ドバイに移住しリモート環境で働く機会を提供する「バーチャル・ワーキング・プログラム」が開始

ドバイに移住しリモート環境で働く機会を提供する「バーチャル・ワーキング・プログラム」が開始

ドバイ政府観光・商務局は10月16日、リモートワーカーが母国の雇用主のもとで業務を行いながら、ドバイに住むことを可能にする「バーチャル・ワーキング・プログラム」を発表した。

同プログラムでは、リモートワーカーとその家族が、世界有数の観光・ビジネスの地であるドバイに移住する機会を提供。リモートワーカーは、仕事の合間に太陽を浴びながらビーチでくつろいだり、世界各国料理を楽しんだり、様々な文化を体験できる。

また、UAEの強力なデジタル・インフラと接続性、安全で質の高いライフスタイル、グローバルなネットワーキングの機会、さらに個人の所得税がゼロといったメリットを享受できる。

個人の加入希望者は、「Work remotely in Dubai」ウェブサイトから年間プログラムに申し込み可能。同プログラムの申込料金としてはは、約3万円(287米ドル)に加えて、別途UAE国内で有効な医療保険への加入、および手続きに対する手数料が必要となる。

同プログラム申し込みの際には、以下の条件を満たす必要がある。

  • パスポートの有効期限が6ヵ月以上あること
  • UAE国内で有効な医療保険への加入
  • 現雇用主からの雇用証明書で、1年間の契約有効期間があり、月収約55万円(5000米ドル)以上である前月の給与明細書、前月分の銀行口座明細書の提出
  • 申請者が会社経営者である場合は、1年以上の会社所有の証明、平均月収約55万円(5000米ドル)の月収明細書、前3ヵ月分の銀行口座明細書の提出

ドバイでは、以下ワーキングスペースから希望に沿ったものを選べるようになっており、より生産性を上げて、業務に集中できる環境を用意している。

  • Letswork: ドバイ市内のカフェやホテル、ビジネスセンターなど様々なロケーションのワークスペースを用意。アプリを使って現在利用できる場所を探し出すことで予約を行える。会議室の予約ほか、他の利用者とのネットワーキングの機会などニーズに合わせて利用可能
  • Nasab: プライベートなワークスペースとソーシャルクラブを融合させた施設で、ワーク、ウェルネスなど他者と関わりを持つには最適なスペースを提供。仕事と遊びを両立させたい方にぴったりで、プライベートオフィスほか、オープンな場での共有ワーキングスペースも用意。併設のプール、ジム、テニスコートも利用できる
  • Our Space ドバイ: プライベートデスク、オフィス、ミーティングルームに加え、「より活発な自己表現」をするためのタン・ルーム、音波セラピーベッドを備えたゼン・ルーム、ウェルネスに特化したシグネチャーカフェ、スパ施設を併設
  • A4 Space: アルサーカル・アベニューに位置するA4 Spaceは、一般の方も利用できるコワーキング・コミュニティの場を提供。映画館や、図書館、専用のワークスペース、カフェなどを利用可能

ドバイ政府観光・商務局は、ドバイが世界を代表する観光地として商業の中枢を担うというビジョンのもと、世界中のオーディエンスのドバイに対する認知度の拡大、首長国への対内投資の牽引を使命としている。本国の観光分野における計画、管理、開発、マーケティングにおける主要局であり、首長国の商業分野のマーケティングやプロモーション、宿泊施設や旅行案内業者を含めたすべての観光サービスの許認可・種別分類を担当している。

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The Wingの元CEOがコワーキングスペースの人種的平等に失敗したと自認

コワーキングスペースを運営するThe WingのCEOを6月に辞任したAudrey Gelman(オードリー・ゲルマン)氏は米国時間10月4日、The Wingの元従業員に先週送った書簡を公開した

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Over the past four months I’ve gone quiet, and gone inward to do some deep work around what happened at The Wing and my personal role in it. For a person whose life was lived across social media, this may have struck many as a cop out, and a way to hide. But it was important to me to do this work, and to begin private outreach to those parties who had been harmed as a result of working at The Wing. Last week I sent an email to @flewthecoup taking ownership of how my decisions, priorities and actions negatively impacted employees, and I want to apologize to them – this time publicly. I am also in the process of reaching out to a number of people private to make direct apologies. I’m no longer a part of The Wing, or on its Board of Directors. But I wanted to use my position of privilege as a co-founder of the company, and as a white woman to uplift their voices. If you aren’t aware of it, Flew The Coup has created a grant program that is providing support to former hourly employees. You can learn more about the program on their page. The original vision of The Wing sought to celebrate the sanctity of women’s friendships, create space for them to take big risks and stand up to injustice. But despite these intentions, we began to uphold the kind of societal inequality we set out to upend. My hope is that my errors will not discourage other women from taking big, ambitious ideas into the world, but that they can contribute to the creation of a blueprint for how to get it right in the future.

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その中でゲルマン氏は、The Wingで有色人種の女性に対する虐待と闘わなかったことを謝罪している。彼女はまた「成功と規模拡大を焦ったために、自分たちが掲げた価値観にマッチする健全で持続可能な企業文化が犠牲になり、チームが自尊心を持って仕事ができるような職場を作れなかった」と認めている。

そして「The Wingはホスピタリティー業界で伝統的に根深い人種差別を打倒せず、ただ、親切で優しい企業のふりをしていた」と続けた。

彼女のその書簡では、以下のような箇所も重要と思われる。

  • 会員を集めることが最優先され、それらの会員は白人であることが多く、彼らにはThe Wingの会費を納めるだけの経済力もあった。
  • 白人であることの特権と専横が黙認され、会社が掲げた価値観が二の次になった。
  • 「The Wingもスローガンがあるだけでは何も変わらない」という認識が定着するに伴い、さらに多くの人が傷ついた。私たちのは違うと主張していたスペースが逆に、有色人種の女性、特に黒人女性の旧来のパターンを強化し、彼女らは白人女性と、私たちの女性尊重思想の限界に幻滅を感じた。

ゲルマン氏とThe WingのCOOを務めるLauren Kassan(ローレン・カッサン)氏からの公開謝罪は、The Wingの元スタッフが作ったグループFlew the Coupの会員が求めていたものの1つだ。もう1つの要求は、契約書にある守秘義務合意をThe Wingが取り下げることだ。

このグループは6月に、Instagramに「私たちのほぼ全員が、経営陣や本社スタッフ、それに会員からの人種差別や、反LGBTQIA的なレトリックに直面しました。私たちは、The Wingのさまざまな場所で肉体的および精神的な暴力に遭い、昇進に関しても差別を受けたのです」と書いている。

グループの主張によると、The Wingは女性とノンバイナリーのための安全で差別のないスペースをうたっていたが、「このミッションとはまさに正反対のものを見続けてきた」という。

The Wingは、New Enterprise Associates、AlleyCorp、Sequoia Capital、Serena Williams(セリーナ・ウィリアムズ)氏、Kerry Washington(ケリー・ワシントン)氏など複数の投資家から1億1750万ドル(約123億6900万円)を調達した。TechCrunch Disruptでワシントン氏は、The Wingのドラマに関する感想を次のように述べた。

「スキャンダルにはいまさら驚かないが、あの会社の最初のビジョンには本当に感動したし、今でも感動しています。いまは新型コロナウィルスだけでなく、いろんな感染拡大があります。人種差別に対する、みなさんの意識もそうでしょう。いまは、多くの企業や人々が反省して自分の考え方を変えるべき好機ではないでしょうか。社会の力学を変えるべき余地は、まだたくさんあります。投資家の一人として、そして有色人種の女性の一人として言えば、中でも重要なのは透明性と説明責任の強化だと思います」。

これまでの数か月間ワシントン氏は、投資家としての彼女の役割は「この変化を支えるリーダーの一人であること」であり、また、「リーダーたちに、透明性と説明責任を求める「深い欲求」を伝えていくことだ」と言い続けてきた。

The Wingは、ほかのテクノロジー企業と同じく新型コロナウィルスの感染拡大に苦しんでいる。同社は、4月には多くの労働者をレイオフないし一時解雇した(The Wingブログ)。そして、7月にはさらに56名をレイオフした(NewYork Business Journal記事)。

Flew the Coupは、グループとしての活動の一環として、The Wingをレイオフされた人々の支援金を募集している。米国時間10月14日現在で1万5000ドルを集めたが、目標は10万ドルだ。

TechCruchはThe Wingにコメントを求めているので、得られ次第この記事をアップデートする。

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画像クレジット: Getty Images、Evelyn Hockstein

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

香港のロジスティックユニコーン企業Lalamoveが米国マーケットに参入

オンデマンドロジスティクスのサービスを中国、東南アジア、南米で展開しているLalamove(ララムーブ)は創業7年にして正式に米国マーケットに参入した。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックが数多くの米国人を家に閉じ込めることになり、香港拠点のLalamoveは米国における配達サービスの増大する需要を取り込めると確信している。まずは米国における配達・ロジスティックの大きなハブであるダラスのフォートワースエリアでデビューする。その後、シカゴとヒューストンでもサービスを立ち上げる。

