HP、サードパーティー製インク排除について謝罪なき謝罪

The Hewlett-Packard Co. logo is displayed on a Officejet printer at the Macworld iWorld 2012 conference at the Moscone Center in San Francisco, California, U.S., on Thursday, Jan. 26, 2012. Apple Inc. discontinued its role as the anchor vendor for Macworld following the 2009 conference. Photographer: Tony Avelar/Bloomberg via Getty Images

最近HPは、「セキュリティー・アップデート」を使って、他社製リサイクリインクを同社のプリンターで使えなくしたことを非難された。激しい抗議を受けた結果、同社は折れて復旧オプションを提供した ― しかし、悪事は一切認めていない。

「当社はあらゆるコミュニケーションの透明性を約束しているが、足りない時には自ら声を上げる」と、同社が「最高のプリント体験に専心する」と題した記事に書いている。「プリンターのファームウェアアップデートに関して市場に混乱があるようだ ― 事実はこうだ」

HPは、ユーザーを保護し、できるだけ良い体験を提供しようとしているだけだと言っている。当然そこには、3月にアップデートを発行し、昨日まで使っていたインクが使えなくなる仕掛けを、6ヵ月待ってから何の警告もなく有効にしたことも含まれている。

電子フロンティア財団のCory Doctorowは、この反消費者的振舞いについて、公開の場でHPを非難する書簡を書き、そのDRMの疑わしい使用方法が話題を呼び、HPは〈声を上げる〉羽目になった。

「認証プロセスについて、もっとよい伝え方をすべきだったことを謝罪する。影響を受けた少数のお客様に対しては、セキュリティー機能を取り除くファームウェアアップデートをオプションとして提供する。アップデートは2週間以内に発行する予定だ」とHPの記事は続いた。

ダウンロード用のリンクは、このスレッドに注意しておかれたい。

HPも[コーヒーメーカーの]KeurigもAppleも、その他数多くの会社がいずれも、この手のことが起きると口を揃えて「最高の体験」を与えようとしていると言いたがる。しかし真の目的は、各社が注意深く構築したエコシステムに顧客をいっそう強く縛り付けることにあるのは容易にわかる。通常、それが消費者の利益であるか、不利益であるかは明白だ。後者であれば、恐れることなく声を上げるべきだ。

今回影響を受けなかった人たちも心配はいらない ― きっとHPは次のチャンスであなたを楽しませてくれるだろう:

「今後も当社は、質の高いユーザー体験を保証し、当社のプリンティングシステムの整合性を維持すると共に、認証システムを含め当社の知的財産を保護するために、セキュリティー機能を使用していく。そのために一部のサードパーティー製品が動作しなくなる場合もある」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple Musicの最大の問題の一つが解決へ

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Appleは一部のユーザーから出されていたApple Musicへの強い苦情に対して対処を始めた。苦情が出ていたのは、Apple Musicのストリーミングサービスが利用者の個人ライブラリーとオンラインカタログのマッチングを行う際の機能の振る舞いである。この機能はAppleのiCloudを経由して利用者の音楽をクラウドからストリーミングできるというものだ。同社は現在、貧弱なマッチング技術をやめて、オーディオフィンガープリント(音紋解析)技術への移行を進めている。これにより、より正確な一致が可能となるのだが − おそらく最も重要なことは、このマッチング機能を利用者の個人ライブラリの音楽に適用する際に、Appleは音楽に対してDRMを適用しなくなるということだ。

これまでも、もし利用者が間違ってMac上の個人ライブラリ内の曲やアルバムを削除してしまった場合には、それをiCloudからダウンロードすることが可能だった。しかし、そのダウンロードされた曲には著作権が設定されてしまっていた。今回の変更によって、同様のシナリオで利用者が再ダウンロードを行った場合、ダウンロードされた曲はDRMフリーのままになる。

これは利用者の個人ライブラリそのものと、マッチングが行われる前に曲に対して利用者が保持していた権利を、より尊重するものとなる。

加えてApple Musicのマッチング技術自体も改善された。ストリーミングサービスの売りの機能の一つは、利用者は自分自身のライブラリの音楽を、サブスクリプションカタログに含まれる同じものからストリーミングできるということだ。しかしそれは、個人的に所有している曲への最善のマッチングとは言えない場合もあった。

なぜなら、以前はApple Musicは個人ファイルとのマッチを行うためにメタデータを使っていたからだ。これが間違ったマッチへつながったのである。Jim Dalrympleが彼のブログであるThe Loopで説明しているように 、ライブバージョンの曲がスタジオバージョンの曲とマッチするという経験をしている人たちがいる。これはApple Musicがより進んだマッチング技術ではなくメタデータを用いていたからである。

