WalmartのiOSアプリにARスキャナーを搭載して棚の上の商品の価格や評判を比較できる

Walmartが、拡張現実を試そうとしている。今日(米国時間11/1)同社は、そのiPhoneアプリの中に、顧客の製品比較を助けるARスキャナーをローンチしたことを発表した。それはふつうのバーコードスキャナーのように品物の価格をひとつずつ比較するのではなくて、WalmartのARスキャナーはお店の商品棚をパンして、製品の下に価格と顧客の格付けに関する詳細を表示する。

この技術は最初、Walmartの社内ハッカソンで、あるチームが、AppleのARKitを使って開発した。当時のねらいは、スキャンが速くてお客が速いと感じることだった。価格以外の情報を提供することも、目的とされた。

この機能のローンチを発表する記事でWalmart LabsのシニアエンジニアリングマネージャーTim Searsはこう言っている: “Walmartのお店で買い物する人たちは、モバイルアプリのバーコードスキャナーを使って価格をチェックすることが好きだ。でも将来に向けての可能性は、今回のプロダクトの方が大きいと思う。顧客がこのスキャナーを立ち上げると、デジタルの世界(情報)とフィジカルな世界(棚の商品)が直接結びついて、画面とカメラがその結びつきを映し出す”。

そのチームはハッカソンで優勝し、アプリはその後の設計変更などを経て、今日のWalmartのアプリへとたどり着いた。

そのスキャナーを使うにはWalmartのアプリの中でスキャナー機能を立ち上げ、棚の上の比較したい製品を指す。スマホを次の品物へと移動すると、画面下の情報も更新される(製品名、価格、星の数など)。関連製品のリンクもある。

このARスキャナーはすでにスキャンした物にはドットを付けるが、小さなドットなので、狭い場所で複数の品物を一緒にスキャンしても大丈夫だ。

ARによるスキャンは単純なバーコードスキャンより便利なはずだが、消費者がどれぐらい利用してくれるか、それを今後見守らなければならない。

ARを使おうとしているリテイラーはWalmartだけではない。Amazon, Target, Wayfairなどなど多くの企業が、いろんな使い方でARを採用している。家に帰ってからでも製品を見られる、という使い方もあるし、TargetのARシステム“studio”は、自分の顔の上でいろんなメイクを試せる。

それらに比べると、WalmartのARスキャナーはARのもっと実用的な使い方だ。

このAR Scanner機能は、iOS上のWalmartアプリの18.20以降にある。iOSは、11.3以上であること。後者の条件は、ARKit 1.5を使ってるためだが、ユーザーを新しいiPhoneのオーナーに限定してしまう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

無限に拍手し続けるロボットBigClapperは店頭客寄せに最適だ

“未来の絵が欲しければ、ロボットが人間の顔に向かっていつまでも拍手しているところを想像しなさい”、とGeorge Orwellは書いたが、彼の不吉な予言がついに的中したようだ。この製品は、登場したのは1年前だが、ぼくが見たのは最近で、すぐに好きになったけど、BigClapperと呼ばれ、基本的にはおかしな顔の描かれた球体に大きな白い手をつけたものだ。それをどこかに設置すると、いつまでもわめき、拍手し続ける。一種の道化役ロボットだが、それはあなたの心を奪い、あなたの生きる意志を涸渇させる。

RobotStartが見つけたこのロボットは、ものすごく偏執狂的だ。BigClapperはオフィスでも使えるし、店頭でも、パーティーでも使える。人が通ると拍手をして、お店に誘いこもうとする。色は真っ赤! しかも手がある!

残念ながらAlexaからは使えないが、BigClapperは人間とコンピューターの対話の、未来の形を表しているかもしれない。通りであなたに声をかけて、激しく拍手をし、あなたに何かを買わせようとする、すごく純粋なロボットだ。現代の資本主義の、まさにシンボルと言ってよい。

ぼくとしては、地球と人類が拍手するロボットに支配されたら、歓迎するね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Webが人間性を取り戻すとき、これまでのWebサイトとeコマースはすべて死ぬ

筆者: Rob LoCascioLivePersonのファウンダーでCEO)

あなたは私の会社LivePersonをご存じないかもしれないが、そんなあなたでも私の発明を使ったことはあるはずだ。1995年に私は、Webサイトの画面にポップアップするあのチャットウィンドウを発明した。今では世界中で2万近くの企業が、わが社のソフトウェアを使って彼らの何百万という顧客とコミュニケーションしている。その中にはT-Mobile, American Express, Citibank, Nikeなどの有名大企業もいる。1990年代の半ばにインターネットの誕生を目撃した多くのスタートアップのファウンダーたちと違って、私は今でも自分の会社のCEOだ。

長いことCEOの椅子に座っていると、これまでの20年間に起きた変化に対する、独自の見方を持つようになる。そして今私に見えている現在進行形の変化は、インターネットの姿をラジカルに変えるだろう。

90年代半ばにWebサイトを作ったときは、eコマースへの大きな夢があった。基本的に実店舗は消えてしまうであろうし、何もかもドットコムが支配するだろう。でもeコマースは、惨めにもその夢を打ち砕いた。今日、Webサイトやアプリから生じている商行為は全商業の15%足らずであり、しかも企業として成功しているeコマースはAmazon, eBay, Netflixなど数えるほどしかない。Webサイトをだめにした大きな構造的問題は二つある: それはHTMLとGoogleだ。

Webサイトは、これまで図書館に閉じ込められていた人類の大量のコンテンツの集まりを、デジタルなユーザー体験、すなわちWebサイトによって、多数の大衆的オーディエンスに開放するはずだった。最初のころ私たちは、“閲覧する”(browsing, ブラウジング)とか“索引を作る”(indexing, インデクシング)などのように図書館の用語を使い、そして多くの点でWebサイトの中核的技術であるHTML(Hypertext Markup Language)も、静的コンテンツを図書館の本のように表示するために設計された。

しかし小売店は図書館ではないし、図書館の形式をオンラインストアに適用することもできない。消費者は、買い物をするときのいろんなダイナミックな質問や会話ができる方法を必要とした。しかし今日のモデルでは、一連の静的なページを読んで質問への答を見つけなければならない。でもふつうは、店員や店主と質問と答の一連のやり取りをしてから、そのお店を信ずる気になり、いろんな物を買いたくなる。HTMLのWebサイトには、そんな、人間同士のリアルで動的な対話がない。

Webの第二の問題は、Googleだ。90年代にWebサイトを作り始めたときは、誰もが仮想ストアを自分独自のデザインでやろうとした。それによりストアはおもしろくてユニークになり、しかし一方ではスタンダードがないので見て回ることが難しく、それらを普遍性のあるカードカタログにインデクシングすることは、とてもむずかしかった。

Googleは、1998年ごろにやってきた。Googleは世界の情報を見つけやすくし、またそのPageRankアルゴリズムにより一種のルールを定めた。そのルールのせいで企業は自分のWebサイトを、それがGoogleの検索結果のトップに来るための、何らかの方法でデザインしようとした。でもそのルールの画一的な構造は結局、eコマースにとって有害だった。

今では、ほとんどすべてのWebサイトが同じに見えるし、成績(ビューワー数、集客力、等々)も不振だ。オフラインでは、各ブランドが自分たちのストア体験をユニークなものにして自己を差別化しようとする。オンラインでは、どのWebサイトも、…GucciからGapに至るまで…同じ体験を与える。トップからのナビゲーション、説明的テキスト、少々の画像と、そのほかの互いに似たような要素。Googleのルールは、ユニークなオンライン体験からその生命(いのち)を抜き取った。そしてeコマースが困れば困るほどGoogleはさらに強力になり、ひどいeコマース体験を強制して、ブランドと消費者の仲を冷たくし、無味乾燥にしつつある。

大胆な予想をしてみよう: 2018年には有名ブランドのWebサイトの最初の閉鎖が起きるだろう。

Webサイトの良くないデザインには、隠れた連鎖反応がある。今、企業のカスタマーセンターにかかってくる電話の90%は、そのWebサイトが原因だ。その典型的な旅路は: 消費者が答を求めてWebサイトを訪れる→混乱して電話をする。今やそれはまるで疫病だ。カスタマーセンターは1年に2680億件の電話に対応し、1兆6000億ドルの費用を発生させている。

比較のために全世界の広告費支出を挙げると、それは5000億ドルだ。だからカスタマーセンターは、企業のマーケティング支出の3倍のコストを生じさせている。しかも、混み合っていてお客を待たせるカスタマーセンターが多いから、さらにひどい消費者体験を与えている。Webサイトとアプリは、電話を減らすどころか増やしており、コストも大きくしている。暮らしが楽になるというデジタルの約束は、あっさり破られる。

質問に親切に答えてもらったら、喜んでお金を払う気になる、という私たちの心理は、人間に生まれつきあるものだ。今ボットやAIが話題になっているのも、そのためだ。現実世界で何かが実現し完了するのは、何の力に依(よ)っているのか。会話に依ってだ。ロボットやAIが人間の仕事を壊す、とメディアは力説するが、Webに人間性が大きく欠けている今ではむしろ、その欠陥を補い、本当に暮らしを楽にするインターネットやWebを探究すべきだ。可能なら、AIやロボットもその探究に活用して。

今改めてeコマースの現実を知ってみると、初期に私が抱いた希望や夢も錯誤だった、という気がしてくる。しかし今の私は、私が“会話的コマース”(conversational commerce)と呼んでいるものに大きな希望を抱(いだ)いている。メッセージングや、Alexaのような音声、それにロボットを、生きた、人間的な会話に活用できれば、われわれがかつて夢に見たような普遍的で大きな規模で、強力なデジタルコマースの約束を、ついに実現できるだろう。

これまで、およそ18000社の顧客企業の仕事をし、最近、会話的コマースの探究を開始した私が大胆な予想をするなら、2018年には有名ブランドのWebサイトの最初の閉鎖が起きるだろう。ブランドは、これまでのように単に顧客とコネクトすることから、会話することへと力点を移す。それはボットと人間の共同作業になり、SMSやFacebookなどのメッセージングがフロントエンドになる。私たちはすでに数社の著名ブランドと、その実現努力を開始している。

(上記予言の)最初のWebサイトが終わると、ドミノ現象が始まる。しかしそれは多くの企業にポジティブな効果を与え、eコマースと顧客ケアのやり方を抜本的に変える契機になる。でもそれは、Googleに壊滅的な打撃を与えるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Alibabaが顔認識による決済システム‘smile to pay’をKFCの杭州店でテスト開始

中国はデジタル決済ではかなり先を行っている。その最新の跳躍は顔認識技術、お客は笑顔を見せるだけで支払いができるのだ。

Alibaba傘下のAnt Financialが、その‘smile to pay’(笑顔でお支払い)サービスを、本社のある杭州で開始した。テストするお店はKFC(ケンタッキーフライドチキン)だ。

下のビデオでお分かりのように、顧客がすでにAlipayアプリで登録して顔認識を有効にしていれば、支払いのためにスマートフォンは要らない。POPのところにある3Dカメラが顧客の顔をスキャンして、本人性を確認する。電話番号入力で、セキュリティを強化することもできる。

今回の試行は、Alibabaにとっていろんな努力の成果だ。

同社は2年前にドイツで行われたIFAで、初めて顔認識技術を披露したが、そのとき社長のJack Maが紹介したのは、セルフィー(自撮り写真)を撮ってから支払いをするオプションなど、いくつかの基本的な機能だった。その後オプションは、かなり進歩した。ここでAlibabaが使っているのは中国のスタートアップMegviiのFace++と呼ばれる技術で、MegviiはFoxconnなどから1億5000万ドルあまりの資金を調達している。

KFCをテスト店に選んだのは、KFCの中国のオペレーターYum ChinaにAlibabaが投資しているからだ。McDonaldsやTaco Bellも、中国では同社がオペレーターだ。

Alibabaがこの技術をeコマースの未来と位置づけているのは、オンラインとオフラインのリテールを統合できる、と考えているからだ。同社は今年の初夏にキャッシュレスのストアを開店し、上海ではモバイルアプリで顧客体験を最適化できる近隣ショップを10店営業している

だから‘smile to pay’も、そういった戦略の一環だ。また、Alipayの人気を高めることにも貢献する。こちらはTencentのWeChat Payという強敵がいるから、とくに重要だ。なんといっても、WeChatは中国で巨大な人気を誇るメッセンジャーアプリだから。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

オハイオ州の巨大ショッピングモールがAmazonのフルフィルメントセンターに生まれ変わる

古いモールは、不快な景観だ。安い建築費で作られ、流行らなくなると捨てられて、“シックなアウトレットショッピング体験”と称する業態や、高級ブランド品掘り出し市などに拾われる。そしてその後は、小都市の都心部で駐車場として腐っていき、巨大なスペースは残るが、町の人の心に残るのは思い出だけだ。

でも、絶望するのは早すぎる。オハイオ州ノースランドール(クリーブランドに隣接)の、かつて世界最大のモールと呼ばれていた土地と施設を、Amazonが新たに倉庫として再利用する。モールは完全にさら地になり、その大部分を、かつてそのモールを殺した、まさにそ犯人企業が専有する。

古いモールはこれまで10年近く、その幽霊のような姿を保(たも)ってきた。ノースランドールの端っこで、徐々に腐食が進行した。2000年代には、主力店が次から次と変わった。そして最後には、2015年に最後の旗艦店Burlington Coat Factoryが閉店した。モールは、2016年の火事でほとんど全焼した。

市長のDavid Smithが、Cleveland Plain Dealer紙にこう語っている: “なんと言ったらいいか、とにかくこのプロジェクトが来たことは、すごく幸運だよ”。

その記事から引用しよう:

eコマースの巨人は木曜日に、計画面積85万5000平方フィートの建物のリース契約を締結した。それにより来年の第二四半期には、ウォレンズビルセンターとエメリーロードの69エーカーの土地に、その建物がオープンする。このプロジェクトは、ある市民集会で話題になり、7月には契約のニュースがリークした。しかしノースランドールは別の、詳細不明のプロジェクトと、天秤にかけていた。

 

計画ではその倉庫*は、2000名の雇用を新たに作り出す、という。〔*: 上記新聞記事では“Amazonのフルフィルメントセンター”、となっている。〕

しかし悲しいのは、Foxconnがウィスコンシンに工場を作るなんて話に比べると、古い不動産が倉庫スペースになるという話の方が、はるかに実現性が高いことだ。たしかにeコマースにとってフルフィルメントは必要だが、製造は相変わらずアメリカの外で、ずっと安価に行われている。でもノースランドールは、タウンシールのデザインが二つのショッピングバッグであることが示すように、その現代を商業に賭けてきた町だ。その誇りだったモールが、今日と未来の新しい商業のハブに生まれ変わり、市の雇用と教育と成長を支えていくことは、確かに嬉しい光景だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))