衛星データ解析によるソリューション提供や小型SAR衛星の開発・運用を行うSynspectiveが119億円のシリーズB調達

衛星データ解析によるソリューション提供や小型SAR衛星の開発・運用を行うSynspectiveが119億円のシリーズB調達

2022年3月1日に2機目の小型SAR衛星打上げ成功

衛星データ解析によるソリューション提供および小型SAR衛星の開発・運用を行うSynspective(シンスペクティブ)は3月29日、シリーズBラウンドとして、第三者割当増資および融資による119億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、損害保険ジャパン、野村スパークス・インベストメント、シンガポールPavilion Capital Pte. Ltd.など。累計調達額は228億円となった。

調達した資金は、主に小型SAR衛星の開発・製造・打上・運用、量産施設の準備、衛星データソリューションの開発とグローバル展開などにあて、さらなる事業拡大を目指す。

2018年2月設立のSynspectiveは、小型SAR衛星の開発・運用と衛星による観測データを活用したソリューションサービスの提供をワンストップで行う企業。2026年前後に、小型SAR衛星30機からなるコンステレーションを構築することで、広範囲、高頻度の地上観測を可能にするシステムの構築・運用を目指す。

SynspectiveとRocket Labが小型SAR衛星2号機「StriX-β」の打ち上げで契約締結、2022年初旬に打ち上げ予定

SynspectiveとRocket Labが小型SAR衛星2号機StriX-βの打ち上げで契約締結、2022年初旬に打ち上げ予定

小型SAR衛星による観測データを活⽤したワンストップソリューション事業を展開するSynspective(シンスペクティブ)は12月8日、SAR(合成開口レーダー)衛星の実証2号機「StriX-β」の打ち上げ契約を、再利用型ロケットの開発と打ち上げを行うアメリカ企業Rocket Lab(ロケットラボ)と締結したことを発表した。2022年初旬の打ち上げを予定している。また、StriX-βに続くStriXシリーズ2機の打ち上げ契約も同時に締結している。

Synspectiveは、2020年12月にRocket LabのElectron(エレクトロン)ロケットにより「StriX-α」を打ち上げ、民間小型SAR衛星としては日本で初めて、衛星画像の取得に成功している。StriX-βは、地表のミリ単位の変動を観測する技術「干渉SAR」(InSAR)のための軌道制御機能を搭載した小型衛星で、今回は軌道上でその実証実験を行う。Synspectiveでは、2023年までに6機の衛星を打ち上げ、2020年代後半までには30機を打ち上げコンステレーションを構築する計画を立てている。

StriX-βはもともとドイツの衛星打ち上げサービスを行う企業Exolaunch(エクソローンチ)を通じてSoyuz-2(ソユーズ2)ロケットで2021年内に打ち上げられるはずだったが、打ち上げスケジュールが変更されたことにより、Electronロケットに切り替えられた。