ドイツのDelivery HeroがGlovoの中南米フードデリバリー事業を280億円超で買収、8カ国でサービス拡充を進める

利益率の低いフードデリバリー業界でのさらなる統合が発表された。ドイツ・ベルリンを拠点とするDelivery Hero(デリバリーヒーロー)は、スペインのオンデマンドデリバリーアプリ「Glovo」の中南米事業を買収すると発表した。同社は9月16日、最大2億3000万ユーロ(約282億円)を支払って8つの市場でのサービス展開を始める。

同社は、数週間以内に取引を完了する見込みであると述べており、この取引はGlorovoが事業を展開しているラテンアメリカのすべての国、すなわちアルゼンチン、ペルー、エクアドル、パナマ、コスタリカ、ホンジュラス、グアテマラ、ドミニカ共和国の8カ国だ。

Glovoは今年の初めに、ラテンアメリカの2つの市場からすでに撤退していたが、当時は「配送業者のトップ2社の中で地位を確立できる市場に集中している」と説明していた。なお、同時に中東からも撤退している。

Delivery Heroにラテンアメリカ地域の事業が移管されることで、同社は14の市場を持つち、南欧と東欧にさらに力を入れることになる。利益率の低い配送業界で収益性に疑問を感じていることを考えると、この動きは大きな驚きではないだろう。

昨年12月にGlovoは、「1年以上の時間をかけて」収益性を達成しようとしていることに焦点を当てていると述べていた。しかしそれは、本質的には競合他社との競争に勝ち、運営している場所で支配的なプラットフォームになることを意味し、ユニットの経済性が積み重なっている都市でのみ運営することを意味する。

Globoの共同創業者は「2020年はラテンアメリカの事業が黒字になると予想している」と語っていたが。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が業績を追い込んだのかもしれない。

さらにソフトバンクの数十億ドルとの戦いもある。日本のハイテク投資家であるソフトバンクは中南米を対象とした20億ドル(約2090億円)のファンドを保有しており、オンデマンド配信のスタートアップにも複数の投資を行っている。この地域で競争するためのコストが上昇している可能性が高く、収益性を追求するGlovoの後押しにはならなかった。

Glovoで最高経営責任者(CEO)を務めるのOscar Pierre(オスカー・ピエール)氏は今回の売却について「長期的に持続可能な事業を構築し、当社独自のマルチカテゴリー製品を顧客に提供し続けることができる主要市場に集中することが重要だと考えています」と述べている。「今回の取引により、当社がすでに非常に強みを持つ市場でのプレゼンスを強化すると同時に、大きな成長の可能性と機会がある新しい市場に投資することが可能になります。Delivery Heroは、ラテンアメリカで築いてきたビジネスを次のレベルに持っていくための最高のパートナーだと確信しています。彼らには、この地域をリードするプレイヤーになるために必要なものがすべてがそろっています」と同氏は付け加えた。

今回の売却は、Delivery Heroがラテンアメリカのフットプリントに新たに5つの市場を追加することを意味するだけでなく、これまで2社が直接競合していた、アルゼンチン、パナマ、ドミニカ共和国の3つの市場の競合相手を排除されることを意味する。

これらの重複する3つの市場では、取引の完了と同時にGlovoの事業を直接引き継ぐことになる。ただし、Glovoは2021年3月まで他の事業を継続して運営する。

なおこの取引は、一定の条件を満たし、関連する規制当局の承認を得ることを条件としている。

Delivery HeroのCEO兼共同創業者であるNiklas Östberg(ニクラス・エストバーグ)氏は声明で「ラテンアメリカはフードデリバリー事業にとって『例外的な成長の可能性』がある」と述べている。我々はわずか2年前に、地元ドイツでの事業を競合のTakeaway.comに事業を売却したばかりです。だから、フードデリバリーの分野は、プレイヤーがポジションを競い、彼らが望む収益性を得ることが重要なのです。

