宇宙遊泳を初めてVR撮影する3Dカメラが国際宇宙ステーションに到着、映像はOculus Storeで公開予定

米国時間10月2日に打ち上げられた国際宇宙ステーション(ISS)向けの補給ミッションに搭載されたペイロードの1つは、最も特異な体験の1つである宇宙遊泳の新たな視点を提供する。これは宇宙空間で360度コンテンツを撮影するために設計されたカスタムメイドの3Dカメラで、今後のISSでの宇宙飛行士によるミッションで、宇宙遊泳を初めて没入型映画のようなVR(仮想現実)で撮影するために使用される。

このカメラはFelix&Paul Studios、Time Studios、および宇宙関連技術を専門とするNanoracks(ナノラックス)とのコラボレーションの成果だ。最終的にこの映像は「Space Explorers:The ISS Series」 と呼ばれるシリーズの完結エピソードの制作に使用される。カメラはNanoracksの「Kaber MicroSatellite」放出装置に搭載され、電力が供給され、外部貨物の操作に使用されるISSのロボットアーム「Canadarm 2」を介して制御される。運用チームによるとCanadarm 2は基本的には映画撮影でのクレーンのように使用され、ISSに滞在する2人の宇宙飛行士の宇宙遊泳を撮影するという。

VRカメラには9個の異なる4K解像度センサーが搭載されており、没入的な360度画像を8K解像度でレンダリングできる。Z-Cam V 1 Proと名付けられたこのカメラはNanoracksの専門知識を活用して改造されたもので、宇宙の過酷な環境下でも作動し、耐えられる構造となっている。具体的には真空状態や紫外線、電離放射線、プラズマ、日射量に応じてマイナス250度から250度まで変化する極端な温度など、宇宙の過酷な環境でも動作する。カメラの筐体は密閉されており、アルミニウム製の放射線シールドで囲われ、アクティブな加熱システムとパッシブな冷却システムの両方を備えているため、1週間の宇宙空間での曝露に耐えることができる。

宇宙遊泳の映像は最終的にOculus Storeで公開される予定で、もし互換性のあるVRヘッドセットを所有していれば、最初の2つのSpace Explorersのエピソードを視聴できる。

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カテゴリー:宇宙
タグ:NanoracksVRISS

画像クレジット:Nanoracks

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(翻訳:塚本直樹)