ヘイトに満ちた投稿で停止されていたトランプ大統領のTwitchアカウントが復活

RedditとTwitchが利用約款に違反する政治的投稿だとしていくつかのアカウントを停止してから2週間が経った。この重要な決定ではトランプ大統領のTwitchの公式アカウントも対象となっていた。ただし同社は「(停止は)一時的なもの」だと述べていた。

すでに報道されている(The Verge記事)が、我々の取材に対してTwitchは「大統領のアカウントが復活した」ことを認めた。

同社の広報担当者はこの問題に対する最初の声明を繰り返し「Twitchではヘイトスピーチは禁止されている。利用約款に基づき、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領のチャンネルからのストリーミングは一時的に停止されたが、当該の問題あるコンテンツは削除された」と述べた。

アカウント停止の原因となったのは2つのコンテンツで、1つは大統領選キャンペーンの開幕を告げるコンテンツに含まれていた「メキシコは一番優れた人々は送ってよこさない。……連中はドラッグを持ちこむ。犯罪を引き起こす。強姦魔もいる」という悪名高い部分だ。

もう1つはその後のタルサのキャンペーン集会における発言で「おい、今は明け方の1時で非常に嫌な時間だ(と想像してくれ)。ときどきこの『hombre(スペイン語で男)』という言葉を使うのだが、非常にタチの悪いヤツが夫がセールスマンか何かで出張中の若い女性の家の窓を破って入りこんでいる」というものだ。

Twitchは当時「政治家も他のユーザー同様に、我々の利用規約とコミュニティガイドラインを守る必要がある。政治的価値または報道価値があっても例外は認められない。違反が報告されたコンテンツに対しては(規約に基づく)措置を取る」と述べていた。

Twitterその他のソーシャルメディアと政権の激しい対立の中でこの問題が発生した。逆に共和党議員らは ユーザーコンテンツに関する訴訟からプラットフォーム運営者を免責する通信品位法230条を無効化することを要求している。これについては大統領行政命令も出ている。

選挙集会とオンラインメディアの双方でトランプ陣営の主張がヒートアップしているため、2020年11月の選挙に向けてこうしたトラブルが繰り返される可能性は高い。

画像クレジット:Brian Heater

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ユニリーバとベライゾンがFacebookから広告を引き揚げ

Facebook(フェイスブック)のコンテンツと収益化ポリシーに対する広告主の反発が拡大を続けている。

米国時間6月25日、TechCrunchの親会社であるVerizon (ベライゾン)は、「『我々の納得がいく、さらにTwitter(ツイッター)などのほかのパートナーとの我々の同意内容と一貫性のある解決策をFacebookが提示するまで』、FacebookとInstagram(インスタグラム)に出している広告を一時差し止める」と話した(The Verge記事)。

そして6月26日、一般消費財の大手Unilever(ユニリーバ)もこれに加わり、米国内のFacebookおよびInstagram、さらにはTwitterに出しているすべての広告を、少なくとも今年いっぱい停止すると話した。

「現在米国が抱えている二極化問題と、今年の大統領選挙を踏まえ、ヘイトスピーチの領域には極めて厳重な取り組みが必要です」とユニリーバのグローバルメディア担当上級副社長Luis Di Como(ルイス・ディ・コモ)氏はWall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)に語った

Facebookに対して広告主から圧力をかける取り組みは「#StopHateforProfit」(営利目的のヘイトを阻止しよう)キャンペーンから始まった。これは、Anti-Defamation League(名誉毀損防止同盟)、NAACP(全米黒人地位向上協会)、Color of Change(カラー・オブ・チェンジ、公民権擁護団体)、Free Press(フリープレス、メディアの民主主義を擁護する団体)、 Sleeping Giants(スリーピング・ジャイアンツ、リベラル派のソーシャルメディア活動団体)によって推進されている。このキャンペーンは、人種差別、反ユダヤ主義、ヘイトの犠牲者への支援を改善し、偽情報やヘイトに満ちた広告で利益を上げることを阻止するための変革を促すのが狙いだ。

Facebookから広告を引き揚げることに同意した企業には、アウトドアブランドのREI(アールイーアイ)、The North Face(ノースフェイス)、Patagonia(パタゴニア)も含まれる。ただし、Gizmodeによれば、これらの広告主がFacebook Audience Networkからも広告費を引き揚げたかどうかは定かではない。

Unilever:#StaySafe 私たちは米国内のFacebook、Instagram、Twitterの広告を停止する決断を下しました。

二極化の空気により、各ブランドには信頼できる安全なデジタル・エコシステムを構築する責任が増しています。私たちの行動は今から2020年末まで継続されます。

Facebookは、Unileverの発表を受けて次の声明を公開した。

私たちは、年間数十億ドルを投資し、私たちのコミュニティーの安全を守り、外部の専門家と協力して継続的に弊社ポリシーの評価と改善を行う努力を重ねています。私たちは公民権の監査を受け入れ、250の白人至上主義者団体をFacebookとInstagramから追放しました。私たちはAIに投資を行うことで、ヘイトスピーチの90%近くを検出し、利用者からの報告を受ける以前に行動を起こせるようになりました。最新のEUの報告には、Facebookは24時間に受け取ったヘイトスピーチの報告を、TwitterやYouTubeよりも多く処理できていると示されています。これで十分だとは思っていません。今後も公民権擁護団体、GARM(責任あるメディアのための国際連合)、その他の専門家と共に、この戦いを継続するためのさらなるツール、テクノロジー、ポリシーの開発を進めて参ります。

Twitterは、グローバル顧客ソリューション部門副社長Sarah Personette(サラ・パーソネット)氏を通じて次の声明を発表した。

私たちの使命は、Twitterを、公の会話を促し、人間同士のつながりの構築、正しい信頼できる情報の検索と収集、自由で安全な発言が行える確かな場にすることです。私たちは、公の会話を守り支援するためのポリシーとプラットフォーム機能を開発しました。そして常に変わらず、少数派コミュニティーや、社会から取り残された人々からの声を増幅することを責務としてきました。私たちは、パートナー企業の判断を尊重し、この期間も、彼らと密接に協力し対話を続ける所存です。

米国東部夏時間6月26日午後1時57分(日本時間で6月27日午前3時57分)の時点で、Facebookの株価は取引開始時よりも7%下落した。CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、米国東部夏時間6月27日午後2時よりタウンホール・ミーティングを開催し、これらの問題について話し合う予定だと語った

関連記事:Big outdoor brands join #StopHateForProfit campaign, boycott Facebook and Instagram ads(未訳)

画像クレジット:Alexander Koerner/Getty Images / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

ドイツがオンラインヘイトスピーチを取り締まる法律を厳格化

オンラインヘイトスピーチに関する法律は表現の自由の観点から違憲だとフランスの憲法評議会が判断した一方で、ドイツはヘイトスピーチに関する法律を強化する。ユーザーから指摘があった時点で犯罪が疑われるコンテンツを直接連邦警察に届けることをプラットフォームに義務付ける条項を盛り込む。

この動きは、右翼過激主義の高まりとヘイト犯罪に対するドイツ政府の幅広い取り組みの一環だ。ヘイト犯罪はオンライン上でのヘイトスピーチの拡散と関係している。

ドイツの既存の法律「Network Enforcement Act」(別名NetzDG法)は2017年に発効し、ソーシャルネットワークプラットフォームに明白に違法と分かるヘイトスピーチを24時間以内に削除することを義務付けた。違反した場合の罰金は最大5000万ユーロ(約60億円)だ。

6月19日にドイツの議会はプラットフォームに特定の種の「犯罪的なコンテンツ」を連邦刑事庁に報告することを義務付けることを加えた改正案を可決した。

NetzDG法の幅広い改正が並行して進行中で、これはユーザーの権利と透明性をさらに確固たるものにするのが狙いだ。ここには、ユーザーノーティフィケーションを簡素化したり、人々がコンテンツ削除に異議を唱えやすくしたり、主張が認められたコンテンツを復活させられるようにしたりといったことが含まれる。必須事項の報告に関するさらなる透明性もプラットフォームに求めている。

NetzDG法は常に議論の的になってきた。罰金のリスクを取るよりコンテンツを削除する方向にプラットフォームを誘導することで表現の自由を制限することになるのでは、との批判もある(言い換えると、過度の表現制限のリスクだ)。2018年に人権NGOのHuman Rights Watchは欠陥のある法律、と指摘した。「不明瞭で過度だ。そして高額な罰金を避けようとする民間企業による検閲が行き過ぎになるものであり、ユーザーは司法の監視ができず、主張する権利も失われる」と批判した。

ヘイトスピーチ法律への最新の変更もまた議論を巻き起こしている。現在の懸念は、国が市民に関する膨大なデータベースを構築するのをソーシャルメディア大企業が確たる法的正当化なしに手伝っているということだ。

最新の法改正に関する多くの変更案が却下された。ここには、指摘されたソーシャルメディアへの投稿の作者の個人データが自動的に警察に送られないようにする、という緑の党が提出したものも含まれる。

緑の党は、新たな報告義務が乱用され、実際に犯罪的なコンテンツを投稿していない市民のデータが警察に送られることになるリスクを懸念している。

また、多々ある批判の中でも、すでにデータが警察に送られた要注意の投稿をした作者にその旨を伝える必要性が確保されていないことも議論の的となっている。

緑の党は、警察に直接送られることになる投稿コンテンツは、真に調査する必要があるものだけにすべき、と提案した。警察はこれまでプラットフォームに個人データを要求できていた。

ドイツ政府のヘイトスピーチ法の改正は、難民受け入れ賛成の政治家Walter Lübcke(ヴァルター・リュブケ)氏が2019年にネオナチ過激派によって殺害された事件を受けてのものだ。殺害に先立ってオンライン上で標的型攻撃とヘイトスピーチがあったとされている。

ドイツのメディアによると、今月初め警察はリュブケ氏に関する「犯罪的なコメント」を投稿したとして多くの州にまたがるヘイトスピーチ疑い犯40人を検挙した。

政府はまた、オンライン上でのヘイトスピーチは言論の自由に萎縮効果をもたらし、標的を脅すことでデモクラシーに有害な影響を及ぼすと主張する。つまり人々が恐怖心なしに自由に表現したり社会に参画したりできなくなることを意味する。

EU全体では、テック企業がEU Code of Conduct on hate speech(欧州ヘイトスピーチ行動規範)に自発的に同意した後、欧州委員会はヘイトスピーチをなくそうと何年もの間プラットフォームに報告の改善を強制してきた。

扱うコンテンツにテック企業がどれくらいの責任を負うのかを示すことになる今後導入される予定のデジタルサービス法のもとで、欧州委員会はプラットフォームの規則とガバナンスについて幅広い変更を加えることを検討している。

画像クレジット: Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

フランスでヘイトコンテンツの24時間以内の削除をプラットフォームに強制する法案が可決

フランスの下院議会は、論争の的となっていた法案を可決した。法案はソーシャルネットワークとオンラインプラットフォームにおけるヘイトスピーチに対抗するものだ。

画像クレジット:Stéphanede Sakutin / AF / Getty Images

私が既に2019年に説明したように、これでオンラインプラットフォームは、フラグが立てられた反社会的なコンテンツを24時間以内に削除しなければならなくなる。さもなければ、この法律に違反したとして毎回多額の罰金を支払う必要が生じる。

反社会的なコンテンツとは、どんなものを指すのだろうか? 基本的にオフラインの世界で違反行為あるいは犯罪と見なされるものは、今やオンラインプラットフォームでも、反社会的なコンテンツと見なされることになる。特に殺害予告、差別、ホロコーストの否定といったものは、まっ先に挙げることができる。

最も極端なカテゴリーとして、テロリストによるコンテンツや児童ポルノについては、オンラインプラットフォームは1時間以内に対応しなければならない。

オンラインのヘイトスピーチが手に負えないものになってきている一方で、多くの人は、オンラインプラットフォームによるコンテンツの検閲が、あまりにも性急なのではないかと懸念を抱いている。そうした企業は罰金が科されるリスクを冒したくないので、法律に違反していないコンテンツでも、確信が持てないために削除する可能性がある。

基本的にオンラインプラットフォームは、自分自身を規制する必要がある。その上で政府は、彼らが適切な仕事をしているかどうかをチェックする。「銀行に対する規制機関と同じようなものです。彼らは、銀行が効率的なシステムを施設していることを確認し、そうしたシステムの運営を監査します。これについても同じように考えるべきでしょう」と、フランスのデジタル大臣であるCédric O(セドリック・オー)氏は2019年のインタビューで私に述べていた。

罰金には複数のレベルがある。最初は数十万ユーロ(数千万円)だが、悪質なケースの場合には、上限としてその会社の全世界の年間収益の4%に達する可能性もある。視聴覚最高評議会(CSA、Superior Council of the Audiovisual)が、こうした案件を担当する規制当局となる。

ドイツは既に同様の規制を採択しており、欧州連合レベルでの議論も続いている。

関連記事:What does ‘regulating Facebook’ mean? Here’s an example

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

YouTubeがUIをリニューアル、ユーザビリティー重視、クイックリスト復活

YouTubeがトップページのリニューアルを発表した。同社は米国時間10月7日、メジャーアップデートを行い、使いやすさを優先したシンプルなデザインを採用した。

これまでYouTubeのトップページは情報過多でゴチャゴチャした印象だったが、これが整理され視認性が向上した。またAdd to Queue(キューに追加)というクイックリスト作成機能が復活した。ビデオをこのキューに追加していけば、YouTube側のお勧めが次々に再生されてしまうことはない。

新デザインはデスクトップPCとタブレット端末をターゲットとしており、本日から公開が始まっている。YouTubeによれば、ウェブ、アプリともモバイル版には変化はないという。

YouTubeの親会社であるGoogleはすでに検索ページをコンパクトにし、テキスト、画像とも一見してコンテンツが理解しやすいレイアウトに変えてきた。例えば、7月にはGoogle検索でニュースのタブのデザインがアップデートされ、密集した大量の見出しから見やすいカードになった。 こうしたアップデートは可読性を大いに改善したが、一方ではスクロールせずに一見して読める情報量の減少も招いている。今回のYouTubeのデザイン変更にも同じきことが言えそうだ。

