どんなアプリにもメッセージング機能をつけられるLayerが$15Mを調達して対話的機能の充実のためにColaを買収

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どんなアプリケーション/アプリにもメッセージング機能を持たせることができる、というメッセージングプラットホームLayerは、2013年のTechCrunch Startup Battlefieldの優勝チームだが、今日(米国時間2/24)は大きな発表が二つある: シリーズBで1500万ドルを獲得したこと、そして、スタートアップColaを買収したことだ。

Layerを使えば企業は自分のiOS/AndroidアプリやWebサイトに、メッセージングの能力を容易に加えることができる。顧客の中には、Trunk Club, Staples, それにUdacityなどもいる。しかも最近同社はMicrosoftとパートナーして、ダヴォスの世界経済フォーラムの公式アプリにメッセージング機能を持たせた。同時翻訳/通訳つきだ。

一方Colaは昨年ローンチしたテキストメッセージングアプリだが、カレンダーや位置共有、投票、トゥドゥリストの共有、といった対話的機能がある(下図)。LayerのCEO Ron Palmeriによると、Colaの技術はLayerのプラットホームに良く合っている。とくにColaの‘バブル’は、企業と顧客の対話をとてもスムースにする、という。

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Palmeriは曰く、“保険の請求手続きや住宅ローンの申し込みなどは、顧客がやるべきことのステップ数が多くて、日数もかかる。でもそれをメッセージングとColaの‘バブル’でやれば、分かりやすいし、非常に単純すっきりになる”。

そこでColaを買収したLayerは、その機能をWebやモバイルなど、あらゆるプラットホームに実装する。長期的にはメールやSMSへの導入も考えている。ColaのCTO Jeremy Wyldが率いるチームがLayerへの統合作業をやるが、そのほかのCola社員やCEOのDavid TemkinはLayerに加わらない。

買収の価額等は、公表されていない。Colaは過去に、Brad Garlinghouse, Steve Case, Naval Ravikant, Tribeca Angelsなどから130万ドルのシード資金を獲得している。

なお、Colaアプリの開発は継続しないが、それを閉鎖する計画もない。

Layerの新たな資金調達は、Greycroft PartnersがリードしてMicrosoft Ventures, Salesforce Venturesなどが参加した。Palmeriによると、今後のLayerはさらにさまざまな統合に力を入れる。また、そのオープンソースのユーザーインタフェイスフレームワークも改良を続け、人工知能や機械学習など新しい技術も導入していきたい、という。

Layerの調達総額は、2300万ドルになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

チャットUIこそブラウザに代わるもの、Layer創業者のビジョナリーに現状と未来の話を聞く

11月17日、18日に東京・渋谷で開催するTechCrunch Tokyo 2015への海外ゲストスピーカーがまた1人決まったのでお知らせしたい。どんなアプリやWebにも簡単にコミュニケーション機能を持たせられるLayerの創業者でCEOのロン・パルメリ(Ron Palmeri)氏だ。

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ロンは連続起業家で投資家でもあり、多くの会社を立ち上げてきた。中でも、Google Voiceの前身であるGrand Centralを2005年に立ち上げ、2007年にGoogleに売却したというのは大きな成功事例だ。Google Voiceは日本ではほとんど知られていないが、ネットで進化すべきだった音声電話を順当に進化させたGmailのような電話サービスだ。ぼくはアメリカに行くときに良く使っていて、あまりに衝撃を受けて2010年に記事を書いたこともある。Google Voiceを使ってみれば、いかに「ICT」のうちCだけがイノベーションに取り残されていて、いかに通信キャリアがネットやソフトウェアの使い方が下手なのかが良く分かる。

さて、そんなロンは1990年代中頃にはノベルで通信関連のビジネスに従事していたというから、シリコンバレーではベテランの連続起業家だ。Grand Centralや、先日Ciscoが6億3500万ドルで買収したOpenDNSを含めてMinor Venturesでベンチャー企業数社の立ち上げに携わってきた。

強いテクノロジーのバックグラウンドを持ち、2015年5月にぼくがサンフランシスコのオフィスに会いに行ったときには、説明のたびに立ち上がってホワイトボードにデータベースやプロトコル、ソーシャルグラフの関係をサラサラと描くような人だった。

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単一プラットフォームではなく、Layerが拓くエコシステムの多様性

LayerはiOS、Android、Webアプリに組み込めるチャットUIのSDKだ。ロン自身の言葉によれば、「モバイルの興隆によって、チャットこそがUIになった」ということで、かつてWebブラウザが果たしていたサービスとユーザーの間にあるインターフェイスは、例の左右に吹き出しが開くチャットになったというのだ。

なるほど、Facebookはメッセンジャーをプラットフォーム化するといい、中国ではWeChatが圧倒的な利便性とともに多様なサービスを統合し、日本を含むアジア圏ではLINEが優勢だ。

そして、これらの間には実はかなり大きな違いがあるし、Layerが目指す世界もだいぶ異なる。

FacebookやDropbox、Foursquareなどは2014年ごろには機能別に本体から複数アプリを切り分けて緩やかに連携する「アプリ・コンステレーション」(アプリ星座)モデルを目指していた。一方で、中国のWeChatはAPI開放によってサードパーティーアプリのエコシステムを作りつつ、何もかもを単一アプリに載せるアプローチで、決済はもちろんのこと、タクシーを呼んだり、税金や公共料金を支払ったりといったことができるようになっている。中国のWeChatの利便性があまりにスゴいという話が伝わって、シリコンバレーの人々は自分たちの周回遅れ感を気にしているようにぼくには見える。一方で、Facebook、WeChatともに、ここにはプラットフォームビジネスを巡る、もっと大きな問題が潜んでいる。ネットやPCの歴史上何度も繰り返されてきた、垂直統合によるサイロ型プラットフォーム対オープンエコシステムの対立軸の上を左右に揺れ動く業界という構図だ。

「Googleが検索によって、必ず人々が使うことになる『焦点』を掌握したように、Facebookは認証とソーシャルグラフを抑えることで、ネット上の人々の活動の全てを見ようとしています」

Facebookは先日の開発者向け会議F8のなかで、今やほとんどの人がブラウザでFacebookを開きっぱなしにしていることを得意げに話し、常時数億人と繋がっていてユーザーのことを把握できるのだと堂々と公言していることに、ロンはとても驚いたそうだ。

「Facebookは、今やある1人の人間の生活全体を把握できる立場にあります。でも、かつてNTTやAT&Tといった電話会社はそんなことはしませんでしたよね? Facebookがやっているのは、まさにそれです」

「決済やコマースを含めて、プラットフォーマーが何もかもやる。そういう巨大な単一プラットフォームに依存していていいのか、ということです。そう考えない開発者やユーザーが大勢いて、それがわれわれのターゲットです。Facebookに依存すると、使い勝手や機能で制限を受けますしね。Zyngaを覚えていますか? いつでもFacebookはポリシーを変えられるんですよ。もちろん、Facebook依存で全然構わないという人もいますけどね」

Facebookアプリとして大ヒットしたゲーム、FamilyVilleを提供していたZyngaは2010年ごろにFacebookとポリシーを巡って頻繁にもめていたし、Facebookの一方的な決定によってユーザーベースを何割も失うということが起こっていた。

プラットフォームへの過度の依存はビジネス的にも、プライバシーを気にする消費者の視点でも好ましくない。しかし一方、あまり気にしない人もいる。例えば、ぼくは自分のことをサービス提供側に深く知っていてほしいと思っている。YouTubeで増毛のCMが流れると「PCのカメラをオンにして顔を見てくれてもいいんだけど、髪はフサフサで困ってないよ!」と考える。ハゲてない人に増毛の広告を出すのは誰の得にもならない。サービス提供者がユーザーについて多くのことを知っていればいるほど最適なコンテンツや広告が届くわけだから良いことではないか。ぼくのメールを「読んでいる」のはソフトウェアでしかないし、プライバシー関連情報に従業員がアクセスできるような状態を許す企業は早晩ユーザーに見放されるだけ。だから、ぼくはプライバシーを一定レベルで諦めることについて拒否感が薄めだ。

というようなことをロンに言ったら、「それはまったくアジア人の発想だ」と返された。

ロンによれば、プライバシーの意識に関してアジア地域は世界のほかの地域とは全く違うという。ヨーロッパやアメリカは、単一の巨大なプラットフォーマーに情報を全部渡すというのはあり得ない発想だという。「南米もヨーロッパもアフリカもそう。だから、これら地域はわれわれには素晴らしいマーケットです。中国はまったく違う。そして私が知りたいのは日本はどうなのか、ということ」

日本は、アメリカと中国のどこか中間にあるのではないかというのがぼくの回答だけど、正直良く分からない。ここには、歴史的に長いものに巻かれ続けてきたか、市民革命によって自由を勝ち取ってきたのかというような社会の成り立ちの違いがあるのかもしれない。Firefox対Internet Explorerのときも、日本や韓国市場だけが長らくIEを使い続けていたようなこととも符合しているようにぼくには思える。ActiveX依存という技術的問題だったと言う指摘もあるかもしれないが、そもそも特定企業のテクノロジーを躊躇なく取り込んだ非インターネット的な舵取りこそアジア的だったとは言えないだろうか。

チャットインフラを作る必要はない、1人で10億人を対象にできる時代に

ともあれ、チャットインフラに選択肢があるのは良いことで、Layerのような企業がFacebookレベルのチャットUIを提供するというのは、開発者にとっては朗報だろう。Instagramが良い例だが、今やほとんど一夜にして数億人にスケールするようなサービスを数人のチームが生み出すようなことが起こっている。Andreessen Horowitzの投資家でジェネラル・パートナーのクリス・ディクソン氏が1年ほど前に「比較的限られた資金でInstagramは1億ユーザーに、次にWhatsAppが5億にリーチした。最終的には1人の起業家が10億ユーザーに手が届くようになる」と言った通りだ。Instagramは13人、WhatsAppは50人のチームだった。比較的少人数でもできるとはいえ、こうやって毎回毎回すべてのスタートアップがチャットのインフラを作るのは無駄な話だ、というのがLayerのロンの言い分だ。

そして現在は、シェアリングエコノミーとかオンデマンドエコノミーという言葉で象徴されるように、個人同士や、組織に所属する小回りの効くエージェント的なプロフェッショナルが相対で物品やサービス、情報をやり取りすることが増えつつある。これらのサービスではチャットこそが重要なビルディングブロックになりそうだ。Layerがブログで紹介している以下の2枚のスクリーンショットは、そうしたやり取りの事例だ。こうして見てみると、チャットUIをアプリ提供者が自由にカスタムできるのだとしたらメリットがありそうだなと分かる。

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日本でいえば、先日のDeNAが発表したANYCAであれば、クルマを貸す人と借りる人は、カギの受け渡しのとき、あるいは実際の利用中のちょっとした連絡といったことをチャットでやりたいだろうし、そこに地図を貼って場所を示したり、写真を撮ってクルマの特定のパーツを見せたいかもしれない。チャットUIで飲食店を探せる「ペコッター」のような例もある。もう検索して探すより「新宿で打ち合わせできる静かな店ありませんか?」とチャットで聞きたいのだ。ベビーシッターのマッチングサイト「KIDSLINE」や、部屋さがしの不動産サイト「ietty」のようにチャットでエージェントとやり取りする例もある。これはアメリカの例だが、MOOCsのUdacityが学生の修了率の低さを解決するためにLayerを使ってチャットを導入したということもある。

1人1人の画面で見ればチャットというのはシンプルなものだ。しかし各デバイスとクラウド間での未読や端末のオンライン状態の状態管理、OSごとのプッシュ通知のハンドリング、そして何よりスケーラブルな分散インフラの構築など、やるべきことは多い。ちょうどAWSがスタートアップ企業に対して果たした役割を、Layerはモバイル時代に果たそうとしている、と言えるのかもしれない。サーバーやネットワーク機器をラックに収めて設定をするような煩雑な作業がなくなったように、ErlangだZeroMQだといってメッセージ配送システムを自前で作るよりも、Layerのような「SDK+サービス」で解決できれば話が早い。最もシンプルなメッセージ機能の実装なら1人の開発者でも1日でできるかもしれないが、Facebook並みにスケーラブルでリッチでクロスプラットフォームなものは相応の開発チームが常時取り組む必要があるだろう。というのが、Layerというスタートアップの目の付け所の良さだとぼくは思う。例えば、いまもノーティフィケーションの世界では、Webブラウザでの対応が進み、Androidではリッチなプッシュ通知ができるようになりつつあったりする。こうしたものにキャッチアップする体力が、すべてのスタートアップ企業にもあるわけではない。ぼくはAirbnbをかなり使うのだけど、あれほどのユニコーン企業ですらホストとのメッセージのやり取りの実装はお粗末だ。以下はUberっぽい架空のライド・シェアのアプリの例だ。上が現状、下がLayerが提供する自由度の高いチャットUIを使った場合の例。

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チャットシステムが手軽に統合できるようになれば、いまよりもっと多様なアプリが登場するのではないか、とロンは言う。

「ネットユーザーが30億人ほどいて、多様なニーズがるのに単一のアプリでいいわけがない。例えば写真アプリ1つとっても、家族向けでシェアしたいというのと、Instagramでは全く別です。サッカーコミュニティーを作るのにFacebookが最適かといえば、そんなことはないでしょう。インドで最も人気のデーティング・サービスも違います。インドでは女性がデートの各ステップの主導権を持っているのでニーズが違うんです」。

「何かを利用するハードルを下げて、それを広く開放すると人々は創造性を発揮するものです。これはサイクルのようなものですね」

Facebookのような「サイロ」の次にはオープンなプラットフォームが来る、それがLayerだということだ。今年はじめのF8で発表されたメッセンジャーに接続するアプリは、コミュニケーションを楽しくするGIFアニメアプリのような限定的なもので、その数も当初40程度と、Facebookのような巨大プラットフォームにしてはいかにも少ないとロンは言う。

Layerが提供するSDKでは、多くのMIME type(ファイルの種類)が扱えるので、地図や音声をチャットに埋め込むといったことも容易にできる。現在、リアルタイムの音声・動画チャット規格「WebRTC」は揺籃期だが、これも年内にLayerに取り込んでいくそうだ。Layer自体はユーザー情報の収集せず、したがって広告モデルでのビジネスもやらないという。

LayerはTechCrunch Disrupt SF 2013で優勝していて、2014年5月には1450万ドルを調達している。エコシステム創出を目指して、Layerを利用するアプリの開発者に対して少額を出資するファンドも立ち上げている。

最初から開発者を対象にしてプラットフォームやエコシステムを作るのだと言って大きな絵を描く。いかにもシリコンバレーっぽい、このベテラン起業家のビジョンや哲学を、ぜひ生の声でTechCrunch Tokyoに聞きに来て欲しい。

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アプリに簡単にメッセージング機能を組み込めるLayerがWebアプリケーションのサポートを開始、ユーザ増大のためにエンジェル的なファンドを立ち上げ

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【抄訳】
TechCrunch DisruptのBattlefieldに2年前に登場して優勝をかっさらったLayerは、デベロッパが自分のアプリケーションに、わずか10行足らずのコードでメッセージング(テキスト、音声、ビデオ)やファイル共有の機能を組み込める、というコミュニケーションプラットホームのサービスだが、今日(米国時間5/6)は2年前の約束どおり、モバイル(iOS、Android)だけでなくWebアプリケーションもサポートする、と発表した。

また同社は、なるべく多くのデベロッパにLayerを使ってもらうための投資資金として、The Layer Fundと名づけたファンドを立ち上げた

The Layer Fundの提供によってLayerが投資先企業の部分的オーナーになるのではなく、その企業が成長してLayerをますます使ってもらえるための、成長資金として資金が提供される。

LayerのファウンダでCEOのRon Palmeriは、“Layerの成功はLayerを使うアプリの成功にかかっている”、と述べる。

Layerはこれまで、モバイルのアプリデベロッパのためのツールを提供していたが、そういう顧客企業からマーケティングや宣伝PR、資金調達などの相談を受ける機会が少なからずあった。