奇妙なことに、AppleはiTunes Matchサービスの中では、自身で自由に使えるより優れた技術を用いているのである 。

画面には、9.03.48 PMに2016年7月18日ショットApple Musicの代替サービスとして年間25ドルで利用できるiTunes Matchサービスは、利用者個人の音楽ライブラリを、CDからリッピングしたり他の手段で入手した音源も含めて、クラウドへ同期させることができる。しかしiTunes Matchは、ローカルの音楽をカタログとマッチさせる際に、Apple Musicのようにメタデータは使わず、遥かに正確なオーディオフィンガープリント技術を用いている。

iTunes Matchの機能は、利用者の個人ファイルとiTunes Music Store内の4300万以上の曲との比較を行うことによって実現されている。もし個人のファイルが、クラウド内のファイルと完全に一致しない場合は、それを直接クラウドにアップロードする。しかしまずはローカルファイルをオンラインにあるものとマッチさせようと努力する、マッチしないものだけをアップロードすることで、クラウドへの同期時間を大幅に節約できるからだ。

Dalrympleによれば、Apple Musicの加入者に対して現在1日に1から2%ほどの割合でこの優れたマッチング技術への切り替えが行なわれているが、まだ全部の切り替えは完了していない。更にDalrympleは(iTunes Matchを利用していない)Apple Musicの利用者は、Mac上のiTunesのiCloudsステータスカラムに「Matched」を意味する表示が出ることによって切り替えが終わったことを判断できると付け加えた。

Apple Musicも利用しているiTunes Matchの利用者は、今や事実上Matchサブスクリプションをやめても、個人的ライブラリをどこでも楽しめるという利点を失わずに済みそうだ。そしてもちろん、DRMフリーという利点も。

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(翻訳:Sako)

Mozillaもついに折れる: HTML5のDRMをFirefoxに実装と発表

Mozillaが今日(米国時間5/14)、同社のFirefoxブラウザにHTML5のDRM規格を実装する、とためらいがちに発表した

インターネット上でストリーミングされる著作権物コンテンツが、このところますます増えているので、権利者たちはFlashやSilverlightなどに依存することなくHTML5本体にDRMが標準的に実装されることを心待ちにしていた。しばらく前にMicrosoftとGoogleは、反対論者も少なくないW3CのEncrypted Media Extensions(EME, メディア暗号化拡張機能)の実装を決め、それにより彼らのブラウザのHTML5がDRMコンテンツを扱えるようにした。

しかしMozillaは一貫して態度を決めず、前CTO(そして短命のCEO) Brendan Eichはブログに強い口調で、HTML5の現在のDRM規格はユーザとデベロッパにとって不利である、と書いた。彼はMozillaがEMEを実装しないという決定はしなかったが、社内の大勢としては、Content Description Module(CDM, コンテンツ説明モジュール)という標準性のないプラグインの実装をHTML5内に必要とするW3Cの規格に反対だった。W3Cはブラウザが用いるCDMを特定していないので、Eichは、“各ブラウザがそれぞれ独自のシステム使うようになってしまう”、と主張した。

本日の発表でMozillaの会長Mitchell Bakerは、この新しいDRMソリューションには、“古いシステムと同じ深刻な欠陥がある”、と認めている。Mozillaから見るとそれは、“個人を保護することと、デジタルコンテンツを保護することとのあいだの、正しい均衡を欠いている。コンテンツプロバイダはシステムの重要部分をクローズドソースにしなければならないので、それはMozillaの長年の基本姿勢に反する”。

Mozillaがそれほどまでに言う規格を、では、なぜ実装するのか? それが、市場の大勢だからだ。MozillaがそのブラウザにEMEを実装しなかったら、いずれユーザはNetflixやHuluなどのコンテンツを見るためにほかのブラウザに乗り換えるだろう。“今の状況としては、MozillaがW3CのEMEを実装しなければFirefoxのユーザは、DRMに縛られているコンテンツを見るためにほかのブラウザに切り替えざるをえない、という段階に来ている”、とMozillaのAndreas Galは書いている。“DRMのない世界やWebが理想ではあるが、ユーザが、自分が望むコンテンツにアクセスするためにはそれが必要なのだ”、という典型的な必要悪説。

MozillaとAdobeのパートナーシップにより、後者がFirefoxにCDMを提供する。AdobeはDRM国のボス的存在だから、このパートナーシップは賢明だろう。Galによると、CDMはサンドボックスの中で実行されるから、ユーザのデバイスを特定する情報を得ることはできず、そのハードディスクやネットワークにアクセスすることもない。

CDMはAdobeが配布し、デフォルトではFirefoxに含まれない。そしてユーザがこれから見ようとするコンテンツによっては、ブラウザがそれを自動的にダウンロードして有効化する。ただしユーザはいつでも、CDMの有効化をoffに設定ができる。

実装の日程はまだ決まっていないようだが、当初はWindows、Mac、そしてLinuxのデスクトップブラウザだけが対象だ。

DRMのようなものをもともと思想的に毛嫌いしている人たちは、Mozillaの決定を敗北とみなすだろう。反対には、当然の理由がある。Eich自身も、昨年こう言っていた、“DRMは次の三つのものに激しく敵対している: ユーザ、オープンソースソフトウェア、そして、自らがDRMベンダではないブラウザベンダ”。

しかし結局のところ、Mozillaとしても、ユーザが減ってもいいとは言えない。見たいコンテンツを見られなければ、ユーザはほかのブラウザへ移るだろう。多くのユーザにとって、WebのオープンでDRMフリーという理想はどうでもよいこと。彼らは猫のビデオや過去の19 Kids And Countingを見たいだけだ。オープンソースを貫いてきたMozillaにとっては不快な状況だが、誰もFirefoxを使わなくなれば、その高邁なミッションも枯渇してしまう。

画像クレジット: Mozilla in EuropeCC 2.0のライセンスによる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


KindleのDRMを1ページずつ外していくレゴ・ロボット

「レゴを通じて体制に抵抗する」シリーズの新しい事例として、われわれはKindle本を1ページずつめくり、コンピューターにeインク画面の写真を撮るよう指示してOCR処理を行い、完全DRMフリーのテキストを作るロボットを紹介する。早い話、これは知能的複写機であり、理論的には、完全に合法だ。

ウィーン工科大学のPeter Purgathoferが作ったこのプロジェクトは、実用的技術というよりはアート作品なので、この計画がThe Pirate Bayに登場することを期待してはいけない。Purgathoferは、本の貸し借りや転売に関するAmazonの当初の約束は破られ、出版業界もAmazonと歩調を合わせるように著作権法を強化していると信じている。「このDIY Kindleスキャナーは、Jeff Bezosが一度は守ったが、後に取り上げたわれわれの権利の消滅を反影したアート表現だ。これはまた、DRMの無益さを訴える声明でもある」とPurgathoferは書いている。

「これは私がプライベートな時間に個人として行ったプロジェクトであり、私の個人的見解を反映したものであることを留意していただきた。これはウィーン工科大学における私の仕事ではないと考えている」。

このプロジェクトは、公正使用の原則の下にコンテンツの撮影を許しているDMCAの「アナログ・ホール」と呼ばれるカテゴリーに属すものだ。撮った写真をコンピューターに入れた段階で少々怪しくなるが、デジタル著作権法では合法だ。それにほら、レゴだし。
via BB

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(翻訳:Nob Takahashi)


Xbox常時接続を擁護する暴言でMSのディレクターが離任―問題は暴言より常時接続そのもの

次世代のXboxは「インターネット常時接続必須」になるという噂に対してTwitterでその方針を公けに擁護したMicrosoftのクリエーティブ・ディレクター、Adam Orthはすでに同社を離れたとされる。Orthは常時接続に懸念を示すツイートに「今はどんなデバイスも常時接続だ」と反論した。それだけならよかったのだが、「ウィスコンシンやバージニアの田舎はシアトルやサンフランシスコほど接続がよくない」というツイートに「なんでそんな場所に住まなきゃならないんだ?」と返したので炎上してしまった。

Game Informerによると、匿名の情報源がMicrosoftに電話して確かめたところではOrthは「すでに同社を離れた」とぃうことだ(われわれもMicrosoftに公式の確認を求めたが「この件に関しては一切コメントしない」と断られた)。どうやらOrthは辞職したか解雇されたもようだ。MicrosoftがOrthのツイートの件で公式に謝罪したところからみて、OrthがもはやMicrosoftにいないのは確かだろう。

常時接続を擁護する発言がいつのまにか口喧嘩に変わってしまったのは問題だが、仮にMicrosoftがXboxに常時接続を導入するとすれば、その理由は論理的に言って「違法コピーなどの海賊行為を取り締まるため」というシンプルなものであるはずだ。

最初に流れた情報によると、次世代Xboxは、ゲームをプレイするにあたってインターネットへの常時接続が必要とされ、プレイ中に3分間接続が中断するとゲームが停止する仕様になるという。EAがPCゲームの人気タイトル、Diablo IIIとSimCityを常時接続にしたことで不満を募らせていたゲーマーにとって、この噂(Microsoftは暴言には謝罪したものの噂については肯定も否定もしていない)はまさに悪夢だっただろう。

今週に入って、Vergeが次世代Xboxはケーブルテレビのセットトップボックスに接続できるようになるという記事を掲載した。つまりそのために常時接続が必要となるという地ならしだろう。Xbox関係の一連のイベントの初回は5月下旬に予定されているが、それに先立ってMicrosoftは常時接続となるという情報のリークで生じた反発を和らげようとする密かな努力を始めていたようだ。

いずれにせよ、ユーザーが単独でインターネット接続をまったく必要としないゲームやアプリまで 常時接続を必須とするというのは合理的な説明が難しい。デバイスが常時接続を必要とする論拠を、あの恐ろしい3文字(D-R-M)を使わずに説明するのはやはり不可能だろう。MicrosoftやEAには腕利きのPRのプロがたくさんいるが、それでもケーブルテレビに接続できるという程度の薄弱な根拠では常時接続をユーザーに納得させることはできまい。TwitterでOrthは噂は事実であると強く示唆し、さらに「常時接続はサービスの向上でありユーザーいじめではない」という公式見解に反するような暴言を吐いた。不人気でもあり大きな影響を及ぼす変更を主要プロダクトに予定している会社としては、とうてい見過ごすことはできなかったものと思われる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+