オープンソースの存続を脅かす身勝手な企業に立ち向かう

[著者:Salil Deshpande]

Bain Capital Venturesのマネージング・ディレクターを務めつつ、インフラ・ソフトウエアとオープンソースに強い関心を持つ。

 

地平線に暗い雲が現れた。Amazonなどのクラウドインフラ・プロバイダーは、オープンソースの存続を脅かそうとしている。私は、以前、この問題を初めてTechCruncの記事で報告した。嬉しいことに、2018年になってから、何人かの指導的立場にある人たちが集結して論議を行い、いくつもの解決策を提示してくれた。ここに、先月の動きを紹介しよう。

問題

Amazon Web ServicesAWS)の画面上部にある「Products」メニューにポインターを合わせると、Amazonが開発したものではないがサービスとして提供されているオープンソース・プロジェクトがたくさん現れる。これらは、Amazonに年間数十億ドルの収益をもたらしている。誤解のないように言っておくが、違法ではない。しかし、オープンソース・コミュニティーの存続と、とくに商業ベースのオープンソースのイノベーションに貢献することはひとつもない。

2つの解決策

2018年の初めに、私は20社ほどの大手オープンソース企業のクリエイター、CEO、相談役を集め、オープンソースに詳しいことで名高い弁護士Heather Meekerも加えて、どうすべきかを話し合った。

私たちは、クラウドインフラ・プロバイダーが特定のソフトウエアを商用サービスとして使うことを禁止し、同時に、そのソフトウエアを実質的にすべての人に対してオープンソースにする、つまり、商用サービスではない形で誰もが使えるようにするライセンスを規定したいと考えた。

私たちの最初の提案「Commons Clause」(共有条項)は、もっとも直接的なアプローチだった。これは、もっとも自由で寛大なオープンソース・ライセンスに追加できる条項で、ソフトウエアの「販売」を禁止するものだ。ここで言う販売には、商用サービスとしての提供も含まれる(Common Clauseソフトウエアで作られた別のソフトウエアの販売は、もちろん許される)。Common Clauseを追加すれば、オープンソースから生まれたプロジェクトは、Source-available(ソース利用可能)に変更される。

私たちはまた、別の参加者であるMongoDBが先頭に立って提案されたServer Side Public License (SSPL)も素晴らしいと感じた。ソフトウエアをサービスとして提供することを禁止するのではなく、管理ソフトウエア、ユーザーインターフェイス、アプリケーション・プログラム・インターフェイス、自動化ソフトウエア、モニタリング・ソフトウエア、バックアップ・ソフトウエア、ストレージ・ソフトウエア、ホスト・ソフトウエアなどを含むがそれに限られないサービス提供のためのソフトウエア開発に使用したすべてのプログラムをオープンソース化し、すべてのユーザーはこのサービスのインスタンスを実行できるというものだ。これは「コピーレフト」と呼ばれている。

これらは、まったく同じ問題に対する2つの解決法だ。Heather Meekerは、FOSSAでまとめられた意見を元に、この2つについて解説している。

当初、この努力に対して、コミュニティーを「欺く」ものだという騒ぎや避難が起こったが、それはむしろオープンソース・コミュニティーが解決を必要とする深刻な問題を抱えていることを世間に知らしめ、オープンソース・コミュニティーはそろそろ現実を直視すべきであること、そして、インターネット巨大企業は、彼らが中心的に利用しているオープンソースの相応の代償を支払う時期に来ていることを理解してもらうという、よい方向に転じた。

10月には、Apacheソフトウエア財団(ASF)の役員から連絡があり、業界の需要に応える新しいオープンソースライセンスを一緒に作ろうと提案された。

MongoDBに拍手

SSPLの使用を明言し、それと並行して、オープンソース・ライセンスの認証を受けるためにSSPLをオープンソース・イニシアチブ(OSI)という組織に提出したが、その承認を待たずにSSPLライセンスのもとでソフトウエアの販売を開始したMongoDBの行動は称賛に値する。

OSIは、何がオープンソースで何がそうでないかを「判断」する神聖な立場にあると自認しているため、オープンソースか否かの視野の狭い論議に陥りがちだ。OSIへのSSPLの提出により、MongoDBはOSIのコートにボールを投げ込んだ形になる。OSIは、果たして問題解決のために一歩前進するか、それとも砂の中に頭を埋めてしまうか。

しかし実際は、MongoDBはOSIに大きく貢献している。MongoDBは、自ら問題を解決し、完璧に実用的なオープンソース・ライセンスを銀の盆に載せてうやうやしくOSIに差し出したからだ。

神聖なるオープンソース

SSPLに関するOSIの論議の公開記録は、ときに有益な内容を含み、ときに楽しく、滑稽に感じられることもある。最初にMongoDBがSSPLを提出したとき、OSIのメンバーたちは、SSPLはオープンソース・ライセンスではないと囃し立て、その理由を探しまくった。その後に賛同する声も加わった。しかし、メンバーのひとりJohn Cowanは、彼らにこう言い聞かせたOSIがオープンソースとしてライセンスを認証しなかったとしても、それがオープンソースではないとする理由はない

