NASAとSpaceXによる初の商業有人宇宙飛行の準備完了

NASA(米航空宇宙局)とSpaceX(スペースエックス)は、2010年の商業乗員輸送プログラム開始以来、両社が準備を続けてきた瞬間に限りなく迫っている。SpaceXのFalcon 9(ファルコン・ナイン)ロケットおよび宇宙船Crew Dragon(クルードラゴン)は、NASAのDoug Hurley(ダグ・ハーレー)、Bob Behnken(ボブ・ベンケン)両宇宙飛行士を乗せて国際宇宙ステーションへの旅に飛び立つ準備を完了し、米国時間5月25日にNASAとSpaceXは、最終飛行準備完了確認審査を終えたことを発表した。これは、打ち上げに向けてすべての準備が整ったことを意味している。

NASAの商業乗員輸送プログラムのマネージャーであるKathy Leuders(キャシー・ロイダーズ)氏は25日の記者会見で、現時点までの打ち上げ前確認作業は、Falcon9の地上燃焼テスト、ハーレー、ベンケン両宇宙飛行士がロケットに固定される打ち上げ前最終リハーサルを含め、すべて滞りなく終了したと語った。

SpaceXとNASAにとって唯一残る大きな課題は天候であり、東部標準時間5月27日16時33分に予定されている打ち上げの実施可能性は現在約40%にすぎないが、25日の会見で当局者は,現在の気候は上向きだと話している。

SpaceXとNASAは現在から27日までの天候に細心の注意を払うことになる。そしてこれは人間宇宙飛行士が搭乗する極めて神経を使うミッションであることから、もし天候がよくなければ安全方向に舵を切って打ち上げを延期する可能性が高い。延期に備えて5月30日が予備日として用意されており、さらに5月31日も準備されている。

SpaceXの機能保証担当副社長であるHans Koenigsmann(ハンス・ケーニヒスマン)氏は、22日の地上燃焼テストには「何の障害もなかった」ことを伝え、ドレスリハーサルで本物の飛行士がCrew Dragonに乗り込むところを見たことは、この瞬間の大切さと影響力を強調するものだったと語った。これはSpaceXにとって初めての有人宇宙飛行であり、米国の地から宇宙飛行士が飛び立つのは2011年のスペースシャトルプログラム終了以来の出来事だ。

ケーニヒスマン氏から打ち上げ当日のスケジュール説明があり、ハーレー氏とベンケン氏は4時間前に服装などの準備を整え、Tesla Model Xの宇宙飛行士輸送特別仕様車で約3時間前に到着、カプセルには発射時刻の2時間半前に乗り込む。そこから後はこれまでのFalcon 9打ちあげとほぼ同じで、同氏によると唯一違うのは発射45分前に脱出システムが装着され、10分後に取り外される点で、その後は他のFalcon 9と同じように自動打ち上げシステムが制御を引き継ぐ。

打ち上げられた後、ハーレー氏とベンケン氏は軌道上で19時間過ごし、ドッキングの30分前に、軌道上昇噴射と手動飛行テスト(Crew Dragonはそれ以外完全自動制御下にある)を行う。その後ドッキングして約2時間後にハッチを開く。

ハーレー氏とベンケン氏がISS出発して帰還するスケジュールは流動的で、打ち上げ後6~16週間の間にNASAから発表される。両宇宙飛行士は再びCrew Dragonに乗り込み、宇宙服を装着してステーションを離れてから約2時間後に大西洋に着水して回収される。

これは長年の努力の結晶であり、商業乗員輸送プログラム初の有人飛行となる。成功すればSpaceXは、飛行士を宇宙ステーションと往復させる通常任務としての有人飛行を、早ければ2020年中に開始できる可能性がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Netflixの『スペース・フォース』の予告第1弾が公開、『The Office』のスティーヴ・カレルが主演

Netflix(ネットフリックス)は、米軍をパロディ風に描いた最新シリーズ『Space Force(スペース・フォース)』の最初のトレーラーを公開した。このプロジェクトは、宇宙に焦点を当てた軍種が公式発表された直後に公開されたもので、実際の米国宇宙軍が発足したばかりであるにも関わらず、このように短期間のうちに洗練された作品のトレーラーが公開されたのは、非常に印象的だ。

シリーズは5月29日(ちょうど、NASAとSpaceXが初の民間宇宙船によるデモ飛行を行い、有人宇宙飛行を再開する予定日の2日後)から始まり、Steve Carell(スティーヴ・カレル)や John Malkovich(ジョン・マルコヴィッチ)、Diana Silvers(ダイアナ・シルバー)、Tawny Newsome(タウニー・ニューサム)、Lisa Kudrow(リサ・クドロウ)、Ben Schwartz(ベン・シュワルツ)が出演する。もしこのトレーラーから 『The Office(ジ・オフィス)』のような雰囲気を明らかに感じたら、それには正しい。同シリーズのクリエーターとなるGreg Daniels(グレッグ・ダニエルズ)を含め、クリエイティブチームの多くが『Space Force』に関わっている。

この雰囲気からこのシリーズを『The Office but with space army』と表現したくなるが、それはスティーヴ・カレルとMicheal Scott(マイケル・スコット)が演じる登場人物がしゃべっているとことから強力に連想させられるだけだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

MITが布に織り込んで洗濯機で洗濯できる常時健康モニタリング用センサーを開発

MITが開発した新しいタイプの軽量センサーは、布のような曲げられる素材に組み込める。たとえばそれをアスリートのウェアに織り込めば、体温や心拍数、呼吸数などのバイタルを常時モニタできる。また洗濯機で洗えるし、外から見て目立つものが何もない。あるいは織り込まずに取り外せるようにすると、複数の衣類で使える。

このセンサーの研究プロトタイプはスマートフォンと通信でき、最終的には中国のパートナーが量産する。応用分野は健康産業のほかに、宇宙飛行士の生命兆候を知るなど宇宙での利用も考えられる。MITのこの研究は、NASAとMITメディアラボの宇宙探究計画も出資しているが、ポテンシャルが圧倒的に大きいのは地球上での利用だ。とりわけ、COVID-19に悩まされている今は、将来のもっとコントロールの幅が広がったバージョンが、ヘルスケアの分野で多用されるだろう。

中でもとくにこれは、定常的なモニタリングと医師の診察を必要とする慢性病患者にとって費用効果が高くて容易な方法であり、多くの場合手作業で一貫性を維持することが難しかった記録の作成と維持を助けるだろう。記録の更新を人間の手や遠隔医療に頼るのではなく、患者自身がバイオメトリックデータの安定的なストリームを、治療をモニタしているヘルスケアのプロフェッショナルに提供できる。そしてそのプロセスを自動化すれば、患者と介護者の両方がつねに最新の状態情報をリアルタイムで提供し取得できる。

遠隔医療はCOVID-19のおかげですでに需要が急増しており、患者もヘルスケアのプロフェッショナルも共に、COVID-19の感染リスクを下げながらヘルスケアのニーズを継続的に管理する方法を求めている。とくに重要な対象は、慢性病や既往症を抱える弱者だ。

アメリカのプライマリーケアのスタートアップForwardなどは、すでにこの方式を実験している、。それは、バイオメトリックのセンサーを自宅にいる患者に配布してモニタするやり方だ。インターネットに接続されるセンサー(コネクテッドセンサー)を作っているKinsaも、匿名のバイオメトリックデータを集積するやり方に価値を見出している。それはセンサーのデータをマッピングしてCOVID-19の拡散の兆候、とくに地域における発熱の広がりを調べようとする。

衣類に埋め込まれるウェアラブルなセンサーは、前にも試みられ、製品化されたこともある。でも今回のMITのバージョンは、もっとも着用のなじみが良く、邪魔にならず、快適だ。将来、健康データの常時モニタリングによってパンデミックのもっと良質なモデリングが可能になれば、まさにこのセンサーがイノベーションの最先端として注目されるだろう。

画像クレジット: MIT

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

SpaceXのCrew Dragonが最初の有人飛行に備えてフロリダへ移動

SpaceXが、宇宙飛行士が乗る商用の有人宇宙船Crew Dragon(クルー・ドラゴン)をフロリダに移した。すべてが計画通りに行けば、2〜3か月後にはここからの打ち上げが行われる。Crew Dragonのカプセルは今、打ち上げ前の最後の試験と点検がフロリダで行われている。それはFalcon 9ロケットの上部に装着され、NASAの宇宙飛行士Bob Behnken(ボブ・ベンケン)氏とDoug Hurley(ダグ・ハーリー)氏を乗せて、フロリダのケープカナベラル空軍基地から打ち上げられる。

ベンケン氏とハーリー氏はCrew Dragonに乗って国際宇宙ステーション(International Space Station、ISS)へ向かう。それはSpaceXとNASAが「Demo-2」というコードネームで呼ぶデモンストレーションミッションの一環で、ISSまでの有人往復定期便の可能性を検証する試験の重要な一部でもある。SpaceXのCrew DragonとBoeing(ボーイング)の有人宇宙船Starliner CST-100の2つが、 NASAのためにその運用ステータスを達成すべき宇宙船とされている。なおボーイングの機は、目下開発と試験中である。

NASAの宇宙飛行士を乗せた宇宙ステーションへの往復飛行を前にしてCrew Dragonはフロリダへ移った。

ボーイングの宇宙船は最近何らかの問題に遭遇して試験の締め切りを延ばし、宇宙飛行士を乗せた最初の飛行を行うという目標に遅れが生じた。Starlinerは12月に行われた無人のデモンストレーションミッションで、深刻と思われる2つのソフトウェアの問題に遭遇した。今NASAと同社は修正活動を行なっており、それにはボーイングとそのソフトウェア開発および試験工程の安全性の見直しが含まれている。

一方SpaceXは1月に飛行中のアボートテストを行い、有人のデモミッションへ向かう前に必要とされる最後の重要なデモンストレーションを終えた。そのテストはあらゆる点で成功であり、Crew Dragonが予期せざるエラー時には自分を打ち上げ機から分離して離れ、乗客である宇宙飛行士の安全を確保することを示した。

SpaceXは、有人飛行の商用運用の前の、最後の段階で計画されているデモの、準備過程の詳細を共有してきた。たとえば今週初めのツイートでは、同社の宇宙船が超音波試験を行っていることを報告した。現在、Demo-2ミッションは暫定的に5月2日に行われるとされているが、ミッションのニーズや残る準備の進捗によっては早まることも延期されることもありえる。

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SpaceXが10回連続でパラシュートのテストに成功し安全性へのクエストをまた1つクリア

SpaceX(スペースX)は、2020年に予定されている同社宇宙船に宇宙飛行士を乗せて飛ばす計画を、今後も十分に続けていけるほどの成果で今年を終えようとしている。Elon Musk(イーロン・マスク)氏が率いるこの宇宙企業は、米国時間12月22日、これまで何度も成功してきたパラシュートシステムのテストに成功。これで10度めの成功となるこのテストは、安全なシステムに向けての重要なマイルストーンであり、最新の設計が宇宙飛行士による実際の使用に耐えうるものであることを示している。

このパラシュートシステムは、宇宙飛行士が乗るSpaceXの商用宇宙船、Crew Dragonが地球への帰還時に大気圏に突入して以降の下降を遅くするために用いられる。現在の設計はメジャーなアップグレードとしては三度目のものでで、素材も縫い方も信頼性と強度を優先して改良されている。

[SpaceX: 昨日チームは、Crew DragonのパラシュートMark 3の一連の設計アップグレードテストの一環として、10度めの複数パラシュートによる着地テストに成功した。NASAの宇宙飛行士の安全な打ち上げと着陸に、一歩近づいた。]

2019年にマスク氏は、カリフォルニア州ホーソーンのSpaceX本社で行われたイベントで、来場したメディアやファンに向けて、Mark 3パラシュートシステムが実際に有人飛行に使用できると確信を持つためには、少なくとも10回連続でテストに成功する必要があると述べた。その再、NASAの管理官であるJim Bridenstine(ジム・ブリデンスティン)氏は、2019年中に10回連続で成功できるだろう、と言った。そして、そのとおりになった。

現在SpaceXは、有人飛行に向けての次の重要なステップを1月11日に予定している。それは「飛行中での飛行中止テスト」で、緊急時に機能すべき安全システムをテストする。そのシステムは打ち上げ途中で起動され、クルーを安全に打ち上げ船から離して安全なところへち運ぶ。それにより、異常事態に乗員を危機から救う。

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初の宇宙旅行会社Virgin Galacticが最初の乗客に対し宇宙飛行士準備事業を開始

Virgin Galactic(バージンギャラクティック)が、同社の「宇宙飛行士準備事業」(Astronaut Readiness Program)を開始した。それは最初、Under Armour(アンダーアーマー)のグローバル本社で行われる。Under ArmourはVirgin Galacticのパートナーとして、同社の宇宙飛行士が着る公式の宇宙制服を作っている。初めてお金を払って宇宙を旅する旅人たちは、同社の最初の地球外への旅でその宇宙服を着る。

宇宙飛行士準備事業は、Virgin Galacticの旅客が同社の軌道外宇宙船VSS Unityに乗って旅する前に必ず受けなければならない準備的課程だ。そこではVirgin Galacticのチームメンバーによるガイダンスと教育が行われる。先生はチーフ宇宙飛行士インストラクターであるBeth Moses(ベス・モーゼス)氏やチーフパイロットのDave Mackay(デイブ・マッケイ)氏らだ。この二人は、Virginが2月に行ったデモ飛行で宇宙へ行ったから、彼らの相当な量の経験と専門知識だけでなく、同社の有料宇宙観光客が乗るのと同じ実機に乗った経験に基づく知見もシェアできる。とくにモーゼス氏は、宇宙船の正しい乗り方も教えるだろう。

Under Armourは、旅客が着る宇宙服以外でも協力する。まず、宇宙飛行士は準備段階でどんな栄養を摂り、どんなフィットネスやって宇宙の旅とアドベンチャーに備えるべきか。これらに関しては、Virgin Galacticの専属医療チームも旅客に個別にコンサルする。Virginの顧客はNASAの宇宙飛行士のような厳しい肉体的フィットネスを強いられることはないが、でも同社によると旅路における旅客の健康と元気を確保することにはフォーカスする。

Virgin Galacticの初期の顧客は、ボルチモアで行われるこのような訓練プログラムに参加するだけでなく、今後同社がこのプロセスの開発と磨き上げを行なっていくための貴重なデータも提供する。

Virgin Galacticのプレスリリースはこう言っている: 「今週のボルチモアからのフィードバックを利用して、そのモデルをベースに構築していきたい。これまでも弊社は、宇宙飛行を待っている者と経験者の両方にとって、教育訓練とコミュニティのベストの形を共に議論してきた」。

同社のこのSpaceShipTwoには、すでに600名の顧客の搭乗申し込みがある。そのカーゴジェットをカスタマイズした軌道外宇宙機は、1人25万ドル(約2700万円)のチケットで90分の飛行を行う。有料顧客のためのその最初の飛行は、来年の前半を予定している。

画像クレジット: Virgin Galactic

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ペギー・ウィットソン飛行士、288日間の宇宙滞在から帰還

記録破りの宇宙飛行士、Peggy Whitsonが、宇宙滞在累積日数の記録保持者として宇宙から帰ってくる。地球着陸の模様はライブストリーム中継される。

軌道離脱噴射は今晩(米国時間9/2)5 pm PT(西海岸時刻)に始まり、着陸予定時刻は6:22 pm(彼女が着陸するカザフスタンでは日曜日の7:22 am)。

Whitsonは、288日すなわち約10カ月間を宇宙で過ごし、その間宇宙ステーションは4623回軌道を周回した。これは米国の宇宙飛行士Scott Kellyの宇宙滞在連続340日に次ぐものだが、Whitsonは累計665日を宇宙で過ごしており、宇宙経験はどのアメリカ人よりも長い。

6月の帰還を予定していたが、今年になってロシアの宇宙開発組織、RoscosmosがISSミッションからクルーを引き上げたため、3カ月の期間延長を快諾した。

Whitsonは、ロシアのミール宇宙ステーションと国際宇宙ステーション(ISS)の両方に滞在した数人のロシア人記録保持者をランキングで追っている。しかし、Whitsonはほかにいくつもの印象的記録をもっている。ISS初の女性コマンダー(船長)を務め、最長宇宙遊泳 60時間を記録したことに加え、宇宙へ行った女性としては最高齢の57歳だ。

現在3回目のISSミッション遂行中のWhitsonは、4月に宇宙初の4Kストリーム中継を、ラスベガスで行われていた全米放送事業者協会ショウに向けてビデオを送信した。

Whitsonの帰還便には、同じくISSを離れる米国宇宙飛行士Jack FishcerおよびロシアのFyodor Yurchikhinも同乗する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook