SpaceX、Starlinkのハードウェアとサービス料金を全面的に値上げ

SpaceX(スペースエックス)は、Starlink(スターリンク)のハードウェアキット自体の価格とサービス月額料金を含め、値上げを実施する。キットの価格はすでに予約している場合でも上昇するが、新規注文ではさらに跳ね上がる。

Starlinkのハードウェアは、予約に対して50ドル(約6000円)追加され、価格は499ドル(約6万円)から549ドル(約6万6000円)になる。まだ予約していない人はStarlink受信アンテナ、モデム、ルーターを含むキットに599ドル(約7万2000円)払うことになる。サービス月額料金は99ドル(約1万2000円)から110ドル(約1万3000円)へと11ドル(約1300円)アップする。ここに記載している価格はすべて米国の料金だが、その他の地域でも値上げされる。

SpaceXは、新しい料金体系の背景にはインフレがあるとしている。「この価格調整の唯一の目的は、インフレ率上昇に対応することです」と既存顧客に送った電子メールには書かれている。同社はまた、サービスを利用して1年未満の顧客がハードウェアの返品をともなう解約をした場合、200ドル(約2万4000円)返金し、30日以内であれば全額返金するとしている。

電子メールでは、Starlinkが打ち上げ以来、軌道上衛星の数を3倍に、接続を中継する地上局の数を4倍に増やすなど、インフラを大幅に拡張したことも指摘されている。

経済状況の変化で製品の予約に対しても価格を引き上げる企業はSpaceXが初めてではない。Rivian(リビアン)は2022年3月初めに予約者向けに価格を戻す前に、電気自動車R1TとR1Sの大幅な値上げを発表した。

画像クレジット:Starlink

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Nariko Mizoguchi

米CISAとFBIが米国の衛星ネットワークへの脅威を警告、Viasatへのサイバー攻撃を受け

ウクライナでの戦争に端を発した欧州の衛星ネットワークへの最近の攻撃が、やがて米国にも波及する恐れがあるとして、米政府は衛星通信ネットワークへの「脅威の可能性」について警告した。

今週発表されたCISA(米サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁)とFBI(米連邦捜査局)の共同勧告は、衛星通信(SATCOM)ネットワークプロバイダーや衛星ネットワークに依存する主要なインフラ組織に対し、サイバー攻撃の可能性の高まりに備えサイバーセキュリティを強化するよう促すとともに、侵入が成功してしまえば顧客環境にリスクをもたらすと警告した。

この勧告では、脅威を受ける特定のセクターの名前は挙げられていないが、衛星通信の利用は米国全土に広がっている。推定で約800万人の米国人が、インターネットアクセスのためにSATCOMネットワークに依存している。衛星通信システムの分析を専門とするサイバーセキュリティの専門家、Ruben Santamarta(ルーベン・サンタマルタ)氏はTechCrunchに対し、ネットワークは航空、政府、メディア、など幅広い業界で利用されており、遠隔地にあるガス施設や電力サービスステーションなどでも利用されていると述べた。

サンタマルタ氏によれば、特に軍が注意すべきなのは、最近SATCOMプロバイダーのViasat(ヴィアサット)が受けたサイバー攻撃だ。2月に欧州で数万人の顧客が通信不能になった。被害の規模を示す一例だ。

「ウクライナの軍隊はこの種の衛星端末を使っていました」とサンタマルタ氏はTechCrunchに語った。「ウクライナ軍の代表の1人が、通信の面で大きな損失があったことを認めています。ですから、明らかに今、影響を受けている最も重要な分野の1つなのです」。

同氏は、例えば海運業界にとって、攻撃が成功すれば、サイバーセキュリティの問題だけでなく、安全への脅威となる可能性があるという。「船舶は安全運航のために衛星通信を利用しており、遭難信号を送信する必要がある場合、無線周波数またはSATCOMチャネルで送信することができます。もし、そのような救難信号を送れないとしたら、それは問題です」と同氏は述べた。

今回の合同勧告は、欧米の情報機関が先月、ViasatのKA-SATネットワークを襲ったサイバー攻撃の調査を開始し、ロシアの侵攻開始時に欧州全域で大規模な通信障害を引き起こしたと報じられた数日後に発表されたものだ。

この障害はまだ完全に解決していないが、ウクライナや欧州の他の地域で何万人もの顧客の衛星インターネットサービスに影響を与え、ドイツではおよそ5800基の風力タービンを停止させたという。

このサイバー攻撃は当初、分散型サービス妨害(DDoS)攻撃によるものと考えられていたが、その後疑問視されるようになった。Viasatはまだ技術的な詳細を発表していないが、攻撃者が衛星ネットワークの管理セクションの設定ミスを利用してモデムにリモートアクセスしたことを確認している。サンタマルタ氏によると、このことは、攻撃者が悪意のあるファームウェア・アップデートを端末に展開した可能性が高いことを示唆している。

「攻撃者は、正規の制御プロトコルを悪用してコマンドを出すために、地上局を侵害または偽装することに成功し、端末に悪意のあるファームウェア・アップデートを展開した可能性が高い」と同氏はこの攻撃の分析で述べている。

Viasatはウクライナ軍に衛星通信サービスを提供していることから、今回のサイバー攻撃は、ロシアの侵攻初期にウクライナ全域の通信を妨害しようとした可能性があるとみられている。

「私たちは現在、これが意図的で、それ自体独立した、外部要因によるサイバー事案であると考えています」とViasatの広報担当者であるChris Phillips(クリス・フィリップス)氏は話す。「Viasatによる継続的な、そして現在も続く対応により、KA-SATネットワークは安定しました」と同氏は述べ、フランス宇宙司令部のMichel Friedling(ミシェル・フリードリング)司令官が、この事件の結果 Viasatの顧客端末が「永久に使用できない」状態になったとのツイートに反論した。

「Viasatは、この事案で影響を受けた欧州の固定ブロードバンドユーザーへのサービスを再開するために、販売代理店と積極的に協力しています。私たちは重要なインフラと人道支援に重点を置いています」とフィリップス氏は付け加えた。「私たちは大きな前進を続けており、複数の解決作業が完了し、他の作業も進行中です」。

米政府の勧告によると、SATCOMネットワークを標的とした同様の攻撃のリスクが高まっているため、米国の組織は「悪意のあるサイバー活動の兆候を報告し共有するための閾値を大幅に下げる」べきだという。

画像クレジット:Al Drago / Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Nariko Mizoguchi)a

スペースXが「米国のほうき」でさらに48基のスターリンク衛星を打ち上げ

SpaceX(スペースX)のStarlink(スターリンク)ミッションがまた1つ、高く高く遠くへ飛んでいった。米国太平洋標準時3月9日の午前5時45分、フロリダ州ケープカナベラルの宇宙軍施設第40発射施設からFalcon 9(ファルコン9)ロケットが打ち上げられ、地球を周回してインターネットを提供しているSpaceXの2000基に及ぶ衛星群に、新たに48基の衛星が追加された。

今回の打ち上げはブースターにとって4回目で、ミッション開始から数分後に大西洋に浮かぶ無人のドローン船「A Shortfall of Gravitas(厳粛さが足りない)」に着陸した。

2022年に入ってから7つのStarlinkミッションに加え、他の3つのミッションも打ち上げているSpaceXにとって、今回の飛行は目新しいものではなかったが、打ち上げのシークエンスにおいて、おもしろい一節が含まれていた。

「米国のほうきを飛ばし、自由の音を聞く時が来ました」と、SpaceXの打ち上げディレクターは打ち上げの「ゴー」を出す前に呼びかけた。

このコメントは、ロシアの国営宇宙機関Roscosmos(ロスコスモス)を率いるDmitry Rogozin(ドミトリー・ロゴージン)氏が先週、両国間の緊張が高まる状況を受けて、米国へのロシアのロケットエンジンの販売を禁止した後に述べた嫌味にちなんでいる。同氏は国営放送で「何か他のもの、自分たちのほうきにでも乗せて飛ばせばいい」と語っていた。

Falcon 9はSpaceXが開発したMerlinエンジンを搭載しているが、米国の他のロケット(United Launch AlliancesのAtlas VとNorthrop GrummanのAntares)はロシアのエンジンを搭載している。ULAは今後の打ち上げに十分なエンジンの在庫があると発表しているが、Northrop Grummanは、禁輸措置が同社のミッションにどのような影響を与えるかについて声明を出していない。

いずれにせよ、米国のロケット打ち上げの大半を占めるのはSpaceXであり、9日の打ち上げが示したように、同社のほうきも好調だ。

SpaceXの次の打ち上げは、Starlinkのミッションではなく、有人ミッションだ。3月30日に打ち上げられる予定のAxiom-1ミッションは、国際宇宙ステーション(ISS)への初の民間飛行となる。SpaceXは、すでにNASAのクルーを4人ISSに送り込み、民間人だけのクルーがCrew Dragonカプセルで数日間地球を周回したInspiration 4ミッションも行っており、有人ミッションの分野ではかなりの経験を積んでいるといえる。

画像クレジット:SpaceX / Flickr under a CC BY-NC 2.0 license.

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(文:Stefanie Waldek、翻訳:Den Nakano)

イーロン・マスク氏率いるスペースX、ウクライナの要請に応じスターリンク通信と端末提供―ただし有効性に疑問の声も

イーロン・マスク氏率いるスペースX、ウクライナの要請に応じスターリンク通信と端末提供―ただし有効性に疑問の声も

ロシア軍が侵攻してその動向が世界に注目されているウクライナ情勢に絡んで、イーロン・マスク氏はSpaceXの衛星インターネットサービスStarlinkをウクライナに導入したことを明らかにしました。マスク氏いわく「すでにウクライナでStarlinkサービスは有効になっている」「さらに多くの端末を送る用意がある」とのこと。

ウクライナではロシアによるサイバー攻撃でインターネット環境が利用できなくなるとの観測が出ており、ウクライナ副首相兼デジタル担当相のムィハーイロ・フョードロフ氏はTwitterでマスク氏にStarlinkによる支援を呼びかけていました。

実際にすでにStarlinkはウクライナで利用可能になっており、この動きに対して、熱狂的なマスクファンなど一部の人々は反射的にSNSで称賛しているようすです。しかしその一方、専門家らからは、Starlinkの有効性について疑問の声もあがっています。

The VergeはStarlinkをレビューした際、安定した通信を得るにはヒマワリのようにアンテナを衛星の方に向け、さらに間に遮蔽物がないようにしなければならず「誇大に宣伝されたミリ波5Gと同様」に建物はおろか電柱や立木ですら、簡単に信号を遮断してしまうと報告していました。つまり、人々がインターネット環境を利用したいであろう都市部は、遮蔽物がそこかしこにあり、衛星インターネットが効果を発揮するのは難しいだろうということです。

また「さらに多くの端末を」とは言っても、それをどうやってキエフなど都心に持ち込むのかが問題です。ウクライナの主要な都市にはロシア軍が集結しており、持ち込む途中で奪われ、逆に利用される可能性も否定できません。

インターネットの通信状況を監視するサイバーセキュリティ企業NetBlocksは、ウクライナのバックボーンプロバイダーGigaTransの通信状況をTwitterで報告し、一時的にそのトラフィックが20%程度にまで落ち込んだと伝えました。しかしその直後には通常レベルまで復旧したことも報じているため、少なくともウクライナ国内ではまだインターネット通信は生きており、大規模な停電なども発生していない模様です。

もちろんStarlinkのサポートも、ないよりはあるに越したことはありません(トンガでもStarlinkが離島で開通したと報じられています。ただ海底ケーブルもすでに復旧していますが)。いずれにしても、ウクライナの人々が家族や大切な人々と連絡を取り合うのが困難になるかわからない状況に変わりはなさそうです。

(Source:Elon Musk(Twitter)Engadget日本版より転載)

画像クレジット:ANIRUDH on Unsplash

スペースX、地磁気嵐でスターリンク衛星40基を失う

SpaceX(スペースX)のFalcon 9ロケットで米国時間2月3日に大気圏外に運ばれたインターネット衛星Starlink(スターリンク)のほぼすべてが、目的の軌道に達しない。SpaceXは、打ち上げの翌日に発生した地磁気嵐により衛星に深刻な影響があり、最大で40基が地球の大気圏に再突入するか、すでに突入していることを明らかにした。米地質調査所は、地磁気嵐を、一般的に太陽風の強いうねりによって引き起こされる「急激に磁場が変動する」期間と説明している

こうした嵐は、電子機器や軌道上の人工衛星にダメージを与える可能性がある。今回のケースでは、大気が暖み、大気抵抗(衛星の動きに対する摩擦)がこれまでの打ち上げに比べて最大で50%増えた。SpaceXの説明によると、Starlinkチームは、新たに配備された衛星を救おうと、抵抗を最小限に抑えるためにセーフモード(紙のように飛ぶよう動きを調整するモード)にした。しかし、抵抗が増し、セーフモードを終了できなくなった。

軌道から外れた衛星は衝突の危険はなく、大気圏に再突入する際に完全に燃え尽き、軌道上のデブリも発生しない、とSpaceXは説明している。また、衛星の部品が地上に落下することもない見込みだ。「この特殊な状況は、Starlinkのチームが、軌道上のデブリ軽減の最先端を行くシステムを確実なものにするために、多大な努力を払ってきたことを示しています」と同社は発表文に書いている。

SpaceXは2022年1月時点で、第1世代のStarlink衛星を2000基以上打ち上げている。Starlink衛星をペイロードとする打ち上げは、同社にとって日常的なものとなっていて、世界をカバーするインターネット提供を目的とした最大3万個の衛星からなる第2のコンステレーション形成が承認されれば、さらに頻繁に行われるようになるはずだ。

Starlinkは遠隔地にいる人々にもインターネット接続を提供することができるが、天文学者たちは、巨大なコンステレーションは都市の光害よりも研究にとって深刻な脅威になっているという。実際、国際天文学連合は「衛星コンステレーションの干渉から暗くて静かな空を守るためのセンター」を設立したばかりだ。望遠鏡が衛星コンステレーションによって反射された光を拾い、宇宙の観測を困難にすることが大きな問題であるため、センターは観測所が実行できるソフトウェアや技術的な緩和策に焦点を当てることにしている。SpaceXは2020年にStarlink衛星に「サンシェード」を追加し、明るさを抑えている。Sky & Telescopeによると、現在は確かに暗く見えるが、望遠鏡ではまだ見えるという。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のMariella MoonはEngadgetの共同編集者。

画像クレジット:Starlink

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(文:Mariella Moon、翻訳:Nariko Mizoguchi

Metaの低価格通信サービスExpress Wi-Fi停止、サハラ以南の国々への影響大

サハラ以南のアフリカ諸国は、Meta(メタ)が5年前に開始した、サービスが行き届いていない地域での接続を促進するための低価格のExpress Wi-Fiインターネットの廃止計画による影響を最も大きく受けている。

Meta(旧Facebook)は、2022年後半にこのプログラムを終了する予定であることを静かに通告した。しかし、ケニアなどの国では、2020年12月中旬からサービスを停止している。

Metaが人工衛星通信事業者のEutelsat Konnect(ユーテルサットコネクト)と提携し、コンゴ民主共和国、ナイジェリア、ケニア、コートジボワール、ザンビア、カメルーン、ガーナ、ジンバブエ、マダガスカル、ガーナ、南アフリカ、ウガンダの一部へと低コストのインターネットサービスを拡大してからようやく1年というところでのサービス停止だ。

その他、マラウイ、ブルキナファソ、ギニア、セネガルなど、アフリカ、アジア、南米の30カ国以上でExpress Wi-Fiは展開された。

「5年以上の運営を経て、Express Wi-Fiプログラムは終了を予定しています。パートナー企業とともに、Express Wi-Fiプラットフォームを通じて、30カ国以上で公衆Wi-Fiアクセスの拡大を支援しました。当社は、他のプロジェクトの開発に集中するために、このプログラムの作業を終了しますが、より良い接続性を提供するために、通信エコシステム全体のパートナーと協業することに引き続き尽力します」とMetaは通知で述べている。

「2022年後半にこのプログラムに関する作業を終了する際、Express Wi-Fiパートナーと密接に連携して、パートナーのビジネスと顧客の接続性への影響を最小限に抑えるようサポートします」。

ソーシャルメディアの巨人Metaは、ISPやモバイルネットワーク事業者などのパートナーと協力し、地方や都市部の市場などの公共の場や学校などの施設で、Wi-Fiホットスポットを通じて、人々がネットに接続できるようにしてきた。パートナーが小売店や代理店が販売するインターネットセット商品の価格を設定する。

このプログラムは、世界で最も接続性が低いアフリカなどの新興市場におけるインターネット格差を埋めるという構想のもとに展開された。2021年のGSMAモバイル経済レポートによると、現在サハラ以南のアフリカでモバイルインターネットに接続しているのは人口の約28%だ。これに対し、ヨーロッパなど他の地域の接続率は80%を超えている。Metaの野心的なExpress-Wifiプロジェクトは、このインターネット格差を埋めることを意図していた。Metaは、低コストインターネット戦略の一環として、4万5000キロメートルの2Africa海底ケーブルをアフリカ、ヨーロッパ、アジアに延長している。

Google(グーグル)も南アフリカ、ナミビア、ナイジェリア、セントヘレナにまたがる海底ケーブルEquianoを敷設中で、これはアフリカとヨーロッパを結ぶものだ。インターネットインフラの整備が進めば、接続性も高まることが予想される。

国際金融公社(IFC)は、アフリカのインターネット経済は、デジタル消費の拡大、都市化の進展、スマートフォンの急速な普及などにより、2025年までに1800億ドル(約20兆7200億円)に達し、アフリカ全体のGDPの5.2%を占める可能性があると推定している。

画像クレジット:Meta

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(文:Annie Njanja、翻訳:Nariko Mizoguchi

SpaceXが月額約5.7万円の「プレミアム」Starlinkプランを発表、最大500Mbpsの速度を実現

SpaceX(スペースX)は、同社の衛星インターネットサービスStarlink(スターリンク)において、より高いパフォーマンスと目を疑うような価格の新サービスプランを発表したとThe Vergeが報じた。「Starlink Premium(スターリンクプレミアム)」と名づけられたこのサービスは、150〜500Mbpsの速度を20〜40msの遅延で提供するとのこと。従来の50〜250Mbpsから速度はアップし、同じ遅延ということになる。アップロード速度も、標準プランの10〜20Mbpsから、プレミアムでは20〜40Mbpsに向上している。

だが約2倍のパフォーマンスアップのためには、5倍の料金を支払わなければならない。標準プランの月額99ドル(約1万1300円)に対し、Starlink Premiumプランは月額500ドル(約5万7200円)となる。また、アンテナなどのハードウェアには、標準プランの499ドル(約5万7100円)に対し、2500ドル(約28万6000円)が必要となり、Premiumアンテナの予約には500ドル(約5万7200円)の保証金が必要となる。

SpaceXによると、この新サービスは「極端な気象条件」でもより確実に機能し、顧客は優先的に24時間年中無休のサポートを受けることができるという。このサービスは、多くの遠隔地で利用できる高速インターネットの唯一の選択肢となる可能性が高く、そうした環境で優れた耐候性は重宝されるだろう。

SpaceXは、2021年10月にStarlinkのベータ版を発表し、同年11月には、オリジナルの円形衛星アンテナよりもはるかに小さく薄い長方形の新しい衛星アンテナを発表した。新しいPremiumアンテナはそれよりも大きく「ネットワークの使用量がピークに達したときでも、重要な業務のための帯域幅を確保するのに役立つ」とSpaceXは述べている。

Starlinkは、1月中旬時点で2000基以上の衛星を打ち上げており、約1500基が運用軌道に乗っている。現行システムでは、現在の約3倍となる最大4408基の衛星運用が認められている。Premiumプランは2022年第2四半期に納入開始を予定しており、現在注文受付中だ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Steve Dent(スティーブ・デント)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:Starlink

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(文:Steve Dent、翻訳:Aya Nakazato)

周回衛星向け地上セグメントサービスプロバイダーのインフォステラが総額12億円でシリーズB調達完了

周回衛星向け地上セグメントサービスプロバイダーのインフォステラが総額12億円でシリーズB調達完了、2022年中に米法人立ち上げ周回衛星向け地上セグメントサービスプロバイダーのインフォステラは1月14日、シリーズBラウンドにおいて、総額12億円の資金調達を完了したと発表した。2021年10月実施のファーストクローズ時に7億円、また今回ファイナルクローズとして5億円を調達した。累積資金調達金額は総額24億4000万円となった。

ファイナルクローズの引受先は、既存株主の三菱UFJキャピタル7号投資事業有限責任組合(三菱UFJキャピタル)、新規投資家のシンガポール政府系投資会社Temasek Holdings傘下のPavilion Capital PTE. LTD.、ICMG共創ファンド1号投資事業有限責任組合(ICMG Partners)、QB第二号投資事業有限責任組合(QBキャピタル、NCBベンチャーキャピタル)を新規株主。

宇宙ビジネスの成長に向けて、周回衛星の事業者に地上セグメントのトータルサービスを提供するため、シリーズBで調達した資金により以下領域に注力する。

シリーズBラウンド調達資金の用途

  • 通信エリアの拡大:通信可能エリアの拡大に向けてStellarStationへの地上局の接続を進める。2021年6月に提携した「AWS Ground Station」の地上局を含め、2022年中早期に世界中で20カ所前後の地上局をStellarStation経由で利用可能となる状態を目指す
  • 衛星オペレーター向け規制対応やライセンス取得サポートの充実:衛星の打ち上げ前に必要となる規制への対応やライセンスの取得のサポートについて、サービスの強化とキャパシティ充実のために体制を強化
  • 国内での地上局ホスティングサービスの開始:日本国内での通信のために、日本での地上局設置に関するニーズがあり、これに応えるため2022年中に日本国内にサイトを準備し、ホスティングサービスを開始することを目指す
  • 米国への事業拡大:海外の衛星オペレーターから、地上局ネットワークについて問い合わせを受ける機会が増えていることから、特に北米でのサービス提供強化のため、2022年中に米国法人の立ち上げる
  • 人材採用・組織力の強化:上記施策の実行に向け、Business Development、Software Development、Operationチームの採用を加速し、組織強化を進める

2016年設立のインフォステラは、周回衛星向けGround Segment as a Service(GSaaS)プロバイダー。「We connect Earth and Space to empower the future」(地球と宇宙をつなげ未来をエンパワーする)をビジョンに掲げ、その実現に向けて「Be the most effective enabler of space business by providing the best access to satellite」(衛星への最高のアクセスを提供し、宇宙ビジネスを最も効果的に実現する)をミッションとしている。

同社は、地上局ネットワークを仮想化するクラウドプラットフォーム「StellarStation」を通じて、柔軟性と拡張性に優れた地上局ネットワークを提供。StellarStationでは、衛星運用者側は一度セットアップを行うだけで、世界中の地上局にアクセスできるようになる。地上局オーナー側は、地上局非稼働時間を他の衛星運用者に貸し出すことで、収益につなげられるとしている。

また、無線ライセンス取得や周波数調整業務など、衛星運用を行うにあたり必要となる地上セグメント側の業務サポートも実施。地上セグメント構築の難易度を下げることで、衛星を活用した新しいビジネスに取り組む企業のミッション開発とサービス改善を支援している。

SpaceXの衛星ブロードバンドStarlinkが従来より小型・軽量化された長方形アンテナを発売

SpaceX(スペースX)の衛星インターネット事業であるStarlink(スターリンク)は、顧客がスターターキットで入手できる新しいユーザー端末を導入した。The Vergeが最初に報じたところによると、同社は、当初の円形モデルよりも小型・軽量化された長方形のオプション(PDF)を提供開始した。Starlinkの衛星インターネットサービスを利用するには、屋根の上など、空がよく見える場所にアンテナを設置する必要がある。

オリジナルバージョンは幅23インチ(約58.4cm)の標準的なパラボラアンテナだが、新型の長方形バージョンは幅12インチ(約30.5cm)、長さ19インチ(約48.3cm)しかない。また、重さも9.2ポンド(4.2kg)と、円形モデルに比べて約半分になっている。小型化されたことで、ユーザーは設置場所の選択肢が増えた。また、長方形の端末には、地面に刺すだけでアンテナを屋上に設置する必要がない長いポールなど、アクセサリーのオプションも増えている。

SpaceXは2020年末にベータサービスとしてStarlinkを開始し、月額99ドル(約1万1300円)で同社の衛星インターネットへのアクセスを顧客に提供した。ただし、アンテナ、スタンド、電源ユニット、WiFiルーターを含むハードウェアキットには、499ドル(約5万6800円)の追加費用がかかる。SpaceXのGwynne Shotwell(グウィン・ショットウェル)社長は8月、オリジナルバージョンのアンテナの製造コストは当初3000ドル(約34万1600円)で、それを1300ドル(約14万8000円)にまで下げることができたものの、それでもキットの販売は赤字だったと語っていた

ショットウェル氏は当時、2021年発売する端末は、現在のユーザー端末の「およそ半分の価格になる」とも述べ、同社はそれを再び半額にすることができるかもしれないと語っていた。だがVergeは、ハードウェアキットが長方形アンテナをつけても以前と同じ499ドルで販売されていることを指摘しており、SpaceXは将来的により低価格で販売するかどうかをまだ明らかにしていない。同じ値段を払っても構わないという潜在的な新規顧客は、米国内であれば、キットを注文する際に長方形の端末を選ぶことができる。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Mariella Moon(マリエラ・ムーン)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:Starlink

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(文:Mariella Moon、翻訳:Aya Nakazato)