SpaceXがStarlink衛星3万台追加打ち上げの申請書を提出

SpaceXは、同社の衛星ブロードバンドプロジェクトであるStarlinkのために、3万台の衛星を追加打ち上げする申請書を国際電気連合(ITU)に提出とSpaceNews reportsが伝えた。ITUは世界の帯域利用を管理しており、これまでに1万2000台の打ち上げ許可を取っている。なぜこんなに多く打ち上げるのか?SpaceXはこれについて、ネットワークが予想される需要に「責任を持って」答えるためだと言っている。

「高速で信頼性の高いインターネットに対する需要が世界中で高まる中、特にネットワークが存在しなかったり、高価であったり、信頼性が低い地域のために、SpaceXはStarlinkのネットワーク総容量とデータ密度を責任を持ってスケールすることで「予想されるユーザーニーズ」の高まりに段階を踏んで答えようとしている」とSpaceX広報担当者がTechCrunch宛てのメールで語った。

ITUへの申請は、SpaceXが今すぐ3万台の衛星を打ち上げるという意味ではない。実際には来年打ち上げるのは数百台程度の予定だ。しかしSpaceXは、低遅延大容量ブロードバンドの需要が全世界で急速に高まると予測しており、初期の展開計画はそうした需要のごく一部しか満たさない。加えて、軌道からの通信への関心が高まる中、今後数年間で爆発的な需要増加が予想される。

当初Starlinkは米国北部およびカナダの一部にサービスを提供する計画で、ネットワークが開通する来年早々には開始する予定だった。その後計画は拡大し、約24機の衛星を打ち上げた段階で全世界をカバーするよう変更された。現在のカバレージ対応モデルは、初めてブロードバンドが設置される地域のことを勘案していないため、需要を満たすには最適なノード配置を行う必要がある。

SpaceXは、Starlinkの密集内での運用にも備えている(衛星群すべてが同じ軌道領域にいるわけではなくが、これまで宇宙に打ち上げられた飛行体が累計で約8000体であることを考えると、かなりの追加だ)。SpaceXが想定している対策は、自動衝突回避システムの開発、軌道離脱計画の策定、衛星の軌道情報の共有などで、これまで確立されていた業界標準を満たすか上回るものだと同社は言っている。

天文学者たちの懸念に対応するために、SpaceXは将来のStarlink衛星の地球に面したベース部分を回収する計画だ。 天文学者は衛星群の反射光が天体観測や研究に影響を及ぼすことを心配している。SpaceXは、衛星軌道についても科学研究に重大な影響を与えないよう配慮すると言っている。

Starlinkは5月に最初の衛星群60基を打ち上げた。それぞれ約230kgの衛星が相互に協力しながら地上基地局と通信することで一般利用者はブロードバンド・ネットワーク信号を受けとれるようになる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

NASAアルテミス計画用の宇宙服は体格に関係なく月面歩行が楽になる

NASAは、Artemis(アルテミス)世代のミッションのための新しい宇宙服を公開した。アルテミス計画は、2024年までに最初の米国人女性と次の米国人男性を月面に送ることを目指している。この新しいデザインの最大の特徴は、基本的にあらゆる点における動きやすさと柔軟性にある。NASAは、月面での船外活動用のフルスーツと、月の軌道上を移動する際のフライトスーツの両方を披露した。

NASAのジム・ブライデンスタイン長官に導かれ、NASAは初めて宇宙飛行士が月面で使用する(この改良型が火星でも使用される)宇宙服のデモンストレーションを行った。xEMU変形型と呼ばれるこの宇宙服は、宇宙服と聞いてみんなが頭に思い浮かべるであろう形とそっくりそのままだ。しかし、アポロ計画で宇宙飛行士たちが月面を訪れたときに着ていたものとは、いろいろな面で大きく違っている。

これは本当のムーンウォークを可能にするものだ。月面活動のために作られた最初の宇宙服は体の動きの制約が大きく「ニール・アームストロングとバズ・オルドリンが月面で基本的にカンガルージャンプで移動するしかなかった」というのはブライデンスタイン長官の言葉だ。この新しい宇宙服なら、より活動的に体を動かせる。普通に歩いたり、腕もさまざまに動かせる。新しいグローブでは指も自由に動かせるようになり、地面の石も比較的楽にを拾える。

「新しい宇宙服は、1パーセンタイル順位の女性から、99パーセンタイルの男性まで実質的に宇宙飛行士になりたいすべての人の体に合わせられるようにデザインされている」とNASA先進宇宙服エンジニアKristine Davis(クリスティン・デイビス)氏は話していた。彼女は米国時間10月15日に開催されたイベントのステージ上で、xEMU異形型を来てデモンストレーションを披露した。

「宇宙に行きたいという夢を持つすべての人が、こう言えるようにしたいのです。そう、みんなにチャンスがあるよってね」とブライデンスタイン長官は、この宇宙服のインクルーシブデザインに触れて、そう言い加えた。

NASAでは、再び月を訪れたときに、持続可能性を確認したいと考えている(実際に作業場を建設して滞在する計画を立てている)ため、宇宙服は北極と南極、さらには赤道付近の温度変化に対応できるように耐熱性能に大きな幅を持たせてある。このxEMUの場合、マイナス156.6度からプラス121.1度まで耐えられる。

NASAはまた、国際宇宙ステーション(ISS)で現在使われている宇宙服からも、大きく進歩していると話していた。ひとつには、この宇宙服には実際に使える脚が付いている。ISS用の宇宙服は、無重力や微小重力の環境で使用するために脚には保護の役割しかない。新しい宇宙風の腕の接続部分にはベアリング使われているため、前述のとおり手を伸ばしたり物を掴んだりと可動域がずっと大きくなっている。

もうひとつの宇宙服はOrion Crew Survival Suit(オライオン乗員救命スーツ)と呼ばれ、打ち上げと着陸のときに着用する軽量な宇宙服だ。通常の使用中は減圧されているが、事故による減圧が起きた際には体を守るように作られている。これをデモンストレーションしたのは、オライオン・スーツのプロジェクト・マネージャーであるDustin Gohmert(ダスティン・ゴーマート)氏だ。彼によると、xEMUほどで強力ではないが、熱と宇宙放射線を防御できるという。

大きなxEMUスーツは、アップグレードが可能なようにも作られている。ちょうどPCのマザーボードのように、新しい改良されたテクノロジーが使えるようになったとき、わざわざ地球に戻って作り直さなくても宇宙空間でアップグレードして使うことができる。

ブライデンスタイン長官は、今月の初めにNASAが発表したとおり、アルテミス計画用宇宙服の製造で民間のパートナーと提携していることを繰り返し伝えていた。また、それらの企業からは、この宇宙服に使われているテクノロジーの今後の発展やアップグレードをどうすべきかに関する助言やアイデアの提供も求めてゆくことを検討していると話していた。

全体としてブライデンスタイン長官は、商業化について、またNASAがアルテミス計画や宇宙全般で民間のパートナーの協力を求めていることについて、熱っぽく語っていた。

「これまでにNASAは、国際宇宙ステーションの補給の権限を民間企業に与えました。【中略】今は民間のクルーを受け入れています。来年の初めには、2011年にスペースシャトルが退役して以来初めて、米国人宇宙飛行士を、米国の土地から、米国製のロケットで打ち上げる予定です」と彼は言った。「これは我が国にとって、非常に建設的な進歩になりますが、それは民間企業によって行われます。【中略】そしてもちろん、地球の低軌道にたくさんの確固とした商業拠点が生まれることを期待しています。最終的に、私たちの活動を可能にしているものは、次に納税者から預かった資産を活用して、月を、火星を目指すことになりますが、そこでも常に商業化を見据えてゆきます。私たちの目標は、これまで以上に、人類の活動を宇宙に広げることにあります」。

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(翻訳:金井哲夫)

NASAが月面用新型宇宙服を開発、人体3Dスキャンでジャストフィット、HDカメラ搭載で高速通信も可能に

次に月面に足を下ろす米国人は、まったく新しい宇宙服を着て行くことになる。それは1970年代に最後に月面を歩いたオリジナルのアポロスーツをベースにしながらも、大幅に改良されたものだ。簡単に装着でき、楽に動けて、コミュニケーション能力も向上する。体が自由に動かせない制約の大きかった過去のものとは雲泥の差があるが、それでも家の中を着て歩けるような代物ではない。

Exploration Extravehicular Mobility Unit(xEMU、探査船外活動移動ユニット)と呼ばれるこの新型宇宙服は、まだ開発初期段階だが仕様はほぼ固まっている。すでに水中でのテストが行われ、2023年には軌道上でテストされる予定だ。

一からまったく新しいものを作る代わりに、NASAのエンジニアは、従来の実績あるデザインで苦痛だった部分(文字どおり本当に痛いところも含め)を改良する方式を採用した。そのため、外見は私たちがよく知っている、宇宙飛行士たちが月面を飛び跳ねていたときのあの宇宙服によく似ている。元のデザインなら、高真空と宇宙放射線から体を守ることが比較的簡単だからだ。

NASAでは、宇宙服は「過酷な環境からの保護と、地球とその大気がもたらす基本的な資源のすべてを模倣するパーソナルな宇宙船」だと言われている。そのために必要な空間しか確保されていない。

しかし、昔からほとんど変わらない部分もあるものの、大きく改良される部分もある。最初にして最大の改良点は、安全性とミッションの目的を両立させるための、動きやすさが大幅に改良される。

NASAの新しい改良型xEMU宇宙服の図解

上図の左上から左下へ、高速データ通信、HDビデオと照明、情報ディスプレイと制御装置、統合コミュニケーション(スヌーピーキャップは廃止)、自動スーツ点検、強化された上半身の可動性、環境保護下着(EPG)防塵機能付き、歩きやすい。右上から右下へ、29647.5から56537パスカルの気圧変動に対応、緊急帰還1時間、真空再生二酸化炭素除去システム、薄膜蒸発冷却、モジュレーター/ORU PLSSデザイン、後方脱着。xEMUは、月面を歩く最初の女性、そして第二の男性が着用する宇宙服です。新世代のテクノロジーと能力がこの宇宙服に投入され、新宇宙での宇宙遊泳(EVA)、月面、さらに火星表面の探査を可能にする

ひとつには、既存の宇宙服に新しい関節が導入されて可動域が広がった。よく言われる宇宙飛行士の立ち方はアポロスーツの動き辛さを示唆した言葉だが、自由度が高い新しいxEMUのユーザーにはもう縁のないものになる。通常の範囲の動きが楽になるばかりでなく、自分の胴体の反対側に手を伸ばしたり、頭上に何かを持ち上げることも可能になる。

柔軟になった膝と、靴底が柔らかいハイキングスタイルのブーツにより、しゃがんだり、立ち上がったりも楽にできる。そんな基本的な動作もできないまま、よくもここまで来たものだ。

xEMUのデジタル・フィッティング・チェック。体を3Dスキャンして(点で表示)、スーツの各部分や部品がどのようにフィットするかを確認する

xEMUのデジタルフィッティングチェック。体を3Dスキャンして(点で表示)、スーツの各部分や部品がどのようにフィットするかを確認する。

宇宙服の体へのフィット感も向上する。NASAは人体計測、つまり体を3Dスキャンして、それぞれの宇宙飛行士ごとに、各部分がぴったり体に合うようにするのだ。

フィットと言えば、宇宙服の各部分はモジュラー式になっていて、簡単に交換ができる。例えば下半身は、宇宙遊泳と地表探査のときで、それぞれに適したものに交換できるようになる。ヘルメットのバイザーは“犠牲”防護式なので、ダメージを受けたら新しいものと簡単に交換できる仕組みになっている。

ヘルメットの中は、マイクなどを内蔵した、馴染み深いが明らかにみんなが嫌っているスヌーピーキャップが廃止され、現代的な音声起動式マイクとヘッドホンが組み込まれた。これで音質がずっと良くなり、汗をかくことも少なくなった。

さらに、通信スタック全体が新しいHDカメラと照明に置き換えられた。これは高速無線データリンクで接続される。月面からのライブ映像などはもう古臭い感があるが、1969年の荒いモノクロ映像とはちょっと趣が違って見えるはずだ。

最も重要な改良点に、背後からの着脱方式がある。昔のEVA宇宙服の着脱はかなり厄介な作業で、広い空間と人の手が必要だった。新しい宇宙服は、背後のハッチから中に入る仕組みになっているため、肘の位置決めなどが自然に行えるようになる。これはおそらく、宇宙服の着方を変えるものだ。宇宙服がエアーロックのような役目を果たすことは、誰でも簡単に想像がつく。背中から中に入ると、密閉されて、そのまま宇宙に出ることができるという感じだ。実際はそれほど単純ではないのだが、背後の着脱用ハッチは、その工程をずっと楽にしてくれるはずだ。

関連記事:NASAは月面用の宇宙服を将来的には民間企業にアウトソーシングへ

NASAはこの宇宙服のデザインと認定を行うが実際の製造は手がけない。NASAは先週、民間宇宙産業に宇宙服の製造を委託するもっともいい方法について意見を求めた。

これは、2024年の有人月面着陸に向けて、請負業者や民間企業の依存度を高めていくというNASAの決定の一環だ。もちろん、アポロ計画でも請負業者は重要な役割を担ったが、現在のNASAはさらに自由度を高め、民間の打ち上げサービスの利用も考えている。

今後ももちろん、宇宙服に関する最新の情報をお届けする。NASASuitUpタグも要チェックだ。

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(翻訳:金井哲夫)

ロケット・ラボの5年間の新FAAライセンス、打ち上げプロセスを合理化へ

Rocket Lab(ロケット・ラボ)は、ニュージーランドにある同社のLC-1発射場からのElectronロケットの打ち上げのたびに許可を得る必要がなくなる、新たな5年間のローンチ・オペレーター・ライセンスを米国連邦航空局(FAA)からから取得した。制限はこれだけではないが、このライセンスはRocket LabがLC-1からの打ち上げ頻度を増やし、より多くの商用小型衛星の顧客にサービスを提供するのに役立つだろう。

これまでRocket Labは、それぞれ打ち上げたロケットごとにFAAからライセンス(または複数のライセンス)を取得しなければならなかった。同社はこれまでそのプロセスをうまく運用してきたようだがこれは追加作業であり、たとえこれまで影響はなったとしても、それぞれの打ち上げに多くの時間と労力を追加していただろう。

Rocket Labによると、これは顧客に「打ち上げの合理化」を提供するもので、小さな人工衛星スタートアップや立ち上げたばかりの宇宙開発企業のスケジュールの変化に、うまく対応できるように設計された柔軟なモデルの運営を容易にし、また同社の打ち上げ能力を最大限に活用することを保証するという。たとえばRocket Labは最近、1つのペイロードを次の打ち上げ用に交換した。

Rocket LabはSpaceX(スペースX)、Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)、Relativity Space(リラティビティ・スペース)などを含む、業界コンソーシアムのCommercial Spaceflight Federationの一員で、現状の商業宇宙ビジネスにより適合するような規制改革をFAAに請願している。SpaceXでCEOを務めるElon Musk(イーロン・マスク)氏は最近、FAAが非常に協力的なパートナーであると称賛し、現在開発中のStarshipのテストのライセンスプロセスについて語った。

このライセンスは、米国での打ち上げのライセンス付与のためのFAAのプロセスとは結び付いていない(LC-1はニュージーランドにある)が、現在のFAAが効率的な方法でビジネスを行うために、若い宇宙開発企業と協力することにより前向きであることを示す、もうひとつの兆候である。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

イーロン・マスクが「NASAはSpaceXの知財権を自由に配布OK」と発言

SpaceXのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は米国時間10月10日間、米国カリフォルニア州ホーソンの本社でNASAのジム・ブライデンスタイン長官と共同会見を行い、同局と提携している商業有人宇宙飛行プログラムの最新状況を報告した。 現状と次のステップの詳細に関する所見の中でマスク氏は、同社がNASAと共同開発している知的財産権は誰とでも共有していいと繰り返し発言した。

マスク氏は質疑応答の開始当初、SpaceXが宇宙船Crew Dragon(クルー・ドラゴン)用パラシュート開発プログラムで得た知識は、誰に提供してもいいと語った。SpaceXは、Crew Dragonカプセルが地球に無事生還するために使用するパラシュートの第3世代を現在開発している。

「私はジム(ブライデンスタイン長官)にSpaceXのデータは独占されるべきではないと繰り返し明言してきた」とマスク氏は語った。「どのライバルも使っていい。無料で」。

その後マスク氏は、NASAのテーブルにあるSpaceXの知的財産は事実上すべて、同局が適切とみなせば自由に配布できると語った。

「はっきりしておきたい。NASAは、当社の全知的財産権をNASAの望む誰とでも共有できる」と同氏は言った。それに対してブライデンスタイン長官は、同局としてこの自由を心から感謝しているが、配布には一定の制限を設ける必要があると答えた。

「知的財産権の中には一般人あるいは我が国のことを思っていない国とは共有できないものがある」と語り、パートナーが情報技術を厳重に管理し保護手段を設けていることが大切なのはこれが理由であると付け加えた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Virgin Orbitが火星への初の商業小型衛星の打ち上げを計画

Richard Bransons(リチャード・ブランソン)氏が率いる小型人工衛星打ち上げ企業のVirgin Orbit(ヴァージン・オービット)は米国時間10月9日、商業用のキューブサット(小型人工衛星)を火星に投入するミッションを、初めて遂行すると発表した。Virgin Orbitはポーランドの人工衛星企業のSatRevolutionと共同でコンソーシアムを設立し、同国の学術機関と共同で少なくとも1機、最大3機の火星へと向かう小型人工衛星の打ち上げに取り組んでいる。

このコンソーシアムは、2機の小型衛星を火星へと投入した、2018年のNASAのJPL(ジェット推進研究所)の火星探査ミッション「MarCO」に連なるものだ。MarCOの初期研究では、50kgかそれ以下の重量の人工衛星でも火星とそれを周回するフォボスの画像収集を含め、有意義な科学調査が可能であることを示した。Virgin Orbitによると、同社が打ち上げる人工衛星は火星の大気組成に関する重要な情報や地下の水を探査することもできるという。

ワルシャワをベースとするSatRevolution(サットレボリューション)は商業宇宙産業にて経験があり、今年4月にはポーランド初の商業用小型衛星を軌道へと送った。このミッションにはAGH科学技術大学とワルシャワ工科大学、その他にも多くの大学が関与しており、宇宙産業における研究の経験も持っている。今回の計画では大学とSatRevolutionが開発した宇宙船をボーイング 747-400を改造した母艦から、Virgin OrbitのLauncherOneロケットにて打ち上げる。

Virgin Orbitは今年中に最初の軌道ロケットの打ち上げを計画しており、それに備えた最終テストをおこなっている。同社は実際には動作しないロケットをボーイング 747-400の主翼から投下する重要な試験を成功させており、早ければ来年にも英国からロケットを打ち上げる契約に署名している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

商業衛星の寿命を伸ばす初の宇宙船の打ち上げに成功

これまで商業衛星は事実上使い捨てだった。数トンもある10年以上稼働する巨大衛星でさえ、いずれは燃料が切れて大きな宇宙ゴミになるか、何らかの機会的故障によって終末迎えることになる。Northrop Grumman(ノースロップ・グラマン)が開発し、ロシアのソユーズに乗って米国時間10月9日に打ち上げられた新しい宇宙船が、それを変えるかもしれない。

MEV-1と呼ばれる衛星補修宇宙船は、軌道上のインテルサット901と出会い、自身の軌道修正用ロケットエンジンを使って衛星を理想的な目標軌道に戻すという特別任務を担っている。その結果、18年を経過した古い衛星の寿命を最大5年間伸ばすことができる。インテルサット901の軌道修正に成功すれば、MEV-1が推進燃料の枯渇したほかの軌道衛生にも同じことができる可能性は高い。

事実、MEV-1宇宙船自身の耐用年数15年に設計されており、ドッキングとアンドッキングを複数回実行できるので、2トン前後の地球同期衛星にドッキングして15年以上ミッション期間を延長させるとNorthrop Grummanは表明している。

これによって商業衛星は新しい時代を迎え、運用コストがさらに削減されることでスタートアップや小さな会社でも利用できるようになる可能性がある。NorthropのMEV-1は、実質的に宇宙の曳航船であり、地球同期衛星の寿命を倍増させることができる。これはもしMEV-1が複数の顧客を見つけて開発と打ち上げのコストを分散できれば、莫大なコストをかけることなく大きな利益を上げられる可能性がまだまだあることを意味している。

ほかにも衛星支援プロジェクトは進行中であり、先週TechCrunch DisruptのStartup BattlefieldでファイナリストになったOrbit Fabなどの会社は恩恵に預かるかもしれない。Orbit Fabは宇宙で衛星に燃料補給するシンプルなシステムを開発している。補給宇宙船が衛星とドッキングすることなく、繋がって燃料を補給できる方式だ。ほかにも、複数の顧客の要求に応じてモジュールやセンサーをアップグレードすることで、衛星の設計や開発、打ち上げへの投資の見返りを最大にする宇宙補給サービスが考えられる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ボーイングがヴァージン・ギャラクティックに約21億円を戦略的投資

宇宙旅行の実現を追求しているVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)にBoeing(ボーイング)が2000万ドル(約21億円)を出資する。10月7日にVirgin Galacticが発表した。両社はいずれも人間の宇宙飛行に深く携わっているが、そのアプローチは異なる。そして、Boeingはこの特殊なゲームで競合するよりもVirgin Galacticのサイドに加わる方がいいと考えたようだ。

Virgin Galacticは定期的、かつ信頼ができ、リーズナブルな宇宙旅行を提供する最初の企業になるという目標に向かって突き進んでいる。もちろん、リーズナブルというのは明らかに相対的に。同社の宇宙船はすでに人を乗せて宇宙に行っている。これは、料金を払って旅行する人のために計画されているのと同じコースだ。旅行客は、最近公開されたばかりのニューメキシコにあるSpaceport Americaから乗り込むことになる。

資金はBoeingのHorizonX Venturesを通じて拠出される。HorizonX Venturesは以前、Accion SystemsMatternetのような小規模の航空宇宙スタートアップに投資していた。Venturesのチームはそれなりの規模のラウンドで大手に投資するよりも、あちこちに少額の資金を注入するのを好んでいるようだ。

今回の投資についてはほとんど情報がない。プレスリリースにある文言は普段より中身がなく、輝かしくも曖昧な宇宙旅行の将来について語られているだけだ。なぜ2000万ドルなのか。そして、なぜ今なのか。

出資は、最近発表されたChamath PalihapitiyaSocial Capital Hedosophiaとの合併で新しく設立された会社が発行する新株の取得によって行われる。これは今年第4四半期に実施される見込みだ。

この資金調達に先立ち、Virgin創業者のRichard Branson(リチャード・ブランソン)氏はおそらくサウジアラビア提供の10億ドルを却下していて(カショギ氏殺害事件への対応として)、Virginは比較的組織が絡んでいない現金を使うことを決めた。

プレスリリースでは特段、提携や技術について言及されておらず、ブランソン氏の言葉には単に「重要なコラボレーション」とだけある。CEOのGeorge Whitesides(ジョージ・ホワイトサイド)氏は「地球周辺で人々をいかに移動させるかを真に変える何かをつくるためにBoeingと提携することに興奮している」と語った。地球周辺で人々を移動させる何か?何をつくろうとしているのか?

おそらくBoeingはしばらくの間Virginに打診していて、合併を前に出資を固める必要があったのだろう。コラボやプロジェクトはまだ計画段階にあり、それゆえに投資額はおおまかになっている。「2000万ドルで多分大丈夫だろう」。誰かが役員会か何かで言った様子が想像できる。

Virgin Galacticの初の商業フライトのタイムラインはないが、今年末までに行われるのはありえることだ。2019年の打ち上げは注目を集めるものになるだろう。いずれにせよ、顧客には事欠かない。伝えられているところによると、すでに8000万ドル(約86億円)分の宇宙旅行予約が入っているとのことだ。

画像クレジット:Virgin Galactic

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(翻訳:Mizoguchi)

探査車キュリオシティが火星にオアシスがあった証拠を発見

第1級の科学者たちによると、火星のGale Crater(ゲイルクレーター)への旅で探査車キュリオシティが見つけたものは、その直径150kmのクレーターの底にオアシスがあった証拠だという。

キュリオシティを担当している科学者たちは、今週発行された「Nature Geoscience」誌の記事で、その情景を記述している。探査車からのデータを分析した研究者たちは、そのデータから外挿した結果、その鉱物塩を豊富に含む岩石は、塩水の池が長年にわたって乾燥と溢水を繰り返した証拠だ、としている。それらの沈殿物は、火星の気候変動によって作られた、いわば水位標であり、火星の気候は太古のウェットな状態から今日の極寒の凍結状態へと変わってきた。

しかし科学者たちが次に知りたいのは、その変化がいつ起こり、何年続いたのかだ。米国カリフォルニア州パサデナにあるNASAのジェット推進研究所の声明文は、そう述べている。

ゲイルクレーターは、火星の表面を変えた衝撃によって生じた地質学的形状の名残だ。その後クレーターの中には水と風が満ち、凝固した沈殿物を風が削り、今のMount Sharp(シャープ山)と呼ばれる地質学的形状が作られた。キュリオシティ探査車は今その表面を採取している。

NASAによると、今後探査車は徐々にクレーターの上の方の層のサンプルからデータを送ってくるので、火星上の環境の長年にわたる形成に関する、新しい情報が得られるという。

研究論文の主筆であるカリフォルニア工科大学のWilliam Rapin(ウィリアム・ラパン)氏は「そこが変化していく火星のユニークな記録を保存しているから、我々はゲールクレーターへ行ったのだ。この惑星の気候がいつどのようにして変わり始めたのかを知ることは、もうひとつのパズルのピースだ。そのパズルとは、火星はいつごろ、そして何年ぐらい、その表面の微生物の生命を支えられたのか、という疑問だ」とコメントしている。

ラパン氏と彼の共著者は、キュリオシティが最初に訪ねた2017年に、沈殿物によってできた岩の高さ150mのところに塩を見つけた。そのSutton Island(サットン島)と呼ばれる場所にあった塩は、形成時にプールには水が溜まっていて、その後間欠的に極めて乾燥した乾期が訪れたことを示唆している。この乾湿のサイクルそのものは、科学者たちがすでに発見していた。

科学者たちは、その地質学的形状が南米アルティプラノの塩湖に似ていたのではないか、と憶測している。そこでは、連山からの流れや川が火星の地形に似た盆地を作っている。そしてあの一連の湖は、同じく気候変動の産物だ。

テネシー大学で堆積層の研究をしているチームメンバーのChris Fedo(クリス・フィード)氏は、こう言う。「傾いた層は大きな変化を表している。そこでは地形の一部が水面上にも出ていたはずだ。昔々は、深い湖の時代があったのだろう」。

今後キュリオシティは、さらに傾斜した層に向かい、岩石の組成を調べる。それらが乾期にできたものなら、クレーターの発達の新しい段階を意味するかもしれない。そしてそれは、数百万年前の火星の生物の秘密を明かしてくれるだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

NASAが月面の3DデータをCGアーティストとクリエイター向けに公開

映画やゲームの舞台を月面に設定したいと思えば、見栄えのする画像を探すのは、それほど難しくない。しかしNASAは、単に美しいだけでなく、さまざまな用途に使えるデータをクリエーター向けにリリースした。画像だけでなくデプスデータを含んでいるので、非常に詳細な月面の3Dマップも簡単に作成できる。

これは「CGI Moon Kit」と呼ばれるもので、NASAのゴダード宇宙飛行センターが公開した。科学的なデータの視覚化の専門家、アーニー・ライト(Ernie Wright)氏が、元は別の目的で構成したものだが、3Dアーティストの注目を集めることが分かったため、公開することにした。

元のデータは、ルナー・リコネサンス・オービター(Lunar Reconnaissance Orbiter=LRO)に取り付けられた2つの測定器から得れたもの。このオービターは、すでに10年以上にわたって月の軌道を回りながら、ずっと写真を撮り続け、測定を継続している。

月面をクローズアップ撮影した画像の例。実際に得られるデータの解像度はこんなものではない

LROが搭載するカメラは、写真を撮影するという点では、高品質の「伝統的」なカメラだが、実際には精密なマルチスペクトルの撮像装置だ。それを使用して、驚くほど高品質な月面のマップを作成してきた。一度にキャプチャできるのは、ほんの小さな領域だけだが、LROの軌道がシフトしていくので、月の明るい部分については、ほぼ全域を撮影することができた。しかし、影の領域については、その上空を何千回通過しても、撮影できない部分が残っている。

とはいえ、素晴らしい写真はマップデータの一部にすぎない。月面を忠実に再現するには、表面のトポロジー情報も必要となる。そしてそのデータこそ、LROのレーザー高度計が収集しているものなのだ。

このレーザー高度計は、一般的に使われているレーザー距離測定器と原理的には同じもの。軌道上からレーザーのパルスを月面に向けて照射し、それが戻ってくるまでの時間と強度を同時に計測する。それによって、月面とどれだけ離れているか、つまりそのときの高度を、2分の1メートルの精度で測ることができる。それと同時に、月面の状態についても、たとえば硬い岩なのか、あるいは柔らかい粉のような表土なのか、といったことが分かる。

そうしたデータを組み合わせて、いわゆる変位マップとして組み立てる。一種の地形図のようなものだが、高さが実際に変化する代わりに、色の違いで高さが分かる。このマップには、いくつかのバリエーションがあるが、基本的なユースケースは同じ。変位マップを写真のマップに重ね、それによって球体を包み込むようにすれば、地形学的な仮想の月球儀ができる。

上のGIFアニメの遅いバージョンをムービーで見てみよう。

 

こうしたデータ使って、一人称ゲームで月面を探検して月面コロニーを建設したり、宇宙船で月面スレスレを飛びながら空中戦を展開する、というのは本当に楽しいだろう。あるいはアーティストなら、月の精巧なモデルを作成することもできるはずだ。

この「CGI Moon Kit」は無料でダウンロードできる。どのリソースにも、いろいろなオプションがあるが、3Dアーティストなら問題なく理解できるだろう。詳しい情報とダウンロードは、ここから

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

NASAは月面用の宇宙服を将来的には民間企業にアウトソーシングへ

NASAは、特に宇宙服に関して、業界からの情報を求めるという正式なリクエストを発行した。宇宙服の生産と付随するサービスを、外部の業者に委託するための将来の道筋を探ろうと考えている。

これは、宇宙服の設計と生産を、ただちにアウトソーシングするという意味ではない。NASAは、最初のArtemis(アルテミス)ミッションで使う宇宙服を自ら開発し、検証するつもりでいる。実際にArtemis IIIでは、引き続きアメリカ人男性と、最初のアメリカ人女性を月面に送り込む予定となっている。その後のArtemis計画としては、さらにAltemis 4から8まで、5つのミッションが提案されている。そのうちの4つでは、乗組員を月まで運ぶことになっている。

もちろん、すでにNASAは、民間企業だけでなく、学術機関や研究者とも協力して、自らの宇宙服に組み込むべき技術について検討してきた。現在の探査用宇宙服が、将来の設計の基礎となること前提とした上での話だ。しかしその一方で、宇宙服の製造と検査を、その業界のパートナー企業に完全に移管することも視野に入れている。さらに、そうしたパートナーが「宇宙服の進化を促進させる」ことにも期待している。また、現状の宇宙服の設計の改良も持ちかけたいと考えている。

NASAは、宇宙服だけではなく、船外活動の際に宇宙服と組み合わせて使うツールやサポート用のハードウェアに関する情報も求めている。飛行士を運ぶ輸送船の内部や、地球と月面の中継基地となるゲートウェイでも、そうした宇宙服がうまく機能する必要があるからだ。

それからNASAは、宇宙服や宇宙遊泳を、うまく事業化するにはどうすればよいか、といったことについても、多くの企業から話を聞きたがっている。NASAの外部の顧客にも、そうした技術を提供するためだ。

最近のNASAは、Artemisだけでなく、将来の火星探査、現在のISSに関して、さらにISSを事業として企業に引き継いでもらう可能性などについて、より深く業界と提携することに強い関心を示していることが見て取れる。それを考えると、宇宙服についての動きも、まったく驚きではない。NASAが発行した完全なRFI(情報依頼書)は、ここから入手できる。宇宙服のスタートアップを始めたいと考えている人は、見てみるといいだろう

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

軌道上の人工衛星に燃料補給するスタートアップOrbit Fabが約3億2000万円を調達

今週サンフランシスコで開催されたTechCrunch Disrupt Battlefieldに出場したOrbit Fab(オービットファブ)が、300万ドル(約3億2000万円)のシードラウンドをクローズした。Type 1 Ventures、TechStarsなどが出資した。Orbit Fabは宇宙空間でのロボットによる燃料補給技術で勢いに乗っており、今回の資金がさらに後押しする。

今年初めに達成したあることから、Orbit Fabという名前を覚えている人もいるかもしれない。国際宇宙ステーションに水を供給した最初のスタートアップになったのだ。それ自体も成果だが、軌道上の人工衛星に燃料補給する技術にも使えることを実証する結果となった。人工衛星に燃料を補給できれば商業衛星ビジネスに与える影響は計り知れない。高価な人工衛星の運用寿命を大幅に延ばすことができるからだ。利益率が上がり、収益性の高いビジネスになる。

共同創業者のDaniel Faber(ダニエル・フェイバー)氏とJeremy Schiel(ジェレミー・シエル)氏は創業前から業界では旧知の仲で、2人とも15年以上宇宙技術ビジネスでリーダーシップを発揮する立場にいたこともあり、Orbit Fabは創業後1年も経たないうちに宇宙で使える技術を実証できた。CEOのフェイバー氏とCMOのシエル氏は、Deep Space Industriesで出会った。フェイバー氏が同社のCEO、シエル氏は契約社員だった。

シエル氏はインタビューで「後日再会することになって、この産業を進化させるビジネスモデルをいくつか真剣に検討した。業界の動きとも歩調があっていて実際に顧客がついたのは衛星の燃料補給ビジネスだった。Elon Musk(イーロン・マスク)はロケットを再利用可能にしつつある。いよいよ人工衛星も再利用する時代が来たと思った」と語った。

2人は2018年1月に会社を設立して早速取り組み始めた。その後、同年6月にOrbit Fabにとって最初のラウンドとなるプレシードラウンドでサンフランシスコのBoltから投資を確保した。契約も2つ獲得した。NASAと国際宇宙ステーション国立研究所からだ。

「およそ4カ月半で燃料補給試験機に飛行適格かつ有人レベル(人間を運ぶに足る安全性)の評価をを得た。2018年12月と2019年3月に国際宇宙ステーションに飛ばした2つの試験機をNASAが評価した」とシエル氏は述べた。

なぜそんなに早くできたのか? フェイバー氏はリードエンジニアのJames Bultitude(ジェームズ・バルティテュード)氏の功績によるところが大きいと言う。国際宇宙ステーションに5つのペイロード(航空宇宙における貨物や旅客)を運んだ実績を持つ熟練した宇宙技術者だ。

「彼はペーパーナプキンに描いたプロジェクトのアイデアを4ヵ月半でハードウェアとして実現した。すべてがNASAの有人レベルの安全基準に適合していた。偉業だとしか言いようがない。NASAに急いでもらう必要があった」とフェイバー氏は語った。

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フェイバー氏は、Orbit Fabの成功理由として米国の宇宙機関を動かす能力を挙げ、こんな話をした。National Lab(国際宇宙ステーション米国国立研究所)が予定していた宇宙機への試験貨物積載を中止しようとした際、Orbit Fabはその週末にNASAの最上層部に掛け合い承認を得て何とか飛行にこぎ着けた。

スタートアップとしてNASAと仕事をすることに関してフェイバー氏は「様相が変わってきた。NASAは若い企業やスタートアップと仕事をすることに前向きになっているし、適応もしている。それが今までとは異なるイノベーションを現場にもたらしている」と述べた。

「NASAと電話していると変化がはっきりわかる。彼らの変化を電話越しに感じ取ることができる」と彼は言う。

Disruptのステージで、Orbit Fabは燃料補給用のロボットコネクタのデモを初めて行った。構想はこうだ。メーカーが標準的なノズルを人工衛星の設計に組み込む。ロボット給油機がノズルを探し出し、カプラーを介してしっかりと人工衛星と接続し、推進剤を注入する。

Orbit Fabはすでに、Northrop Grummanを含むパートナーと協議を始めている。衛星関連のロボットサービスとメンテナンスの業界団体であるRendezvous and Servicing Operations(CONFERS)のメンバーにもなっている。

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(翻訳:Mizoguchi)

Blue OriginのNew Shepardによる宇宙旅行代金は数十万ドルになる見込み

Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が立ち上げたロケット製造・打ち上げサービスのBlue Originは2019年に初の有人ロケット打ち上げを明言していたが、2020年へと後ろ倒しにせざるを得ないようだ。

サンフランシスコで開催中のTechCrunch Disruptのステージで、Blue OriginのCEOであるBob Smith(ボブ・スミス)氏は有人フライトの2019年の打ち上げウィンドウは狭まってきていると話した。「我々は日付を優先させようとはしていない」とも語った。

しかし商業打ち上げは近づいてきていて宇宙船New Shepardによる宇宙フライトのチケットは「数十億ドルになる」ようだ。今年末までに有人打ち上げを計画していた企業はBlue Originだけではない。6月にNASAはBoeing(ボーイング)とSpaceX(スペースエックス)がそれぞれ9月と11月に有人飛行を行うスケジュールを立てた。8月時点の発表文でも、SpaceXは今年後半に国際宇宙ステーションに人を送り込む計画だと述べていた。

Blue Originも計画に沿った打ち上げに向けて作業をまだ進めていて、目下の計画停滞は世界一の金持ちが支援する企業にとっては大した問題ではないだろう。Blue OriginのCEO(そして出資者でもある)にとって、同社の究極的な目標は人間が住むもうひとつの惑星を確保することだ。これは達成するのに数十年かかることのようにも思える。スミス氏やその他の人も、宇宙産業の商業面での潜在能力を確信している。

「打ち上げの回数は増えるだろうし、これまでも増加してきた」とスミス氏は語る。Blue Originの創業者によると、宇宙産業における打ち上げ回数は年3%の割合で増えてきていて、一部のマーケットアナリストはこの数字が50〜80%になる可能性がある、とみている。そしてこうした数字には、ロケットの軌道投入を考えているFacebookやAlphabet、Amazonのような企業のものは含まれない。

「打ち上げ回数は今後10年間でかなりのものになるだろう」とスミス氏は話す。何十年もの間、政府が主な顧客だった宇宙産業が変わりつつあり、「基本的に、より商業的なモデルに移行している」と同

氏は指摘した。

画像クレジット:Flickr under a license.

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(翻訳:Mizoguchi)

NASAの惑星探査用の新望遠鏡は気球に乗って大気圏の外縁に浮かぶ

最新の望遠鏡は星からの光を適切に濾過することによって、約4万メートル上空から地球に似た星を見つけることができる。その、マサチューセッツ大学 ローウェル校が作った望遠鏡は米国時間10月1日の朝、ヘリウムガスを積めたフットボール場ほどの大きさの巨大な気球に乗せられてニューメキシコ州フォートサムナーから飛び立った。

「PICTURE-C」と呼ばれるその望遠鏡は重さが800kg近くあり、長さは約4m、幅は1m近い。それを視界が澄明な地球の大気の外縁に定置するためには、それぐらい大きな気球が必要だ。それでも空中に定位できるのはほんの数時間で、その後は分解されてパラシュートで降下する。従って装置そのものは再利用性がある。

NASAが大学に560万ドルを助成した5年におよぶこのプロジェクトは、来年再び望遠鏡を気球に乗せて飛び立ち、研究者のための画像をさらにたくさん撮る予定だ。このプロジェクトで、地球に似た惑星以外のほかのものが発見されるかもしれない。環境光や他の星からの光に邪魔されない、初めてのとてもクリアな観測だから、これまでの観測では見えなかったものが初めて見える可能性がある。

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画像クレジット: NASA

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Rocket Labがロケット打ち上げ直前に異例のペイロード変更

ニュージーランドに本拠を置くロケット打ち上げサービスのRocket Lab(ロケットラボ)は、10月にAstro Digital(アストロデジタル)の衛星を軌道に乗せる商業ベースのミッション「As The Crow Flies」を発表した。興味深いのは、今回の打ち上げに当初予定していたペイロード(航空宇宙における貨物や旅客)がギリギリになって変更されたことだ。これは極めて異例だ。

10月15日から2週間の期限で予定している打ち上げで、アストロデジタルの宇宙機を地球低軌道に乗せる。ミッション名は「Corvus」(コルウス)で、アストロデジタルが過去に打ち上げた一連の画像衛星の名前がそのまま使われた。なおコルウスとはカラス属のこと。この鳥類スズメ目カラス科カラス属には、一般的なカラスや最大種のワタリガラスなどが分類されている。

今回のミッションはしばらく動かない予定だった。ロケットラボにとって今年5回目となる10月の打ち上げは、当初予定していた顧客が準備にもう少し時間が欲しいという理由で遅めの打ち上げ日を希望していた。

天候に恵まれたことに加え、エレクトロンロケット(ロケットラボのロケット名)はどれも似ているため、ロケットラボとアストロデジタルは少し早いその発射期限内に軌道に乗せると決めた。

これはロケット打ち上げの世界では珍しいことだ。ロケット打ち上げには天候などの流動的な要素が多く、届け出などの手続きも煩雑。打ち上げ日は何年も前に設定されるが、とにかく遅れやすい。それでも打ち上げられずに、発射台でさらに待つこともある。しかし、創業者兼CEOのPeter Beck(ピーター・ベック)氏が繰り返し述べているように、ロケットラボのビジネスモデルの根本にあるのは柔軟性だ。

ベック氏は9月30日の発表についてTechCrunchに「エレクトロンはオンデマンドの打ち上げサービスだ。顧客のためにいつでも準備はできている。エレクトロンは規格化され、迅速に生産できるよう設計されている。テイルナンバーまで入れるわけでもない。このため、どんな要請にも応じてロケットを待機させペイロードを割り当てることができる」と語った。

避けられない遅延が発生した場合、製品、資金、規制などの理由の如何にかかわらず、打ち上げサービスプロバイダーと顧客の両方が互いに協力する準備ができている必要がある。

ベック氏は「複雑なシステムの下、打ち上げ前にすべてを適切な状態にしておく必要がある。常に柔軟に対応して顧客にとって最適のタイミングで打ち上げたい。その努力はしているが、顧客の都合で打ち上げスケジュールを延期することも認めている。その際、我々の打ち上げ計画の他のミッションが中断されないよう気を配っている」と言う。

新しい宇宙経済が発展するにつれ、古い方法とインフラは追いつかなくなり、このような柔軟性が必要になる。どの打ち上げプロバイダーもどんなスケジュール感でも対応でき小回りのきく体制構築を目指している。世界中の小規模衛星メーカーがそういった打ち上げサービスに列をなして待っている。

10月14日以降、天候に恵まれて発射が許可されれば、マヒア半島コンプレックスからの打ち上げをライブで見ることができる。

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(翻訳:Mizoguchi)

イーロン・マスクの次世代宇宙船Starshipは半年以内に衛星軌道に、来年には有人飛行

SpaceX CEOのイーロン・マスク氏は、同社の次世代宇宙船であるStarship(スターシップ)に関する最新情報を発表した。Starshipは完全な「迅速再利用性」を実現するために設計されている。マスク氏は、スターシップの設計の背後にある技術について語ったが、それらは2017年に最初に発表されて以来、テストと開発を通じて進化を遂げてきたものだ。

数ある最新情報を説明する中で、マスク氏はStarshipが人類の惑星間フライトにどのように使われるかを説明した。その中には軌道上に打ち上げ済のタンカーStarshipとドッキングすることによって、空中で推進燃料を補充するといったことなども含まれている。これは、特に他の宇宙施設へ届けるために100トン近くの貨物を搭載する宇宙船が、打ち上げ後に地球から月または火星への移動に十分な推進燃料を補給するためには必要な措置だ。

エロン・マスク

これらには、惑星の表面に基地を建設するための資材だけでなく、惑星から惑星への長距離飛行を行う最大100人の乗客も含まれている。

とはいえ、それらは依然として非常に長期的な目標である。マスク氏は現行世代のStarshipプロトタイプの開発と軌道に乗る予定の将来のStarship、そして最初の有人飛行についても詳細に説明を行った。

Starship Mk1、Mk2、および今後登場するMk3およびMk4オービタルテスター(軌道試験機)はすべて、フィン(ヒレ)のあるデザインを備えているが、これは地球の大気に腹部を水平に保ちながら再突入し、振り子のようなスイングで姿勢を変えて、タッチダウンのために垂直状態になる前に、抵抗を高めて速度を落とせるようにするためのものだ。イベントで披露されたように、シミュレーションで示された映像は信じられないようなものだった。なにしろそれは現在のFalconブースターの着陸プロセスよりも、制御されているとはいえ、はるかに扱いにくいもののように見えたからだ。

SpaceX Starship Mk1 29再利用のための重要なコンポーネントであるStarshipプロトタイプのフロントフィンは、再突入の方向を決めるのに役立つ

マスク氏はまた、宇宙船を軌道に乗せるために使用されるブースターであるSuper Heavyで計画されている設計についても紹介を行った。Starship自身の約1.5倍の高さの、この液体酸素を動力とするロケットには、37個のラプターエンジンが搭載され(Starshipには6個しか搭載されない)、さらに6本の着陸脚と、自身が地球に帰還する際に使用する展開可能なグリッドフィンも備えている。

マスク氏が南テキサスのボカチカで発表した、テストと開発の計画に関して言えば、スターシップMk1は1〜2ヶ月のうちに最初のテスト飛行を行う予定だ。それは、7万フィート(約21.3km)よりも少し低い、準軌道高度への飛行になる。プロトタイプの宇宙船には、その飛行に使用する3つのRaptorエンジンがすでに搭載されている。

また、現在フロリダ州ケープカナベラルの別のSpaceX施設で建造中のスターシップMk2は、同様の高度試験を行う予定だ。マスク氏は、これら両方のファミリが引き続き内部で互いに競争を行い、Starshipのプロトタイプとロケットを同時に建造すると説明した。Mk3は来月からボカチカで建造が開始され、Mk4の建造は間もなくケープで開始される。マスク氏は、Mk1の準軌道旅行の後に行われる次のStarshipのフライトは、完全なSuper HeavyブースターとMk3を組み合わせた軌道打ち上げになる可能性があると述べた。

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マスク氏は、SpaceXは「ここ(ボカチカ)で宇宙船とブースターの両者を建造し、ケープでも可能な限り作業を急いでいる」と述べた。そして彼らはこの競争の結果、宇宙船の設計と製造の両方で既に「指数関数的な」改善を行えていると述べた。

例えば、Mk1は、以下のプロトタイプの詳細写真で見ることができるようなリング状の溶接パネルを使っているが、Mk3とMk4は、一箇所で溶接された宇宙船の全周を覆うステンレス鋼のフルシートを使用する。このイベントの会場にはそのようなリングが1つ置かれていた。これは、SpaceXがすでにこの部品を制作していることを示している。

このラピッドプロトタイピングにより、SpaceXは2カ月以内にMk2、3カ月でMk3、4カ月でMk4を建造してフライトを行って行くことができる。マスク氏は、Mk3またはMk5のいずれかが、軌道テストとなること、そして6か月以内にそれを達成できるようにしたいと付け加えた。最終的には、スターシップを使う有人ミッションはボカチカとケープの両方で行われる予定だ。両施設はMk4が完了するまではStarshipの生産にのみ集中し、その後Super Heavyブースターの開発が開始される。

スターシップMk1ナイト

マスク氏によれば、SpaceXは、これから最初の軌道飛行までに100基のRaptorロケットエンジンを必要とすると述べた。現在のペースでは、SpaceXは8日ごとに1基のエンジンを生産しているが、数カ月以内には2日ごとに1基に増やし、2020年の第1四半期の早い段階には毎日1基を生産できるようにする予定だ。

積極的な建造とテストサイクルを行うために、そしてマスク氏が言ったように「ブースターを1日に20回飛ばす」とか「1日に(Starshipを)3〜4回飛ばす」ためには、SpaceXは理論的な実行可能性をきわめてに迅速に証明しなければならない。マスク氏はこの結果として、早ければ来年には人間を乗せたStarshipのテスト飛行を行えるだろうと楽観していると語った。

その素早い再利用性の一部は、SpaceXがStarship用に考案した遮熱設計おかげだ。これは宇宙船の半分をステンレス鋼で仕上げて、再突入時に最も高熱のかかる底部にはセラミックタイルを使用するというものだ。マスク氏は、両者は共に再突入のストレスに対して高い抵抗力があり、ステンレス鋼ではなく炭素繊維を使用していた最初のコンセプトとは異なり、莫大なコストをかけることなく頻繁な再利用を実現することができると語った。

マスク氏は現実とあまり一致しないタイムラインを発表することで知られているが、Starshipの初期のテストでは、これまでのところ彼の予測に遅れは出ていない。

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(翻訳:sako)

イーロン・マスクがSpaceXのスターシップ宇宙船の最新情報をライブ公開

SpaceX(スペースX)でCEOを務めるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、自社の宇宙船ことStarship(スターシップ)の最新状況を発表する。マスク氏は米国時間9月28日の午後7時、南テキサスのBoca Chica(ボカチカ)にある同社のロケット組み立て施設から、「Starshipのデザイン・開発」に関する新しい情報を提供する。

今回のアップデートの背景には、Starship Mk1のプロトタイプ機がありそうだ。最初のStarhopper(スターホッパー)は、短時間の低空飛行を2回達成した。これは、プロトタイプ機のMk1による、より長時間の高高度サブオービタル飛行試験のための重要なステップである。StarhopperはRaptorのエンジンを1基しか搭載しなかったが、Mk1はRaptorのエンジンをまず3基(最終的には6基)搭載する。

これまでのSpaceXのプレゼンテーションによると、同社はStarshipと開発をすすめるブースターのSuper Heavyにより、貨物や乗組員を月や火星などに運ぶ、完全に再使用可能な輸送手段を実現することを目指している。CDT(米国中部標準時夏時間)の9月28日午後7時、JST(日本標準時)の9月29日午前9時から、この長期的な目標に向かうための次のステップが発表されるはずだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXの軌道宇宙船Starshipのプロトタイプがお披露目イベントに備えて合体

SpaceXは、Starship軌道スケール宇宙船のプロトタイプの下半分と上半分の合体作業を完了した。テキサス州ボカチカで製造中のものだ。この銀色に光り輝く宇宙船は「Mk 1」プロトタイプで、高高度テストに使用する。最終的に量産バージョンも駆動することになる、3つのRaptorエンジンがテストに使われる。米国時間9月27日、底部と上部が結合された。翌9月28日には、 SpaceX CEO、イーロン・マスク(Elon Musk)氏が、Starshipプログラムの現在までの進捗状況と、次のステップについて説明することになっている。

このプロトタイプは、すでに宇宙船のコンセプトモデルのCGとして発表されたものとは、微妙に異なった設計となっている。宇宙船の底部に2枚、頭部近くにも2枚のフィンが付けられているのだ。これらのフィンは、飛行中の操縦を容易にするためのもの。特に、ミッションを終えて、地球に戻る際の降下中の制御に有効だ。Starshipは、完全にリユース可能な宇宙船となることを意図している。この再利用可能性は、貨物を宇宙に送り出すためのSuper Heavy(スーパーヘビー)ブースターの再利用可能性と並んで、SpaceXの目標にとって非常に重要な要素だ。その目標とは、最終的に人類を複数の惑星に移住させること。さしあたって、これも十分野心的な短期的目標としては、人間を火星に定住させるというものがある。

マスク氏は、Starshiop Mk1プロトタイプに装着される、3つのRaptorエンジンの写真も公開した。Starshipが最初に飛行した際のプロトタイプは、デモとテストのためのスケールダウンした機体で、「Starhopper(スターホッパー)」というコードネームが付けられていた。Raptorエンジンは1機だけを装備し、予定通り約500フィート(152.4m)の高度に達した。今回のMk1のテストでは、高度6万3000フィート(約19.2km)まで到達することを目指している。これはマスク氏が、今年中に達成するとしていた目標だ。

米国時間9月28日には、Starshipプログラムの今後の予定についても、詳しいことが分かるはず。TechCrunchでは、テキサス州からライブでアップデートする予定だ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

次期宇宙ステーションクルーのソユーズでの打ち上げがライブ配信

国際宇宙ステーション(ISS)の第61次長期滞在クルーとして参加するNASAのJessica Meir(ジェシカ・メイア)飛行士、ロシアのOleg Skripochka(アレグ・スクリポチカ)飛行士、そしてUAE(アラブ首長国連邦)として初となるHazza Ali Almansoori(ハザ・アリ・アルマンスオリ)飛行士が、Soyuz(ソユーズ)宇宙船に搭乗して打ち上げられる。

ソユーズは米国時間9月25日、東部夏時間の午前9時57分にカザフスタンから打ち上げられる予定で、打ち上げのおよそ6時間後、東部夏時間の午後3時頃にISSとドッキングする予定だ。これはスクリポチカ飛行士にとって3回目の打ち上げだが、UAEとRocscosmos(ロスコスモス、ロシアの国営企業)との契約で8日間のミッションに参加するアルマンスオリ飛行士や、メイア飛行士にとっては初めてのものだ。

ISSに到着すると、宇宙ステーションの滞在人数は合計9人となる。そしてメイアr飛行士とクリポチカ飛行士はともに、ISSで6カ月以上にわたり研究と実験を行う予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

NASAが月ミッションに向けOrion宇宙船最大12機をロッキード・マーチンに発注

NASAは少なくとも6機、最大で12機のOrion宇宙船をLockheed Martin(ロッキード・マーティン)に発注した。Orionは同社が有人宇宙飛行ミッションのために特別に設計/製造した宇宙船で、最初のOrionは来年に予定されている初の月ミッションの準備に先立ち最近完成した。

今回の契約は、NASAが2024年の目標として掲げている月への有人飛行を実現する最初のミッションと、2030年9月30日までの期間におよぶ追加ミッションを対象としたものだ。当面の具体的なミッションはArtemis III〜Artemis Vで、契約額は27億ドル(約2900億円)となる。NASAは2022年に、Orion発注の第2弾となるArtemis VI〜Artemis VIIIの注文を予定しており、19億ドル(約2000億円)で発注する予定だ。NASAによると、これは意図的に3機のOrionを注文することで「後のサプライチェーンの効率化の恩恵が得られる」としており、これがおそらく8億ドル(約860億円)の価格差の原因だろう。

NASAはまた、宇宙船の再使用によってコスト効率を高めたいと考えている。同宇宙局は、Artemis計画の最初の有人ミッションであるArtemis II(これは月の周囲を飛行するのみで、着陸は実施しない)から、少なくとも1機につき1回はOrionを再使用したいと考えている。NASAはまた、このOrionの契約はLunar Gatewayプロジェクトにも役立つだろうと述べており、宇宙船の部品の再使用は将来の月ミッションをサポートする月周辺の宇宙ステーション計画や、火星やさらに遠い領域へのステージミッションに貢献するとしている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter