クリエイターが月額会費制のコミュニティを簡単に作れる「CHIP」、形を変えて再度ローンチ

誰でも簡単にスマホから自身のファンクラブを作れるアプリ「CHIP」がローンチされたのは2018年8月のこと。類似サービスと比べてもスマホからサクッとコミュニティを作成できる“手軽さ”がユーザーに受け入れられた結果、翌年5月にクローズを迎えるまでに4000個以上のファンクラブが作成され、ユーザー数も5万人を超えた。

そのCHIPが「メンバーシップアプリ」へと少々形を変え、本日2月12日に再スタートを切った。

開発元のRinacitaで代表取締役を務める小澤昂大氏によると、別のサービスにもいくつかトライしてみたものの「クリエイターが自分の好きな活動を続けられるようなサポートをしたいという当初の思いを諦めきれなかった」ことから、前回の反省点を生かしてもう一度挑戦することを決めたという。

ファンクラブ作成アプリからメンバーシップ作成アプリへ

さて、具体的には何が変わったのか。前提として以前のCHIPから大枠のビジョンや解決したい課題は変わっていないため、プロダクト自体も一見かなり近しいように見える。要はクリエイターが簡単に月額会費制のコミュニティを作成・運営できるサービスだ(新しくなったCHIPではこのコミュニティのことをメンバーシップと言っている)。

ただしアプリ自体はもう一度ゼロベースで作り直していることに加え、いくつか変更点もある。まずはターゲットや利用用途が広がった。

前回は主にアーティストなどが“ファンクラブ”を簡単に作れるサービスだったが、今回は“メンバーシップ”へと概念を拡張。メンバーシップの1つの形としてファンクラブを開設することもできるが、それ以外にもたとえば地方で少人数の音楽教室を運営しているユーザーが使ったり、少人数のコミュニティで会費を集めたりする際にも使える。

小澤氏は1つのベンチマークとして昨年6000万ドルを調達している米国の「Patreon」をあげていた。同サービスもクリエイター向けのメンバーシップサービスだが、クリエイターの定義は広くウクレレ教室のようなスクールを運営する個人、NPO団体のコミュニティマネージャー、勉強会を運営するオーナーなどもユースケースとして紹介されている。

日本だと先日発表された「note」のサークル機能が方向性としては近いかもしれない。

ターゲットや利用用途に加え、CHIPは機能面でも新しくなった。クリエイターがタイムライン上でテキストや画像(オフショット)などを投稿したり、それに対してファンがコメントやいいねなどリアクションをしたりする機能を標準機能として搭載するほか、用途に応じて複数の「拡張機能」を自由に追加できる仕様になっている。

現時点では特典の内容ごとに複数のプランを設定する機能や、一定時間が経過すると消滅するストーリー投稿機能を用意。今後はダイレクトメッセージ(DM)やグループチャット、チケット販売、ライブ配信、音声配信、デジタル会員証などを順次実装する計画だ。

以前のCHIPでは全てのクリエイターに全く同じ機能を提供していたが、今回は各クリエイターが機能をカスタマイズできるのがポイント。「全員が使う機能だけを作ると痒いところに手が届かないサービスになる一方で、必要ない機能まで入っているとごちゃごちゃして使いづらい」ため、拡張機能というアプローチを採用したという。

まずは招待制のサービスとして一部のクリエイターから徐々にメンバーシップを開設してもらいながら広げていくが、ゆくゆくは誰でも簡単に使えるようにする計画。月額料金は無料もOKで、有料の場合は10%がサービス利用料となる。

クリエイターが好きな活動を続けられるように支援したい

前回のCHIPはカジュアルにファンクラブを作れるのが大きな特徴であった一方、最低限の機能だけ用意した上で細かい運用方法や特典についてはクリエイター側に任せるスタイルだった。

結果的にファンクラブの数自体はどんどん増えていったものの、ファンの獲得に成功し熱狂的なコミュニティを築けたのは、自ら特典を上手く設計できた一部のクリエイターに限られていたそうだ。

「(CHIP以外の類似サービスも含めて)有料課金型のコミュニティを作れる仕組みがあっても、特典の内容などをゼロから設計して運用することは多くのクリエイターにとってハードルが高いことだとわかった」(小澤氏)

それもあって今回は招待制にして、初期はクリエイターの数を限定。運営側が密にコミュニケーションを取りながら、サポートや拡張機能の設計を行っていく方針だ。現在予定している拡張機能も実際にクリエイターが感じている課題を解決するものや、要望の多かったアイデアだという。

「色々な用途で使えるようになったからこそ、クリエイターの要望や状況に合わせて最適なやり方を一緒に考えていきたい。それによって深いニーズを知ることもできるし、伸びるポイントが見つかれば他のクリエイターにも転用できる。まずは良いユースケースを増やしていきたい」(小澤氏)

方向性や具体的な機能はアップデートされているものの、一度クローズしたプロダクトを同じ名前で、似たような領域で再度ローンチするというのは珍しい。小澤氏も「1度やったからこそ、この領域の難しさも感じているし、もう一度同じようなことをする意思決定も簡単ではなかった」と話す。

「他のサービスなども試す中で、なぜスタートアップをやっているのかを改めて考えつくした。自分たちは良くも悪くもビジョンベースで始まったチーム。クリエイターが好きな活動を続けられるように支援したいという気持ちは以前から変わらず、違うサービスを中途半端にやるのではなく、もう一度この領域で勝負することを決めた」(小澤氏)

小澤氏も話すように、クリエイター支援プラットフォームは単体のビジネスとしてしっかりと収益をあげるのがなかなか難しい領域だ。その上、国内でも上述したnoteのサークル機能のほか、「CAMPFIREコミュニティ」や「DMM オンラインサロン」を始め一部の用途ではバッティングしそうな先行サービスも複数存在する。

そんな状況下において、再スタートをきったCHIPがどうなっていくのか——。今後のチャレンジに注目だ。

ファンクラブ作成アプリの「CHIP」がクローズへ

「スマホアプリから誰でも簡単にファンクラブを作れるサービス」として、2018年8月のローンチ直後から何度か紹介してきた「CHIP」。同サービスが明日5月25日をもって提供終了となる。

運営元のRinacitaではすでに先日サービスのクローズを発表済み。25日の13時にファンクラブへの新規加入やコンテンツの閲覧・投稿など全てのファンクラブ機能を終了する予定。6月7日にアプリの運用を停止するとともに、申請された売上金の振込をするとしている。

上述した通りCHIPはスマホからファンクラブをサクッと作れるアプリ。ファンクラブ名やテーマ画像、説明文などいくつかの項目を設定するだけでいいという手軽さがウリで、簡単なものであれば2〜3分で作成できる。

設定した月額会員費の90%がアーティストに還元され、10%がCHIPの収益となる仕組み。リリースから約3ヶ月で約2600個のファンクラブが生まれ、ユーザー数も2万人を突破。具体的な数字については非公開とのことだけれど、2019年4月末時点ではユーザー数は4万人を超え、1000万円以上の金額をアーティストに支援することができたという。

クローズの背景についてはRinacita代表取締役の小澤昂大氏が自身のnoteで言及しているが、大きくは以下の3つがポイントになったそうだ。

  • (特に支援するファン側のユーザーに対する)課題設定が甘かったこと
  • 「あらゆる人が夢に向かって挑戦できるサービス」という本来の目的からズレが生じてしまったこと
  • 課題を再定義した際に、CHIPを軌道修正するよりも新規のプロダクトを開発した方が良いと判断したこと

小澤氏に話を聞いたところ3月にはアプリのアップデートを始め、Android版の開発や人気クリエイターとのタッグ、プロモーションの強化に向けた計画も進んでいたそう。シリーズAの資金調達なども検討する中で一度方向性を深く整理した結果、上記の理由からクローズを決断したという。

「個人としても思い入れのあるサービスであり、毎日のように使ってくれるクリエイターの方や投稿を楽しみにしてくれてるファンの方もいて、潰したくないという気持ちも強かった。最後までできれば残したいという思いはありましたが、中途半端に続けるのはユーザーさんにとっても良くないと考え、クローズを決めました」(小澤氏)

Rinacitaでは今後CHIPとは別の形で“個人を後押しするような”サービスを開発していく計画だ。

ファンクラブ作成アプリ「CHIP」で音声や動画での投稿が可能に

RINACITAは3月1日、ファンクラブ作成アプリ「CHIP」(チップ)のアップデートを発表した。今回のアップデートにより、音声や動画を投稿できるようになる。

CHIPは簡単に自分のファンコミュニティを作成できるサービス。リリースから半年で3600グループを超えるファンクラブが開設されており、YouTuberやイラストレーターなどさまざまなジャンルのクリエイターやアーティストが活動しているという。現在はiOS版のみだが、3月中にはAndroid版もリリースされる予定だ。次回以降のアップデートでは、コンテンツ部分での機能開発のほか操作面も改善を進めていくとのこと。

RINACITAは2018年3月設立のスタートアップ。2018年11月にEast Venturesと複数の個人投資家から総額4600万円を調達し、プロダクトの開発体系を強化しつつ、ブランドの構築に力を入れてきた。

“ファンクラブの民主化”目指す「CHIP」が4600万円を調達、開設されたファンクラブ数は2600個に

ファンクラブ作成アプリ「CHIP(チップ)」を運営するRINACITAは11月21日、East Venturesと複数の個人投資家を引受先とした第三者割当増資により、総額4600万円を調達したことを明らかにした。

今回同社に株主として加わった個人投資家はヘイ代表取締役社長の佐藤裕介氏、ペロリ創業者の中川綾太郎氏、nanapi創業者の古川健介氏、Vapes代表取締役社長の野口圭登氏、Candle代表取締役の金靖征氏、AppBrew代表取締役の深澤雄太氏と匿名の個人が1名。

RINACITAは過去にSkyland VenturesとEast Venturesからも資金調達を実施していて、今回はそれに続く調達となる。

3ヶ月で約2600個のファンクラブが開設

“ファンクラブの民主化”という紹介をしている通り、CHIPはスマホアプリから誰でも簡単にファンクラブを作れるサービスだ。

最初にテーマ画像を1枚設定した後は、ファンクラブの名前と説明、月額会員費、会員証のデザインなどを選ぶだけ。作るだけなら2〜3分もあればできる。テキストや画像の投稿、コメントなどを通じてアーティストとファンが交流を楽しむ場所になっていて、会員費の90%がアーティストに還元され、10%がCHIPの収益となる仕組みだ。

2018年8月5日のリリース後にSNSなどでちょっとした話題を呼び、約2週間で約1.3万人がユーザー登録。1700個ほどのファンクラブが開設され、実際に1400人が何らかのコミュニティに“CHIP”(課金)した。

RINACITA代表取締役の小澤昂大氏によると「今は一旦落ち着いたフェーズ」とのことで、確かにペース自体は落ちているものの、約3ヶ月が経過した現在もファンクラブ数が2600個、登録ユーザー数が2.2万人、課金ユーザー数が2700人と伸びている。

左からトップページ、CHIPの公式ファンクラブページ、ファンクラブの追加プラン作成画面

ただし現時点でCHIPを使ってできることはまだまだ限定的。「ローンチしてからの2〜3ヶ月はバグの修正や本当に最低限必要な機能を整備していた状態」(小澤氏)で、基本的にはアーティストがテキストや画像を投稿し、それに対してコミュニケーションをとるシンプルなプラットフォームだ。

直近では複数のプランを設定して金額や投稿の内容を変えられる機能や、入会できるファンの上限を設定できる機能、画像を複数枚投稿できる機能などが追加。11月からはより本格的なアップデートに向けた開発を進めていて、今回調達した資金も主にプロダクト強化に向けた人材採用などに用いるという。

現在はiOS版のみとなっているが、来年春ごろまでを目安にAndroid版とWeb版をローンチする方針。並行して(1)投稿できるコンテンツの種類を拡大(2)今までよりも本格的なファンクラブページを作れる機能の追加(3)アーティストと個人によるダイレクトメッセージ(DM)機能の追加 という3つを軸にアップデートを進めている。

投稿できるコンテンツに関しては動画や音声への対応を進める計画。今はテンプレートから選ぶ仕様になっている「ファンクラブの会員証」をカスマイズできる仕組みや、外向けにファンクラブサイトをデザインできる機能など、アーティストの世界観を反映しやすい環境も整える。

双方の交流を深めるという点で、DMの機能なども用意していく予定。なおDMについては全員が対象というよりは少人数限定の上位プランで特典として提供するなど、アーティストが範囲を選択できる仕様を検討しているとのことだ。

初期コストを気にせず、誰でも気軽にファンクラブを作れる場所へ

CHIPをローンチしてからの数ヶ月で「予想以上に多くの人に初期から使ってもらえ、多くの発見があった」と話す小澤氏。同様のサービスやオンラインサロンを含め“個人をエンパワーメントするサービス”が増えてきてはいるけれど、CHIPとしてはよりファンクラブに寄せていきたいという思いが強くなったという。

そのきっかけのひとつが「実際にCHIPを出してからファンクラブは『トップレイヤーのアーティストしか作れない』ということに改めて気づいた」ことにあるようだ。

「初期コストがかかるため、大手の事務所でもそれに見合った成果が見込めなければ簡単には作らない。結果として駆け出しの人達はもちろん、一定数のファンがいて良い作品を作っているアーティストでもファンクラブを持っておらず、収益化やファンとの交流の仕方に悩んでいるケースも多い。そんなアーティストが初期コストとかを気にせず、気軽にファンクラブを作れるようにしたい」(小澤氏)

とはいえ、ほとんど名も知られていないようなアーティストが熱狂的なファンを獲得したり、活動資金を確保したりできる場所を確立するには、解決しなければいけない課題も多い。

実際にCHIPを眺めてみても、多くのファンを集めているコミュニティはまだまだ一定数。もちろん試しに開設されたものもあるのだろうけど、ファンの数が0人や数人のものも少なくない。現在はSNSなどで影響力を持ちすでにフォロワーを抱えているユーザーが、そのパワーをCHIPでも発揮しているような状況にも見える。

これは他のサービスも抱えている問題かもしれないけれど、小澤氏も「その点は今後も試行錯誤を続けていきたい。まずは使いやすさなどで価値を感じてもらえるように改善をしていきつつ、『もともとのフォロワーが少ない人でもCHIPに来れば新たなファンがつく』『CHIPを開けば応援してみたいと思えるアーティストが見つかる』ような仕組みを模索していく」と話していた。

スマホから誰でも気軽にファンクラブを作れる「CHIP」――公開2週間で約1700個のファンクラブが開設

「今は個人がスマホからTwitterやInstagramなどのSNSを通じて気軽に情報発信する時代。だからこそ“ファンクラブ”の仕組みももっと簡単にできるはず。スマホさえあれば誰でも気軽にファンクラブを作れて、ファンと交流できるような空間を作りたい」ーーそう話すのは8月5日にファンクラブ作成サービス「CHIP」をリリースしたRINACITA代表取締役の小澤昂大氏だ。

公開から約2週間が経った8月21日時点で同アプリ内には1700個ほどのファンクラブが開設。ユーザー数は約1.3万人で、実際に課金しているユーザー(同アプリでは“CHIPする”という表現を使っている)もすでに1400人ほどいるという。

多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーが登録していることもあって、SNSでもちょっとした話題になった。

テーマは“ファンクラブの民主化”

冒頭でも少し触れたが、CHIPはスマホアプリ(現在はiOS版のみ)から誰でも自身のファンクラブを開設できるサービスだ。

ファンクラブを作るのに必要なのは、テーマ画像を選びファンクラブの名前と説明を入れて、会員費と会員証のテーマを設定するだけ。説明文をどれだけ丁寧に書くか次第だけど、おそらく数分あればファンクラブができるはず。試しに僕も作ってみたけど、かかった時間は3分ほどだった。

会員費は月額100円から10万円までの範囲で100円単位で選ぶことができ、特にリターンなどを前もって決めておく必要もない。一方でファンクラブを通じてでできることも現時点では少なく、基本的には開設者からテキストや画像を投稿し、それについてファンがコメントするのみ。

この辺りは今後アップデートして行く予定で、たとえばライブ・音声配信機能やコミュニティ要素を強化した機能などを検討しているようだ。

小澤氏によると、今はイラストレーターやデザイナーのファンクラブが1番多いそう。そのほか音楽系のアーティストやアイドル、モデル・俳優、YouTuber、写真家など幅広い。nanapi創業者の“けんすう”こと古川健介氏や、エンジェル投資家の有安伸宏氏など、TechCrunch読者の皆さんにとっては馴染みのある起業家も自身のファンクラブを作っている。

もちろんファンクラブという仕組み自体はずっと前からあるもので、Webベースでファンクラブを作れるサービスも存在してはいたものの「開設するのに敷居が高かった」というのが小澤氏の考えだ。

「事務所に入っているようなアーティストや影響力のあるクリエイターだけでなく、個人で活動していてまだファンが少ないアーティスト・クリエイターでもファンクラブを作れるようにしたかった。やりたいのは“ファンクラブを民主化”すること」(小澤氏)

近年では「CAMPFIREファンクラブ」や「pixivFANBOX」など、クリエイターが継続的に応援してくれるファンを獲得できるプラットフォームも増えてきている。CHIPでは“スマホ”にフォーカスすることで、クリエイターとファン双方にとってより身近でアクセスしやすい環境を作るのが狙いだ。

ドラムに打ち込んだ20歳の起業家が立ち上げたスタートアップ

RINACITAは2018年3月の設立。20歳の小澤氏を中心に若いメンバーで構成されるスタートアップで、これまでSkyland VenturesとEast Venturesから資金調達をしている(金額は非公開)。

代表の小澤氏は以前からドラムに打ち込んでいて、大学進学前にはアーティストの道に進むことも本気で考えていたそう。小澤氏の場合は最終的にドラマーではなく大学を選び、今は起業家としてチャレンジをしているけれど、同じように悩んだ結果アーティストやクリエイターの道を選んだ人達を支えるプラットフォームを作りたいという思いがあった。

「才能があって努力もしているけど、環境やお金が原因で夢を諦めざるを得ない人も少なくない。ニッチな領域だと注目を集めるのが難しいなど、活動しているジャンルにも左右される。お金になりやすいとか、人気を集めやすいジャンルとか関係なく、アーティストやクリエイターがもっと自由にチャレンジできるようにしたいと考えた」(小澤氏)

目指しているのは、クリエイターにとって新たな収益源にもなるのはもちろん、自分の活動や作品に共感して応援してくれようになったファンとのつながりが深まっていくようなサービスだ。

とはいえCHIPはまだまだ始まったばかり。上述した通り現時点の機能は非常にシンプルだし、一定数のファンを獲得できているのはインフルエンサーなど一部のユーザーだ(CHIPはファンがいなくても気軽に利用できるのがウリなので、それでもいいのかもしれないけれど)。

「まずは各ユーザーが興味のあるファンクラブとうまく出会えるような導線(検索性)を強化していきたい。ある程度ファンクラブを作る障壁は低くすることができたと思うので、あとはコミュニティの熱量を継続できる仕組みを作れるかどうか。たとえばライブ配信や音声配信機能なども検討してはいるが、アーティストやクリエイターがCHIPの運営に多くの時間を割かないと継続できないのは目指すべきところではない。そうしなくても盛り上がるような仕掛けを作ることが、今後の課題だ」(小澤氏)

古いおんぼろ車でも簡単に多機能なインターネット接続カーになるDashbot、安価なオープンハードウェアとして登場

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今とてもクールな車を持ってるのに、誰がスマートカーなんか必要とするの? Dashbotは49ドルの車載用アクセサリで、運転中にスマートフォンやAlexaでインターネットと対話できる。手が空くから、髪をポマードで塗り固めた悪党をやっつけたり、頭上でヘリコプターが爆発する前に罪なき人びとを救える*。この製品はBluetoothスピーカー+αで、αの部分にたくさんの機能がつまっている。Alexa専用デバイスと入れ替えれば、あなたのスマートフォンに手を触れずに容易に対話ができるようになる。〔*: 30年前の電脳カー、ナイトライダーのエピソード。〕

システムは車のライター(煙草用)とステレオのAuxジャックかBluetoothで接続する。スマートフォンを車に近づけるたびにインターネットに接続し、また、完全なコンピューターなのでワイヤレスのOBD-IIセンサーにアクセスして車のセンサーデータをリアルタイムで読む。

DashbotはコンピューターボードとしてC.H.I.P. Proを使っている。それは、Raspberry Pi的な、超小型シングルボードコンピューターだ。その上でLinuxが動き、すべてが完全にオープンソースなので自由なハッキングを楽しめる。

開発チームは曰く:

DashbotはC.H.I.P. Proを使っているから、ユーザーが新しい機能を教えることができる。使っているOSのGadget OSは、Linuxベースの高速ブート型オペレーティングシステムで、わが社の主軸製品だ。Next Thing Co.のそのほかの製品もすべてそうだが、Dashbotもオープンハードウェアであり、そのソフトウェアはオープンソースだ。そしてもちろん、DashbotはAPIを公開している。

 

実はDashbotのチームはC.H.I.P. Proをリリースしたチームと同じチームで、ハードウェアスタートアップのためのアクセラレータHAXの卒業生だ。Kickstarterの締め切りまでまだ20日あるが、すでに目標額を大きく超えている。古い車でもワンタッチでスマート(電脳)になるから、きっと楽しい製品だろう、とぼくは思う。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

省エネチップで大手と勝負するIndice Semiconductorが$6Mを調達、本社を合衆国へ移す

独自のアルゴリズムにより、各種応用器具の省エネを可能にするチップを作っているIndice Semiconductorが、マーケティングの拡充を主な目的としてシリーズAで600万ドルを調達した。このラウンドを仕切ったのはPixelworksのファウンダで元CEOのAllen Alley、これにオーストラリアのVC Rampersandが参加した。

資金は合衆国とアジア太平洋地区における営業チームの拡大に充てられ、各地域のOEMや製品設計者たちへの売り込みを強化する。これまでIndiceは、そのContinuous Sigmaアルゴリズムを用いたチップを主に照明業界に売ってきたが、今後は増幅器や電気自動車、IoT(物のインターネット)などの分野へターゲットを広げたい意向だ。

Indice Semiconductorはオーストラリアのメルボルンで創業され、最近、オレゴン州Tualatinへ本社を移して、Alleyを執行会長に迎えた。

Indice Semiconductorの競合相手はTexas InstrumentsやAnalog Devices、Cirrus Logicなど大物ばかりだが、同社は特許を取得したContinuous Sigmaアルゴリズムで十分に差別化を図れる、と考えている。同社はこれまで、このアルゴリズムによるチップを約100万売ってきた。

Continuous Sigmaアルゴリズムは、DAC/ADCアプリケーションのパフォーマンスを高める。したがって、インターネットに接続されるデバイスや、電気自動車、照明、増幅器などに適している。

同社によると、“Continuous Sigmaは、多くのウェアラブルデバイスで使われているSuccessive Approximation Registar(SAR)よりもシンプルなエンコーディングアルゴリズムであり、またオーディオ機器や電源装置、モーター制御などに1970年代から今日まで使われているDelta Sigmaエンコーディング法よりもパフォーマンスが高い。このことは、エンドユーザにとっては、たとえば、今あるものよりずっと性能の良いノイズキャンセルヘッドフォーンを作れたり、よりエネルギー利用効率の良いウェアラブルデバイスを作れることを意味する”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))