英国で唯一の宇宙技術アクセラレーターSelphim Capital(セルフィム・キャピタル)は、先週のWorld Space Week(世界宇宙週間)の最終日に、そのSpace Camp(スペース・キャンプ)プログラムに参加する最新コホートの詳細を発表した。
4pi Lab(フォーパイ・ラボ)
現在までの調達額:金額は非公開。Creative Destruction Lab(クリエイティブ・ディストラクション・ラボ)から非株式支援。
事業内容:「4pi Labは地球低軌道(LEO)衛星コンステレーションを開発し、山火事のリアルタイム検出、監視および報告を行います。衛星に搭載した独自のセンサーには、10mの解像度で山火事を検出し、山火事による甚大な被害を地球規模で根絶できる能力があります」。
Clutch Space Systems(クラッチ・スペース・システムズ)
現在までの調達額:FSE GroupのEnterprise M3エクスパンション融資30万ポンド(約4100万円)。
事業内容:「Clutch Space Systemsは、衛星通信用ソフトウェア無線(SDR)地上基地局を提供します。ソフトウェア無線基地技術は、ダウンリンクの通信を改善し、大幅なコスト削減を実現すると共に、衛星通信市場の加速度的な拡大をもたらす企業として積極的な役割を果たします」。
Helix Technologies(ヘリックス・テクノロジーズ)
現在までの調達額:なし
事業内容:「Helix Technologiesは、10cmレベルの精度を誇る精密GPSアンテナを提供します。製造技術とRF技術の飛躍的な進歩により、Helixは必要とされる通信およびナビゲーションを効率的に行うスペースを残しつつ、動的位置の正確な測定を高い精度で行うセラミックコアを採用した新しいGNSSアンテナを開発しました。またこのアンテナは、インフラからの反射や電波妨害を受けにくい設計になっています」。
Kinnami(キナミ)
現在までの調達額:金額は非公開。2020年6月25日にICE71 Accelerateよりシード投資を受ける。
事業内容:「Kinnamiは分散システムでのデータ共有、継続的なデータ移行、管理の安全性を独自の技術で確保し最適化します。Kinnamiは、AmiShare(アミシェア)という、データを断片化し暗号化するという独自のストレージおよびセキュリティーシステムを有します。デバイスの分散ネットワークで暗号化された断片化データを保管することにより、危険な場所で収集されるデータの安全を確保できるため、衛星通信、防衛、企業に適用できます」。
Starfish Space(スターフィッシュ・スペース)
現在までの調達額:金額は非公開。2019年12月1日にシード投資を受ける。
事業内容:「Starfish Spaceは、軌道上の人工衛星のためのオンデマンド宇宙輸送とメンテナンスサービスの事業化を目指しています。そのProximity Operations Software(近接作業ソフトウエア)は、画期的な軌道工学、マシンビジョンAI、低推力電気推進システムを組み合わせることで、軌道上の衛星の小規模な牽引サービスを安価に提供します」。
Sust Global(サスト・グローバル)
現在までの調達額:なし
事業内容:「Sust Globalは、気候リスク解析のためのアセットレベルでのリアルタイム地理空間モニタリングを提供します。そのプラットフォームは、複数の人工衛星と地上の拠点からデータを収集し、フルスタックのアセットレベル地理空間解析情報を生成します。Sustはこのデータを最新の気候モデルと標準的リスク評価に統合し、リスク分析から定量的で実用的な解析情報を引き出し、金融サービス企業に提供します」。
Vector Photonics(ベクター・フォトニクス)
現在までの調達額:2018年にICUReより金額非公開の資金を調達、2019年に英工学物理化学研究評議会より7万ポンド(約690万円)、同評議会から贈られた賞の賞金としてグロスローの企業から3万ポンド(約410万円)を調達。
事業内容:「Vector Photonicsの革新的にして革命的なフォトニック結晶レーザーは、従来の半導体レーザーの限界を押し広げ、端面発光レーザーの性能を同等のコストと柔軟性で提供します。その独自のビームステアリング能力は市場に変革をもたらし、データ通信市場はLIDAR市場などと肩を並べるまでになるでしょう」。
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カテゴリー:宇宙
画像クレジット:Aleksandar Georgiev / Getty Images
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(翻訳:金井哲夫)