新デザインでは各行に表示されるビデオの数が減少している。そのかわりタイトルも詳しくなり、サムネールも大型化されてどんなビデオなのかわかりやすくなっている。

プレビューの精細度もアップされ、ビデオ下部のチャンネルアイコンも目立つデザインになった。ユーザーはお気に入りのクリエーターの作品であることがすぐに見てとれる。

こうしたアップデートにともなってページのレイアウトにも変更が加えられている。YouTubeによれば、 チャンネルやトピック別の表示部分をいくつか削除したという。新デザインでもビデオが所属するチャンネル、トピックは表示されるが、それぞれにグループ化はされない。新デザインでは「新着ビデオ」「トップビデオ」という分類となる。

一方、YouTubeのデスクトップ版の新しいオプション、Add to queueはビデオのサムネールに付加されたアイコンで、クリックすると従来どおり「後で見る」に追加できると同時に、新オプションであるクイックリストにも追加できる。

Add to Queueアイコンはビデオ視聴中はページの隅に最小化されているが、随時クリック可能だ。

「キューに追加」するというのは簡単にいえばクイックリスト作成機能だ。その場で簡単にプレイリストを作れるのはとても便利だ。ただしここで作られるリストは一時的ななもので、本来のプレイリストを代替するわけではない。つまりクイックリストをすべて再生してしまえばリストは消滅する。YouTubeではデスクトップのクイックリストはブラウザを閉じたときクリアされるという。つまりテレビやタブレットなど別のデバイスでビデオを見たい場合は、従来どおり「後で見る」リストに追加する必要がある。

さらに今回、モバイルのみの機能のいくつかがデスクトップに追加された。今年に入って、YouTubeはいくつかのアップデートを行ったが、これはこれはアルゴリズムによりトップページのサムネールや「次のおすすめ」としてビデオが選択される際に、ユーザーのコントロールを大きくしようとするものだった。モバイルでは「次に再生」をキャンセルすることが可能なった。

この「チャンネルのおすすめ」のキャンセルがデスクトップにも移植されたわけだ。.これはトップページのビデオのタイトル右横の「…」メニューに含まれる。5番目のオプションをクリックすると、そのチャンネルに属するビデオはトップページに表示されなくなる。ただし、これは完全なブロックボタンではない。検索結果や人気急上昇には表示されるし、そのチャンネルを訪問しても表示される。

これも今年のアップデートだが、YouTubeのAndroidアプリではユーザーが好みのトピック選ぶことでビデオのフィードをカスタマイズできる機能が導入された。この機能はデスクトップ、タブレットの各アプリにも近く導入されるというが、今回のアップデートには含まれていない。

新デザインによって見通しがよくなったことは確かだが、クリエーター側から見ると副作用もなくはない。サムネール、キャプションが大きくなり視認性がアップしているが、トップページの情報密度は減った。つまりスクロールせずに表示されるビデオの数、つまりはクリエーターの数も減少したわけだ。

ヘイトスピーチやフェイクニュースの拡散をアルゴリズムが手助けしているという批判が強まっているが、一方ではどんな内容であれ、多くの人々見ていればアルゴリズムはそれを取り上げる。

ヘイトスピーチや人々の過激化にYouTubeがどの程度責任があるかというのが激しい議論の的となっている。ニューヨークタイムズの主張とは逆にWiredは人々の過激化にアルゴリズムはほとんど関係がない、責任があるのはむしろオンライン上で積極に活動するグループだと報じている。これは判断が難しい問題だ。孤独な若者がたまたま目にしたYouTubeビデオをきっかけにさらに暗い迷路に迷い込み過激化して最後にはそうしたコミュニティーに加わるというコースもなくはないだろう。

YouTubeではこうした批判に対し、(少なくともある程度)言論の自由を擁護しつつ、人々に「見たくないものを見ない」ですむような裁量権を増やそうとしているようだ。今回のアップデートもこの流れに沿ったものだろう。

「見たくないものは表示しない」(「おすすめ」キャンセル)機能の導入はYouTubeに限ったことではなく、最近はビデオサービスの標準となりつつある。Facebookでも他人のスレッドに反対意見を書き込む人間は「いやなら読むな」と言われがちだ。YouTubeも「良識あるコメント」を心がけるようユーザーに注意している。インターネットではますますユーザー個々の責任が重要となっている。

YouTubeによればこのアップデートはデスクトップ(Android、iOSのタブレット・アプリを含む)ですでに公開を始めたところだというという。すぐにユーザー全員が利用できるようになるはずだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

YouTubeのヘイトコンテンツ削除件数がQ2に大幅増

YouTubeは、白人至上主義やヘイトに満ちたコンテンツを禁止する6月のコンテンツポリシーのアップデート以降に進めてきた、プラットフォームからの有害コンテンツの排除において目覚ましい進展があったと発表した。第2四半期にビデオ10万本超を削除し、ヘイトスピーチのための1万7000件ものチャンネルを追放したとのことだ。この数は第1四半期の5倍だという。また、ヘイトスピートの削除に伴い、Q1の倍近くとなる5億ものコメントも削除した。

しかしながらYouTubeは、ヘイトを含んだコンテンツと言論の自由の間に手当たり次第に線を引こうとしている。その結果、米国の名誉毀損防止同盟(ADL)は最新のレポートで、今年6月のコンテンツポリシー変更後、反ユダヤ主義で白人至上主義のコンテンツを広めている「かなりの数」のチャンネルがオンライン上に放置されていると指摘した。

YouTubeのCEOであるSusan Wojcicki(スーザン・ウォシッキー)氏はその後すぐに、YouTubeクリエイターブログでオープンプラットフォームを維持することの意義を訴え、この問題に関する同社の姿勢を弁護した。

「プラットフォームが開かれていることに関する責任は簡単なものではない。時にはこれは、本流ではなく、物議を醸し、または攻撃的なコンテンツを残すことを意味する」とウォシッキー氏は書いている。「しかし、幅広い考え方に耳を傾けることが、より強固で情報化された社会につながると確信している。たとえそうした考え方の一部に同感しなくてもだ」。

ADLがリストアップしたビデオの中には、反ユダヤ主義のもの、反LGBTQを訴えるもの、ホロコーストを否定するもの、白人至上主義コンテンツを特集したものなどがあった。ADLが取り上げたチャンネルの5つ合計で8100万回の視聴があった。

YouTubeはそれでも、この手のコンテンツをどのように扱うべきか決めかねているようだ。こうしたビデオはおそらくヘイトスピーチだと考えられれながらも、オンライン上に残ったままだ。YouTubeはまた、先週に白人至上主義を信奉するヨーロッパ拠点の極右YouTubeクリエイター2人のチャンネルを削除し、そしてすぐに復活させた。

ヘイトスピーチの削除についてだけでなく、YouTubeは今日、コンテンツのレビューで活用しているメソロジーについても語った。

YouTubeは、公開される前に禁止されたコンテンツのコピーを自動的に把握するために、頻繁にハッシュ(デジタルフィンガープリント)を活用する。これはプラットフォームが児童性的虐待の写真やテロリストをリクルートするビデオを削除する一般的なやり方だ。新しいプラクティスではなく、今日のレポートでの言及は、ヘイトに満ちたコンテンツやそれに関する問題から注意をそらすためかもしれない。

2017年、YouTubeは削除されたコンテンツと似通ったものを見つけるのに機械学習の活用を増やす、と語った。これはスパムやアダルトコンテンツとの戦いでは有効だ。いくつかの例ではヘイトスピーチを見つけるのにも役立つ。しかし機械はコンテンツを理解しないため、ニュアンスを判断するためには人間によるレビューがまだ必要だ。

スパム対策は最近では当然のことで、今回、削除対象の大半をスパムが占めた。第2四半期では、削除されたビデオの67%がスパムやスキャムだった。

また、第2四半期に削除された計900万ものビデオの87%超は自動システムにより削除された、とYouTubeは話した。スパムをとらえるシステムが同期にアップグレードされ、スパム規則違反で閉鎖されたチャンネル数は50%超増えた、ともしている。

YouTubeはまた、第2四半期に自動システムにひっかかったビデオの80%超は1度も閲覧されることなく削除された、と語った。そして、ガイドラインに反していないか、コンテンツをレビューしたり削除したりする業務を行う人がGoogle全体で1万人超にのぼることも明らかにした。

繰り返しになるが、80%超という数字は主にYouTubeがスパムやポルノを削除するための自動システムを活用したことによる。

今後、YouTubeは4月に発表したクリエイター同士のハラスメントを防ぐことを目的としたハラスメントポリシーのアップデートを間もなく発表する、としている。

加えてYouTubeはコンテンツポリシーの指標と関連するプロダクトの展開を記したタイムラインを公開した。

子供プライバシー法に違反したとしてFTC(連邦取引委員会)との和解金が2億ドルになると報道されているこの困難な時期に今回のアップデートは報告された。罰金は、こうしたヘイトスピーチに満ちたビデオを視聴するのは極端論のコンテンツをに関心があったり、議論に加わっている大人だけでなく、YouTubeから情報を得る何百万もの子供も含まれていることを思い出させるものとなっている。

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(翻訳:Mizoguchi)

ソーシャルメディアに暴力コンテンツの責任を問う法案が豪議会を通過

オーストラリアの議会は木曜日、ソーシャルメディアに共有コンテンツの責任を問うため、おそらく最も厳しい法的措置となるものを通過させた。

ニュージーランド・クライストチャーチのモスクで50人が殺害されてからまだ数週間だが、オーストラリア下院はソーシャルメディアプラットフォームに、誘拐や殺人、レイプ、テロ攻撃といったコンテンツを迅速に削除することを求める法案を通過させた。もしプラットフォームがそうしたコンテンツをタイムリーに削除しなかった場合、ソーシャルメディア企業は最大で年間売上高の10%の罰金を科せられる。

「ソーシャルプラットフォームはそうした目的で武器として利用されるべきではない」と豪司法長官Christan Porter氏は述べた、とNew York Timesの記事で紹介されている。「インターネットプラットフォームは、忌まわしい暴力的なコンテンツのオンライン上での拡散を真剣にとらえるべきだ」とも付け加えた。

この法律をめぐってオーストラリアでは、言論の自由、検閲、そして世界中で必要性が叫ばれているコンテンツモデレーションについての論争が展開された。

インドはまた、ソーシャルメディアプラットフォーム上で意図的誤報の拡散を制限する方策を提案されている。この案では、法の支配で攻撃的な動きを見つけられるかもしれないが、法律が言論の検閲にあたるかどうかという議論が起こった。そうしてEUは、ヘイトスピーチに対応するための2016年と2017年に制定された規制を、ソーシャルメディアプラットフォームがなかなか遵守できていないとしている。

FacebookやGoogle、他の企業を代表するグループはすでにオーストラリアでの規制に反対する声をあげている。

「有意義な諮問なしに5日間で通過したこの法律は、悲劇的なクライストチャーチでのテロ事件の根本的動機となったヘイトスピーチの問題を解決するのに何の役にも立たない」とソーシャルメディア企業を代表するDigital Industry Groupの最高業務責任者であるSunita Bose氏はニューヨークタイムズに対し語った。

ソーシャルメディア企業は、自らに課した基準に関してたくさんの問題を抱えている。Facebookは白人至上主義や白人国家主義を唱える投稿を削除すると約束していたにもかかわらず、そうした決定をものともせずに今週投稿されたコンテンツを削除しなかった。

悪名高いカナダ人の白人至上主義者のFaith Goldyは今週始め、白人至上主義を宣伝していると十分に認められるであろうコンテンツを投稿した。その投稿とは、(Verizon Media Groupが所有する姉妹媒体の)ハフポストのレポートによると、ユダヤ人や有色人種に、彼らが侵略した白人主体の欧州の国々に借りを返すことを求める、というものだ。

Facebookが白人至上主義コンテンツを禁止すると約束した後にGoldyが投稿した、「RACE AGAINST TIME」というタイトルがつけられたビデオの中で、Goldy下記のように話している。

The Great White North(カナダ)は1世代にも満たない期間で多数派が少数派になると運命付けられている。トランプ大統領が舵を取っている米国ですら、容赦なく進む人口構成の交替から逃れられていない…白人は1世代期間以下で米国において少数派になるだろう。

ヘイトスピーチを削除するという点において後ろ向きで反抗的だとして避難を浴びてきたYouTubeはヘイトスピーチのコンテンツを禁止するが、ビデオプラットフォーム上で閲覧できる状態を許している。

今週初めにBloombergが報じたように、YouTubeの何人かの従業員が嘘やプロパガンダ、そしてヘイトスピーチを拡散させるプラットフォームの役割について懸念を示した。Bloombergのレポートによると、多くの従業員が誤報やヘイトスピーチ、不審な内容を含む悪意のあるビデオの拡散を止めようと行動を起こそうとしたが、そのたびにそうした従業員は管理職によって困った立場に追いやられたという。

米国政府ですら白人至上主義問題と、ヘイトスピーチ拡散においてソーシャルメディアプラットフォームが持つ役割を認識しつつあり、また注意を払うようになっている。下院委員会前での今日の証言で、FBI長官のChristopher Wray氏は白人至上主義者のコンテンツの増加について尋ねられた。

「私が考えるに、白人至上主義者の暴力的な極端さや、その他の暴力的な過激主義の危険性は、当然見過ごせないものだ。絶え間なく拡散する脅威だと認識している」とWray氏は述べた。「米国における一般的なドメスティックテロ(編集部注:国外ではなく国内の組織・個人が起こすテロのこと)は、さほど組織化されておらず、また計画的でもなく、体系化された階層とは逆の、まとまりのない一度限りの個人によるもの、というふうに変わってきている。これにはソーシャルメディアの浸透が関わっている」。

Image Credits: Carl Court / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

FacebookやTwitterはヘイトスピーチ対策で足並みを揃えるときだ

2016年のドナルド・トランプの選挙以来、Facebook やTwitterといったソーシャルメディアプラットフォーム上でのヘイトスピーチに注目が集まるようになった。活動家がこれらの企業にコンテンツの節度を改善するよう圧力をかける一方で、いくつかのグループは(ドイツ政府は関与せず)即座にプラットフォームを告訴した。

これは、出版メディアとプラットフォームメディアにかかる法律が異なり、これによりオンライン上でのヘイトスピーチの解決が厄介な問題になっているためだ。

たとえば、 New York Timesに、全マイノリティグループの虐殺を主張するオプ・エド(編集部注:寄稿の論説)が掲載されたとする。Timesはヘイトスピーチを公に出したとして告訴され、そして原告は勝訴すると思われる。しかし、このオプ・エドがFacebookへの投稿で公開されたら、Facebookに対する告訴は失敗に終わるだろう。

なぜこうした不均衡が起こるのか。通信品位法230条だ。これにより、Facebookなどのユーザーが投稿したりシェアしたものについて裁判となったとき、プラットフォームはその責任を免れるのだ。Alex Jonesと彼のウェブサイトInfowarsに対する最近の騒ぎは、230条の廃止を求める動きにつながったーしかしそれは、政府によるオンライン上の言論の規制につながるかもしれない。その代わり、Jonesが彼のヘイトを広めるためにFacebookやTwitter、YouTubeを利用しているかどうかにかかわらず、プラットフォームは積極的な行動をとり、ヘイトスピーチはヘイトスピーチとみなされるよう、ポリシーについて共同で取り組むべきだ。

230条についての基礎知識

230条はオンライン上の言論の自由の基盤であると考えられている。1990年代半ばに法案が可決され、これによりFacebookやTwitter、YouTubeはユーザーがアップロードしたコンテンツで告訴されるリスクを免れている。これがあってこうした企業は急激に成長してきた。230条がなければ、ソーシャルメディア大企業はユーザーの投稿で裁判を抱え、行き詰まっていただろう。そして投稿の事前審査が必須となり、これらの企業はいずれも自由がきかなくなっていたはずだ。

その代わり、法が施行されてから20年以上たつが、裁判所はユーザーのコンテンツに関してテック企業を訴追しようと思っても230条が障壁となるということに気づいた。230条の恩恵を受けているのはソーシャルメディアプラットフォームだけではない。シェアリングエコノミー企業も、自社を弁護するのに230条を使ってきた。たとえば、AirbnbはホストがAirbnbのサイトに投稿したものについては責任を負わないとしている。裁判ではまた、230条がデートアプリにも適用されるほど幅広くカバーするものであることが明らかになった。ある男性が、未成年ユーザーの年齢を確かめていなかったとしてデートアプリの一つを告訴したとき、裁判所は230条を理由に、アプリユーザーの年齢詐称はアプリ側の責任とはならないとして裁判を終わらせた。

ヘイトスピーチの内規

もちろん、230条はオンライン上のヘイトスピーチ野放しを意図するものではなかった。FacebookやYouTube、Twitterといったプラットフォームはヘイトスピーチの投稿を禁じる自前の広範なポリシーを有している。ソーシャルメディア企業はこれらのポリシーを実施するために、そして違反したユーザーの利用を一時的に停止したり、アクセスをブロックしたりして責任ある利用を促すために、何千ものモデレーターを雇った。しかし、最近のAlex JonesとInfowarsの件は、いかにこうしたポリシーが一貫性なく運用されうるか、というケーススタディとなっている。

Jonesは何年にもわたって陰謀論をでっちあげてきた。サンディフック小学校での銃乱射事件がやらせであったとか、民主党がグローバルで子供性的人身売買組織を運営している、といったものだ。

Facebook、YouTube、Twitterに何千ものフォロワーを抱え、Jonesのヘイトスピーチは実社会で問題を引き起こした。サンディフック事件で犠牲となった子どもの親への残忍ないやがらせ、存在しない地下から子どもを救い出すとして男が銃でワシントンD.C.のピザ屋を襲撃した事件などだ。Jonesのメッセージは非常に有害な事件をたくさん引き起こしてきた。

Alex JonesとInfowarsは最終的に、我々が数えたところ10のプラットフォームから追放されたーTwitterでさえ、最初にためらったのちに1週間使用を停止させるという、他社に同調する措置を取った。しかし、テック各社の対応の違いや遅れは、同じスピーチをそれぞれのプラットフォームがどう扱うかを如実に表した。

フェイクニュースの広まりや、ソーシャルメディアによる深まる分裂など最近の論争で問題はさらに複雑となっているが、プラットフォーム間でヘイトスピーチルールの適用が異なる事態は、230条の修正または廃止を求める声へとつながった。もし印刷媒体やケーブルニュースがヘイトスピーチを広めたとして法律上責任を負うべきとされるなら、議論がおこる。特に米国民の3分の2がソーシャルメディアでニュースをみているという事実を鑑みるとき、それならなぜ同様にオンラインにも適用されないのか、となる。テック企業に対するさらなる規制の必要性を叫ぶ声がある中で、230条は常にターゲットとなっている。

ヘイトスピーチは規制されるべきか

しかしもし、オンライン上の言論を政府が規制するのは最前の策ではないと考えるなら、230条にある議会の表現と同じだ。1990年代半ばに施行された230条は、オンラインプラットフォームは“受け取る情報にかかる最大限のコントロールをユーザーに与え、またテクノロジーが発展する将来もさらなるコントロールの可能性”を、そして“政治論における真のダイバーシティ、文化的発展の機会、知的生産活動のための無数の手段”を提供する、としている。

