航空自衛隊「宇宙作戦群」発足、宇宙領域の指揮統制・監視能力を強化しスペースデブリや人工衛星への妨害行為など監視

防衛省が航空自衛隊「宇宙作戦群」発足、宇宙領域の指揮統制・監視能力を強化しスペースデブリや人工衛星への妨害行為など監視

Japan Ministry of Defence

3月18日、防衛省は航空自衛隊宇宙作戦隊の能力を強化し、宇宙領域での活動を指揮、統制する「宇宙作戦群」を発足、東京都府中市の府中基地で発足記念行事を開催しました。

日本政府は防衛力の新しい軸になる分野として宇宙・サイバー・電磁波の3領域を重視しており、17日の「自衛隊サイバー防衛隊」発足に続いて宇宙分野の能力強化も進めていく方針です。

宇宙作戦群の拠点は府中基地に置かれ、発足当初は70人という比較的少人数で構成され、本部20人、自衛隊(陸海空)との連携をとる宇宙作戦指揮所運用隊に30人、2020年に設置された既存の宇宙作戦隊20人という編成になります。

また2022年度には府中基地に装備の維持管理をする「宇宙システム管理隊」を10人編成で設置し、宇宙作戦隊を40人に倍増して「第1宇宙作戦隊」に改名、さらに山口県の航空自衛隊防府北基地に「第2宇宙作戦隊」を新設する予定です。

第1および第2宇宙作戦隊の役割分担は、主に第1作戦隊が宇宙状況(スペースデブリなど)の監視任務、第2作戦隊は電磁波による日本の人工衛星への妨害行為などの監視にあたるとのこと。現在山口県に建設中の宇宙監視レーダーは第1作戦隊が遠隔で運用します。また、2026年度までに監視用の人工衛星を打ち上げ予定で、レーダーと衛星などを組み合わせた宇宙監視システムを構成するとのこと。

近年は世界各国が再び月への有人探査を目指し、火星への進出なども計画される一方で、宇宙空間の監視体制を強化する動きも目立っています。最も話題になったのは米国が2019年に陸・海・空軍および海兵隊などに並ぶ軍種として設置した宇宙軍ですが、2020年にはフランスも空軍の活動領域を宇宙にまで拡大、防衛力強化を目的として「航空宇宙軍」に改名しています。そして日本でも先に述べたとおり2020年に「宇宙領域における部隊運用の検討、宇宙領域の知見を持つ人材の育成、米国との連携体制の構築」を目的とした宇宙作戦隊を編成しており、これが今回の宇宙作戦群発足の基礎になっています。

(Source:TBS。coverage:防衛省(PDF)、NHKEngadget日本版より転載)

Slingshot Aerospaceは宇宙ごみなどの状況情報をリアルタイムで提供、衛星打ち上げ・運用業者を支援

地球低軌道が少々混雑してきた。小規模な人工衛星の急増や、SpaceX(スペースX)の「Starlink(スターリンク)」のような大規模な衛星コンステレーション、そして増え続ける宇宙ごみの間を抜けて、軌道上に衛星を打ち上げ・運用することは、まるでゲームの「フロッガー」をプレイしているように感じられるかもしれない。国際宇宙ステーションでさえ、定期的に「回避行動」をとらなければならないのだ。

宇宙にはまだ、たくさんのスペースがある。しかし、10億ドル(約1170億円)もする人工衛星を運用するのであれば、衝突しないように全力を尽くしたいと思うだろう。

そこで、Slingshot Aerospace(スリングショット・エアロスペース)の出番となるわけだ。同社は複数のソースからのデータを統合し、デジタルで構成した宇宙の全体的状況をリアルタイムで提供することで、宇宙事業者がその資産をより良く管理・保護できるようにする。2017年にMelanie Stricklan(メラニー・ストリックラン)氏、David Godwin(デイヴィッド・ゴドウィン)氏、Thomas Ashman(トーマス・アッシュマン)氏によって設立され、現在はテキサス州オースティンとカリフォルニア州エルセグンドを拠点とするこの会社は、2部構成のシリーズA投資ラウンドで3460万ドル(約40億6000万円)を調達。2020年10月に調達した約800万ドル(約9億4000万円)に続き、第2回目となる2500万ドル(約29億3000万円)相当の資金調達を、米国時間3月10日に発表した。

「宇宙には無限のチャンスがあります。しかし、我々は宇宙飛行の運用と軌道上の資産管理を最適化するために、デジタル革命を起こさなければなりません」と、ストリックラン氏は同社のプレスリリースで述べている。「宇宙を利用するすべての組織に、よりアクセスしやすく、タイムリーで、正確なリスク軽減を提供するためには、リアルタイムの調整が必要です」。

今回の2回目のラウンドは、Draper Associates(ドラッパー・アソシエイツ)とATX Venture Partners(ATXベンチャー・パートナーズ)が主導し、Edison Partners(エジソン・パートナーズ)、Embedded Ventures(エンベデッド・ベンチャーズ)、Valor Equity Partners(ヴァロー・エクイティ・パートナーズ)、Lockheed Martin Ventures(ロッキード・マーティン・ベンチャーズ)などが追加出資した。Slingshot Aerospaceの顧客には、NASA、Boeing(ボーイング)、Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)、U.S. Space Force(米国宇宙軍)、U.S. Air Force(米国空軍)、OneWeb(ワンウェブ)などが含まれる。

「宇宙状況認識という分野は今、破壊的革新を起こすための機が熟しています。現在のところ、衛星オペレーターが実用的な情報をもとにリアルタイムで通信・協力し、軌道上のコンジャンクションを解決したり、グローバルな宇宙認識を最適化するための共通プラットフォームは存在していません」と、とEdison PartnersのDaniel Herscovici(ダニエル・ハースコビッチ)氏は述べている。

LeoLabs(レオラブズ)やKayhan Space(カイハン・スペース)など、他の宇宙関連のスタートアップ企業は、この評価に同意しないかもしれないが、Slingshotが魅力的なプラットフォームを構築していることは確かだ。

「Slingshot Beacon(スリングショット・ビーコン)」は「商業、政府、民間の顧客を1つのプラットフォームで結びつけ、衛星やその他の資産をより良く設計、管理、保護できるようにし、リスクを軽減し、すべての宇宙飛行事業者が安全で信頼できる運用を確実に行えるようにする」軌道衝突回避プログラムだ。その試験運用プログラムは、現在地球低軌道にある衛星コンステレーションの半分以上を占める資産を所有する参加者たちとともに、2021年8月に開始された。

同社が新たに調達した資金は、Slingshot Beaconをはじめとする製品の商業化のために使われる他、今後1年間で40人の従業員を新規雇用するために充てられる予定だ。2030年までに約11万5000個の衛星が打ち上げられると予想される中で、これはかなり良い、そしてかなり必要とされるアイデアだろう。

画像クレジット:Slingshot Aerospace

原文へ

(文:Stefanie Waldek、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

持続可能な方法でなければ軌道上のゴミは宇宙のゴールドラッシュの妨げになる

空を見上げれば、何百もの廃棄された衛星、使用済みロケットの上段部、ミッション関連の物体が地球を回り、1兆ドル(約115兆円)規模の宇宙経済を支えるであろう宇宙をベースとするサービスや将来のミッションに危険を及ぼしていることがわかる。

欧州宇宙機関(ESA)によると、現在、10cm以上の物体が3万6500個以上、1cm未満の物体が数百万個、地球を周回しているという。当然ながら、軌道上での衝突は壊滅的な被害をもたらす。弾丸よりも速い毎秒7kmの速さで移動するデブリは、1cmの破片でも宇宙船に大きな損傷を与え、ミッション全体を終了させる可能性があるのだ。

今日の宇宙における持続可能性の危機は、60年にわたる探査と利用が、宇宙活動が環境に与える影響をほとんど無視し、人工衛星やその他の宇宙資産を単一用途のものとして扱ってきた結果である。

このようなアプローチの結果、持続不可能なモデルが生まれ、コストが増大し、宇宙経済の壮大な将来性が危険にさらされることになったのである。地球低軌道はすでに人口が多いため、衛星オペレーターは交差を評価し、貴重な資源を消費したり、サービスに支障をきたしうるデブリ回避機動を行うことを余儀なくされている。

誰が責任を取るのか?

技術的な対策だけでは、宇宙の持続可能性の問題を解決することはできない。軌道上の衛星整備市場は、国の宇宙政策と衛星整備を直接支援する国際標準によって推進されなければならない。国の規制政策は、技術の進歩、衛星人口の増加、軌道上での新しい活動の展開に追いつくのに苦労している。

1967年の宇宙条約や2019年の宇宙活動の長期的持続可能性のためのガイドラインなど、多国間の国連規定は大枠でのガイダンスを提供しているが、具体的なライセンス実務は個々の国の規制機関によって作成・実施されなければならないのだ。

これらのガイドラインや大枠での協定を国際的に協調して実施するためのテンプレートはなく、世界の宇宙活動は単一の国や国際機関の管理下にはない。したがって、世界の宇宙活動を統制する共通の規則も、宇宙ミッションの終了時にハードウェアの適切な廃棄を保証するメカニズムも存在しない。また、軌道上にすでに蓄積された何十年ものスペースデブリを一掃するための協調的な努力も存在しない。

しかし、意識は変わりつつあり、過去1年間で、この問題をめぐる緊急性に大きな変化が見られ始めている。2021年6月、G7加盟国は、軌道上デブリを宇宙分野が直面する最大の課題の1つとして確認し、宇宙の安全かつ持続可能な利用にコミットすることを約束する声明を発表した。

この声明は、宇宙の持続可能性に関する問題の範囲を認識する貴重なものである一方で、正しい方向への一歩に過ぎない。各国政府から民間の商業企業に至るまで、国際社会全体の主要なプレイヤーは、宇宙交通と環境管理の開発および調整に着手しなければならないのだ。

軌道上サービス、持続可能な未来への鍵

これまで衛星オペレーターは、軌道上にある衛星のリスクを低減するための選択肢を持っていなかった。しかし、軌道上でのサービスは、このリスクシナリオを変えつつある。D-Orbit(ディー・オービット)、Astroscale(アストロスケール)、ClearSpace(クリア・スペース)は、宇宙分野を持続可能な時代に移行させるために力を合わせ、軌道上サービスを新たな現実のものにしようとしている。

軌道上サービスは、地球上の路上での自動車サービスに匹敵する。燃料タンクが空になったり、バッテリーの充電が切れたからといって、高速道路の真ん中に車を乗り捨てる人はいないだろう。しかし、宇宙時代の幕開け以来、ほとんどの衛星オペレーターがまさにこの方法で仕事をしてきたため、この比喩的な「軌道上の高速道路」はより混雑したままになっているのだ。

米国連邦通信委員会や国際電気通信連合に提出された申請書によると、地球低軌道にある衛星の数は2030年までに1万から4万個まで増加すると予測されており、最近では30万個を超える衛星の単一システムが提案された。このような増加により、深刻な問題を指数関数的に悪化させることが約束されている。

静止衛星の配備には、通常1億5千万ドル(約173億円)から5億ドル(約578億円)の費用がかかる。今後15年間で、100機以上の静止衛星が予定されている引退年齢に達するため、衛星運用会社は、単に交換するのではなく、その資産の価値を延ばすための選択肢を追求する必要に迫られている。衛星の寿命を延ばすことで、商業運営者や機関運営者は、資本の使い方をより慎重に考えることができるようになる。

衛星オペレーター、特に大規模な衛星郡を構築しているオペレーターは、打ち上げ前に低コストのインターフェースを衛星にインストールし、将来必要となるかもしれないサービスのコストと複雑さを軽減することができる。衛星が故障したり寿命がきたりした場合、レッカー車が道路で故障した車を運ぶように、サービス衛星がその衛星を撤去することで、軌道を確保し、同じ衛星群に属する他の衛星との衝突のリスクを低減することができるのだ。

また、衛星の撤去から軌道上での点検まで行うことで、衛星に異常が発生した場合、オペレーターは衛星の状態をより詳細に把握することができるようになる。軌道上リロケーションサービスを利用すれば、衛星の初期配置から運用軌道への投入、自然減衰を補うための調整、カバレッジの問題を解決するための衛星の再配置、不具合を補うための衛星の再配置を、燃料費をかけずに実施することができるのだ。

1950 年代の宇宙開発競争のように、研究開発に多額の投資を必要とする長期計画と同様に、持続可能な軌道インフラストラクチャーを飛躍的に発展させるためには、国家政府の役割が不可欠である。欧州宇宙機関や宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、ClearSpaceやAstroscaleなどの民間企業と共同で、地球低軌道でのデブリ除去ミッションに資金を提供し、積極的にデブリ除去サービスを開始する予定である。

この地球規模の問題を解決するためには、官民の多大な投資と業界のシステム改革が必要だが、その潜在的な報酬は事実上無限大だ。宇宙経済、つまり新しい、制限のない競技場は、私たちの惑星の生命に影響を与え、私たちの太陽系とその向こう側に新しいフロンティアを開く可能性を持っているのだ。

編集部注:本稿の執筆者Luca Rossettini(ルカ・ロッセッティーニ)氏はD-Orbitの創設者兼CEO。Nobu Okada(岡田光信)氏はAstroscaleの創業者兼CEO。Luc Piguet(リュックピゲ)氏はClearSpaceの共同設立者兼CEO。

画像クレジット:janiecbros / Getty Images

原文へ

(文:Luca Rossettini、Nobu Okada、Luc Piguet、翻訳:Akihito Mizukoshi)

千葉工業大学の宇宙塵探査衛星ASTARISC、大面積膜型ダストセンサーを展開し軌道上実証に成功

展開した膜型ダストセンサーをオンボードカメラで撮影した自撮り画像。センサーが固定されたパドル面には、千葉 工業大学の校章とPERCのロゴが印字されている

展開した膜型ダストセンサーをオンボードカメラで撮影した自撮り画像。センサーが固定されたパドル面には、千葉
工業大学の校章とPERCのロゴが印字されている

千葉工業大学惑星探査研究センター(PERC)は2月15日、宇宙塵探査実証衛星「ASTARISC」(アスタリスク)がJAXAのイプシロンロケット5号機で高度約570kmの地球周回軌道に打ち上げられ、初期運用に移行したことを発表した。

ASTARISCは、宇宙塵や微小なスペースデブリを観測するための、サイズが30×10×10cmというU3超小型衛星。世界初の方式による、展開すると30×30cmになる膜状の粒子観測装置(ダストセンサー)を搭載している。ダストセンサーは、ポリイミド製の膜に圧電素子を接着したもの。この膜に宇宙塵やスペースデブリが衝突すると、そのとき発生する弾性波を電気信号としてとらえ、独自の信号処理によりリアルタイムで粒子を観測できる。粒子が膜に衝突しさえすれば検出できるので「膜の面積を大きくするだけで大面積のセンサーを容易に実現できる画期的な技術」とのことだ。

千葉工業大学の宇宙塵探査衛星ASTARISC、大面積膜型ダストセンサーを展開し軌道上実証に成功

ASTERISC外観写真。写真左は、展開前の衛星外観。写真右は、30×30cmの膜型ダストセンサー(左方向に広げられたオレンジ色の膜)展開後の衛星外観。膜型ダストセンサーの膜面には、受信用の8個の圧電素子と2個の試験信号用の圧電素子が接着されている

 

千葉工業大学の宇宙塵探査衛星ASTARISC、大面積膜型ダストセンサーを展開し軌道上実証に成功ダストセンサーは、センサーの健全性と展開実施の要件を確認したあと、ニュージーランド上空付近で展開された。タイマーコマンドにより自律的に展開されたが、オンボードカメラの映像などによって、設計通りの形状で展開されたことが確認できた。すでに「真の粒子観測イベント」と判定できるデータが得られているとのこと。観測された粒子は、0.1〜1μm(マイクロメートル)程度のサイズと推定され、センサーが設計通りの感度を有していることも実証された。今後は、長期的な観測により、軌道上の粒子の量・飛来方向・運動量などを明らかにできるとしている。

宇宙塵は、太陽系の形成に大きく関わる重要な微粒子で、原始の地球に降り注いだ宇宙塵由来の有機物が生命の起源ともいわれている。また、スペースデブリの定量的な観測と評価も、今後の宇宙開発において重要な意味を持つ。しかし、宇宙塵や微小なスペースデブリを地上から観察することはきわめて難しく、その分布や量などの特性を調べるには、直接宇宙で観測しなければならない。

ただ、宇宙空間での宇宙塵や微小スペースデブリは存在が大変に希薄であるため、それらを観測するには大きな検出面積を持つダストセンサーが必要となるが、これまでの方式ではコストの面などで大型化が困難だった。そこで惑星探査研究センターは、容易に大面積化できるこのダストセンサーを開発した。

ASTARISCは、惑星探査研究センターと東北大学が共同で開発したもの。今回は同時に、将来のミッションを視野に入れた国産の衛星バス技術(電源系、通信系、データ処理制御系、姿勢系)の軌道実証も行い、成功している。

スペースデブリ除去に取り組む軌道上サービスのAstroscaleがシリーズFで約125.7億円調達

日本の宇宙ベンチャー企業であるAstroscale(アストロスケール)は、新たなシリーズFラウンドで1億900万ドル(約125億7500万円)の資金を調達し、同社の累計調達額は3億ドル(約346億円)に達した。Astroscaleは軌道上サービス技術を専門としており、軌道上でのビジネスをより持続可能なものにする手段として、軌道上の運用高度に存在するデブリの量を減らし、また、既存の衛星の寿命を延ばすことを目的としている。

日本のTHE FUNDが主導し、Seraphim Spaceなどの投資家の参加を得た今回のラウンドにより、Astroscaleの資金調達総額は3億ドル(約346億円)となった。Astroscaleの創業者兼CEOである岡田光信氏は、プレスリリースの中で、今回の資金調達により、事業規模の拡大と「2030年までに軌道上でのサービス提供を日常的に行う能力を劇的に加速させる」ことが可能になると述べている。

Astroscaleにとって、2021年は大きな年だった(ちなみに岡田氏は、米国時間12月15日に開催されるTC Sessions: Space 2021のメインステージに参加する予定だ)。同社は、8月にはデブリ除去技術実証衛星「ELSA-d (エルサディー、End-of-Life Services by Astroscale – demonstrationの略)」の技術デモを成功させた。年内にその次のフェーズとなるミッションを控えており、また、2022年初頭に予定されている宇宙航空研究開発機構(JAXA)向けのミッションでも、軌道上デブリ除去のデモンストレーションを行う計画が進んでいる。

Astroscale社が前回5100万ドル(約55億円)を調達したのは2020年10月で、その年に同社は、 地球上の主要な通信インフラである大型静止衛星のサービスに注力しているEffective Space Solutionsを買収した。

関連記事:Astroscaleが約54億円を調達、静止衛星長寿命化や軌道上デブリ除去など業務を多様化

画像クレジット:Astroscale

原文へ

(文:Darrell Etherington、翻訳:Aya Nakazato)

スペースデブリ・宇宙ごみ問題に取り組むアストロスケールが約124億円のシリーズF調達、累計調達額約334億円を達成

スペースデブリ問題に取り組むアストロスケールが約124億円のシリーズF調達、累計調達額約334億円を達成

持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ。デブリ)除去サービスを含む軌道上サービスに取り組むアストロスケールホールディングス(アストロスケール)は11月25日、シリーズFラウンドにおいて、第三者割当増資による約124億円の資金調達を発表した。過去最大額の調達額という。また6回目となる今回の資金調達により、累計調達額は約334億円となった。

調達した資金により、グローバルに開発するミッションとサービスを躍進させる。安全で費用対効果の高い軌道上サービスに関わる技術開発、日本、英国、米国における量産に向けた自社施設の拡張など、グローバルでの成長が可能になるとしている。

引受先は、日本のTHE FUND投資事業有限責任組合(THE FUND)、日本グロースキャピタル投資法人などをはじめ、英国のセラフィム・スペースインベストメント・トラスト(Seraphim)、フランスDNCAファイナンス傘下の DNCAインベストメント・ビヨンド・グローバル・リーダーズを含む海外投資家グループなど。詳細は以下の通り(50音順)。

  • DNCAインベストメント・ビヨンド・グローバル・リーダーズ(DNCA Invest Beyound Global Leaders)
  • EEI4号イノベーション&インパクト投資事業有限責任組合
  • THE FUND投資事業有限責任組合
  • アクサ生命保険
  • イノベーション・エンジンが運営する3ファンド(IEファスト&エクセレント投資事業有限責任組合、イノベーション・エンジンNew Space投資事業有限責任組合、イノベーション・エンジンPOC第2号投資事業有限責任組合)
  • オプス
  • セラフィム・スペースインベストメント・トラスト(Seraphim Space Investment Trust plc)
  • ソラリス ESG マスターファンド(Solaris ESG Master Fund LP)
  • 千葉道場2号投資事業有限責任組合
  • 日本グロースキャピタル投資法人
  • プレリュード・ストラクチャード・オルタナティブズ・マスターファンド(Prelude Structured Alternatives Master Fund, LP)
  • ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス(Yamauchi-No.10 Family Office)
  • ワイズ・インベストメント(Y’s Investment Pte. Ltd.)

アストロスケールは、宇宙機の安全航行の確保を目指し、次世代へ持続可能な軌道を継承するため、デブリ除去サービスの開発に取り組む世界初の民間企業。2013年の創業以来、軌道上で増加し続けるデブリの低減・除去策として、今後打ち上がる人工衛星が寿命を迎えた際や恒久故障の際に除去を行うEOL(End of Life)サービスや、既存デブリを除去するためのADR(Active Debris Removal)サービス、稼働衛星の寿命延命措置(LEX。Life EXtension)、宇宙空間上での宇宙状況把握(ISSA。In Situ Space Situational Awareness)、軌道上サービスの実現を目指し技術開発を進めてきた。

また、長期に渡り安全で持続可能な宇宙環境を目指すため、技術開発に加え、ビジネスモデルの確立、複数の民間企業や団体、行政機関と協働し、規範やベストプラクティスの策定に努めている。

同社は2021年8月、デブリ除去技術実証衛星「ELSA-d」(エルサディー。End-of-Life Services by Astroscale – demonstration)の実証において、模擬デブリの再捕獲に成功。現在は、2021年内実施予定となっている次のフェーズとして、捕獲機(サービサー)の自律制御機能を用いた「自動捕獲」に向けて準備を進めている。

日本では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の商業デブリ除去実証プロジェクト(CRD2プロジェクト。CRD2はCommercial Removal of Debris Demonstrationの略称)フェーズⅠの契約相手方として選定されている、商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」(アドラスジェー。Active Debris Removal by Astroscale-Japan)の組立作業を2022年前半に開始予定。英国においては、英国宇宙庁による軌道上衛星2機の除去研究プログラムにアストロスケールが選定され、2024年の商用化に向けてEOLサービスの機能充足に努めているそうだ。また、米国・イスラエルのチームはLEXIの開発マイルストーンを順調に達成し、主要な試験を実施している。

ロシアの対衛星兵器実験により追跡可能なだけでも1500個以上のデブリが発生、ロシア人飛行士も滞在のISSに襲来

ロシアの対衛星兵器実験により追跡可能なだけでも1500個以上のデブリが発生、ロシア人飛行士も滞在のISSに襲来

NASA

11月15日、国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士はスペースデブリの接近のためステーションにドッキング中の帰還用カプセルに避難しなければなりませんでした。ISSは90分周期でこのデブリ空域を通過したため、飛行士は何度も退避を余儀なくされたとのこと。

このようなデブリが発生したことに関して、米国国務省はロシアがミサイル実験によって同国の人工衛星を破壊し、ISSが通過する低軌道上に追跡可能なだけで1500個以上のデブリを撒き散らしたことだとしています。国務省のネッド・プライス報道官は「ロシアの行為はISSに滞在する宇宙飛行士やその他の有人宇宙飛行へのリスクを著しく高めるものだ」と述べ「ロシアの危険で無責任な行動は宇宙空間における長期的持続可能性を危機にさらし、宇宙の平和利用を掲げるロシアの声が弱々しくしかも偽善であることを明確にしている」と非難しました

一方、NASAのビル・ネルソン長官は、ロシアの対衛星兵器事件で発生したデブリのために、ISS滞在中の飛行士は安全確保の緊急手順の実施を強いられた。アントニー・ブリンケン国務省長官とともに「私もこの無責任かつ危険な動きに憤慨している。有人飛行の長い歴史を持つロシアがISSに滞在中の米国やパートナー国、さらに自国の飛行士までもを危険に晒すことは考えられない。彼らの行動は無謀でなおかつ危険であり、中国の宇宙ステーションやそこに滞在する飛行士までも脅かしている」と強く批判。さらに「あらゆる国は対衛星兵器によるデブリの意図的な発生を防止し、安全で持続可能な宇宙環境を育成する責任がある」としました。

米国はこの事態に対応するため、同盟国と協力していくと述べています。一方ロシアはこの件について沈黙したままです。

NASAとRoscosmosは、2007年にも中国がミサイルの実験のために破壊した人工衛星の破片を避けるために、ISSの位置をずらすなどの対応をさせられてきました。普段我々はその存在を忘れてはいるものの、当時に発生した破片はいまも継続して追跡されており、先週にはそのうちのひとつがISSに衝突する可能性があることがわかり、やはりISSを移動させる措置を強いられています。現在追跡されているデブリの数は約2万個に及んでいます。

今回のロシアの行為もこうした継続監視しなければならないデブリを大量に発生させる行為であり、ISSに自国の飛行士を滞在させている国として理解に苦しむ行動と言うほかありません。

(Source:ReutersAPNASAEngadget日本版より転載)

【コラム】持続的な宇宙開発のために、宇宙ゴミ問題に今すぐ取り組まなければならない

英国宇宙庁が不要な衛星2機の除去プログラムに軌道上サービスに取り組むアストロスケールを選定

億万長者を宇宙に送り込む競争は、ブランソン対ベゾス、ロケット対ロケットだった。

Blue Origin(ブルーオリジン)は6月7日に、7月20日に予定されている同社初の有人飛行に、創業者のJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)が搭乗することを発表した。同日、Parabolic Arcは、Virgin Galacticが7月11日にRichard Branson(リチャード・ブランソン)を弾道飛行に送る予定であると報じた。そしてどちらも、宇宙飛行を行う3人目の億万長者であるElon Musk(イーロン・マスク)を打ち負かすことを目指していた。

アポロ11号の月面着陸から半世紀以上が経過し、宇宙開発は明らかに再び盛り上がりを見せている。しかし、今日のミッションには、億万長者の野望以上のものが反映されている。たとえ、マスク、ベゾス、ブランソンが個人的な宇宙計画で最も大きな見出しを躍らせていたとしてもだ。

真の宇宙経済が出現している。この新しい分野は指数関数的な成長段階にあり、現在の商業プロジェクトに共通しているのは、新しい技術とインフラへの投資の到来だ。

今日の探検家たちは、他の惑星への旅行や火星の植民地化といった私たちの想像力の限界を超えた拡張計画に始まり、何千もの通信衛星、全地球航法衛星システム、地球観測衛星の打ち上げに至るまで、巨額の投資を行っている。

衛星サービスと地上設備、政府の宇宙予算、全球測位衛星システムの設備を合わせた世界の宇宙経済の規模は、約3450億ドル(約39兆4250億4700万円)と推定されている。2019年のスタートアップの宇宙ベンチャー企業の収益は57億ドル(約6513億5600万円)で、2018年の35億ドル(約4000億3075万円)の記録を簡単に更新した。2040年までに、世界の宇宙産業は1兆ドル(約114兆3575億円)以上の収益を上げることができるとモルガン・スタンレーは推定する。

つまり、宇宙でのゴールド・ラッシュが始まっているのだが、ゴールドラッシュにおける環境の持続的な発展という点では、これまであまり目立った実績は見受けられない。

宇宙空間での壊滅的な衝突の脅威が高まっている

私たちは、宇宙における新たなビジネスチャンスを安全かつ持続的に発展させるための重要な転換点に立っている。これらの活動の多くは、地球の軌道と同じ領域を利用しており、これは無限の空間ではない。NASAによれば、約1mm以上の宇宙ゴミ(デブリ)が1億個以上、国防総省のグローバルな宇宙監視ネットワーク(SSN)のセンサーによって追跡されている。地球近傍の宇宙環境には、小さすぎて追跡できないものの、有人宇宙飛行やロボットミッションを脅かすほどの大きさの宇宙ゴミがもっとたくさん存在している。

地球低軌道上では、宇宙ゴミと宇宙船の両方が時速約25,266kmを超える速度で移動しているため、たとえ5mmのナッツでも太陽電池パネルを紙のように切り刻むことができる。実際、NASAの報告によると、地球低軌道で運用されているほとんどの宇宙ロボットにとって、ミリサイズの宇宙ゴミはミッション終了に対する最も高いリスクとなっている。宇宙空間がますます混雑していく中で、誰か1人でも安全でない、あるいは無責任な行動をとれば、壊滅的な結果を招く可能性がある。

再利用可能なロケットの開発により、1kgの衛星を軌道に乗せるためのコストが下がったことや、人工衛星の小型化が進んだことで、地球の軌道上に渋滞が発生する恐れが出てきた。現在、地球上の軌道上には約3000個の能動衛星があるが、この数は今後数年間で急増すると考えられている。MarketWatchによると、2025年までに年間の衛星打ち上げ数は230%増加すると予想されており、現在2万4000機の衛星打ち上げが計画されている。しかもこの数字には、SpaceXやOneWeb、Kuiperによる打ち上げは含まれていない。SpaceXのStarlinkだけでも4万個の衛星の打ち上げを申請している。

再使用型ロケットのおかげで、地球低軌道に22トンの衛星を打ち上げるコストは、2億ドル(約228億7200万円)から約6千万ドル(約68億6100万円)に下がった。かつては数億ドル(数百億円)のコストがかかる巨大な高性能衛星を1機必要とした衛星アプリケーションも、今では100万ドル(約1億1400万円)の安価・小型の低性能衛星コンステレーションが登場し、グローバルなサービスを提供できるようになった。

小型の衛星1基では、大型の衛星1基に比べると性能が劣るが、複数の衛星のデータを利用することで同等の結果が得られることが多い。さらに、衛星コンステレーションのアーキテクチャは拡張性が高いため、新しい世代の衛星が打ち上げられるようになれば、インフラ全体のパフォーマンスが飛躍的に向上する。

持続可能な開発には、新しい技術とより良いガバナンスが必要

持続的な経済発展のためには、ミッションの要件を慎重に分析するところから寿命が尽きるまでの宇宙ミッションのライフサイクルの間中、従来の顧客と新しい顧客をサポートできる革新的なソリューションが必要となる。

これらのソリューションの中には、打ち上げ、運用、廃棄を効率化できるようなまったく新しい宇宙ベースのインフラが必要になるものもある。例えば、D-OrbitのION Satellite Carrierは、複数の衛星を搭載して軌道上まで輸送し、それぞれの衛星を別々の軌道に投入することができる宇宙輸送機だ。この展開サービスは、最も戦略的な軌道のみを対象とする打上げ業者が提供するサービスを補完するもので、衛星運用事業者はラストマイルを大幅に短縮し、宇宙船のあらゆるリソースを活用してミッション自体の期間を延長することができる。

これは、宇宙船をある軌道から別の軌道に移動させたり、古い機体の寿命を延ばしたり、修理を行ったり、難破した衛星や残骸などを回収したりできる恒久的な宇宙物流インフラの構築に向けた第一歩だ。

宇宙経済の持続的な成長をめぐる問題は、一企業や一国に任せておくにはあまりにも重要・重大なものだ。

国際協力を強化し、基本的なルールを確立するためには、各国の合意に基づき、共通の基準を持つ新しい宇宙統治モデルが必要だ。例えば、デブリを捕獲する宇宙船の技術はすでに実現しているが、ある国に拠点を置く事業者が、他の国が打ち上げた宇宙物体に接近・捕獲して除去することを認めるには法的な課題がある。このような運用に対応するためのグローバルな規制の策定は、新しい市場とビジネスチャンスを開くために不可欠なステップだ。

D-Orbitを含む48の団体およびその他の政府や業界の関係者は、2019年にSpace Safety Coalition(宇宙安全連合、SSC)を結成し、宇宙事業の長期的な持続可能性のためのベストプラクティスを積極的に推進している。SSCは、宇宙事業全体の長期的な持続可能性のためのベストプラクティスとして、打ち上げ時や軌道上での衝突の回避、宇宙船やデブリの再突入による人的被害の最小化、無線周波数妨害(RFI)イベントの影響の最小化などのガイドラインを策定した。

この業界主導の持続可能性への取り組みは、すべての宇宙関係者が採用する必要がある。宇宙経済の発展や規制の方法は、長期的な影響を及ぼすことになり、失敗を避けるためのタイムリミットは急速に迫っている。

人類の宇宙での活動能力を向上させ、私たち全員にまだ想像もつかない機会をもたらすためには、インフラ、ベストプラクティス、ガバナンスの整備を早急に進める必要がある。

編集部注:本稿の執筆者Luca Rossettini(ルカ・ロッセッティーニ)氏は、D-Orbitの創業者兼CEO。

画像クレジット:Bernt Ove Moss / EyeEm / Getty Images

原文へ

(文:Luca Rossettini、翻訳:Dragonfly)

iRocketとデブリ除去・衛星サービスのTurion Spaceが地球低軌道へ10回の打ち上げ契約を締結

ニューヨークに拠点を置く再利用可能ロケットのスタートアップiRocket(アイロケット)は、最初の商用顧客を獲得した。同社は米国時間11月4日、Y Combinator(YC)の卒業生であり、軌道上デブリの除去や衛星サービスのための宇宙機を開発しているTurion Spaceと複数回の打ち上げ契約を締結したと発表した。

契約条件によると、iRocketは10回の打ち上げで、Turionが開発中のDroid衛星20基を軌道に乗せる予定だ。

iRocketは、完全に再利用可能なロケットの開発を進めており、まずShockwave(ショックウェーブ)打ち上げロケットを開発し、2年後には軌道に乗せることができるようになるとしている。自律的に3DプリントされたShockwaveは、最大で約300kg(661ポンド)および1500kg(約3300ポンド)のペイロードに対応することができる。同社は、NASAのマーシャル宇宙飛行センターで、インジェクターテストやロケットエンジンテストなどのハードウェアテストを開始した。次は完全な組み立てテストだと、CEOのAsad Malik(アサド・マリク)氏はTechCrunchに語っている。

「開発は順調に進んでおり、Turionとのパートナーシップはそれを強化するものです」と同氏は語った。iRocketは、米国宇宙軍、M&J Engineering Group、VCのVillage Globalから資金提供を受けている。

再利用可能な上段を持つiRocketと、Droid宇宙機を持つTurionは、両社とも宇宙ゴミの除去に目を向けている。Droidは軌道上のゴミをロボットアームを使いドッキングして除去し、最終的には大気圏再突入で燃え尽きるよう、十分に低い軌道に引きずり込ことで、デブリを除去する。

Y Combinatorの2021年夏期コホートに参加していたTurionは、2022年10月にDroidのプロトタイプ1号機の打ち上げを目指している。同社はそのミッションのためにすでに別の打ち上げ契約を結んでいるが、どのプロバイダーを選択したかは明らかにしていない。

この最初の打ち上げでは、軌道上デブリを除去したり、衛星にサービスを提供することはできない。TurionのRyan Westerdahl(ライアン・ウェスターダール)CEOは「領域認識活動のみを行う予定です」と説明する。「私たちはこの衛星を『Just Get It Up There』と呼んでいますが、これはできるだけ早く軌道に乗せたいからです。なぜなら、当社がすべきことの大部分は、地上オペレーションを本当に強化することだからです」とも。

Turionは、YCに加えて、Soma Capital、Forward VC、Pi Campus、FoundersX Ventures、Harvard Management Company、Imagination VCからも資金提供を受けている。

ウェスターダール氏は「当社の最優先事項は、地球低軌道における持続可能な未来を築くことであり、積極的なデブリ除去はそのための大きな要素です」と述べている。

両社はまた、軌道上でのサービスに関する将来のコラボレーションの可能性についても示唆している。ウェスターダール氏は、TurionがiRocketと協力して、ロケット会社のペイロードの何分の一かで軌道上の最終デリバリーを行い、宇宙ゴミの除去と組み合わせる可能性を示唆した。

画像クレジット:Maciej Frolow/Photodisc / Getty Images

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Aya Nakazato)

英国宇宙庁が不要な衛星2機の除去プログラムに日本の宇宙スタートアップ「アストロスケール」を選定

スペースデブリ(宇宙ごみ)除去などの軌道上サービスに取り組むアストロスケールホールディングスは10月26日、英国の宇宙庁UKSAの低軌道上の非協力物体(運動制御が不能になったドッキング機能を持たない衛星)2基の除去を検討するプログラム「COSMIC」(コズミック)に選定されたことを発表した。これは、ドバイで開催されている国際宇宙会議においてUKSAが行った発表を受けてのこと。

アストロスケールは2020年8月25日、軌道上での模擬デブリ(クライアント)の捕獲に成功している。この際使用された、民間企業としては世界初のデブリ除去技術実験衛星「ELSA-d」(エルサディー)のミッションで培われた技術がCOSMICで活かされる。ELSA-dは、本体である捕獲機(サービサー)と模擬デブリとをともに宇宙に打ち上げ、捕獲実験を行った。デブリは磁石でサービサーとドッキングする仕組みになっている。現在、ELSA-dは、サービサーの自律制御機能による「非回転状態のクライアントの捕獲」や「回転状態のクライアントの捕獲」の実証実験の準備が進められている。

これと並行して、欧州宇宙機関(ESA)の通信システム先端研究「Sunrise」(サンライズ)プログラムにおいて、複数のクライアントを捕獲し除去できるELSA-M(エルサ・エム)の開発を、ロンドンの通信衛星コンステレーション企業OneWebと進めている。

COSMICでは、このELSA-Mのサービサーを仕様変更して使われる。いったん低軌道に打ち上げられたELSA-Mは、クライアントの軌道へ移動してクライアントを捕獲し、廃棄用軌道まで降下してクライアントを大気圏に放出する(最終的に大気圏に再突入させることで燃え尽きさせる)。そして次のクライアントの軌道まで移動して、捕獲、放出を繰り返す。このミッションでは、軌道上での修復作業も想定されていて、宇宙空間での宇宙状況把握の実証実験も行われるとのことだ。

日本を本社と研究開発拠点を構えるアストロスケールは、イギリス、アメリカ、シンガポール、イスラエルに事業展開をしている。

ウォズニアック氏の宇宙企業「Privateer」は混雑化して危険な宇宙のGoogleマップを目指す

現在、地球低軌道上(LEO)には、壊れた衛星やロケットの破片、多段式ロケットや宇宙ミッションの残骸など、何百万個もの宇宙ゴミが散乱しているが、これを一掃することを目的としたベンチャー企業が次々と誕生している。Steve Wozniak(スティーブ・ウォズニアック)氏と共同で宇宙ベンチャーを設立したAlex Fielding(アレックス・フィールディング)氏によると、LEOの清掃は重要な課題だが、1つ問題があるという。宇宙ゴミ(スペースデブリ)の多くは、実際にどこにあるのかわからないということだ。

「軌道清掃企業は、地球低軌道上にあるほとんどの物体がどこにあるのか一致した意見がなく、それぞれの瞬間に3~400km程度の精度以上で把握することができません」とフィールディング氏はTechCrunchに語った。

フィールディング氏とウォズニアック氏は、新会社「Privateer」を設立して、この知識のギャップを解消しようとしている。これまでステルス状態にあったこの会社は、9月にウォズニアック氏がYouTubeにアップした1分間のプロモビデオへのリンクをツイートしたことで注目を集め、Privateerは宇宙空間の物体の清掃に力を入れるのではないかとの噂が広まった。

しかし、それは微妙に違っていた。「Privateerは実際には、宇宙をきれいにするという目標でスタートしたわけではありません」とフィールディング氏は説明する。「私たちは、宇宙のGoogleマップを作ることを目指してスタートしたのです」。

フィールディング氏とApple(アップル)の共同創業者ウォズニアック氏のコラボレーションは、今回が初めてではない。2人は2000年代初頭に、物体の物理的な位置を追跡する技術を開発する無線ハードウェア企業Wheels of Zeus(WoZ)を設立している。

「20年前、私たちがそれ(WoZ)を始めたとき、宇宙にあったものの半分はゴミでした」とフィールディング氏は語る。その後、状況はさらに悪化していった。「今の世界では、(軌道上には)もっともっと多くのものがあり、その中でも特に危険なものはほぼすべてが低軌道にあり、非常に高速で移動していて、ほとんどの場合よく追跡されておらず、理解されていません」。

宇宙ゴミの危険性は依然として存在する。5月、国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士が、モジュールの1つに取り付けられたロボットアームに幅5mmの穴が開いているのを発見した。アームは機能していたが、ISSが衝突を避けるための操作をしなかったことから、当たった物体は、米国宇宙軍の宇宙監視ネットワークが追跡できないほど小さい軌道上の数百万個の物体の1つであると考えられる。

Rocket Lab(ロケット・ラボ)やSpaceX(スペースX)のような打ち上げ企業が、かつてNASAのような公的機関が独占的に行っていたサービスを今は提供しているのと同じように、Privateerはこうした膨大なデータギャップを埋められるかもしれない。

Privateerは、最初から早いペースで取り組みを進めている。同社は、2022年2月11日に「Pono 1」と名づけられた最初の小型衛星を打ち上げる予定だ。Pono 1の大きさは約3U(約30cm)で、非光学式センサー30個と光学式カメラ12個の合計42個のセンサーを搭載する。非光学式センサーは、4ミクロンの精度を実現する。衛星本体は炭素繊維を用いて3Dプリントで作られ、そうすることによりチタンと同等の剛性を持つ単一の固体部品になるとフィールディング氏はいう。推進剤の代わりに、磁気トルカという衛星姿勢制御用の電流を発生させる小型装置を使って方向を制御する予定だ。

Pono 1衛星は4カ月間だけ運用され、そのあと軌道離脱して地球の大気圏に戻り焼失する。2番目の衛星であるPono 2は、4月末に打ち上げられる。Privateerは、両機の打ち上げのためにすでに打ち上げ業者を決定し、必要な承認を得ている。

これらの打ち上げに加えて、Privateerは、軌道上のロジスティックスとサービスを提供するスタートアップであるAstroscaleとすでに協力関係にあり、現在、宇宙ゴミ除去衛星のデモを行っているとフィールディング氏は述べている。また、Privateerは、米国宇宙軍とのパートナーシップも締結した。

フィールディング氏は、宇宙の完全なGoogleマップを追求しないことは、単なる怠慢ではなく、命取りになるかもしれないという。「私は普段は楽観主義者ですが、今でも非常に恐れているのは、遅すぎたのではないか、2年以内に軌道上で最初の有人宇宙飛行士の犠牲者が出るのではないかということです。そう考える理由は、地球低軌道での(物体や活動の)急増にあります」。

関連記事:日本の宇宙スタートアップAstroscaleが宇宙で軌道上デブリをつかまえて放すデモに成功

画像クレジット:Maciej Frolow/Photodisc / Getty Images

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Aya Nakazato)

日本の宇宙スタートアップAstroscaleが宇宙で軌道上デブリをつかまえて放すデモに成功

米国時間8月25日、Astroscaleは現在軌道上にある同社の宇宙掃除のデモ用衛星が、磁石を使ったシステムでクライアントの宇宙船をつかまえて放す作業に成功し、今後の前進に向けて重要な一歩を刻んだ。

2021年3月に打ち上げられたELSA-d(End-of-Life Services by Astroscale-demonstration)ミッションは、同社の軌道上のデブリ除去技術を検証することを目的としている。デモを行なうための装備等一式はカザフスタンからソユーズロケットで打ち上げられ、宇宙ゴミを除去する「サービサー」と、かんじんの宇宙ゴミを模した「クライアントという2つの宇宙船が含まれている。

関連記事:東京の宇宙スタートアップAstroscaleが軌道上デブリ除去衛星「ELSA-d」を打ち上げ

同社の説明によると「宇宙ゴミ除去と一般的な軌道上サービスにおける大きな課題は、クライアントのオブジェクトをドッキングしたりつかまえることです。今回のテストデモでは、故障した衛星などのクライアントをドッキングするELSA-dの能力の実証に成功しました」。

本日のデモンストレーションでは、Astroscaleの将来の製品の見本でもあるサービサーが、他の宇宙船を磁力でつかまえて放すことに成功した。

しかしELSA-dのデモのミッションはこれで終わりではない。Astroscaleがそれを完全な成功と呼べるためには、同じつかまえて放す課題をさらに3回クリアする必要がある。さらにその次には、サービサーは相当な距離から、クライアントを安全に放して再び捕捉する必要がある。その後、Astroscaleは同じ放してつかまえる過程を試みるが、今度はクライアントの衛星が、コントロール不能で転がり落ちていく宇宙のオブジェクトをシミュレートする。そして、同社が「診断とクライアント捜索」と呼ぶ最後の捕捉デモでは、サービサーがクライアントを至近距離で点検していったん離れ、また近づいてつかまえる。

画像クレジット:Astroscale

軌道上のデブリという問題に取り組んでいる企業は数社あるが、デブリ除去のデモミッションを打ち上げたのは同社が初めてだ。NASAによると現在、国防総省のグローバル宇宙監視センサーは2万7000ほどの軌道上デブリを追跡している。宇宙船の打ち上げと関連の費用が下がり続けているため、宇宙ゴミの量は今後増え続ける一方だろう。

以下の動画では、ミッションのオペレーションチームがテストのデモを説明している。

関連記事
2021年には軌道上での燃料補給や製造が理論から現実へ変わる
わずか2cmの宇宙ごみを位相配列レーダーで検知し衛星との衝突をモニターするLeoLabs
Aurora Propulsion Technologiesの宇宙ゴミ除去技術が2021年第4四半期に宇宙へ
画像クレジット:Astroscale

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Aurora Propulsion Technologiesの宇宙ゴミ除去技術が2021年第4四半期に宇宙へ

小型衛星用のスラスターや軌道離脱モジュールを開発しているフィンランドの企業Aurora Propulsion Technologies(オーロラ・プロパルション・テクノロジーズ)が、自社の技術を初めて宇宙に送り出す。同社はRocket Lab(ロケット・ラボ)と契約し、2021年第4四半期に、初の「AuroraSat-1(オーロラサット1)」と呼ばれるキューブサットを、Electron(エレクトロン)ロケットのライドシェアミッションに載せて、地球低軌道に送り出す予定だ。

Auroraは2018年に創設されたスタートアップ企業で、その他にあまり類を見ない技術は、私たちの多くにとって「見えないところにある、気に留めないもの」である宇宙ごみという厄介な問題の解決に役立つと考えられている。

宇宙ごみ(軌道上デブリ)とは、宇宙空間に存在する不要になった人工物のことだ。米国防総省は、Space Surveillance Network(宇宙監視ネットワーク)を通じて、約2万7000個の宇宙ごみを追跡し続けているが、地球低軌道上には数百万個のごみが漂っていると推定されている。

打ち上げやその他の技術コストが低下し続けているため、地球低軌道上は今後ますます混雑する傾向にあり、長期的には私たちの周囲に浮遊する不要なごみが増える可能性があるということだ。

2021年末に予定されているRocket Labによる打ち上げは、Auroraが宇宙でその技術を実証する好機である。AuroraSat-1は2つのモジュールを備える予定で、1つ目のモジュールには、6基の「レジストジェット」スラスタが搭載されており、キューブサットの迅速な離脱と姿勢制御(衛星の向き)の調整を行う。また、同社は電荷を帯びたマイクロテザーを用いて衛星の離脱時に抵抗力を発生させる「Plasma Brakes(プラズマ・ブレーキ)」のテストも予定している。

AuroraSat-1は当初、宇宙輸送事業者であるMomentus(モメンタス)によって、2021年初めにSpace X (スペースX)のFalcon 9(ファルコン9)ロケットを使ったライドシェア・ミッションで飛ぶ予定だった。しかし、Momentusが米連邦航空局の承認を得られなかったため、その飛行は中止された。

今回の変更について、AuroraのRoope Takala(ルーペ・タカラ)CEOは「Momentusが難しい状況になったことを踏まえて、私たちは今回発表したRocket Labのフライトに衛星を載せ替えなければなりませんでした」と、TechCrunchに語った。Auroraは2021年3月、2022年6月にMomentusと衛星を打ち上げる契約を結んだと発表していた。

関連記事
わずか2cmの宇宙ごみを位相配列レーダーで検知し衛星との衝突をモニターするLeoLabs
東京の宇宙スタートアップAstroscaleが軌道上デブリ除去衛星「ELSA-d」を打ち上げ
スペースデブリ問題に取り組むアストロスケールが民間世界初のデブリ除去実証実験衛星を2021年3月打ち上げ

カテゴリー:宇宙
タグ:Aurora Propulsion TechnologiesRocket Lab宇宙ごみ人工衛星

画像クレジット:Aurora Propulsion Technologies

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

わずか2cmの宇宙ごみを位相配列レーダーで検知し衛星との衝突をモニターするLeoLabs

低軌道は混雑している。破片やゴミだけでなく、衛星もある。衛星の数は打ち上げ費用の低下とともに急速に増えつつある。これは衛星プロバイダーにとって時として問題となる。価値あるスペースクラフトが他の衛星や軌道上にごまんとある物体と衝突するリスクを負う。

破片追跡はこれまでほとんど、わずかな軍や政府の機関によって行われていたが、完全に網羅していない。LeoLabs(レオラブス)は2016年の創業以来、同社がいう軌道物体追跡における「データ不足」を埋めることを目指してきた。そしていま、同社はInsight PartnersとVelvet Sea VenturesがリードしたシリーズBラウンドで6500万ドル(約71億7000万円)を調達し、オペレーションを拡大しようとしている。この最新ラウンドでLeoLabsの累計調達額は1億ドル(約110億円)を超えた。

LeoLabsは観測地域を飛ぶあらゆる物体を追跡して観測するために地上ベースのフェーズドアレイレーダー(位相配列レーダー)を使っている。レーダーはアラスカとテキサスに1基ずつ、ニュージーランドとコスタリカに2基ずつ配備している。LeoLabsの追跡システムの大きな優位点は検知できる物体のサイズだ。同社は2cm程度のものをとらえることができるが、これに対し従来の検知システムでは10cm程度だ。

検知可能なサイズの違いは大きい。大きさ10cm以上の物体は軌道上に約1万7000個超あるが、2cm以上のものになるとその数は25万個に跳ね上がる。衝突する可能性は高く、2cmというのは小さいように思えるかもしれないが、そうした小さなものでも軌道速度で動くことで壊滅的な被害をもたらすことができる。LeoLabsの顧客はサブスクサービスでこうした情報にアクセスでき、衝突のリスクは自動的に警告される。

「何が起きているのか、あまり情報はありません」とLeoLabsのCEOで共同創業者のDan Ceperley(ダン・チェパリー)氏はTechCrunchに語った。「ですので、当社は多くのデータを生み出すためにグローバルのレーダーネットワークを展開し、ソフトウェアインフラでそのデータを有用なものにしています」。

LeoLabsは週に3つから5つの大きな物体を含む近距離接近を目にしている、とチェパリー氏は話す。それらは注目に値する。というのも、衝突は何千もの小さな断片物、つまりはさらなる宇宙ごみを生み出す可能性があるからだ。さらに小な物体を追跡すると、衝突のリスクは20倍以上高まる。幸いなことに、多くの衛星は衝突を回避したり軌道を維持したりするためにアクティベートできる電動スラスターを搭載している。事前告知があれば企業は予想される衝突の数日前に操作できる。

新たに調達した資金でLeoLabsは世界中に設置するレーダーサイトの数を増やし、ソフトウェア・アズ・ア・サービス事業を拡大する、とチェパリー氏は語る。LeoLabsはすでに軌道を完全にカバーしているが、レーダーを増やすことで物体を追跡する周波数を広げることができると同氏は説明した。LeoLabsはまた、ソフトウェアとデータサイエンスのチームの規模(すでに社内では最大)を拡大し、米国外にもオフィスを置き、新しいプロダクトとサービスを加える計画だ。

「一生に1度という革命が宇宙産業で起きています。新たな投資が衛星打ち上げや衛星の製造、そして衛星運用の費用を抑制したため、多くの衛星が低軌道に向かっています」とチェパリー氏は話した。「これらを実際にすべて追跡する新世代のサービスが必要とされています。ですので我々は新しい時代のために次世代の追跡サービスとマッピングサービスを構築しています」。

カテゴリー:宇宙
タグ:宇宙ごみ人工衛星LeoLabs資金調達

画像クレジット:LeoLabs

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

東京の宇宙スタートアップAstroscaleが軌道上デブリ除去衛星「ELSA-d」を打ち上げ

日本の宇宙スタートアップAstroscale(アストロスケール)が、軌道上のデブリを捕獲して安全に除去することを目的とする、同社のELSA(End-of-Life Services by Astroscale、エルサ)技術の実証ミッションのために、ELSA-d(エルサd)衛星を打ち上げた。Astroscaleの実証実験パッケージには、2つの独立したペイロードが搭載されている。1つは、未来の本番宇宙船の役目の「捕獲衛星」、もう1つは、将来は顧客の依頼を受けて軌道から除去される役目の「デブリ模擬衛星」だ。

このAstrocaleのペイロードは、18カ国から集められた他の商業衛星38基とともに、カザフスタンを米国時間3月22日早朝に離陸したソユーズロケットを使って打ち上げられた。2013年に日本人起業家の岡田光信氏が創業したAstroscaleの宇宙船が、軌道に乗るのは今回が初めてだ。Astroscaleは、2017年に小規模デブリの測定を目的とした超小型衛星を打ち上げたが、発射ロケットのプログラムにミスがあったため、そのミッションでは18個の衛星すべてが軌道に到達できなかった。

今回のELSA-dミッションは、さらに野心的な取り組みであり、Astroscaleが最終的に商業化を目指している技術の、軌道上での積極的なデモンストレーションを行うものだ。ミッション内容には、捕獲衛星と模擬衛星の間でドッキングとリリースを繰り返す操作が含まれていて、模擬衛星には捕獲衛星のドッキング手続きを支援するための強磁性プレートが組み込まれている。

Astroscaleは、今回のデモンストレーションで、捕獲衛星が顧客役の模擬衛星を探し出して位置を特定し、損傷の有無を検査した上で、上述のようにドッキングを行う。なおその際には、対象が安定した軌道を維持している場合と、姿勢を制御できずに宇宙空間で回転している場合の両方のシナリオを想定している。

英国内に、Astroscaleが設置した地上センターから制御されるこのミッションには、多くのものがかかっている。長期的な商業活動だけでなく、スタートアップはJAXAと提携して、日本の宇宙機関史上初の軌道上デブリ除去ミッションを行うことになっている。このミッションでは、ロケットの使用済み上段ロケットに相当する大きな物体を、軌道上から除去する世界初の試み行う予定だ。

カテゴリー:宇宙
タグ:Astroscaleスペースデブリ日本

画像クレジット:Astroscale

原文へ

(文:Darrell Etherington、翻訳:sako)