LayerXのクラウド稟議システム「バクラク申請」がクラウドサインとAPI連携、稟議と契約締結プロセスをシームレスに統合

LayerXのクラウド稟議システム「バクラク申請」がクラウドサインとAPI連携、稟議と契約締結プロセスをシームレスに統合

ハタラクをバクラクにしたいLayerXは1月25日、請求書の支払申請をはじめ各種社内稟議・申請をデジタル上で完結可能なクラウド稟議システム「バクラク申請」について、クラウド型電子契約サービス「クラウドサイン」とのAPI連携を開始したことを発表した。

同連携により、これまで分断が発生し業務非効率の原因となっていた稟議と契約締結プロセスを統合し、シームレスな業務体験の実現が可能となった。バクラクシリーズは、これまでも利便性向上を目的に主に会計サービスとの連携を強化してきたが、電子契約サービスとの連携は初めてのケースとなる。

クラウドサイン連携機能を利用すると、バクラク申請上で契約締結申請を作成し、申請が承認されると、あらかじめ定められた署名者に対して自動でクラウドサインが送付されるようになる。

これにより、申請の完了から発送までのリードタイムがゼロになり、申請者・承認者・契約担当すべての当事者の契約締結コストが劇的に削減される。また、契約締結状況は申請者・承認者ともにバクラク申請上でリアルタイムで確認できることから、「契約先で契約書の締結が完了しているかどうか」を契約担当者に確認するコストもゼロになる。

LayerXのクラウド稟議システム「バクラク申請」がクラウドサインとAPI連携、稟議と契約締結プロセスをシームレスに統合

「紙の契約締結プロセス」と「バクラク申請×クラウドサイン連携機能利用時プロセス」の比較(一例)

バクラクシリーズは、コーポレートDXを支援するサービス群。クラウド請求書受領ソフト「バクラク請求書」、バクラク申請、電子帳簿保存法に準拠した形で請求書や領収書などの電子保管を可能にする「バクラク電子帳簿保存」の3サービスを展開している。

シリーズ第1弾となるバクラク請求書では、請求書の受取り後、AI-OCRで請求書を自動でデータ化の上、仕訳データや振込データの自動作成および会計システム連携をシームレスに実行可能。LayerXは、請求書受取業務の効率化を通じて経理DXを推進するとしている。

 

LayerX「バクラク電子帳簿保存」正式公開、国税関係書類をAI-OCRで自動読み取りし改正電子帳簿保存法準拠で保管・検索

LayerX「バクラク電子帳簿保存」正式公開、国税関係書類をAI-OCRで自動読み取りし改正電子帳簿保存法準拠で保管・検索

テクノロジーを活用し業務プロセスのデジタル化を推進するLayerXは12月16日、改正電子帳簿保存法の施行を見据えた新サービス「バクラク電子帳簿保存」の正式リリースを発表した。AI-OCR機能の提供により、請求書・領収書・契約書など、法対応が必要なあらゆる国税関係書類を自動入力し、改正電子帳簿保存法に準拠した形で検索・保管(スキャナ保存・電子取引データの電子保存)が可能となった。

また基本利用料は無料で利用できるため、現在対応を検討している企業も電子帳簿保存法の対応開始を行いやすいという。利用機能などに応じた有料オプションも用意しているそうだ。

LayerX「バクラク電子帳簿保存」正式公開、国税関係書類をAI-OCRで自動読み取りし改正電子帳簿保存法準拠で保管・検索

バクラク電子帳簿保存は、2022年1月1日施行の電子帳簿保存法のシステム要件に対応したサービス。請求書や見積書など、あらゆる国税関係書類を電子上で保管可能となる。例えば同サービスでは、認定タイムスタンプを付与するため、事務処理規程の整備が必要ない(業務フローによっては規定整備が必要な場合もある)。

合わせて今回の正式リリースにより、AI-OCRが利用可能になった。国税関係書類のデータをAI-OCRが自動入力し、改正電子帳簿保存法に準拠した形で検索・保管できる。

LayerX「バクラク電子帳簿保存」正式公開、国税関係書類をAI-OCRで自動読み取りし改正電子帳簿保存法準拠で保管・検索

バクラク電子帳簿保存の主な機能

  • 認定タイムスタンプの付与
  • 訂正履歴・削除不可
  • 検索機能(取引年月日・取引金額・取引先)
  • 書類のスキャナ保存・電子取引かを推定した上で、スキャナ保存要件の自動検証

2022年1月1日より、経理の電子化による生産性の向上などを目的に、改正電子帳簿保存法が施行され、請求書・領収書・契約書など国税関係書類の電子化のための法令要件が大幅に緩和される。

改正電子帳簿保存法の概要(国税庁「令和3年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しについて」)

  • 電子保存する際に従来求められていた税務署への事前承認制度が廃止に
  • 紙で請求書等を受領した際のスキャナ保存にあたり、適正事務処理要件の緩和、原本への自署の不要化など電子化後すぐに原本の廃棄が可能に など

ただしこの改正により電子取引データの厳格な保存が求められており、メールなどで送受信するPDFの請求書などは、2022年1月1日から印刷して保管できなくなり、法的な要件を満たしたシステムなどでの保管が必要となる。電子保存を行う積極的な意図がなくとも法対応が必要になるケースも想定されているという(令和4年度税制改正大綱において、2023年12月31日までは、PDFなど電子データで受け取った書類の電子保存義務が2年間猶予され、紙のままの保存を認める経過措置が盛り込まれることが発表された)。

こうした状況を踏まえ、低労力かつ短期間での改正電子帳簿保存法対応を実現し、様々な企業の経理DXを後押しすべく、同サービスの提供に至ったという。

LayerXが改正電子帳簿保存法に対応した新サービス「LayerX 電子帳簿保存」の事前登録受付を開始

請求書AIクラウド「LayerX インボイス」の「LayerX ワークフロー」機能が支払申請から仕訳を自動起票可能に

請求書の受け取りから会計処理・支払処理までを自動化する経理支援クラウド「LayerX インボイス」を運営するLayerXは10月27日、請求書・領収書・契約書など、法対応が必要な国税関係書類の電子保存を可能にする新サービス「LayerX 電子帳簿保存」の提供および事前登録受付の開始を発表した。事前登録受付は10月27日より開始し、登録者はサービスリリース時に優先的に案内される。サービスの提供は11月より順次スタートとなる。

2022年1月1日から施行される改正電子帳簿保存法では、電子保存の際に求められていた税務署への事前承認制度が廃止され、受領した紙の請求書などの適正事務処理要件が緩和される。その一方で、法的な要件を満たしたシステムなどでの保管といった、電子取引データの厳格な保存が求められようになるため「何から着手すればわからない」「施行までの残り時間が少ない」と対応に苦慮するケースも少なくない。

LayerXが改正電子帳簿保存法に対応した新サービス「LayerX 電子帳簿保存」の事前登録受付を開始

LayerXが改正電子帳簿保存法に対応した新サービス「LayerX 電子帳簿保存」の事前登録受付を開始

こうした状況を踏まえ「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに掲げるLayerXは、低労力・短期間で改正電子帳簿保存法への対応を実現する新サービスLayerX 電子帳簿保存の提供に至ったという。

LayerX 電子帳簿保存は、法改正後のシステム要件に対応した様々な機能を提供する。電子取引データ保管のために必要な認定タイムスタンプの付与、システム上で訂正履歴を確認できる機能、認定タイムスタンプが付与されたデータをシステムから削除できない仕組み、取引年月日・取引金額・取引先の検索機能が利用でき、法的な要件を満たした状態で国税関係書類を電子上で保管することができる。今後は検索要件の項目をAI-OCRで自動入力する機能の提供も予定されている。

