ソニーがPS5向け次世代ヘッドセットPSVR2の情報を初公開

Sony(ソニー)は、待望のPS5向け次世代VRハードウェアPSVR2(この名前は予想どおり)の基本情報を発表した。デバイスに関して公開された情報はほとんどなかったが、ゲーマーにとって気になるいくつかの機能が確認できた。

初代PSVRは、性能が高く、比較的手頃な価格で使いやすいデバイスだったが、解像度や視野角など、ハードウェアの面ではかなり制限されていた。だからこそ、ソニーが「新型はかなり進化している」と発表したことは大歓迎されるだろう。

ソニーはPSVR2が4K HDRを搭載していることは認めているが、それが全体のものなのか、それぞれの目に対するものなのか、あるいはその他の指標なのかは不明だ。また、オリジナルのハードウェアよりも視野角が広くなる。実際の仕様が明らかになれば、このヘッドセットがユーザーの目にどのように映るのかがより明確になると思うが、ディスプレイの種類やリフレッシュレートなどについては、イベントでは言及されなかった(ちなみに噂では有機EL搭載、総解像度4K、視野角は110度といわれていた)。

ただし、最近では必須となっているアイトラッキングとフォービエイテッド・レンダリングは搭載されている。アイトラッキングがゲームプレーやその他で役立つのは明らかだし、フォービエイテッド・レンダリングはリソースを消費することで知られるVRのレンダリング処理の中で、プレイヤーが見ている部分にサイクルを集中させるために用いられる。

最後に、意外な機能として、ヘッドセットのフォースフィードバックが搭載されている。ユーザーが本当に頭を振動させたいと思っているかどうかは疑問だが、やってみなければわからない。

画像クレジット:Sony

このセットには新しいコントローラーも付属している。PSVRにも付属していた2つのコントローラーは、発表当時はまったく問題なかったものの、その後、競合他社の性能に追い越されてしまったために、独自の改良が加えられている。これについては、少し前にソニー自身が秘密を漏らしていた

ソニーは、そのファーストパーティースタジオによる同プラットフォーム向けの数多くの独占ゲームの中に「Horizon(ホライゾン)」シリーズ(「Zero Dawn」で始まり「Forbidden West」がまもなく登場予定)のVR専用ゲームが含まれることを発表していたのだ。

さらなる情報が出てくることは間違いないが、米国時間1月4日のイベントではこれがすべてだと思われる。もし続報があればお知らせする。

画像クレジット:Sony

原文へ

(文:Devin Coldewey、翻訳:sako)

iPadで視線によるタイピング、会話、アプリ操作が可能になるケース「TD Pilot」をTobiiが発売

アイトラッキング(視線計測)技術を手がけるスウェーデンのTobii(トビー)は、その技術をApple(アップル)製のタブレットに導入し、iPadを身体障がい者のための強力なオールインワンツールにするためのケース「TD Pilot」を発表した。iPadにTD Pilotを装着したユーザーは、視線だけでアプリを起動したり、すばやくタイピングしたり、合成音声で話したりすることができる。

iPadOS 15では、iPadにアイトラッキング用ハードウェアをネイティブに統合することが可能になったが、Tobiiはおそらく、その分野で最も知られた名前だろう。

筆者はオールインワンのスクリーン型アイトラッカーや、独立型のPC用周辺機器など、同社の製品を数多くチェックしてきたが、いずれも非常にうまく機能した。しかし、Apple側の制限があったせいで、アイトラッキングは主にWindowsマシンで行われてきた。筆者は個人的には気にならないものの、iOSを好む人もいるだろう。今後はiOSでも同じようにアイトラッキングが利用できるようになる。

画像クレジット:Tobii

TD PilotはiPadに装着する大型のケースで、前面にはアイトラッキング装置(実際には驚くほど小さく、カメラが内蔵された小さな帯状のもの)、背面にはステレオスピーカーに加えて、テキストを表示するための小さなスクリーンが備わる。このデバイスのユーザーは、Tobii独自のテキスト音声変換アプリ「TD Talk(TDトーク)」または他の任意のアプリを使って、テキストまたは音声でコミュニケーションをとることができる(単に話すだけではなく、その気になればDJにだってなれる)。

このデバイスは、設定や記号コミュニケーションなど、Tobiiが用意する他の小さなアプリ群も利用できる。

「医学的にも認証されており、Appleの性能基準を満たしていると認定されています」と、Tobii Dynavox(トビー・ダイナヴォックス)のFredrik Ruben(フレドリック・ルーベン)CEOは述べている。「これにより、ユーザーは市場をリードするこの技術にアップデートとサポートが継続されると知ることができ、信頼して使うことができます。また、人気のある技術に向けて開発される可能性がある、安全ではない『ワンタイムハック』を避けることができます」。この発言は間違いなく、アイトラッキングをネイティブにサポートしていない以前のバージョンのOS用に作られた他社のソリューションを暗に示しているのだろう。

Tobiiのアイトラッキングデバイスは誰でも購入することができるが、同社の説明によると、個人のニーズに合わせたソリューション提供の一環として、医師やセラピストから指示されるケースが多いという。その場合は保険でカバーされるが、当然ながら個人によって異なる。筆者は具体的なコストを尋ねたが、Tobiiは回答を避けた。

願わくは、アイトラッキングソリューションによって最も力を得られる人たちが、保険やその他の方法でこの便利なガジェットを簡単に手に入れることができるようになって欲しいものだ。この製品はすでに出荷が始まっているので、発売を待つ必要はない。下の動画で、実際に使用している様子を見ることができる。

画像クレジット:Tobii

原文へ

(文:Devin Coldewey、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ドライバー監視システム需要を喚起する米国の新しい飲酒運転規制条項

2702ページに及ぶ10億ドル(約1106億4000万円)規模のインフラストラクチャ構築法案に、ドライバーがビールを2、3杯飲んだかどうかを検知するテクノロジーを新車に組み込むことを義務付ける条項が新しく追加され、ドライバー監視テクノロジーの開発に取り組んでいるメーカーにとって追い風となる可能性がある。

2021年に導入されたReduce Impaired Driving for Everyone Actと呼ばれる超党派の法律に追加されたこの条項により、米国運輸省は、各自動車メーカーに対して、テクノロジー安全基準を3年以内に確立するよう指示することになる。これを受け各メーカーは、その後2年以内に、同基準に従って、飲酒運転の検知 / 予防テクノロジーを実装することになる(ロイター通信社の記事による)。

この条項には、どのようなテクノロジーを組み込むことが求められるのかまでは明記されていないが、業界の専門筋によると、カメラベースのドライバー監視システム(DMS)を開発しているメーカーが最も有利になるという。DMSシステムはすでに自動車業界では成熟した技術であり、自動運転開発の副産物として生まれたものだ。自動車業界は将来的に死亡事故を大幅に減らす方法として自動運転車の開発に取り組んでいるが、提唱者や規制当局は、この技術には、飲酒運転や不注意運転など、存在する問題を解決する方法として利用する余地があると唱えている。

「今週上院で起こったことは、カメラベースのリアルタイムソリューションへの道を開く可能性を秘めています。今回の新条項の追加で、米国の自動車メーカーは初めて、飲酒によって人体に生じる生理的な変化をリアルタイムで監視する技術を保有し、それを要求されることになります」とSeeing Machinesの科学イノベーション最高責任者のMike Lenné(マイク・レンネ)博士はTechCrunchのインタビューに答えて語った。「飲酒後は、人が周囲の環境をスキャンする方法、目が刺激に反応する方法が信頼できるレベルで明らかに変化します。警察が飲酒の疑いのあるドライバーに「指の動きを追わせる」テストを実施しているのもそのせいです」。

こうしたシステムには、ドライバーの動きを監視して機能障害を検知し、検知されたら車の動きを予防 / 制限するタイプ、BAC(血中アルコール濃度)が法的上限値以上に達しているかどうかを調べ、必要なら運転を強制的に禁止するタイプ、両者を組み合わせたタイプがある。