Layerはそういう顧客企業と一緒に問題解決に取り組んできたが、The Layer Fundを立ち上げたことによって、お金の面でも援助できることになった。

このファンドはBloomberg BetaのRoy Bahatから提案され、AnthemVPやCrunchFund 、SV Angel、Promus Ventures、Data Collective、MkII Ventures、Jean Pigozziなどが投資者として参加した。AngelListからも利用できる。5万ドルから10万ドルまでのきわめて初期的な投資案件を年に5件、という事業規模を想定している。

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なおLayerは、Layerを利用するアプリのためのiMessageふうのGUIツールキットAtlasを提供していたが、このたび、OpenStreetMapをベースとする地図サービスMapboxとパートナーして、地図表示を伴う位置機能もアプリ/アプリケーションのLayer層の中で利用できることになった。

【中略】

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2013年のTechCrunch Disrupt SFでローンチしたLayerは、今では、これを利用しているアプリの数が1万近くあり、デベロッパは全世界の1360の都市に分散している。Webアプリケーションのサポートが加わったこれからは、‘アプリ’ではなく‘アプリ/アプリケーション’という面倒な書き方になるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

アプリに簡単にメッセージング機能をつけられるLayer、長いベータを終えて一般公開へ(専用UI集も提供)

【抄訳】

デベロッパが自分のアプリに機能豊富なメッセージング機能を簡単につけられるサービスLayerが、2013年のTechCrunch Disruptで優勝して以来の長いベータ期間を終えてやっと一般公開される。

今日の一般公開と合わせて、Layerを利用するデベロッパが、そのUIの作成でも楽をできるための、iMessageふうの豊富なUIウィジェット集Atlasも提供される。それらはアプリがLayerの機能を呼び出す/コントロールするためのUI集で、もちろんAndroidとiOSの両方で使える。

自分のアプリにメッセージング機能を設けたいと願うデベロッパは多いが、そのためのバックエンドは片手間で簡単に書けるものではない。そこでLayerを利用すると、ほんの数行でメッセージング機能を導入できるのだ。デベロッパは時間のほとんどを、アプリ本体の開発やブラッシュアップに向けることができる。Layerを使うと、テキストだけでなく、音声や写真、あるいはビデオによるメッセージングも実装できる。アプリの機能の一つとしてメッセージングもある、という形だけでなく、独自のメッセージングアプリをLayerで構築してもよい。

LayerはDisruptでデビューしたあと、ベータを開始したが、ただちに2500名のデベロッパがテストに参加した。今では1万を超えるアプリがLayerを利用しており、その中にはPopImojiもいる。

【後略】…以下は主にUI集Atlasの説明…

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


どんなアプリ/Webアプリケーションにも簡単にコミュニケーション機能を持たせられるLayerが$14.5M(シリーズA)を調達

モバイルアプリに(近くWebアプリケーションにも)コミュニケーションの機能を付加できるサービスLayerは、Disrupt SF 2013の優勝者だが、このほどHomebrew、AME Cloud Ventures(Jerry Yangの投資企業)、CrunchFund(本誌TechCrunchファウンダMichael Arrington)、Fuel Capitalなどなどの投資家からシリーズAで1450万ドルを調達した。資金獲得前の同社の評価額は6000万ドル台の半ば、と情報筋は言っている。

Layerをコミュニケーションプラットホームとしてアプリに加えるためには、10行足らずのコード〔コードサンプル〕を加えるだけでよい。それらのコードがLayerのSDKを呼び出すことによって、ユーザは、テキストや音声やビデオなどでメッセージを送ったり、複数のアプリケーション間でファイルを共有したりできるようになる。Layerはいわば、コミュニケーションのためのStripe本誌記事)だ。

LayerのSDKを呼び出すためのユーザインタフェイスコンポーネント集、Layer UIキットも提供しているので、デベロッパはいろんなインタフェイス機能(アドレス帳、メッセージソーターなど)を手早く作れる。また、デベロッパがアプリケーションにメッセージング機能を簡単に設けられるだけでなく、インフラやスケーリングの問題からもデベロッパを解放したいと考えている。今SDKはiOSとAndroid用だけだが、今後はWebアプリケーションもサポートしていく予定だ〔それは今年の年内らしい〕。

LayerのファウンダTomaž Štolfaはvox.ioのファウンダで、Ron PalmeriはMinor VenturesのマネージングディレクターとしてGrand Central(Google Voiceの前身)、OpenDNS、Scout Labs、Swivelなどなどを立ち上げてきた。PalmeriはMkII Venturesのファウンダでもあり、またTechCrunch Disrupt SF 2011の準優勝Prism Skylabsの協同ファウンダだ。Layerは最近、元Appleの上級エンジニアAndy VyrrosをCTOに迎えた。VyrrosはAppleで、iMessageやFacetimeの開発を指揮した。

Layerはまだ非公開ベータだが、今後大量のデベロッパに採用されていく、と期待している。つまり、アプリ/アプリケーションにテキストや音声やビデオなどのコミュニケーション機能を持たせたかったら、誰もがまずLayerへ行く、というデフォルトのサイトにしたいのだ。また投資家たちも、デベロッパがシンプルで使いやすくてしかもセキュリティとスケーラビリティを犠牲にしないSDKを求めることを、よーく知っている。Layerではほんの数行のコードで、そんなSDKを呼び出せるのだから、デベロッパにとっても大きな勝利だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


TechCrunch Disrupt SF 2013の優勝はLayer, 準優勝はDryft

今年のTechCrunch Disrupt San Francisco、そのメインイベントDisrupt Battlefieldには、3日間で30社が出場して、すばらしいプレゼンテーションを演じた。決勝に残った6社…Dryft、Fates Forever、Layer、Soil IQ、Regalii、Cota by Ossia…はまったく甲乙つけられない強者(つわもの)揃いだったけど、残念ながらDisrupt Cupは一つしかない。

各社が週の初めにステージに立ってピッチ(pitch、売り込み)を行ったが、予選を勝ち抜いた6社は、今度は決勝の審査員たち(*)を前に、再びプレゼンをしなければならない。よほどガッツのある人でなければ、できないことだね。(*: 決勝審査員=CrunchFundのMichael Arrington(TechCrunchのファウンダ)、Sequoia CapitalのRoelof Botha、Founder CollectiveのChris Dixon、SV AngelのDavid Lee、Yahoo!のMarissa Mayer、Khosla VenturesのKeith Rabois。)

審査員たちは舞台裏で長時間激論をして、やっと決定に達した。前置きはこれぐらいにして、では勝者をご覧いただこう。

優勝: Layer

Tomaž ŠtolfaとRon Palmeriが作ったLayerは、どんなモバイルアプリにも10行足らずのコードでコミュニケーション機能を持たせられる、という通信プラットホームだ。しかも同じくLayerを実装している異なるアプリ同士でも、テキスト、音声、ビデオ、ファイル共有などのコミュニケーション行為ができるのだ。

Layerは、Webアプリケーションもサポートしたい、という野望を持っている。ただし今のところは、iOSとAndroid向けのSDKをリリースしているだけだ。では、デベロッパたちをLayerファンにするためにはどうするのか? 初期採用者には無料にするが、そのアプリ上のLayerの実装がユーザたちに快調に利用され始めたら、若干のクラウド利用料金を払っていただくのだ。

本誌がLayerを紹介した記事はこれだ

情報開示: LayerにはCrunchFundもシード資金を提供している。このVCのファウンダの一人Michael Arringtonは、本誌TechCrunchのファウンダだ。

準優勝: Dryft

Swypeの協同ファウンダRandy MarsdenとRob Chaplinskyが作ったDryftは、Androidタブレット用の新種のソフトウェアキーボードで、ユーザの手に適応することが最大の特長だ。タブレットの画面に現れる従来のキーボードと違って、Dryftのキーボードはユーザの手が今あるところに出現する。そうして指の位置とキーがマッチしたら、Dryftは打鍵された文字を正しく読み取って表示する。タブレットに内蔵されている加速度計を使って指圧(ゆびあつ)の変化を検出するので、タイピングのエラーも少なくなる。

本誌がDryftを紹介した記事はここにある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))