同氏はx「ラテンアメリカは、オンライン配信の可能性が非常に高い地域です。Glovoの現地法人を買収することで、革新を推進し、顧客満足度を継続的に向上させ、地域の現地ベンダーをサポートするための取り組みを強化する機会が得られます。当社は長年にわたりGlovoと密接に協力しており、彼らのラテンアメリカでのサービスを当社のグローバルネットワークに組み込んでいることを誇りに思っています。」と語った。

ちなみにDelivery Heroは、食料品配達の分野にも進出しており、8月にはドバイに拠点を置くInstaShopを買収済みだ。新型コロナウイルスの危機の間、ユーザーは通常よりも自宅にいる時間が長いことに気付いたため、食料品の配達は有望視されている。

Glovoはまた、自分自身を「食品配達以上のもの」とうたっている。アプリ内のボタンで、ユーザーは「何でも」の配達を要求できる。もしくは、少なくともその宅配業者がバイクや原付で管理できるものを。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

垂直農業ネットワークの構築継続に向けInfarmが株式と負債で170億円超を調達、日本の紀ノ国屋でも買える

生鮮食品をより消費者に近づけるため、都市部の農場のネットワークを構築している垂直農業企業のInfarm(インファーム)は、シリーズCのファーストクローズで新たに1億7000万ドル(約177億円)の資金調達した。

このラウンドは株式と負債を合わせて2億ドル(約210億円)に達する見込みで、LGT Lightstoneがリードし、Hanaco、Bonnier、Haniel、Latitudeが参加した。Infarmの既存投資家であるAtomico、TriplePoint Capital、Mons Capital、Astanor Venturesもこれに続いた。これにより、同社のこれまでの資金調達総額は3億ドル(約315億円)以上になった。

これは、過去12カ月間の小売店との提携のスピードの速さを物語っていると考えられる。オランダのAlbert Heijn、ドイツのAldi Süd、デンマークのCOOP/Irma、カナダのEmpire CompanyのSobeysやThrifty Foods、日本の紀ノ国屋、米国のSafeway、Kroger、英国のMarks & SpencerやSelfridgesなどが含まれる。

世界10カ国30都市で事業を展開するInfarmは、現在、毎月50万本以上の作物を収穫しており、従来の農業やサプライチェーンよりもはるかに持続可能な方法で収穫しているという。

モジュール式でIoTを搭載した垂直農法ユニットは、土壌ベースの農業よりも使用するスペースが99.5%少なく、水の使用量も95%少なく、輸送量も90%少なく、化学農薬もゼロであると主張している。また、Infarmのネットワーク全体で使用する電力の90%は再生可能エネルギーを使用しており、同社は来年にはゼロエミッションの食品生産を達成する目標を掲げている。

2013年にOsnat Michaeli(オスナット・ミカエリ)氏と兄弟のErez(エレツ)とGuy(ガイ)の Galonska(ガロンスカ)兄弟によって設立されたInfarmの「屋内垂直農業」システムは、ハーブやレタスなどの野菜を栽培することができる。このモジュラー農園を、食料品店、レストラン、ショッピングモール、学校など、顧客に面したさまざまな場所に設置することで、最終顧客が実際に自分で野菜を収穫できるようにしている。さらに規模を拡大するために、地元の流通センターにもInfarmsを設置している。

この分散型システムは拡張性が高く、スペースが許す限りモジュールを追加できる。全体がクラウドベースになっているため、農場をInfarmの中央制御センターから監視・制御することができる。また、IoT、ビッグデータ、クラウド分析を組み合わせた「Farming-as-a-Service」のような信じられないほどのデータ駆動型でもある。

創業チームは、2017年にこのスタートアップを取材した際に「より新鮮でおいしい農産物を生産し、忘れ去られた品種や希少品種を再導入するだけではなく、効率が悪く、多くの無駄を生み出しているサプライチェーン全体を破壊することだ」と語った。

当時ミカエリ氏は「私たちの農場の背後には、精密農業のための堅牢なハードウェアとソフトウェアのプラットフォームがあります」と説明する。「各農園のユニットはそれぞれ個別の生態系であり、植物が繁栄するために必要な環境を正確に作り出しています。私たちは、光のスペクトル、温度、pH、栄養素を調整した栽培方法を開発することができ、味、色、栄養の質の面で、それぞれの植物が最大限に自然に表現されるようにしています」とのことだった。

今回はドイツ・ベルリンに本社を置くInfarmの創業者の2人に話を聞き、最新情報を入手して今後の規模拡大の方法について少し掘り下げてみた。

TechCrunch:興味深いことに、初期の段階ではどのような想定をしていたのでしょうか?

オスナット・ミカエリ氏:4年ほど前に初めて話をしたときは、ベルリンに40人ほどいたのですが、会話の中心は都市型垂直農業へのアプローチが小売業者にもたらす可能性についてでした。多くの人にとってはコンセプトとして興味をそそられるものでしたが、数年後には、世界最大級の小売業者との提携により、10カ国(日本は現在進行中)、30の都市にまで拡大しているとは想像もできませんでした。当時の私たちの想定では、小売業者とその顧客は、目の前の農産物コーナーや農場で育った農産物の味と新鮮さに魅了されるだろうと考えていました。

私たちが予想していなかったのは、気候変動とサプライチェーンの脆弱性が私たちの生活、選択、そして食に与える影響を社会が感じ始める中で、持続可能で透明性のあるモジュール式の農業へのアプローチに対する需要がどれだけ、そしてどれだけ早く高まるかということでした。

もちろん私たちは、新型コロナウイルスの世界的な感染蔓延を予想していたわけではありませんでしたが、このことは、私たちの地球の再生と回復を支援しながら、高品質で驚くほどおいしい食べ物へのアクセスを民主化できる新しいフードシステムを構築することの緊急性を加速させました。この数カ月で、私たちの農業モデルの柔軟性と回復力が確認され、私たちの使命がこれまで以上に関連性の高いものであることがわかりました。

TechCrunch:新規の小売店との契約に関しては、この12カ月間の進捗状況を見る限り、簡単になってきていると思いますが、リードタイムがまだ長いのは間違いありません。あなたが始めた頃と比べて、これらの会話はどのように変わりましたか?

エレツ・ガロンスカ氏:リードタイムや会話のスピードは地域や小売業者によって異なります。コンセプトがよく知られていて、我々がすでに関与している成熟した市場では、ディールの会話は3カ月という短い期間で契約することができます。前回お話をさせていただいた時から、ヨーロッパ、英国、北米の大手小売業者のほとんどとはすでにお付き合いをしています。

それぞれの市場で、消費者を中心としたイノベーションの需要を満たすために急速に進化している小売業界の先駆者であるブランドは、Infarmによって持続可能で高品質、新鮮で生き生きとした農産物へのアクセスが可能であるだけでなく、本日、そして1年を通して毎日のように農産物の通路で入手可能であることを証明しています。

TechCrunch:私が興味を持っているのは、Infarmがどこに設置されているのかという点です。大部分が店頭や消費者に近い場所に設置されているのか。それとも、Infarmの最もスケーラブルで大部分のユースケースである、都市に近いものの人口や店舗密度の高い場所から離れていないが、実際には店頭には設置されていないより大規模な流通ハブなのかという点です。現在の比率はどのようになっているのか、また垂直農業が成長していく中でどのように発展していくと考えているのか、教えてください。

エレツ・ガロンスカ氏:現在、私たちの市場では、店舗にある農場と流通センターにある農場の比率はほぼ半々です。しかし、皆さんが予想しているように、私たちは今年、より多くの流通拠点でネットワークを拡大していきます。この拡大により、早ければ来年には80:20の割合になる可能性が高く、大部分の地域では、中心部に位置するハブから1週間を通して新鮮な生鮮食品が配達されるようになります。これにより、小売店やレストランには生産量の柔軟性がもたらされ、さまざまな規模のフロアエリアに合わせて提供できるだけでなく、現在開発中の次世代農園から地域全体への提供を開始することも可能になります。

これらの農場は当社のハブを拠点とし、25平方mのフットプリントで1エーカー(約4000平方m)以上の生鮮食品を生産し、エネルギー、水、労働力、土地利用を大幅に節約することができます。この技術は、持続可能な垂直農法で何が可能なのかというアイデアに真に挑戦するものだと信じています。

TechCrunch:最後に棚に並んでいる食品について、主な製品ラインを教えてください。

オスナット・ミカエリ氏:65種類以上のハーブ、マイクログリーン、葉菜類のカタログがあり、常に増え続けています。コリアンダー、バジル、ミントなどの一般的に知られている品種から、ペルーのミント、レッド・ヴァインズ・ソレル、ワサビ・ルッコラなどの特殊な製品まで、私たちが提供するものは多岐にわたります。

当社の農場では、植物の成長過程のすべての部分を管理し、さまざまな生態系の複雑さを模倣することができるため、近い将来Infarmが消費者に提供する農産物の多様性を、根菜類、キノコ類、花卉(かき)類、さらには世界中のスーパーフードにまで拡大することができるようになるでしょう。現在のInfarmは、まだ始まりに過ぎません。

画像クレジット:Infarm

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(翻訳:TechCrunch Japan)

社員向けメッセージングアプリで急成長を狙うドイツのFlipが4.3億円を調達

私たちは複数の人とのグループメッセージに慣れている。自分がWhatsAppTelegram、Facebook Messengerでいくつのグループに参加しているか、もうわからなくなってしまった。Threemaなどのアプリはビジネスの現場で使われ始めているし、Staffbaseなどのスタートアップは本格的な「社員向けメッセージング」プラットフォームになろうとしている。投資家たちは、メッセージングはあらゆる分野で爆発的に伸びつつあり、大きなチャンスがあると考えている。

こうした状況の中、ドイツのシュツットガルトを拠点とする社員向けメッセージングアプリのFlipが、360万ユーロ(約4億3000万円)を調達した。投資したのはLEA PartnersとCavalry Venturesで、Plug and Play Venturesも参加した。また、BASFの監査役会会長であるJürgen Hambrecht(ユルゲン・ハンブレヒト)氏、Magna Internationalの監査役会会長であるKurt Lauk(クルト・ラウク)博士、Starface創業者のFlorian Buzin(フロリアン・ブジン)氏、HRビジネスエンジェルのAndreas Burike(アンドレアス・ブリケ)氏などのビジネスエンジェルも投資した。この資金でチームの拡大とさらなる市場の開拓を加速させる。

Flipは2018年に創業し、あらゆるレベルの社員を結んで情報を知らせるプラットフォームを法律に準拠したかたちで提供している。

「法律に準拠したかたちで」というところが重要だ。同社のアプリはGDPRに準拠したデータおよび従業員保護の概念に基づいている。この概念は、専門家やドイツの株価の主要30銘柄の数社で構成された協議会で認められたものだ。また、既存の多くの企業ITインフラとも統合されている。

Flipは、ポルシェ(自動車)、バウハウス(教育機関)、エデカ(スーパーマーケット)、ユンゲIGメタル(金属系労組)、ヴュステンロート&ヴュルテンベルギッシュ(金融グループ)などの顧客をすでに獲得している。金融機関では、シュパーカッセ銀行やフォルクスバンク銀行で一部利用している。通信大手のドイツテレコムもFlipのパートナーだ。

Flipの創業者でCEOのBenedikt Ilg(ベネディクト・イルク)氏は発表の中で「Flipはあらゆる規模の企業で社内コミュニケーションをとるための最も簡単なソリューションだ」と述べている。

