【レビュー】Mac Studio、すてきでパワフルで値段も高い、Macのデスクトップに求めるものがほとんど揃う

先週のイベントで行われた発表は、そのほとんどが事前に噂されていたものだった。しかし、多くの消費者向けハードウェアが変わりばえのしないものになったこの時代に、Apple(アップル)は驚きを与えることに成功した。イベントの発表の中で明かされたMac Studio(マック・スタジオ)は、大きな変化球ではなく、Appleがパーソナルコンピューター戦略を進化させ続けていることを示すサインだった。最初のAppleコンピューターの登場から半世紀近くが経過したが、このカテゴリーにはまだ寿命が残っている。

ほんの数年前なら、その言葉に自信を持てなかったと思う。Macはまさに「中年」の危機を迎えていたのだ。iPhoneが、Appleの象徴という意味でも売上シェアでもトップに躍り出て、iPadがその残りを吸収していたのだ。イノベーションという観点からは、macOSはモバイル版の残り物を再利用しているようにしか見えなかった。

一方、ハードウェアの面では、かつて同社の基盤の重要な部分を形成していたプロフェッショナル向けクリエイティブ分野を放棄し、MicrosoftのSurfaceシリーズのような製品が花開く余地を残したように見えていた。一時はTouch Barの追加で再び盛り上がりを見せようとしたが、結局Appleもまぼろしに見切りをつけ、その奇妙な実験を静かに終了させた。

数年前のMacは、訴訟沙汰にもなったキーボードの不良や、ポート不足に悩まされていた。後者をAppleの合理化のせいにすることは簡単だが、だからといって失望は抑えられなかった。

画像クレジット:Brian Heater

しかし、2020年に再びパラダイムシフトが起こった。この変化をもたらしたのはやはり、iPhoneの研究開発の直接的な成果だった。しかし、今回は新しいiOSアプリが追加されたわけではない。この間に、AppleはiPhoneのチップを自社開発へと移行し、Macのハードウェアを飛躍的に向上させたのだ。同社はこれまで、可能な限り単独で物事を進めたがってきたが、自社で主要な半導体(Appleシリコン)を開発したことで、その機会が大きく広がった。

Appleがその半導体をMacにも使うのは時間の問題だった。同社はM1チップを発表し、同時に、MacBook Air、MacBook Pro、Mac Miniの3つの新しいMacを発表してパンデミックの最初の年を終えた。Macは復活した──少なくとも性能の面では──というのがほぼ一致した評価だった。家のリフォームやウェブサイトのリニューアルをしたことがある人ならわかると思うが、解体には時間がかかるものだ。M1のデビュー戦は古い車体に新しいエンジンを搭載したようなものに思えた。

2021年5月、アップルは新しい24インチiMacを発表した。このときは新しい半導体(M1)を新しいデザインの筐体に搭載し、約10年半ぶりにオールインワンマシンを根本的に作り直した。こんなことは1度か2度あるかないかだ。私は、ハードウェアのデバイスを指して「cute(かわいい)」という形容詞を行うことはない。「かわいい」はウサギと赤ん坊のためにある形容詞だ。だが2021年のiMacも「かわいい」のだ。かわいくて、しかも力強い。1年以上、デスクトップを日々の手足として使っているが(以前ほど自宅から出なくなった)、M1の限界を超えたと感じた瞬間は一度もなかった。

画像クレジット:Brian Heater

24インチの画面領域で十分ならば、ほとんどのユーザーには、特に私のようにスペースに制約のあるユーザーには、iMacを心からお勧めできる。個人的な唯一の問題点は黄色にしたことだ。

しかし、あえていうなら、新しいMacの誕生は2021年10月だったのだ。私の話を聞いて欲しい。そのとき発表された最新のMacBook Proは単に新しいハードウェアだっただけではなく、ハードウェアに対する新しいアプローチを提示していた。Appleは、自社のデザイン決定に一心不乱に取り組むあまり、その過程で世論の反発を招くことがしばしばあると言っても、あまり驚かれはしないだろう。iPhone SEに関するDevin記者の熱のこもったエッセイを読めば、私が何を言いたいかわかるはずだ。愛着のある機能を失うこと、それは時には進歩の名の下に、時には美学のために行われるが、いつもおおごとなのだ。

2021年のMacBook Proは、いつもと違う感じがした。それが明らかになったとき、活気のないスタッフの間にそれなりの興奮が巻き起こった。何年も我慢を重ねてきたあとで発表された、新しいM1 ProとMaxチップを搭載したMacは妥協のないものだと感じられた。最近のMacのリリースで散見されてきたような不安要素はなく、Macユーザーにも勧めやすい製品だった。

では、Mac Studioはこの中でどこに位置するのだろうか?一見したときよりも、少々込み入った話になる。1つは、上にも書いたように、この製品の登場が意外だったことだ。先週の時点では、デスクトップは27インチiMacが確実視されていた。すなわち2021年のオールインワンをステップアップさせ、iMac Proの穴を埋めるような製品だ。今にして思えば、それはAppleがM1ロードマップを練り上げ、Mac Proのゆらぎを正している間のつなぎだ。

画像クレジット:Brian Heater

27インチiMacは出るのだろうか?おそらくはノーだ。報告によれば、それはすぐに起こりそうもなく、率直にいってMac Studioと重なる部分が多すぎるものだろう。2021年のモデルでは、iMacはAppleのエントリーレベルのデスクトップとしての正当な位置に事実上返り咲いた(非常に強力なマシンだがM1によって全体の水準が上がってしまったのだ)。そのカラーリングは、iPodやiPhone Miniのような製品の伝統を受け継ぐものであることは間違いない。

画像クレジット:Brian Heater

価格設定も、一見したところでは少々複雑だ。現在、M1 Mac Miniは699ドル(日本では税込7万9800円)から、iMac M1は1299ドル(税込15万4800円)からとなっている。一方、Mac Studioは1999ドル(税込24万9800円)からで、事実上2つの製品を合わせた価格だ。だが、もう少し複雑なのは、この中3つの中ではディスプレイを内蔵しているのはiMacだけだという点だ。要するに、お金を節約したい、あるいはすでに完璧なスクリーンを持っているのであれば、必ずしもApple製のディスプレイを使う必要はないということだ。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

もちろん、このレビューのためには、Appleから送られてきたStudio Display(スタジオ・ディスプレイ)を使っている。これでさらに1599ドル(税込19万9800円)が追加され、開始価格は約3600ドル(税込44万9600円)になる。本当のお金の話はこれからだ。テストした機種はM1 Max搭載だ。32コアのGPU、64GBのRAM、1TBのストレージを搭載し、価格は2799ドル(税込33万7800円)である。M1 Ultraが欲しい?その場合は3999ドル(税込49万9800円)からとなり、7999ドル(税込93万9800円)までとなる。しかし、このような価格帯では、議論しているのは全Macユーザーの0.1%(実際の数字ではない)以下のニーズということになる。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

予想通り、GeekBenchでは2021年のM1 Max Proと遜色ない性能を発揮している。Appleシリコン版テストでは、MacBook Proの1781/12674に対してStudioは1790/12851、Intel版テストではMacBook Proの1348/9949に対してStudioは1337/9975というスコアだった。GFXBench Metalテストでも、MacBookの279.6に対して307と差をつけている。残念ながらUltraチップは入手することができなかったが、それでも結果は非常にすばらしいものだった。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

さらに印象的だったのは、Intelモデル上では非常にリソースを消費するような作業を、Studioではファンをそれほど回すこともなく、触っても暖かくなることもなく実行できたことだ。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

先週のイベントで「最後に1つ」とMac Proを予告したAppleが、これからどこへ行こうとしているのか、気になるところだ。M2チップだろうか?おそらくは。とはいえ、ピクサー映画をフルにレンダリングしたり、本当にハイエンドなVRコンテンツを開発したりする必要のある人はあまりいないだろう。もちろん、そういう人はいるし、これからどんどん増えていくだろう。そして、ノートパソコン以上に、これらのデバイスを将来にわたって使えるようにすることが重要なのだ。3000ドル(約35万6000円)もするデスクトップなら、しばらくは使い続けたいものだ。

