愛犬家のためのD2Cブランド「WON」が高級おやつの試食セット「ワンソナライズ・キット」を販売開始

愛犬のためのD2Cブランド「WON」が高級おやつの試食セット「ワンソナライズ・キット」を販売開始

愛犬家のためのD2Cブランド「WON」(ワン)を運営するAntelope(アンテロープ)は8月11日、国内初となる、愛犬にパーソナライズならぬ「ワンソナライズ」したおやつが届く「ワンソナライズ・キット」の販売を開始した。これは、「ワンソナライズ診断」により愛犬にぴったりのおやつが提案される、初回限定のお試しキットだ。価格は4620円(1キット6種類入り。税込)。オープン記念限定価格は4290円(税込)となっている。

WONは、人間が食べられる上質な食材から、「最高のごほうび体験」となるおやつ(トリート)を自家製法で手作しており、「ワンソナライズ・キット」では、犬の体、状態、好みに合ったおやつを選んで試食ができる。まずは、「ワンソナライズ診断」で犬に関するいくつかの質問に答えると、犬のタイプが示され、お薦めのおやつが何種類か提示される。そこから6種類を選んで注文する。これらを試し、気に入ったものを正式に購入する(単品購入は会員限定)という流れになる。

食材には大変なこだわりがあり、国産ジビエやご当地ブランド肉、漁師直送の魚、有機農法の野菜や果物が使われている。そしてこれらの食材の特性を損なわないよう、オリジナル製法で手作りされている。

おやつは全部で16種類。肉、魚、クッキー、野菜、果物のカテゴリーがある。

スモークド・ジャーキー(ミート)

  • 伊豆半島産の鹿肉
  • 長崎芳寿豚
  • 西天城高原の「わさびダチョウ」
  • 甲州の銘柄地鶏「信玄鶏」

スモークド・ジャーキー(フィッシュ)

  • 天然マグロ
  • 北海道の天然真鱈
  • 鹿児島県の天然きびなご

ギルトフリー・クッキー

  • イタリア産マスカルポーネを使ったチーズクッキー
  • 島バナナとオートミールのオーガニックプレスクッキー
  • 高野豆腐のヘルシークッキー
  • 北海道産大豆の納豆燻製仕上げクッキー

オーガニック・ドライフルーツ

  • 有機バナナのドライチップス
  • 有機キウイのドライフルーツ

オーガニック・ベジーチップス

  • 国産有機ジャガイモのノンフライチップス
  • 国産有機大根の燻製チップス
  • 有機トマトの濃縮ドライトマト

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ダイエットやボディメイクを栄養バランスの取れた食事でサポートする宅食サービス「マッスルデリ」が2.5億円調達

ダイエットやボディメイクを栄養バランスの取れた食事でサポートする宅食サービス「マッスルデリ」が2.5億円調達

ダイエットやボディメイクを食でサポートするMuscle Deli(マッスルデリ)は7月30日、第三者割当増資や間接金融も含め約2億5000万円の資金調達を発表した。引受先は、三菱UFJキャピタル、個人投資家の竹内真氏(ビジョナル 取締役CTO)など。またCOO(最高執行責任者)の須藤大輔氏およびCXO(最高体験責任者)の山岡大介氏加入による新たな経営体制も明らかにした。

調達した資金は、新サービスの開発、プロモーションおよび組織体制の強化にあてる予定。これにより、健康・栄養を考えた食事領域における新たなビジネス展開に向けた人材採用、商品およびサービスの開発や外部連携を順次開始する。

2016年11月設立のMuscle Deliは、「食が生み出す最高の自分、最高の世界」をビジョンに、2017年5月末よりダイエットやボディメイクを最適な栄養バランスの取れた食事でサポートする宅食ボディメイクフードブランド「マッスルデリ」を提供している。同サービスは、管理栄養士監修の高タンパク低カロリーな食事を冷凍で宅配するサブスクリプション事業という。買い出し・調理・片付け不要のため、マッスルデリを活用することで、誰でも時短かつ手軽に最適な栄養バランスの食生活を実現できるとしている。

Muscle Deliは、近年の健康意識や宅食需要の高まりも踏まえ、最適な栄養バランスを手軽に利用できる「宅食スタートアップ」としてのさらなる成長を目指しており、経営体制・サービス開発、採用強化などに様々な領域の強化を模索し、今回の資金調達・経営体制強化を実現したという。

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出張シェフが1食600円台で作り置き、シェアダインが急拡大で「年内に全国展開も視野」

出張シェフがユーザーの自宅に訪問し、家族の食事を作り置きしてくれるサービス「シェアダイン」が人気だ。シェアダインは、さまざまな料理に対応できる管理栄養士や栄養士、調理師、レストランシェフなどの「食の専門家」と、食の悩みを持つユーザーをマッチングするプラットフォームサービスとなる。

1度の訪問における合計の出費は、税込み7480円の「フリープラン(シェフの指名なし)」であれば、平均的な食材費3500円を加えて約1万980円で、12品(16食分)の料理ができ、1食当たり税込み686円で利用できる。4人家族であれば4日分、単身世帯であれば2週間ほどの食事量に相当する。

厚生労働省の調査によると、2020年における月間の平均食料消費支出は、2人以上の世帯で約8万円となっている。フリープランであれば、1回の食糧費3500円を加えても、月4回利用で約4万3920円。平均よりも安く消費支出を抑えながら「食の専門家」が作る料理を楽しむことができるのだ。

同サービスを提供するシェアダインは2017年5月に設立し、18年からサービスを始めた。子育てをする中で家庭の食卓に悩みを持っていた井出有希氏と飯田陽狩氏が共同代表を務めている。現在は毎月100人前後が出張シェフとして登録しているなど、急拡大するサービスについて、井出氏に話を聞いた。

出張シェフが無料の買い物代行も

会員登録は無料で、利用方法はシンプルだ。シェアダインのページで、最寄り駅やプランから出張シェフを選ぶことができる。幅広いプランが用意されており、妊活・産前産後や離乳食、生活習慣病、食育、筋トレ、ダイエット、介護、偏食、お弁当など、ユーザーは自身に合った料理を選べる。選ぶだけでなく、アレルギー対応や具体的な食の悩みについても事前にシェフに相談できる。

シェフは食材の買い出し代行も無料で行う。また、訪問した3時間の中で、調理した12品前後の料理について保存方法やアレンジ方法の説明、キッチン周りの片づけまでする。訪問後は、ユーザーからの料理に関する質問に答える他、簡単なレシピの共有にも応じる。

2019年4月からはサブスク型の提供も始め、月2(隔週)のプランで税込み1万4960円からとなる。料金設定はシェフが行っており、シェアダインは20%の手数料を取っている。サブスクは月2回、月3回、月4回とあるが、利用回数とシェフの設定料金を掛け合わせた金額が、月額の費用になる。

なお、どのプランでも食材費は別途かかるものの、買い物代行費や交通費などは表示価格に初めから組み込まれ、プラスされることはない。この他、単発での申込みやお試しプランなども用意している。

コロナ禍におけるシェフを支援

コロナ禍でいわゆる「おうち時間」が増える中、ユーザーとシェフの獲得に弾みがついた。2021年6月時点で、コロナ禍以前(2019年12月)と比べてユーザーは4倍に増えた。ローンチ当初は子育て世帯の利用がほとんどだったが、最近では単身世帯やシニアの利用も増加。単身世帯には家飲みのおつまみプランなどを打ち出した他、オンラインに手を出しづらいシニア向けには電話予約窓口を新たに開設し、新たなニーズの取り込みには力を入れてきた。

一方、シェフの獲得にも尽力してきた。2020年から複数回にわたり「飲食店料理人応援プログラム」を実施。コロナ禍で深刻な打撃を受けた飲食業の料理人が「出張シェフ」としてデビューできるように支援するプログラムを打ち出してきた。

「シェアダインに登録する食の専門家(料理人)は現在1600人に上り、2021年1月からは毎月100人前後が登録しています」と井出氏は語る。シェフ登録時には面談や実技試験、衛生研修などを行う。出張シェフ候補者は実際にシェアダインスタッフの自宅に訪問し、時間内に決められた品数を調理できるかなどを試験するという。

「我われが定めるガイドラインに則った衛生管理項目をクリアしているかなどの他、訪問前のチャットのやり取りも見ています。チャットについても、マニュアルを用意しています」と井出氏はシェフの質の担保には特に気を配っている。

また、サービス提供エリアも拡がっている。2021年6月時点で青森、新潟、東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、群馬、山梨、愛知、岐阜、三重、大阪、京都、奈良、兵庫、滋賀で利用可能。「チャレンジングではありますが、年内には全国47都道府県の展開も視野に入っています」と井出氏は自信をみせる。

「理解してもらえなかった」創業当初の悩み

シェアダインは法人向けサービスの展開も進めている。2019年10月から、従業員向けの食事セミナーや出張料理サービスを合わせた「シェアダインウェルネス」を始め、大企業から医療法人まで導入が進んでいるという。

また、コロナ禍で在宅勤務が増えている中、社員同士のコミュニケーション不足を課題に感じている企業向けに、オンラインクッキングを通じた新たなサービスも始めた。

井出氏は「直近では新しい社内懇親会のカタチとして、300人規模でオンラインのクッキングイベントをプロデュースしました。イベント前に300人の各家庭に当日に使用する食材をお送りし、オンラインでシェフと一緒に料理を作るという仕組みです。まず1つ事例ができたので、これからパッケージとしてどんどん売り出していく考えです」と説明した。

今後の展開について、井出氏はこう語る。「私と共同代表の飯田のように、家庭の食卓に悩みを抱える人は多いと思います。ですが、設立直後、シェアダインのサービスは理解してもらえませんでした。家庭の食卓はまだまだ『女性が考えるべき』といった風潮があり、そもそも話を聞いてもらえないということもありました。だからこそ、そのような悩みを解決策として『出張シェフ』というサービスを当たり前にしていきたい。社会課題として認知が進むようにしっかりと啓発活動も行っていきたいと考えています」。

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実験室でフォアグラを生み出すスタートアップ「Gourmey」

フランスのスタートアップGourmey(グルメイ)が、株式と融資による1000万ドル(約11億円)のシードラウンドを実施した。このスタートアップは、実験室で動物の細胞からの食肉培養に取り組んでいる。特に同社は家禽類に力を入れており、世の中のシェフたちに同社の製品をレストランで採用してもらうことを目指している。

「私たちは2万年前から動物を飼育してきました」と語るのは共同創業者でCEOのNicolas Morin-Forest(ニコラ・モラン・フォレスト)氏だ。「私たちは細胞を育てます。こうすることで食べる分だけ生産できるので、はるかに効率的なのです」。

他の2人の共同創業者であるVictor Sayous(ビクター・サユー)氏とAntoine Davydoff(アントワーヌ・ダヴィドフ)氏は、分子生物学と細胞生物学のバックグラウンドを持っている。スタートアップのためにチームを組んだ彼らは、集約的な畜産の検討を始めた。

「このテーマに足を踏み入れてみると、これは単に動物愛護だけではなく、地球や人類にも関わることなのだと気づかされます」とモラン・フォレスト氏は語る。

Gourmeyは、肉の代替品を作り、それを大衆向けの商品にしたいと考えているスタートアップ企業たちの一員だ。従来の食肉を代替しようとした第一世代のスタートアップたちは、植物由来の代替品に大きく賭けていた。Beyond Meat(ビヨンド・ミート)やLivekindly Collective(ライブカインドリー・コレクティブ)などがよく知られている。

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最近では、Eat Just(イート・ジャスト)、Mosa Meat(モサ・ミート)、Meatable(ミータブル)など、細胞を使った肉に注目している新世代のスタートアップ生まれている。Gourmeyは、実験室で肉の培養を行うフランス初のスタートアップだ。

他の実験室食肉培養スタートアップと同様に、Gourmeyは幹細胞(ステムセル)を利用している。その細胞を、適切な温度で適切な栄養素と組み合わせて、バイオリアクターの中で成長させる。

Gourmeyは、プレミアム製品とプレミアム販売戦略からスタートする。彼らのスタートアップは、人工培養されたフォアグラ──彼らの言葉を借りるなら、屠殺を行わないフォアグラに取り組んでいる。フォアグラの味を再現するのもまた複雑な作業であるため、Gourmeyはそこに大きな期待を寄せている。

国によっては、フォアグラには大きな不名誉が与えられ、スーパーの棚から撤去されている。その結果、実験室で培養されたフォアグラに魅力を感じる人もいることだろう。Gourmeyは、特にシェフたちに第1弾の製品を試してもらい、高級レストランで使用してもらいたいと考えている。またGourmeyは、その製品を通常のフォアグラとほぼ同じ価格で販売したいと考えている。

そしてスタートアップの規模が大きくなるにつれて、より多くのマスマーケット向け製品を発売することを考えている。生産ラインが最適化され、Gourmeyの製品に十分な需要が生まれれば、他の鶏肉や鴨肉などの製品も登場することだろう。

スタートアップが実験室で作った製品を世界で販売するには、いくつかの規制上のハードルをクリアする必要がある。Eat Justはシンガポールで、実験室で培養された肉の販売を開始したが、たとえばヨーロッパで培養肉が見られるようになるにはまだ数年かかるだろう。そのような新製品は、食品安全規制当局が承認する必要があるからだ。

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Gourmeyの資金調達に関しては、Point NineとAir Street Capitalが共同で1000万ドル(約11億円)のシードラウンドを主導している。Heartcore Capital、Partech、Big Idea Ventures、Eutopia、Ataraxia、Beyond Investingそして数名のエンジェル投資家もラウンドに参加している。Gourmeyは、Bpifrance(公共投資銀行)や欧州委員会などの公的機関からも支援を受けている。

Point NineのマネージングパートナーであるChristoph Janz(クリストフ・ジャンズ)氏は「培養肉は、エネルギー効率が高く、持続可能なタンパク質を世界に提供するための最も有望なソリューションの1つです」と述べている。「しかし、本物に負けない味が成功の鍵を握っていることに変わりはありません。私たちは、Gourmeyのおいしい製品と、科学と味の両面で記録的な速さで進歩する同社の能力に、心から感銘を受けました」。

今回の資金調達により、同社はパリにパイロット生産ラインを設置する予定だ。フォアグラ製品を販売できるようになるのは、2022年後半から2023年前半を予定している。

画像クレジット:Gourmey

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画像クレジット:Gourmey

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(文:Romain Dillet、翻訳:sako)

料理を学びたい人向けミールキット宅配「シェフレピ」がレシピと動画のみ版「#シェフレピアーカイブ」を期間限定で提供

料理を学びたい人向けミールキット宅配「シェフレピ」がレシピと動画のみ版「#シェフレピアーカイブ」を期間限定で提供

本格的な料理を学びたい人向けのミールキット宅配サービス「シェフレピ」を展開するefoo(イフー)は7月12日、レシピと動画のみを販売するサービス「#シェフレピアーカイブ(β版)」を期間限定で開始すると発表した。購入できるのは「シェフレピ」で過去に発表した全10品と、正式公開前の9月に発売されたレシピ10品の計20品。

シェフレピは、家事労働の軽減やメニューの質の向上を目的とした「家事改善型」とは異なり、「シェフのテクニックや食材の知識といった知的財産」の習得に特化した「スタディ型」のミールキット・サービス。2021年4月からサービスを開始したが、5月は売上げ前月比1.35倍(販売初日から20日間の売り上げで算出)、6月は前月比1.93倍(月初から月末の売り上げで算出)と大きく成長しているという。しかし、相次ぐ緊急事態制限で内食需要が高まり、またミールキットの配達区域外の人から、レシピと動画だけでも販売してほしいとの要望を受け、食材のつかない「#シェフレピアーカイブ(β版)」をスタートさせた。

販売期間は7月12日12時から8月22日23時59分まで。購買者には、レシピのPDFデータと調理動画のURLを記載したメールが送られてくる。販売レシピは次のとおり。価格はそれぞれ1500円(税込)。

煮込み特集

  • 米沢豚のトムセップ風|h.b.(フリーランス料理人)
  • 牛ホホ肉の赤ワイン煮込み|大森雄哉(TOYO Tokyo)
  • ウサギ肉のバスク風シードル煮込み|清水和博(エチョラ)
  • ブランケット・ド・ヴォー(仔牛肉のクリーム煮込み)|白竹俊貴(ペルティカ)

ラム肉特集

  • 水煮羊肉片(スイジュウユイロウピェン)|東浩司(AUBE)
  • ラム肩ロースのラグーと手打ちカバテッリ パスクア(復活祭)風 グリーンピースと木の芽添え|田淵拓(サッカパウ)
  • ごまとクミンで香りを付けたラムチョップのロースト ひよこ豆のピュレ添え|福田浩二(プルマン東京)
  • 仔羊背肉のローストと骨つきバラ肉のブレゼ|宮島由香里(フランス料理人)

スパイス×肉特集

  • スパイスをまぶした鴨ムネ肉のエギュイエット 焼きリンゴとゴボウのチップス|h.b.(フリー料理人)
  • 石黒農場ホロホロ鳥のバロティーヌ馬告とスモークパプリカ|小泉敦子(フランス料理人)

また同時に、正式リリース前の9月に販売していた、以下の「幻」のβ版レシピも販売。価格はそれぞれ1400円(税込)。

「幻」のβ版レシピ

  • 海水のフィロ|竹矢匠吾(フリー料理人)
  • 季節の果物とオレンジのグラニテ|竹矢匠吾(フリー料理人)
  • 蟹のグラタン~バスク風~|清水和博(エチョラ)
  • 鶏肉のバスク風煮込み|清水和博(エチョラ)
  • 豚肩ロースとムール貝のフヌイユ風味|h.b.(フリーランス料理人)
  • 羊肉のクスクス|h.b.(フリーランス料理人)
  • 麻婆豆腐|yuccho(フリーランス料理人)
  • 四川風ごまだれ雲呑(ワンタン)|yuccho(フリーランス料理人)
  • ラザニア|表原平(ペルトナーレ)
  • ネチっと食感のパンナコッタ~季節の果物のソース~|表原平(ペルトナーレ)

今回の取り組みは、緊急事態宣言で苦しむ料理人たちを応援する目的もあり、レシピが1つ売れるごとに、それを考案したシェフに1000円が還元される仕組みになっている。以前にミールキットを購入した人が、シェフを応援する目的で再度購入する場合は500引き(β版は400円引き)クーポンが発行される。この場合も、考案シェフには1000円が還元される。

「お力をお借りしているシェフのみなさんに『いつか』お返しをしなければ」と思い続けてきた共同創設者・代表取締役の山本篤氏は、今こそ応援すべきときだと、まだ準備が不十分ながらβ版として「#シェフレピアーカイブ」の販売に踏み切ったという。シェフレピには、本格的な料理を指導するという目的以外に、「シェフのレシピで料理をする」文化を創出してシェフの存在感を高め、「シェフの知的財産」に価値が付けられるような未来を創造することも掲げていると、山本氏は話している。

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買い物データから栄養を分析しレシピを提案する「SIRU+」と西鉄ストアが健康的食生活を支援する社会実験を開始

「がんばらないヘルスケアアプリ」SIRU+と西鉄ストアが買い物内容から健康的食生活を提案する社会実験を開始

買い物から健康的な食生活を目指す「がんばらないヘルスケアアプリ」SIRU+(シルタス。Android版iOS版)を展開するシルタスは7月12日、西鉄ストアと共同で、福岡ヘルス・ラボの支援を受けた健康寿命延伸のための社会実験を開始すると発表した。

購買履歴から栄養を分析し食材・レシピを提案するSIRU+と西鉄ストアが買い物内容から健康的食生活を支援する社会実験を開始

2019年からサービスを開始した「SIRU+」は、スーパーのポイントカードなどを紐付けることで、購買履歴から栄養の偏りを可視化し、栄養バランスが整う食材やレシピを提案するというアプリ。消費者には、より健康的な食材の購入に役立ち、スーパー側にとっては、店舗や地域ごとの消費者の栄養傾向がわかり、健康的な品揃えの参考にできるという。

今回の実験では、福岡市内で西鉄ストアが運営する「にしてつストア レガット」22店舗において、にしてつストアの「ナイスカード」または「あんくるふじやカード」を持つ20代から60代の男女を対象に、購入商品の栄養バランスを自動的に分析し、不足栄養素を補う食品やレシピを提案する。2021年7月15日から8月15日まで被験者の募集を行い、利用開始から6カ月間続けられる。

社会実験の概要

  • 募集期間:2021年7月15日~8月15日(300名程度想定)
  • 参加方法:募集期間中、にしてつストアのポイントカードをアプリに登録。利用は無料
  • 実験期間:利用開始日から6カ月間
  • 対象者:「ナイスカード」または「あんくるふじやカード」を所有する20代〜60代の男女(既往などによる食事制限がない方、妊娠中・授乳中でない方)
  • 実施店舗:福岡市内の、にしてつストア・レガネットの22店舗(SIRU+利用可能店舗は、市外店舗を含む61店舗)
  • 検証内容:SIRU+の利用前後における、参加者の栄養摂取状況や健康意識、購買意識、購買行動の変化

この実験は、福岡市と福岡地域戦略推進協議会が設立した「福岡ヘルス・ラボ」の支援によるもの。福岡ヘルス・ラボは、リビングラボ(市民参加型の共創活動)の手法で、市民、企業、大学などが一体となり社会課題を解決するという取り組み。実験は、その第三期事業に採択されたことで実現した。

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「フレンチランドリー」シェフ監修のベジタリアンミールキット「Simple Feast」が米国に進出

Simple Feastは、投資家からの4500万ドル(約48億9000万円)の資金調達を背景に、米国の最も富裕な20%を加工食品から解き放すべく、事業拡大を目指して米国に上陸した。

ヨーロッパ発のスタートアップであるSimple Feastは、LIVEKINDLY Collectiveのプレイブックを参考にして米国市場に挑もうとしている。グルメな調理済みの食事にはグルメなお値段がついており、より風味豊かで美味なベジタリアンメニューを提供することで、米国人の肉食を減らすことをミッションとしている。

LIVEKINDLY Collectiveはこの戦略により、最近の資金調達で3億3500万ドル(約364億3000万円)を獲得し、ベジタリアン食品ブランドの分野で最も資本力のある新規参入企業の1つとなっている。

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Simple Feastの共同創業者兼CEOであるJakob Jønck(ヤコブ・ヨンク)氏は「一般的な健康問題は、ほとんどが私たちが口に入れるものに起因しています」と語る。

Simple Feastは、カリフォルニアのFrench Laundry(フレンチランドリー)やノルウェーのNoma(ノーマ)など、世界の最高級レストランのシェフが開発したメニューをパッケージ化したミールキットを、財布に余裕のある米国人向けに提供している。こうしたレストランで外食すれば、1人あたりの食事代は350ドル(約3万8000円)ほどかかる。

同社の場合、2〜3人用の3種の調理済みの食事は1週間で約98ドル(約1万700円)、4〜5人家族の場合は1週間で159ドル(約1万7300円)となる。

Simple Feastの米国市場への進出は、同社のサービスのごく一部にすぎない。北欧では、肉食を減らしたい人を対象に、約30種類の商品を提供している。

ヨンク氏が指摘するように、この製品はミールキットというカテゴリーの中で最も高い利益率を実現しているため、投資家たちは同社の製品を高く評価している。

これらの出資者には、ヨーロッパのベンチャーキャピタルであるBaldton CapitalやKinnevik、ニューヨークを拠点とする14Wなどが含まれる。

同社の顧客は子どもを持つ母親が中心で、その収入は人口の上位20%に相当する。彼らは一般の人々よりもはるかに裕福かもしれないが、米国の工業型食糧システムの最悪の側面、つまり糖尿病や肥満などの慢性疾患を爆発的に増加させる原因となっている高度に加工された食品にさらされているのに違いはない、とヨンク氏はいう。

ランド研究所(Rand Institute)などのデータによると、米国では栄養不足やそれに起因する慢性疾患の負担が、低所得者層や中所得者層に偏っていることがわかっている。

米国では健康が大きな問題となっており、2016年から2030年の間に、年間7940億ドル(約86兆3200億円)の生産性が失われると推定されている。学術誌Health Affairsの記事では、公共政策シンクタンクである合同政治経済研究所(Joint Center for Political and Economic Studies)の研究結果を引用し、健康上の不公平や早死には、米国経済に年間3093億ドル(約33兆6200億円)の損失をもたらすと推定している。

しかしこれらのコストは、主に米国の貧困層、特にマイノリティが負担している。「有色人種は白人に比べ、糖尿病、肥満、脳卒中、心臓病、がんの罹患率が高い」とHealth Affairsの記事は述べている。

Simple Feastはこの問題の解決に取り組んでいる、とヨンク氏はいう。欧州の小売店で販売されている同社の調理済みミールキットの価格は、約15ドル(約1630円)だとも。同社は米国の最低賃金をはるかに上回る給料を従業員に提供し、米国の貧富の格差を少しでも改善する役割を果たしていきたいという。

「これは、根本から変わらなければならない業界との駆け引きです。既存のシステムを変える必要があります」とヨンク氏は語った。

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画像クレジット:Caiaimage/Adam Gault / Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Aya Nakazato)