iOS 14のホーム画面デザイン機能搭載でPinterestが驚異的なダウンロード数を記録

iOS 14のリリースでiPhoneのホーム画面をカスタマイズできるようになりユーザーは沸き立っている(CNBC記事)が、その恩恵がPinterest(ピンタレスト)にも及んだ。サードパーティーによる新たな推測では、Pinterestのアプリは1日あたりの世界のダウンロード数を更新し、App Storeのトップチャートに躍り出た。ユーザーたちは、新しいガジェットに合ったカスタムアイコンや壁紙に使う写真など、iPhoneのデザインのインスピレーションを探し求めている。

Apptopia(アプトピア)は、iOS 14でカスタマイズが可能になったことが、Pinterestのダウンロードに大きな影響を与えたと最初に指摘したApp Store調査会社だ。そのデータによると、Pinterestは米国時間9月21日の1日だけで驚異的なダウンロード数を記録し、世界でおよそ61万6000本が新規インストールされたという。

しかし他のサードパーティーの調査会社は、Pinterestの1日のダウンロード数の記録は、実際にはその前日に達成されたと見ている。

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App Store市場の調査会社Sensor Tower(センサー・タワー)の推測はApptopiaのものに近いが、9月21日の世界でのインストール数は、iOSとAndroidを合計しておよそ68万件となっている。61万6000件ではない。

さらにSensor Towerのデータが示しているのは、Pinterestが1日のダウンロードの最大数を記録したのは9月20日だったということだ(これは少なくとも、Sensor Towerがアプリのダウンロード数の調査を開始した2014年1月からの最多記録だ)。

Sensor Towerは、9月20日にPinterestのアプリが世界中のiOSとAndroidにインストールされた数は80万件と見ている。前の週との比較で32%増となる。Apple(アップル)の新しいモバイル・オペレーティングシステムiOS 14が世界でリリースされる数日前の9月13日は60万7000件だった。

さらにPinterestは、iPhone用無料アプリのチャートで9月18日金曜日には47位だったものが、9月20日、日曜日には7位に上昇している。そのまま上昇は続き、9月21日の月曜日には6位となった。この数値はApptpoiaのデータとも一致する。一時的に1位になっていた可能性もあるが、その日のナンバーワンとして記録されるのに十分な時間は維持できなかったのだろう。

Pinterestは現在、iPhone用アプリのライフスタイル部門で1位になっている。もっとも2020年2月4日の時点でも、この部門では1位か2位の常連だったとSensor Towerは指摘する。

米国時間9月22日のPinterestのホームページには、iPhoneのデザイントレンドが「Daily Inspiration」(日々のインスピレーション)の1つとして紹介されている。「流行の壁紙と美しいホーム画面のアイデア」というコレクションは、現在ホームページのトップに示されている。ここでユーザーはiPhoneの背景画像を探したり、自作のデザインやアイコンのセットを人々にシェアして、それを元にしてオリジナルのデザインを作らせることもできる。

iOS 14のアップデートは、Androidユーザーが長年待ち望んでいたホーム画面のウィジェット機能を提供したことで、アプリのエコシステムに大きな影響を与えた。

あまり使わないアプリを隠すことができるiOSの新しい「Appライブラリ」と合わせて、これまで明らかに抑えつけられてきたiPhoneのインターフェイスを自分の趣味や興味に合わせてパーソナライズしたいというユーザーの欲求に、iOSがようやく応えることになったのだ。またiPhoneユーザーは、Appleのショートカットアプリを使ってカスタムアイコンが作れるようにもなった。もっともこれは裏技のようなもので、実際のアイコンに置き換わるわけではなく、アプリを起動するためのショートカットを作るというものだ。

このデザイン変更のトレンドは、Pinterestだけに収まらない。新しいウィジェットやクリエイティブなツールを熱望してきたユーザーは、iPhoneのApp Storeとそのトップチャートで盛り上がっている。

trini「それはそうと、新しいiOSでやっとDnD Pinterestボードが使えるようになった。問題は、どのキャラクターにするかだ」

A•C•B•「iOSのホーム画面のレイアウトはPinterestを使う理由を増やしてくれた」

今のところ、米国のApp Storeの無料アプリ部門では、ウィジェットを作るアプリがチャートのトップ3を占めている。上からWidgetsmith(ウィジェットスミス)、Color Widgets(カラー・ウィジェッツ)、Photo Widget(フォト・ウィジェット)だ。Pinterestは、今この原稿を書いている時点で5位にいる。その下には、これもまたウィジェットのおかげでダウンロード数を伸ばしたMotivation – Daily Quotes(モティベーション・デイリー・クオッツ)がきている。一方、Tune Track(チューン・トラック)というアプリは、早くからウィジェットに対応していたのだが、これも8位につけている。有料アプリのチャートですら、トップにPhoto Widget、2位にクリエイティブ・デザインツールProcreate Pocket(プロクリエイト・ポケット)があり、その影響を感じさせる。

デザインツールがこのまま人気を維持できるかは、まだわからない。ショートカットによるアプリの起動にイライラしている人もいる。まずショートカットアプリに飛ばされ、その後に開きたいアプリが開く。もしアップルがこのデザイン変更のトレンドをうれしく思うのなら、自作ショートカットを作るときの中間のステップをなくして、もっと便利にして欲しい。

foula|「みんなホーム画面をPinterestのボードにしてる」

kendra「iOS 14の何がいいのかがわかった。Pinterestボードみたいなんだ」

Pinterestはダウンロード数についてコメントをしていないが、ダウンロード数が跳ね上がったのは、そのとき行われた有料ユーザー獲得キャンペーンのためではないと認めている。ダウンロードとiOS 14関連の検索の両方が有機的に影響して伸びたと考えていると同社は話していた。

「iOS 14用の壁紙とホーム画面のデザインの検索数が、今週、Z世代のユーザーの間で増加していました。2020年6月の時点で、前年比50%の伸び(Pinterestブログ記事)を示している年齢層です」とPinterestの広報担当者はTechCrunchに話した。「このピナーたちは、よくPinterestを美的なインスピレーションの情報源として利用し、ベッドルームなどオフライン空間の装飾に役立てています。そのため、オンライン空間のためのインスピレーションも求めるようになったことは興味深く感じます」と彼らは述べていた。

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(翻訳:金井哲夫)

マイクロソフトがTeamsに小会議室、カスタムレイアウト、仮想通勤などの新機能を追加

新型コロナウイルスの影響で、Microsoft(マイクロソフト)がTeamsに力を入れているのは自然なことだ。そのため、同社が2020年のIgnite ITカンファレンスでTeamsの新機能の数々を発表したのも当然の流れだ。

米国時間9月22日に発表された新機能は、夏の初めに登場したTogetherモードダイナミックビュー(Microsoftリリース)に続くものだ。

Togetherモードは、会議参加者の画像を仮想セットの中に配置できるようにするものだが、本日、ちょっとしたアップデートがあり講堂、コーヒーショップ、会議室など、新たなシーンが追加された。さらに以前と同じく、会議の主催者はシーンを選択できるが、今回のアップデートにより、機械学習を使って参加者が仮想のイスの真ん中に座れるように自動調整され、画像全体が少しだけ自然な感じに近づく(だが私には、マイクロソフトの調査結果とは裏腹に、どうも滑稽な感じに見えて仕方がない。『マペット・ショー』のオープニングを思い起こさせるからかも)。

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また、カスタムレイアウト機能もTeamsに加わった。プレゼンを行う際に、自身の姿や、自身で用意した動画をカスタマイズできる。これを使えば、たとえば自分で用意した動画に自分の姿をスーパーインポーズしながらプレゼンが行える。

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Breakout rooms(小会議室)は、今ではZoomでも人気となっている機能だが、ついにTeamsにも導入される。マイクロソフトは、これがTeamsで最も要望の多かった機能だと話している。他の同種の製品と同じく、会議の主催者は参加者を小さなグループに分けることができ、主催者は分割された小会議室の間を行き来できる。いうまでもなくこの機能は、特に教師たちの間で人気が高いのだが、企業の間でも、たとえばブレインストーミングを行う際などによく使われている。

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小会議室でのブレインストーミングで力を使い果たし会議を締めくるときには、Teamsでは録音データ、書き起こしメモ、共有ファイルなどを含む会議の要約を自動生成して配ることも可能になる。この要約は、Outlookのカレンダー内に自動的に配布される。マイクロソフトは将来、SharePointで会議の録音データを自動保管できるようにするという。

定期的に大きな会議を開く企業のために、マイクロソフトは近い将来、最大1000人の参加者にも対応できるようにする。参加者全員が、Teamsの機能をフルに利用できると同社は約束している。さらにその後には、2万人が閲覧のみで参加可能な会議も設置できるようにするという。これらの機能は、新しいAdvanced Communications(高度なコミュニケーション)プランの一部として利用できるようになる。通信速度やコンピューターのパワーにもよるが、最大で1000人が参加する会議の開催が可能になる。

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またマイクロソフトは本日、Teamsに関連する2つのハードウェアも発表した。1つめは、同社がMicrosoft Teams Panels(ティームズ・パネルズ)と呼んでいるもの。会議室の外に置いてウェイファインディングができるようにする小型のタブレットだ。その機能の中でも際立っているのが、特に新型コロナ禍以後のオフィス戦略を考え始めた企業に便利なものとして、たとえば会議室のカメラから送られてくる情報から、会議室に実際に集まっている人が何人いるか、あと何人参加できるかを確認できるものがある。

同社はさらに本日、大型のSuface Hub 2S 85インチモデルを2021年1月に発売開始すると発表した。

まだある。マイクロソフトは、最前線の従業員のスケジュール変更の支援、仕事時間外でTeamsを使おうとした際の警告の発信、社員であることが確認できる表彰バッジの授与(社員にはバッジなんかより現金のほうがうれしいが)を可能にするTeamsの新機能も発表した。

さらに新しいところでは、TeamsとRealWearヘッドマウント機器を統合した遠隔での共同作業と、Androidの新しいWalkie Talkieアプリとの連携も可能になる。

デジタルのバッジだけでは従業員に十分な幸せを与えられないため、マイクロソフトでは新たにTeamsに福利厚生機能を持たせた。日常習慣の改善を個人的に指導して、幸福感や生産性を高めるというものだ。

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そこには新しいVirtual Commute(仮想通勤)機能も含まれる。瞑想支援サービスのHeadspace(ヘッドスペース)が利用でき、現在の精神状態の確認もできる。

私は、職場と自宅との間の短くて自由の利く通勤が昔から大好きだったが、今はまったくできなくなってしまった。おそらくHeadspaceも有効だろうが、Andy Puddicombe(アンディー・ピュディコム。マインドフルネス教師でHeadspaceの共同創設者)氏のコースばかり取らされる。当然のこととして、マイクロソフトは情緒的状態に関するあらゆる情報は本人以外に漏らすことはないと強調しているが、私は最初から口外するつもりはない。

企業は従業員の情緒的幸福感に気を遣うようになってきたが(生産性に直結しているからだ)、管理職が最も気にかけているのは、私たちの業績だ。そんな彼らのために、TeamsにはWorkplace Analytics(職場分析)機能が追加される。「管理職の視点を、仕事の後の付き合い、フォーカス時間、会議の効率性、社内全体の連帯といったチームワークの常識に転換」させ、「同じようなチームと比較することで、実用的な価値のある見識を管理者に与える」というものだ。

これで管理職がハッピーになれないとしたら、他に何があろうだろう? デジタル表彰バッジか?

Microsoft Ignite

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(翻訳:金井哲夫)

アマゾンがAlexa Printを米国でローンチ、レシピやゲーム、教材を声で印刷できる

Alexaはプリンターも操作できるようになった。Amazon(アマゾン)は米国時間9月10日、Alexa(アレクサ)で印刷できる新しい機能を発表(Printing with Alexaページ)した。Echo(エコー)端末を持っている人なら、AlexaのTo Doリスト、レシピ、週ごとのカレンダー、子ども向け教材、さらには数独やクロスワードパズル、迷路などのゲームも音声コマンドで印刷できるようになる。

この機能は、第2世代以降のEcho端末と、HP、ブラザー、キヤノン、エプソンなどから発売されているIPP対応プリンターで利用できる。手持ちのプリンターが対応しているか不明な場合は「Alexa, discover my printer」(私のプリンターを探して)と口頭で質問すると確認できる。対応プリンターは追々増やしていくと同社では話している。

一部の印刷コンテンツは、Alexa自身からも提供される。例えば、今でも紙のメモの愛用者が多いTo Doリストや買い物リストなどだ。

だが現在、Alexaが印刷できるコンテンツの大半はサードパーティーによるものとなる。同社は、Alexaのスキルメーカー、Allrecipes(オールレシピズ)、Los Angeles Times(ロサンゼルス・タイムズ)、JumpStart Academy(ジャンプスタート・アカデミー)と協力して、学習用プリント、パズル、塗り絵、レシピなどが印刷できるようにしている。

つまり、「Alexa、クロスワードパズルを印刷して」とか「Alexa、1年生の足し算の問題集を印刷して」とか「Alexa、チキンのレシピを印刷して」などと命令できるわけだ。コマンドの全リストはこちら

この音声コマンドには、他のコマンドよりも便利なものがある。「先週の日曜日のクロスワード」を印刷した後に、「先週の日曜日のクロスワードの正解」も印刷させることができるので、新聞の購読を止めてしまったがクロスワードだけは楽しみにしていたという人には嬉しい。ただし、Alexaに「サーモンのレシピを印刷して」などと命令しては、何が現れるかわからない。普通は特定のレシピを知りたいのであって、レシピの提案一覧で紙とインクを無駄にしたいとは思わないだろう。

学校に通う子どもたちにも有り難いコマンドがある。Alexaは、グラフ用紙や罫線入りの用紙を印刷できる。1枚使うためだけに、またはちょっと足りなくなったときなどに、ノートをまるごと1冊買う必要がなくなる。ホームスクールの教師や両親にも、リモート学習の補助教材として算数の問題集を印刷できるなど、役に立つ。

Alexa Print機能は声で有効にできるが、Alexaアプリで「Add Devices」(デバイスを追加)を開き、「Printer」(プリンター)を選択して有効にできる。

プリンターに接続されると、Alexaはプリンターのインクやトナーの量の情報を受信できるようになるため、少なくなったときにメールや声で知らせてくれる。この通知はデフォルトで有効になっているが、Alexaアプリのデバイスの設定ページにある「Status」(ステータス)で変更できる。

また、スマート・リオーダーを設定しておけば、インクやトナーをアマゾンから1割引で自動購入ができる。インクやトナーが少なくなると自動的に商品が送られてくるわけだが、最初にAlexaアプリでそのように設定しておく必要がある。

つまり、Alexa Printは、単にEchoオーナーの印刷を楽にするだけのものではない。新型コロナウイルスの流行が続く中、自宅勤務やリモート学習の広がりを利用した新たなeコマースの売上げを創出する手段ともなっている。

画像クレジット:Amazon

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(翻訳:金井哲夫)

フェイスブックがユーザーアカウントと有料ニュースの購読登録を連携させるテストを実施中

Facebook(フェイスブック)は、ニュースパブリッシャーに有料購読登録をしているユーザーのソーシャルネットワークにおける利便性と有用性を高める新機能のテストを行っている。

仕組みはこうだ。フェイスブックはパートナーになっているパブリッシャーで有料購読登録をしているユーザーを特定すると、そのパブリッシャーのニュースアカウントをFacebookアカウントと連携することを促す招待をユーザーに送る。一度連携してしまえば、ユーザーがフェイスブック上でそのパブリッシャーの有料記事を発見したとき、ログインし直すなどの手間をかけずに読めるようになる。

また、パブリッシャーの購読者が自身のFacebookアカウントを連携させると、通常よりも多く、そのパブリッシャーの記事がフェイスブック上で提示されるようになる。同社は「今後、購読者の利便性向上のためのさらなる機能を開発し提供していく」とも話している。

The Atlanta Journal-Constitution(ジ・アトランタ・ジャーナル・コンステューション)、The Athletic(ジ・アスレティック)、 Winnipeg Free Press(ウィニペグ・フリー・プレス)は、すでにこの機能を試している。フェイスブックによれば、アカウントをリンクさせた購読者は、このテストに参加していないユーザーと比較して、平均して111%多く、記事をクリックするようになったという。さらに、これらの購読者のパブリッシャーのフォロー率は、34%から97%に増加した。

「Facebookアカウントとの連携は、The Athleticの購読者に、大好きなソーシャルメディアのプラットフォームで時を過ごしている最中でも我々の記事にアクセスできる便利で簡単な方法を提供してくれました」と、The Athleticの製品マーケティング担当副社長であるCharlotte Winthrop(シャーロット・ウィンスロップ)氏は声明の中で述べている。「これにより、弊紙購読者のエクスペリエンスは拡大し、The Athleticとの繋がりが保たれ、応援するチーム、リーグ、選手の最新情報が常に届けられるようになります」。

フェイスブックはこれまで、ニュースパブリッシャーと複雑な関係にあった。過去に、フェイスブックの方針転換に痛い目に遭わされたパブリッシャーも少なくない。

報道機関が、購読数を伸ばそうと外部のプラットフォームに依存する場合、一番の問題となるのは、購読者がどちらに帰属するかだ。その点、今回のフェイスブックのアプローチは、各パブリッシャーとの購読契約はこれまでと変わらず必要になるため、パブリッシャーにとってはだいぶ受け入れやすいものとなる(フェイスブックを通して購読するわけではないからだ)。

フェイスブックの現在のニュース戦略は、Facebook News(フェイスブック・ニュース)に重点を置いている。これは、Facebookアプリのメインの画面に表示されるジャーナリズム専用のタブで、最近になってグローバル展開が始まったばかり(未訳記事)のサービスだ。また同社は、限定的に無料でニュース記事を読めるようにするInstant Articles(インスタント・アーティクルズ)で、パブリッシャーの購読増進の応援(Facebookリリース)も行っている。また、ジャーナリズムへの資金援助の一環として、地方の報道機関が、フェイスブックを通していなくても購読者数が増やせるように援助するフェイスブックはLocal News Subscription Accelerator(ローカル・ニューズ・サブスクリプション・アクセラレーター)(未訳記事)も立ち上げている。

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カテゴリー:ネットサービス

タグ:Facebook

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:金井哲夫)

Twitterがツイートの引用数を表示する実験を開始

Twitter(ツイッター)は、ひとつのツイートから発生した会話を簡単に確認できるようにしたいと考えている。今年の5月、同社はユーザーインターフェイスを変更(Twitter公式ツイート)し、ツイートの下に表示されるリツイートの数をクリックすると、コメント付き、またはコメント無しで、そのすべてのリツイートをひとつの画面で読めるようにした。だが今回の新機能では、リツイートに関して、その会話がどこで展開されているかをエンドユーザーにもわかりやすく見られるようになる。それを「Quotes」(クオーツ、引用)数というかたちで実験を始めるとTwitterは話していた。これは、今あるリツイートと「いいね」の数が表示される場所に並んで示される。本日から、各ツイートの下に現れることになっている。

この機能は、数日前から一部のTwitterユーザーには提供されていたが、反応はさまざまだ。通常のリツイートとクオーツを区別するのに役立つと称賛する人もいれば、いちばん右が「いいね」という配置に慣れている人には、新しい数値の位置に混乱すると苦情を述べる人もいる。

Derick Alangi:少し前にasemotaが言ったことにTwitterは火が点いた。リツイートとクオーツが区別されて使いやすい

Sam Sheffer:新しいクオーツは気に入った

SmugWolff? LewdWolff:「いいね」の右に新しいクオーツがあるのは混乱する。その数を見たら、いいねがすごく少ないと思ってしまう。あれこれ画面を変えるのはいいが、クオーツは真ん中にしてほしい

Joshua Byrd:Twitterはリツイートとクオーツを分けたみたい

ソーシャルメディアのニュースサイトSocial Media Today(ソーシャル・メディア・トゥデイ)が、この数値の追加を最初に報道した。情報源となったメディア・コンサルタントMatt Navarra(マット・ナバラ)氏のツイートを引用している。

Matt Navarra:Twitterは、コメントを付いてリツイートよりもクオーツがお気に入りのようだ

TechCrunchがTwitterに確認したところによると、ユーザーが見ているものは、まだテスト中のものという認識だ。しかも、この新機能を「Quotes」という名称にするかも決めていないという。「Quote Tweets」(ツイートを引用)という名称も試すという。

「数カ月前、ツイートのリツイートをタップしたときに誰もが会話全体を見られるよう、コメントを付けてリツイートを読みやすくしました」とTwitterの広報担当者はTechCrunchに話した。「これは誰でも使えます。今は、コメントを付けてリツイートにツイートから直接アクセスできるようにする方法と、クオーツ、クオート・ツイートなど、アクセスがしやすく、わかりやすい名称を試しています」と担当者は説明していた。

「クオーツ」を独立させたことは納得できる。リツイートの数を表すのに「コメントを付けてリツイート」では少し長い。

またこの機能は、最近加えられたTwitterの別の画面変更とも連携している。今月の時点でTwitterは希望する人全員がツイートへの直接の返信を制限できるようにした(未訳記事)。つまり、このプラットフォーム上のツイートの一部は、以前とは違い、誰もが投稿者に返信できる公開の会話では反応できなくなるということだ。

その代わりにユーザーは、自分がフォローしている人、またはツイートの中で名前を挙げた人にだけ返信を許可できる(未訳記事)ようになった。とはいえ、返信を制限したツイートでも、別の方法を使えば反応できる。そのツイートをリツイートに含めるか、コメントを付けてリツイートをすればいい。すると、Twitterネットワークの別の場所で会話が始められ、他のユーザーも話に加われるようになる。ツイートの閲覧者を完全に制限する唯一の方法は、アカウントを非公開にすることだ。だがこれを行っている人はほとんどいない。

「クオーツのテストは、開発が進むに連れて機能が変化することを意味していると」Twitterは話している。

公開テストが始まる前に、リバースエンジニアのJane Manchun Wong(ジェーン・マンチャン・ウォン)氏は、すでにこの機能を発見(Twitter投稿)していた。ウォン氏は、アプリの中の新機能を発表される前に発見するのを得意としている。

Twitterは、よりよい会話を実現するために、常にインターフェイスの変更を試している。しかし根本的なところでは、「オンライン広場」という同社のコンセプトはそのプラットフォーム上で発生する混乱や不健康な人間関係の責任の一端を担っているとも言える。Twitterユーザーの世界観はあまりにも多様であり、インターネット文化そのものが嫌がらせを切り離せない存在であるため、いかなるソーシャルメディアプラットフォームであれ、思慮深い対話の場になるのは難しいということだ。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:金井哲夫)

Google MeetにZoomっぽい機能、タイル表示や暗闇モードなどが登場

Google Meetは、他のビデオチャット製品と同様、現在、ユーザー数を急速に伸ばしている。Google(グーグル)がこの機に乗じて急いで自社製品の改良を重ねようとするのも無理はない。そこでGoogleは、Zoomのようなタイル表示機能、夜間に利用するときに画面を明るくするLow light(ローライト)モード、独立したウィンドウや全画面を使わずChromeのタブに表示できる機能などの追加を発表した。さらにまもなく、後ろで犬が吠えても相手に聞こえなくするノイズキャンセリングも追加される。

聞いたことがあると感じた人は、おそらくG Suiteの幹部Javier Soltero(ハビエル・ソルテロ)氏が先週、これらの新機能についてロイターに話していたせいだろう。Googleの広報は、通常は非常に直裁的なのだが、今回は謎に包まれた形だった。だが、これらの機能が使えるようになると、Googleの広報担当者は私に教えてくれた。そして今回の発表では、それぞれの新機能について詳しい説明がなされた。

全体的に、今回の発表内容は明解だ。タイル表示では最大16人をひとつの画面に表示できる。これまでは4人に限定されていた。さらにGoogleは、将来、より大人数のミーティングにも対応できる画面表示や、より優れたプレゼンテーション・ レイアウトを追加し、対応デバイスも増やすと約束している。

それだけ大勢の人が画面に並んでこっちを見つめるなんて状況が必要になるかどうかわからない(ストレスが溜まるだけだ)が、Chromeのタブで開けるのは、多くの人にとって歓迎すべき機能だろう。しかもこれは、タブから共有できる動画コンテンツの画質が以前よりもよくなったことを意味しているわけで、そこも同じぐらい重要に思える。

暗い場所でミーティングを行う機会が多い人には、AIで画像を明るくしてくれるローライトモードがある。他の機能と違うって、これだけは先にモバイルに対応し、ウェブユーザーには後からの対応となる。

個人的に最も気になるのはノイズキャンセリング機能だ。通常、ノイズキャンセリングは、繰り返される音や予測可能な音に対して効果を発揮する。家の上を飛び交う飛行機や、お隣さんの古い芝刈り機の騒音などがそうだ。だがGoogleによると、Meetのノイズキャンセリングはさらに進化していて、後ろで吠える犬の声やキーボードのタイプ音も消せるという。Discordですら同様の機能を提供し、Nvidia RTX Voiceも、ハイエンドのグラフィックカード向けの数多くのアプリにこの機能を備えるようになった今では、これは必要条件になりつつあるが、Meetに組み込まれるのは嬉しいことだ。

ノイズキャンセリング機能が使えるようになるには、まだ数週間かかる。最初はG Suite EnterpriseとG Suite Enterprise for Educationのウェブユーザーから提供が開始され、モバイルユーザーはその後だ。

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(翻訳:金井哲夫)

Spotifyがソーシャルに曲を「発見」できるTastebuds機能を開発中

Spotify(スポティファイ)は、友だちが何を聴いているかを調べられる「Tastebuds」(テイストバッズ、味蕾という意味)のプロトタイプを開発している。音楽発見サービスは本来ソーシャルなものだが、2017年にInboxを廃止して以来、Spotifyにはモバイルアプリで友だちと直接コミュニケートできる機能がない。「友達のアクティビティー」の表示機能はデスクトップ版に限定されている。

どうやらSpotifyは、同社が用意したプレイリストと「発見」の画面だけをユーザーに見せるために、故意にソーシャル機能を制限しているようだ。それが、Spotifyにキングメーカーの地位を与えている。ここで紹介されたアーティストはスターへの道が開かれるため、Spotifyは大変な影響力を手にしたわけだ。そのため、レコードレーベルはSpotifyと仲良くしておかないと、つまり持続可能なロイヤリティー料率と独占権を提供しなければ、自社のアーティストがプレイリストから外されてしまうと恐れるようになり、Spotifyのレコードレーベルとの交渉態度はさらに強気になった。

この戦略が功を奏し、Spotifyはライセンス契約数を増やし、レーベルにとっては決定的な意味を持つ重要なプロモーションパートナーとなり、やがては新規株式公開への道筋が付いた。Spotifyの株価は、公開価格132ドルでスタートし、公開当日は165ドルまで上昇したが、152ドル近辺で推移している。この地位に大変に満足したSpotifyは今回、「発見」に関する制限を解除。ユーザーが、友だちが聴いている音楽からよりよいインスピレーションが得られるようにしようと考えたようだ。

ジェーン・マンチャン・ウォンによるSpotifyのTestebudsのコード

Testebudsは、友だちの音楽の嗜好を探れるというものだ。Tastebudsは、My Library、Home、Browsのセクションと並んで、ナビゲーションのオプションという位置づけになる。まだ機能していないが、この機能のランディングページには誰でもアクセス可能だ。説明もわかりやすい。そして「Tastebudsとは?味覚の確かな友だちを通じて音楽を発見できるようになります」と書かれている。

プロトタイプの機能は、リバースエンジニアリングの魔女でありTechCrunchの常連情報屋であるJane Manchun Wong(ジェーン・マンチャン・ウォン)氏がSpotifyのウェブ版から発見した。彼女はその仕組みを詳しく教えてくれた。「フォローしている人の検索」を行うペンのアイコンをタップすると、そのユーザーたちが一番よく聴いている曲の情報が示され、その曲を簡単に聴くことができ、彼らのライブラリに曲を追加することもできるという。

Tastebudsがなければ、Spotifyでソーシャルに他の人たちと関わり合える手段は、目立たないわずかなものに限られる。SMSやFacebook Messengerなどのボタンで曲を友だちに送るか、InstagramやSnapchatのストリーに曲を貼り付けるかだ。Spotifyでは、以前はアプリに内蔵されたInboxで曲のやりとりができたのだが、もっと人気のあるメッセージアプリを使ったほうがユーザーのためになるという理由から廃止されてしまった。

モバイル版とウェブ版では廃止されたが、デスクトップ版アプリでは、Facebookの「友達」が今聴いている曲を「友達のアクティビティー」のティッカーで見ることができる。また、特定のユーザーを探してフォローすれば、その人が公開しているプレイリストが見られるようになる。だが、Spotifyはユーザーの検索を積極的に推奨はしていない。