新しいMacBook Proと同様に、Mac miniよりもトレードオフは少ない。まず、一番大事なのはポートだ。ポートは重要だ。あなたの機器を他の機器につなげることができる。Studioは、前面にUSB-Cポートを2つとSDリーダーを備えている。特に後者は、頻繁に取り扱うものなので、前面に出しておくと便利だ。裏側には、さらにUSB-Cが4つ、USB-Aが2つ(iMacにはなくなって残念なもの)、Ethernet、ヘッドホン端子、HDMI出力(ただし、入力は不可)がある。Studio Displayを加えると、さらに4ポートのUSB-Cが手に入る。

画像クレジット:Brian Heater

Studio本体以上に、Studio DisplayはAppleのラインアップにある重要な穴を埋めるものだ。思い出して欲しいのだが、Appleは、5000ドル(約60万円)のPro Display XDRが登場するまでしばらくの間、自社製のディスプレイ提供から完全に撤退していた。Mac ProやM1 Ultraと同様、Pro Display XDRはほとんどの人が必要としているものをはるかに上回っているモニターだ。もしあなたがApple製のモニターを手に入れたいと考えているなら、27インチの5K Retina Apple Studioディスプレイはほとんどの人にとって十分なモニターだ。さらに300ドル(税込4万3000円)を足せば、反射防止コーティングとNano-textureガラスを採用し、映り込みが劇的に低減される。これはプロユーザーにもノンプロユーザーにもうれしい仕様だ。

iMac 2021のマイクテスト

Mac Studio 2022(Studio DIsplay)のマイクテスト

マイクの品質は良好で、Appleは「スタジオ品質」と位置づけているものの、ウェブ会議以上のことをするつもりなら、前述のポートのいずれかに外部マイクを接続することをお勧めする。とりわけ、よりタイトに入り込むことができる余裕が生まれるだろう。スピーカーのサウンドは最新のiMacよりも充実しているが、これは広くて厚いフレームのおかげで、下向きに音を出すグリルの表面積を広げることができるからだ。

左上から時計回りに:iMac 2020、iMac 2021、外付けウェブカメラOpal C1、Mac Studio(Studio DIsplay)

AVの観点から見て、一番残念なのは、間違いなくウェブカメラだ。センターフレームは追従性が良いが、最近のM1搭載Macと比べると驚くほど映像画質が落ちている。ホワイトバランスが崩れ、画像ノイズが多くなっている。最初は、誤ってそのままにしてあった保護フィルムをはがせばよいかと思ったが無駄だった。その結果が上の画像だ。1599ドル(税込19万9800円)以上のモニターとしては、かなりがっかりだ。

M1のISP(画像信号プロセッサー)に注力し、カメラそのものをアップデートしたので、新しいMacでは外付けのウェブカメラは必要ないとAppleが最近主張していることが、この状況をさらに悪化させている。上の画像を見れば、その意味は明らかだろう。少なくとも今のところ、仕事のインタビューやポッドキャストでは外付けカメラを使い続けるだろう(同じような照明条件で撮影しているが、Opalはデフォルトで画像を反転させることに注意して欲しい)。修正版が出たら、喜んで再挑戦する。

画像クレジット:Apple

カメラモジュールは事実上、新しいiPadに搭載されているものと同じなので、システムアップデートで修正されるのを期待したい。このようなシステムのチューニングは、ソフトウェア側で行われる場合が多いからだ。Matthew記者もStudioをしばらく使っていて、近々公開されるハードウェアに関する大きな記事の一部として、Studioについて説明する予定だ。その一部を引用する。

私たちが行ったテストでは、Studio Displayのカメラは、ローカルでもリモートでも、粒子が粗く、コントラストが低く、全体的に貧弱な画像を生成した。目の前の画像は、現時点では、2021年型24インチiMacのカメラが出力する画像よりも悪い。

ウェブカメラを初めて起動したときに、すぐに品質の問題に気づいた。他のデバイスともつないで確認したところ、MacOS 12.2を搭載したMacBook Proで使った場合、すばらしいとまではいえないものの、若干良くなることに気がついた。こうした違いがあることから、何らかの処理ミスがあるのではと推測している。私はAppleに、この結果が典型的なものであるかどうかを尋ね、サンプル画像とビデオを送った。検討の結果、Appleの広報担当者からは、システムが期待どおりの動作をしていないことと、カメラの性能に対応するためのアップデートを行うことが伝えられた。

それらのアップデートのタイムラインや具体的な内容はわからないが、AppleはStudio Displayのカメラ画質に問題があることを認識しており、修正に取り組んでいるとのことだった。このことは、購入の判断材料として知っておいて損はないし、アップデートで品質が向上するかどうかを確認できるまで待つ理由にもなる。

現時点では、ディスプレイ本体やインモニターオーディオの新基準を打ち立てたスピーカーの優れた性能に並ぶことはできない。

画像クレジット:Apple

Appleが「修理する権利」に関心を持ち始め、サステナビリティへの関心を広げている中で、ユーザー修理性は機会を逸したように思える。ケースを持ち上げて内側からファンを掃除したり、パーツを交換したりすることができれば、多くのユーザーにとってうれしい方向に向かうと思われる。しかし、Appleはその点については、まだコミットメントの準備が整っていない。必要が生じた場合には、ユーザーはApple正規代理店に持ち込む必要がありそうだ。つまり、おそらくWWDCで登場するだろうMac Proでは、モジュール性とアップグレード性が大きな差別化要因になる可能性が高いということだ。

画像クレジット:Brian Heater

iMacと同様に、Studioもデスクトップに置いて見栄えがする。背の高いMac Miniという形容が最も近いデザインで、Mini同様に丸みを帯びたコーナーとブラッシュドアルミニウムが特徴だ。最高にデザインされたMacと同じように、それはインダストリアルでありながら、冷たくはなく、同じアルミニウム製スタンドの上に置かれたStudio Displayの隣に置けば印象的だ。高さを調節できるスタンドオプション(2299ドル、税込4万4000円)や、縦長に傾けられるVesta Mountアダプターもある。少なくとも1人のTechCrunch編集者は、2台目のTweetdeck(ツイートデック)用モニターとして、これを欲しがると思う。

また、最大5台のモニター(USB-C経由で4台、HDMI経由で1台の4K)に対応し、その点でも大いに期待できる。今、Macに5台のスクリーンを接続する習慣がなくても事態はすぐに進展するものだ。テストしているStudioは、2799ドル(税込33万7800円)の構成だ。これに1899ドル(税込24万2800円)のディスプレイ(Nano-textureガラス版)を加えると、4700ドル程度(税込58万600円)になる。これに、Touch IDと数字パッドを備えた新しい黒いキーボード(税込2万800円)に、マウス / トラックパッド(99ドル[税込1万800円] / 149ドル[税込1万5800円])を追加すると良いだろう。気の弱い人や財布の薄い人には向かないマシンだ。

前回試用したIntel搭載27インチiMacより数百ドル(数万円)高く、単体のPro Display XDRとほぼ同じ価格だ。まあすべては相対的だよね?

Appleは、在宅勤務の推進に乗り遅れたことを反省しているに違いない。もし、新しいiMacとMac Studioが2020年の初めか半ばに発売されていたら、同社は大儲けしていたことだろう。しかし、それでも多くの人がオフィスに戻る日は来ないかもしれない。多くのユーザーはやはりiMacを選ぶだろう。しかし、映像や音楽など、リソースを大量に消費するクリエイティブな編集を行い、より大きな予算を持っているなら、これはすばらしいマシンだ。Mac Proは現時点では最後のクエスチョンマークだが、新しいStudioはほとんどの購入希望者にとって十分なマシンだ。

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:Brian Heater

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:sako)

【レビュー】iPad Air(2022)はアップルのM1チップを入手するための最も手頃な方法

正直に言えば、このiPad Airには最初少し戸惑った。AppleのiPadのラインナップは、追加されるたびに、さらに多くの価格帯を埋め尽くし、競合他社が参入する余地を少なくしている。しかもそれだけではなく、ラインナップも複雑化させている。

適正なデバイスを買おうとしている消費者にとって、2022年のiPadは少し戸惑いを招く。もし安価なものが欲しいなら、普通のiPadを買えばよい。子ども用に買うものだ。ハイエンドならiPad Proを黙って選ぶだけだ。オフィスで使う人やクリエイティブな仕事をしている人、ノートパソコンの代わりとして使っている人などがその対象となる。