LEA PartnersのBernhard Janke(ベルンハルト・ヤンケ)氏は次のように述べている。「Flipは創業したばかりだが、すでに一流のクライアントを獲得している。リーンなソリューションで、大きな組織でも既存のITシステムやコミュニケーションのプロセスと統合できる。我々は今回の資金調達でチームとプロダクトをさらに拡大してほしいと考えており、あらゆる企業の従業員がデジタルを利用できるようにするというビジョンを持つ創業者を支援している」。

Cavalry VenturesのClaude Ritter(クロード・リッター)氏は次のように述べている。「Flipはこの若い市場において安全で軽量で驚くほどパワフルな製品を提供し、新しいスタンダードを確立しつつあると、我々は確信している」。

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(翻訳:Kaori Koyama)

ドイツでトラックに代わるドローンによる社内輸送の試行を実施

ドローンのスタートアップであるWingcopterは、提携先である製薬会社のMerck(メルク)およびフランクフルト応用科学大学と共同で、新しいドローン輸送サービスの運用テストを完了した。物理的に離れた社内施設間で小型貨物を運ぶ際に、トラックやその他の路上輸送に代えてドローンを使うことの利点を示すことが目的だ。今回の初フライトでは、ドイツのゲルンスハイムにあるメルクの研究施設から約25km離れたダルムシュタットの本社まで顔料サンプルを運んだ。

この試行にはいくつもの重要な意味がある。現地は比較的密集した都市部にあり、送電線、鉄道、道路などの上を飛行しなければならない。またこの実験では、継続的な視界を確保せずに実施されたが、有視界飛行は現在ほとんどの商用ドローン輸送テストで必須だ。提携各社はこれが世界中で行われている同様のパイロットプロジェクトの参考事例になることを望んでいる。

今後、同プロジェクトはさらに輸送テストを重ね、実験結果をまとめて3月に報告する予定だ。トラックに代えてドローンを使用することは、時間(1日が1時間になることもある)、排出ガス、さらには重くて燃料を食う大型トラックを空で戻す無駄を省くこともできるなどのメリットがある。

WingcopterのCEOであるTom Plümmer(トム・プルマー)氏はプレスリリースで、さまざまな利用場面でのドローン配送の利点を「繰り返し実演」してきたことを強調し、救急救命医療品を遠隔地に届けたことにも言及した。米国では、Alphabet傘下のWingがFedExとの提携で実施した試験、UPSがMatternetと共同配送した例などがあるが、今回の商用試験は一般消費者の賛同を必要としない点で、短期的にはチャンスが大きいかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Uberの配車ビジネスがドイツで禁止処分に

画像クレジット:Adam Berry

Uberに対する法的な打撃が、またヨーロッパで発動された。フランクフルトの地方裁判所は、Uberがアプリによって、レンタカー会社に配車リクエストを送信することを禁止したのだ。裁判所が不当な競争を禁止する法律に対する複数の違反を発見した結果だ。

この決定はUberの配車プロセスに関するもので、ドイツのタクシー協会による提訴を受けたもの。

ドイツでは、Uberの配車ビジネスは、専門の会社と、許可を受けている個人のハイヤー車両(PHV)のみによって運営されている。いずれも、運転手と車両が乗客輸送のために必要な免許と許可を持っていることが必要だ。今回の裁判所による禁止令は基本的に、Uberが法規に沿うようにモデルを変更しない限り、現在のUberのビジネスモデルをドイツ国内で違法とみなすものになる。

Uberはフランクフルト裁判所の判断に対して異議を申し立てることが可能だが、そうするつもりがあるかどうか、という質問には答えていない。

今回の禁止は、直ちに効力を発揮する。Uberが一時的に市場でのサービスを停止して、法規に従うことにするかどうかは不透明だが、同社は従うと明言しておらず、営業を継続しながら大急ぎで変更することを匂わせている。しかしそれでは、変更が終わるまでの間、法律に違反することになり罰金を科せられる危険を侵すことになる。

ロイターによると、訴訟の原告であるTaxi Deutschland(ドイツタクシー協会)は、即時の仮執行を求めると述べたという。それは、1回の乗車につき250ユーロ(約3万300円)の罰金、またUberが必要な変更を怠って違反を繰り返した場合には、1回の乗車につき最大25万ユーロ(約3030万円)の罰金が科せられるというものだ。

「裁判所の判決について検討し、ドイツ国内のサービスを継続できるようにするため、次のステップを決定します」と、Uberの広報担当者は声明で述べている。「私たちは認可されたPHV運営者とそこに属するプロのドライバーと協力して、長期的にドイツの都市と真のパートナーになれるように努力してまいります」

ドイツの法律に違反していると裁判所が裁定した問題の中には、Uberがレンタルの認可を受けていない、ということもある。運転サービスを提供するためにUberが雇っているレンタルドライバーは、いったん会社に戻ることなく、Uberアプリを通して仕事を受け付けている。以前なら会社が受け付けていた仕事がなくても、アプリで直接仕事を受けているといったことが問題視されている。

UberのP2P配車サービスは、その地域の最高裁判所による2017年の判決によって、欧州全域で事実上非合法化された。その判決ではUberは単なるIT企業ではなく、運送会社だと判断された。つまり、同社のビジネスは、各EU加盟国のPHV規制の対象となる。こうして応諾コストが、EUにおける同社のモデルに積み上げられる。

Uberは、デジタルビジネスモデルとアプリによる配車を前提として、ドイツの運輸関連の法規を改正する必要があると主張している。それが実現するまで、同社のビジネスはPHV規制に関する法的課題に直面し続けなければならないのは明らかだ。

フランクフルトの裁判所の裁定は、ロンドンの運輸規制当局が、英国の首都でUberが運営するための認可を更新しないと決定を下したことに続くものだった。

ロンドンの規制当局は「乗客の安全とセキュリティを危険にさらす」ことになる「不履行のパターン」を発見したという。認可を受けていないドライバーでも、アプリに登録して、少なくと合計1万4000回も客を乗せて運行するようなことができてしまっていた。

ロンドンの場合、異議申し立てによる係争中は、Uberは引き続き市内で営業を続けることができる。同社は、すでに異議申し立てを行なった。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

米国がドイツに通告「5Gでファーウェイ機器採用なら情報共有を制限」

米国政府は「ドイツの5Gネットワーク構築においてファーウェイが契約を得ることになれば情報機関における機密共有のレベルを下げる」と通告した。

これがRichard Grenel駐独米大使がPeter Altmaier連邦経済エネルギー省大臣に渡した文書の概要だ。Grenel氏は昨年トランプ大統領によって駐独大使に任命されている。Wall Street Journal(ウォールストリートジャーナル)の報道によれば、大使は「中国のスパイ行為の恐れがあるため従来どおりの機密情報の共有はできなくなる」と述べたという。

この通告は数日前にドイツの情報セキュリティ担当官庁、BSI(Bundesamt für Sicherheit in der Informationstechnik)が 5Gモバイル・ネットワーク構築にあたって必要なセキュリティ要件を発表したことを受けている。この要件には入札からファーウェイを排除する明示的条項は含まれていなかった。

さほど衝撃的なエスカレーションではないものの、この通告は米国としてファーウェイ排除に向けた強い姿勢を再確認するステップだ。トランプ政権はファーウェイの中国人民解放軍との密接な関係を脅威として、同社製品を5G網構築に使用しないよう同盟諸国に引き続き圧力をかけ続けるものと見られる。

米国の反ファーウェイの圧力はすでに、カナダオーストラリアニュージーランド日本ヨーロッパ諸国の大部分にファーウェイの機器の使用を避けさせることに成功している。当初は各国政府、モバイル・プロバイダーともファーウェイの機器は安価で信頼性も高いと述べていた。これらの点は 5Gネット構築にあたって重要な考慮点となる。

しかしドイツ政府は(英国も同様だが)、中国政府がこれまでスパイ行為の意図をもってファーウェイを操作したという確実な証拠はないと結論していた。ただし、ファーウェイの機器、テクノロジーが5G網の中枢部分を占めるようになった場合、セキュリティ上の脅威となる可能性はある。

連邦経済エネルギー省のKorbinian Wagner報道官は文書の受領を認めたものの、コメントは控えた。米国国務省からもコメントは得られていない。

NSAなどの米国情報機関がドイツのアンゲラ・メルケル首相の電話を盗聴していたことをエドワード・スノーデンがリークして以来、米国とドイツの情報機関の関係は緊張していた。しかしドイツはこれまで米国の情報コミュニティーから大量のシギント(通信諜報)の提供を受けていた。ドイツを含むNATO加盟国、フォーティーン・アイズと通称される西側諸国は大量の機密情報をプールしてテロ対策のために役立てている。ドイツはこの2年間だけでもISを支持すると称するイスラム過激派、クルド過激派などから数回にわたって攻撃を受けている。

報道によれば、ここ数週間のうちに欧州委員会はファーウェイ機器の採用を全面的に禁止する規則を制定する可能性がある。

一方、ドイツは早ければ来週にも5Gネットワークの構築に向けて具体的に動き出すものと見られる。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Airbnbのようにオフィスをレンタル―、ドイツのOptionspaceが正式ローンチ

ベルリン発のスタートアップOptionspaceが、”オフィススペースのAirbnb”といった感じのサービスと共に、本日正式にローンチした。

具体的なサービス内容として、オフィス用の物件を探している企業(ここにはもちろんスタートアップも含まれる)は、Optionspaceのサイトを使うことで、最短1ヶ月から家具付き/家具なしのオフィススペースを借りることができる。

既にベルリン、ミュンヘン、ハンブルグ、フランクフルトの4都市でサービスを開始しているOptionspaceだが、「今後数週間のうちに」他のドイツの都市にもサービスを展開していく予定とのこと。

「オフィススペースの賃貸契約のほとんどは、長期契約を前提にしており、柔軟性に欠けます。一方オフィスを借りる企業は、そこまで長い期間に及ぶ計画を具体的に立てられないことが多いため、長期契約は彼らにとって大きな金銭的リスクに繋がる可能性があるのです」とOptionspaceの共同ファウンダーでCEOのMoritz ten Eikelderは話す。なお彼は以前、Rocket Internet傘下の清掃代行サービスHelplingで、フィナンス部門のグローバルヘッドを務めていた。

しかしOptionspaceのマーケットプレイスには、従来のオフィス契約とは対照的に、フレキシブルな契約内容の物件しか掲載されていない。中には契約の終了日が決まっておらず、解約通知の期間が短いものもある。さらにユーザーは、物件のタイプやオフィスで働く人の数、最小敷地面積などから物件候補を絞り込めるようになっている。契約までのやりとりは基本的に全てオンラインで行われるが、必要に応じて事前に希望物件を内覧することもできる。

「物件を掲載している側の顧客にはふたつのタイプがいます。ひとつめが、オフィススペースに余りがある企業で、彼らは使っていない部屋を貸し出すことで、収益をあげることができます。そしてふたつめのタイプが物件の所有者や資産管理会社で、彼らはフレキシブルな契約内容を提示することで、通常よりも高めの値段設定で物件を貸し出すことができます」とEikelderは付け加える。

Opetionspaceのビジネスモデル自体は、そこまで目新しいものではない。一旦ユーザー間で賃貸契約が結ばれると、同社は月々の賃貸料の10%を最大12ヶ月間、貸し主から徴収するようになっている。

競合サービスについてEikelderは、「フレキシブルなオフィススペースの選択肢を見てみると、ビジネスセンターやコーワーキングスペースが私たちの主な競合サービスにあたるとわかります。しかし、私たち自身も何ヶ月間かそのような場所で仕事をしたことがありますが、完全にオフィスにとって代わるような気はしませんでした。料金が高めに設定されているということもありますが、ほとんどのビジネスセンターやコーワーキングスペースは、ある程度の社員数がいる企業のニーズを満たしきれていません」と語る。

Optionspaceの投資家には、Vito One(Viessmann Group内でシード投資を専門に行っている組織)や、シード期前の段階にある企業への投資を積極的に行っているMakers、FactoryファウンダーのUdo Scholemer、Helpling共同ファウンダーのBenediktFrankeとPhilip Huffmann、Andrew Goldstein(LMU Entrepreneurship Centerの共同ファウンダー)、Paul Bauwens-Adenauer、Patrick Adenauer博士(BAUWENS Unternehmensgruppeオーナー)が含まれている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

オフィス管理代行サービスのService Partner Oneが1000万ドルを調達

Service Partner One closes  10M Series A to move office management services online   TechCrunch

全くデジタル化されていない時代遅れの産業が未だに残っていることは驚きではない。スタートアップがまだまだオンラインの利便性を物やサービス提供にもたらす機会を開拓していることにも驚きはない。

ベルリンに本社を置くService Partner Oneの場合は、Webサイト、iPad、iPadアプリケーションを経由してオンライン上で様々なオフイス管理サービスの予約・管理するサービスを提供している。EQT Venturesが率い、Earlybird、Target Global、Rheingau Founders、Ringier Digital Ventures、Visto Venturesが参加したシリーズA(2016年7月6日)では1000万ドルの資金を調達した。

Service Partner Oneのアプリケーションを通して、オフィスクリーニング、フルーツ、飲料、カフェマシーン、ウォーターサーバー、オフィス用具の配達など、多様なサービスの予約が可能だ。オフィス管理に関するすべての支払いは、複数のプロバイダーが関わっているかにかかわらず単一で管理できる。それは毎月の1枚の請求書の発行も含む。

「私達はSaaS型のキュレートしたマーケットプレイスを提供します。オフィス管理者のためのオフィス運用システムを構築しています」Service Partner OneのCEOで共同創業者のSven Hock氏はそのように語る。「それぞれのカテゴリーで、私たちはオフィス用品の最良のサプライヤーを選びました」。

Service Partner Oneのアイデアは、異なるサプライヤーとやりとりする時も請求書を管理する必要がないよう契約を一本化し、オフィス管理者の仕事をより簡単、効率的なものにすることである。

「完了したことの概要を把握できます」Hock氏はそう語る。「また、清掃員との間でコミュニケーションが図れるようにつなぎます」。オフィス管理者はiPadのアプリケーションを通してサプライヤーへクリーニングの手順や直接仕事の質に対するコメントを書くことができる。

Hock氏はService Partner Oneの顧客は、わずか10人の従業員のオフィスから500人の従業員がいるオフィスまで幅広いと語る。中小中堅企業から、McKinsey&Company、Commerzbankのような大企業にまでサービスを提供している。

「私達の顧客にはSpotify、Twitter、Salesforce、世界でも規模の大きいコワーキングスペースを提供する企業の1社であるWeWorkを含みます。顧客は全てのサービスを選ぶ必要はなく、フルーツバスケットや飲料だけを選ぶこともできますし、もちろんフルパッケージを選ぶことも可能です。しかし、ほとんどの顧客は1つのサービスから使い始めます。その後しばらくして、私達のサービスはさほど高くないですし、非常に便利なので他のサービスも使う始めるようになります」Hock氏は補足した。

Service Partner Oneはこれまでにヨーロッパの6都市における500のオフィスを管理している。ドイツのベルリン、ハンブルク、ミュンヘン、フランクフルト、ケルンそして最近、進出した英国のロンドンだ。Service Partner Oneのチームは70人まで成長し、本日調達した資金はヨーロッパでの更なる成長のために利用する予定だ。

原文

(翻訳:Shinya Morimoto)