同社は、最大のライバルであるGoGoVan(ゴーゴーバン)とともに10億ドル(約1055億円)というユニコーンのバリュエーションを香港で早くに達成した企業の1社だ。Lalamoveの事業は多面的で、高度にローカライズされている。しかし、究極的には都市部で商品を動かす必要がある企業や個人のためのUberのような働きをしている。

中国でHuolalaとして知られている同社は、荷物を送る必要のある荷主とトラック運転手ネットワークの間に介在するブローカーのような役割を果たしている。東南アジアでは、事業形態は似ているがそこにレストランのためのフードデリバリーという別の業務が加わる。こちらは競争が激しく、現金の注入を要する分野だ。米国では、同社のセダンやSUV、ピックアップトラックは毎日24時間利用可能で、ケータリングや小売、eコマース、製造、建設といった分野の顧客をターゲットに使用料金は8.9ドル(約940円)〜となっている。

「配達というのは、特にパンデミックの間は必要不可欠なものです。しかしローカルで事業を展開している企業の多くが自社の車両を所有しておらず、あるいは所有できません。ダラスのフォートワースエリアのそうした企業が顧客に同日配達やオンデマンド配達サービスを提供できるようにすべく、協業できることを楽しみにしています」とLalamoveの国際マネジメントディレクターであるBlake Larson(ブレーク・ラーソン)氏は述べた。同氏はアジアにフォーカスした配車サービスEasy Taxi(イージー・タクシー)の共同創業者でもある。

GoGoVanと同様、Lalamoveは米国で教育を受けた香港の起業家によって設立された。両社とも中国や他の国の大手機関から資金を調達している。

Lalamoveの投資家リストにはHillhouse Capital、Sequoia Capital China、Xiaomi創業者のShunwei Capitalなどが名を連ねる。中国の58 Suyunとの合併を通じてGoGoVanはTencent、Alibaba、KKR、New Horizon Capitalなどから資金を調達している。

香港スタートアップの国際展開は、TikTok(ティクトック)が中国とのつながりのために米国で難しい状態に陥っている中でのものだ。Lalamoveの場合、中国のチームは中国部門のHuolalaを展開し、それとは別の国際チームがLalamoveの海外部門を受け持っているとTechCrnchは理解している。TikTokの米国での難しい状況の核心は、中国の親会社ByteDance(バイトダンス)の技術的能力への依存にある。

これまでにLalamoveはダラスのフォートワースでパートナー運転手500人超を認証しメンバーに加えた。2020年末までにさらに500人を追加する予定だ。米国は現在、新型コロナでレイオフや一時帰休、雇用の見合わせなどの嵐が吹き荒れているが、そうした中で同社は当地域に置くオフィスのスタッフを雇用している。

Lalamoveによると、同社はこれまでにユーザー700万人超と世界22のマーケットの70万超の配達パートナーをマッチングしたという。

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タグ:Lalamove配達

画像クレジット:Lalamove

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(翻訳:Mizoguchi

買い物代行のInstacartが210億円を調達、バリュエーションは1.8兆円に

Instacart(インスタカート)は10月8日、既存投資家向けの新たな資金調達ラウンドで2億ドル(約210億円)を調達したことを発表した。D1 CapitalとValiant Peregrine Fundが本ラウンドをリードした。ポストマネーでInstacartの価値は177億ドル(約1兆8700億万円)、プレマネーでは175億ドル(約1兆8500億万円)だ。ブログ投稿によると、調達した資金は顧客エクスペリエンスの向上、法人事業や広告事業のさらなるサポートを目的とする新機能やツールの導入に使われる。

Instacartはこれより前の今年6月に2億2500万ドル(約238億円)に(CrunchBase記事)、7月に1億ドル(約106億円)を調達した (Axios記事)。6月のラウンドで同社の価値は約137億ドル(約1兆4500億円)になり、それから数カ月後の今回のラウンドの調達額はいっそう大きなものとなった。

ほかのテック企業、そしてテックを活用した企業と同様、Instacartもパンデミックの間に需要増を経験した。家から出たくない人々が安全を確保するためにオンデマンドサービスを利用し、新型コロナウイルス感染症と事業成績の間に相関性を見つけることはたやすい。

Uberのフードデリバリー事業の成長は、もう1つの格好の例だ。

Instacartのバリュエーションは、2018年のシリーズF時の79億ドル(約8400億円)から倍になっている。成し遂げた成長ペースは驚くものだが、IPO計画は見通せなくなったようで、またパンデミック収束がまだ見えない中で新型コロナ特需がどのくらい続くのかもわからない。

同社は第2四半期中のある月に黒字化を達成し、The Informationによるとその額は1000万ドル(約10億円)だった。記事はまた、Instacartは2019年に3億ドル(約320億円)の赤字だったとしている。2020年に通年で黒字となるかはまだわからない。

TechCrunchはInstacartに、2020年に黒字となった月が他にあるかどうか、2020年第3四半期の成長幅など多くの質問をしたが、同社の広報担当はそうした質問に答えなかった。

「今回の投資は、既存投資家が当社のチームの強み、顧客やパートナー、グローサリーエコシステム全体にとって当社が担っている重要な役割を支持するものです」とCEOのApoorva Mehta(アプオルワ・メフタ)氏はプレスリリースの中で述べた。「昨年当社の事業を拡大するため、そして前代未聞の消費者需要と成長に対応するチームの働きを本当に誇りに思っています」

Instacartはカリフォルニア州がAB5法案を通過させた後に展開されている規制戦争に直面している企業の1社だ。この法律によりギグワーカーにかかる州の規則が変更された。ライドシェアドライバーやデリバリーワーカーを独立した請負業者と分類することになるかもしれないProp 22という住民投票がカリフォルニアで間もなく行われる。InstacartはUber、Lyft、 DoorDash、Postmates(現在Uber傘下だ)とともに請負業者分類に賛成の立場だ。

Uber、Lyft、Instacart、DoorDashはYes on 22キャンペーンに合計1億8400万8361ドル46セント(約195億円)を支援した。そうした貢献は金によるものとそうでないもの、ローンという形態を伴うものだった。これら4社は9月にそれぞれ1750万ドル(約18億円)をYes on 22キャンペーンに提供した。公正な政治慣行に関する委員会によると、こうした資金の大半はYes on 22が受け取った。

Yes on 22はさておき、InstacartはワシントンD.C.地方検事総長Karl A. Racine(カール・A・ラシーン)氏に訴えられている。同氏は、Instacartが「詐欺的なサービス料金」として顧客に何百万ドルも課金し、そして何十万ドルもの売上税を納めなかったと主張している。訴訟はそうしたサービス料金を支払った顧客への返還、D.C.への滞納税金と利子の支払いを求めている。特に、Instacartは2016年9月から2018年4月までの間、配達員へのチップだと思わせて徴収した10%のサービス料金について、顧客をミスリードしたと主張している。

一方、パンデミックとカリフォルニアの山火事の期間、Instacartのワーカーたちは個人防護具と報酬アップ、そして直近では災害基金を要求した。

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画像クレジット:Patrick T. Fallon / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

DoorDashが企業向け社員食配送サービスDoorDash for Workを開始

デリバリーサービスのDoorDashが、DoorDash for Workと名付けた一連のプロダクトで、企業がリモートワークの従業員に食事を提供する方法を計画している。

主なプロダクトは4つ。まずDashPass for Workは、何千ものレストランからのオーダーに対し配達料を免除しているDashPassプログラムの費用を雇用主が負担できる。DoorDashによると、ニューヨークのマウントサイナイ病院は4万2000名のヘルスケア従業員にDashPassの会員資格を無料で提供している(PRNewWire記事)。DashPass for Workのその他の顧客には、Charles SchwabやHulu、そしてStanford Research Parkがいる。なお、DashPassとはAmazon Primeの送料無料のDoorDashバージョンのようなものだ。

DoorDash for Workには、雇用主が食事のオーダーに対してクレジットを提供する機能もある。日にちや時間制限のオプションもあり、雇用主は誰かが働いていれば食費を確実に払うことになる。リアルな仕事の場合は、個々の食事のオーダーを大きなグループにまとめることもできる。そしてこのサービスには、従業員のギフトカードもある。例えばZoomは、従業員の誕生日にカードを贈っている。

DoorDashのトップであるBroderick McClinton(ブロデリック・マックリントン)氏はブログで「新型コロナウィルスは私たちの日常生活に深刻な影響を与えた。私たちの食べ方にまでも」と書いている

マックリントン氏はさらに続けて「出勤途中にお気に入りのバリスタに会ったり、ランチルームで同僚とおしゃべりする代わりに今の私たちは、キッチンで多くの時間を過ごし、家で個食している。友達と会ったり、お気に入りのレストランを支援する時間を失った、このニューノーマルにおいては、企業はそれに適応し、社員の幸福と生産性をサポートする新しい方法を探している。そのためには、在宅勤務時代の新しい福利厚生が必要だが、その中には食の支援も含まれる」ともコメントしている。

新型コロナウィルスの感染蔓延のときでも、仕事がある人は無料の食事をそれほど重視しないと思うが、DoorDashが先月1000名の米国人労働者にアンケート調査をしたところ、その90%が「会社の食べ物関連の福利が恋しい」と答えている。

そこでDoorDash for Workというプログラムは、雇用主が食事方面の福利を継続できる方法として設計されている。そしてそれはまた、DoorDashに新しい収益源をもたらす。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Littel Black Doorは高級服の共有や売買、持続可能性にも配慮した現代女性のためのソリューション

Lexi Willetts(レクシー・ウィレッツ)氏とMarina Pengilly(マリナ・ペンギリー)氏は、所有していた高級服やアクセサリーをネットで販売すれば年間3万ポンド(約400万円)にもなることを知り、Instagram(インスタグラム)やシェアリングエコノミーの扱いにすでに精通している現代女性のためのソリューションを開発しようと決意した。そうして生まれたソリューション、Little Black Door(ザ・リトル・ブラック・ドア、LBD)が、iOSのアプリストアに登場した。そこでは女性たちが、友だちやフォロワーと持っている洋服を見せ合ったり、スタイリングしたり、共有したりできる。さらに、ユーザーは販売プラットフォームを利用でき、高品質なファッションを、より環境にやさしく持続可能なかたちで買えるようになる。新型コロナウイルス のパンデミックによりファッション業界が打撃を受け、消費者は新しいものよりも高級な中古品を求めるようになる中で、このアプリは利益を生む見通しだ。

それについて、ウィレッツ氏はこう話している。「これは、私たちの衣服にまつわる悪習を改める手段としてスタートしました。私たちは、つい買い過ぎてしまいます。今何を持っているかを忘れてしまうからです。また、友だちから借りるより、新たに買うことを考えてしまいがちです。さらに、売るものを一覧表にする作業も非常に面倒です。取引の大部分をオンラインで行なっていた私たちは、大変に豊富な電子領収書データを蓄積していることに気がつき、それを利用すれば、自分が持つ服への関心を高め、どうでもいい安物の服の買い過ぎをなくすことができないかと検討を始めたのです」。

この手のプラットフォームにありがちなこととして、そもそも自分が所有する服の管理を、どうやってデジタル化するかという問題がある。そんな面倒なことをやりたがる人間はいない。そこでこのアプリは、まったく新しいアプローチを導入した。服の購入データに着目し、ソーシャルシェアリングの習慣を活用して、服のデジタル管理が簡単にできるようにしたのだ。さらに、持っている服を販売に結びつけ、不要なアイテムを売却するという新習慣を、ずっと簡単に始められるようにしている。

その結果、LBDアプリは「InstagramとDepop」を足して2で割ったような初めての存在となった。ユーザーは、自分のアイテムをバーチャルワードローブに追加すると、画像認識AIと自然言語処理により、それが特定され、分類も試みられる。そしてTシャツ、黒、半袖、ミニマリズム、アーバンカジュアルといった分類結果をユーザーが確認すると、ワードローブ追加が確定する。

さらに興味深いのは、LBDアプリは電子メールで購入したアイテムのレシートを取り込むという点だろう。つまり新しいデータからも、ユーザーがすでに持っている既存のデータからもワードローブが作れるということだ。一度アプリ内にワードローブを設定すれば、ユーザーは服やカテゴリー、服に費やした総額を確認できるようになり、「ルックブック」を作成して友だちやフォロワーにシェアしてコメントをもらうことができる。それを通じて友だちが服を借りたり、「スワイプで販売」機能でアイテムを売却できたりもする。

他のワードローブアプリには、アプリを毎日使うことでインセンティブを得られるような「バイラルループ」を持つものはほとんどない。LBDはソーシャル機能を追加してコミュニティ主導のプラットフォームを構築し、「ファッションのInstagram」と呼べるものになっている。

これとよく似た従来の「ワードローブアプリ」は、服の認識能力に大きくこだわってきたが、まともに機能するものはほとんどない。LBDが考案したのは、レシートのデータと購入履歴をAIを活用して巧みに処理し、さらにワードローブに小売りパートナーのリンクも設けるというものだ。こうすることで、ワードローブのアイテムデータが主役となり、アップロード機能はさほど重要ではなくなる。これをベースに、彼女たちはより使いやすく、そして極めて重要なことに遊び心のある機能を生み出すことができた。

「私たちは娯楽性があり、ユーザーがワードローブに深く関わりを持てる機能をデザインしました。シェアリングエコノミーの考え方を念頭に、友だちと簡単にシェアできる方法を考えています。さらに、このアプリは『ファストファッション』の購入を控え、質の高い服やアクセサリーに消費を切り替えて、クローゼットの中身を共有するという『意識ある消費』の文化を築くようデザインされています」とウィレッツ氏は話す。

このように、このアプリはとてもおもしろい。しかし、ビジネスモデルとしてはどうだろう?実質的にLBDは、女性の服に関連するデータを生み出している。このデータを利用した適切で持続可能なブランド広告の制作、小売業者との提携、付加価値サービスの提供、買い取りプラットフォームでの手数料の徴収、認定販売者の設定、ハイエンドなワードローブを持つハイエンドユーザーのためのプレミアムなバージョンの創設などが考えられる。

LBDは4つの重要なトレンドをカバーしている。フリマアプリの流行(Real Real、Depopなど)、ワードローブのシェアリング習慣の流行(Rent the Runway、Hurrなど)、eコマースへのAIの導入の流行、そして、リレシートとオンライン販売の流行だ。

ファッション市場は大きい。国際的な服飾とアパレルの市場は7億5840万ドル(約800億円)規模に上り、その半分以上が女性向けだ。新型コロナウイルスのパンデミックによるロックダウンで人々の着飾る機会が減り、市場はその煽りを受けたものの、現在は回復傾向にある。しかも、顧客の持続可能性に対する意識が、以前よりもずっと高くなっている。つまりLBDは、世間の大きな「リセット」の恩恵を得られる立場にあるわけだ。

さらに来たるべき不況下では、よく知っている馴染みの相手(友だち)から中古品を買ったり、不要品を売ったりするほうが安くつく。提携小売業者にすれば、顧客が個人のワードローブで実際に行っていることに関するより有用なデータを入手できるため、それに沿ったより的を絞ったコレクションの制作と販売が可能になる。そしてそれは、在庫の無駄を削減し、環境にプラスの影響をもたらすことにつながってゆく。

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画像クレジット:Lexi Willetts and Marina Pengilly, founders, Little Black Door / Lexi Willetts and Marina Pengilly, founders, Little Black Door

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(翻訳:金井哲夫)

Uberが貨物運送事業で優先株を発行して約530億円を調達、キャッシュ確保の一環

1年前のUber(ウーバー)のビジネスモデルは「選択肢を網羅するアプローチ」だと言えた。配車サービス、マイクロモビリティ、物流と包装、料理のデリバリーなど、あらゆる形態の輸送から収益を生み出す戦略だ。

新型コロナウイルスの感染蔓延がその事業戦略を覆した。シェアマイクロモビリティ部門のJump(ジャンプ)を売却(未訳記事)し、デリバリーに大きく賭けるべくPostmates(ポストメイツ)を買収した(未訳記事)。次は、成長はしているが収益性はいまだに低い貨物運送部門のUber Freight(ウーバーフレイト)の株式を売り出す。

Uberは10月2日、ニューヨークの投資会社であるGreenbriar Equity Group(グリーンブライアー・エクイティ・グループ)率いる投資家グループが、Uber FreightのシリーズA優先株式による資金調達5億ドル(約530億円)に応じると語った。Uber Freightはポストマネーで33億ドル(約3470億円)と評価されたことになる。GreenbriarのマネージングパートナーであるMichael Weiss(マイケル・ワイス)氏とJill Raker(ジル・レイカー)氏がUber Freightの取締役会に加わる。Uberは他の投資家の名は明らかにしなかった。

UberはUber Freightの所有権の過半数を維持し、調達した資金でトラック運転手と運送会社をつなげる物流プラットフォームの拡大を続けると述べた。

Uber Freightは2017年に立ち上げられ、2018年8月に独立した事業部門として分離された。分離によって勢いを増し、より多くのキャッシュを使うようになった。Uber Freightが再設計したアプリ(未訳記事)には、荷物の探索とフィルタリングを簡単にカスタマイズできる新しいナビゲーション機能が追加された。

同社は欧州とカナダに進出した。またシカゴに本社を設立した。この地域に年間2億ドル(約210億円)以上を投資するという親会社の計画の一環であり、数百人の労働者の雇用も含まれている。Uberは昨年9月、今後3年間でこの地域で2000人の新規従業員を雇用すると発表した。ほとんどがUber Freightで働く。

Uber Freightは最近、SAP、Blue Yonder、BluJay、MercuryGate、Oracleなどのクラウド輸送管理システムプロバイダーとの新しいAPI統合パートナーシップに署名した。同社はまた、Uber Freight EnterpriseとUber Freight Linkの立ち上げにより、エンタープライズソフトウェアのラインアップを増やした。拡大のすべてがうまくいったわけではない。Uberは今月、ドイツ・ベルリンを拠点とするsennder(センダー)に欧州事業をすべて株式対価で売却し、欧州から撤退した(sennderリリース)。

Uber Freightはの売上高は急増した。ただその成長は利益に結びついていない。Uber Freightは2020年第2四半期に2億1100万ドル(約220億円)の売上高を計上した(Uber財務リリース)。前年同四半期から27%の増加だ。一方、調整後純損失は4900万ドル(約51億円)となった。前年同四半期の5200万ドル(約55億円)の損失からわずかに改善した。

Greenbriarによる投資をUber FreightのCEOであるLior Ron(リオール・ロン)氏は同社の「次章」だと表現した。「当社が2〜3年という短い期間で達成した内容を非常に誇りに思っています。当社はテクノロジーで業界をリードし、時代遅れのアナログプロセスを変革して、急速に変化する業界で荷主と運送業者の両方に成功をもたらします」とロン氏は声明で述べた。Greenbriarはパートナーとして「深い専門知識と共有を備えています。物流を簡素化することへの情熱を当社と共有しています」と付け加えた。

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タグ:Uber、Uber Freight

画像クレジット:Uber Freight

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(翻訳:Mizoguchi

ラテンアメリカ向け配達専用オンライン食料品店構築に向け、メキシコシティ拠点のJüstoが5億円超を追加調達

メキシコシティの本拠地以外にも拡大を開始しているオンデマンドの食料品店事業を展開するJüsto(ユスト)は、さらに500万ドル(5億2600万円)のアーリーステージの資金を追加獲得した。

世界最大級のベーカリー企業であるBimboの戦略的投資部門であるBimbo Venturesと、King.comの創業者により投資ファンドであるSweet Capitalから調達した。

Jüstoの共同創業者兼スポークスパーソンであるManolo Fernandez(マノロ・フェルナンデス)氏によると「夏の間に同社はメキシコシティ以外にも200kmほど北西にあるケレタロ州にもサービスを拡大し、爆発的な成長を遂げた」。最初の週の売上は、メキシコシティで200日かけて達成したものに匹敵するもので「これは国中の同社のサービスに対する需要の指標である」と述べている。

今回の500万ドルの増資は、Jüstoが世界的に有名な投資家やラテンアメリカの投資家から1200万ドル(12億6200万円)の資金調達からわずか数カ月後のことであり、ラテンアメリカのアーリーステージの投資シーンがいかに強固なものになっているかを示している。

フェルナンデス氏によると、同社が拡大するにつれて営業エリアを拡大するために他の国の配送サービスとの合弁事業を検討する可能性があるが、今のところは独立して営業エリアを拡大することに焦点を当てているという。

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画像クレジット: OstapenkoOlena / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

定額制全国住み放題のADDressが追加資金調達、地域との共創事業をスタート

定額制全国住み放題のADDressが追加資金調達、地域との共創事業をスタート

定額制の全国住み放題・多拠点住居プラットフォーム「ADDress」を展開するADDressは10月1日、シリーズBラウンドにおいて、第三者割当増資による追加資金調達を実施したと発表した。引受先は、丸井グループ、立命館ソーシャルインパクトファンド投資事業有限責任組合(プラスソーシャルインベストメント)、ひまわりG4号投資事業有限責任組合(ちばぎんキャピタル)。

今回の資金調達は、新型コロナウイルスの影響下でありながら、企業のテレワークやワーケーションの推進で、脱都会・脱都心オフィスなど「生活の見直し」を図る20〜30代の若者のADDress会員登録数が一気に増加したことを受け、多拠点居住による関係人口創出への期待が反映された形という。ADDressが掲げる「全国創生」のミッション遂行に向けて、各出資先企業との地域共創連携事業の取り組みも実施していく。

また、ADDressはANAホールディングス(ANAHD)との航空券の定額制サービス実証実験第4弾を10月より開始。企業のリモートワーク、テレワーク推進が広がる中で、ADDress入会希望者は毎月増加。脱・東京、脱・都会を図り、地方でテレワーク生活を希望する会員の入会が増えているという。ANAの定額制サービスを活用することで、テレワーク推進による関係人口創出を目指す。

ADDress会員は、3ヵ月契約で月額3万円の追加料金を支払うことで、ANA国内線の指定便を片道月4回分まで利用可能。2ヵ月契約の場合は月額3万5000円、1ヵ月契約の場合は月額4万円と、計3つの料金プランを提供している。予約は搭乗日の22日前まで、原則次月の繰越禁止(ただし、予約便がキャンセル時のみ繰越可)。

定額制全国住み放題のADDressが追加資金調達、地域との共創事業をスタート

ADDress拠点拡大の取り組みとしては、資本業務提携を結んでいるJR東日本スタートアップとの拠点開発事業として、JR東日本グループ系列の宿泊施設「ファミリーオ」「フォルクローロ」など全国8施設と連携し、物件を順次拡大。

地方自治体との取り組み施策では、熊本県多良木町とADDress、ANAHDとの協業による関係人口創出事業を展開。

また、島根県津和野町での「長期滞在型の旅行モデル推進事業」(総務省「シェアリングエコノミー活用推進事業」)の一環として、空き家を活用した島根県1号拠点「ADDress津和野邸」および併設拠点「ADDressサテライトオフィス津和野」を年内にオープンする。

ADDress津和野邸建物内には、島根県立大学のサテライトオフィスも立地しており、教育機関と連携した「寺子屋プログラム」など地域ぐるみの企画も実施予定。津和野町における新規拠点オープンに際し、ANAの航空券定額制サービス実証実験第4弾の対象空港に、新たに萩石見空港などが加わった。

さらに、ADDressは福島イノベーション・コースト構想推進機構の「地域未来実現プログラム」採択を受け、福島の抱える「社会・地域課題」でもある空き家問題解決を目指す。「ADDress福島拠点」の開発に取り組み、東北エリアでのADDress拠点展開を拡充していくという。

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英裁判所がUberのロンドンでの事業継続を許可、ただし18カ月のみ

Uber(ウーバー)はロンドンでの事業免許更新を求めた裁判で勝訴した

英国時間9月28日の判決で、裁判所は配車サービスUberの市交通当局とのやり取りなどを含めプロセスの改善は評価できると認めた。

業界筋によると、新しい事業免許はUberとTfL(ロンドン市交通当局)が共同で裁判官に提案した21の条件付きとなる。

本日の判決では、Uberがどれくらいの期間の事業を許可されるのかはすぐさま明らかにはならなかった。裁判官は判決を出す前にさらなる証拠を求めている。その後、事業免許を18カ月認めたことが明らかになった。18カ月というのは、2017年に許可された5年の事業許可(未訳記事)よりもずいぶん短い。

「Uberは完全ではない。しかし改善が認められる」と裁判官は述べ、次のように付け加えた。「この部門における合理的な事業はこうあるべきということをUberが行っていること、おそらく今後一層そうするだろうということに納得している」。

ロンドンの交通当局であるTfLが、安全上の懸念とハイヤー事業免許を持つにふさわしくないとの理由で、2017年にUberの事業免許を更新しないというショッキングな決定を下したのち、同社は複数年にわたって闘争を繰り広げてきた。

2018年、英国の裁判所はTfLの要件を満たす時間をUberに与えよう(未訳記事)と、暫定的に15カ月の事業許可を認めた。しかし2019年11月、当局は新たな安全問題を指摘し、免許の更新を再び却下した。

こうした措置、そして許可の見通しが立たないにもかかわらず、Uberは上訴することでロンドンでの事業を継続することができた。そして同社はいま、こうした不確実性が過去のものになることを願っている。

上訴でのUberの主な訴えは、事業許可を持つに「ふさわしい」というものだ。同社は、当局の懸念に耳を傾け、過ちから学び、乗客の安全に関連する問題を解決するために大きな変更を加えたと主張した。

たとえば同社は、ガバナンスと資料レビューシステムを改善したと指摘した。ここには長時間業務を行っていないドライバーの凍結、リアルタイムのドライバーID認証、新たなセキュリティチームとプロセス、そしてライセンス状態の漏洩を防ぐことを目的とする「プログラムゼロ」の立ち上げが含まれる。

同社はまた、システムの欠陥が広範なものではなかったとも主張した。システムを悪用したのは、同社のアプリを使用するドライバー4万5000人のうち24人だけだったとした。

そしてUberは現在、効果的かつ積極的にTfLや警察当局と協力していると主張し、過失の隠蔽を否定した。さらには、免許の取り消しは、女性や少数民族、障がい者などストリートハラスメントのリスクを負うグループに「甚大な影響」を及ぼすとも指摘した。

2020年のUberは、当局の監視を妨害するための専用ソフトウェアを開発し、最終的に幹部の刷新につながった有害な社内文化を持った企業からいくらか改善したといってもいいだろう。

しかし、裁判所がUberに与える事業許可の長さを検討するための手順を踏んだというのは興味深い。裁判そのものはUberの勝訴だが、用心深い警告が含まれている。

本日の判決についてのコメントで、法律事務所Taylor Wessingの首席弁護士であるAnna McCaffrey(アンナ・マキャフリー)氏は判決のこの要素を強調した。「治安裁判所はUberが安全性に関するTfLの懸念を解決したことに同意した。しかし事業許可の延長期間についてはUberが求める5年を認めず、議論の余地があるとした事実は、Uberが今後もTfLや裁判所に同社が本当に変わったことを証明すべく真摯に取り組まなければならないことを示している。そうしなければ、Uberは来年また同様の裁判に直面することが予想される」と声明で述べている。

マキャフリー氏はまた、Uberのドライバーは従業員なのか、それとも自営業者なのかという論争で最高裁判所の判決がまだ出ていないことも指摘した。こちらもUberが英国で長く続いている裁判だ。

同社はまた、ドライバーのアルゴリズム的管理に関連する新たな訴訟にも直面している。つまり、弁護士が取り組む仕事はまだ山ほどある。

一方、The App Drivers and Couriers Union(ADCU)はUberの事業免許更新を認める裁判所の決定を警戒しつつ歓迎した。

ただ、ADCUはUberプラットフォーム上で登録できるドライバーの数に制限をかけることでUberの「寡占」を阻止するようロンドン市長に求めた。声明の中で、ADCUのトップであるYaseen Asla(ヤセン・アスラ)氏は「事業規模を抑制することでUberとTfLの双方に、労働者の権利などあらゆる遵守義務が将来守られるようにするための息つく間ができる」と述べた。

アップデート1:Uberは、北欧・東欧担当リージョナルゼネラルマネジャーであるJamie Heywood(ジェイミー・ヘイウッド)氏の声明を明らかにした。「今回の判決はUberの安全へのコミットメントを認めるものであり、当社は引き続きTfLと建設的に取り組む。Uberアプリを使用する人の安全が最も重要であり、ロンドンを前に進めるためにともに取り組む」。

アップデート2:TfLもまたコメントを出し、広報担当は次のように述べた。「裁判所は、Uberが現在、ロンドンでのハイヤー事業免許を有するにふさわしいと判断した。2019年11月の我々の決定の結果、Uberは乗客の安全を向上させるために、そして我々が指摘した問題を解決するために多くの変更を加えた。数多くの条件が付いた今回の18カ月という事業免許でTfLはUberの規則遵守を監視でき、もし基準に満たない場合は迅速に行動を取ることができる」。

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英国のUber運転手らがアルゴリズム説明責任をめぐりUberを提訴

カテゴリー:シェアリングエコノミー

タグ:Uber TfL 英国

画像クレジット:Carl Court

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(翻訳:Mizoguchi

オンデマンド空港シャトルなどを手掛けるNearMeがジョルダンの「乗換案内」と連携、検索結果から予約可能に

タクシー相乗りサービスやオンデマンド空港シャトルなどを手掛けるNearMe(ニアミー)は9月28日、経路検索サービスを提供するジョルダンとの提携を発表した。NearMeのオンデマンド型空港送迎サービス「スマートシャトル」を、ジョルダンの「乗換案内」アプリから予約できるようになる。

具体的には、「乗換案内」アプリで羽田空港、成田空港、那覇空港と、各定額サービスエリア内を経路検索した際に、スマートシャトル予約ページへの案内リンクが乗換案内の検索結果内に表示され、該当リンクのクリックで予約配車が可能になるという流れだ。スマートシャトルの予約は乗車日の前日15時までで、予約後は24時間以内に確定連絡が入る。

スマートシャトルは、事前登録した複数人の乗客を、各空港からそれぞれの目的地まで運ぶサービス。同社が開発したAIによって移動ルートを最適化、降車場所が複数ある場合でも効率的なルートを算出してくれる。乗車対象地域は、東京都内15区(千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、豊島区、江戸川区)、成田空港〜羽田空港間、那覇空港と那覇市内の対象エリア間となる。移動には、最大9人乗りのハイエースなどのバン、もしくはセダンタイプのクルマが配車される。

なおNearMeは、日本航空(JAL)との共同特設サイト経由での予約でJALのマイルが貯まるキャンペーンも実施中だ。

そのほか、JTB上海と連携して9月30日に就航する成田空港〜上海浦東国際空港のチャーター便についても、駐在員の家族の渡航を支援するための「スマートシャトル」を運行する。さらには、羽田空港~東京15区のエリア限定だが、スマートシャトルの料金が2980円/人が1490円/人になるキャンペーンも10月23日まで合わせて実施中。1人1回のみの利用で、複数人で予約した場合は1名ぶんの料金のみが半額となる。

英国拠点のHumanForestが顧客の事故でロンドンでの電動自転車シェアを停止、レイオフを実施

英国を拠点とするスタートアップのHumanForest(ヒューマンフォレスト)は、ハードウェアの問題に起因する利用者の事故のあと、ロンドンで展開していた「無料」のEバイク(電動自転車)サービスを停止した。このサービス停止により、同社は現在多数のレイオフを進めている。なお同社は来春、別のEバイクを使用して再スタートする計画だ。

サービスの停止は、同社がノースロンドンでトライアルを開始してからわずか数カ月後のことで、Cabifyの創業者らによる230万ドル(約2億4200万円)のシードラウンドの資金調達を発表してからわずか数週間後のことだった。

TechCrunchは匿名の情報源から、このスタートアップに雇用されているという人物の情報を得た。その人物によると、同社の電動自転車に欠陥が発見され、利用者の事故が発生し、サービスを停止したとのことだ。さらに、スタッフの一部を急遽解雇したという情報も入手した。

HumanForestはこれらの情報について、9月20日の日曜日の「小さな事故」の後、ロンドンでのサービスを停止したことを認めた。事故が発生する可能性がある問題を事前に把握してはいたが、それを「改ざんや軽微な機械的問題」に分類していたことも明らかにした。同社のその声明文は以下のとおりだ。

「私たちはその自転車に欠陥があることを知りませんでした。これと似たような性質の問題があり、それは改ざんされているか、または小さな機械的問題であると疑っていました。問題が解決したと思われる追加の機械的チェックを行い、サプライヤーに連絡しました。日曜日の軽微な事故を受けて、直ちに操業を停止しました。その供給業者は現在、電動自転車にもっと深刻な問題があるかどうか調査しています」。

以前の声明で同社は「先週事故が発生しましたが、幸いなことに顧客にケガはありませんでした。我々は直ちに路上からすべてのEバイクを撤退させ、調査中のサプライヤーにも伝えました。お客様の安全を第一に考えています。そのため、2021年春に新しいEバイクで再発売することを決定しました」とコメントしていた。

HumanForestはサービス停止の原因となった不具合の詳細については明らかにしなかったが、広報担当者はすべての電動自転車が事故当日にロンドンの路上から撤去されたことを認め、なぜそれより早く撤去しなかったのかという疑問を提起した。つまり、問題を自ら認めるかたちとなっている。

広報担当者はまた、サービス停止を受けてHumanForestが多くの人員削減を行ったことも明らかにした。「このような困難な時期に人員を解雇せざるを得なかったことを大変残念に思いますが、業務が停止したため大幅に縮小されたチームでしか業務を継続できませんでした」とコメントした。「私たちは、雇用を維持するために一生懸命に努力し、代わりの契約の取り決めや継続雇用の可能性を検討しましたが、残念ながらいつ再出発できるかの保証はありません」と続けた。

「会社に3カ月未満しか在籍していない従業員は試用期間中であり、契約書に記載されているように1週間前に通知が出されています。私たちは月末まで彼らの給料を支払います」と同社。そして「スタートアップにとって今は難しい時期です」と繰り返した。

HumanForestがサービスに使用していたEバイクは、中国のHongjiが製造しているが、実際に同社に提供しているのはB2CとB2Bの両方のモビリティサービスを手掛けるWunder Mobilityと呼ばれるドイツのスタートアップだ。

TechCrunchでは、HumanForestが報告したEバイクの不具合についてHongjiとWunder Mobilityの両社に問い合わせた。本稿執筆時点ではWunder Mobilityのみが回答しており、同社はHumanForestの「仲介者」としての役割を果たしていることを確認しているが、技術的な問題の本質についての詳細は明らかにしていない。

その代わりに、Wunder MobilitのCCOであるLukas Loers(ルーカス・ロアーズ)氏が「HumanForestは、信頼できる品質を目指してサービスの改善に継続的に取り組んでいます。その顧客にシェアリングビジネスで可能な限り最高のサービスの範囲を提供するために、冬休みを使用して春に我々Wunder Mobilityと一緒にその顧客のための最良かつ最も持続可能なソリューションを提供するために、パイロットプロジェクトからの知見を評価する予定です」という声明を送ってきた。

「残念ながら、Wunder Mobilitは仲介者としての役割しか果たしていないため、車両の具体的な欠陥についての情報を提供することはできません。唯一のメーカーまたはオペレータであるHumanForestは、これについてコメントすることができます」と付け加えた。

誕生したばかりのマイクロモビリティ市場の競争の激しさとダイナミックさを示す例としては、同様のEバイクシェアリング事業を展開しているBoltの件にも触れておくべきだろう。業界筋が指摘するところによると、本体のカラーリングは異なるがBoltはHumanForestと同じモデルのEバイクを使用しており、フランスの首都パリでサービスを開始したが、数カ月後にサービスを終了した。

TechCrunchはそれが技術的な問題のために任意のEバイクを撤回したかどうかをBoltに質問したところ、真っ向から否定した。パリでのサービス停止はビジネス上の決定であり、Eバイクハードウェアの問題ではなかったそうだ。

「他のいくつかの会社がプロバイダーとの間で問題を抱えていることは理解しています。Boltは欠陥が原因で電動自転車をサプライヤーから引き揚げていません」と広報担当者は語り、今後の事業拡大に関するさらなる発表として、バルセロナでローンチしたことを付け加えた。

その後のメールでこの広報担当者は、同社がテストした電動自転車の欠陥を特定しておらず、供給元から自転車を回収していないことを確認した。

Boltの英国カントリーマネージャであるMatt Barrie(マットバリー)氏は、Twitterでのさまざまなマイクロモビリティ市場の動きについて「Boltのハードウェアは問題なく、HumanForestが抱えていた問題は特注のコンポーネントに関するものだった」とツイートしている。

そして「パリ〜プラハの移動は、プラハでの我々のより広いビジネスをサポートするための商業的な決定です。パリは良い市場であり、我々はすぐに戻ってくることを願っています」とバリー氏は付け加えた。

TechCrunchは、ハードウェアの技術的な問題が「特注部品」に関連しているというバリー氏の主張についてHumanForestに質問を投げたが、同社の広報担当者はコメントを拒否した。

EバイクシェアリングモデルでのHumanForestの特徴は、アプリ内広告を流すことによって乗り物の無料乗車を提供するアイデアだ。同社のマーケティング施策は「より環境に優しい通勤」というメッセージを押し出すことに向けられており、Eバイクのバッテリーとサービス車両は認証された再生可能エネルギーで充電されていることをアピールしている。

画像クレジット:HumanForest

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(翻訳:TechCrunch Japan)

PostmatesがUberとの提携に向けて第2四半期に赤字を削減

人気フードデリバリーサービスのPostmatesが、26億5000万ドル(約2798億円)という超大型契約でフードデリバリーの競合相手であるUberと手を組もうとしている(未訳記事)。この取引は独占禁止法の審査を受けている状態で、まだ承認されていないが、順調に進めば2021年前半に完了すると見込みだ。

しかしながら、米国時間9月25日の取引終了後にSECに提出された報告書を読むと、世界的なパンデミックと全米におけるイートインできるレストランの閉鎖という新しい世界で、Postmatesがどのように生きてきたかかを垣間見ることができる。

Postmatesは第1四半期に7300万ドル(約77億円)の損失を計上したのに対して、第2四半期はわずか3220万ドル(約34億円)の損失を計上しただけで、現金消費がほぼ半減した。一方、最新の決算報告書によるとUber Eatsは、第1四半期に2億8600万ドル(約302億円)、第2四半期には2億3200万ドル(約245億円)の損失を出しており、約20%の改善となっている

全体として、Postmatesは2019年の2億3900万ドル(約252億円)を失ったが、2020年上半期は1億520万ドル(約111億円)を失っている。

Uberは本日の提出文書を通じて、Postmatesの資本政策表の詳細を初めて公開している。完全希薄化ベースで、Postmatesの最大株主はTiger Globalで、同社の27.2%を保有している。次がFounders Fundの11.4%、Spark Capitalが6.9%、GPI Capitalが5.3%と続いている。

Uberの26億5000万ドルにおよぶ全株の株式取引では、Tiger Global約7億2000万ドル(約760億円)、Founders Fundは3億200万ドル(約319億円)の利益を得ているが、これには同社の一部オーナーが保有している優先株や配当は含まれない。

PostmatesとUberは国レベルでの独占禁止法の審査を受け続けているが、両社はそれぞれの国でも法的な圧力に直面している。Uberは本日の文書の中で、カリフォルニア州のAB5法案により、UberとPostmatesが逆風の中にあることを指摘している。しかしながら同社は、このような訴訟は「それ自体が、いずれかの当事者にも取引を終了させる権利を生じさせるものではない」と述べている。

カテゴリー:シェアリングエコノミー

タグ:Postmates Uber

画像クレジット:Justin Sullivan / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

WeWorkが中国事業の過半数株を中国企業に売却、大規模なローカリゼーション改革に着手か

中国市場への進出から4年後、急速な現金流出の多い拡大を続けてきたWeWorkは、中国への関与を清算することを決定した。WeWorkの中国部門は、2018年のシリーズBラウンドで最初にWeWork Chinaを支援した、上海に拠点を置くTrustbridge Partners(トラストブリッジ・パートナーズ)が主導する2億ドル(約210億円)の投資を確保したことを、WeWork米本社が発表した。リリースでは強調されていなかったのは、最新の資金調達が事実上、Trustbridge Partnersを支配株主にし、WeWorkを中国事業体の少数株主に残すということだ。

この投資は、多国籍企業の子会社から中国企業へ、世界的に認知されたブランドを持つWeWorkの中国事業の移行を実現する、いわばフランチャイズのようなものだ。

TechCrunchの声明で広報担当者は「WeWork Chinaは、WeWorkのグローバル本社との緊密な協力関係を継続し、「WeWorkブランドの一貫性とグローバルメンバーと従業員の満足度を確保する」と述べている。しかし、ほかの変化は進行中だ。売却の一環としてレイオフが実施されており、「多くのことが不確実なままだ」とこの件に詳しい人物は語る。WeWork Chinaはこの件についてコメントを辞退した。

WeWorkは、コワーキングブームの高さに乗って中国に到着した。そのブランド、サービス、シックなデザインは、長い間、資金力のあるスタートアップや開放的な大企業を魅了してきた。2016年以降、中国の12都市に100カ所以上のWeWorkスペースが誕生し、その中には地元のライバルであるNaked Hubから買収した数十のスペースも含まれている。現在、中国国内には6万5000人のメンバーがいるという。また、中国では長期リースにコミットしたくない顧客のためのオンデマンドサービスなど、さまざまな取り組みを開始しており、これはより多くの収益を生むに貢献する可能性がある。

グローバルではWeWorkは38カ国、843カ所オフィスで61万2000人のメンバーにサービスを提供している。中国はその拠点の約8分の1を占めているが、2018年の6分の1のシェアからは減少している。WeWork Chinaは、民間および政府補助の両方の安価な自家製の代替品と競合しているだけでなく、新型コロナウイルス時代の経済の弱体化と、不確実な米中関係にも対処している。現金を消費する市場で経営権を手放すことは、国内ですでに直面している問題を考えれば理にかなっていると思われる。

計画された新規株式公開の前にWeWorkは「貿易政策の不確実性が事業に悪影響を及ぼす可能性がある」と述べた。また「低価格市場である中国が利益率の足かせになっている」と強調した。

今回の投資を受けてTrustbridge Partnersは「WeWork Chinaの意思決定と管理、製品とビジネス、オペレーションと生産性に至るまで」の大規模なローカリゼーション改革に着手する」とWeWork Chinaの担当者は語った。新オーナーはその過程で、地域社会、不動産会社、中国企業とのパートナーシップを模索していくという。

WeWork Chinaは売却の結果、新たな上司を得る。Trustbridge Partnersのオペレーティング・パートナーであるMichael Jiang(マイケル・ジャン)氏が、最高経営責任者代理を務めることになる。同氏は以前、中国のフードデリバリーとオンデマンドサービスの大手である美団点評(Meituan)で上級副社長を務めていた人物だ。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

ドイツのDelivery HeroがGlovoの中南米フードデリバリー事業を280億円超で買収、8カ国でサービス拡充を進める

利益率の低いフードデリバリー業界でのさらなる統合が発表された。ドイツ・ベルリンを拠点とするDelivery Hero(デリバリーヒーロー)は、スペインのオンデマンドデリバリーアプリ「Glovo」の中南米事業を買収すると発表した。同社は9月16日、最大2億3000万ユーロ(約282億円)を支払って8つの市場でのサービス展開を始める。

同社は、数週間以内に取引を完了する見込みであると述べており、この取引はGlorovoが事業を展開しているラテンアメリカのすべての国、すなわちアルゼンチン、ペルー、エクアドル、パナマ、コスタリカ、ホンジュラス、グアテマラ、ドミニカ共和国の8カ国だ。

Glovoは今年の初めに、ラテンアメリカの2つの市場からすでに撤退していたが、当時は「配送業者のトップ2社の中で地位を確立できる市場に集中している」と説明していた。なお、同時に中東からも撤退している。

Delivery Heroにラテンアメリカ地域の事業が移管されることで、同社は14の市場を持つち、南欧と東欧にさらに力を入れることになる。利益率の低い配送業界で収益性に疑問を感じていることを考えると、この動きは大きな驚きではないだろう。

昨年12月にGlovoは、「1年以上の時間をかけて」収益性を達成しようとしていることに焦点を当てていると述べていた。しかしそれは、本質的には競合他社との競争に勝ち、運営している場所で支配的なプラットフォームになることを意味し、ユニットの経済性が積み重なっている都市でのみ運営することを意味する。

Globoの共同創業者は「2020年はラテンアメリカの事業が黒字になると予想している」と語っていたが。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が業績を追い込んだのかもしれない。

さらにソフトバンクの数十億ドルとの戦いもある。日本のハイテク投資家であるソフトバンクは中南米を対象とした20億ドル(約2090億円)のファンドを保有しており、オンデマンド配信のスタートアップにも複数の投資を行っている。この地域で競争するためのコストが上昇している可能性が高く、収益性を追求するGlovoの後押しにはならなかった。

Glovoで最高経営責任者(CEO)を務めるのOscar Pierre(オスカー・ピエール)氏は今回の売却について「長期的に持続可能な事業を構築し、当社独自のマルチカテゴリー製品を顧客に提供し続けることができる主要市場に集中することが重要だと考えています」と述べている。「今回の取引により、当社がすでに非常に強みを持つ市場でのプレゼンスを強化すると同時に、大きな成長の可能性と機会がある新しい市場に投資することが可能になります。Delivery Heroは、ラテンアメリカで築いてきたビジネスを次のレベルに持っていくための最高のパートナーだと確信しています。彼らには、この地域をリードするプレイヤーになるために必要なものがすべてがそろっています」と同氏は付け加えた。

今回の売却は、Delivery Heroがラテンアメリカのフットプリントに新たに5つの市場を追加することを意味するだけでなく、これまで2社が直接競合していた、アルゼンチン、パナマ、ドミニカ共和国の3つの市場の競合相手を排除されることを意味する。

これらの重複する3つの市場では、取引の完了と同時にGlovoの事業を直接引き継ぐことになる。ただし、Glovoは2021年3月まで他の事業を継続して運営する。

なおこの取引は、一定の条件を満たし、関連する規制当局の承認を得ることを条件としている。

Delivery HeroのCEO兼共同創業者であるNiklas Östberg(ニクラス・エストバーグ)氏は声明で「ラテンアメリカはフードデリバリー事業にとって『例外的な成長の可能性』がある」と述べている。我々はわずか2年前に、地元ドイツでの事業を競合のTakeaway.comに事業を売却したばかりです。だから、フードデリバリーの分野は、プレイヤーがポジションを競い、彼らが望む収益性を得ることが重要なのです。

同氏はx「ラテンアメリカは、オンライン配信の可能性が非常に高い地域です。Glovoの現地法人を買収することで、革新を推進し、顧客満足度を継続的に向上させ、地域の現地ベンダーをサポートするための取り組みを強化する機会が得られます。当社は長年にわたりGlovoと密接に協力しており、彼らのラテンアメリカでのサービスを当社のグローバルネットワークに組み込んでいることを誇りに思っています。」と語った。

ちなみにDelivery Heroは、食料品配達の分野にも進出しており、8月にはドバイに拠点を置くInstaShopを買収済みだ。新型コロナウイルスの危機の間、ユーザーは通常よりも自宅にいる時間が長いことに気付いたため、食料品の配達は有望視されている。

Glovoはまた、自分自身を「食品配達以上のもの」とうたっている。アプリ内のボタンで、ユーザーは「何でも」の配達を要求できる。もしくは、少なくともその宅配業者がバイクや原付で管理できるものを。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

稼働率の低い商業キッチンスペースをAI活用でデリバリー向けに転換するKboxが約16億円を調達

英国のスタートアップであるKbox Globaは、使用されていない業務用キッチンスペースをテイクアウト用のデリバリーハブ転換して収益化する事業を進めている。同社は今回、Balderton Capitalが主導する新しい資金調達ラウンドで1200万ポンド(約16億円)を調達した。7月に開示された、オンラインフードデリバリーのDeliverooの初期の支援者であるHoxton Venturesからの500万ポンド(約6億7800万円)の投資(未訳記事)に続くものだ。

Kbox Globaは、デリバリー専門店、いわゆる「ダークキッチン」モデルの構築・拡大を目指している。これはDeliverooやUber Eatsなどのデリバリーファーストの新しいレストランやブランドのためのものだ。同社の「ホストキッチン」技術とユニークなビジネスモデルは、パブ、ホテル、レストラン、スーパーマーケットにあるような既存の商業用キッチンの能力を活用している点にある。

提携キッチンには、Kboxのテクノロジーとデータを活用した、テイクアウト市場への参入を成功させるための必要なトレーニングが提供されており、手間が少なくエラーの余地がほとんどないことで知られている。いわば配達用のレシピが提供されているようなものだ。最も重要なのは、キッチン利用者との利害が一致していること。KboxはKboxのホストキッチンの売上だけで収益を上げるモデルを構築している。

Kboxの創業者であるSalima Vellani(サリマ・ヴェラーニ)氏は「ホテル、パブ、ジム、ケータリングキッチン、スーパーマーケットなど、ほとんどのレストランや業務用キッチンは、十分に活用されていないのが現状です。このモデルは時代遅れです。食のトレンドが変化しても進化することができません。1つのブランドを1つの非常に高価な場所に展開しているだけです。その結果、野心的で成功しているフードデリバリー業者にように、需要が拡大している配送市場を利用することができない。この問題を解決したいのです」 と同氏。

需要面でKboxは、デリバリーに焦点を当てた複数の食品ブランドを開発している。「キッチンは需要の変化や味の変化に迅速に対応でき、より多くの地元の人々に、より簡単にサービスを提供することができます」とヴェラーニ氏。「供給面では、当社の技術プラットフォームがキッチン業務をデジタル化して効率化しています」と語る。

一方で同氏は「Kboxを特別なものにしているのは、高度な分析を可能にするAIと機械学習技術です」と主張する。このスタートアップは、キッチンが地元市場に適した食品ブランドを見つけ、データサイエンティストを必要とせずにデータ分析によってメニューを最新の状態に保つことで、それらを「将来性のあるメニュー」にすることを支援する。「AIを使用することで、各キッチンの需要を予測することもできます。これにより無駄を最小限に抑え、スタッフの稼働率と士気を向上させ、各ホストキッチンの収益性を向上させることができます」とのこと。

ヴェラニ氏は「Kboxのブランドとテクノロジーをフランチャイズ化するための先行投資は不要で、キッチンのアップグレードや設備への投資は『ゼロ』です」と説明する。Kboxは注文ごとに収益を上げているので、キッチンが利益を上げている時だけ利益が出る仕組みだ。言い換えればこれが最大の魅力の1つで、Kboxで作業する際にはホストキッチンのリスクがほとんどない。

「先週、世界で最も有名なホテル資産所有者の上級副社長と会話をした時のことを思い出しました。 基本的にKboxの事業はリスクのないモデルで、マイナス面はまったくありません。もし、これがうまくいかなかった場合でも、あなたたちが私のスタッフを単にスキルアップさせただけです」とヴェラニ氏。

なお、同社とまったく同じ手法ではではないが、ダークキッチンを不動産商品として資金調達を進めている企業も何社かある。いわゆるダークキッチンのレンタルモデルだ。そのほか、ダークキッチン事業を構築したり、第三者からブランドをライセンス供与したり、独自のブランドを構築したりしている企業もある。

ヴェラニ氏は「私たちは、外食産業だけでなく、外食産業やホスピタリティ産業全体において、大規模なシフトの初期段階にあります。新型コロナウイルスの感染蔓延はすでに見ていたシフトを加速させただけでなく、非常に重要な問題を浮き彫りにしました。これらの業界は、持続可能ではないギリギリのマージンで運営されています」と語る。

これまでのところ、このモデルはうまくいっているように見える。Kboxは、ロンドン、マンチェスター、リバプール、グラスゴー、エジンバラ、ブライトンのキッチンと提携しており、2021年末までに英国で2000件のキッチンを運営する予定だという。さらに、このモデルの海外展開も現在進行中で、オーストラリアとインドでは今月からフランチャイズ契約を開始し、来年にはさらに8カ国での展開を予定しているそうだ。

画像クレジット:Kbox

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(翻訳:TechCrunch Japan)

相乗りサービスは新型コロナで大打撃、東南アジア大手のGrabがその適応方法を語る

世界中の相乗り(ライド・ハイリング)サービスが新型コロナウイルスの感染拡大で大打撃を受けているが、Grabも例外ではなかった。同社は東南アジアで最も評価の高いテック系スタートアップの1つで8カ国で事業を展開している。同社の輸送事業は、3月と4月に移動制限令が発令されたことで急減した。

しかし、同社はすでにいくつかのオンデマンド物流サービスを運営しているという強みを持っていた。Disrupt 2020では、Grabのグループ・マネージング・ディレクターを務めるRussell Cohen(ラッセル・コーエン)氏が、前例のない危機に同社がどのようにしてテクノロジーを適応させたかについて聞いた。

同氏によると「危機が始まったときに、私たちはリーダーシップグループとして席を立ち、特に東南アジアでは、課題の規模が非常に巨大であることがわかりました」と振り返る。

Grabのドライバーアプリでは、すでに相乗りとオンデマンド配送のリクエストを切り替えられるようになっている。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、14万9000人以上のドライバーが初めてオンデマンド配送を開始したそうだ。この数には、感染拡大中に失われた収益を補うためにプラットフォームに参加した数万人の新規ドライバーも含まれている。

課題は、消費者の劇的な需要増加に対応するための配送サービスのスケールアップであり、顧客にリーチするための新たな方法を必要としていた加盟店にも対応することでした。コーエン氏によると「3月と4月には8万社弱の中小企業が同社のプラットフォームに参加した」という。その多くはこれまでオンラインデリバリーを手掛けたことがなかったため、Grabはセルフサービス機能のリリースを迅速に進め、加盟店が簡単にサービスに登録できるようにした。

コーエン氏は「これは東南アジア経済の大規模な分野で、数週間のうちに効果的にデジタル化されました」と語る。

新規加盟店の多くは、以前は現金決済しか利用していなかったため、Grabはデジタル決済に対応させる必要があったが、このプロセスは同社の金融部門であるGrab Financialがキャッシュレス決済、モバイルウォレット、送金サービスのためのGrab Payなどのサービスをすでに提供していたため、スムーズに移行できたという。

Grabは「Grab Merchant」と呼ばれる新しいツールパッケージもリリースした。これは加盟店がオンラインでライセンスと認証を提出することで、オンラインビジネスを立ち上げることを可能にするだけでなく、データ分析などの機能を備えている。

ニューノーマル、不確実性のためのモデリング

新型コロナウイルス対策の戦略の一環として、Grabは各国の自治体や政府と協力して配送を効率化することに取り組んでいる。例えば、シンガポール政府と協力して9月に開始した「GrabExpress Car」(Grabプレスリリース)と呼ばれる試験的プログラムを拡大し、より多くのGrabの相乗り車を食料品や食料品の配達に利用できるようにした。従来、これらの配達の多くはバイクが使われていた。

シンガポール、カンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナムなど、Grabの各市場の状況はまだ変化している。ロックダウン命令を解除した市場もあれば、新たな感染拡大に対処し続けている市場もある。

コーエン氏は、相乗りはGrabの多くの市場で徐々に回復していると述べた。しかし、同社はさまざまなシナリオをモデル化し、再閉鎖の可能性や、消費者と加盟店の両方の行動の長期的な変化を考慮に入れて不確実な将来に備えているという。

「予測不可能性というのは、私たちがよく考えていることです」と同氏。同社のビジネスモデルは、配送が大きな部分を占めているが、移動制限が解除された国でも、顧客はまだオンラインでの買い物を好むからだ。

新型コロナウイルスはまた、Grabのいくつかの市場でデジタル決済の採用を加速させた。例えば、Grabは3カ月前にフィリピンでGrabPayカードを発売(Grabプレスリリース)したが、これは新型コロナウイルスの懸念を受けて非接触決済を利用する人が増えてきたからだ。

オンデマンド配送については、同社は即日配送サービスであるGrabExpressを拡張し、もともとは相乗り用に開発された技術を応用して、ドライバーが集荷と配送をより効率的に計画できるようにしている。これは新型コロナウイルスの感染拡大の経済的影響によって、消費者の価格意識が依然として高いため、配送サービスのコストを下げることに役立つ。

「消費者の購買行動が変化したので、私たちは供給側、つまりドライバー側ついてを考えるとき、柔軟性を持つようにしなければならないということです」と同氏は締めくくった。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

コワーキングスペースの「いいオフィス」が9900万円を調達、店舗開拓とブランディングを強化

コワーキングスペース事業の「いいオフィス」が9900万円を調達、店舗開拓とブランディングを強化

コワーキングスペース事業を展開するいいオフィスは9月15日、第三者割当増資として9900万円の資金調達を発表した。引受先は、Suprieve(スプリーブ)、森武司氏(Suprieve 代表取締役社長)。

調達した資金は、店舗開拓とブランディングの強化に用いる。また1000人以上の営業社員がいるSuprieveとの関係強化も目的のひとつとしており、関西における店舗数増・会員数増を実現するとしている。

2018年4月設立のいいオフィスは、コワーキングスペース「いいオフィス」を全国に展開。運営している国内・海外のコワーキングスペースを月額制でどこでも利用できるというサービスを提供している。
コワーキングスペース事業の「いいオフィス」が9900万円を調達、店舗開拓とブランディングを強化

現在は東京、横浜、埼玉、長野、広島、大阪、神戸、壱岐、フィリピン(セブ、マニラ)など、国内・海外含めて、2020年9月9日時点で178店舗運営しており、2020年度中に契約ベースで400店舗の展開を目指している。

家具サブスクのsubsclifeが約30億円を調達、シェア拡大に向けた施策を加速

家具・家電サブスクのsubsclifeが30億円を調達、シェア拡大に向けた施策を加速

subsclife(サブスクライフ)は、9月14日、第三者割当増資と金融機関からの融資により、約30億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は複数のファンド、事業会社および既存株主の10社。今回の調達により、家具のサブスクリプションサービス「subsclife」のシェア拡大に向けた施策を加速させる。

家具・家電サブスクのsubsclifeが30億円を調達、シェア拡大に向けた施策を加速

  • 第三者割当増資引受先: YJキャピタル、エニグモ、ユナイテッド、KDDI(KDDI Open Innovation Fund 3号:グローバル・ブレイン)、ダブルシャープ・パートナーズ、SMBCベンチャーキャピタル、セゾン・ベンチャーズ、三菱UFJキャピタル
  • 既存株主による第三者割当増資引受先: XTech Ventures、サイバーエージェント・キャピタル

2016年11月設立のsubsclifeは、 「家の中を、世界一、豊かな国へ。」をビジョンに掲げ、暮らしにサブスクという新しい選択肢を提供するスタートアップ企業。価値あるモノとそれを支える方々を大切にし、サブスクで提供することで、より消費者に提供しやすい仕組みを実現していくとしている。

またsubsclifeは、subscription(定期購買)+life(暮らし)の造語で、月額制で必要な時に、必要な分だけ、暮らしに必要なモノを利用できるサービスとなっている。

同サービスは、初期費用を大幅に軽減した上で新品かつデザイン性の高い家具・家電を利用できるほか、気に入ったら買い取ることも可能。レンタルは使い続けると商品価格を超えるが、subsclifeでは、使い続けても商品価格を超えない月額料金を設定したという。さらに、利用時の傷などの保証付きで安心して利用できるとしている。

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スキマ時間バイトアプリのタイミーが13.4億円を調達、企業向け営業・新規ユーザー獲得のマーケティングなど拡充

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空き時間に面接不要ですぐに働け、勤務終了後すぐお金を受け取れるスキマ時間バイトアプリ「タイミー」(iOS版Android版)提供のタイミーは9月14日、第三者割当増資と金融機関からの融資により、13.4億円の資金調達を2020年9月までに実施したと発表した。引受先はプロロジス、肥銀ベンチャー投資有限責任組合、肥銀キャピタル、近鉄ベンチャーパートナーズ、ミクシィ、global bridge HOLDINGS 、コロプラネクスト3号ファンド投資事業組合、そのほか個人投資家複数名。

調達した資金は、主に企業向け営業費用、新規ユーザー獲得に向けたマーケティング費用、プロダクトの機能拡充、採用にあてる予定。

タイミーは、「この時間なら働ける」人と「この時間だけ働いてほしい」企業をつなぐスキマバイトアプリ。働き手は応募や面接がなく、働きたい案件を選ぶだけですぐに働くことができ、勤務終了後すぐにお金を受け取れる。企業は来てほしい時間や求めるスキルを登録するだけで、条件にあった働き手との自動マッチングを行える。

スキマ時間バイトアプリのタイミーが13.4億円を調達、企業向け営業・新規ユーザー獲得のマーケティングなど拡充

新型コロナウイルス感染症の拡大により収入源を絶たれた求職者の働き先を増やすことは喫緊の課題になっている一方、物流業界など一部業界では以前に増して人手不足が深刻な状況だという。この状況下において多くの雇用を生み出し、人手を求める企業と働き先を求める求職者に貢献を目指し、今回の資金調達に至ったとしている。

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