今回登場した、AppleのM1チップを搭載したiPad Airは、これまでの機種以上にパワフルなものになった。最も厳しいものを除くほぼすべての操作で、iPad Proに匹敵する性能を発揮する。ベンチマークの結果をみる限り、中間程度のグレードが欲しい人にとって、iPad Proより200ドル(約2万4000円)安い新しいiPad Air(日本では税込7万4800円から)は、最高のパフォーマンスオプションになる。では、200ドルと引き換えに何を失っているのか?(なお日本のストアでの価格差は2万円)。ディスプレイには、円滑な表示を行う120hz対応のProMotion(プロモーション)技術が搭載されていない。iPad Proの強化されたカメラアレイも搭載されていない。

また、ストレージ量もおおよそ半分だ。おそらくこれが、iPad Airをラインナップに並べる際の最大の弱点だろう。まあ次のiPadとの価格差がこれだけあれば、基本構成で64GBのストレージしか搭載していない理由も納得だ。しかし、基本構成より上を考え始めると、iPad Proに飛びつかない理由を見つけることはすぐに難しくなる。

そのことは後で少し考えることにして、まずは新しい機能と仕組みについて整理しておこう。

まず、Appleの第1世代「インハウス」シリコンであるM1が手に入る。これはすごい。2021年M1を採用したiPad Proのラインアップと基本的に同じ性能ということだ。そして従来のiPad Airと比較して、約60%のスピードアップ が果たされている。この性能は、M1版MacBook Airに匹敵するもので、それほど驚くべきことではない。だが、ミドルレンジのiPadで大きな性能ロスがないのはうれしい。

フロントカメラも12MPにアップグレードされ、以前のAirから確実に改善されている。FaceTime(フェイスタイム)には、2021年のiPad Proで採用されたセンターフレーム機能の強化が施されている。他のレビューでも書いたように、これはビデオチャットを頻繁にする人にとっては、かなりの改善につながる。iPad Airをランドスケープモードにしたときに、自動トリミング機能とトラッキング機能によって、カメラの片側が空く奇妙な配置が軽減されるからだ。全体的に角度が自然で、ぎこちない感じがしない。色合いやコントラストに関わるビデオ通話品質も向上している。

画像クレジット:Matthew Panzarino

以上のことから、iPad Airは、Appleが現在市場に出しているFaceTimeデバイスの中でも高性能で多機能なものの1つになった。

2022年のカラーも注目すべきだ。私はブルーモデルを試用したが、これまでのブルー仕上げの中でも特にきれいで良い仕上がりだった。明るく、きらびやかで、本当にきれいに仕上げられている。基調講演を見ていたときには色に少し疑問を感じたが、実際に見てみるととても良いものだ。

画像クレジット:Matthew Panzarino

Touch IDはこれまで同様に高速に動作し、起動時に2本の指を登録するよう促されるため、初めてのユーザーにとっては、縦向きでも横向きでも、腕を捻ることなしに簡単にiPadのロックを解除できるようになるはずだ。利便性やシームレスさではFace IDに勝てないが、Touch IDが電源ボタンに搭載されたことで、ほとんどのユーザーにとっては大きな違いを感じさせないものになった。

AppleのiPhone以外のポータブルラインナップでのUSB-Cへの切り替えは、2020年のiPad Airで行われた。USB-Cの普及にともない、必要ならどこでもiPadを充電することがこれまで以上に簡単にできるようになった。デスクトップとの同期・転送を試したところ、Lightning対応デバイスよりもはるかに速いことがわかった。でも、これを行うカジュアルな消費者の数は日々減っていると思う。それよりも、MDMソリューションを使用してメンテナンスと導入を行うために、ドッキングされたiPadを定期的に消去して再インストールする可能性のある法人顧客にとって、これははるかに重要な問題だ。そのような顧客は、今回のiPadがより速く、より汎用的なポートを手に入れたことを大いに喜ぶだろう。

最後のポイントは、iPad Airの位置付けに関する質問の核心を浮かび上がらせる。iPad Proを800ドル(日本では税込9万4800円)で買う代わりにiPad Airを600ドル(日本では税込7万4800円)で買う顧客は誰だろうか?

Creative Strategies(クリエイティブ・ストラテジーズ)のCEOで主席アナリストのBen Bajarin(ベン・バジャリン)氏は、iPad Airの市場について「iPad Airは、高等教育機関や最前線で働く人々や高度なモバイルワーク環境で働く人々が有能なタブレットを必要とする一部の企業で、良い市場を見つけたと思います」と語る。

「M1を搭載した新しいiPad Airは、性能の向上と優れたバッテリーライフによって、さらに多くの法人購入者にアピールするでしょう」。

画像クレジット:Matthew Panzarino

さて、200ドル(約2万4000円)が200ドルであるということも重要なポイントだと思う。これは決して少なくない金額だ。また、バジャリン氏が指摘するように、このデバイスの顧客の多くが大規模なデプロイメントのために購入するのであれば、その差額の累積はすぐに大きなものとなる。

また個人で購入する場合、予算が限られていて、Proとの価格差にどうしても抵抗がある場合には、これとキーボードがあれば、Proが提供する機能の9割は手に入れることができる。これまでProMotionを使ったことがなければ、おそらく物足りなく思うことはないだろう。しかし、もし使ったことがあるなら、大きな喪失を感じることになる。iPad Proと並べてテストしたところ、ProMotionは、特に長時間のブラウジングやゲーム、ドローイングなどを行う際の使い勝手で、明らかに優位であることがわかった。高級なディスプレイほど高価で、実現が難しいのには理由があるのだ。とにかく優れている。しかし、AppleのLiquid Retina(リキッドレティナ)ディスプレイの色再現性などは、ここでもしっかりと発揮されている。

iPad Airと11インチのiPad Proは価格も性能も近く、iPad Miniも価格的にはそれに続いているため、400ドル(約4万7000円)を超えるあたりから、ラインナップが少し混み合ってくる感じがする。しかし、価格的な位置付けはさておき、iPad Airは非常に高機能で、しっかりした感触があり、使い心地の良いデバイスだ。繰り返しになるが、ProMotionを搭載したスクリーン、特に10インチ以上のスクリーンを使う機会がない方は、ここでは違いを感じないかもしれない。

画像クレジット:Matthew Panzarino

現在、iPadのラインナップが少し混雑していると感じる理由の1つは、AppleのiPad Proの2022年版モデルがどのようなものかまだ見えていないことだ。第3四半期になったら、新しいモデルが登場し、機能強化が図られ、小型のiPad ProとiPad Airの価格差が少し広がる可能性は十分にある。

2021年登場したiPad miniに、ヒントを見ることができるかもしれない。もちろんマジックキーボードはないが、主に本を読んだり、ビデオを見たり、メディア消費のための携行デバイスとして使ったりしている人にとっては、miniはすばらしい選択肢だ。iPad miniは最安のモデルではないので、低価格のiPadとまったく競合することなく、高価で高機能なものにすることができる境界に居るという点で興味深い。しかしiPad Airは、上のProと下のminiに同時に競合している。

そして2022年も、毎年と同じように、Appleのタブレット端末のラインナップは、市場で購入する価値のある唯一の製品であるという事実に立ち返ることになる。たとえ日頃はAndroidを中心とした携帯電話を使っていたとしても、他のプラットフォームを試してみたいと思っても、iPadのような機能、使い方、信頼性を提供するタブレット端末の選択肢は他にない。

そのためAirは、価格は似ているものの、(依然として売れ筋の)エントリーレベルの第9世代iPadを除けば、Appleのベストセラーの1つになる可能性があるので興味深い。とはいうものの、11インチiPad Proは、ストレージ容量とより良い画面を考えると、予算に敏感なユーザーの一部を誘惑するのに十分な価格に近い存在だ。

関連記事:【レビュー】iPhone SE(第3世代)は観念的なスマートフォンの理想像

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:FMatthew Panzarino

原文へ

(文:Matthew Panzarino、翻訳:sako)

【レビュー】Apple Studio Display、発売と同時に注文することにためらいはなかった

Apple(アップル)は同社の3月イベントで、Studio Displayを発表した。27インチの外部モニターで、価格は1599ドル(日本での価格は税込19万9800円)からと、これまで同社唯一のモニターだった、Pro Display XDR(5000ドル[税込58万2780円]から)から大きく引き下げられた。

Studio Displayの発表は、Appleが10年以上前に発売し、ディスプレイ事業を完全撤退した2016年に販売が中止された人気のThunderbolt Displayの後継機を待ちわびていた多くの人たちにとってビッグニュースだった。テック業界では多くのプロダクトデザイナーが、限られた解像度と時代遅れのポートにもかかわらずThunderbolt Displayを手放すことを拒み、いつかAppleが後継機を出すことを期待して使い続けていることを私は知っている。

AppleがThunderbolt Displayの販売を中止したとき、市場に大きなギャップを残した。当時、ウェブカム、マイクロホン、スピーカー、(プラス)USBポートをすべて備えたオールインワンのディスプレイは、事実上ゼロだった。LG(エルジー)のUltrafineは1つのソリューションとしてAppleも推奨していたが、製造品質、信頼性、接続性ともにThunderbolt Displayと比べて劣っていた。新しいUSB-Cポートを備えてはいたが。

2020年、パンデミックのためにテック業界がフルタイムのリモートワークに切り替えた時、新しいモニターを物色していた私は、オールインワン外部ディスプレイの選択肢が少ないことに驚かされた。ほとんどの新しいコンピューターにUSB-Cが装備され、高速通信とディスプレイ接続と充電が1本のケーブルでできるようになり、私はモニターメーカー各社がThunder Displayの成功の再現を狙うだろうと予測していた。しかし、私が探したなかで選択肢はごくわずかしかなく、結局単なる4Kモニターと、Logitech(ロジテック、日本ではロジクール)のウェブカム、USBハブ、マイクロフォンを別々に買うことになった。

Appleの新しいStudio Displayはその答えであり、10年待たされた結果の仕様はあらゆる期待に答えるものだった。5Kディスプレイ(5120×2880ピクセル)はリフレッシュレート60Hz、P3ワイドカラーガムートで、12メガピクセルのウェブカムと、あらゆる周辺機器をつなげるUSB-Cポートを3基備えている。MacBookと1本のThunderbolt 3 USB-Cケーブルで接続可能で、(さらに)使用中に充電もできる。

画像クレジット:Apple

ライバルとの差を際立たせているのは、現在購入可能な5K解像度の数少ない選択肢の1つであるからだけでなく、AppleがA13プロセッサーを搭載して、室内の周囲の照明に基づいて色温度を調整するTrue Toneや、人物の動きに合わせてウェブカムが被写体を追跡するセンターフレームなどの機能を付加していることだ。ありふれたことと思うかもしれないが、他にも輝度、音量、その他の機能はMacのキーボードからホットキーで直接制御可能であり、モニターに組み込まれた謎めいたオンスクリーンメニューをたどらなくてすむのは、クオリティー・オブ・ライフの大きな向上である。

ネットで最もよくみかけるこの新型モニターに対する不満は、最新のコンピューターに見られるApple ProMotionテクノロジーに対応しておらず、バターのようなとしか表現できない高い最大リフレッシュレート(120hz)が利用できないことだ。しかしこれは今後もサポートされる見込みはない、なぜならこの能力を引き出すために必要なポート・スループットがまだ存在していないからだ。5K解像度を120 hzでリフレッシュするには53.08Gbpsが必要だが、Thunderbolt 3/4は1本のケーブルで40Gpsしか扱えない。このレベルのスピードは、Thunderbolt 5標準に採用されるといわれているが、公式発表はされておらず、どのコンピューターにも搭載されていない。


1599ドルの基本価格にたじろぐ人も多いが、高解像度で忠実な色再現のディスプレイが必要で、一日のほとんどを画面の前で過ごす人、特に在宅勤務の人たちにとって十分な価値があると私は言いたい。私を含め、プロダクトデザインに携わる者にとっては特にそうだが、一日中オンライン・ミーティングに出席し、余計なアクセサリーを手放したい人にもおすすめだ。

ケーブル1本でつなげて、ビデオ通話のためにウェブカムとマイクロフォンとスピーカーの準備ができていることは、ノートパソコンを取り外すたびにあちこちいじりまわすのと比べて大きな改善だ。組み込み型マイクロフォンはノイズキャンセリングに最適化されているので、多人数のビデオ会議でスピーカーを使うのにもうれしい。リモートワークの社員を雇う会社にとって、買うべきアクセサリーが全部ついているモニターを1台送ればすむので、企業ユーザーにとっても人気の選択肢になる可能性が高い。

Studio Displayは高いか?そのとおり。しかしこれは1日中使う可能性の高い道具への投資であり、Thunderbolt Displayの歴史が参考になるとすれば、今後長らく使うことになるだろう。私も1599ドルを「スクリーン」につぎ込むことなど考えたことがなかったが、発売と同時に注文することにためらいはなかった。できの悪いスクリーンの上にウェブカムを不安定にとまらせ続けるには人生は短すぎる。

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Owen Williams、翻訳:Nob Takahashi / facebook

【レビュー】iPhone SE(第3世代)「Touch IDよ永遠に、Face IDよ無縁に」

Appleは、地球全体に広がるぜいたくなビックリハウスの格安チケットを提供し続けることを、ありがたくも決断した。それはiPhone SE(第3世代)。もしこの有益な商品が販売中止になっていたら、私はiPadに乗り換えるかAndroidに戻るしかなかった。なぜなら、代わりになるべきiPhoneには醜い切り欠きとFace IDが必ず付いてくるからだ。幸い、新しいSEは我々分別ある人々の思いを遂げさせてくれるだろう。ただし、Appleが(USB-AやSDカードスロットでやったように)Touch IDの位置づけを考え直すまでは、

なぜ私や、その他見識ある人たちはSEを選ぶのか?まあ、たしかに一番安く手に入るiPhoneだというのはある。一部の人たちの議論はそこに始まり、そこに終わる。それ以外の人にとって、決め手はTouch IDだ。しかし、他にも、高いお金を払って手に入るものにそれだけの価値があるのか、という合理的な疑問がある。

大きい画面?たしかに、しかしそれが邪魔になる人もいる。SEは、Appleが作った史上最高傑作だった頃ほどポケットにやさしくないかもしれないが、世に出ている多くと比べると、かなりほっそりしている。そして「全部を画面」にするアイデアも、私にアピールしたことはない。そのためにボタンのあるべき位置の画面の角は丸くなり、上端の一部は切り取られている。いりません。

カメラが増えて良くなった?私はここで「640KBあれば十分」的議論をするつもりはない(それは90年代の連中)、しかしカメラ品質はすでに飽和状態に達していて、SEのカメラ(前の世代のことを言っている)は、我々が普通に写真を撮る上で必要なことを十分こなしている。

正直になろう。ほとんどの人にとって、手のひらより大きいiPhoneの写真を見るのはAppleイベントのときだけだ。iPhone 13 Proのカメラがすばらしいのは確かだ。しかし、すべてはInstagram(インスタグラム)で3/4秒間、5インチ画面で60cm離れて見れるようになる。携帯カメラで良い結果を手に入れたい人は、過去数年間に発売されたどの携帯でも使える。


他には……計算能力?スマホで大量のビデオ編集やエフェクト作業をしますか?それとも、ほとんどがメッセージとソーシャルメディアと、おそらくハイエンドのグラフ電卓でも動くであろうカジュアルゲームですか?アプリをすばやく切り替えられて、重いウェブサービスでもダウンしないのはすばらしいことだが、CPUチップははるか昔にその境界を超えている。

AppleがA11、A12、A13 Bionic(バイオニック)などの新しいプロセッサーを出すたびにいっていることを思い出して欲しい。2倍速くなった!4倍速くなった!6倍速くなった!この数字は累積していることをお忘れなく。我々のスマートフォンは、数年前よりも約1000倍速くなっていることになる。あなたは1000倍速く感じるだろうか?ノー。なぜならみんながスマホでやっていることは、1000倍速くなる「必要」がないからだ。もちろん、もっと見えにくいプロセス、例えば Computational Photography(計算写真学)や言語エンジンなど、専用チップによって可能になったものもあるが、過去数年、スマートフォンで性能が問題になったことはほとんどない。

そして、Face IDだ。はい、これを好きな人たちがいることを私は知っている。しかし、そうでない人がたくさんいる。理由の一部は不気味さだ、顔で、ほんとに?おそらくそれは古い考えなのだろう。しかし、もっと大きい理由は実用性だ。実に多くの場面で、スマホをアンロックするのに親指(あるいはそれ以外の指)を使う方が、正対して画面を見つめるよりもありがたい。その逆が真であるケースはごくごく稀である、少なとも私にとって。


アンロック機構が、常時オンの顔スキャナーだと、それはユーザーの制御範囲を超えている。有効に「したくない」ときはどうするのか?指紋スキャナーに指を置くことは意図的行動であり、スマホをアンロックしたいといユーザーの明確な意志だ。ポケットの中でもできるし、デスクに置いたままでも使える、どちらの手を使っても。それはシンプル、かつうまくいく。スマホを手に持って見つめることは、ほとんどの人が1日の半分、いずれにせよ、やっていることだ。そこにユーザーの意図はあるのだろうか?

ボタンと安全に持つためのベゼルのあるデザインチョイスも悪くない。発売以来、iPhoneの大きな魅力はホームボタンがもたらす簡潔さだった。何をしているときでも、電話で話しているときも、ゲーム中でも、仕事の文書を読んでいる時でも、あのボタンさえ押せば画面は消えてホームに戻る。ボタンがあることは「良い」ことである。

関連記事:最近のiPhoneは不細工

実際私はiPhone 6~8のデザインを好きになったことはない。まるでジェリービーンズみたいだ。それでも最近のよりはマシだ。私は古い5sのデザインか、なんなら13 miniのフォームファクターで切り欠きのないのに変えたい、ただしTouch IDがあれば。Touch IDが最初に出てきた時、我々は懐疑的だったが、すぐにセキュリティと利便性のベストバランスな方法になった。

私はAppleが過去数年付け足してきた機能のほとんどすべてを、本当にとうでもいいと思っている。反対する人が大勢いることは知っているし、幸い最新機種はその人たちにとってすばらしいものになりそうだ。しかし、そこに選択肢がある限り、私はTouch IDの付いた伝統的スタイルを選ぶ。

もちろん、これまで書いてきたことが少々硬直な印象を与えていることはわかっている。それは構わない。私は硬いパンの耳が好きだし、あなただってそうかもしれない。さあ、私と一緒に雲に向かって叫ぼう!

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:

原文へ

(文:Devin Coldewey、翻訳:Nob Takahashi / facebook

高価な新型Macでもアップルの株価を救えなかった

TechCrunchでは、Apple(アップル)の株価を同社の主要イベントの最中と終了後に注目するのが習わしだ。なぜか?それが楽しいからであり、会社のニュースが会社の実際の金銭的価値に与える影響を常に気にしているからだ。その答えはほとんどの場合は、ごく「ごく」わずかだ。

読者は驚くかもしれない。何といっても、Appleはこのイベントで新しいハードウェアとソフトウェアの詳細を説明し、それは今後の四半期に同社が売らんとする商品が投資家たちの目の前で初めて披露されることを意味しているのだから。たしかに、Appleは以前よりも多くをリークしているが、それはすべてが事前に知らされているという意味ではない……イベントはやはりイベントだ。

なぜ投資家は製品のことを気にかけないのか?これはまだはっきりはしていないが、あるデータによればAppleはおよそクルマ以外どんなものでも発売できるが、それでも資本階級からは無視されるかもしれないという。

ともあれ、Appleの株価のグラフを下に載せた、特別なゲストのデータとともに。


市場にとって大荒れの1日だった。株価が下がった!今度は上がった!そしてまた下がった!この日にティッカーシンボルを追いかけていた人は、この時点でお気に入りの向精神薬に手を伸ばしたとしても責められない。それに値する状況だった。

AppleとIntel(インテル)の1日の値動きを並べた上のグラフには、同じような乱高下が見られる。なぜこの2社なのか?それはAppleが独自CPUに関する「たくさんの」情報を公開したからだ。そこは、かつてIntelが支配したところになんの見通しも立たないと思われていた市場ポジションから参入した分野だ。それでもAppleはこの日、さらに新しいチップとそれを内蔵する新しいコンピュータを発表したおかげで多くの見出しを飾った。

つまり、Appleが上がれば、Intelが下がる?だろうか?AppleがM1 Ultraチップを発表した時、Intelの株価にちょっとした動きが見られたので、私は2つ同時にグラフに書き始め、メモのタイミングをチェックすることなくあとで変化を調べることにした。

通常取引終了時、Intelが実は先行していた。「Apple」がちょっといいシリコンを発表した後だ。

株式市場というのはは無意味な乱数発生器なのか?いや、そういうわけではない。しかし、上のグラフは、株式市場とは実際何なのか、を理解するためのヒントを与えてくれる、少なくとも大企業に関して。すなわち、株価は百万台の吸血コンピューターに駆動されたマクロ感情エンジンであり、新しい携帯電話のようにありふれたものには動かされず、動かしているのは錬金術のようなアナリスト予測と最近発表された株式買い戻し(借金でまかなわれる、もちろん)だからだ。

投資家たちは今日のAppleの発表に注目しなかったが、私は投資家が今日のAppleの発表に注目「しなかった」ことに注目した。以下に示すのはイベントでの私のメモ(タイポを含む)だ。

+1.57% at start(スタート時)

Naz +2.11% [rebound!](NAZ株式ファンド、リバウンド!)

stocks going up, now 1.98% AAPL(アップル株上昇中)

new iphone colors LOL(iPhoneの新色 爆笑)

apple silicon — new daoly high +2.19(Appleシリコン発表、本日最高値)

Now into the Iphoen and ipad news — back down to 1.77% = naz +2.3%(iPhoneとiPadのニュース、再下落)

Chips — naz falling some, apple now up just 1.1%(チップ、NAZやや下げ、Apple株1.1%アップ)

Talking chips with randos, now just up 1% — naz 1.27%(いろいろな人のチップの話、1%アップ)

new Mac Studio — now up jsut 0.66% — naz 1.13(新しいMac Studio、0.66%アップ)

INTEL LOST GROUND AT 1:20 — around chip timing?(INTELが1:20に下落、チップのタイミング付近?)

new max expensive(新しい max 高い)

次のAppleイベントでも「大切なものはあるかな」の記事でまたお会いしましょう。

原文へ

(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルが「Peek Performance」で発表した最大のニュースまとめ

Apple(アップル)イベントの日がやってきた!Appleが(再びリモート / バーチャル)ステージに立ち、最近舞台裏で取り組んでいたことのすべてを明らかにする日だ。

ライブ配信を見る時間がなかった?大丈夫、我々がいる。今日の最大のニュースをすべて取り上げ、サラッと流し読みできるよう1つのパッケージにまとめた。気になる話題があればリンクをたどってさらに深く掘り下げ、それ以外は読み飛ばせばいい。エンジョイ!

新型iPhoneSE(第3世代)

画像クレジット:Apple

Appleのお財布に優しいiPhone、iPhone SEがアップグレードされた。A15 Bionic(iPhone13と同じチップ)を搭載し、ライブテキスト(カメラの画像から現実世界の文字をコピーする機能)のような処理ができるようになるとのこと。5Gに対応し、バッテリーの持ちも「向上」した。主に昔のiPhoneが懐かしいと思う人たちのために、4.7インチのディスプレイで(iPhone 13と同じ、より耐久性の高いガラスにアップグレードされた)、まだホームボタンがある(指紋リーダー付き)。

価格は429ドル(日本での価格は税込5万7800円)からで、3月18日に発売予定。

画像クレジット:Apple

関連記事:iPhone SEが税込5万7800円で再登場、クラシックなデザインはそのままTouch ID搭載

新型iPad Air

画像クレジット:Apple

Appleがノートパソコン製品ラインに最初に搭載した特注チップがこの最新世代に採用され、iPad AirがM1になる。また、広角の前面カメラが部屋の中をパンして、ビデオ通話中に自動的にユーザーの顔をフレームの中心に保つセンターフレーム機能もAirに搭載されている。

この最新世代のiPad Airは599ドル(日本での価格は税込7万4800円)からで、3月18日に出荷開始される予定だ。新しいiPad Airに関する詳しい記事はこちら

関連記事:アップルが「M1チップ」搭載のiPad Air 5を発表、ノートパソコンの代わりに

M1 Ultra

画像クレジット:Apple

Appleがまた新しいシリコンを手に入れた!ただしM1からM2へのジャンプではなく「M1 Ultra」でM1ラインを拡張した。つまり現在、M1、M1 Pro、M1 Max、M1 Ultraがある。基本的には2つのM1 Maxをブリッジして、OSからは1つのチップに見えるようにしたもので、超高効率でとんでもないパフォーマンスをもたらす。

M1 Ultraについての詳しい記事はこちら。しかし、Appleはこれをどこに入れるのだろうか?まず、M1 Ultraは新型の……..

関連記事:アップルがM1シリーズ最上位版「M1 Ultra」を発表

Mac Studio

画像クレジット:Apple

7.7×7.7×3.7インチ(19.7×19.7×9.4cm)という大きさのMac Studioは、まるでMac Miniが……そんなにMiniでなくなったようなデザインだ。Appleによれば、この新しいマシンはM1 Ultraのおかげで、CPUの処理速度が最速の27インチiMacの2.5倍、16コアXeonプロセッサを搭載したMac Proよりも50%速くなっているとのこと。

背面には、4つのThunderbolt 4 / USB-Cポート、10Gbイーサネットポート、HDMIポート、2つのUSB-Aポート、オーディオジャックを備えている。前面にはさらに2つのUSB-Cポート、SDスロットがある。

M1 Max搭載のMac Studioは1999ドル(日本での価格は税込24万9800円)から、ピカピカの新しいM1 Ultra搭載の場合は3999ドル(日本での価格は税込49万9800円)から。3月18日に出荷を開始する。詳しい記事はこちら

画像クレジット:Apple

関連記事:アップル、まったく新しいMac「Mac Studio」を発表

Studio Display

画像クレジット:Apple

新しいAppleディスプレイを待っていた方には朗報。Studio Displayと名付けられた最新モデルは、27インチの5Kディスプレイだ。12MP超広角カメラ(センターフレーム対応)内蔵、3マイクアレイ、空間オーディオに対応した6スピーカーサウンドシステムを搭載している。背面には3つのUSB-Cポートに加え、Thunderboltポートを1つ搭載している。Appleによると、傾斜スタンド、傾斜 / 高さ調整可能なスタンド、VESAマウントオプションと、複数の異なるマウントオプションが用意されるとのこと。

Studio Displayの価格は1599ドル(日本での価格は税込19万9800円)から。他の製品同様、3月18日に出荷開始予定だ。Studio Displayの詳細については、こちらの記事で読んでいただける。

画像クレジット:Apple

関連記事:アップルの新27インチStudio Displayはほぼ本体のないiMac

その他の発表

画像クレジット:Apple

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:Den Nakano

原文へ

(文:Greg Kumparak、翻訳:Den Nakano)

アップルの新27インチStudio Displayはほぼ本体のないiMac

Apple(アップル)は米国時間3月8日、プロセッサー、高品質スピーカー、マイクアレイ、高品質カメラ、3つのUSB-Cポート、Thunderboltによる96W給電機能を詰め込んだ1599ドル(日本での価格は税込19万9800円)のディスプレイを発表した。そう、もちろんディスプレイもついている。

同社はこれまで、ディスプレイに関しては、発表しては一連のオプションを忘れるという、不思議で波瀾万丈な歴史を歩んできた。Apple Cinema DisplayThunderbolt Displayはどちらも発表されたものの、非常に遅い更新サイクルと圧倒的なスペック、法外な価格でもってすぐに端に追いやられた。AppleのPro Display XDRは数年前に発売され、32インチのRetina 6K解像度と超高コントラストというとんでもないスペックを有していたが、標準のガラスバージョンで4999ドル(日本での価格は税込58万2780円)、反射を抑えるナノテクスチャガラスバージョンで5999ドル(同65万9780円)と目を疑う値段だ。

Apple Studio Displayは、まったく異なるユーザー向けのもので、1599ドルという価格も決して安いものではないが、実に重要なことを行っている。発表されたばかりのMac Studioと組み合わせることで、スクリーンとコンピュータを切り離すことができる。環境問題に熱心に取り組む企業にとって、これは願ってもないことだ。画面はまだ完璧な状態なのに、プロセッサが冬の糖蜜のように遅いという理由で筆者が手放した数々のiMacは、果てしないフラストレーションの源だった。Appleのエコシステムの中にいながら、スクリーンだけ、あるいはワークステーションの頭脳だけをアップグレードできるというのは、長い間待ち望まれていたことだ。

新ディスプレイは、発表内容を見る限りとても印象的だ。12メガピクセルの超広角カメラを搭載し、センターフレームに対応している。つまり、あなたがスティーブ・ジョブス氏のような基調講演をしながら歩き回るのを、このカメラは部屋の中で追いかけ回すことができる。これは、AppleがiPadに搭載しているカメラと同じものだ。3つのマイクアレイを内蔵し、これまで以上にクリアな音質を実現していて、フィルタリング技術を使って入れたくない音声を減らすこともできる。そして、これまで出荷した中で最高のスピーカーと同社が表現する、6つのスピーカーによるサウンドシステムを搭載している。チップがスクリーンに内蔵されていて、ディスプレイがマルチチャンネルのサラウンドサウンドを分割し、ステレオスピーカーのセットを接続した場合よりも没入感のある体験を生み出すことができる。また、Dolby Atmosによる音声や音楽の空間オーディオにも対応している。

ディスプレイには10Gps通信に対応する3つのUSB-Cポートが搭載されていて、ハードドライブや録画機器などの高速アクセサリーを取り付けることができる。また、96Wで給電できるThunderboltポートがあり、Appleのノートパソコン全機種をディスプレイから直接充電することが可能だ。

そして、そう、画面もついている。輝度600ニト、広色域の27インチ5K retinaディスプレイを搭載している。そのスペックは、現行モデルのiMacに搭載されているものと疑わしいほど似通っている。スクリーンは全アルミニウム製の躯体で、反射を抑えるNano-textureガラスもオプションで用意されている他、VESAマウントなど各種スタンドやマウントのオプションもある。

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Nariko Mizoguchi

Apple TV+が初のスポーツライブ配信契約でMLBの試合を毎週配信へ、日本でも視聴可能

Apple(アップル)が、Apple TV+のストリーミング・サービスのための新しいスポーツ契約を「積極的に探している」という報道が流れされていたが、米国時間3月8日、同社は多数のMLB(メジャーリーグベースボール)の試合をApple TV+で独占配信すると発表した。同社によると、レギュラーシーズン中の金曜日の夜に、ファンは2試合を視聴することが可能で、試合前と試合後の番組も放送される予定だという。

米国時間3月8日に行われたAppleとMLBの共同発表によれば、8カ国で試合と番組が視聴できるようになるとのことだ。8カ国に含まれるのは米国、カナダ、オーストラリア、ブラジル、日本、メキシコ、プエルトリコ、韓国、英国だが、Appleは後日、このサービスをより多くの国に拡大する予定だと述べている。

Appleが「Friday Night Baseball(フライデー・ナイト・ベースボール)」と名付けた番組に加え、米国のファンは、ハイライトやクリップを含む新しいライブ番組「MLB Big Inning(MLBビッグ・イニング)」を、レギュラーシーズン中に毎晩視聴できるようになる。また、米国とカナダのファンは、MLBの試合リプレイ、ニュース、分析、ハイライト、クラシックゲームなどを含む24時間365日の新しいライブストリームと、ハイライトやその他のMLBオリジナルコンテンツを含むオンデマンド番組にアクセスすることができるようになる。

試合や番組はApple TV+のサービスを通じて配信され、地域の放送規制の影響を受けない、とAppleは指摘している。Apple TV+は、AppleのiPhone、iPad、Mac、Apple TVなどのデバイス、ウェブサイトtv.apple.comに加え、パートナー契約を通じて他のゲーム機やスマートテレビ、一部のケーブルテレビのセットトップボックス(STB)など、あらゆるデバイスで視聴することが可能だ。

特にMLBの試合は、Apple TV+のストリーミングサービスにユーザーを惹きつける役割を果たすだろう。Appleによると、試合はサブスクリプションなしでも「期間限定」で視聴できるようになるという。

Appleのサービス担当副社長であるPeter Stern(ピーター・スターン)氏は「すべての野球ファンと同じように、私たちも開幕が待ち遠しいですね」と声明で述べている。「野球は、米国だけでなく、世界中の多くのAppleのお客様の心の中に特別な位置を占めています。Apple TV+が、シーズンを通して野球のすばらしい瞬間をお届けするホームとなることを誇りに思います」。

また今回の契約の一環として、AppleとMLBは、ファンのためにApple Newsアプリでのリーグやチームの話題を強化し、ハイライトを視聴する手段も提供する。

このニュースは、火曜日(米国時間3月8日)に行われたAppleのライブイベントで発表された(同イベントではiPhone、iPad、Macの最新アップデートも披露された)。

AppleがMLBとスポーツ中継について協議しているという報道は先月流されていた。他に名前が上がっていたのがNBC Sports(NBCスポーツ)だ。NBCは自社のストリーミングサービスであるPeacock(ピーコック)へのスポーツコンテンツへの追加に関心を持っていた。ニューヨーク・ポスト紙によれば、契約額は1億〜1億5千万ドル(約115億7000万〜約173億6000万円)の範囲になっていただろうという。

AppleとMLBは、これまでもARKitのようなAppleの新技術や、Apple PayビジネスチャットのようなサービスをMLBがいち早く採用することが多く、何年も密接に連携してきた。また、AppleはかつてMLBと提携し、ダッグアウトにiPadを設置したことがある。

MLBのチーフレベニューオフィサーであるNoah Garden(ノア・ガーデン)氏は「Appleは、『フライデー・ナイト・ベースボール』を世界中のファンのみなさまにお届けするための理想的なパートナーです」と発表のなかで語っている。さらに彼は「2008年のApp Store初日にAt Bat(アットバット)をローンチしたことや、全国の球場でAppleのテクノロジーが統合されたことなどのマイルストーンに続いて、この頼もしい新しい試合パッケージは、ファンのみなさまに質の高い革新的なコンテンツを提供してきた長い歴史の中でも、完璧な次世代コラボレーションです。全国で視聴可能で、国際的な広がりを持つMLB on Apple TV+は、より多くの視聴者が試合とつながることができる、エキサイティングな新しいプラットフォームをファンに提供できます」と述べている。

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:sako)

アップル、まったく新しいMac「Mac Studio」を発表

Apple(アップル)は米国時間3月8日の録画オンラインイベントで、いくつかの新製品を発表した。そして同社は、Mac Studioと呼ばれるまったく新しいデスクトップコンピューターを発表した。Mac Studioは、Mac Miniを2台重ねたような小型のタワー型コンピューターだ。

前面にはSDカードスロットと2つのThunderbolt 4ポートを備えており、内部の半分は、高負荷時にシステムを冷却するためのサーマルシステムで占められている。

デバイス背面には、さらに4つのThunderbolt 4ポート、10Gbpsイーサネットポート、2つのUSB Type-Aポート、HDMIポート、そして「プロ」オーディオジャックポートを搭載している。Wi-Fi 6とBluetooth 5に対応している。

Mac Studioは、新たに発表されたチップ「M1 Ultra」を含むApple独自のシステムオンチップ(SoC)を搭載している。M1 UltraはM1チップをさらに高速化したもので、M1、M1 Pro、M1 Maxよりもパワフルだ。そして、この新チップによって、さまざまなことができるようになる。例えば最大4台のPro XDRディスプレイと4Kテレビを接続することが可能になる。

画像クレジット:Apple

Mac Studioには、M1 MaxまたはM1 Ultra SoCが付属しており、AppleはM1 Ultraを搭載したMac Studioのパフォーマンスチャートを公開した。M1 Maxでは、Mac Proに搭載されているRadeon Pro W5700Xと比較して、3.4倍のGPUパフォーマンスが期待できる。16コアのMac Proと比較すると、90%の演算性能の飛躍が期待できるという。

既存のMac Proのスペックを最大限にした場合でも、M1 Ultraは最速のMac Proよりも80%高速になるとされている。しかも、最大で128GBのメモリに対応。M1 Maxは64GBのメモリに限られる。

​​M1 Maxチップ、32GBユニファイドメモリ、512GBのストレージを搭載したMac Studioは、1999ドル(日本での価格は税込24万9800円)。M1 Ultraチップ、64GBユニファイドメモリ、1TBのストレージを搭載したMac Studioは3999ドル(日本での価格は税込49万9800円)。3月18日から順次発売予定。

画像クレジット:Apple

画像クレジット:Apple

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Romain Dillet、翻訳:Den Nakano)

アップルがM1シリーズ最上位版「M1 Ultra」を発表

Apple(アップル)は米国時間3月8日、同社の「Peek Performance」イベントにおいて、新しいM1チップ「M1 Ultra」の発売を発表した。このチップは、これまでM1、M1 Pro、M1 MaxがあったM1ファミリーの最終バージョンであるとAppleは述べている。

Ultraは2つのM1 Maxダイをベースに、既存のM1 Maxチップに存在する、しかし休止状態だったらしい接続を使用する。この相互接続により、2つのチップ間で2.5TB/sの帯域幅が実現されている。Appleはこれを(同社らしいネーミングで)「Ultra Fusion」と呼んでいる。

M1 Maxを2つ組み合わせたチップなのだから、Ultra版ではCPUとGPUのコアが2倍になっているのは当然のことだ。つまり、高性能コア16個と高効率コア4個の計20CPUコアと64GPUコアを搭載している。このチップは最大で128GBのユニファイドメモリに対応する。また、機械学習(ML)ワークロードのための32コアのNeural Engine(ニューラルエンジン)も搭載している。これらすべてを合わせると、1140億個のトランジスタになる。

Appleによれば、これらすべてによってUltraはM1の8倍速くなり、一方でこのチップは、CPUとGPUの両方において、ワットあたりのCPU性能で10コアのデスクトップチップをも凌駕しているとのこと。ただしAppleは、M1 Ultraをどのデスクトップチップと比較しているのかは明言しなかった。

Appleは2020年11月に初代M1チップを発売し、同社の製品ポートフォリオ全体でIntelのチップから脱却する第一歩を踏み出した。

2020年の発売当時、8コアのM1はMac mini、Macbook Air、MacBook Proに搭載されてデビューした。その後Appleは、最大10コアのCPU、32コアのGPU、(16GBが上限だった初代M1と異なり)64GBのユニファイドメモリをサポートする、大幅にパワフルなM1 ProおよびM1 Maxチップを発表した。これらのチップは、14インチと16インチのMacBook Proでデビューした。

M1 Ultraは、新しいMac Studioでデビューする予定だ。

もしAppleが今後もこの命名スキームを踏襲するなら、私たちは後のイベントでM2 ProsとMaxチップを紹介するのを見ることができるかもしれない。

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Frederic Lardinois、翻訳:Den Nakano)

アップルが「M1チップ」搭載のiPad Air 5を発表、ノートパソコンの代わりに

米国時間3月8日開催されたイベントで、Apple(アップル)はピカピカの新しいiPad Airを発表した。M1 Appleシリコンチップが、私たちがよく知るiPad Airのボディに収められている。

A15チップではなくM1チップを採用したことは、iPadが単に大きくなったiPhoneではなく、ノートパソコンの代替品としての志を持っていることを示している。これは、iPad Proに搭載されているのと同じ種類のチップだ。iPad Air 5には12メガピクセルの超広角カメラが搭載され、iPadの全ラインナップが、ビデオ通話にカメラオペレーターを加えるセンターフレームをサポートするようになったことを意味している。

iPadのエンジニアリングプログラムマネージャーであるAngelina Kyazike(アンジェリーナ・カイザイク)氏は「これはiPad Proに搭載したのと同じM1チップで、8コア設計のCPUは前世代のiPad AirのA14に比べて最大60%高速のパフォーマンスを実現します」と発表した。「8コアのGPUは驚くべきグラフィックス性能を発揮し、実際、最大2倍の速さを実現します。新しいiPad Airに搭載されたM1は、最も速い競合タブレットよりも速く、同価格帯のベストセラーWindowsノートパソコンよりも最大2倍速くなっています」。

新しいiPad Air 5を紹介するiPadのエンジニアリングプログラムマネージャー、アンジェリーナ・カイザイク氏

新しいiPadは5Gチップを搭載し、従来よりも高速なUSB-Cポートを備え、Apple Pencilをサポートする。より優れたマルチタスクを可能にするiOSのiPadOSバージョンを搭載し、驚くような価格のデバイスに、率直にいってとんでもないパワーを詰め込まれている。

IPad AirはSmart Keyboard FolioとMagic Keyboardをサポートしており、ユーザーがiPad Airを機能的なノートパソコンにするために必要な追加機能が追加されている。

気候変動に敏感な筆者としては、Appleが持続可能性に向けた取り組みを続けていることに勇気づけられる。新しいAirは、筐体に100%リサイクルされたアルミニウムを採用し、ロジックボードのはんだなどにも多くのリサイクル素材を使用している。どれも小さなことだが、違いを生む。

スペースグレイ、スターライト、ピンク、パープル、ブルーと虹のようなカラーバリエーションが用意されている。価格は従来のiPad Airと同じ599ドル(日本での価格は税込7万4800円)を維持し、3月11日から注文を受け付け、3月18日に出荷を開始する。

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Nariko Mizoguchi

iPhone SEが税込5万7800円で再登場、クラシックなデザインはそのままTouch ID搭載

SEを復活させてから2年、Apple(アップル)がもう一度SEを復活させる。このiPhoneの小さな兄弟は、フラッグシップモデルに代わる低価格の製品として2018年に発表され、支持を得た。このラインは、iOSソフトウェアの鮮度を保ちつつ、古いデザインと一部の前世代コンポーネントの流用によって低価格を維持するための手段だ。

またIPhone X以降、アップルデザインの糸が切れた人にとっては、よりクラシックなデザインを使い続けられるのは喜ばしい。そして、おそらく最も重要なことは、フラッグシップモデルが1000ドル(約11万6000円)を超えるのが当たり前の時代に、Appleのエコシステムにとどまる1つの方法を示していることだ。新機種は、最新のフラッグシップモデルであるiPhone 13にも搭載されているA15 bionicチップへとアップグレードされている。加えて5Gにも対応し、最新のスマートフォン技術が全ラインにもたらされた。

予想通り、この廉価版の新バージョンは、4.7インチのRetina HDディスプレイ(iPhone 13からのダウングレード)を中心にしたガラスとアルミニウムの旧来のデザインにこだわっている。IP67の防水性能を実現したこの機種で、おそらく最も注目すべき点はプレミアムなFace ID搭載デバイスから消えて久しいTouch IDボタンが残されていることだ。バッテリーの持ちは前モデルより改善されているが、それが容量のアップなのか、単に新チップの搭載によるものなのかは不明だ。

画像クレジット:Apple

カメラは12メガピクセルのレンズでアップグレードされ、新しいチップに付随する数多くのコンピュテーショナルフォトアップグレードもともなう。肌の質感の向上や写真のノイズの低減などが実現されている。これも、バッテリーと同様、ハードウェアの大幅なアップグレードというよりも、新しいチップによる直接的な影響だと思われる。

画像クレジット:Apple

同じようなスペックの旧機種を使い続けず、新しい携帯電話を購入する大きな動機となるのがソフトウェアだ。そのため、新しいデバイスは「今後数年間」iOSのアップデートを受け続けることになるとAppleは語る。この端末は、前世代の399ドル(日本での価格は税込4万9800円だった)は上回るものの、依然としてiPhoneファミリーの中で最も安価な端末だ。今回は429ドル(日本での価格は税込5万7800円)からと、まだリーズナブルだ。今週米国では金曜日から予約受付を開始し、3月18日に店頭に並ぶ予定だ(日本での予約開始は3月11日午後10時から。発売は3月18日)。

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:sako)

この後、午前3時からのアップル新デバイス発表会を「生」で観よう!

Apple(アップル)は今晩、新しいハードウェアを発表する予定だ。日本時間3月9日午前3時から(バーチャル)イベントを開催する。Appleのイベントは以下でライブで観ることができる。

噂によると、AppleはリフレッシュしたiPhone SEを発表するようだ。このスマートフォンは、iPhone 6/7/8/SEを象徴するデザインを維持しつつ、アップデートされたSoC(システム・オン・ア・チップ)を搭載し5Gに対応す可能性がある。

また、AppleはアップデートされたiPad Airを発表する可能性もある。今回も、内部のコンポーネントを一新する可能性が高いようだ。新iPad Airは、半年前に発売された最新のiPad miniと同じくらいスピーディになる可能性がある。

今回、より興味深いのはMacのラインナップだ。AppleはIntel CPUをApple製チップに置き換えるため、Macの全ラインアップを一新している途中だが、新しいMac ProやApple製パーツを搭載した新iMac Proなど、2022年もMacの大きなアップデートが予定されている。また、エントリーモデルの13インチMacBook Pro、Mac Mini、MacBook Airもアップデートされる可能性がある。

関連記事:今晩午前3時からのアップルイベントで期待される新製品、iPhone SE、MacBook、iPad Airそして新チップ

AppleはYouTubeでイベントを配信しているため、本ページでライブストリームを観ることもできる。

Apple TVを持っている場合は、TVアプリを開いて「Apple Special Event」の項目を探せばいい。また本日のイベントをストリーミングでみれるだけでなく以前のイベントを視聴することもできる。

また、Apple TVを持っておらず、YouTubeも使いたくないという人は、同社のウェブサイトApple Eventsのセクションからイベントのライブストリームを観ることもできる。この動画配信は、Safari、Mozilla Firefox、Microsoft Edge、Google Chromeといった主要ブラウザで動作するようになった。

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:Jonathan Cherry / Bloomberg / Getty Images

原文へ

(文:Romain Dillet、翻訳:Katsuyuki Yasui)

今晩午前3時からのアップルイベントで期待される新製品、iPhone SE、MacBook、iPad Airそして新チップ

一連のバーチャルイベントについていえることは、メーカーが我々に近づく確かな方法を手に入れたということだ。古き良き出張の時代、大きなショーの数週間前には、Palo Alto Travelodge(パロ・アルト・トラベロッジ)(良好のWi-Fiと、そうでもない朝食)の宿泊を予約したものだ。バーチャルへの移行は、企業が社員にパソコンの前で1時間過ごさせるために、スターの登場を約束する必要がなくなったことも意味している。

最近のニュースに流れる絶え間ないリークからは、Appleにとってかなり控えめなイベントが予想される。その予想は、会社の標準的リリース間隔によっていっそう増強される。Appleは2021年秋のイベントに、それはそれはたくさんの商品を詰め込んだ。そこにはiPhone 13、Apple Watch 7、iOS、そしてショーの人気をさらったいくつかのiPadがあった。半導体の遅れとホリデーシーズンが完璧に重なり合って、最近の記憶の中で最大のAppleイベントになった。

画像クレジット:TechCrunch

というわけで今週はiPhone 14もApple Watch 8もない。それでも新しいiPhoneは見られそうだ。Appleが新しいiPhone SEを出す期限を過ぎているというわけではない。なぜならこのお手頃端末のリリース間隔は、よくいって不定期だから。今回は、2016年と2020年に続くSE第3世代になる。お手頃iPhone(前世代は399ドル、日本では4万9800円からだった)は過去数年にわたって多くのファンを獲得し、その1人でもあるTechCrunchのDevin Coldewey(デビン・コールドウェイ)記者は、かつて同製品の「死」を悼んだこともあった。

このラインは、Appleの歴史的工業デザインの最後の痕跡を残す商品としてよく知られている。iPhoneがフルスクリーンになって切り欠きが付く前のデザインだ。長年のApple予言者であるMing-Chi Kuo(ミンチー・クオ)氏は、2年の空白の後にこの端末が戻ってくることをいち早く指摘した1人だ。同氏は、ほとんど変わらないデザイン、A15チップ、ストレージは64~256 GBと伝えている。しかし、ショウの呼び物は、入門レベル機種への5Gの追加だ。

iPadが再び話題をさらうかもしれない。第5世代のAir(エア)が予想されており、2021年のmini(ミニ)から多くの特徴を引き継ぐだろう。iPhone SEと同じく、この機種も2020年以来改定されていない。オプションの5G、A15チップ、カメラハードウェアとソフトウェアのアップグレードなどが噂されている。

画像クレジット:TechCrunch

2021年は2020年版M1チップのスーパーチャージ版が2種類登場したが、2022年のどこかの時点でM2がやってくる可能性が高い(イベントのタイトル、Peek Performanceにあるパフォーマンスのチラ見せはこれのこと?)。Appleが新しいチップを発表するとすれば、まず間違いなく新しいMacハードウェアと一緒だ。2022年、噂の先頭を切っているのは、薄くて軽い長年の人気機種、MacBook Airの新バージョンだ。Mac Miniも、そして大きくてよりPro(プロ)ライクなiMacも期待されている。

画像クレジット:TechCrunch

噂の最後を飾るのは27インチのAppleディスプレイだ。現在同社が販売している32インチPro Display XDRのハードルを下げるものだ。ここ数年で世界の大部分がリモートワークに移行していることから、この種の製品の需要が高まっていることをAppleは間違いなく知っている。しかし5000ドル(日本では58万2780円)という価格はどうみてもほとんどの人の手には届かない。

最後に、この種のハードウェア・イベントには、いくつかのOSアップデートが必ずついてくる。macOS、iOS、およびiPadOSのアップデートが予想される。

イベントは米国時間3月8日太平洋時刻午前10時、東海岸時刻午後1時(日本時間3月9日午前3時)に始まる。それでは現地でお会いしましょう。

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook