衛星データ解析によるソリューション提供や小型SAR衛星の開発・運用を行うSynspectiveが119億円のシリーズB調達

衛星データ解析によるソリューション提供や小型SAR衛星の開発・運用を行うSynspectiveが119億円のシリーズB調達

2022年3月1日に2機目の小型SAR衛星打上げ成功

衛星データ解析によるソリューション提供および小型SAR衛星の開発・運用を行うSynspective(シンスペクティブ)は3月29日、シリーズBラウンドとして、第三者割当増資および融資による119億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、損害保険ジャパン、野村スパークス・インベストメント、シンガポールPavilion Capital Pte. Ltd.など。累計調達額は228億円となった。

調達した資金は、主に小型SAR衛星の開発・製造・打上・運用、量産施設の準備、衛星データソリューションの開発とグローバル展開などにあて、さらなる事業拡大を目指す。

2018年2月設立のSynspectiveは、小型SAR衛星の開発・運用と衛星による観測データを活用したソリューションサービスの提供をワンストップで行う企業。2026年前後に、小型SAR衛星30機からなるコンステレーションを構築することで、広範囲、高頻度の地上観測を可能にするシステムの構築・運用を目指す。

ハイパースペクトル衛星画像提供するPixxel、衛星コンステレーションの打ち上げに向けて約31億円調達

軌道上から撮影する人工衛星画像は、新しい宇宙産業で注目されている分野の1つだが、それには(人間の)目に見えるもの以上のものがある。Pixxel(ピクセル)は、地球のハイパースペクトル画像を提供する衛星コンステレーションの打ち上げに向け2500万ドル(約31億円)を調達した。ハイパースペクトル画像は、通常のカメラでは見えないあらゆる種の細部を明らかにすることができる、より広いスライスの電磁スペクトルだ。

基本的に、地球を数キロ上空から見下ろすことができるということは、あらゆる可能性を提供する。しかし、研究室では基本的なデジタルカメラ以上のものが必要なのと同じように、軌道上の画像もまた基本的なもの以上が必要だ。

研究室でよく見かける別のツールが分光器だ。これは、物体や物質に放射線を当て、どの周波数がどれだけ吸収されたか、あるいは反射されたかを記録するものだ。すべての物には異なるスペクトルの特徴があり、例えば同じ鉱物の2つのタイプなど、密接に関連した物質であっても互いに区別することができる。

ハイパースペクトル画像は、これと同様の処理をカメラで行ったもので、宇宙からこれを行うことで、1枚の画像から地域全体のスペクトルの特徴を見つけることができる。米航空宇宙局(NASA)などの機関は、惑星観測のためにハイパースペクトルを使用しているが、Pixxelはこれまでの研究を基に、ハイパースペクトルをオンデマンドで提供する人工衛星コンステレーションを打ち上げようとしている。

Pixxelの衛星のCGレンダリング画像

創業者でCEOのAwais Ahmed(アウェイス・アーメッド)氏は、他の新興の宇宙産業と同様、小型化の技術力と頻繁かつ安価な打ち上げの組み合わせが、このビジネスを可能にしたと語る。アーメッド氏は、NASAのおかげであることを率直に認めたが、Pixxelは税金で開発された技術を単に再利用しているわけではない。EO-1ミッションとHyperionハイパースペクトルデータセットを初期の市場調査だと考えてもいい。

「Hyperionの解像度は約30メートル(1ピクセルあたり)ほどで、科学的な目的には最適です。しかし、5メートル程度まで下げないと、私たちがやっていることには意味がありません」とアーメッド氏は説明した。

Pixxelの衛星コンステレーションは、2022年後半の打ち上げ時には6機と決して多くはないが、約48時間ごとに地球の大部分で5メートルの解像度を提供できるようになる。すでに試験衛星がサンプル画像を送っており、来月には第2世代の衛星が打ち上げられる予定だ。量産型はより大きく、撮影画像の質と量を向上させるべくより多くの機器が内蔵されている。

アーメッド氏によると、テスト衛星から送られてくる画像だけでなく、最終的に提供されるデータに対して、すでに数十の顧客を抱えているとのことだ。これらの企業は、農業、鉱業、石油・ガス産業など、広大な土地の定期的な調査が事業にとって重要である場合が多い。

5メートルの解像度は、小さなスケールでは失われたり平均化されたりしてしまうような地形を捉えるのに有効だ。大陸をマッピングするのであれば、30メートルの解像度はやりすぎだが、湖の縁に有害な化学物質がないか、田畑が乾燥状態かどうかをチェックするのであれば、できる限り正確に把握したいと考えるだろう。

画像クレジット:Pixxel

ハイパースペクトル画像では、可視光線がメタンなどの排出物を通過したり、まったく異なる物質が同じような色に見えることから、より多くのことを明らかにすることができる。湖の端が黒く変色している場合、それは藻類か水面下の棚かそれとも工業製品の流出か、「青」と「紺」だけだと判断が難しい。しかし、ハイパースペクトル画像は、はるかに多くのスペクトルをカバーしていて、人間には直感的に理解しがたい豊かな画像を生成する。鳥や蜂が紫外線を見ることで世界の見え方が変わるように、1900ナノメートルの波長を見ることができれば、世界がどのように見えるのか、我々には想像するのは難しい。

このスケールを示す簡単な例として、NASAが提供するこのチャートは、3つの鉱物の波長0〜3000ナノメートルのスペクトルの特徴を示している。

Robert Simmon / NASA

見てわかるとおり、テーブルはたくさんのことを意味している。

「何百もの色を使って遊ぶことができるのです。特定の栄養素を含む土壌で、それが飽和状態なのか、そうでないのか見るのに役立ちます。ハイパースペクトル画像では、こうしたことが滑らかなスペクトルのわずかな変化として表れます。しかし、RGBでは目に見えません」とアーメッド氏は話した。

Pixxelのセンサーは、通常のカメラが赤、青、緑の3色しかとらえられないスペクトルを、数百の「スライス」として収集する。衛星はさらに有用なスライスをいくつか持っており、マルチスペクトル画像と呼ばれるものを作成している。しかし、何十、何百ものスライスを組み合わせると、より複雑で特性を伝える画像を得ることができる。上のチャートでは、スライスの数が多いほど、カーブの精度が高くなり、より正確である可能性が高いことを意味する。

軌道からのハイパースペクトル画像を追求している企業は他にもあるが、現在データを送信している稼働中の衛星を打ち上げた企業はなく、Pixxelが行っている5メートルの解像度とスペクトルスライスの範囲を達成した企業もない。そのため、この分野ではいずれ競争が起こるだろうが、Pixxelのコンステレーションは先陣を切ることになりそうだ。

「当社のデータの質は最高です。しかも、より安価な方法でそれを実現しています」とアーメッド氏は話す。「最初のコンステレーションを通じて資金を完全に調達しています」。

2500万ドルのシリーズAはRadical Venturesがリードし、Jordan Noone、Seraphim Space Investment Trust Plc、Lightspeed Partners、Blume Ventures、Sparta LLCが参加した。

調達した資金はもちろん衛星の製作と打ち上げに使われるが、顧客がゼロからハイパースペクトル分析スタックを構築する必要がないよう、Pixxelはソフトウェアプラットフォームにも取り組んでいる。今あるものを再利用するだけではダメだ。このようなデータは文字通りこれまでなかったものだ。そこでPixxelは「モデルや分析を組み込んだ汎用的なプラットフォーム」を構築しているのだと、アーメッド氏は語った。しかし、まだ公にできる段階ではない。

宇宙関連に付き物の不確実性にもよるが、Pixxelは2023年の第1四半期か第2四半期の運用開始が見込まれている。

画像クレジット:Pixxel

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Nariko Mizoguchi

衛星コンステレーション構築を目指すアークエッジ・スペースがシリーズA追加クローズとして約6.3億円調達

衛星コンステレーション構築を目指すアークエッジ・スペースがシリーズA追加クローズとして約6.3億円調達超小型衛星の開発・運用などを手がけるアークエッジ・スペースは3月29日、シリーズA追加クローズとして6億3500万円を調達したと発表した。引受先は、新規株主のスパークス・イノベーション・フォー・フューチャー、シンガポールのPavilion Capital、既存株主のインキュベイトファンド、三井住友海上キャピタル。

同社は、シリーズAラウンドとして、リード・インベスターのインキュベイトファンド、またリアルテックファンド、三井住友海上キャピタルを引受先として、約17億円の調達を2022年1月に実施している。シリーズAラウンドにおける調達額は累計23億円となった。シードラウンドからこれまでに調達した資金調達は累計総額で約27億円となっている。

今回の調達した資金は、採用などにより衛星開発体制の構築・強化を加速させ、すでに着手しているSDGs対応向けのIoT通信、地球観測、海洋VDES衛星などの6U衛星コンステレーションの構築を確実に実現する。また2025年をめどに、月面活動にむけた衛星コンステレーション構築に必要となる超小型衛星の開発・実証に取り組む。衛星コンステレーション構築を目指すアークエッジ・スペースがシリーズA追加クローズとして約6.3億円調達

高専10校が共同開発した人工衛星「KOSEN-1」で初の宇宙技術実証に成功、Raspberry Pi CM1を衛星の心臓部に採用

高専10校が共同開発した人工衛星「KOSEN-1」で初の宇宙技術実証に成功、Raspberry Pi CM1を衛星の心臓部に採用高知工業専門学校(高知高専)を中心とする10校の高専が開発した超小型人工衛星「KOSEN-1」が、市販のLinuxマイコンボード「Raspberry Pi Compute Module 1」(CM1)を衛星の制御に使うオンボードコンピューター(OBC)として常時運用するという宇宙技術実証に成功した。

KOSEN-1は、10センチ四方の立方体を2つ重ねた大きさで、重量は2.6kgという超小型人工衛星(2Uキューブサット。サイズ10×10×23cm)。以下に挙げる10校が共同で開発した、木星が放射する自然電波の観測のための最新技術の実証を目的とした木星電波観測技術実証衛星だ。2018年にJAXAの革新的衛星技術実証2号機の実証テーマに選定され、50名以上の高専生が参加して2年半をかけて開発。2021年11月、JAXAのイプシロンロケット5号機で打ち上げられた。

開発参加校

高知高専
群馬高専
徳山高専
岐阜高専
香川高専
米子高専
新居浜高専
明石高専
鹿児島高専
苫小牧高専

今回実証に成功したのは、超小型で省電力な市販のLinuxマイコンボード「Raspberry Pi Compute Module 1」(CM1)を衛星の心臓部となるOBCに使い、宇宙で運用するというもの。このOBCと連動したカメラによる地球の写真撮影にも成功した。

KOSEN-1から撮影された地球

CM1のプログラムには、プログラミング言語Pythonを利用しているという。そのCM1とPythonの組み合わせには、いくつもの利点がある。まずはCM1のOSがオープンソースソフトウェアのLinuxで、OS本体だけでなくソフトウェアなどの膨大なリソースが自由に使えること。CM1は安価な市販のマイコンボードなので、ハードウェアのシミュレーションが容易に行えること。さらに、やはりオープンソースのプログラミング言語Pythonを使うため、インターネットで共有しながらプログラム開発が行えること。これらにより、多くの高専生が参加する画期的な「分散型OBCソフト開発」が実現できた。

OBCに使用された「Raspberry Pi Compute Module 1」

今後KOSEN-1では、「デュアルリアクションホイールによる超高精度姿勢制御」と「木星電波観測用6.6m長ダイポールアンテナ展開技術」の実証を宇宙で行うことにしている。

航空自衛隊「宇宙作戦群」発足、宇宙領域の指揮統制・監視能力を強化しスペースデブリや人工衛星への妨害行為など監視

防衛省が航空自衛隊「宇宙作戦群」発足、宇宙領域の指揮統制・監視能力を強化しスペースデブリや人工衛星への妨害行為など監視

Japan Ministry of Defence

3月18日、防衛省は航空自衛隊宇宙作戦隊の能力を強化し、宇宙領域での活動を指揮、統制する「宇宙作戦群」を発足、東京都府中市の府中基地で発足記念行事を開催しました。

日本政府は防衛力の新しい軸になる分野として宇宙・サイバー・電磁波の3領域を重視しており、17日の「自衛隊サイバー防衛隊」発足に続いて宇宙分野の能力強化も進めていく方針です。

宇宙作戦群の拠点は府中基地に置かれ、発足当初は70人という比較的少人数で構成され、本部20人、自衛隊(陸海空)との連携をとる宇宙作戦指揮所運用隊に30人、2020年に設置された既存の宇宙作戦隊20人という編成になります。

また2022年度には府中基地に装備の維持管理をする「宇宙システム管理隊」を10人編成で設置し、宇宙作戦隊を40人に倍増して「第1宇宙作戦隊」に改名、さらに山口県の航空自衛隊防府北基地に「第2宇宙作戦隊」を新設する予定です。

第1および第2宇宙作戦隊の役割分担は、主に第1作戦隊が宇宙状況(スペースデブリなど)の監視任務、第2作戦隊は電磁波による日本の人工衛星への妨害行為などの監視にあたるとのこと。現在山口県に建設中の宇宙監視レーダーは第1作戦隊が遠隔で運用します。また、2026年度までに監視用の人工衛星を打ち上げ予定で、レーダーと衛星などを組み合わせた宇宙監視システムを構成するとのこと。

近年は世界各国が再び月への有人探査を目指し、火星への進出なども計画される一方で、宇宙空間の監視体制を強化する動きも目立っています。最も話題になったのは米国が2019年に陸・海・空軍および海兵隊などに並ぶ軍種として設置した宇宙軍ですが、2020年にはフランスも空軍の活動領域を宇宙にまで拡大、防衛力強化を目的として「航空宇宙軍」に改名しています。そして日本でも先に述べたとおり2020年に「宇宙領域における部隊運用の検討、宇宙領域の知見を持つ人材の育成、米国との連携体制の構築」を目的とした宇宙作戦隊を編成しており、これが今回の宇宙作戦群発足の基礎になっています。

(Source:TBS。coverage:防衛省(PDF)、NHKEngadget日本版より転載)

Astraが新規顧客であるSpaceflightの初ミッションで軌道に到達

宇宙スタートアップから今は上場企業となったAstra(アストラ)は、同社の新規顧客であるSpaceflight Inc.のためのデビューミッションで、2度目の軌道到達を果たした。

これは同ロケット打ち上げ企業にとっては大きな収穫だ。Astraは2021年11月に初めて軌道に乗ったが、それ以来、その偉業を再現できていなかった。今までは。

Astra-1ミッションは、アラスカ州のコディアック宇宙港から打ち上げられた。LV0009と名付けられたロケット3.3号機は、教科書通りの(つまり特筆すべきことのない、というのは打ち上げビジネスでは良いことだ)リフトオフとステージ分離を行った。今回の打ち上げでは、アマチュアのロケット愛好家グループであるPortland State Aerospace Society(PSAS、ポートランド州航空宇宙協会)の超小型衛星CubeSatやNearSpace Launchの衛星間通信システムなど、Spaceflightの3組の顧客のペイロードを軌道に乗せた。3番目の顧客は公表されていない。

Astra-1のミッションの飛行経路(画像クレジット:Astra)

同社は、打ち上げライブ配信の終了までに、顧客のペイロード展開を確認することはできなかった。展開が確認され次第、TechCrunchは記事を更新する。

【更新】AstraはTwitter(ツイッター)で、衛星が正常に展開されたことを確認した。

米国時間3月16日に行われた本日の打ち上げは、2025年まで続くSpaceflightとの契約における一連のミッションの最初のものであると、両社は14日に発表した。

Astraは2021年7月、SPAC合併によりNASDAQに上場し、従来のIPOプロセスを回避して株式市場へ参入する宇宙関連企業が増えている中、その仲間入りをした。その後、同社の株価は下落の一途をたどり、2月の直近の打ち上げ失敗の後、26%も下落することとなった。

同社は3月初め、失敗した打ち上げに関する予備的な事後報告を発表した。Astraのミッションマネジメント&アシュアランス担当シニアディレクターであるAndrew Griggs(アンドリュー・グリッグス)氏は、失敗の原因は、フェアリング分離機構の問題でステージ分離に異常をきたしてしまったことと、推力ベクトル制御システムのソフトウェアに問題があったことの2点であると述べていた。

「絶え間ないイテレーションと広範なテストを通じ行った変更により、LV0008で発生した不具合は解消され、ソフトウェア群はより安定しました」と同氏は述べた。

Astraには大きな計画がある。同社は2021年、投資家らに対して、2023年までに週1回、さらに2020年代半ばまでに1日1回の打ち上げを行うことを目標としていると語っている。

打ち上げの様子はこちらでご覧いただける。

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Den Nakano)

Slingshot Aerospaceは宇宙ごみなどの状況情報をリアルタイムで提供、衛星打ち上げ・運用業者を支援

地球低軌道が少々混雑してきた。小規模な人工衛星の急増や、SpaceX(スペースX)の「Starlink(スターリンク)」のような大規模な衛星コンステレーション、そして増え続ける宇宙ごみの間を抜けて、軌道上に衛星を打ち上げ・運用することは、まるでゲームの「フロッガー」をプレイしているように感じられるかもしれない。国際宇宙ステーションでさえ、定期的に「回避行動」をとらなければならないのだ。

宇宙にはまだ、たくさんのスペースがある。しかし、10億ドル(約1170億円)もする人工衛星を運用するのであれば、衝突しないように全力を尽くしたいと思うだろう。

そこで、Slingshot Aerospace(スリングショット・エアロスペース)の出番となるわけだ。同社は複数のソースからのデータを統合し、デジタルで構成した宇宙の全体的状況をリアルタイムで提供することで、宇宙事業者がその資産をより良く管理・保護できるようにする。2017年にMelanie Stricklan(メラニー・ストリックラン)氏、David Godwin(デイヴィッド・ゴドウィン)氏、Thomas Ashman(トーマス・アッシュマン)氏によって設立され、現在はテキサス州オースティンとカリフォルニア州エルセグンドを拠点とするこの会社は、2部構成のシリーズA投資ラウンドで3460万ドル(約40億6000万円)を調達。2020年10月に調達した約800万ドル(約9億4000万円)に続き、第2回目となる2500万ドル(約29億3000万円)相当の資金調達を、米国時間3月10日に発表した。

「宇宙には無限のチャンスがあります。しかし、我々は宇宙飛行の運用と軌道上の資産管理を最適化するために、デジタル革命を起こさなければなりません」と、ストリックラン氏は同社のプレスリリースで述べている。「宇宙を利用するすべての組織に、よりアクセスしやすく、タイムリーで、正確なリスク軽減を提供するためには、リアルタイムの調整が必要です」。

今回の2回目のラウンドは、Draper Associates(ドラッパー・アソシエイツ)とATX Venture Partners(ATXベンチャー・パートナーズ)が主導し、Edison Partners(エジソン・パートナーズ)、Embedded Ventures(エンベデッド・ベンチャーズ)、Valor Equity Partners(ヴァロー・エクイティ・パートナーズ)、Lockheed Martin Ventures(ロッキード・マーティン・ベンチャーズ)などが追加出資した。Slingshot Aerospaceの顧客には、NASA、Boeing(ボーイング)、Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)、U.S. Space Force(米国宇宙軍)、U.S. Air Force(米国空軍)、OneWeb(ワンウェブ)などが含まれる。

「宇宙状況認識という分野は今、破壊的革新を起こすための機が熟しています。現在のところ、衛星オペレーターが実用的な情報をもとにリアルタイムで通信・協力し、軌道上のコンジャンクションを解決したり、グローバルな宇宙認識を最適化するための共通プラットフォームは存在していません」と、とEdison PartnersのDaniel Herscovici(ダニエル・ハースコビッチ)氏は述べている。

LeoLabs(レオラブズ)やKayhan Space(カイハン・スペース)など、他の宇宙関連のスタートアップ企業は、この評価に同意しないかもしれないが、Slingshotが魅力的なプラットフォームを構築していることは確かだ。

「Slingshot Beacon(スリングショット・ビーコン)」は「商業、政府、民間の顧客を1つのプラットフォームで結びつけ、衛星やその他の資産をより良く設計、管理、保護できるようにし、リスクを軽減し、すべての宇宙飛行事業者が安全で信頼できる運用を確実に行えるようにする」軌道衝突回避プログラムだ。その試験運用プログラムは、現在地球低軌道にある衛星コンステレーションの半分以上を占める資産を所有する参加者たちとともに、2021年8月に開始された。

同社が新たに調達した資金は、Slingshot Beaconをはじめとする製品の商業化のために使われる他、今後1年間で40人の従業員を新規雇用するために充てられる予定だ。2030年までに約11万5000個の衛星が打ち上げられると予想される中で、これはかなり良い、そしてかなり必要とされるアイデアだろう。

画像クレジット:Slingshot Aerospace

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(文:Stefanie Waldek、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

スペースXが「米国のほうき」でさらに48基のスターリンク衛星を打ち上げ

SpaceX(スペースX)のStarlink(スターリンク)ミッションがまた1つ、高く高く遠くへ飛んでいった。米国太平洋標準時3月9日の午前5時45分、フロリダ州ケープカナベラルの宇宙軍施設第40発射施設からFalcon 9(ファルコン9)ロケットが打ち上げられ、地球を周回してインターネットを提供しているSpaceXの2000基に及ぶ衛星群に、新たに48基の衛星が追加された。

今回の打ち上げはブースターにとって4回目で、ミッション開始から数分後に大西洋に浮かぶ無人のドローン船「A Shortfall of Gravitas(厳粛さが足りない)」に着陸した。

2022年に入ってから7つのStarlinkミッションに加え、他の3つのミッションも打ち上げているSpaceXにとって、今回の飛行は目新しいものではなかったが、打ち上げのシークエンスにおいて、おもしろい一節が含まれていた。

「米国のほうきを飛ばし、自由の音を聞く時が来ました」と、SpaceXの打ち上げディレクターは打ち上げの「ゴー」を出す前に呼びかけた。

このコメントは、ロシアの国営宇宙機関Roscosmos(ロスコスモス)を率いるDmitry Rogozin(ドミトリー・ロゴージン)氏が先週、両国間の緊張が高まる状況を受けて、米国へのロシアのロケットエンジンの販売を禁止した後に述べた嫌味にちなんでいる。同氏は国営放送で「何か他のもの、自分たちのほうきにでも乗せて飛ばせばいい」と語っていた。

Falcon 9はSpaceXが開発したMerlinエンジンを搭載しているが、米国の他のロケット(United Launch AlliancesのAtlas VとNorthrop GrummanのAntares)はロシアのエンジンを搭載している。ULAは今後の打ち上げに十分なエンジンの在庫があると発表しているが、Northrop Grummanは、禁輸措置が同社のミッションにどのような影響を与えるかについて声明を出していない。

いずれにせよ、米国のロケット打ち上げの大半を占めるのはSpaceXであり、9日の打ち上げが示したように、同社のほうきも好調だ。

SpaceXの次の打ち上げは、Starlinkのミッションではなく、有人ミッションだ。3月30日に打ち上げられる予定のAxiom-1ミッションは、国際宇宙ステーション(ISS)への初の民間飛行となる。SpaceXは、すでにNASAのクルーを4人ISSに送り込み、民間人だけのクルーがCrew Dragonカプセルで数日間地球を周回したInspiration 4ミッションも行っており、有人ミッションの分野ではかなりの経験を積んでいるといえる。

画像クレジット:SpaceX / Flickr under a CC BY-NC 2.0 license.

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(文:Stefanie Waldek、翻訳:Den Nakano)

国際宇宙ステーションに代わる宇宙環境利用プラットフォームを開発するElevationSpaceが3.1億円のシード調達

国際宇宙ステーションに代わる宇宙環境利用プラットフォームを開発するElevationSpaceが3.1億円のシード調達

国際宇宙ステーション(ISS)に代わって宇宙での実験や製造が行える宇宙環境利用プラットフォーム「ELS-R」を開発する宇宙スタートアップElevationSpace(エレベーションスペース)は3月9日、シードラウンドとして、第三者割当増資による約3億1000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、Genesia Venture Fund 3号投資事業有限責任組合(ジェネシア・ベンチャーズ)をはじめとする6社。これにより補助金なども含めた累積調達額は3億5000万円となった。また、新たな社外取締役に、ジェネシア・ベンチャーズのPartnerおよびChief ESG Officerの河合将文氏が就任した。

国際宇宙ステーションに代わる宇宙環境利用プラットフォームを開発するElevationSpaceが3.1億円のシード調達ElevationSpaceは、東北大学吉田・桒原研究室で10基以上の小型人工衛星を開発してきた技術を基に、2021年2月に設立した東北大学発の宇宙領域スタートアップ。宇宙空間での実験・研究・製造などが行える小型宇宙環境利用プラットフォーム「ELS-R」の開発を行っている。2023年後半には技術実証機「ELS-R100」を打ち上げ、2026年にはサービス提供機「ELS-R1000」を打ち上げる予定だ。

ELS-Rでは、宇宙の微小重力環境を活かした研究、試験、製造が行える。実験などを行ったペイロードは地球に帰還させ、回収することができる。何かと利用が難しく、2030年には退役が予定されているISSに代わって、安価に素早く利用できるのが特徴だ。想定される利用例としては、基礎研究フェーズの他、創薬分野の高品質なたんぱく質結晶の生成といった応用研究フェーズから、宇宙旅行を見据えた化粧品・食品・家電品などの開発に関連する実証や試験フェーズ、地上では作れない新素材の宇宙製造といった量産フェーズなどが考えられている。技術実証機では、ユーグレナが、宇宙での食糧やエネルギー源となるミドリムシの培養実験を行うことが決まっている。

今回調達した資金は、ELS-R100の開発促進、さらにELS-R1000の研究開発と事業開発に向けた組織体制の構築に使われるとのこと。また今回、科学技術分野の企画、研究、コンサルティングを行うリバネスグループとの業務提携も発表された。同社が持つビジネスと科学領域の知見と産官学のネットワークを活かして、宇宙での新規材料製造マーケットの創出に取り組むという。

引受先6社は、ジェネシア・ベンチャーズ、みらい創造機構、既存投資家のMAKOTOキャピタル、リバネスキャピタル、東北大学ベンチャーパートナーズ、Plug and Play Japanとなっている。

スペースXがさらに47基のスターリンク衛星打ち上げに成功

SpaceX(スペースX)は2022年に、過去のどの年よりも多くのロケットを打ち上げることを目指している。米国時間3月3日にStarlink(スターリンク)の打ち上げを成功させたことは、その目標達成に向けて順調に進んでいることを示している。

今回のStarlink 4-9ミッションは、米国東部標準時の午前9時25分にフロリダ州にあるケネディ宇宙センターの39A発射施設から打ち上げられた。これは、同社が2022年打ち上げを予定している52回のミッションのうち、9回目にあたる。この1週間に1回という驚異的なペースは、SpaceXのElon Musk(イーロン・マスク)CEOが力を入れている「迅速な再利用性」によるものだ。

今回のミッションでは「B1060」とナンバリングされたFalcon 9(ファルコン9)ブースター(1段目ロケット)が使われた。B1060は打ち上げから約9分後に、大西洋に浮かぶ「Just Read the Instructions(説明書を読め)」と名付けられた無人のドローン船に着地した。今回の打ち上げと着陸の成功により、B1060は2020年6月の初打ち上げ以来、SpaceXのロケット再利用回数で最多タイとなる11回の飛行を完了した。

B1060は今回、47基のStarlink衛星を軌道に乗せ、地球を周回している他の2000基を超える第一世代衛星群に加えることに成功した。これらの衛星コンステレーションは、地球の遠隔地にも高速・低遅延のインターネット接続サービスを提供することを目的としている。Starlinkの衛星は、現時点で1万2000基まで拡張することが承認されているが、SpaceXはさらに3万基の打ち上げを申請している。

4-9ミッションは、SpaceXによる2022年6回目のStarlinkの打ち上げだが、そのすべてのミッションが完全に成功したわけではない。2月3日の打ち上げでは、49基のStarlink衛星が打ち上げられたが、そのうち38基が地磁気嵐のために目的の軌道に到達できず、地球の大気圏に再突入した際に燃え尽きてしまった。SpaceXでは、この問題は大きな後退ではないと主張している。

同社は2月22日、Starlinkの持続可能性と安全性について発表した声明の中で「当社には1週間に最大45基の衛星を製造する能力があり、1カ月で最大240基の衛星を打ち上げています」と述べている。

というわけで、SpaceXによる次のStarlinkの打ち上げは、3月8日にケープカナベラル宇宙軍基地の第40発射施設でから予定されている。

画像クレジット:SpaceX / Flickr under a CC BY 2.0 license.

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(文:Stefanie Waldek、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

持続可能な方法でなければ軌道上のゴミは宇宙のゴールドラッシュの妨げになる

空を見上げれば、何百もの廃棄された衛星、使用済みロケットの上段部、ミッション関連の物体が地球を回り、1兆ドル(約115兆円)規模の宇宙経済を支えるであろう宇宙をベースとするサービスや将来のミッションに危険を及ぼしていることがわかる。

欧州宇宙機関(ESA)によると、現在、10cm以上の物体が3万6500個以上、1cm未満の物体が数百万個、地球を周回しているという。当然ながら、軌道上での衝突は壊滅的な被害をもたらす。弾丸よりも速い毎秒7kmの速さで移動するデブリは、1cmの破片でも宇宙船に大きな損傷を与え、ミッション全体を終了させる可能性があるのだ。

今日の宇宙における持続可能性の危機は、60年にわたる探査と利用が、宇宙活動が環境に与える影響をほとんど無視し、人工衛星やその他の宇宙資産を単一用途のものとして扱ってきた結果である。

このようなアプローチの結果、持続不可能なモデルが生まれ、コストが増大し、宇宙経済の壮大な将来性が危険にさらされることになったのである。地球低軌道はすでに人口が多いため、衛星オペレーターは交差を評価し、貴重な資源を消費したり、サービスに支障をきたしうるデブリ回避機動を行うことを余儀なくされている。

誰が責任を取るのか?

技術的な対策だけでは、宇宙の持続可能性の問題を解決することはできない。軌道上の衛星整備市場は、国の宇宙政策と衛星整備を直接支援する国際標準によって推進されなければならない。国の規制政策は、技術の進歩、衛星人口の増加、軌道上での新しい活動の展開に追いつくのに苦労している。

1967年の宇宙条約や2019年の宇宙活動の長期的持続可能性のためのガイドラインなど、多国間の国連規定は大枠でのガイダンスを提供しているが、具体的なライセンス実務は個々の国の規制機関によって作成・実施されなければならないのだ。

これらのガイドラインや大枠での協定を国際的に協調して実施するためのテンプレートはなく、世界の宇宙活動は単一の国や国際機関の管理下にはない。したがって、世界の宇宙活動を統制する共通の規則も、宇宙ミッションの終了時にハードウェアの適切な廃棄を保証するメカニズムも存在しない。また、軌道上にすでに蓄積された何十年ものスペースデブリを一掃するための協調的な努力も存在しない。

しかし、意識は変わりつつあり、過去1年間で、この問題をめぐる緊急性に大きな変化が見られ始めている。2021年6月、G7加盟国は、軌道上デブリを宇宙分野が直面する最大の課題の1つとして確認し、宇宙の安全かつ持続可能な利用にコミットすることを約束する声明を発表した。

この声明は、宇宙の持続可能性に関する問題の範囲を認識する貴重なものである一方で、正しい方向への一歩に過ぎない。各国政府から民間の商業企業に至るまで、国際社会全体の主要なプレイヤーは、宇宙交通と環境管理の開発および調整に着手しなければならないのだ。

軌道上サービス、持続可能な未来への鍵

これまで衛星オペレーターは、軌道上にある衛星のリスクを低減するための選択肢を持っていなかった。しかし、軌道上でのサービスは、このリスクシナリオを変えつつある。D-Orbit(ディー・オービット)、Astroscale(アストロスケール)、ClearSpace(クリア・スペース)は、宇宙分野を持続可能な時代に移行させるために力を合わせ、軌道上サービスを新たな現実のものにしようとしている。

軌道上サービスは、地球上の路上での自動車サービスに匹敵する。燃料タンクが空になったり、バッテリーの充電が切れたからといって、高速道路の真ん中に車を乗り捨てる人はいないだろう。しかし、宇宙時代の幕開け以来、ほとんどの衛星オペレーターがまさにこの方法で仕事をしてきたため、この比喩的な「軌道上の高速道路」はより混雑したままになっているのだ。

米国連邦通信委員会や国際電気通信連合に提出された申請書によると、地球低軌道にある衛星の数は2030年までに1万から4万個まで増加すると予測されており、最近では30万個を超える衛星の単一システムが提案された。このような増加により、深刻な問題を指数関数的に悪化させることが約束されている。

静止衛星の配備には、通常1億5千万ドル(約173億円)から5億ドル(約578億円)の費用がかかる。今後15年間で、100機以上の静止衛星が予定されている引退年齢に達するため、衛星運用会社は、単に交換するのではなく、その資産の価値を延ばすための選択肢を追求する必要に迫られている。衛星の寿命を延ばすことで、商業運営者や機関運営者は、資本の使い方をより慎重に考えることができるようになる。

衛星オペレーター、特に大規模な衛星郡を構築しているオペレーターは、打ち上げ前に低コストのインターフェースを衛星にインストールし、将来必要となるかもしれないサービスのコストと複雑さを軽減することができる。衛星が故障したり寿命がきたりした場合、レッカー車が道路で故障した車を運ぶように、サービス衛星がその衛星を撤去することで、軌道を確保し、同じ衛星群に属する他の衛星との衝突のリスクを低減することができるのだ。

また、衛星の撤去から軌道上での点検まで行うことで、衛星に異常が発生した場合、オペレーターは衛星の状態をより詳細に把握することができるようになる。軌道上リロケーションサービスを利用すれば、衛星の初期配置から運用軌道への投入、自然減衰を補うための調整、カバレッジの問題を解決するための衛星の再配置、不具合を補うための衛星の再配置を、燃料費をかけずに実施することができるのだ。

1950 年代の宇宙開発競争のように、研究開発に多額の投資を必要とする長期計画と同様に、持続可能な軌道インフラストラクチャーを飛躍的に発展させるためには、国家政府の役割が不可欠である。欧州宇宙機関や宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、ClearSpaceやAstroscaleなどの民間企業と共同で、地球低軌道でのデブリ除去ミッションに資金を提供し、積極的にデブリ除去サービスを開始する予定である。

この地球規模の問題を解決するためには、官民の多大な投資と業界のシステム改革が必要だが、その潜在的な報酬は事実上無限大だ。宇宙経済、つまり新しい、制限のない競技場は、私たちの惑星の生命に影響を与え、私たちの太陽系とその向こう側に新しいフロンティアを開く可能性を持っているのだ。

編集部注:本稿の執筆者Luca Rossettini(ルカ・ロッセッティーニ)氏はD-Orbitの創設者兼CEO。Nobu Okada(岡田光信)氏はAstroscaleの創業者兼CEO。Luc Piguet(リュックピゲ)氏はClearSpaceの共同設立者兼CEO。

画像クレジット:janiecbros / Getty Images

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(文:Luca Rossettini、Nobu Okada、Luc Piguet、翻訳:Akihito Mizukoshi)

リモートセンシング技術のスカイマティクスが13億円のシリーズB調達、セールス・マーケティング・人材採用を強化

リモートセンシング技術のスカイマティクスが13億円のシリーズB調達、セールス・マーケティング・人材採用を強化

「リモートセンシングで、新しい社会を創る」をミッションとするスカイマティクスは3月1日、シリーズBラウンドとして、第三者割当増資による総額約13億円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は、既存投資家のフェムトグロースファンド2.0投資事業有限責任組合、新規投資家のミライトロン、ジャパン・コインベスト(三井住友トラスト・インベストメント)、農林中央金庫の4社。累積調達額は約29億円となった。調達した資金は、同社サービスのセールスとマーケティングに「集中投下」し、同時に人材採用も強化するとのことだ。特に、GISエンジニア、ウェブエンジニア、画像処理解析エンジニア、さらにR&D人材、セールス、カスタマーサクセス人材を拡充する。

リモートセンシングとは、遠く離れた場所からセンサーを用いて対象物を調べる技術のことをいう。この技術を柱とするスカイマティクスは、人工衛星やドローンなどから収集したあらゆる地理空間情報(GIS)と時系列情報を処理解析する「時空間解析プラットフォーム」を構築し、農業・建設・測量・整備点検・防災といった幅広い業界のDXを推進している。

スカイマティクスが提供するサービスには、以下のものがある。

ドローン測量・現地管理DXクラウド「くみき

ドローン測量データから現場の画像や動画データを駆使した「現場データ丸ごと管理」サービス。あらゆるデータを地図上に統合し、データ管理を効率化する。

施設・設備情報管理システム「くみきスコープ

施設や設備に関する画像、テキスト、ファイルなどの情報を、屋内外を360度パノラマ化した画像で可視化し、スマートに管理するサービス。独自AIによる画像処理で、錆びや腐食の検出なども行える。

農家向けスマート農業サービス「いろは

画像解析技術と地理情報技術で、農地へ行かなくても農地全体の状況を把握できるようにするサービス。全国の農地に採用され、都道府県普及率100パーセントを達成した。

自治体向け農業管理DXソリューション「いろはMapper

自治体による経営所得安定対策と中山間地域等直接支払いのための現地調査を効率化するサービス。

 

千葉工業大学の宇宙塵探査衛星ASTARISC、大面積膜型ダストセンサーを展開し軌道上実証に成功

展開した膜型ダストセンサーをオンボードカメラで撮影した自撮り画像。センサーが固定されたパドル面には、千葉 工業大学の校章とPERCのロゴが印字されている

展開した膜型ダストセンサーをオンボードカメラで撮影した自撮り画像。センサーが固定されたパドル面には、千葉
工業大学の校章とPERCのロゴが印字されている

千葉工業大学惑星探査研究センター(PERC)は2月15日、宇宙塵探査実証衛星「ASTARISC」(アスタリスク)がJAXAのイプシロンロケット5号機で高度約570kmの地球周回軌道に打ち上げられ、初期運用に移行したことを発表した。

ASTARISCは、宇宙塵や微小なスペースデブリを観測するための、サイズが30×10×10cmというU3超小型衛星。世界初の方式による、展開すると30×30cmになる膜状の粒子観測装置(ダストセンサー)を搭載している。ダストセンサーは、ポリイミド製の膜に圧電素子を接着したもの。この膜に宇宙塵やスペースデブリが衝突すると、そのとき発生する弾性波を電気信号としてとらえ、独自の信号処理によりリアルタイムで粒子を観測できる。粒子が膜に衝突しさえすれば検出できるので「膜の面積を大きくするだけで大面積のセンサーを容易に実現できる画期的な技術」とのことだ。

千葉工業大学の宇宙塵探査衛星ASTARISC、大面積膜型ダストセンサーを展開し軌道上実証に成功

ASTERISC外観写真。写真左は、展開前の衛星外観。写真右は、30×30cmの膜型ダストセンサー(左方向に広げられたオレンジ色の膜)展開後の衛星外観。膜型ダストセンサーの膜面には、受信用の8個の圧電素子と2個の試験信号用の圧電素子が接着されている

 

千葉工業大学の宇宙塵探査衛星ASTARISC、大面積膜型ダストセンサーを展開し軌道上実証に成功ダストセンサーは、センサーの健全性と展開実施の要件を確認したあと、ニュージーランド上空付近で展開された。タイマーコマンドにより自律的に展開されたが、オンボードカメラの映像などによって、設計通りの形状で展開されたことが確認できた。すでに「真の粒子観測イベント」と判定できるデータが得られているとのこと。観測された粒子は、0.1〜1μm(マイクロメートル)程度のサイズと推定され、センサーが設計通りの感度を有していることも実証された。今後は、長期的な観測により、軌道上の粒子の量・飛来方向・運動量などを明らかにできるとしている。

宇宙塵は、太陽系の形成に大きく関わる重要な微粒子で、原始の地球に降り注いだ宇宙塵由来の有機物が生命の起源ともいわれている。また、スペースデブリの定量的な観測と評価も、今後の宇宙開発において重要な意味を持つ。しかし、宇宙塵や微小なスペースデブリを地上から観察することはきわめて難しく、その分布や量などの特性を調べるには、直接宇宙で観測しなければならない。

ただ、宇宙空間での宇宙塵や微小スペースデブリは存在が大変に希薄であるため、それらを観測するには大きな検出面積を持つダストセンサーが必要となるが、これまでの方式ではコストの面などで大型化が困難だった。そこで惑星探査研究センターは、容易に大面積化できるこのダストセンサーを開発した。

ASTARISCは、惑星探査研究センターと東北大学が共同で開発したもの。今回は同時に、将来のミッションを視野に入れた国産の衛星バス技術(電源系、通信系、データ処理制御系、姿勢系)の軌道実証も行い、成功している。

準天頂起動衛星みちびき利用、車椅子ユーザー向け介助システム「B-SOS」と視覚障害者向け歩行ナビ「あしらせ」実証実験

準天頂起動衛星みちびきを利用、車椅子ユーザー向け介助システム「B-SOS」と視覚障害者向け歩行ナビ「あしらせ」の実証実験

準天頂軌道衛星みちびき(提供:内閣府宇宙開発戦略推進事務局)

車椅子ユーザー向け介助システムを開発するバリアフリーコンソーシアムと、視覚障害者のための歩行ナビゲーションシステムの開発を行うAshiraseは2022年1月24日、大分県大分市の大分駅前にて2つの介助サービスの実証実験を実施した。ひとつは、車椅子ユーザーの突発的な問題に付近の介助者が急行できるようにするシステム「B-SOS」。もうひとつは歩行ナビゲーションを行うシステム「あしらせ」。これらは、Ashiraseが提案し、内閣府と準天頂衛星システムサービスによる2021年度「みちびきを利用した実証事業」に採択された事業だ。

「B-SOS」システムは、車椅子ユーザーが単独で移動している際、段差や側溝にはまって立ち往生してしまったときなどに、付近にいる介助者がすぐに駆けつけられるようにサポートするというものだ。「みちびき」が配信するセンチメートル精度の測位補強情報「CLARCS」(クラークス)を利用して、「B-SOS」アプリに現場までのナビゲーション情報を示す。

準天頂起動衛星みちびきを利用、車椅子ユーザー向け介助システム「B-SOS」と視覚障害者向け歩行ナビ「あしらせ」の実証実験

B-SOSシステムのアプリ画面(ラムダシステム)

実証実験は、植え込みで車椅子が脱輪、歩行度までの坂を登れない、店の車椅子専用路に段ボール箱が置かれていて入店できないという3つの場面を想定し、社会福祉法人太陽の家の車椅子ユーザーと、大分東明高等学校の看護学生が参加して行われた。介助を求める人から、100メートル、200メートル、300メートルの各地点でSOSを受信した看護学生が、「B-SOS」のナビゲーションに従って駆けつけた。

B-SOSシステムでSOSを受信した介助役の看護学生により救出される様子

B-SOSシステムでSOSを受信した介助役の看護学生により救出される様子

もうひとつは、Ashiraseが2022年度に提供開始を予定している視覚障害者向けの歩行ナビゲーションシステム「あしらせ」を使った実験。ここでは「みちびき」のサブメーター級測位補強情報の配信サービス「SLAS」(エスラス)と組み合わせて、社会福祉法人大分県盲人協会の協力により視覚障害者に300メートルのコースを歩いてもらった。このシステムは、視覚障害者向けに特化した誘導情報を生成し、靴に装着した独自の振動インターフェイスで足に信号を伝える。音声を使わないため、聴覚を邪魔しないというメリットがある。また、目的地に到着しても建物の入口がわからないとった問題も想定し、被験者が目的地に近づいたときに人が出迎えて誘導する「あしらせお出迎え」サービスの検証も行った。

視覚障害者向けの歩行ナビゲーションシステム「あしらせ」

視覚障害者向けの歩行ナビゲーションシステム「あしらせ」

あしらせ実証実験の様子

あしらせ実証実験の様子

バリアフリーコソーシアムは、おおいたサテライトオフィスラムダシステム宇宙システム開発利用推進機構minsoraで構成される団体。大分を中心に企業の支援事業を展開するおおいたサテライトオフィスは、大分県の車椅子ユーザーの窓口を担当。ラムダシステムは、システム開発を担当。宇宙システム開発利用推進機構は「CLARCS」利用の技術サポートを担当。minsoraは、この事業のとりまとめを担当している。バリアフリーコンソーシアムは、大分県内での「B-SOS」システムの事業化を目指すとしている。また今回、「CLARCS」の配信プロバイダーサービスを2022年4月に開始する予定のminsoraは、宇宙システム開発利用推進機構との業務提携を発表した。

スペースX、地磁気嵐でスターリンク衛星40基を失う

SpaceX(スペースX)のFalcon 9ロケットで米国時間2月3日に大気圏外に運ばれたインターネット衛星Starlink(スターリンク)のほぼすべてが、目的の軌道に達しない。SpaceXは、打ち上げの翌日に発生した地磁気嵐により衛星に深刻な影響があり、最大で40基が地球の大気圏に再突入するか、すでに突入していることを明らかにした。米地質調査所は、地磁気嵐を、一般的に太陽風の強いうねりによって引き起こされる「急激に磁場が変動する」期間と説明している

こうした嵐は、電子機器や軌道上の人工衛星にダメージを与える可能性がある。今回のケースでは、大気が暖み、大気抵抗(衛星の動きに対する摩擦)がこれまでの打ち上げに比べて最大で50%増えた。SpaceXの説明によると、Starlinkチームは、新たに配備された衛星を救おうと、抵抗を最小限に抑えるためにセーフモード(紙のように飛ぶよう動きを調整するモード)にした。しかし、抵抗が増し、セーフモードを終了できなくなった。

軌道から外れた衛星は衝突の危険はなく、大気圏に再突入する際に完全に燃え尽き、軌道上のデブリも発生しない、とSpaceXは説明している。また、衛星の部品が地上に落下することもない見込みだ。「この特殊な状況は、Starlinkのチームが、軌道上のデブリ軽減の最先端を行くシステムを確実なものにするために、多大な努力を払ってきたことを示しています」と同社は発表文に書いている。

SpaceXは2022年1月時点で、第1世代のStarlink衛星を2000基以上打ち上げている。Starlink衛星をペイロードとする打ち上げは、同社にとって日常的なものとなっていて、世界をカバーするインターネット提供を目的とした最大3万個の衛星からなる第2のコンステレーション形成が承認されれば、さらに頻繁に行われるようになるはずだ。

Starlinkは遠隔地にいる人々にもインターネット接続を提供することができるが、天文学者たちは、巨大なコンステレーションは都市の光害よりも研究にとって深刻な脅威になっているという。実際、国際天文学連合は「衛星コンステレーションの干渉から暗くて静かな空を守るためのセンター」を設立したばかりだ。望遠鏡が衛星コンステレーションによって反射された光を拾い、宇宙の観測を困難にすることが大きな問題であるため、センターは観測所が実行できるソフトウェアや技術的な緩和策に焦点を当てることにしている。SpaceXは2020年にStarlink衛星に「サンシェード」を追加し、明るさを抑えている。Sky & Telescopeによると、現在は確かに暗く見えるが、望遠鏡ではまだ見えるという。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のMariella MoonはEngadgetの共同編集者。

画像クレジット:Starlink

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(文:Mariella Moon、翻訳:Nariko Mizoguchi

100kg級小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・運用を行うQPS研究所がシリーズBセカンドクローズとして10.5億円調達

100kg級小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・運用を行うQPS研究所がシリーズBセカンドクローズとして約10.5億円調達

世界トップレベルの100kg級小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・運用を行うQPS研究所は2月8日、シリーズBラウンドセカンドクローズとして、第三者割当増資による約10億5000万円の資金調達を完了したと発表した。

引受先は、未来創生3号ファンド(スパークス・アセット・マネジメント)、SMBC日興証券、みずほ成長支援第4号投資事業有限責任組合(みずほキャピタル)、UNICORN 2号ファンド投資事業有限責任組合(山口キャピタル)、大分ベンチャーキャピタルが運営する「おおいた中小企業成長ファンド投資事業有限責任組合」「大分VCサクセスファンド 6号投資事業有限責任組合」の計5社。2021年12月9日に公表した同ファーストクローズ38億5000万円とあわせ、シリーズBラウンドとしては総額49億円の資金調達を実施したことになる。また累計資金調達額は約82.5億円となった。

今回のセカンドクローズで調達した資金は、ファーストクローズに続き、2022年打ち上げ予定の衛星3号機~6号機、また7号機以降の開発・運用にあてる予定。

QPS研究所は従来のSAR衛星の1/20の質量、1/100のコストで100kg級高精細小型SAR衛星の開発に成功し、夜間や天候不良時でも高分解能・高画質で観測できるSAR画像を提供。今後は衛星を毎年複数機打ち上げ、2025年以降を目標に36機の小型SAR衛星のコンステレーションを構築し、平均10分ごとの準リアルタイム地上観測データサービスの提供を目指している。同プロジェクトを早期実現すべくシリーズB資金調達に至ったという。

QPS研究所は、九州の地に宇宙産業を根差すことを目指し、九州大学名誉教授の八坂哲雄氏と桜井晃氏、三菱重工業のロケット開発者であった舩越国弘氏が2005年に設立。九州大学での小型衛星開発の20年以上の技術をベースに、国内外で衛星開発や宇宙ゴミ(スペースデブリ)への取り組みに携わってきたパイオニア的存在である名誉教授陣と若手技術者・実業家が幅広い経験と斬新なアイデアを基に、「宇宙の可能性を広げ、人類の発展に貢献すること」を企業ミッションとして、現在は世界トップレベルの衛星データビジネスの創出に取り組んでいるという。また創業以前より宇宙技術を伝承し、育成してきた約20社の九州の地場企業とともに人工衛星をはじめ、世界にインパクトを与える数々の宇宙技術開発を行っている。

白熱化する衛星リモートセンシング市場、合成開口レーダーを活用する衛星画像のICEYEが約157億円調達

合成開口レーダー(SAR)を用いた衛星画像を提供するスタートアップ企業のICEYE(アイスアイ)は、新たなシリーズD投資ラウンドで1億3600万ドル(約157億円)を調達、これまでの資金調達総額は3億400万ドル(約350億円)となり、SpaceX(スペースX)を除く宇宙関連スタートアップ企業の中では最も資本力のある企業の1つとなった。ICEYEは、宇宙から地球の画像を撮影するリモートセンシングに注力する企業で、そのために同社が用いる技術は、従来の画像ベースの観測では難しかった雲やその他の障害物で覆われた場所も容易に覗き込むことができるため、利益率の高い国防産業を含む、幅広い顧客を惹き付けている。

防衛産業といえば、ICEYEは米国時間1月20日に米国家偵察局(NRO)と契約を結び、同局によるSARの商業リモートセンシングの評価に参加することになった。ICEYEはまた、すでに軌道に乗せた16基の衛星に加え、2022年にはさらに10基の新しい衛星の打ち上げも計画している。

ICEYEは当初、フィンランドのヘルシンキで設立されたが、その後は米国にも子会社を設立するなど事業の足場を拡げ、2021年からは独自の製造施設も稼働させている。米国内で衛星を製造・運用できるということは、ICEYEが米国の国防に関わる重要な案件を請け負うことができるという意味だ。

その一方で、同社は、保険、海運、海上監視、災害対応、さらには金融など、さまざまな業界の顧客にサービスを提供し続けている。夜間や悪天候など、従来の障害に邪魔されずに地表を頻繁に撮影できることに価値を見出す顧客は後を絶たない。

今回の1億3600万ドルの資金調達は、既存投資家であるSeraphim Space(セラフィム・スペース)が主導し、新たな戦略的投資家や、既存の顧客であるBAE Systems(BAEシステムズ)、Kajima Ventures(カジマ・ベンチャーズ)も参加した。

画像クレジット:ICEYE

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

SpaceXが月額約5.7万円の「プレミアム」Starlinkプランを発表、最大500Mbpsの速度を実現

SpaceX(スペースX)は、同社の衛星インターネットサービスStarlink(スターリンク)において、より高いパフォーマンスと目を疑うような価格の新サービスプランを発表したとThe Vergeが報じた。「Starlink Premium(スターリンクプレミアム)」と名づけられたこのサービスは、150〜500Mbpsの速度を20〜40msの遅延で提供するとのこと。従来の50〜250Mbpsから速度はアップし、同じ遅延ということになる。アップロード速度も、標準プランの10〜20Mbpsから、プレミアムでは20〜40Mbpsに向上している。

だが約2倍のパフォーマンスアップのためには、5倍の料金を支払わなければならない。標準プランの月額99ドル(約1万1300円)に対し、Starlink Premiumプランは月額500ドル(約5万7200円)となる。また、アンテナなどのハードウェアには、標準プランの499ドル(約5万7100円)に対し、2500ドル(約28万6000円)が必要となり、Premiumアンテナの予約には500ドル(約5万7200円)の保証金が必要となる。

SpaceXによると、この新サービスは「極端な気象条件」でもより確実に機能し、顧客は優先的に24時間年中無休のサポートを受けることができるという。このサービスは、多くの遠隔地で利用できる高速インターネットの唯一の選択肢となる可能性が高く、そうした環境で優れた耐候性は重宝されるだろう。

SpaceXは、2021年10月にStarlinkのベータ版を発表し、同年11月には、オリジナルの円形衛星アンテナよりもはるかに小さく薄い長方形の新しい衛星アンテナを発表した。新しいPremiumアンテナはそれよりも大きく「ネットワークの使用量がピークに達したときでも、重要な業務のための帯域幅を確保するのに役立つ」とSpaceXは述べている。

Starlinkは、1月中旬時点で2000基以上の衛星を打ち上げており、約1500基が運用軌道に乗っている。現行システムでは、現在の約3倍となる最大4408基の衛星運用が認められている。Premiumプランは2022年第2四半期に納入開始を予定しており、現在注文受付中だ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Steve Dent(スティーブ・デント)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:Starlink

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(文:Steve Dent、翻訳:Aya Nakazato)

JAXA認定宇宙ベンチャー天地人、衛星画像から水道管の漏水可能性区域を判定する実証実験を開始

JAXA認定宇宙ベンチャー天地人、衛星画像から水道管の漏水可能性区域を判定する実証実験を開始

JAXA認定の宇宙ベンチャー企業であり、宇宙ビッグデータを活用して土地の価値を見出すスタートアップ天地人は、衛星画像を使って水道が漏水していると思われる箇所の推定を行う実証実験を開始する。これは、愛知県の豊田市上下水道局、漏水検査や地中探査事業を展開するフジ地中情報と共同で実施されるもので、豊田市全域を対象として、2022年2月1日から2023年3月下旬まで行われる。

この実証実験で天地人は、衛星画像をAIで高精度解析して水道管の漏水可能性区域を判定し、フジ地中情報が実施する路面音聴調査のデータをもとに、AIによる漏水可能性判定の分析と精度向上を行うことにしている。「最新の衛星データでどこまで漏水可能性区域を判定できるかを検証」すると天地人は話している。

同様の調査は、2021年8月、豊田市の一部地域を対象に行っているが、そのときの推定的中率は約3割だった(556の漏水可能性区域のうち154区域で漏水が判明)。このときは、判定区域の直径を200mとしていた。今回は、直径100m以内に狭め、的中率約6割を目指すという。

月面活動に向け衛星コンステレーション構築を目指すアークエッジ・スペースがシリーズAファーストクローズとして16.7億円調達

キューブ衛星による小型衛星コンステレーションの構築を進める株式会社アークエッジ・スペースが16.7億円の資金調達を実施

超小型衛星の開発運用などを手がけるアークエッジ・スペースは1月26日、シリーズAファーストクローズとして、第三者割当増資による16億7000万円の資金調達を実施したことを発表した。引受先には、インキュベイトファンドをリードインベスターに、リアルテックファンド、MSIVC2021V投資事業有限責任組合(三井住友海上キャピタル)などが加わっている。累積調達額は約21億円となった。

アークエッジ・スペースは、経済産業省の「超小型衛星コンステレーション技術開発実証事業」に採択(2021年8月)され、JAXAの「⽉⾯活動に向けた測位・通信技術開発」の委託先にも採択(2021年12月)されている。さらにJAXAの公募型企画競争「Comet Interceptor ミッションにおける超小型探査機システムの概念検討」の委託先にも選定された(2021年8月)。またルワンダ政府より、同国初の人工衛星の製造開発を受注し、2019年にはISSの「きぼう」日本実験棟から放出を成功させるなどの実績を持つ。

今回調達した資金で、アークエッジ・スペースは、月面活動に必要となる通信と測位の衛星コンステレーション構築、6U衛星による衛星コンステレーションの実現、人材採用による組織力の強化を目指すという。

月面活動に関しては、「⽉⾯活動に向けた測位・通信技術開発」に関連し、2025年を目途に、月と地球間の超長距離通信システムの構築に必要となる超小型衛星の開発と実証を行う。また、月面活動向け通信・測位システムを担う超小型宇宙機の開発・打ち上げ実証を着実に実施するとしている。「日本の持続的な月、月以遠の深宇宙探査や月面産業の構築」に貢献するという。

6U衛星コンステレーションは、「超小型衛星コンステレーション技術開発実証事業」の一環。「IoT通信」「地球観測」「海洋DX(VDES)」「高精度姿勢制御ミッション」の4テーマに対応した6U衛星7機からなる衛星コンステレーションの開発と軌道上運用を2025年までに実現させる。この衛星により、世界中の政府や研究機関、民間事業者に6U衛星プラットフォームを提供し、「SDGs達成、地球課題解決、海洋のデジタルトランスフォーメーション、持続可能な宇宙産業の創出」に貢献するという。