについて語る。

統合の一環として、レシピエントのデータや画像ファイルをアップロードする方法を増やした。「医師らは、アップロードされた冠動脈造影を実際に見て、[心臓が]レシピエントに適しているかどうかを確認できるようになった」とケミンク氏はいう。このことにより臓器のオファーを受けてから決定までの時間が短縮され、結果として臓器移植の成功率が高まることになる。

臓器におけるIFTTT(イフト)

画像クレジット:SIphotography / Getty Images

米国政府のデータによると、同国では3万9000件の臓器移植が行われた。臓器移植が頻繁に行われるようになったことで、配分ネットワークの戦略を細かく調整するために利用できるデータセットは次第に増加し、結果的に移植に成功する臓器の数は増えている。

「現在、当社は臓器提供プロセスに予測分析を導入するプロジェクトに取り組んでおり、レシピエントがこの臓器を受け入れた場合の生存確率に関する分析を検討している」とパットナム氏は述べる。逆に臓器提供を断った場合「同程度かそれ以上の臓器が提供されるまでの確率と期間」の予測も行う。UNOSは現在、これらの変更について顧客からのフィードバックを得るための導入試験に取り組んでおり、また、臓器提供という非常にセンシティブな面を考慮し、アルゴリズムにおける極めて明確な説明性を確保している。

また、2020年からは「オファーフィルター」と呼ばれる機能も試験的に導入している。これは、移植センターが、臓器適合の可能性に関する意思決定をより自動化するために使用するものだ。パットナム氏は「当社が行ったことは、過去の腎臓の受け入れデータを見て『移植センターが受け入れるはずがないとわかるオファーがあるかどうか』を調べることだった」という。

UNOSのニューマン氏は「これまでも、移植センターが設定できるスクリーニング基準はあったが、オファーフィルターにより『70歳以上のドナーを絶対に受け入れないということはないが、70歳以上に加え到着までに6時間以上かかる場合は、関心がない』というように、もう少し細かなフィルタリングができるようになった」と述べる。UNOSでは、2021年の後半には全米へ展開したいとしている。

臓器提供の未来

臓器調達のプロセスは非常に重要だが、過去10年間に得られた成果の多くは、結局のところITアプリケーションの進歩とその実装によるものだ。多くのスタートアップの創業者やベンチャーキャピタリストの強い関心を集めるテーマは、臓器を必要としている患者のためにその入手性を根本的に変えることができる「ムーンショット」となるアイデアの実現性だ。

ドローンを使って臓器を届けるというプロジェクトは、すでに試行が始まっている。ギフト・オブ・ライフのネイサン氏は「現在、ドローンを使った試みは行われており、実際に1件の例がある」といい、さらに「メリーランド州にも実験を行っているグループがある」と付け加える。同氏は、数百マイル(数百キロメートル)に及ぶ場合もある臓器の移動距離や、臓器が受ける損傷の可能性を考えると「臓器を危険にさらしたくはないから」と、このテクノロジーにはやや懐疑的だ。

また、臓器調達機関に登録されている患者の中でも最も移植が優先されるレシピエントに臓器を届ける時間を確保するため、阻血時間を長くする(あるいは完全になくす)ことを目的とした低温保存や温灌流保存などのテクノロジーがある。現在、いくつかの装置やシステムが米国食品医薬品局(FDA)の審理を受けており、今後10年の内には実用化されると予想されている。

ライフソースのケミンク氏は、臓器生存率向上を目的とするテクノロジーの進歩により臓器の分配を改善できる2つの要素として、血液型の一致と年齢を挙げている。同氏は「AB型は最も少ない血液型のため、その血液型の臓器を待っている患者はあまり多くない」とし、タイミングよく「適合するレシピエントがいないかもしれない」ため、適したレシピエントが現れるまで、低温保存技術で臓器を「氷漬け」にしておくことができるかもしれない、という。同様に、提供される臓器はレシピエントのサイズに合っている必要がある。「12歳の子どもから心臓を摘出しても70歳のレシピエントに移植することはできない」と同氏はいう。体の大きさが合わないからだ。そして「適合するレシピエントが現れるまで、保存することができるようになれば、それはすばらしい進歩だ」と同氏は続ける。

また、循環器死(DCD)と呼ばれる、循環死したドナーからの臓器調達も進んでいる。ネイサン氏は「米国では毎年280万人の人が亡くなっているが、そのうち医学的に臓器提供に適しているのは2万人程度だ」という。それが、臓器提供を非常に長い時間待たなければならない理由の1つだ。

ハース氏は、このような状況下でも、臓器調達の方法が進歩したことで、移植可能な臓器が見つかる可能性が高まったと述べる。同氏は「2、3年前までは何も変わっていなかった。肝臓や腎臓などに限られていた」とし、しかし「ここ数年、心臓や肺の移植でより多くの人を助ける機会が生まれ、200件の心臓移植が行われた」と述べる。そして最終的には、これらの新しいテクノロジーによって「DCDによる心臓のドナープールを30%拡大できると考えている」と続ける。

最後に「異種移植」と呼ばれる、動物から人間への臓器移植について見てみよう。このような実験は、何十年も前から行われているが、目立った進歩は見られない。ハース氏は「異種移植については、常に10~15年先といわれてきた」と述べる。とはいえ、CRISPR(クリスパー)のような新しい技術により、近年、この分野での進歩が見られ、人間の臓器の不足を動物の臓器で解決する道が開かれる可能性もある、と同氏は説明する。

しかし、このような変革や新しいテクノロジーがあっても、米国における臓器の根本的な課題は変わらない。命を救うためには、人々が「イエス」にマークする必要があるのだ。「最も必要としているのは、臓器提供にイエスと答えてくれる人を増やすことだ。臓器提供の意思表示をしてもらわないと、誰も移植を受けられないのだから」とケミンク氏はいう。現在、米国民の約半数が臓器提供の登録をしている。この課題を解決するためには、技術的な問題ではなく、人々に命の力、そして自分が他の人に提供できるものを思い出してもらうことが重要だ。

画像クレジット:PIERRE-PHILIPPE MARCOU / Getty Images

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(文:Danny Crichton、翻訳:Dragonfly)

高度医療ロボのリバーフィールドが30億円調達、執刀医にリアルタイムで力覚を伝える空気圧駆動手術支援ロボの上市加速

高度医療ロボのリバーフィールドが約30億円調達、執刀医にリアルタイムで力覚を伝える空気圧精密駆動手術支援ロボの上市加速

高度医療ロボット各種の開発を手がけるリバーフィールドは9月10日、第三者割当増資による総額約30億円の資金調達を発表した。引受先は、東レエンジニアリング、第一生命保険、MEDIPAL Innovation投資事業有限責任組合(SBIインベストメント)をはじめ、事業会社、ベンチャーキャピタルなど。調達した資金により、同社独自の空気圧精密制御技術を用いた手術支援ロボットの上市を加速させる。

執刀医に鉗子先端にかかる力をリアルタイムで伝える力覚提示が可能な手術支援ロボットの上市を2023年1月に予定。またその他、次世代内視鏡把持ロボット、眼科用ロボットを2022年中に順次上市していく計画としている。

2014年5月設立のリバーフィールドは、大学で培ってきた技術を活かした医療ロボットを開発している大学発スタートアップ。東京大学大学院 情報理工学系研究科教授の川嶋健嗣氏が創業者代表および会長、また東京工業大学准教授の只野耕太郎氏が代表取締役社長を務めている。

同社は、2003年から東京工業大学において手術支援ロボットの研究をスタート。当時、低侵襲外科手術支援用ロボットは優れたシステムである一方、操作を視覚に頼っており、触った感覚が操作者に伝わらないとの声が挙がっていたことから、空気圧システムによる精密駆動技術を手術支援ロボットに適用することでニーズに応えられると考えたという。

その後、先に挙げた力覚フィードバック実現のニーズと、研究室で有していた空気圧の計測制御技術のシーズを合わせ、空気圧駆動の手術支援ロボットを研究試作として完成させた。これらの研究成果を研究として終わらせず、社会・医療現場に実際に役立てたいとの思いから同社を起業したという。

外科医の技をVRで磨くOsso VRが手術室チーム訓練をマルチプレイヤーゲーム化するため約30億円調達

パンデミックの際、VRは究極のオフィス代替テレプレゼンスマシンにはならなかった。そうしようとする努力が不足していたわけではない。しかし、VRを使った従業員トレーニングに力を入れているスタートアップの一部は、2020年、さまざまな業界の専門家がリモート環境から組織的な知識にアクセスする必要に迫られたことで、新たな評価を得た。

サンフランシスコを拠点とし、医療トレーニングに特化した仮想現実のスタートアップであるOsso VRは、パンデミックの間、Johnson & Johnson(ジョンソン・エンド・ジョンソン)、Stryker、Smith & Nephewなどの医療機器の大企業各社とのパートナーシップを強化したことで、投資家の注目を集めた。Osso VRがTechCrunchに語ったところによると、最近同社は、GSR Venturesが主導し、SignalFire、Kaiser Permanente Ventures、Anorak Venturesなどが参加したシリーズBで、2700万ドル(約30億円)の資金を調達したという。

創業者兼CEOのJustin Barad(ジャスティン・バラッド)博士はTechCrunchに、パンデミックによって顧客が同社のプラットフォームに新たな需要を見出したことで「非常に強いレベルの緊急性が生まれた」と語った。

Osso VRは、VRをベースにしたソリューションで、現代の外科手術のあり方を変えようとしている。このソリューションにより外科医は、腕を伸ばせるだけのスペースがあればどこにいても、新しい医療機器を3D空間で操作し、デジタルの解剖用死体に対して何度も手術を「行う」ことができる。Ossoの取り組みは、特に医療機器企業の顧客にとって有益なものだ。顧客はこのプラットフォームを利用して自社のソリューションに精通することができ、外科医はそれらを移植する経験を積める。

Ossoの大きな目標の1つは、ビデオゲームのマルチプレイヤー機能を仮想手術室に導入することだ。これにより、外科医と医療助手がリアルタイムで協力し合い、自分の担当する部分を把握するだけでなく、手術全体の中でどのように位置づけられるかを把握できるようになる。

「(手術は)オーケストラのようなもので、それぞれが異なる役割を担っているのと同時に、お互いにコミュニケーションをとる必要があります」とバラッド博士はいう。

バラッド博士は、これはVRの空間的な広がりを必要とするプロセスであり、それに加えて指導は常にテキストやビデオによって補完されると語った。

同氏は、スタートアップの目標を「明確に良いもの」と呼んでいる。そのおかげか、同社のチームは約100人の従業員を抱えるまでに成長し、その中には世界最大の医療イラストレーターチームも含まれている。このチームのおかげで、プラットフォームのコンテンツは、10の専門分野にわたる100以上のモジュールにまで拡大した。

近年、VR関連企業は、消費者や企業への普及がこの技術に対する初期の野心に比べて遅れているため、投資家の注目を集めるのに苦労している。その代わりに投資家は、ゲームやコンピュータビジョンなど、頭に装着する特殊なハードウェアを必要としない隣接技術への投資に注目している。Osso VRのプラットフォームは、Facebook(フェイスブック)のOculus for Businessプログラムを通して提供されるOculus Quest 2ヘッドセットで動作する。

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カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:Osso VR医療手術資金調達トレーニングVROculus Quest

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(文:Lucas Matney、翻訳:Aya Nakazato)

手術支援ロボットを手がけるMemicが約105億円の資金を調達

Memic(メミック)は、ロボット支援手術プラットフォームの開発を手がけ、最近、米国食品医薬品局から販売承認を取得したスタートアップ企業だ。同社は米国時間4月12日、9600万ドル(約105億円)を調達してシリーズD投資ラウンドを完了したと発表した。このラウンドはPeregrine Ventures(ペレグリン・ベンチャーズ)とCeros(セロス)が主導し、OurCrowd(アワークラウド)とAccelmed(アクセルメッド)が参加した。同社は今回の資金調達により、米国内でのプラットフォームの商業化と、米国外におけるマーケティングおよび販売活動の拡大を計画している。

Crunchbaseによると、同社は過去に総額3180万ドル(約34億8000万円)の資金を調達しており、そのうち約1250万ドル(約13億7000万円)はクラウドソーシングプラットフォームのOurCrowdを通じて調達している。

画像クレジット:Memic

同社が「Hominis(ホミニス)」と呼ぶプラットフォームは「良性子宮摘出術を含む単一部位の自然開口部経腟腹腔鏡下外科手術」への使用が認可されている。ただし、人間の介入なしにロボットが手術を行うわけではなく、外科医が中央のコンソールから装置とロボットアームを制御するということには留意しておくべきだろう。同社によると、この器具は外科医の腕の動きを再現するように設計されているという。現時点では、ある特定の種類の手術にしか認可されていないものの、このようなシステムが有益な他の手術にも幅広く使われることをMemicは目指している。

「Hominisシステムは、数十億ドル(数千億円)規模で成長を続けるロボット手術市場において、著しい進歩を象徴しています。今回の資金調達によって商業化への取り組みを加速させ、今後数カ月のうちに、Hominisを外科医と患者さんの両方のお役に立てていたくことができるようになります」と、Memicの共同設立者でCEOを務めるDvir Cohen(ドビル・コヘン)氏は述べている。

同じようなコンピュータ支援型の手術システムは、すでにさまざまな製品が販売されていることも記しておくべきだろう。例えば、2021年3月にはAsensus Surgical(アセンサス・サージカル)が、同社の腹腔鏡プラットフォームを一般外科手術に使用するためのFDA認可を取得した。一方、眼科手術用ロボットのスタートアップ企業であるForSight(フォーサイト)は最近、同社のプラットフォームのために1000万ドル(約11億円)のシード資金を調達している。

関連記事:眼科手術ロボットスタートアップForSightが約11億円を調達

しかし、MemicのHominisは、良性経膣手術に承認された最初のロボット機器であり、同社とその投資家は、これが将来的にさらなる使用例につながる最初の足がかりになると確信している。

「Hominisの幅広い可能性とMemicの強力な経営陣の組み合わせを考慮し、私たちは同社とその大胆なビジョンの実行を支援できることを誇りに思います」と、Peregrine VenturesのマネージングゼネラルパートナーであるEyal Lifschitz(エヤル・リフシッツ)氏は述べている。

カテゴリー:ロボティクス
タグ:Memic資金調達医療手術FDA

画像クレジット:Memic

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)