近年登場した飲酒運転ソリューションはカメラを使ったものだけではない。

Automotive Coalition for Traffic SafetyとNational Highway Traffic Safety Administration(NHTSA)が共同で開発したDriver Alcohol Detection System for Safety(DADSS)プログラムでは、呼気または接触ベースのアプローチを使ってBACレベルを決定する方法を提唱している。接触ベースのアプローチでは、ドライバーの指先に赤外線を当てることで皮膚の表面を介してBACを計測する。DADSSによると、呼気ベースのアプローチは2024年までに、接触ベースのアプローチは2025年までクルマに搭載可能となる予定だ。

レンネ氏によると、BACレベルは上昇するまでに数分かかる可能性があるため、呼気や接触ベースのアプローチよりもカメラベースのアプローチのほうがはるかに精度が高いという。理論的には数杯飲み干した直後に運転しても、数値に現れるまでに数分はかかる。あるいは、運転中にアルコールが分解されてしまう可能性もある。それに、BAC検知では、薬物による運転能力の低下はまったく検出できない。

欧州と米国の比較

欧州では、カメラベースのDMSアプローチを使った飲酒運転検知テクノロジーを搭載するよう各自動車メーカーを促す動きがすでに始まっている。しかし、米国では、この種のテクノロジーに関する議論の大半は、ごく最近まで、運転支援およびレベル2以上の自動運転のためのDMSに重点が置かれていた(Society of Automotive Engineersによると、レベル2の自動運転とは、ステアリングや加速などの機能は組み込まれているが、ドライバーも運転に参加している必要があるというレベルである)。

DMS分野は、GMやフォードなどがハンズフリーの高度なドライバー支援システムを実装するなど、近年成長を遂げているが、上記の条項により、この成長が加速される可能性がある。

「組み込みという観点からすると、今回のテクノロジーは、現在OEM各社が、カメラベースのDMSで不注意運転や居眠り運転を防止するために行っていることとほどんど変わりありません。チップに新たな機能を提供するアルゴリズムが追加されるだけです」とレンネ氏はいう。

今すぐ使えるテクノロジー

「自動運転を実現するテクノロジーの開発にはすでに数十億ドル(数千億円)が費やされていますが、まだ実現には程遠い状態です」とMothers Against Drunk Driving(MADD、飲酒運転根絶を目指す母親の会)の政府業務担当最高責任者のStephanie Manning(ステファニー・マニング)氏はTechCrunchのインタビューに答えて語った。「しかし、その過程で、自動車メーカーは命を救うという意味で今すぐに使えるたくさんのテクノロジーを開発しました。この法案が通過すれば、救われる人命の数という点で米国国家道路交通安全局(NHTSA)がこれまでに行った最大の安全性規則が制定されることになります。今が絶好のタイミングです。これ以上待ったり、策定を遅らせたりすれば、それだけ死者の数が増えるだけです」。

このテクノロジーが市場に出るのはそれほど先ではない、とレンネ氏はいい、その点を認識している。Seeing Machinesは、GMのハンズフリー高度ドライバー支援システムSuper Cruiseで使用されているDMSを提供している。Super CruiseはCadillac(キャデラック)の1つのモデルのみで採用されていたが、機能拡張されてGMの製品ラインに組み込まれ、今ではキャデラックCT6、CT4、CT5、エスカレード、シボレー・ボルトでも採用されている。Seeing Machineのテクノロジーは、メルセデスベンツのSクラスおよびEQSセダンでも使用されている。

「これが規制化されれば、トップダウンで需要が生まれることになるため、この市場への参入企業が増えると予想されます」とレンネ氏はいう。「消費者の需要があるからではなく、すべてのクルマが一律にこうした安全性機能を備える必要が生じるため、市場規模は劇的に拡大し、ビジネスチャンスも広がります」。

IndustryARCによると、世界のDMS市場は、2021年から複合年間成長率9.8%で成長し、2026年までには21億ドル(約2323億円)を超えると予想される。こうしたインフラストラクチャ法案による規制によって生じるトップダウンの需要によって確実に需要は増大するものの、それによって問題の解決が容易になるわけではない。

「人の頭の中で起こっている反応を査定しようとするわけですから、30メートル前方にあるモノを見る前向きのレーダーとはまったく異なります」と同氏はいう。「ある人が安全に運転できるかどうかを判断しようとするわけですから、極めて難しい技術的な問題です。当社は創業21年になります。Smart Eye(スマートアイ)は創業10年以上になります。市場規模は急激に拡大しているものの、新規参入組にとってはハードルの高い難題です」。

新規参入組は、Seeing Machinesやスマートアイ(スウェーデンのコンピュータービジョン企業で業界筋によるとフォードと提携しているというが、フォードはこの点について明言を避けている)などの実績のある大手サプライヤーとの競争に直面することになる。IndustryARCは、他にも、Faurecia、Aptiv PLC、Bosch、Denso、Continental AGといったこの分野の主要プレイヤーの名前を挙げている。その一方で、イスラエル本拠のCipia(旧称Eyesight Technology)、スウェーデン本拠のTobii Techといった新興企業も市場への参入を図っている。

市場の成長余地

市場に参入する企業が増えるとテクノロジーの進歩が加速する。スマートアイが最近、感情検知スタートアップAffectiva(アフェクティバ)を7350万ドル(約80億円)で買収した事実は、将来、乗用車に搭載されるDMSがどのような形になるのかを示唆している。現在DMSが対象としているのは、不注意運転、居眠り運転、飲酒運転のみだが、数年以内に、薬物による身体機能障害、(アルツハイマーなどの)認識機能障害、さらには(あおり運転などの)ロードレイジも対象になると考えられる。

関連記事:ドライバーモニタリングのSmart Eyeが感情検知ソフトウェアAffectivaを約80億円で買収

アイトラッカーテクノロジー企業Tobii(トビー)は、先ごろ、DMS市場への参入を宣言した。DMS分野は、まず欧州、そして米国で法改正が行われる中、ここ数年、同社が研究を進めてきた分野だ。

トビーは、自動車分野へは新規参入組だが、アイトラッキング分野には2001から存在しており、マーケティング、科学研究、バーチャルリアリティ、ゲームなどの業界で事業を展開してきた。トビーの部門CEOであるAnand Srivatsa(アナンド・スリーヴァッサ)氏はTechCrunchに次のように語った。「最も難しいのは、目の形の異なるさまざまな民族を含め、さまざまな人口層にまたがって規模を拡大していくことです。当社は、自動車業界での経験はほとんどありませんが、こうした多様な需要に対応するという点では有利だと思います」。

「当社は創業以来の長い経験を経て、コンポーネントレベルからエンドソフトウェアまで、すべてをカバーする完全なソリューションの実現に必要な要素を備えています。当社の他の業務でこうした要素をこなしてきたからです」とスリーヴァッサ氏はいう。「自動車業界の当社の一部のパートナー企業は、この点をトビー独自の能力とみなしてくれています。例えば当社は独自のasix(モーションセンサー)やセンサーを作成しているため、アイトラッキングに必要なコンピューターについて説明することができます。当社はエンドユーザーソフトウェアも自社開発しているため、スタックの各構成部分が他に及ぼす影響や制約についても把握しており、それらを操作してより革新的なソリューションを実現することもできます。私はそれこそがこの分野で極めて重要な点になるのではないかと思っています。つまり、ソリューションの総コストを削減しながら、すべての車種に効率的にスケールさせるにはどうすればよいか、という点です」。

スリーヴァッサ氏はまた、アイトラッキングによって生成されるバイオメトリクスまたは生理的なシグナルは他の分野に応用する余地があることも指摘する。こうしたシグナルを使えば、外の道路の状況や車内で発生していることに基づいて情報を再構成し、ドライバーが道路状況に意識を集中できるようにシステムを最適化できる。

「私が理想としているのは、前方衝突警告、死角警告、車線逸脱警告などによって最も必要としているときにドライバーを支援してくれるテクノロジーです。つまり、ドライバーが独り善がりになったり、疲れたり、注意散漫になっていないかを察知し、そのときの状況に応じてシステムの動作、警告のタイミングなどを調整してくれる、そんなテクノロジーです」と Consumer Reportsの車両インターフェイス試験プログラムマネージャー兼車両接続 / 自動化担当責任者のKelly Funkhouser(ケリー・ファンクハウザー)氏はTechCrunchのインタビューに答えて語った。「と同時に、ドライバーが集中しているときに邪魔をしたり、うるさく言ってイライラさせたりしないテクノロジーにしたいと思っています。例えば歩道の歩行者に接触しないように意識的にレーンからはみ出して走行することはよくありますから」。

レンネ氏によると、車内で起こっていることを察知してドライバーの好みに合わせた快適な運転体験を提供するドライバー監視システムには大きな可能性があるという。

「こうしたシステムを作るには、より良い運転体験が描けることが何より重要です」と同氏はいう。「そうでなければ、消費者に受け入れられない危険を犯すことになります」。

既存のADAS(先進運転支援システム)の進歩

各自動車メーカーは、長年、飲酒運転テクノロジーに関していろいろと話題を提供してきた。2007年には、日産が飲酒運転コンセプトカーを発表した。これはアルコール臭センサー、表情監視、運転操作などによってドライバーの異常を検知するものだ。

同じ年、トヨタも同様のシステムを発表し、2009年までに搭載するとした。最近では、ボルボが2019年に、ドライバーが飲酒運転または不注意運転をしていないかを監視し、必要に応じてシグナルを送信して運転に介入できるようカメラとセンサーを搭載すると発表したが、このテクノロジーはボルボSPA2のハンズフリー運転アキテクチャー用に設計されたもので、まだリリースされていない。要するに、飲酒運転の防止と検知を義務付ける法律が制定されていない現状では、メーカーは、システムの構築に必要な大半の構成ブロックはすでに用意できているものの、実装のゴーサインを出すまでには至っていないということだ。

マニング氏は、これは安全機能を搭載するなら、何らかの見返りが欲しいというメーカー側の思惑があるからだと考えている。

「メーカー側は公道で最新テクノロジーを搭載した自社の車両をテストしたいが、飲酒運転の撲滅に金と時間とエネルギーを使いたくないのです。それは自分たちの責任ではないと感じているからです。彼らはこうしたルール作りには否定的なのです」と同氏はいう。「彼らはこのルール作りの過程で我々と必死で戦うつもりだということが十分に予測できます」。

GMやフォードの広報担当のコメントは得られなかったが、DADSSプログラムについてNHTSAと協力しているAlliance for Automotive Innovationの社長兼CEO John Bozzella(ジョン・ボゼラ)氏は「自動車業界は、路上の安全を脅かす飲酒運転の脅威に対応するための国と民間企業によるあらゆる取り組みを支援することに尽力しています」と答えた。

「我々は、連邦規制の選択肢としてNHTSAにすべての潜在的なテクノロジーの評価権限を与え、Motor Vehicle Safety Actに従って特定のテクノロジーが乗用車向けの規格を満たしているかどうかを十分な情報に基づいて判断できるようにする、議会指導者やその他の利害関係者による法律制定の取り組みを評価しています」。

関連記事:GMがアップグレードした自動運転支援システムSuper Cruiseを2022年に6車種に搭載へ
画像クレジット:Volvo Car Group

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:Dragonfly)

Androidに今夏導入される6つの新機能、安全性やアクセシビリティも向上

Android(アンドロイド)に2021年夏から導入される6つの新機能についての情報が、米国時間6月15日に公開された。それらの中には、テキストメッセージにスターを付けて後で簡単に探せるようになる機能や、入力中の言葉に応じて最適なEmoji Kitchen(絵文字キッチン)の候補を表示する機能など、単に「生活の質」を向上させるものもある。しかし、今回のアップデートにおけるそれ以外の面では、セキュリティ、安全性、アクセシビリティが強調されている。

関連記事
GoogleのGboardキーボードのEmoji Kitchenで絵文字のマッシュアップができる
グーグルがAndroidスマホを地震計にする技術を発表、世界最大の地震検知ネットワークを作り出す

2020年の夏、Google(グーグル)はAndroidに、スマートフォンを地震計として活用することで「世界最大の地震検知ネットワーク」を構築する機能を追加した。このシステムは無料で、カリフォルニアで試験運用が行われた後、ニュージーランドやギリシャにも導入されている。Googleは今回、この機能をトルコ、フィリピン、カザフスタン、キルギス共和国、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンでも提供を開始すると発表。同社によると、2021年は地震のリスクが高い国を優先して、この機能の拡大を続けていくという。

画像クレジット:Google

Googleは2020年、Google Assistant(Google アシスタント)の音声コマンドを各種Androidアプリに対応させるアップデートを導入したが、こちらも今回、さらに拡張される。最初のアップデートでは、Spotify(スポティファイ)、Snapchat(スナップチャット)、Twitter(ツイッター)、Walmart(ウォールマート)、Discord(ディスコード)、Etsy(エッツィ)、MyFitnessPal(マイフィットネスパル)、Mint(ミント)、Nike Adapt(ナイキ・アダプト)、Nike Run Club(ナイキ・ラン・クラブ)、Kroger(クローガー)、Postmates(ポストメイツ)、Wayfair(ウェイフェア)といったアプリがサポートされていたが、今回のアップデートでは、eBay(イーベイ)、Yahoo!Finance(ヤフーファイナンス)、Strava(ストラバ)、Capital One(キャピタル・ワン)などのアプリが言及されている。これは、Apple(アップル)のSiriでiOSアプリを起動させたり、タスクを実行したり、カスタムコマンドを記録したりできる機能と似たものだ。

関連記事:GoogleアシスタントからAndroidアプリを操作可能に

画像クレジット:Google

アクセシビリティの面では、現在ベータ版として提供されている視線検出機能が強化される。この視線検出機能によって、ユーザーは画面を見ているときだけVoice Access(ボイス・アクセス)が反応するように設定できるので、スマートフォンへの指示と友人との会話を自然に切り替えることができる。Voice Accessでは、パスワードの入力も強化される。パスワードの入力欄を自動検知すると、例えば「大文字のP」とか「ドル記号」ということで、文字や数字、記号を入力できるようになるので、ユーザーはこの機密情報をよりすばやく入力できる。2020年10月、Google アシスタントは視線操作デバイスで利用できるようになり、同月にGoogleの研究者は、ビデオ会議で手話を使う人を「アクティブスピーカー」として識別できるようにするデモを公開した。アップルは2017年にアイトラッキング企業のSensoMotoric Instruments(センソモトリック・インスツルメンツ)を買収したものの、まだこれに匹敵するような視線検出機能を普及させていない。Googleが改良を続けているように、アップルでも同様のアクセシビリティ機能が開発されていることを期待したいところだ。

関連記事
Googleアシスタントが視線操作のデバイスにも対応
グーグルの研究者がビデオ通話で手話を認識して画面を切り替える技術を披露

今回発表されたAndroidのアップデートでは、Android Auto(アンドロイド・オート)のユーザーがより多くのカスタマイズを行えるようになる。例えば、スマートフォンからAndroid Autoのランチャー画面を設定したり、ダークモードを手動で設定したり、A-Zスクロールバーや「トップに戻る」ボタンを使ってメディアアプリのコンテンツをより簡単に探せるようになった。また、WhatsAppやMessages(メッセージ)などのメッセージアプリが、ランチャー画面から直接アクセス可能になり、簡単に新しいメッセージを読んだり送信したりできるようになる……が、運転中に注意散漫にならないように気をつけて欲しい。さらに、EVの充電ステーション検索や駐車場予約、ナビゲーションなどのサードパーティ製アプリが、Android Autoで使用できるようにもなる。車載システムの操作性や利便性は大幅に向上するばずだ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleAndroidGoogleアシスタントAndroid Autoアイトラッキング地震

画像クレジット:Google

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)