LayerXが改正電子帳簿保存法に対応した新サービス「LayerX 電子帳簿保存」の事前登録受付を開始

請求書AIクラウド「LayerX インボイス」が改正電子帳簿保存法に対応、追加費用ナシでデジタルでの請求書・証憑保管可能に

請求書AIクラウド「LayerX インボイス」が改正電子帳簿保存法に対応、追加費用ナシでデジタルでの請求書・証憑保管可能に

LayerXは10月1日、請求書AIクラウド「LayerX インボイス」において、2022年1月施行の改正電子帳簿保存法(施行規則等を含む)のシステム要件への対応を発表した(国税庁「電子帳簿保存法関係」「令和3年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しについて」参照)。同対応により、LayerX インボイスに請求書などのアップロードを行った後、認定タイムスタンプの付与や法定要件に即した検索などが可能になり、またデジタル上で請求書を含む証憑の保管が行える。機能提供予定時期は、2021年10月中旬以降(対応完了次第順次)。また標準機能として提供し、追加費用など発生せず利用できる。請求書AIクラウド「LayerX インボイス」が改正電子帳簿保存法に対応、追加費用ナシでデジタルでの請求書・証憑保管可能に

請求書などの国税関係書類の電子帳簿保存法の対応においては、以下2要件を満たすシステムの利用が必要になる。

  1. 「紙で受領・作成した書類をデータとして保存する「スキャナー保存」
  2. メールなどを介し電子的に授受した取引情報をデータで保存する「電子取引」データ保存

特に「電子取引」に関する要件として、これまで電子的に授受した取引情報は紙に印刷することが認められていたが、今回の改正法施行で紙に印刷した形での保管ができなくなることから、運用上でも大きな影響が発生する。

これに対応するため、LayerX インボイスでは「訂正削除履歴および検索要件の具備」「認定タイムスタンプの付与」の2点を提供する。またこれら対応については、LayerX インボイス標準で付帯する機能として、追加費用なく利用可能となる。

訂正削除履歴および検索要件の具備

同対応により、LayerX インボイスは、訂正削除履歴が残るシステムとして利用可能になる。また、検索要件の対象項目である、取引年月日・取引金額・取引先をデータ化・保存が可能となる。これにより、先に挙げた(1)のスキャナー保存に対応できる。

認定タイムスタンプの付与

「訂正削除履歴および検索要件の具備」に加え、(2)のメールなどを介し電子的に授受した取引情報をデータで保存する「電子取引」においては、認定タイムスタンプの付与を行わない場合、事務処理規定を備付け・運用が必須になる。LayerX インボイスでは、認定タイムスタンプの付与を行うことで、当該規定の備付け・運用不要で、電子取引に関しても電子帳簿保存法の対応が可能になる。

LayerX インボイスは、請求書受取業務の効率化を通じて経理DXを推進するサービス。請求書の受取り後、AI-OCRで請求書を自動でデータ化の上、仕訳データ・振込データの自動作成および会計システム連携をシームレスに実行できる。

請求書AIクラウド「LayerX インボイス」の「LayerX ワークフロー」機能が支払申請から仕訳を自動起票可能に

請求書AIクラウド「LayerX インボイス」の「LayerX ワークフロー」機能が支払申請から仕訳を自動起票可能に

LayerXは9月28日、クラウドでの請求書処理業務を可能にする請求書AIクラウド「LayerX インボイス」に付随するワークフロー機能「LayerX ワークフロー」において、支払申請から仕訳を自動起票する機能をリリースした。事業部門が入力した支払申請の情報を活用して仕訳を起票できるようになり、これまで発生していた事業部と経理間の確認コストの極小化が可能になるという。

今回のアップデートにより、経費科目を事前定義することで、事業部がLayerX ワークフローで支払申請を行う際に経費科目を選択すると、LayerX インボイスの仕訳情報にその経費科目に紐付けた勘定科目が登録されるようになった。

また、明細単位で申請した支払申請を元に複数明細行の仕訳起票が可能という。これにより、複数の部門やプロジェクトにまたがる仕訳も、事業部からの申請を元に起票できる。請求書AIクラウド「LayerX インボイス」の「LayerX ワークフロー」機能が支払申請から仕訳を自動起票可能に

LayerX インボイスは、請求書受取業務の効率化を通じて経理DXを推進するというサービス。請求書の受取り後、AI-OCRで請求書を自動でデータ化の上、仕訳データや振込データの自動作成及び会計システム連携をシームレスに実行する。

ワークフロー機能については、2021年3月より提供を開始。ワークフロー機能を利用することで、経理部門だけではなく、事業部門における支払申請などにかかる作業負荷・入力ミスを解消し、全社のデジタル化並びに生産性向上に寄与することを目指しているという。

 

請求書AIクラウドの「LayerX インボイス」が「勘定奉行クラウド」とAPI連携を開始

請求書AIクラウドのLayerX インボイスが勘定奉行クラウドとAPI連携を開始

LayerXは8月26日、クラウドでの請求書処理業務を可能にする請求書AIクラウド「LayerX インボイス」において、オービックビジネスコンサルタントの財務会計システム「勘定奉行クラウド」とのAPI連携を開始したと発表した。

同連携により、LayerX インボイスと勘定奉行クラウドを連携し利用する事業者は、「LayerX インボイスで作成した仕訳データの勘定奉行クラウドへのAPI連携」「勘定奉行クラウドの各種マスタデータのLayerX インボイスへのAPI連携」が可能になる。これら機能を利用することで、さらに効率的な請求書処理業務が可能になるという。

「LayerX インボイス」で作成した仕訳データの勘定奉行クラウドへのAPI連携

同機能により、LayerX インボイスで作成した仕訳データや証憑をワンクリックで勘定奉行クラウドへ連携することが可能になる。CSVのエクスポート・インポートといった作業が不要になり、ミスの防止を含めた業務効率化が行える。

請求書AIクラウドのLayerX インボイスが勘定奉行クラウドとAPI連携を開始

勘定奉行クラウドの各種マスタデータの「LayerX インボイス」へのAPI連携

勘定奉行クラウドに設定済みの各種マスタ情報を、ワンクリックでLayerX インボイスに連携できる。セットアップ時・運用時にCSVのエクスポートや加工・インポートが不要になるため、プロセス全体での業務効率化につながるという。

請求書AIクラウドのLayerX インボイスが勘定奉行クラウドとAPI連携を開始

LayerX インボイスは、請求書受取業務の効率化を通じて経理DXを推進するサービス。請求書の受取り後、AI-OCRで請求書を自動でデータ化の上、仕訳データ・振込データの自動作成および会計システム連携をシームレスに実行するという。

またワークフロー機能も2021年3月より提供を開始した。経理部門だけではなく、事業部門における支払申請などにかかる作業負荷、入力ミスを解消することで、全社のデジタル化や生産性向上に寄与するとしている。

LayerX Labsと東京工業大学とのEthereum 2.0関連共同研究がインターネットアーキテクチャ最優秀研究賞を受賞

LayerX Labsと東京工業大学とのEthereum 2.0関連共同研究がインターネットアーキテクチャ最優秀研究賞を受賞

すべての経済活動のデジタル化を推進するLayerX(レイヤーエックス)は6月21日、研究開発組織LayerX Labs(レイヤーエックス・ラボ)と東京工業大学情報理工学院の首藤研究室との共同研究に関する学術論文「Saving attackのブロックチェーンコンセンサスに対する影響」が、電子情報通信学会インターネットアーキテクチャ研究会の「インターネットアーキテクチャ最優秀研究賞」を受賞したと発表した。

2018年に創設されたLayerXは、ブロックチェーン技術で業務や生産をはじめとした経済活動の摩擦を解消し、「この国の課題である生産性向上」の実現を目指している。2021年1月には、請求書の受け取りから会計、支払い処理までを自動化するクラウド型経理DX支援システム「LayerX インボイス」をリリースした。

LayerX Labsは、「デジタル通貨」「スマートシティ」「パブリックブロックチェーン」をテーマに、行政、各国の中央銀行、大学、民間企業と連係しブロックチェーンなどの技術の実用化に向けた研究開発を行う組織として、2020年8月に設立された。

今回、インターネットアーキテクチャ最優秀研究賞を受賞した研究は、ブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズムに関するもの。「Ethereumの次期バージョンであるEthereum 2.0におけるコンセンサスアルゴリズムに対する攻撃やその緩和手法の分析・評価」が行われている。首藤研究室が開発するパブリックブロックチェーンのシミュレーター「SimBlock」と、LayerX執行役員兼LayerX Labs所長の中村龍矢氏が提案し、Ethereum 2.0の仕様に採用された研究とが結びついたものだという。

東京工業大学情報理工学院、首藤一幸准教授は、「ブロックチェーンが示した価値のインターネットという可能性、そして、まずはDeFi(分散金融)として始まったDAO(自律分散組織)という人類社会の未来。それらを産み、育んでいるEthereumを主な対象とした、学術らしい強固な貢献」と自負している。

論文の詳細:

タイトル: Saving attackのブロックチェーンコンセンサスに対する影響
著者: 大月 魁(東工大)・中村 龍矢(LayerX)・首藤 一幸(東工大)
掲載誌情報: 電子情報通信学会 技術研究報告, Vol.120, No.381, IA2020-37, pp.15-22

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請求書受け取りから経理の会計・支払処理まで自動化する「LayerX インボイス」が「回収漏れ網羅チェック」機能提供

業務プロセスのデジタル化を推進するLayerXは5月19日、クラウドでの請求書処理業務を可能にする請求書AIクラウド 「LayerX インボイス」にて、請求書の回収漏れ網羅チェック機能をリリースしたと発表した。また、取引先からの請求書アップロード機能も搭載された。

LayerX インボイスは請求書の受け取り後、AI-OCRが請求書を自動でデータ化の上、仕訳データや振込データの自動作成及び会計システム連携をシームレスに実行することで経理DXを推進するサービスだ。2020年10月より一部のスタートアップや上場企業を対象としてβ版が提供され、2021年1月より本提供が開始された。

請求書の回収漏れ網羅チェック機能では、取引先ごとに回収予定月を設定することで、設定した月に回収できているかどうか、またその処理状況を一覧で網羅的に確認可能となる。これにより、計上・支払漏れの温床になっていた請求書回収漏れを防止できる。

また取引先からの請求書アップロード機能では、取引先ごとに回収用の請求書URLを発行可能となった。発行したURLを取先に渡することで、直接請求書をアップロードでき、毎月の回収作業の効率化が図れる。

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暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2021年1月10日~1月16日の情報から。

ブロックチェーン技術などのテクノロジーを活用した業務プロセスのデジタル化を推進するLayerXは1月14日、代表的なエンタープライズ向けブロックチェーン基盤の分析結果について、同社独自のブロックチェーン基盤分析フレームワーク「LayerX Enterprise blockchain Analysis Framework」(LEAF。リーフ)とともに公開した。対象は、CordaHyperledger FabricQuorum。2020年6月公開の基本編に続くもので、今回はプライバシー編となっている。

同社によると、ブロックチェーンのエンタープライズにおけるユースケースは急速に増加しているという。複数組織間をまたがるデータ共有基盤としてのブロックチェーンの利用が進展しており、証券決済、サプライチェーン・ファイナンスクロスボーダー決済、トレーサビリティなど、国内外で多くの商用化事例が存在している。

ただ、ブロックチェーン基盤は基盤ごとに設計思想が異なる上、技術特性もそれに応じて変わってくるため、各基盤で充足可能なセキュリティ要件、適性のあるユースケース、プライバシーの要件、インターオペラビリティ実現の難易度には相違が見られるという。

そこで同社はLEAFを公開し、ユースケースに応じた基盤検討を行なう際の観点を明確化するとともに、各基盤の検討負荷を軽減し、ブロックチェーンの円滑な社会実装の推進に資することを目指すとしている。

また同社は、オープンソースソフトウェア(OSS)や先行するパブリックレポートなど、ブロックチェーンのコミュニティに蓄積されてきた優れた知見に基づきR&D活動に注力しており、LEAF公開を通じて中長期的にブロックチェーンコミュニティに貢献することも志向しているという。

LayerXがエンタープライズ向けブロックチェーン基盤比較レポート[プライバシー編]を公開

LEAFプライバシー編

ブロックチェーン技術は、データの真正性を複数の組織間で担保し、検証可能な形で共有可能なものの、同時にすべてのデータが全組織で共有されてしまい、機密情報も共有されてしまうという課題がある。

そのためこの課題の解決手段として、プライバシー保護技術に関する研究が盛んに行われている。LEAFのプライバシー編では、エンタープライズ向けブロックチェーンにおけるプライバシー保護技術に着目し、プライバシー保護技術の分類、プライバシー保護技術の比較軸の提案、そしてCorda、Hyperledger Fabric、Quorumが備えるプライバシー保護技術の分析及び比較を行った。

LEAFプライバシー編で提案するトランザクションフローの分析はCorda、Hyperledger Fabric、Quorum以外のブロックチェーン基盤にも応用可能としている。

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暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2020年12月20日~12月26日の情報から。

ジェーシービー(JCB)LayerXは12月22日、複数企業間をつなぐ次世代「BtoB取引履歴インフラ」に関する共同研究の開始を発表した。共同研究において両社は、プライバシーに配慮した利用者主体の商流情報の流通を実現し、それらを活用した高度なサービスを可能にする新たなデジタルサプライチェーン構築を目指す。

近年、中央銀行デジタル通貨(CBDC。Central Bank Digital Currency)をはじめデジタル通貨による決済プラットフォーム構築に向けた動きが活発化している。これらデジタル通貨に関する試みおよびメリットのひとつに、「様々な機能・ロジックを付加できるお金」という側面があり、こうした新形態のお金は「プログラマブルマネー」と呼ばれている。契約・請求・支払いなど一連のオペレーションのデジタル化・効率化、さらには自動執行が期待される。

これを受け共同研究では、JCBの強みを生かし、地域金融機関、BtoB決済に関わるソリューションプロバイダーなどとの協業も視野に入れ、BtoB取引履歴インフラの新モデルを検討していく。次世代インフラは、オペレーションの効率化に留まらず、業種・業界を超えたサプライチェーンプラットフォームならではの、商流情報を活用した高度なサービスの実現を目指すという。

LayerXとJCBが複数企業間をつなぐ次世代BtoB取引履歴インフラの共同研究開始

また、異なる業種・業界間における取引情報の共有においては、ブロックチェーン技術を用い取引情報を記録することで改ざん困難かつ確かなデータ流通が可能になるものの、両社はこれだけでは不十分という。社会実装においては、データ保護・プライバシーの観点から、情報主体(利用者)それぞれが「金融機関など業務上必要のある事業者には開示する」「不必要な事業者には開示しない」など取引情報の閲覧権限を柔軟に設定できるデータコントロールの仕組みが、情報提供者に対して求められる。

さらに与信情報の照会・確認などでは、データを秘匿したままデータ演算を行うといった高度なプライバシー技術を必要とする。

LayerXとJCBが複数企業間をつなぐ次世代BtoB取引履歴インフラの共同研究開始LayerXとJCBが複数企業間をつなぐ次世代BtoB取引履歴インフラの共同研究開始今回の共同研究では、TEE(Trusted Execution Environment)を応用しLayerXが開発したソリューション「Anonify」(アノニファイ)とブロックチェーンを組み合わせ、取引情報の秘匿性・信頼性を担保し、利用者による開示情報の取捨選択を実現する。

TEEは、PCやスマートフォンが搭載するプロセッサーのセキュリティ機能にあたり、アプリケーションを安全な実行環境で動作させるための技術。ユーザーであってもアクセス不可能なデータ領域を端末に構築し、アクセス制限をハードウェアレベルで保証する。これにより同環境下では、クラッキングやマルウェアによる攻撃などの脅威を防ぐことができる。

LayerXとJCBが複数企業間をつなぐ次世代BtoB取引履歴インフラの共同研究開始Anonifyは、TEEを活用した、ブロックチェーンのプライバシー保護技術。ブロックチェーン外のTEEで取引情報の暗号化や復号を行い、ビジネスロジックを実行することで、ブロックチェーンの性質を活かしながらプライバシーを保護する。複数の企業や組織が共同で利用する共通基盤において、秘匿性と監査性を両立させたアプリケーションを構築可能という。詳細は、ホワイトペーパーAnonify Book(JP)ソースコードをはじめ、LayerXサイトのAnonifyに関するページを確認してほしい。

LayerXとJCBが複数企業間をつなぐ次世代BtoB取引履歴インフラの共同研究開始LayerXとJCBが複数企業間をつなぐ次世代BtoB取引履歴インフラの共同研究開始JCBは、デジタルによる取引が増えていく社会の中で、デジタル取引・送金の履歴を蓄積し、必要に応じて取り出して参照できるインフラの必要性が高まると考え、同共同研究に挑む。両社はBtoB決済におけるトランザクションの記録・活用に加えて、デジタル通貨を用いた国内外送金などの金融取引に関するマネーローンダリング(資金洗浄)防止(AML。Anti-Money Laundering)およびテロ資金供与対策(CFT。Counter Financing of Terrorism)強化に向けたトランザクション識別と追跡性担保を可能にするといった、今後は必要不可欠となるインフラへの応用も視野に入れて、研究開発に取り組んでいく。

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石川県加賀市がxIDおよびLayerXと連携、ブロックチェーンとデジタルID活用の電子投票システム構築へ

石川県加賀市がxIDおよびLayerXと連携協定、ブロックチェーンとデジタルID活用の電子投票システム構築へ

石川県加賀市xIDLayerXは12月3日、同市におけるブロックチェーンおよびデジタルIDを活用した「安全かつ利便性の高いデジタル社会」の実現に向けて、連携協定を締結したと発表した。今後は、行政サービスのデジタル化推進に向けた取り組みの一環として、加賀市の政策に関する電子投票実現に向けた検討を開始する。

今回の提携を機に、加賀市における課題解決の手段としてブロックチェーン技術をどう活用ができるかの討議を、三者間で協力して取り進める。その取り組みの第1弾として、ブロックチェーンおよびデジタルID技術を活用した市の政策に関する電子投票(インターネット投票)の実現に向けて、検討を開始する。

デジタル化が進む北欧・エストニアでは、2004年の提供開始以来、電子投票は一般的なものとなっており、2019年の国政選挙では高齢者を含む半数近くの投票者が、インターネットを介した電子投票を利用したという。特に過疎地に住む市民にとっては、選挙時に遠く離れた投票所に足を運ぶ必要がなくなり、また自分のペースで投票できるなど、その利便性の高さは一定の評価を受けているとした。

日本の公職選挙法における電子投票は、投票所においてタッチパネル式の投票用デバイスなどを使用する方法は地方選挙において認められているものの、システムの安定性、投票用デバイスの費用などが課題となっており、加賀市においても実現に至っていないという。また、インターネットを介した投票については、二重投票の防止、投票の秘密を守るための高い技術ハードル、投票用デバイスの費用など、より多くの課題がある。

今回、投開票プロセスの透明性と投票内容の秘匿性を両立した電子投票プロトコルを研究・開発したLayerXと、本人であることが証明でき、かつひとりにつきIDひとつのみ発行できる技術を持つxIDを連携させることで、投票の秘密を守ると共に一人一票主義を担保できる、利便性が高い電子投票技術の構築が可能であると考えているとした。

今後は、電子投票プラットフォームを提供する事業者との提携を視野に入れながら、根幹技術に関する議論を進める。また、民意の反映や、市政の透明性の担保を目的として、加賀市の施策に関する電子投票の実現可能性を検討する。

石川県加賀市は、人口減少や高齢化が急速に進む中で行政のデジタル化にも力を入れており、利便性の高い行政サービスの提供を進行。2018年に「ブロックチェーン都市宣言」を発表し、RPA(ロボティック プロセス オートメーション)による市役所業務の一部自動化などデジタル化を推進。2019年にはブロックチェーンの要素技術を採用したデジタルIDソリューションを提供しているxIDとの連携協定を締結。2020年8月には同ソリューションを活用した電子申請サービスを提供開始するなど、着実にデジタル化に向けた歩みを進めている。

加賀市ではブロックチェーンを広く活用することで、より耐改ざん性と透明性の高い行政システムの構築を目指しているものの、ブロックチェーン技術はその特性上、透明性が高いがゆえにデータ保護、プライバシーの観点から情報の秘匿性・匿名性の担保が容易ではなく、それらが社会実装における課題となっていた。

LayerXは、ブロックチェーンの社会実装にかかる次世代プライバシー保護技術「Anonify」(アノニファイ)をはじめ、プライバシー保護と個人情報の活用の両立のため、秘匿化・匿名化技術の研究開発を推進しており、今回デジタルIDを用いることで、利便性が高くかつ安全なデジタル社会の実現を目指している加賀市・xIDのビジョンが一致し、連携協定の締結へと至ったという。

xID」は、マイナンバーカードと連携することで、より手軽に本人認証ができるデジタルIDアプリ(Android版iOS版)。初回登録時にマイナンバーカードに格納されている基本4情報(氏名・住所・性別・生年月日)をスマートフォンのNFC経由で読み取り、マイナンバーカードとxIDを紐付ける。その後、連携するオンラインサービスのログイン用の暗証番号と電子署名用の暗証番号を設定し、利用時に認証・電子署名することで本人確認を完結し、様々なオンラインサービスの安全な利用を実現する。

LayerXのAnonifyは、PCやスマートフォンに備えられたプロセッサーのセキュリティ機能であるTEE(Trusted Execution Environment)を活用した、ブロックチェーンのプライバシー保護技術。ブロックチェーン外のTEEで取引情報の暗号化や復号を行いビジネスロジックを実行することで、ブロックチェーンの性質を活かしながらプライバシーを保護する、LayerX独自のソリューション。

石川県加賀市がxIDおよびLayerXと連携協定、ブロックチェーンとデジタルID活用の電子投票システム構築へ

xIDは「信用コストの低いデジタル社会を実現する」をミッションとして掲げ、マイナンバーカードに特化したデジタルIDソリューションを中心に、次世代の事業モデルをパートナーと共に創出するGovTech企業。デジタルID先進国のエストニアで培った知見・経験をもとに、情報のフェアな透明性を担保し、データ・個人・企業・政府の信頼性が高い社会をデジタルIDを通して創出する。

LayerXは、「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに、ブロックチェーン技術を軸として、金融領域を始めとした様々な産業のDXを推進。信用や評価のあり方を変え、経済活動の摩擦を解消し、その恩恵を多くの企業や個人が受けられるような社会を実現していく。

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カテゴリー:ブロックチェーン
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