230条はこう続く。これは“米国のポリシーである…インターネットを使用する個人、家庭、学校が受け取る情報についてコントロールを最大化するテクノロジーの発展を促すためのものだ”。これに基づけば、230条はいまやオンラインプラットフォームに恥ずべき保護を提供していることになる。

我々がソーシャルメディアで目にするもののほとんどはアルゴリズムによって操られているという事実から、Cambridge Analyticaスキャンダルソーシャルメディア上でのフェークニュースの流布による深まる分裂に至るまで、1996年の議会の言葉が現代においていかに不正確な予言のカタログとなっているかがわかるだろう。230条の原文起草者Ron Wyden自身ですら、数百万という人の虐殺、そして恐ろしい犯罪の被害者や子供が殺された親への攻撃を個人が支持(または否定)したりすることが、230条が持つ力で保護されるようになるとは起草者の誰もが思いもしなかった、と認めている。

ソーシャルメディアの運用について、最近の公聴会で議会の理解不足が露呈したように、オンライン上の言論を規制することが20年後にどんな影響をもたらすかを予測するだけの能力が今日の議会にあるか、という点に関しては議論の余地があるところだ。

さらに重要なのは、新たな規制を広く適用することが必然的にスタートアップの参入を著しく阻害することにつながることだ。それは、今存在する企業を保護するという意図しない結果を招きかねない。FacebookやYouTube、Twitterは、節度を持ってコンプライアンスを扱ったり、規制が適用されるかもしれない投稿を事前審査したりするだけの力量やインフラを持ち合わせているかもしれないが、小さなスタートアップは、そのような負担に対応するとなればかなり不利な立場に追い込まれることになる。

規制の前の最後のチャンス

答えはオンラインプラットフォームそのものの中にあるはずだ。過去20年間にわたり、オンラインプラットフォームはヘイトスピーチを感知して取り除くという点でたくさんの経験を積んできた。彼らは、これまでとは違うポリシーの草案をつくるためにさまざまなバックグラウンドを持つメンバーによるチームを結成した。これまであげた収益でもって、政府の検察官から学者、人権に詳しい弁護士に至るまで、トップの人材を確保することができた。

こうしたプラットフォームはまた、彼らのプロダクトポリシーチームーポリシーを起草したりポリシーの実行状況を監督したりするーが全体的に社会においてより目立つ存在になるよう、過去数年、大量採用を行なってきた。Facebookはプロダクトポリシーチームに“前性犯罪危機カウンセラーや、ヘイト組織研究を専門とする学者、そして教師”が加わっていることを得意げに発表した。多くのエンジニアがどこに線を引くかを決める、という時代は過ぎ去ったようだ。テック大企業はポリシーの起草と実行について、かつてないほど真剣に取り組んでいる。

彼らが今すべきは、ヘイトスピーチを広めたいと考えている人がプラットフォームのポリシーの目をかいくぐることができないよう、次の段階に歩を進め、ポリシーで足並みを揃えることだ。そうした確かな行動を取る前にInfowarsのような論争が本当の悪夢になるのを待っていれば、規制の要求が高まるだけだ。ヘイトスピーチポリシーや産業にわたるスタンダードを設けるとなったときに、積極的に人材や方策を蓄えておくことで、政府の直の規制に抵抗する正当な理由を展開できるだろう。

ソーシャルメディアの巨人たちはまた、コンテンツの節度を守るための最新のアプローチにスタートアップがついてこれるよう手助けすることで社会の信頼を得ることができる。ヘイトスピーチ問題に対処する業界のコンソーシアムは間違いなくテック大企業に占有されるだろうが、ポリシーには誰でもアクセスできるようにし、幅広く利用できるようにしなければならない。

激しい競争を展開する各社が協力し合うというのは、ピンとこないかもしれない。しかしヘイトスピーチという問題、そしてそのヘイトスピーチを広めようとオンラインプラットフォームを悪用する動きを前にするとき、業界全体での対応が必要だろう。共通する脅威に直面してテック大企業が足並みを揃えたという前例はある。昨年、Facebook、Microsoft、Twitter、そしてYouTubeは“テロリズムと闘うためのグローバル・インターネット・フォーラム”を結成した。 これはオンライン上におけるテロコンテンツの脅威を抑制するためのパートナーシップだ。ヘイトスピーチとの闘いは、テロコンテンツとの闘い同様に称賛されるゴールとなる。

自制は大変な特権だ。テック大企業がその特権を維持したいなら、自前の言論の規制を支えるポリシーを整え、スタートアップやその他の小さなテック企業がそうしたポリシーや実行メカニズムにアクセスできるようにするという責任を負うことになる。

イメージクレジット: BsWei / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)