次世代リーガルプラットフォームを開発するキビタスが6500万円をシードラウンドで調達

次世代リーガルプラットフォームを開発するキビタスが6500万円をシードラウンドで調達

次世代リーガルプラットフォームの研究開発・社会実装を行うキビタスは1月27日、J-KISS型新株予約権方式による出資、日本政策金融公庫からの新型コロナ対策資本性劣後ローン、および融資により総額6500万円の資金調達を完了したと発表した。

引受先は、クオンタムリープベンチャーズが運営するQXLV投資事業有限責任組合。借入先は城南信用金庫。新型コロナ対策資本性劣後ローンは、「新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付」によるもの。新型コロナウイルス感染症の影響を受けているスタートアップ企業や事業再生に取り組む方などを対象に、財務体質強化を図るために資本性資金を供給する制度となっている。

プロダクト開発のスピードを加速させ、社会におけるリーガルアクセスを一刻も早く改善するべくシードラウンドでの資金調達を実施した。

2019年創業のキビタスは、オンライン上で行われる仲裁・紛争解決「ODR」(Online Dispute Resolution)や、「スマートリーガルコントラクト」など、Society 5.0における次世代型法律サービスの研究開発および社会実装を行うリーガルテック・スタートアップ。

スマートリーガルコントラクトとは、契約をはじめ文書に含まれる各条項を構造化・データ化することでソフトウェアでも判読可能であると同時に、自然言語によって可読性と法的有効性が担保された契約書および契約記述形式をいう。

2019年から2020年にかけて首相官邸の日本経済再生本部においてODR活性化検討会が開催、2020年には経済産業省より「GOVERNANCE INNOVATION: Society5.0の実現に向けた法とアーキテクチャのリ・デザイン」報告書が発表されるなど、次世代型社会における司法や規制のあり方に関する議論が活発化している。

このような社会ニーズを受けキビタスでは、既存の法的枠組みでは対応しきれなかった「法の余白」を活用した法律サービスを実現するべく、デジタルプロダクトの開発ならびに国内大手企業との共同研究などを進めているという。

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NDAの統一化を図るプロジェクト「OneNDA」が統一ポリシーの「スマート要約」と概要を公開

NDAの統一化を図るプロジェクト「OneNDA」が統一ポリシーの「スマート要約」と概要を公開

契約書を中心とした法務書類のバージョン管理サービス「Hubble」(ハブル)運営のHubbleは12月18日、秘密保持契約書(NDA)の統一化を図るプロジェクト「OneNDA」において、予備知識がない方でも「『OneNDA』秘密保持ポリシー」の内容について理解できるよう「スマート要約」(平易な要約)および概要を公開した。

今回の取り組みは、以下の実現とともに、今後の参加企業の増加を目指したものとしている。

契約実務のバックボーンを有しない方でも合意内容を理解できること

NDAを締結する際、実際には契約当事者がその正確な内容を把握していない場合がある。しかし契約が当事者間の合意である以上、その合意内容を当事者が理解していない状態は健全とはいえない。このためOneNDAでは、NDAの統一規格化を通じて、契約実務のバックボーンを有しない方でも自らが合意する内容を理解できることを目指している。

開示者側が秘密情報を自らコントロールするという、新たな情報の管理意識の醸成

同時に、「とりあえずNDAを結んでおけば安心」といった体裁でNDAが締結される場合もある。NDAを締結したとしても、秘密情報を開示する以上は、当該秘密情報のコントロールを相手方に委ねることになる。

これに対して同プロジェクトでは、「OneNDA」というひとつのルールを理解し正確に把握することで、「そもそもどの情報を開示するのか」「誰に開示するのか」「どのように損害を回復できるのか」など、開示者側が秘密情報を自らコントロールするという新たな情報の管理意識が醸成されるようにしたいという。

OneNDAとは

OneNDAは、NDAの統一規格化を目指すコンソーシアム型のNDA締結プラットフォーム。OneNDAに参画した企業同士の取引であれば、取引ごとに個別のNDAを締結することなく、OneNDA内のルールに基づいて企業活動を進められる。これにより、従来個別に締結されていたNDAに関する業務の効率化を図り、迅速に取引できるようになる。2020年8月のOneNDA正式リリース後、約1ヵ月でが約100社が参画。参画企業は、野村不動産・ネスレ日本・ウォンテッドリーはじめ、業界業種を問わず広がりを見せているという。

なお、OneNDAに参画している企業同士の取引の場合であっても、OneNDAを利用せず、別途個別にNDAを締結することも可能。
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契約書レビューAIクラウド「り~が~るチェック」展開のリセが2億1570万円調達

契約書レビューAIのクラウドサービス「り~が~るチェック」を展開するリセ(Lisse)は11月17日、第三者割当増資による2億1570万円の資金調達を発表した。引受先はミロク情報サービスおよび個人投資家など。調達した資金は、中堅・中小企業に対するアプローチ、人材採用などの加速に利用する。

また、ミロク情報サービスとの業務提携のもと、中堅・中小企業に法務部門におけるDXを推進し、より高度な業務効率化、生産性向上の実現を目指す。契約書レビューAIクラウド「り~が~るチェック」のリセが2億1570万円調達

リセは、藤田美樹 代表取締役社長が「弁護士時代に見た、まじめな中小企業が搾取される事例」「アメリカ留学で知った、法分野のテクノロジー格差」から、2018年6月に設立。スタートアップや中小企業に多い、少人数法務を支援する契約書AIレビューのクラウドサービス「り~が~るチェック」を展開している。

リセによると、弁護士に契約書を1通レビューしてもらうには、短い定型的なものであっても平均3万円ほど、英文契約書においては10万円以上はかかるのが一般的で、中堅中小企業にとっては手が出しにくいという。り~が~るチェックにおいては、契約書の作成からレビュー、翻訳、管理やノウハウ共有までを実現するサービスとして、月額2万円(翻訳機能や英文レビュー機能を含める場合は月3万円)という価格帯で提供している。

また同社は、ビジネスへの潜在的な影響が計り知れないコロナ禍、テレワーク定着によって法務ノウハウの蓄積や共有も難しくなっている状況において、法務体制をより多くの企業に届ける必要があると指摘。契約書レビューAIクラウド「り~が~るチェック」のリセが2億1570万円調達

テレワーク導入による契約書の電子化に合わせて、オフィスを離れても経験の浅い人など誰もが契約書レビューができる環境、そして契約破棄に対する検討や交渉案件の決裂防止などにより企業法務からのニーズが急増しているという。り~が~るチェックにおいては、特に5月半ばから問い合わせ件数が増加し続け、コロナ前と比較すると月3倍以上と勢いを増しているとした。

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法人向けAI契約書レビュー支援の「AI-CON Pro」が自社基準でリスクを検知する機能を日本初採用

法人向けAI契約書レビュー支援の「AI-CON Pro」が自社基準でリスクを検知する機能を日本初採用

GVA TECHは9月23日、エンタープライズ向けAI契約書レビュー支援クラウド「AI-CON Pro」(アイコンプロ)に、基準に則さない契約条件をAIが瞬時に検知する「リスク検知機能」を新たに搭載したと発表した。一般的な基準だけでなく、企業が独自に定めた基準に対応するリスク検知機能の提供は日本初という。

今回の新機能は、設定したリスクワードと完全に一致するワードが検知の対象。今後「その他一切の」「その他全ての」「その他すべての」など、類義語も同一リスクとして検知する機能の追加を予定している(2020年10月頃予定)。

AI-CON Proは、企業が自社ノウハウとして持っている契約書ひな型や法務知識をセットすることで、「自社の法務基準」に則した契約書レビュー業務を支援するサービス。

AI-CON Proの管理画面から自社の契約条件に則さないリスクワードを登録すると、レビュー対象の契約書に含まれるリスクワードを検知し、Word上の該当箇所を太字で示す体裁でアラートを表示。

法人向けAI契約書レビュー支援の「AI-CON Pro」が自社基準でリスクを検知する機能を日本初採用

また、11類型48種類の契約書については、GVA TECHに所属する弁護士が監修した一般的な基準でリスク検知を行うことも可能。対応類型は、NDA、システム開発契約、コンサルティング・アドバイザリー契約、一般業務委託契約、売買契約、人材紹介契約、販売代理店契約、販売店契約、ライセンス契約、情報システム運用保守契約、利用規約となっている。

ノウハウが属人化しやすく、経験豊富な社員に業務が偏りがちな契約書レビュー業務において、AI-CON Proが部員間のノウハウの共有を可能にし、属人化の解消およびクオリティの平準化を実現するとしている。

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法務向けAI搭載オンラインエディター「LAWGUE」の日本法務システム研究所が3億円を調達

法務向けAI搭載オンラインエディター「LAWGUE」の日本法務システム研究所が3億円を調達

契約書など法務・コンプライアンス領域向けAI搭載オンラインエディター「LAWGUE」(ローグ)開発・提供の日本法務システム研究所は9月14日、第三者割当増資および融資として、約3億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は新日本法規出版、第一法規、鈴与、AI inside、UB Venturesが運用するファンド。融資については、三菱UFJ銀行からのプロパー融資となっている。

調達した資金は、業務提携関係にある各事業会社との取り組みの加速、また製品開発、営業、サポート体制の強化に利用する。

法務向けAI搭載オンラインエディター「LAWGUE」の日本法務システム研究所が3億円を調達

日本法務システム研究所のLAWGUEは、過去文書を資産化し、条項単位で検索・再利用できるAI搭載のオンラインエディター。組織内のナレッジ共有を実現するとともに、契約書や規程類などの構造化文書作成に携わるビジネスパーソンを、ひな形や過去文書の検索、Wordファイルの履歴参照、ファイル添付メールの往復といった非効率業務から解放する。リーガルテックの枠を越え、現在は知財分野やIR分野など、多くの領域で活用が進んでいるという。

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AIによる契約レビューで取引を加速させるThoughtRiverが10.6億円を調達
リモート口述用のビデオ会議サービスなどで法律事務所の業務をサポートするStenoが3.5億円調達
LegalForceがクラウド契約書管理システム「Marshall」のオープンベータテスト開始

AIによる契約レビューで取引を加速させるThoughtRiverが10.6億円を調達

ロンドンを拠点とするリーガルテックのスタートアップのThoughtRiver(ソウトリバー)が、Octopus Venturesが主導するシリーズAラウンドで1000万ドル(約10億6000万円)を調達したことを発表した。同社のサービスはAIを適用して契約の事前審査を迅速化する。既存のシード投資家であるCrane、Local Globe、Entrée Capital、Syndicate Room、そしてエンジェル投資家のDuncan Painter(ダンカン・ペインター)氏もラウンドに参加した。

この英国のスタートアップは、業務効率を高めることを目的として、通常は法務専門家によって行われる作業を自動化するためにAIを適用しようとする数ある企業の1つだ。この分野で活躍しているスタートアップを他にもいくつか挙げるなら、Kira Systems(キラ・システムズ)、LawGeex(ロウギークス)、Luminance(ルミナンス)などがある。

ThoughtRiverは、契約締結の迅速化を目的として署名前の契約に重点を置いているために、他の契約書レビュー会社とは異なる場所に焦点を当てていると主張している。「他のほとんどすべての製品は、既存の契約からデータを引き出すために利用されていますが、ThoughtRiverの製品は法務チームと同様に、営業チームからも需要があるのです」と広報担当者は語った。

今回のシリーズAラウンドは、2015年に設立された同スタートアップが、12カ月間にわたる著しい成長をみせたタイミングで行われた。同社はその自動契約レビューソフトウェアが現在G4S(英国の民間軍事・警備会社)、Singtel(シンガポール・テレコム)、DB Schenker(ドイツ鉄道傘下の物流会社)などで利用されていると述べている。同社のサービスは2017年末に開始され、広報担当者によれば、現在世界中に25を超える顧客を擁しているという。

またプレスリリースによれば、同社はプロフェッショナルサービス企業PwCとの戦略的パートナーシップも高らかに謳っている。PwCはThoughtRiverのソフトウェアを利用してその顧客向けのサービスを開発している。

ThoughtRiverは、社内弁護士を使って契約の事前レビューをするときに比べて、時間を最大95%、コストを最大80%削減できると宣伝している。そして「契約レビューの速度を上げることで契約の流れを加速する」が全体的な主張となっている。

技術面でいえば、ThoughtRiverが契約書の法的論理のオントロジー(概念間の関係)を作成し、一連の詳細な質問を自然言語処理(NLP)エンジンと組み合わせることで、リスク評価を生成して、ソフトウェアが契約を事前スクリーニングすることを可能にした。また、社内弁護士が好んで利用するMicrosoft Wordのプラグインなどを通して、問題を改善するための法律用語の調整を提案したりもする。

スタートアップが売り込んでいる他の利点には、デューデリジェンスや規制変更の影響を評価をする際に、契約分析を大規模に強化するためのデータ抽出機能がある。また、契約内容の概要に簡単にアクセスさせることで、情報に基づいたビジネス関係を可能にできることも売り文句としている。

画像クレジット:ThoughtRiver

ThoughtRiverはすでにニューヨーク、シンガポール、ロンドン、ケンブリッジ、オークランドにオフィスを構えている。新しく調達した資金は、これから販売とマーケティングの取り組みを強化する、米国市場でのさらなる成長に向けられるとされている。有力な技術パートナーとの統合の拡大も、計画されている。

アーリーステージ投資ファームであるOctopus VenturesのAkriti Dokania(アクリティ・ドカニア)氏は声明の中で、このラウンドについて次のように述べている「リーガル分野は他の産業分野に比べてAIの適用に関して遅れていましたが、ThoughtRiverは弁護士たちの基礎的な課題を解決することで、成功したビジネスモデルを実現しました。高度な自然言語処理エンジンを使用して契約レビューを迅速に行い、取引フローとビジネスの成長を加速させることで、法務専門家はこれまで以上に効率的に作業を行えるようになります。確立された市場と一連のプロセスを、創造的に破壊するThoughtRiverの計画を支援できることがとても楽しみです」。

カテゴリー:リーガルテック

タグ:ThoughtRiver

画像クレジット:peepo / Getty Images

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(翻訳:sako)

リモート口述用のビデオ会議サービスなどで法律事務所の業務をサポートするStenoが3.5億円調達

世界の法律サービスの市場は2017年に8490億ドル(約89兆円)で、2021年には1兆ドル(約105腸炎)に達すると予想されている。ロサンゼルスのスタートアップであるStenoが、その一部を欲しているのも当然のことだ。

多くの法律サービス企業と同じく、同社が提供するものは会議室や裁判所に集まる人の数が減り、さまざまな場所で活動する人がいる状況で法律実務を円滑に行うための方法だ。

Stenoがローンチした際のサービスは、裁判の報告が中心だった。裁判所速記官を揃え、支払いを行うことで弁護士たちのToDoリストから頭痛のタネを取り除くものだった。

さらに最近では、同社はリモート口述のためのビデオ会議サービスも提供している。それは同社によると、安全であるだけでなく証拠物件の扱いやその他の詳細を、特定の法律上のニーズを満たしている。

また注目すべき点として、1、2年かかることもある訴訟が解決するまで、弁護士が代金を支払うことなく証言録取を取ることができる貸付商品を提供していることだ。弁護士は結審して支払いが得られるまでは財政が逼迫して苦しく、そのほかのクライアントに応じられないこともあるため、この貸付サービスが登場した。もちろんこのサービスは、その他の貸付サービスと同様にStenoの重要な収益源でもある。

Stenoは今週の初めに、First Round Capitalがリードする350万ドル(約3億6900万円)のシードラウンドをクローズし、調達総額は500万ドル(約5億2700万円)になった。

当然ながら創業者の1人はDylan Ruga(ディラン・ルガ)という裁判弁護士で、ロサンゼルスの法律グループに属している。そのため、同業者たちの悩みもよくわかるのだ。

意外なのは共同創業者であるGregory Hong(グレゴリー・ホン)氏で、彼は以前、レストラン予約サービスであるReserveの共同創業者だった。そこはResyに買収され、さらにそのResyをAmerican Expressが買収している。ホン氏はどうやって、まったくの異業種に飛び込んだのだろうか?

ホン氏はルガ氏がいなければStenoに惹かれることはなかっただろう、という。以前、ルガ氏はResyの商標担当弁護士で、ホン氏にスタートアップであるStenoに経営についてアドバイスして欲しい、と依頼した。彼は好意からその頼みを聞き、その後、そのスタートアップへの参加を望んだ。「『これはユニークな仕事だ』と思った。そこで『ディラン、私にやらせてくれ』と話したんだ」とホン氏はいう。

現在、創業19カ月となるStenoにはフルタイムの社員が20名、パートタイムが10名いる。ホン氏は、パンデミックが追い風だという。弁護士やその他の関係者が全員ソーシャルディスタンスを保っている現在、テクノロジーを利用する法律サービスがとても魅力的に見える。

ホン氏によると、Stenoの法律サービスは貸付のような財務サービスと結びついているため支持者も多い。法律グループのJML LawSimon Law Groupのように、個人の傷害事件が得意なところも、Stenoをよく利用している。

Stenoの課金や金融サービスは個々の事案ベースだが、それでも裁判をよく行う顧客からのリピートがある。またホン氏によると、現在、サブスクリプションサービスも考えているという。またビデオ会議サービスも、他の用途を開発したいとのこと。ホン氏うよると、Stenoのテクノロジーはとても適しており、同社のサービスが法律サービスにフォーカスし続けていくことに変わりはないとのことだ。

カテゴリー:リーガルテック

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

LegalForceがクラウド契約書管理システム「Marshall」のオープンベータテスト開始

LegalForce Marshall

LegalForceは8月5日、クラウド契約書管理システム「Marshall」のオープンベータテストを開始した。契約書レビュー支援ソフトウェア「LegalForce」の開発で培った自然言語処理技術と機械学習技術を活用し、契約書管理につきものの入力作業の完全自動化を実現する。

表計算ソフトを利用した、必要情報の手入力による締結後の契約書の管理は、膨大な作業時間を要する上に、入力ミスの防止も難しく、企業の文書管理において大きな課題となっているという。

これに対してMarshallでは、締結済み契約書のPDFデータをアップロードするだけで、自動で全文の文字起こしを施し、「契約締結日」や「契約当事者名」、「契約開始日、終了日」などの情報を抽出して検索可能なデータベースに仕上げるとしている。紙で締結された契約書、電子締結された契約書、両方に対応。

またこれにより、法務担当者は、契約書管理の時間を大幅に削減できるほか、過去に締結した契約書の検索も短時間で行えるようになる。

LegalForce Marshall

LegalForceは、2019年4月に正式版サービスを提供開始した、クラウド型契約書レビュー支援ソフトウェア。契約書のリスクを数秒で洗い出す自動レビュー機能や、社内の契約書データの有効活用を支援するナレッジマネジメント機能により、リスク検出やリサーチにかかる時間を大幅に削減しながら、業務品質を高められる。LegalForce利用者は、平均3割の業務時間削減に成功し、8割以上が契約書業務の品質向上を実感しているという。2020年8月時点で、400超の企業・法律事務所で利用されている。

2017年創業のLegalForceは、独自のAI技術と弁護士の法務知見を組み合わせ、企業法務の課題を解決するソフトウェアを開発・提供。京都大学との共同研究をはじめ、学術領域への貢献も行っている。

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法務局に行かずにストックオプションの登記申請が可能な「AI-CON登記」が登場

AIを活用した各種リーガルテックサービスを開発・運営するGVA TECHは8月3日、法務局に出向くことなくストックオプション(新株予約権)の登記申請に対応したサービス「AI-CON登記」を発表した。同社は、弁護士の山本 俊氏が設立した2017年1月設立のリーガルテックスタートアップ。同氏は、スタートアップ企業のIPOまでの法務サービスなどを提供する、GVA法律事務所の代表弁護士でもある。

AI-CONは同社独自のAI契約書レビュー支援サービスで、登記申請できる契約書の種類は以下の9種類と今回のストックオプションで合計10種類になる。

  • 株式会社の役員変更(新任)登記
  • 株式会社の役員変更(辞任)登記
  • 株式会社の役員変更(重任・退任)登記
  • 株式会社の本店移転登記(管轄内外)
  • 株式会社の募集株式発行(増資)登記
  • 代表取締役の住所変更登記
  • 株式会社の商号変更登記
  • 株式会社の目的変更登記
  • 株式会社の株式分割登記

AI-CON登記を利用するには、同社のウェブサイトで会員登録後、会社情報や発行するストックオプションの情報を入力するだけで、AIが税制適格要件をカバーした割当契約書や発行要項などを含む、登記申請に必要な書類を自動作成してくれる。作業・所要時間は1時間程度。あとは、作成された書類を印刷して押印と収入印紙(登録免許税)を貼って法務局に郵送することで登記申請が完了する。もちろん、法務局にこの書類を持ち込んでもいい。

利用料金は、ストックオプション発行手続書類が税別3万円、各書類を印刷してレターパックとセットで届けてくれる「かんたん郵送パック」が税別5000円から。かんたん郵送パックを使えば、所定位置に押印や収入印紙を貼って投函するだけで登記申請ができる。なお現在は、コロナウイルス感染拡大に伴う「No!3密キャンペーン」を実施中で、かんたん郵送パックを税別3000円で利用できる。

そのほか税別5000円の「登記簿謄本郵送オプション」サービスもある。申請した登記内容が反映されたら、通知と登記簿謄本(履歴事項全部証明書)を郵送で申請者に送付するサービスだ。法務局には登記完了を申請者に通知する仕組みは用意されておらず、申請者が登記情報を逐一チェックする必要ある。このオプションサービス使えば、申請者はチェックの手間なく登記簿謄本が郵送で届くのを待つだけでいい。

GVA TECHでは、今後もさまざま登記種類への対応を計画しており、司法書士などに書類作成を頼むコストを手間、時間の軽減を目指し、起業家やスタートアップ企業の支援を進める。

苦戦中のハーレーダビッドソンが構造改革推進で700人削減

苦戦しているミルウォーキー拠点のHarley-Davidson(ハーレーダビッドソン)は2019年に、売上の回復と若年層へのアピールを狙って初の電動バイクを立ち上げたが、いまグローバルで700人を削減しようとしている。約500人が年内に解雇される、と同社は米国時間7月9日に明らかにした。

同社のCFOであるJohn Olin(ジョン・オリン)氏もまた社を去る。退職は即日だ。財務担当の副社長であるDarrell Thomas(ダレル・トマス)氏が、次のCFOが指名されるまで暫定CFOを務める。「大きな変化が必要だ。そして我々は新たな方向へと進まなければならない」とハーレーダビッドソンの会長兼CEOのJochen Zeitz(ヨッヘン・ツァイツ)氏は声明で述べた(Harley-Davidsonリリース)。

ハーレーダビッドソンは人員削減と構造改革の計画に「The Rewire」という名称を付けた。ツァイツ氏が2020年4月に第1四半期の決算会見で明らかにした。当時、ツァイツ氏はハーレーダビッドソンが「More Roads」という戦略計画をまだ進めていると話していた。この計画はマーケティングやディーラーシップイニシアチブ、アジア市場向けの小型バイクやLiveWireで始めるEVなどを含む一連の新プロダクトを通じて、ハーレーダビッドソンをアクセスしやすいグローバルのブランドにすることが目的だ。

しかしツァイツ氏は4月に、変革の時だと宣言した。

「観察と評価の結果、持続性のある利益や長期的成長のために我々は大胆なアクションを取り、優先順位や実行、オペレーティングモデル、戦略という点で刷新する必要があるという結論に至った」と同氏は4月に述べている。「我々はこれを『The Rewire』と呼ぶ。これは今後数カ月のためのシナリオであり、新たな5カ年戦略計画につながるものだ。戦略計画は将来の見通しが戻ってきたときに共有する」。

将来の見通しは明らかに戻った。そしてハーレーダビッドソンはコストを削減し、基幹プロダクトに戻る時だと考えている。初のRewireアクションは2020年第2四半期の約4200万ドル(約45億円)のコストの構造改革となる見込みだと同社は7月9日の声明で述べた。第2四半期の決算を発表するときに、追加コストや予想される節約幅を含めたThe Rewireの概要を明らかにする計画だ。The Rewireは、第4四半期に発表される見込みの2021〜2025年新戦略計画の基礎となる。

ハーレーダビッドソンの主要顧客であるベービーブーマー世代が年を取るにつれ、同社にとって最大のマーケットである米国では近年販売が不振だった。新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックは販売をさらに下押しし、同社は生産を縮小した。その結果、ウィスコンシンとペンシルバニアの工場で先月数十人を解雇した。EVとアジア諸国向けプロダクトの推進は、新マーケット拡大とハーレーダビッドソンの復活を目的としていた。

「The Rewire」が同社のEV推進にどのように影響するかは不透明だ。2019年秋にローンチされたLiveWireは、同社が計画したバイクや自転車、スクーターを含む未来のEVラインナップにつながるはずだった。ハーレーダビッドソンにコメントを求めたが返事はなかった。反応があり次第、記事をアップデートする。

同社の声明では、EVについて特に言及されていない。ただ構造改革計画の主要素は、中核となる強みやバランスのとれた新分野への進出の推進、重要マーケットの優先、リセットプロダクトの立ち上げ、アクセサリー・小売事業の構築だと述べている。

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(翻訳:Mizoguchi

GVA法律事務所とみらいコンサルティングが月額1.2万円のスタートアップ向け法務・労務契約書レビューサービスを開始

GVA法律事務所みらいコンサルティングは7月6日、スタートアップ企業向けに、リーガルテックを活用した低価格の士業専門家サービス「スタートアップパック」の提供を開始した。GVA法律事務所の代表弁護士を務める山本 俊氏は、AIによる契約書レビューサービス「AI-CON」、NDA契約の締結を迅速化する「AI-CON Pro」などを提供するリーガルテックスタートアップ、GVA TECHの代表取締役を兼務する人物。みらいコンサルティングは、IPOに向けた労務管理などを得意とする社会保険労務士法人だ。

創業間もないスタートアップ企業は、法務・労務に携わる人材が十分でないことが多いうえ、外部委託する際の数万円のコストを捻出することも難しい。そこで両社は、AIを利用することで月額顧問料を税別1万2000円と低額にしたサービスを開発した。「AI-CON Pro」のシステムをベースとして、シード、アーリーの時期に必要な契約書・労務書類の約30種類のドラフトの提供やレビューのサポート、月あたり15分の簡易な個別相談などの顧問サービスを提供する。

具体的には、各種業務委託契約、利用規約、創業者株主間契約、投資契約など契約書のひな型やレビュー時のチェックポイントをAI-CON Proに登録することで、容易かつ正確にAIが契約書をレビューしてくれる。さらにみらいコンサルティングが作成した、就業規則、賃金規程、労働条件通知書(雇用契約書)、36協定届、機密保持誓約書など5類型の労務書類にも対応する。

なお両社は今回のサービス提供に併せて、7月28日13時から「Withコロナ時代の、スタートアップのバックオフィス戦略(仮)」とダイしたオンラインセミナーを開催する予定だ。

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リーガルテックのSmaConが取引先と短時間・低コストで秘密保持契約を締結可能な「NDA統一標準規格」公開

SmaCon NDA統一標準規格

リーガルテックサービス運営のSmaConは6月23日、NDA(秘密保持契約)の統一標準規格を公開し、標準規格を用いた契約締結サービスの無料提供を開始した。従来の契約締結プロセスに「SmaCon標準規格」を組み込むだけで導入でき、契約締結のスピードとコストを低減できる。

今後は、業務委託契約、売買契約、賃貸借契約、ライセンス契約など、NDA以外の標準規格を順次公開し、主要な契約類型を網羅する予定。

SmaConは、企業法務専門の弁護士による監修のもと、全事業者が共通して使用可能なNDA標準規格を公開。電子契約サービスでの利用が可能なほか、ブロックチェーン技術を利用とした仕組みにより、同規格の永続性・安全性・改ざん耐性を担保している。

また利用者は、「SmaConが提供する標準規格に準拠する」と契約書に記載するだけでほとんどの契約条項の記載を省略可能となり、全文がA4サイズ1ページ程度に収まるという。またこれにより、契約書の作成・レビューが不要になり、その場で契約を締結してビジネスを迅速に進められるとしている。

SmaCon NDA統一標準規格

現在、各社が用いる契約書のひな形は「百社百様」の状態にあるものの、契約書のレビューにかかる労力は取引のリスクの大小にかかわらずほとんど一定であることから、低リスクな契約書に労力をかけすぎ、高リスクな契約書に十分なリソースが割かれないという状況が発生しているという。

そこでSmaConは、低リスク取引の契約書を定型化することで余剰リソースを生み出し、高リスク取引の契約書の作成・レビュー・交渉に割り振ることで、法務リソースの最適な配分の実現を目指すとした。

日米中心に1.2億件超の特許情報を自然言語で検索できるAmplified、発明者自らが手軽に特許検索が可能に

米国サンフランシスコと東京に拠点を構えるamplified ai(アンプリファイド エーアイ)は6月22日、AI特許調査プラットフォーム「Amplified」の正式版をリリースした。調査1件につき2万円を都度払いするPay-Per-Projectプランと、毎月30件までの調査が可能な月額5万円のProfessionalプランを用意する。なお、ユーザー登録後2週間は無料試用できる。

日本国内で特許情報を調べるには、独立行政法人工業所有権情報・研修館が提供している「特許情報プラットフォーム」(J-PlatPat)などを利用できるが、検索文字列に利用できるのは、キーワードと各特許に割り振られた番号のみ。

キーワード検索では、該当キーワードが含む特許がすべて列挙されるため、目的の情報を探すには手間がかかる。一方、番号での検索はあらかじめ該当番号を知っている場合しか利用できない。

その結果、専門的な検索論理式が必要となり、高度な検索スキル持っていないとなかなか使いこなせない。現状では、新プロダクトや新サービスを開発する前に専門の調査会社にリサーチを依頼する必要あがり、手間もコストもかかる。同社によると、実際には数日から数カ月の調査期間を要するという。

Amplifiedは、自分が開発しているプロダクトやサービスの内容を日本語や英語で記述することで、関連する特許情報を高精度でリストアップしてくれるサービス。特許情報は各国が開示しているオープンデータを使っており、1億2000万件超のデータが集積されている。同サービスは、この特許情報をディープラーニングによって解析し、利用者が入力した内容と類似性の高いデータのみを抽出できるのが特徴だ。

例えば、電子ペンの開発を検討する際に「電子黒板やタブレット端末に手書き入力するための電子ペン」「電子ペンの内部で電源」「圧力センサで接触や筆圧の検出が可能」などの文言をを含む説明文をAmplifiedに入力すると、関連する特許が列挙されるという仕組みだ。

検索に利用できる言語は、日本語と英語で、文書はもちろん図なども検索可能だ。

製品開発を始める前の企画書段階でどういった特許を使う必要があるのか、あるいは避ける必要があるのかが、特許検索の素人でもすぐにわかるのだ。

AI契約書レビューのAI-CON Proに秘密保持契約の校正・評価機能が加わる、迅速なNDA締結を実現

GVA TECHは6月8日、AIを利用した契約書校正サービスの「AI-CON Pro」に秘密保持契約書(NDA)の校正機能「AI-CON Pro for SalesNDA」を追加したことを明らかにした。これにより、法務部や法務担当者に依頼しなくても営業部で秘密保持契約書を校正(レビュー)可能になる。

AI-CON Proは、企業が自社のノウハウとして持っている契約書ひな型や法務知識を登録することで、自社の法務基準に則して契約書を校正できる業務支援サービス。属人的になりやすい契約書の校正業務をAI-CON Proが共有・平準化し、法務部や法務担当者以外でも契約書を校正・評価できるようになる。

秘密保持契約書とは、他社と業務提携する際に機密情報の取り扱いについて定めた契約書。例えば、新製品や新サービスの販売を控えた企業と報道各社が契約を結んで、情報解禁日などについて同意する際に使われる。国内では口約束のケースもいまだに多いが、外資系企業や国内大手企業では秘密保持契約を締結したうえで説明会や内覧会を実施している。

通常、企業間でこのような契約書を締結する場合、法務部、もしくは各部の法務担当者が内容をチェックするケースが多いが、大企業でもない限り法務部や法務担当者はマンパワー不足のことが多い。

一方で依頼する側は、法務部などにチェックを依頼すると時間がかかるという問題もある。、秘密保持契約書は、作成した企業によって言い回しなどの差異はあるものの、内容はほとんど変わらないので「なぜ遅い?」とストレスを感じこともしばしば。責任の所在や契約を破った際、破られた際のリスクを社内で統一しておけば、わざわざ法務部が内容を逐一確認する必要がないケースがほとんどだろう。

AI-CON Pro for SalesNDAはこの問題をAIで解決するサービス。法務部でルールを定めた秘密保持契約書の評価・校正方針をAI-CON Proを通じて社内展開することで、法務部や法務担当者を介さずに契約書の校正や評価などの作業を完結できるようになる。

これにより法務部の負担軽減や契約処理のスピードアップが可能になるほか、評価基準はクラウド上で管理するため常に最新の基準を共有できるというメリットもある。

実際にAI-CON Pro for SalesNDAを先行導入した、管理部門や士業に特化した転職サービスを運営するMS-Japanは「法務担当がノウハウとして持っている、修正依頼の多い条文での返答例や注意すべき内容をAI-CON Proに集約することで、営業担当自身がNDAや人材紹介契約書などの定型的な契約書のレビューを完結できるようになれば、契約締結までのスピードが早くなり、事業が伸びていくことを期待している」とコメントしている。

AI契約書レビューのGVA TECHが契約書管理サービスのHubbleと提携、オンラインでの契約締結までを一気通貫で

企業向けのAI契約書レビュー支援サービス「AI-CON Pro」(アイコン・プロ)を開発・提供するGVA TECH(ジーヴァテック)は5月18日、契約書の管理・共有サービスを開発・提供するHubble(ハブル)との提携を発表した。両社の提携により、契約書の内容確認(レビュー)はもちろん、交渉内容や契約書のバージョン管理、電子サインによる締結までの契約書審査業務のフローをオンラインでワンストップ提供可能になる。なお、電子サインには別途契約が必要だが、弁護士ットコムが提供しているCLOUDSIGN、もしくは米国のDocuSign(ドキュサイン)が提供しているDocuSignを利用可能だ。

契約書のレビューから契約の締結までの流れは以下のとおり。

  1. 相手企業から自社の営業担当にひな型がメールで届く
  2. 自社の営業担当がHubbleを使用して法務部に契約書のレビュー依頼をする
  3. 自社の法務部はAI-CON Proを使用して「自社基準」で契約書レビューをする
  4. 自社の法務部はHubbleを使用して営業担当に返答する
  5. 自社の営業担当はメールで相手企業に返答して交渉(2〜5を繰り返す)
  6. 契約合意が取れた内容を法務部から電子サインで締結する

なお両社は今回の提携で生まれたサービスついて6月4日13時からオンラインセミナーを開催予定だ。

締結済みの契約書を自動でデータベース化、LegalForceがクラウド契約書管理システムの事前登録受付を開始

AIを用いた契約書レビュー支援サービスを展開するLegalForceは5月18日、同社にとって新事業となるクラウド契約書管理システム「Marshall」の事前登録受付をスタートした。

Marshallでは「LegalForce」を通じて培ってきた自然言語処理技術と機械学習技術を活用。締結済み契約書のPDFデータをアップロードすれば、自動で契約書のデータベースが構築される。現在は社内やLegalForceの導入企業にてクローズドβ版を運用しながら機能をブラッシュアップしている状況で、今年の8月を目処にオープンβ版をローンチ予定する予定だ。

LegalForceでCOOを務める川戸崇志氏によると、これまで多くの企業では締結版の契約書を管理するためにエクセルなどで作成した台帳に必要情報を手作業で入力してきた。そのやり方では業務負担が大きい上に網羅性を担保するのが難しく、必要な情報へたどり着くまでに時間がかかるなどの課題があったという。

Marshallではテクノロジーを活用して契約書を自動で整理することによりその課題を解決する。特徴は「契約書のデータを取り込むだけで契約締結日や契約当事者名などの情報がテキストデータとして自動で抽出される」点だ。

要はデータベースを作るための膨大な入力業務が必要ないことに加え(ただし紙の契約書の場合にはスキャンしてPDF化する作業は必要)、情報がテキストデータ化されることで「ある契約書の中に特定の条文や文言が入っているかどうか」を調べたいと思った時などに、ピンポイントで検索できるようになる。

クラウド上で契約書を管理できるシステム自体はすでに存在するが、川戸氏の話では「自動でテキストデータ化する機能がついたものはほとんどない」ので、単にファイルをアップロードするだけではタイトルなど限られた情報しか検索できなかった。そのため欲しい情報を得るには結局全文をチェックする手間がかかり、それを避けるには人手をかけてデータを整備する必要があったという。

「法務部門はそんなに人も多くないので、通常の業務に加えて自分たちで細かいデータを手入力していくとなると大変だ。Marshallは後から検索しやすい形で、契約書の情報が自動ですっと入っていくのが特徴。(人力で対応するよりも)データ化の作業工数が減り、紙で管理する場合と比べれば必要な情報を探すのも簡単だ。紙の契約書を確認する必要もないので、在宅勤務にも対応できる」(川戸氏)

MarshallはLegalForce自身が社内で抱えていた課題を解決するために開発したプロダクトでもある。

同社でも細かい契約内容を確認するために締結版の契約書を見返すことがよくあったそうだが、その際に必要な情報がなかなか見つからないのが課題になっていたとのこと。また直近では新型コロナウイルスの影響で管理部門を在宅勤務に切り替えていることもあり、その環境下であってもスムーズに契約書をチェックできる仕組みが必要だったという。

現在クローズドβ版に搭載されている機能については上記の通りだが、今後はオープンβ版の公開に向けていくつかのアップデートを行っていく計画。契約書レビューサービスでは実装済みの仕組みを使って「締結版の契約書についても自動でリスクチェックをする機能」なども予定しているそうだ。

「契約書の中の情報を単に抜き出すだけでなく、テキストデータ化した後でいかに活用していけるかを追求していく。条項単位でリスクを細かく分析できる仕組みもその1つ。LegalForceを通じて締結前の契約書に対してやってきたことを、締結版の契約書に対してもできるようにしていきたいと考えている」(川戸氏)

規制業界のスタートアップを支援、サブスク型法律サービス「TOPCOURT」

法律×テクノロジーで既存産業の大幅な効率化や改革を狙うリーガルテックは、日本にも徐々に浸透してきている。2月に10億円を調達したLegalForceやGVA TECHが提供するAI活用による契約書レビュー支援や、IT担当大臣の発言で注目を集めた電子契約関連サービスなど、契約書にまつわるサービスが多い印象だが、そのほかにも専門書を横断的に利用できる「Legal Library」など法務担当者・法律家向けサービス、商標検索・登録などの知財まわりのサービスも立ち上がっている。

ところが、先んじて既存業界のディスラプトが進んでいるかのように見える米国のリーガルテック業界では、道はそう平坦なものではないようだ。3月には、定額サブスクリプションモデルで「法律家+スタートアップ」のハイブリッド型法律サービスを提供してきたAtriumが、法律事務所のみを残し、スタートアップとしてのサービスを閉鎖している。

そんな状況下で今、あえて日本にサブスクリプション型で法律事務所のサービスを展開しようという動きが現れた。

サブスクリプション型法律サービス「TOPCOURT」を提供するのは、トップコート国際法律事務所。代表弁護士の伊澤文平氏は、集団訴訟プラットフォーム「enjin(エンジン:事業譲渡後、現在はサービス終了)」を作ったClassAction(クラスアクション)の創業者で、LegalTech協会を発足、代表理事を務める人物だ。最近では共同創業で、2019年12月に未払い養育費を請求・回収できるサービス「iCash」をローンチした、連続起業家でもある。

サービスを4月27日にスタートさせた伊澤氏に、サブスク型法律サービスやリーガルテックの可能性、同事務所がこれから何を目指すのかについて、話を聞いた。

SaaSとしてではなく法律事務所にリーガルテックを実装

TOPCOURTは、テクノロジーそのものを企業や法務担当者・法律家に提供するサービスではない。彼ら自身の法律事務所にテクノロジーを実装することで、弁護士の労働集約型ビジネスモデルを転換し、報酬体系を青天井のタイムチャージからサブスクリプションモデルへ変えようとするものだ。

伊澤氏は「法律サービスは報酬が高い、というイメージは誰もが持っている。また弁護士は法務の専門家ではあるがビジネス感度は低い人も多く、相談しても有意義なアドバイスが得られないことがある」と話す。「大手事務所に相談する大企業でも、街の弁護士に相談する中小企業でもこうしたペインはあるが、TOPCOURTでは特にスタートアップを対象として、サービスを提供していきたい」としている。

伊澤氏は、米国の先行事例であるAtriumがうまくいかなかった要因として「エクイティファイナンスによる資金調達」「法律業界への理解不足」「ニーズのずれ」の3つを挙げ、以下のように語る。

「Atriumは、AIが単体で弁護士サービスを提供できるというような想定で、エクイティファイナンスによる資金調達を行っていたが、アナログのデジタルへの置き換えはそれほど簡単なものではない。これがデットファイナンスであれば耐えられたかもしれないが、投資家から急がされる環境で、時間軸的に耐えられなかったのではないか」(伊澤氏)

実際Atriumは、テクノロジーによるサービス提供に軸足を置いて、サービス閉鎖の2カ月前にあたる今年1月の時点で、法律サービス部門の弁護士を解雇。ソフトウェアスタートアップとしてのピボットを試みていることをAtrium CEOのJustin Kan自身も明かしていた。

Justin Kanはもともと「Justin.tv」「Twitch」の創業でも知られるテクノロジー寄りの起業家で、法律業界にそれほど明るいわけではなかった。弁護士でもある伊澤氏は「法律サービスを売るには、業務・業界に関する知識がかなりなければ難しいのではないか」として、「仮に弁護士から詳細にヒアリングを行っていたとしても、プロダクトの作り手がピンと来なければ、ペインが解消できないと思う」と述べている。

一方で伊澤氏は「ビジネス、特にスタートアップの資金調達ロジックを理解している人は、法律家にはほとんどいない」とも語っている。「日本だけでなく米国でもこれは同じだろう」と伊澤氏は述べ、「Atriumに対しては法律サービスよりも、資金調達支援に関するニーズ、Justin Kanの持つ起業・調達ノウハウへのニーズの方が高かったのではないか」と分析している。

では、日本で同種のサブスク型サービスを展開して、うまくいくのか。この問いに伊澤氏は「ゴールによる」と答えている。

そもそも伊澤氏は「弁護士業務の効率化を図るため、AIは活用するが、AIで全てが実現できるほど進化しているかというと、そこは疑問視している」という。「日本語の壁もあり、今、AIだけで対応できるのは、ごく一般的な定型の契約書レビューぐらいだろう。クライアントの側も100%AIのサービスには不安を覚えている。技術の進歩の問題なのか、人の意識の問題なのか、どちらが先というわけでなく両方の問題があって、クライアントにそのままAI活用システムを提供するのは、まだちょっと早いと考えている」(伊澤氏)

そこで、LegalForceやAI-CONのようなSaaSとしてではなく、TOPCOURTでは「弁護士としてサービスを提供する」と伊澤氏。「ただし効率化によりフィーを安く提供できるよう、その部分にテクノロジーを導入する。時間をかければかけるほど高額化する弁護士の労働集約型ビジネスモデルをテクノロジーにより効率化し、青天井のタイムチャージから固定費用のサブスクモデルに転換することができると考えている」と語る。

「Atriumが目指していたような、弁護士が要らないサービスは、現状では完全には実現できない。ただ、時間をかければ工数を8割カットすることはできるのではないか。ケーススタディや契約書レビューをAIである程度クリアしておくことや、相談業務の一部を置き換えることなどは、今でもできる。一方、ビジネスモデル構築の際の法的整合性やリスクのチェックといった、クライアントになるスタートアップや新規事業を興す人たちが必要とする法律サービスは、行政との交渉なども入るので、システムに任せることは難しい。その部分は人が担っていく」(伊澤氏)

工数8割カットを最終形として目指す過程の第1歩として、今回、タイムチャージをなくしたTOPCOURT。料金は下記図のとおりで、法律相談や契約書レビュー、利用規約等の作成といった業務についてはプランごとに、定められた回数利用できる「チケット制」のような形で提供される。

「弁護士に高い費用を払ったのに大した結果が得られない、というペインを解消したい。テクノロジーでどこまで安くできるかはチャレンジだが、この料金を今後もっと落とせるとは思っている。職人としての弁護士業務でなく、法律サービスをパッケージ化して、コモディティ化し、ITサービスのようにしていきたい」(伊澤氏)

スタートアップを法律で支援、ファンド設立も目指す

TOPCOURTにはDeep30から出資を受けるAIスタートアップ、コーピー CEOの山元浩平氏が技術顧問として参画。伊澤氏は「具体的にはAI、RPA、CRMといった技術の導入で、弁護士業務を効率化しようとしている」と述べている。

AIについては他社サービスでも採用されているが、主に法人向け業務の多くの割合を占める契約書レビューに活用する。上述したとおり、TOPCOURTでは「あくまで弁護士のアシストとして」AIを採用。「段階的に弁護士の業務を3割から7割までは減らす計画だ」と伊澤氏は言う。

伊澤氏が「結構、効率化のキモになると考えている」のは、CRM、顧客管理の部分だそうだ。「日本にいる4万人の弁護士が活用しているシステムとしては、サイボウズ(のようなグループウェア)が今の最先端。それでも約2%の1000人ほどしか使っていないとみている。それ以外の98%の弁護士は、オンプレミスで、やり取りはWordとExcelで行っている。これでは事務作業に時間がかかるのは当然。実際、法律事務所の業務のうち、3〜4割の時間を占めるのが、この部分だ」(伊澤氏)

データ管理や案件管理、膨大な資料の管理といった文書管理に加えて、請求書や領収書は今でも紙で発行され、郵送されているというのが、法律事務所の実態だという伊澤氏。これらは弁護士自身の業務になるとは限らないが、事務局の人件費としてコストになる部分だ。

また、伊澤氏は「クライアントの不安を解消するために、進捗を可視化する仕組みも取り入れる」と話す。実は弁護士が案件の途中で進捗を報告することは、ほとんどの法律事務所で習慣化されていない。このため、例えば契約書レビューなど、依頼した案件が今、どこまで進んでいるのかが分からないことが顧客のストレスになっているという。また弁護士の側でも、都度「アレはどうなった?」とせっつかれることがストレスになる、と伊澤氏はいう。

そこでTOPCOURTでは顧客と進捗管理の状況を共有するシステムを用意し、まずはWebベースで提供。依頼した案件を担当しているのが誰で、どこまで進んでいるのかがパーセンテージのメーターで可視化されるようになる。顧客はいちいち問い合わせる必要がなくなるし、もし聞きたいことが出たとしても、このシステム上に搭載されているチャット機能を使ってシームレスに問い合わせることが可能だという。

写真左から3人目:トップコート国際法律事務所代表弁護士 伊澤文平氏

伊澤氏はサブスク型法律事務所サービスの提供について「スタートアップが好きという個人的な趣味も含まれている」と語る。

「スタートアップにとって、費用を考えなくてよいのであれば、外部の専門家はいた方がいい。ただ、スタートアップのビジネスに理解ある法律家はあまり多くない。起業家のニーズとしては『行政に向けた意見書を書いてほしい』といったものが多いにもかかわらず、『それはできない』『あれはできない』といったアドバイスしかされないことも多い。TOPCOURTのサービスを使うことで、スタートアップがもっとスケールでき、やりたいことができる環境にしたい」(伊澤氏)

TOPCOURTでは法律サービスを核に、スタートアップスタジオとしてアイデア創出やKPI設定、事業計画の策定を通じた資金調達支援や開発支援などのスタートアップ支援も行っていくと伊澤氏はいう。今後、法律事務所と並列してリーガル面に軸足を置いたファンドを組成し、ベンチャーキャピタルとしての機能も持ちたいと構想する。

「スタートアップ支援の大きな部分を調達支援が占める。やはりお金は大事。ファンド設立に法律サービスをあわせて、プレシード時点のゼロから事業をつくれる環境を用意し、お金もリソースも提供して、スタートアップスタジオとして、自分たちで0→1がつくれるようにしたい」(伊澤氏)

伊澤氏は「新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、スタートアップ界隈でも新規事業の立ち上げ支援に対するニーズは高まっている」という。「外出自粛で顧客開拓などの取り組みに代わり、種まきが増えているものと見られる。当事務所にも、3週間で80件、通常の4倍ほどの相談が来ている」(伊澤氏)

TOPCOURTでは、アーリーステージで、規制が強く参入障壁の高い領域を対象にしたスタートアップ支援を中心に考えていると伊澤氏。製造業や法律、金融など、法的知識が求められる業界のスタートアップのサポートを目論む。

契約書レビュー支援のLegalForceが株主総会議事録やファクタリング契約書などを含む書式・ひな形120点を追加

LegalForceは3月11日、法律事務所ZeLo・外国法共同事業と協働し、株主総会・取締役会の議事録書式100点、「ファクタリング契約書」などの専門性の高い契約書ひな形20点の計120点を提供開始したことを明らかにした。法律事務所ZeLo・外国法共同事業は、LegalForceの共同創業者の小笠原匡隆氏が代表弁護士、同社代表取締役CEOの角田 望氏が副代表弁護士を務める弁護士・弁理士事務所。

同社はAIを活用した契約書レビュー支援サービス「LegalForce」を展開している2017年4月設立のスタートアップ。LegalForceでは、これまで約150点のひな形を利用可能だったが、今回の新規追加によって270点超を利用できるようになる。LegalForceのAIが契約内容をチェックすることで、契約書制作の煩雑な作業を軽減できる。なお、今回追加された株主総会、取締役会議事録の書式は2021年6月までに施行が予定されている改正会社法の内容も踏まえたもので、施行後もそのまま使える。

LegalForceは、AIによる契約書の自動レビュー機能のほか、社内の契約書データの有効活用を支援するナレッジマネジメント機能なども備えており、現在250社の企業、法律事務所に導入されている。

AI商標登録サービス「Cotobox」が、AI特許審査シミュや知財契約書テンプレと連携へ

AI商標登録サービス「Cotobox」(コトボックス)を運営するcotoboxは3月4日、AI特許審査シミュレーションシステム「AI Samurai」を開発・販売するAI Samurai、知的財産専門契約書テンプレートを提供するメリットパートナーズ法律事務所との連携を発表した。この提携により、商標や特許、知財契約の情報を一括提供可能になる。

写真に向かって左から、AI Samurai代表取締役の白坂一氏、cotobox代表取締役の五味和泰氏、メリットパートナーズ法律事務所で代表弁護士・弁理士を務める知念芳文氏

経済産業省の調査によると、これまでに商標出願した中小企業は全体の0.8%程度の3万社ほどに留まっている。インターネットとテクノロジー、そして物流網の発達で、考案したアイデアやプロダクトがコピーされる確率が高まっており、知的財産の適切な保護は企業の経済活動を進めるには不可欠になってきているが、中小企業全体ではなかなか保護が進まない状況だ。中小企業にはもちろんスタートアップも含まれる。

cotoboxの商標登録サービス

こうした状況をテクノロジーで解決するための手段として今回の提携が生まれた。具体的には、CotoboxサイトがAI Samuraiと知財契約書テンプレートにシームレスに連携しており、CotoboxユーザーがAI SamuraiのAI特許審査シミュレーションシステムと知財契約書テンプレートを利用できるようになる。

cotoboxは今回の提携で、商標だけではなく、知財領域の情報へのアクセスを容易にして、知財に対する心理的なハードルを取り払い、知財経営を普及させることを目指す。

AIが数秒で契約書をレビューする「LegalForce」が10億円を調達、導入企業は250社を突破

AIを活用した契約書レビュー支援サービス「LegalForce」を提供するLegalForceは2月21日、WiLなど複数の投資家から総額10億円を調達したことを明らかにした。

LegalForceにとっては2018年に実施したシリーズAに続くシリーズBラウンドという位置付けで、同社の累計調達額は約16億円となる。なお今回新規の投資家はWiLのみ。エンジェル投資家を除く全ての既存投資家が本ラウンドで追加投資を行った。投資家リストは以下の通りだ。

  • WiL
  • ジャフコ
  • 三菱UFJキャピタル
  • SMBCベンチャーキャピタル
  • みずほキャピタル
  • ドリームインキュベータ
  • 京都大学イノベーションキャピタル

契約書のリスクを数秒でチェック、導入企業社数は250社超え

LegalForceはAIを含むテクノロジーの活用によって、契約書のレビューやそれに紐づく業務を効率化するプロダクトだ。

細かい機能については昨年4月の正式ローンチ時に紹介したのでそちらを参照してもらえればと思うけれど、軸となる契約書レビュー機能だけでなく、過去の契約書をデータベース化して有効活用できるようにする「ナレッジマネジメント」の仕組みも備える。

LegalForceではWordやPDFの契約書をアップロードして契約の類型と自社の立場を選択するだけで、数秒〜数十秒後にはリスクを洗い出し、不利な条文や欠落条項を指摘。リスクのある部分については確認すべきポイントとともに修正文例を表示する。正式ローンチ後のアップデートとして「なぜこの論点を確認した方がいいのか」を解説してくれる機能も加わった。

レビュー前の画面。過去の似ている契約書やひな形と差分を比較することもできる

実際のレビュー結果。確認した方がいい箇所がハイライトされ、コメントや修正文例、解説が表示される

現在は業務委託契約を含めて22類型をカバーするほか、英語の契約書への対応も進めている。今の所はNDAに限られるものの「英語の契約書をアップロードすれば問題点は日本語で解説し、修正文例は英語で表示する」こともできるようになった。

レビュー画面では自社のデータベース(ライブラリ)に保存されている類似の契約書と照らし合わせて差分を表示したり、自社の用途に合わせてレビューの重要度をカスタマイズすることが可能。これらの機能を法務担当者や弁護士が使い慣れた“Word”でも同じように使えるのも大きな特徴だ。

Wordのアドイン機能を使うことで、普段から使っているWord上でそのままレビューや条文検索ができる

料金は月額10万円からの定額制で、現在までに250社以上の法務部や法律事務所が導入済み。業界問わず幅広い企業で使われていて、顧客の4割近くが上場企業だという。

今後はナレッジマネジメント機能と英文対応を強化へ

LegalForceのメンバー。中央が森・濱田松本法律事務所出身で代表取締役CEOを務める角田望氏。

LegalForce代表取締役CEOの角田望氏によると昨年4月の正式ローンチ以降、細かいものも含めて40以上のアップデートを実施してきたという。上述したもの以外だと民法改正への対応や法律の専門家が作成したひな形(LegalForceライブラリ)の追加、OCR機能の強化などがその一例だ。

レビュー精度の向上と対応類型の拡充も含めてプロダクトが進化したことで「以前はトライアル後に正式導入には至らなかった企業と契約に繋がるケースも出てきている」とのこと。導入企業社数の拡大だけでなく、規模の大きい企業や法律事務所が複数アカウントを契約するなどボリュームの大きい顧客も増えているそうだ。

今回の資金調達はこの勢いをさらに加速させるべく人材採用を強化することが主な目的となるが、特に今後は2つの領域にリソースを投下していく。

1つは英文契約書への対応だ。「留学経験がある人ならストレスなく読めるが、それでも日本語のものに比べると時間がかかる。慣れていない人だと数倍〜10倍くらいの時間が必要になり負担も大きい」と角田氏が話すように、英文契約書のレビューに対するニーズは高い。

そしてもう1つがナレッジマネジメント機能の拡張。これまでもLegalForceではライブラリという形で、社内の契約書をデータベースとして蓄積できる仕組みを提供してきた。これによって契約書をアップロードしておけば、キーワードに応じて条文単位で欲しい情報を引っ張ってきたり、同じような契約書と比較しながら重要な論点を確かめたりすることができる。

データベースでは自社で保有する過去の契約書だけでなく、LegalForce側で用意したひな形(LegalForceライブラリ)も含めて横断検索・活用ができる

「レビューした契約書自体に価値があるというのが自分たちの考え方。共有フォルダを作れば過去の契約書を共有して蓄積することまではできたが、それを有効活用するのは難しかった。LegalForceではファイルをアップロードするだけで情報が整理され、必要な時に資産として活用できる。共有・蓄積のストレスを軽減しつつ、活用の幅を広げていきたい」(角田氏)

たとえば過去に誰かが同様の契約書を作ってレビューしていれば、それはとても重要な参考資料になる。ただし他の人がどんな契約書をレビューしたかを全て把握するのは困難な上に、ファイルの数が増えてくれば探し出すのも大変だった。レビューを効率化するだけでなく「人間だけでは気づけない、たどり着けない自社に眠るナレッジ」に素早くアクセスできるのもLegalForceの強みの1つだ。

今後はこのナレッジマネジメント機能をアップデートしていく計画で、直近ではバージョン管理機能を搭載する予定とのこと。機能追加に加え、新しいプロダクトラインとして締結した契約書を効率よく管理できる仕組みも開発中だという。

「今まではレビューをメインにしていたが、自分たちがやりたいのは法務業務を総合的に支援すること。現在のレビュー機能だけでは十分ではないので、レビュー業務から派生するナレッジマネジメント機能などにも拡張していくことで、法務担当者や弁護士への提供価値をあげていきたい」(角田氏)