私が知る限り(それは非常に広範に及ぶが)、それはOSIの仕事ではない。OSIが公的に「ライセンスXはオープンソースではない」と発言したことはない。メーリングリストの人々はそうしてきたが、OSIは違う。「私たちのOSI Certified ™リストにないライセンスは、いかなるものもオープンソースではない」などとも言わない。なぜなら、それは間違いだからだ。だが、明らかにオープンソース・ライセンスであるにも関わらず、なんだかんだと理由をつけてOSIが認定しないというのは、あり得ることだ。

Eliot HorowitzMongoDBCTOで共同創設者)は、質問、コメント、反対意見について丁寧に対応し、次のように結論付けた。

要するに今の世界では、リンクは、プログラムをサービスとして提供する方式に取って代わられ、ネットワークを通じてプログラムがつながることが、プログラムの組み合わせの基本的な形になっていると思う。既存のコピーレフトのライセンスが、こうした形態のプログラムの組み合わせに明確に適用できるかは不確かだ。そこで私たちは、この不確かさに対処するために、開発者にひとつのオプションとしてSSPLを提示したいと考えている。

OSIの目的、役割、妥当性に関する議論が数多く重ねられた。そして、Van LindbergMcCoy SmithBruce Perensから、いくつかの法的な問題が提示された。

そこへHeather MeekerCommons ClauseSSPLを起草した弁護士)が歩み出て、それまでに課題とされていた法律上の問題を完全に解決した。また、その他の解釈もEliot Horowitzによって明確にされ、必要ならばライセンスの表現を変更する意思を示した。

OSIの役割、妥当性、目的に関するメンバー同士の議論は続いたが、そのひとりが鋭い指摘をした。グループの中には「フリーソフト」支持者が大勢いて、オープンソースの質を貶め、新しい指針を打ち出そうとしているという。

もしOSIが、フリーソフトの組織として生まれ変わることを決意したなら、そして「我々」の仕事がフリーソフトであり、「我々」の主眼がフリーソフトにあるなら、名称を「フリーソフト・イニシアチブ」に変更して、すべての人に門戸を開くべきだ。彼らは完全にオープンソースなのだから、彼らに仕事を譲れば、誇りを持ってやってくれる。:-)

SSPLは、ユーザーのタイプで差別をしていないかという議論がある。それはオープンソースの質に関わる問題だ。Eliot Horowitzは、そうではないと説得力のある説明をしている。それで人々は黙ったように見えた。

Heather Meekerは、法的な知識をグループの人々に与えた。それが問題の解決に大いに役立ったようだった。いわゆるオープンソースの定義の第6条を書いたBruce Perensは、SSPLは第6条にも第9条にも抵触しないと認めた。それに続いて彼は、SSPLが違反となるように第9状を改訂することを提言した。

私たちは、この問題ために自刃などしない。OSD #9は2つの言葉で修正でき、役員が集まり次第「執行」できる。それにしても面倒だ。

実績あるオープンソースの弁護士Kyle Mitchellは、そうした戦術に反対している。Larry Rosenは、一部のメンバーの主張(いかなる目的であっても、すべての人がプログラムを使えるというのがオープンソースの基本である)は真実ではないと指摘した。OSIの目的とオープンソースの意味に関する面白い議論はまだ続く。

Carlos Pianaは、SSPLが実際にオープンソースである理由を簡潔に述べた。Kyle Mitchellは、SSPLのときと同じ方法でライセンスを審査するなら、GPL v2もオープンソースではなくなるとも指摘している。

世論の高まり

一方、データベース企業ScyllaDBの創設者Dor Liorは、SSPLAGPLを付き合わせて比較し、こう異論を唱えた。「MongoDBは、もっとうまくCommons Clauseをやるべきだった。そうでなければ、ぐっと堪えてAPGLで我慢すべきだった」と。インメモリー・データベースの企業Redis Labsが、RediSearchと4つの特別なアドオン(Redis自体は含まない)をCommons Clauseライセンス化した後、Player.FMは、Common ClauseライセンスのもとでRediSearchを使いサービスを開始した。グラフデータベースの企業Neo4Jは、コードベース全体をCommons Clauseライセンス化して8000万ドル(約90億8400万円)のシリーズE投資を獲得した。

さらに、 Red Hat Ansibleを開発したMichael DeHaanも、新しいプロジェクトにCommons Clauseを選択した。彼は、オープンソースに関してOSIが「認定」した既存のライセンスを選択しなかった理由を、次のように語っている。

彼らのツイッターや誇大広告の大騒ぎの後、OSIのことはどうでもよくなった。あれは政治的な資金集めの団体だよ。

この2018年のうねりは、修正すべきは業界側の問題であることを示す証拠となった。

Eliot Horowitzは、すべての問題を要約して対処した後、発言を止めて、しばらく遠ざかった。SSPLがオープンソース・ライセンスのすべてのルールに従っているように見えていたとき、そしてメンバーの支持を集めていたときは、Brad Kuhnは、なぜOSIは必要に応じてルールを変更して、SSPLがオープンソースであると思われないように対策しないのかという的はずれな議論を一歩前に進め、こうまとめた。

「ライセンス評価の過程」には、本質的な欠陥があるようだ。

Mitchelは、明確な論拠をあげてSSPLがオープンソースであるという議論に決着を付けた。Horowitzは、改訂案に対して意見や不満を述べてくれたメンバーに礼を言うと、数日後、改訂版SSPLを発表した。

OSIには、MongoDBが新しい申請を行った後、60日以内に次の決断を下すことになった。

  1. 目を覚ましてSSPLが確かにオープンソース・ライセンスであることを認める(わずかな変更は許される)。
  2. OSIには業界の問題を解決する意思はないと世界に公表し、政治オタクとなって理論的な議論に終始する。

ここで言うオタク(wonk)は、最良の道だ。

Wonk:[名詞](口語)政治的方策のささいな事柄に必要以上にこだわる人のこと。

重要なのは、MongoDBが、いずれにせよSSPLの使用を推進するということだ。MongDBがOSIの決断を待つとなると、つまりOSIがなんらかの貢献をするならば、私たちはOSIがSSPLをオープンソース・ライセンスであると認めるか否かを、息を殺して見守ることになる。

目下のところ、OSIの決断は、業界のためというより、OSI自身のためのものだ。それは、OSIが業界の問題解決に協力する方向性を保つか、重箱の隅をつつくだけの役立たずの団体になるかを表す指標になるからだ。もし後者だった場合に備えて、私たちはリーダーシップのある他の団体に目を配り、彼らが業界のニーズに応える新しいオープンソース・ライセンスの創設を目指すときのために、Apacheソフトウエア財団(ASF)と話をしてきた。

SSPLをオープンソースだと認めるなら、それはOSIにとってよいことだが、それは決定打にはならない。John Cowanの言葉を思い出して欲しい。OSIがそのライセンスをオープンソースだと認めなくとも、オープンソースではないという理由にはならない。私たちは、さまざまな業界団体のほぼすべてのメンバーと、彼らがそれぞれの分野で重ねてきた努力に対して、大きな尊敬の念を抱いているが、自分たちを、個々のライセンスがオープンソースかどうかを「判断」する特別な存在だと思い上がっている人たちを尊敬するのは難しい。それは独裁的で、時代遅れだ。

正誤表

この問題をいち早く解決して欲しくて業界に発破をかけるつもりで、以前の記事にこう書いてしまった。「ある人が、どこかの別の人が開発したオープンソース・ソフトウエアを使って、文字通り自分だけが儲かる商用サービスを始めること」(クラウドインフラ・プロバイダーがしているように)は、オープンソースの「精神に反する」と。ちょっと言い過ぎた。率直に言って、正しい表現ではない。オープンソースの理念にこだわる人たちは、そう主張するだろう。私は彼らに喧嘩を売るつもりはないが、「精神の中にあるもの」からは距離を置いて語るべきだった。私の記事の本当の意図がぼやけてしまった。

結論

クラウドインフラ・プロバイダーの振る舞いは、オープンソースの存続を脅かした。しかし、クラウドインフラ・プロバイダーは悪ではない。現在のオープンソース・ライセンスは、元になったオープンソース・プロジェクトやそれを育てて来た人たちへの見返りを支払うことなく、 言葉どおり、それを利用できるようにしている。問題は、クラウドインフラ・プロバイダーの勝手を防ぐ、開発者のためのオープンソース・ライセンスが他にないことだ。オープンソースの標準化を行う団体は、それを邪魔するのではなく、助けるべき立場にある。私たちは、オープンソース・ソフトウエアの開発者が死なずに済むだけでなく、繁栄できる道を確保しなければならない。そのために、クラウドインフラ・プロバイダーに対してもっと強く出られる方法が必要ならば、開発者には、それを可能にするライセンスを用意するべきだ。オープンソース・コミュニティーは、これを最優先課題として早急に取り組まなければいけない。

おことわり

私はMongoDBには、直接、間接を問わず投資はしていません。私は、以下のオープンソース・プロジェクトに携わる次の企業に、直接または間接の投資をしています。SpringMuleDynaTraceRuby RailsGroovy GrailsMavenGradleChefRedisSysDigPrometheusHazelcastAkkaScalaCassandraSpinnakerFOSSAそして……Amazon

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(翻訳:金井哲夫)

MongoDBがそのコードのオープンソースライセンスを改定、オープンソースの“食い逃げ”に むかつく

MongoDBは一部の、とりわけアジアの、クラウドプロバイダーのやり方にムカついている。彼らはそのオープンソースのコードを利用して、同社のデータベースの商用バージョンを、オープンソースのルールを無視してユーザーにホストしている。これと戦うためにMongoDBは今日(米国時間10/16)、Server Side Public License(SSPL)と名付けた新しいソフトウェアライセンスを発行した。それは同社のMongoDB Community Serverのすべての新しリリースに適用され、前のバージョンの新しいパッチに対しても適用される。

これまでMongoDBはGNU AGPLv3ライセンスを使ってきたが、今度はSSPLをOpen Source Initiativeに申請して承認を待っている。

現在コミュニティサーバーを使っている通常のユーザーは全員、新しいライセンスが適用されないので何も変らない。むしろこれは、MongoDBがAGPLv3ライセンスの誤用とみなしているものへの対策だ。MongoDBはこう説明している: “MongoDBはこれまで、GNU AGPLv3でライセンスされていた。したがってMongoDBを一般公開サービスとして動かしたい企業は、自分たちのソフトウェアをオープンソースにするか、またはMongoDBから商用ライセンスを入手しなければならない。しかしながらMongoDBの人気のゆえに、一部の企業はGNU AGPLv3の許容限界を試そうとしている”。

つまり、SSPLはGNU GPLv3とそれほど異なるライセンスではない。GPLとほぼ同じ言葉で、コードの利用、変更、再配布の自由が明記され、しかしSSPLが明示的に声明しているのは、MongoDB(やSSPL下のそのほかのソフトウェア)をサービスとして提供しようとする者は何人(なんぴと)たりとも、商用ライセンスを得るか、またはサービスをオープンソースにしてコミュニティに還元しなければならない、という点だ。

MongoDBのCTOで協同ファウンダーのEliot Horowitzは、声明の中でこう述べている: “市場はますます、ソフトウェアをサービスとして消費しており、そこに、オープンソースの優れたサーバーサイドソフトウェアのニューウェーブが生まれ育つすばらしい機会が作られている。しかし残念ながら、一度オープンソースプロジェクトの味をしめたクラウドベンダーはあまりにも安易に、それが自分が開発したソフトウェアではないにもかかわらず、その価値のすべてを取り込み、コミュニティに何も寄与貢献しなくなっている。われわれはオープンソースに大きく貢献し、大きな恩恵を受けている。そういう企業としてわれわれは、多くの企業に影響を及ぼす問題で先頭に立つべき、独自の立ち位置にある。これが今後さらに多くのプロジェクトを刺激して、オープンソースのイノベーションが守られることを望みたい”。

この動きが、一部の人びとの反感を招くことも確実だ。オープンソースのライセンスについて語るときには、その運動の本質をめぐって宗教的な口調にどうしてもなりがちだ。そしてMongoDBはそのソフトウェアの背後にいる商業的実体であり、コードへの外部からのコントリビューションを管理しているから、たとえば大きなオープンソースのファウンデーションなどが管理するプロジェクトと違って、コードに対する一社の権限や態度が実質的にきわめて強い。だからMongoDBがオープンソースの何たるべきかを語るのはお門違い、と見るむきもある。オープンソースはソフトウェアを開発するための実用的な方法にすぎない、という考えもある。

しかしいずれにしてもこれは、私企業とその企業のオープンソースプロジェクトの管理との関係はどうあるべきかをめぐる議論の、契機になると思われる。自分のコードの使われ方に関して、MongoDBのような企業は、どれだけのコントロールを及ぼしうるのか? 今日のHacker Newsを読むのが、楽しみだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

アメリカ製品の使用を禁じられたZTE、AndroidのライセンスでGoogleと相談中か

昨日(米国時間4/16)はZTEにとって厳しい一日だった。1年前、イランと北朝鮮に対する制裁を守らなかったことで有罪を認めた同社は、アメリカ商務省からさらなる鉄槌を喰らい、アメリカ企業は向こう7年間、同社に製品を売ることができなくなった〔虚偽報告で〕。

推定によると、それは同社製品に使われている部品の1/4以上に相当し、Qualcommなど有名大企業の製品も含まれる。また無形のアメリカ製品としては、同社Androidハンドセットの重要部位である、OSに関するGoogleのライセンスも含まれる。Bloombergの匿名情報筋によると、ZTEはモバイルのオペレーティングシステムの今後について検討するため、弁護士がGoogleの役員に会っている、といわれる。

有形部品の多くは、自国である中国のメーカーなどからも購入できるが、オペレーティングシステムはどうなるのか。まともな選択肢は、残されていない。たとえば、アプリなどをすべて同社が作って揃えなければならないだろう。OSそのものの開発にも、手を出さざるをえないかもしれない。

ZTEの一件がAndroidの今後の命運を左右するとは思われないが、Googleが失うものは大きい。アメリカ市場だけでも、同社製スマートフォンのマーケットシェアは12.2%で、Apple、Samsung、LGに次いで4位だ。Googleとしては、有力なハードウェアパートナーをできるだけ多くつなぎ留めておきたいのはやまやまだが、ただしそれは、商務省の逆鱗に触れない場合に限る。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GoProがカメラのレンズとセンサーをサードパーティのメーカーにライセンスして活路を見いだす

GoProが今日(米国時間3/22)、電子機器メーカーJabilとの複数年の契約を発表した。Jabilは警察のボディカメラやビデオ会議用機器など、いろいろな製品にGoProの技術を利用する気だ。両社の合意により、JabilはGoProのデザインと知財をライセンスして、承認されたサードパーティ製品に使用する。他社がGoProのパーツで製品を作るのはこれが初めてだが、今回その製品にGoProのブランド表記はない。

GoProは、2014年リリースのGoPro Hero4のころからJabilと協働している。Jabilはアメリカ国籍のメーカー企業だが、23か国に工場など90の事業所がある。今回の合意の財務的条件は公表されていない。

Jabil OpticsのVP Irv Steinが発表声明の中で、“市場からの初期のフィードバックによれば、スマートホームや軍、消防、警察、救難、警備などの分野で、エンタープライズクラスのアクションカメラへの強力な需要があることが示されている”、と述べている。しかし今回の契約は、始まりにすぎない。

GoProのCTO Sandor Barnaは、ビデオ会議やロボティクス、自動運転車などの分野にGoProがレンズと画像センサーを供給できる機会を見ている。

GoProは今後、アクションカメラ市場にとらわれずに、いろんな分野でそのブランドを生かしていく気のようだ。今回の合意では、デジタル画像技術や消費者製品を含む一定範囲のGoPro製品がライセンスされる。ただしアクションカメラは合意の対象外で、契約はGoProの製品と競合しない製品のみをカバーする。

GoProの株価は5ドル未満という記録的な安値をキープしており、同社は会社の存続のために苦闘している。最近はドローン部門の大半をレイオフし、改良された新製品を出したばかりなのに、早くも業績が危うくなっている。だから、今回のように技術をライセンスするという新しい商機が、GoProを立て直すかもしれない。GoProのアクションカメラが市場で最良の製品であることは誰も否定しないが、会社は価値を失い続けている。パートナーを介してそのブランドを有効活用し、新市場に進出しようとするのは、賢明な動きだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AltSchoolは子供たちの学習の変革を目指す、しかしそこで学ぶ子供たちの将来に対する懸念が浮上

Business Insiderの最近の報告によれば、多くの家族が、AltSchoolでその子供たちが受けている教育に不満を募らせている。AltSchoolはサンフランシスコを拠点とする野心的なエデュテックであり、4年前に実際の学校を開校し、多くの子供たちが受けている標準化された教育よりも、遥かに優れたパーソナライズド学習アプローチを提供することを約束していた。

しかし、AltSchoolに関する懸念を高めているのは親たちだけではない。教育者たちもまた、AltSchoolは来る教育の中で最良のものなのかどうか、あるいは営利目的の会社は、関わる子供たちの将来の妨げにはならないのか、そして将来に渡っても影響を残すのではないかと懸念している。

AltSchoolに対する嫌悪感は、この1年の間に増してきたように見える。それは、もともとはその学校と教室のネットワークを拡大しようしていた同社が、成長を加速させるために、自身の学校を作る代わりに、パーソナライズド技法を取り入れたい他の学校に初期プログラムをライセンスし始めたときから始まった。

欲求不満は、最近沸点に達し、ある母親はBusiness Insiderのインタビューに答えて、自分の子供たちは「モルモット」にされていると訴えた。

この言葉は、ここ数ヶ月の間に私たちが出会った、幾組かのAltSchoolファミリーの間で囁かれている。多くの親たちが出席した9月の誕生日パーティーで、ある母親は2人の子供をプログラムから連れ出して、近隣の公立学校に入れたと語った。パーティには参加した他の親たちも、次の秋には別の場所に子供たちを参加させられるように積極的に動いていると語った。彼らが指摘する最大の理由は、彼らの子供たちが学業的に遅れているという点だ。ある匿名希望の母親が私たちに対して語ったところによれば、約3万ドルの年間授業料を払っているだけではなく「子供たちが学んでいないものを補うために、皆沢山のお金を使っています」ということだ。

AltSchoolに2人の子供が通う別の母親は、最近サンフランシスコの名門私立学校の校長と話した際に、もし将来彼の管理する学校への入学を認められたいならば、子供たちを他の学校に移した方が良いというアドバイスを受けたと語った。

あなたには怒る権利がある

彼らの怒りを更に複雑なものにしているのは、ごく最近明らかになったAltSchoolに関する新事実である。これまで7箇所にまで成長していた既存の学校のネットワークが、現在はわずか4つにまで減少しているのだ。カリフォルニアに2つ、そしてニューヨークに2つである。この動きは親たちに疑問を投げかけた。AltSchoolはただ子供たちからデータを抽出して脇に投げ捨てるために、家族たちをそのプログラムに誘い込んだのだろうか?

そのような不満について質問したところ、同社を創立して運営していた元GoogleエグゼクティブのMax Ventillaは、AltSchoolの実際のロケーションを縮小する決定はAltSchoolのソフトウェアに対する「想像以上に大きな需要」に起因していると答えた。このソフトウェアは既に半ダースほどの私立または公立学校にライセンスされていて、 学校のサイズに応じて、年間生徒1人あたり150ドルから500ドルが課金されている。

「学校の数を減らそうという私たちの動機は、残っている学校に対して限られたリソースで最高品質の体験を提供できるようにしつつ、AltSchoolビジネスのソフトウェアの側面を当初の計画よりも速く成長させることができるようにしたい、というところから来ています」とVentillaは語る。

そして彼は、パロアルト、サンフランシスコのドッグパッチ地区、そしてニューヨークのイーストビレッジの拠点を閉鎖するという決定は、Bloombergが最近報じたように、同社の財務には影響しないと付け加えた。その一方で、AltSchoolはシリーズCのラウンドをクローズさせようとしている。また「追加の融資と調達資金によって、銀行には引き出し可能な6000万ドルがあります」ということだ。

彼らはありのままが良いと言う

それでも、AltSchoolが他の学校のために、ソフトウェアを製品化して販売する必要があるかどうかと尋ねることは、おそらく意味があるだろう。現時点では、内部の人間も、外部の者も、それはまだ早すぎると言っている。

Jennifer Carolanは(初期段階の教育テクノロジースタートアップに焦点を当てたベンチャーキャピタルである)Reach Capitalの共同創業者兼ゼネラルパートナーである。彼女は当初から、AltSchoolは親たちが飢えているような種類のパーソナライズド教育アプローチを売り込んでおり、これまで何十年もの間試みられてきた、画一教育から離れて個々の子供たちの必要性に合わせて調整される教育の実現を狙っているのだと指摘する。

それにもかかわらず、パーソナライズド学習は「上手く実現することが非常に難しい」と彼女は語る。実際、CarolanはAltSchoolが立ち上がる際にも時間を費やし、多くの革新的なアイデアがあると結論付けてはいるが、現在の彼女の懸念は、それがまだ初期の試行錯誤を行っている段階での、あまりにも多額の資金導入が、「時期尚早の拡大」につながってしまうのではないかということだ。

他の投資家たちが投資を行う中で、Reachは投資しないことを選んだ。AltSchoolはこれまでのところ、Facebook CEOのマーク・ザッカーバーグや、Founders FundやAndreessen Horowitzなどを含む著名なベンチャー企業から、1億7500万ドルの資金調達を行っている。

AltSchoolで3年間を過ごす前に、公立学校の教師として4年間働いた経験を持つ若く熱心な教育者Paul Franceは、この学校の魅力を十分に理解している。しかし彼もまた、AltSchoolや他の新しい学校が推進しているパーソナライズド学習のブランドについては特に懸念している。「初めてAltSchoolに着任したとき、私たちは新しい学校を開設している最中でした。話し合える沢山のクールな人たちがいて、沢山のクールなアイデアに溢れていました」。彼は「パーソナライズド学習の基礎は非常に興味深い」と考えたのだ。

3年後、Franceはこのアプローチについて、大きく異なる気持ちになったと語る。「私たちは現在、パーソナライズド学習に価値を置く個人主義の社会に生きています。おそらく度が過ぎる程に。それは『私が、私が、私が』なのです。しかしそれは教育の真の問題に対する解ではありません」。実際、現在はシカゴで教えているFranceによれば、AltSchoolや同種の学校は、生徒たちに対してあまりにも個別化されたコンテンツを作ってしまうことによって(「それは実際の社会システムや仕事が行われているやりかたではないのですから」と彼は指摘する)、図らずも生徒たちと教師たち両者の動きを妨害してしまっていると語る。それだけでなく、現実的でない期待に応えるよう求められる教師たちに酷い負担を強いることになるとも付け加えた。

「すべての子供がそれぞれのニーズを満たすために異なるアクティビティを必要とするという前提があって、テクノロジーを利用することによって、ビデオやアクティビティカードを通じて個別のコンテンツを与えることができます」とFranceは言う。「しかし、それは必ずしも真実ではないのです。子供たちが、主に消費のために送信されるビデオやその他のコンテンツだけを通じて学ぶのは、最善の方法ではありません。そして、この前提の下で運営されるテクノロジーは、教育者と良い教育両方の価値を損なうものなのです」。

Ventillaは、AltSchoolが教育へのアプローチを再考しなければならなかったことを、あっさり認めている。AltSchoolが始まったときには「運営に焦点を当て、施設に焦点を当て、偉大な教師たちを雇用し、課題の発生に対応して入学、顧客支援、などのサービスを行ないました。しかし教育体験そのものには力を入れていなかったのです」と彼は語る。「私たちは生徒たちと教師たちの関わり方に焦点を当てていませんでした。それどころか、私たちは生徒たちの邪魔さえしなければ、生徒たちは十分に成長するだろうと考えていたのです」。

AltSchoolが学んだのは「それは上手くいかない、ということです」と彼は続けた。「もし生徒中心の経験を創り上げたいならば、教師たちと生徒たち、そして学校の責任者たち全員が、教室の四方の壁の中でより多くの支援を必要としているのです」。

いま弁明のとき

それに気が付いて以来、教育者、技術者、ビジネスオ運営スタッフを含む180人を雇用しているAltSchoolは、多くの問題を解消してきており「親御さんたちの満足度と、学業的そして非学業的な基準で生徒たちが成し遂げたという点で、大きな改善が行われました」と、Ventillaは強調している。

Ventillaによれば、昨年AltSchoolを卒業した30人の子供のすべてが、本人の第1希望、もしくは第2希望の学校に合格している。彼はさらに、AltSchoolの経験についての質問に答えた家族の92%が満足だと回答したと話した。これは昨年の85%から上昇している。

私たちが取材した2つのベイエリア在住の家族は、この結果を補強した。Gilead SciencesのエグゼクティブSharon Grehanには、AltSchoolに通う2年生の子供がいる。その子の通っている学校が来年の秋に閉鎖されるため、別の場所に転校しなければならないのだが、彼女は同じ組織の学校に留まりたいと言う。

「AltSchoolにおける社会的感情の要素は、学業的要素と同じくらい重要なことです。そしてそれが私にとって重要なことなのです」とGrehanは、同校の魅力を語る。「3年前にAltSchoolに入学するまで、私の息子はグループに参加せず、仲間とやりとりすることもなく、自分自身を惨めなものと考えていました。現在は、息子は人生を愛し、学校を愛し、沢山の友達を持っています。パーソナライズド教育の部分は、彼にとっては非常に重要なのです」。

昨年Grehanは、午後11時に息子の教師からステータス報告を受け取って、とても心配したと言う。「先生の疲労がとても心配だったのです」と彼女は言う。しかし、Streamと呼ばれるアプリを通して親たちにプッシュされるこのような記事は、現在は数も減り間隔も開くようになっている。そして主に「遠足や社会イベント、そして定期的に、学校が私の息子について私に伝えたい事柄を含んでいます。例えば、息子が克服した恐怖や、先生たちが喜んだ息子の楽しい行動などについてです」。

いじめ予防について教えていて、同校に2年生と5年生の娘を通わせるもう1人の母親Sandya Mysoorも、同じように子供たちをAltSchoolに通わせ続けるつもりだと語った。新しい学校に入学することは「サイコロを振るようなことだと知っています」と彼女は語った。「何が起こるのかは分かりませんでしたが、ならば『何が起こるのか見てやろう』という気持ちでした」。

それから「本当に沢山の変更がありました」と、Mysoorは語る。しかし、彼女はこのことには驚いていない。「彼らが行った変更は、よくあるものでしたし、スタートアップの時と同じ路線で進んでいると思います」学校はいつでも内容を改善するためのリトライを行っている。「正しい学校は存在しませんが、私たちの見るところ、AltSchoolは他の学校よりも厳しくそして深く行動しています」。

上手く行けば、子供たちが成長するにつれ(学校がこの先も続くなら)親たちの学校に対しての気持ちもより熱心になって行くだろう。娘が現在AltSchoolに通っているVentillaは、親たちはそう思ってくれるだろうと語る。「私は4歳の息子もAltSchoolに入れようとしている最中です」と彼は言う。「そして私の息子が無事この学校を卒業することを期待しています――できれば高校に至るまで」。

それまでにAltSchoolの高校ができないときにはどうなるのだろうか?そうした場合の異なる可能性を念頭に置いて、私たちはAltSchoolについてあまり熱心ではないと伝えられている私立高校の校長に問い合わせを行ってみた。私たちは彼がAltSchoolの卒業生たちに懸念を抱いているのは本当どうかを尋ねた。彼は「応募者の背景は1人1人別個に見ます」と述べた上で、しかしその学校のカリキュラムには「何らかの」懸念はあるかもと付け加えた。

「学校というものは難しいものです」と、匿名を希望したこの人物は付け加えた。「良い学校と、良いソフトウェアを開発することは全く異なる活動です。両方を行うことは難しいかもしれません」。

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(翻訳:Sako)

ビートルズがストリーミングにやって来た―Apple Musicなどでついに全曲が聞ける

** ARCHIV ** Die Beatles, von links, John Lennon, Paul McCartney, George Harrison und Ringo Starr, machen am 4. November 1963 eine Pause auf einem Sofa waehrend einer Probe im Prince of Wales Theater in London. In Hamburg wird am Donnerstag, 11. September 2008, der Beatles-Platz eroeffnet. (AP Photo) The Liverpool beat group The Beatles, with John Lennon, Paul McCartney, George Harrison and Ringo Starr, take it easy resting their feet on a table, during a break in rehearsals for the Royal variety show at the Prince of Wales Theater, London, England,  November 4, 1963. (AP Photo)

数週間前から流れていた噂どおり、ザ・ ビートルズの公式ウェブサイトはバンドの全楽曲がApple Music、Spotifyなどすべてのストリーミング・サービスに開放されたことをことを確認した。現地時間のクリスマスイブ(米国時間12/23)の開始と同時に配信が始まる〔日本版:日本でもすでに公開されている〕。

今回の決定は、タイミングからしても最高のクリスマスプレゼントとなった。また、これまでストリーミング配信に懐疑的だったアーティストの動きとしてもきわめて大きなものだ。

実はビートルズがiTunes Storeでデジタル版の楽曲を販売するようになるにも何年という年月を必要とした。ビートルズのアルバムがiTunes Storeに登場したのは、数限りない噂の果て、やっと2010年になってからのことだ。これはデジタル音楽のプラットフォームを提供するApple Inc.と高名なバンドの全楽曲を管理するApple Corpsとの粘り強い交渉の末だった。ユーザーが自由に個々の楽曲を聞けると同時にそこから得られる収入を双方のAppleにとって最高にする仕組みを作ることは容易な仕事ではなかったようだ。

ストリーミング配信についても同様の困難があり、著作権者側から見れば、Apple Musicの取り分が不当に大きいと考えられてきた。しかし最近Apple Corpsはビートルズのアルバムをそろそろストリーミングで公開する時期だと考え直したものと思われる。

リマスターされたスタジオ録音アルバム13種類、スペシャル・コレクションが4種類が現地時間のクリスマスイブの午前12時1分から世界各国で公開される。Apple Music、Spotify、Google Play、Amazon Music、Deezer、Tidal、Slacker、Groove、Rhapsodyはすべてビートルズの曲をフィーチャーする。

今年、一部のアーティストはストリーミング配信に参加しないことを強い言葉で述べた。中でもテイラー・スウィフトがApple Musicなどのビジネスモデルに反発して「ストリーミング・サービス提供者はレーベルやアーティストに十分な支払いをしていない」と批判したのは大いに目立つ行動となった。 スウィフトは当初、新アルバム『1989』をストリーミングに登録しなかったが、複雑な交渉の後、『1989』はApple Musicに復帰した

さらにその後になるが、英国の歌手アデルは最新アルバム『25』をストリーミング配信することを拒絶している。トム・ヨークなど、何年も前からストリーミング配信では聞くことのできない他のアーティスもかなりの数存在する。

画像: AP Photo

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ユーザが作ったコンテンツのライセンス事務を代行するLobsterがYouTubeとパートナー、取り扱いコンテンツが一挙に増える

youtube

アーチストや(でない人)が作品をソーシャルネットワークなどにポストし、その再利用を有料にしたいとき、そのためのライセンシング事務をLobsterがやってくれる。このある意味便利なサービスLobsterが今日(米国時間10/1)、これまでで最大のパートナーシップ、YouTubeとの提携を発表した。これからのYouTubeユーザはビデオをダウンロードして利用したいとき、その作者からの有料ライセンスをYouTube経由でLobsterにリクエストできる。一回のダウンロード〜利用につき一回分の料金、という方式だ。バルク契約は(まだ)ない。

現状では、メディアやクリエイティブエージェント、広告代理店などには、クリエイティブコモンズの(もっぱら総称的な)コンテンツを作る、というライセンシング方式しかなかった。独自のコンテンツを作ることもあるが、ライセンス管理などでかなりの費用がかかる。Lobsterを利用すると、プロの出版社やプロダクション、あるいは一般消費者が、ソーシャルメディアで見つけたコンテンツを、正規にライセンスを得て使用できる。

同社は昨年Disrupt Europeでローンチし、ユーザがInstagramやFlickrなどに投稿したコンテンツを利用者にライセンスできるようにした。ライセンスをリクエストした者と権利保有者とのあいだのコミュニケーションを、同社がすべて取り扱う。今日ローンチしたYouTube上でも、やり方は同じだ。

YouTubeの投稿者が自分のコンテンツをLobsterに登録すると、それがクリエイティブエージェントによってライセンスされるようになる。しかしLobsterに登録されていないビデオをYouTubeで見て使いたいと思った消費者(等)は、ビデオのIDをLobsterに送ると、作者にコンタクトしてライセンス合意をまとめることをLobsterがしてくれる。

YouTube上のビデオのライセンス料金は5ポンド(7ドル)だ。Lobsterがライセンス料のごく一部を取り、残りを作者に渡す。

今Lobsterがライセンス事務を代行しているコンテンツは、InstagramとFlickrの上だけでも70万点。YouTubeが加わったことによって、2016年以降は飛躍的に増えるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa