Shopifyが実店舗とネットショップを統合する独自POSを提供開始、JCB・PayPay決済、BASEからの移行ツールも発表

Eコマースプラットフォームを開発・運営するShopifyは9月30日、実店舗とネットショップの商品を一元管理できるPOS機能を日本国内のユーザー向けに提供開始することを発表した。

Shopifyはグローバルに展開しているEコマースプラットフォームで、2019年では南米やアジアでの成長が顕著だ。グローバルで100万社以上の事業者が利用しており、2020年上期の事業者の総売上は約5兆円とのこと。日本国内でも利用者は延びており、2019年上半期と100%とした場合の2020年上半期の新規ストアの開設成長率は175%となっている。

今回日本国内で利用可能になるのは、Shopify POSと呼ばれる機能だ。商品検索、注文処理、支払い回収、レシート発行などをタブレットなどのモバイル機器で処理できるのが特徴で、もちろん実店舗とネットショップの在庫がリアルタイムに把握できる。

さらにShopify POSを導入した店舗では、POS連携可能なポイントアプリであるEasyPointsの利用も可能になる。ポイントはネットショップだけでなく実店舗でも利用可能なので。消費者とのエンゲージメントを高める施策として使えそうだ。

またShopifyはこれまで、VISAやMasterCard、AMEXなどの国際ブランドのクレジットカード決済に対応していたが、JCBでの決済もサポートする。Shopifyの新規利用者は本日から、既存の利用者は10月中に順次対応の予定だ。さらには、PayPayでのオンライン決済も可能になる。コード決済系では楽天ペイに続く対応だ。

そして、同社は競合サービスからの利用者の移行を促すツールも配布する。具体的にはBASE(ベイス)を利用している事業者が既存のECサイトから商品情報、カテゴリー情報、注文情報を簡単に移行するためのツールを提供する。これはパートナー企業のGet Itが開発したもので、shopify app storeから無料で入手可能だ。

そのほか、物流面ではフルフィルメントサービス「Fulfillment by ZOZO」と連携し、事業者はファションECサイトの「ZOZOTOWN」と自社ECサイトでの受注・在庫・出荷をシームレスに管理することが可能になる。越境ECの機能としては、世界の国や地域向けに複数のサブドメインを取得可能なったことで、各国語、現地通貨、現地ドメインでECサイトを構築できるようになった。iOS、Android向けに画像の背景を簡単に切り抜けるツールなどもリリースしている。

“普通”のショップの越境ECを支援するジグザグが3億円調達、米欧のAmazon Payにも対応

日本のECサイトを対象に、越境ECの支援サービス「WorldShopping BIZ(ワールドショッピングビズ)」を提供するジグザグは7月13日、モバイル・インターネットキャピタルを引受先とした第三者割当増資および、みずほ銀行、日本政策金融公庫からの借入により、総額約3億円の資金調達を実施したことを明らかにした。今回の調達は同社にとってシリーズAラウンドに当たる。

カートから決済・配送まで越境ECを支援

ジグザグの越境EC支援サービスWorldShopping BIZは、国内ECサイトに専用タグを1行挿入するだけで、多言語対応・海外決済・海外配送が可能になる、というものだ。

実は日本で運営されているECサイトのアクセスは、2〜8%が海外からのものだという。ジグザグ代表取締役の仲里一義氏はこれを「ウェブインバウンド」と呼び、「リアルではインバウンド客をもてなしているのに、ネットのインバウンド客に対しては日本は冷たい」と語る。

「課題は、サイトの翻訳ではない。海外からアクセスしたユーザーも、Google翻訳などを使って翻訳はできるので、商品ページの翻訳はそれほど重要ではない。問題はカートから先。カートで、かな入力欄や住所の都道府県プルダウン、形式や桁の違う郵便番号欄などによって海外ユーザーは弾かれて、買い物ができないのがこれまでの状況だった」(仲里氏)

そこで、ジグザグでは「日本のサイトで買いたい」というユーザーに、サイトの「海外にも売りたい」を届ける仕組みとしてWorldShopping BIZを開発。カートだけでなく、購入者からの問い合わせ対応や、海外配送のための書類作成、便の手配、梱包など、物流・言語・決済の一連の対応をすべて、ショップに代わって担う。

WorldShopping BIZを利用するショップがサイトにJavascriptタグを設置すると、海外からのアクセスに対しては、自動で購入代行サービス「WorldShopping」の案内がポップアップで表示される。表示は国の判別だけでなく、ブラウザの使用言語に合わせて言語を判定。例えばアメリカから中国語設定のブラウザでアクセスすれば、中国語が表示される。

商品ページでは、海外ユーザー専用のカートをフロート表示。ユーザーが多言語対応の入力フォームにより住所入力を行い、購入を確定すると、WorldShoppingにリダイレクト遷移して決済が完了できる。

決済はクレジットカード、PaypalやAlipay、銀聯カードなどに対応。7月13日からは、米国と欧州のAmazonアカウントを持つユーザーがAmazon Payを利用することも可能になったばかりだ。ユーザーは購入代金と配送料のほか、購入代行の手数料として10%をWorldShopping(ジグザグ)に支払う。

ジグザグが決済を確認してサイトでの購入を代行するので、ショップ側はジグザグが持つ国内の物流センターへ商品を発送するだけ。商品の検品や海外向けの再梱包、配送などはすべてジグザグが行う。ショップ側から見れば、国内販売と同じ手続きをすればよい。タグを設置するだけで、手早く海外販売ができ、後の対応も不要。初期費用3万円、月額5000円の固定額でサービスを利用することができる。

海外からの購入データでマーケティング支援も視野に

ジグザグ代表取締役 仲里一義氏

ジグザグは2015年6月の設立。仲里氏はもともと広告畑を歩んできたが、2004年に入社したオプトで新規事業を担当することになり、2010年には韓国groowbits(グロービッツ)の日本法人設立に参画。国際物流を軸とした越境EC事業に携わった。「国際物流については対応できるようになった。あとは言語と決済でイノベーションが必要」として、起業したジグザグではWorldShopping BIZを中心とした越境EC事業を手がける。

WorldShopping BIZは現在、国内約480のショップが利用。「コロナ禍で店舗営業が壊滅的打撃を受けており、導入が増えている」と仲里氏は話している。オーダーは90カ国以上から入っているとのこと。クレジットカードも使えなかったローカルな釣具屋サイトにロシアを含めた世界36カ国からオーダーが来たり、326万円もするサプリのECサイトに香港、中国からオーダーが入ったりという例もあるそうだ。

「一度WorldShoppingのカートを見たことがあるユーザーは、別のサイトでも同じカートが表示されるので、ショップが増えれば増えるほど安心感が生まれる。また僕らがロジスティクスを担っているので、違うショップで買ったものを1つにまとめて配送することもできる。ネットワーク効果が出てくれば、ついで買いによる利用も増える」(仲里氏)

ジグザグとしては海外からのEC購買のビッグデータを蓄積することで、今後ショップをまたいだ関連商品の紹介とショップへの送客など、マーケティングへの活用も計画しているそうだ。

ジグザグは、ショップの獲得やユーザー獲得を図ったうえで、プロダクトの強化やマーケティング強化に乗り出す予定。特にプロダクトについてはインターフェイス改善や対応言語追加のほか、「1年以内でEC事業者向けのマーケティングダッシュボードを提供したい」と仲里氏は述べている。

「これから、ショップはこれまで気づいていなかったウェブインバウンドを意識し始める。僕らが代行購入していることで海外からのニーズがあることは分かるが、どの地域からの購入かは分からないので、海外マーケティングを意識し始めると、データを欲しがるはず。そのデータをダッシュボードで提供しようとしている」(仲里氏)

ジグザグは「Amazon Pay」との協業も7月13日に発表。米国と欧州のAmazonアカウントで決済できるAmazon PayをWorldShopping BIZに実装した。これまで日本のアカウントのAmazon Payしか使えなかったショップでも、これにより、米欧アカウントでの買い物ができるようになった。

3月から25サイトで実施したクローズドβテストでは、北米・ヨーロッパだけでなく、南米やオセアニア、アジアなど20カ国から、Amazon Payでの利用があったそうだ。ジグザグでは今回のAmazon Pay協業をはじめ、決済パートナーやそのほかの提携パートナーも増やしていくとしている。

「言語や情報のハードルは下がっているが、ECの場合、モノが存在する点でハードルが残っていて、売り手の課題になっている。将来的には日本から世界各国への越境ECだけでなく、海外から別の海外の各国への越境EC支援も実現して行きたい」(仲里氏)

海外対応では、これまでの購入代行、配送対応といったサービスに加え、季節物アパレルで、在庫が余っているものを南北逆半球の顧客へプッシュするなど、マーケティング支援も充実させたいと仲里氏は話している。

「2年前の統計で、BtoCのEコマース市場が9.3兆円と言われていて、仮にそのうちの4%が『買えていない』体験だとすると、4000億円弱がロスしている計算になる。これはもったいないことだ。コロナ禍で巣ごもり消費が海外からもあるようだが、インバウンド消費のニーズがこの市場にさらに加わり、今後ユーザーが『日本のものが簡単に買えるようになった』と分かれば、さらに増えていくはず。僕らは、そこを加速させようと思っている。真っ当に正しい情報をユーザーに伝えてあげて、正しいショップでオーダーできるようにすることが僕らの使命だ」(仲里氏)

データ分析軸に日本企業の中国マーケティングをワンストップで支援するトレンドExpressが7億円を調達

投資家も含めたトレンドExpressのメンバー。前列中央が代表取締役社長の濵野智成氏

SNSなどのクチコミ(ソーシャルビッグデータ)から抽出した消費者のインサイトを活用して、日本企業の中国市場向けマーケティングをトータルで支援するトレンドExpressは10月29日、日本郵政キャピタルやDNX Venturesを含む複数の投資家より7億円を調達したことを明らかにした。

トレンドExpressにとっては2017年11月にDraper Nexusやアコード・ベンチャーズ、エボラブルアジアから1.8億円を集めて以来、約2年ぶりとなるシリーズBラウンドでの資金調達。同社ではさらなる事業成長を目指して消費者ビッグデータをベースとした新規プロダクトの開発や組織体制の強化、越境EC事業の拡大を進めるほか、M&Aにも取り組む計画だ。

トレンドExpressはマザーズ上場企業であるホットリンクの新規事業として2015年にスタート。その後2017年1月に分社化され、いわゆる“カーブアウト型”のスタートアップとして外部投資家から資金を調達しながら事業を展開している。

当初から軸にしていたのがソーシャルビッグデータを基にした日本企業の中国マーケティング支援だ。具体的には中国版Twitter「weibo」など様々なSNSやオンライン通販サイト「Taobao」を含むECサイトに散らばるクチコミを収集・分析し、そこから現地の消費者のインサイトを発掘して日本企業のプロモーションやブランディングに活かしてきた。

特徴はデータの収集・分析力と、それを用いてマーケティングの全工程を垂直統合型でサポートできることだ。トレンドExpressでは現状調査や戦略策定段階から、認知拡大、理解促進、購買促進、購入に至るまでの各工程ごとに自社プロダクトやソリューションを保有。もちろん部分的にはそれぞれ競合となるプレイヤーはいるものの、顧客のフェーズや要望を汲み取った上で、幅広い選択肢の中から最適な施策をワンストップで提供できるのが優位性になっているという。

マーケティグの各工程ごとに豊富な商品ラインナップを用意。これらをワンストップで提供できるのが強みだ

また代表取締役社長の濵野智成氏によると各施策の基盤となるデータの収集、解析力も顧客から選ばれる要因の1つだ。同社では様々なSNSなど、ソースとなるサイトからクローリングするだけでなく、各種サイトとAPI連携を進めることで多様なデータを収集。それに対して意味解析や心理判定などを実施しながら消費行動の裏側にあるインサイトを見出せるのが他社にはない強みなのだそうだ。

「商品がどのくらい売れているか、サイトのPVがどのくらい増えたかなどのデータやボリュームをフィードバックすることはどこでもできる。自分たちはそれだけじゃなく消費者たちの集合知や爆買いなどの行動に至った背景・要因、隠れた本音などを導けるコアな技術を持っているのがポイント。(特定のプラットフォームに偏ることなく)中国でここまでやれている企業はほとんどない。最近は中国の現地企業から依頼がくるケースも増えている」(濵野氏)

ホットリンクの新規事業として始まってから約4年、分社化してからはもうすぐで3年を迎えるが、これまでナショナルクライアントを中心に日本企業約300社の中国マーケティングを支援。トップ企業がこぞって顧客となっている美容・コスメ領域を筆頭に生活雑貨やヘルスケア、食品、小売、アパレルなど幅広い企業の海外進出をアシストしてきた。

事業の構造としては広告代理店のような色も強いが、自社開発のプロダクトを複数抱え単体のプロダクトのみを継続的に利用している企業もいるそうだ。

たとえば日本の商品が中国市場でどのように売れているのかをモニタリング・分析できる機能を備えた「中国トレンドEXPRESS」は月額制で提供。インサイトを基に記事や動画といったコンテンツを作成し、メディアへの露出と効果測定までトータルで行うPRサービスなども展開する。

2018年からは日本商品の爆買いブームの火付け役である「日本に在住する中国人ソーシャルバイヤー」を集めた越境ECサービス「越境EC X」をスタート。ソーシャルバイヤーとは小売店などで大量に仕入れた日本の商品を中国現地のSNSやECサイトを活用して販売するマイクロインフルエンサーのことで、彼ら彼女らに日本のメーカーが直接商品を紹介できる場所を用意した。

バイヤーにとってもアプリからメーカーからユニークな商品を直接仕入れられるのはメリット。今回の資金調達はこのプロダクトをさらに育てていくためのものでもある。

トレンドExpressでは今後も消費者ビッグデータを用いた商品ラインナップの拡充や既存プロダクトの強化を進めながら「まずは中国マーケティングと言えばトレンドExpressというブランドを早々に確立する」(濵野氏)ことを目指す方針。ゆくゆくは他のアジア諸国への進出支援も手がけていきたいという。

「日本国内の人口が縮小していく中で、日本企業は外需を取り込むべく今後一層グローバル展開を進めていく必要がある。その際のインフラとなるような存在を目指して、まずは需要の大きい中国市場向けの事業からしっかり拡大させていきたい」(濵野氏)

日本のよいものを定期購入でアジアへ——越境EC支援のアジアンブリッジが3億円を資金調達

日本の商品を台湾・ASEAN諸国に販売したい企業へ越境EC支援を行うアジアンブリッジは6月5日、ニッセイ・キャピタルと事業会社1社から総額3億円の第三者割当増資を実施したことを発表した。今回の資金調達は同社にとって外部からの初めての調達で、シリーズAラウンドにあたる。

アジアンブリッジが提供するサービスは大きく分けて2つだ。1つは日本企業が通信販売で海外展開する際の越境EC支援で、台湾をテスト拠点とした事業が軌道に乗り、現在の利用企業は約50社。資金調達を機にASEAN各国への事業拡大を目指すという。

もう1つはクラウド型の現地法人通販システム「bamb(バンブ)」だ。bambはいわゆる「カート」をベースにした通販システムとは異なり、在庫管理と会計処理をベースとするシステムで、通販事業を行う国に会社を設立することなく、その国に在庫を置いて通信販売ができるというものだ。

アジアンブリッジ代表取締役社長の阪根嘉苗氏によれば「現地に在庫を置かずに海外向け通販事業をやろうとすると制限が多い」という。「アジアでは通信販売の決済方法は、まだまだ代金引換が一般的だが、EMS(国際郵便)を利用した発送では代引きを選択することができない。せっかくのいい商品でも買える人が少なくなってしまう」(阪根氏)

「では現地にパートナー企業を見つけて商品を仕入れてもらおう」となっても、今度は商品の買い取りリスクを恐れてパートナーがなかなか見つからないのが現状だと阪根氏は言う。「そこに課題を感じ、日本の海外通販進出が進まない実情を見て、bambを2年前にリリースした」(阪根氏)

bambでは、商品を販売したい企業の商品を現地に置き、委託で販売する形を取っている。現地からの発送となるため、代引きでの販売も可能となる。現地で発信する広告のローカライズや許認可、申請などもアジアンブリッジがサポートすることで、日本企業の海外通販進出のハードル、リスクを下げている。

またアジアンブリッジでは、アジアではまだ浸透していないが日本では当たり前となっているサブスクリプション(定期購入)の手法を、越境ECでも提供できるよう支援を行っている。定期購入の仕組みがアジアで浸透していない理由について阪根氏は「リピート通販を成立させるには、日本流の丁寧なフォローが必要だから」と話している。

「定期購入はメールや電話、手紙などでコミュニケーションをどう取るかがカギ。これをサブスクリプションの概念がない現地の企業で対応するのは難しい。でもアジアでは、そういったきめ細かいフォローをしてもらうのがうれしくない人はいないはず。日本のよいものを、長く使ってもらえるように当社でサポートしていく」(阪根氏)

とはいえ、定期購入というものがどういう仕組みか知らない人々に、そのメリットを伝えるのは簡単ではない、と阪根氏は言う。

「ウェブでも大きくわかりやすく説明を書くようにしているけれども、2回目の商品が届いたときに『クレジットカードが不正利用された』とか『詐欺会社だ』といったクレームが来ることも。苦労はある。でもウェブやメール、手紙などでフォローすることで、徐々にサブスクリプションのスタイルは浸透してきている」(阪根氏)

阪根氏は台湾出身で日本育ち。第二の故郷・日本のものが大好きで「日本と台湾、そしてアジアとの架け橋になって日本のよいものを届けたい」と6年在籍したリクルートを退職し、2010年にアジアンブリッジを設立した。

「今はスキンケア用品やサプリメントなどを定期購入で販売する企業を中心にサービスを提供しているが、定期的に届いてうれしいものは、ほかにも日本にたくさんある。地方特産のおいしいものが月替わりで届くとか、地酒が順番に届くといった頒布会形式の通販もサポートしていきたい。日本に来なくても、日本のものを手に取ってもらえるようになればいいと思う」(阪根氏)

アジアンブリッジでは調達資金により、現在ベータ版で提供しているbambの機能強化を行い、台湾以外の拠点へも展開していく。来月にもベトナム、シンガポール、マレーシア、タイへパイロット展開を行い、ブラッシュアップを図る。2年以内にASEAN全域へのサービス提供を目指す。

アジアンブリッジ代表取締役社長 阪根嘉苗氏

アジアを拠点とするクロスボーダー決済のフィンテック企業AirWallexが300万ドルを調達

Asia Pacific cross border payment startup Airwallex lands  3M   Tec1hCrunch

フィンテック企業がアジアの投資家の興味を引いている。資金を調達した最新の企業はAirwallexだ。中国とオーストラリア拠点のクロスボーダー取引に特化したスタートアップである。

メルボルンに本社を置くAirwallexは今週、中国の投資家Gobi Partnersが率い、エンジェル投資家のHuashan Capital One、中国のEasylink PaymentsのCEOのBilly Tamらが参加するシードラウンドで300万ドルを調達したと発表(米国時間2016年7月5日)した。

Airwallexは顧客が自国通貨で国外の製品を購入できるようにし、クロスボーダー取引のコストと面倒な手間の削減を目指している。販売者と消費者の両者が異なる通貨を利用する際に発生するコストを削減する点でロンドンを拠点とするスタートアップTransferwiseと根本的に同じ原理を利用している。

AirwallexのCEOで共同創業者のJack Zhang氏はオーストラリアの銀行で働いていた時、カフェ・ショップ事業に投資していた。しかし、その事業のために国外からの輸入品に対して余分なコストがかかることに嫌気がさすようになっていた。オーストラリア・ニュージーランド銀行、ナショナルオーストラリア銀行で働いてきたZhang氏はテクノロジーでより良いソリューションを提供しようと決断した。そして、バークレイズ銀行の外国為替部門で働いていたCTOのJacob Dai氏、COOのLucy Yueting Liu氏を含む4人の共同創業者と共にAirwallexを創業したのだった。
Asia Pacific cross border payment startup Airwallex lands 3M TechCrunch

Zhang氏はTechCrunchのインタビューに対して、プレシリーズAラウンドはクローズまで2週間と、とりわけ早く終わったと語った。

「世界的にEコマースの時代の幕開けを迎えており、とりわけここアジアにおいて大きなチャンスがあるのです」とZhang氏は語った。「Eコマース企業は自国での展開のみで満足することなく、グローバルに打って出たいと考えています」。

Airwallexは外国為替を仲値で取引する銀行間為替取引を利用している。顧客にとっては外国為替レートの手数料のだいたい90%を節約できるとZhang氏は語る。

Airwallexのサービスは現在のところクローズドベータテストの段階で、1ヶ月以内にサービスを開始する予定だ。現在、オーストラリアの規制当局の承認を待っている段階である。そのコンセプトはBraintreeもしくはStripeに近い。売買の背後に存在するシステム(それも最終顧客には見えることのない)によって決済が実行される。Airwallexは支払額に応じた決済手数料からマネタイズを図ることになる。

Airwallexは本社メルボルンに約20人の従業員、中国には12人の従業員、香港には小規模な拠点を持つ。Zhang氏は調達した資金は主にマーケティング、雇用、製品開発に使うと語った。Airwallexは顧客と販売者が同時に複数の通貨を利用できる電子財布を開発している。A

中国、香港、オーストラリアはAirwallexがまず最初に重点を置いている市場だ。しかしシンガポール、日本、韓国にも拡大予定だ。今年度内には、その市場の拡大に向けて財務面を支えるためシリーズAラウンドでの資金調達を目指している。

[原文]

(翻訳:Shinya Morimoto)