Spotifyには、他にも、実験は行ったが採用されなかったソーシャル機能がいくつかあった。そのひとつが、The Vergeのkly-playlist” rel=”noopener”>Dani Deahl(ダニー・ディール)氏が去年発見したFrends Weeklyというプレイリストだ。今年の5月には、ウォン氏が発見して我々が報じた、キューを共有して、離れていても友だちと同じ曲を同時に聴けるSocial Listening機能があった。 2014年には、Spotifyはブロブ的なブランジングから、アルゴリズムによるお勧め、好きなアーティストの新曲、友だちがよく聴いている曲などをもとに動的に更新されるPlayFeedプレイリストを作るようになると私が報じたが、その後、Discovery WeeklyとRelease Radarが追加された。Tastebudsも、最新のソーシャル機能として加わる可能性が高い。

Spotifyの友だちと同時に聴けるソーシャル視聴機能のプロトタイプ

結果としてできるのは、友だちが今何を聴いているかをほんの少しだけのぞくか、非常に数が少なく、それでいて古くなってることが多い友だちが自分で公開したプレイリストを手に入れるか、別のメッセージアプリで曲を送るぐらいなものだ。友だちが最近何を聴いているのか、またその人の音楽の好みを全体的に知る優れた手段がない。

我々は、Tastebudsがどのように動作するのか、誰が何を見られるのかに関するプライバシー機能、この機能は実際に採用されるのか、されるとしたらいつかといった詳しい話をSpotifyに問い合わせている。我々はまた、音楽を共有することで人と人がつながり、恋が芽生えるようにと2010年に設立されたTastebuds.fm(テイストバッズ・エフエム)という音楽出会い系サービスのスタートアップと何らかの契約を交わしているのかについても興味がある。

【更新】Spotifyの広報担当者は「私たちは常に新しい製品やエクスペリエンスを試していますが、現時点でお知らせできるニュースはありません」と断言した。また、スタートアップのTastebuds.fmとは関係がないことも話した。

Spotifyにとってソーシャルは、巨大にして、いまだその恩恵を引き出せていない要素だ。ソーシャルなお勧めがSpotifyで音楽を楽しむユーザーを長く引き留めるというだけでなく、それによってより多くの広告を聞いてもらえるようになり、サブスクリプションの解約も減らせるだろう。さらに、他にはない独自のソーシャルグラフにユーザーを固定するこにもつながる。Apple MusicやYouTubeといった競合サービスが類似の音楽カタログを提供する可能性はあるが、Tastebudsのソーシャルな「発見」でユーザーたちを虜にできれば、Spotifyからの離脱を防げるはずだ。

関連記事:Spotifyはどのようにしてレーベルへの影響力を強めたのか(未訳)

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(翻訳:金井哲夫)

Google マップで近所のレストランの割り引きが受けられる(インドの話)

Googleは本日(米国時間7月11日)、マップアプリに近所のレストランの割り引き情報を提示するサービスをインドで開始したと発表した。到達力と関連性を常に拡大しようと努めているこのマウンテンビューの巨大ハイテク企業にとって、インドは重要な鍵を握る海外市場のひとつだ。

Googleは今回、インドでのGoogleマップアプリに組み込まれる3つの新機能を公開した。ひとつには、Explore(周辺のスポット)タブの中に、新しく「Offer」(オファー)オプションが追加され、周辺のレストランから割り引き価格が提示されるようになった。Googleによると、これはレストランの予約プラットフォームEazyDinerと共同で提供されるサービスで、4000件以上のレストランの割り引きが受けられるという。この機能は、インドの11の大都市で提供されている。

レストランの割り引きは、まだ序の口だ。Googleは、より多くのパートナーと手を組み、より多くの分野に拡大する計画を立てているという。レストランのテーブルの予約も、Google マップアプリから直接行える。Googleは、EazyDinerとの取り引きの金銭面には触れなかったが、ニューデリーを本拠地とするこの創業5年のスタートアップは、今日までに1300万ドル(約14億1000万円)を調達している。

この新サービスは、いかにしてマップから利益を得るかをGoogleが考える中で登場した。同社は、企業ユーザー向けにGoogle マップ・プラットフォームを運営しているが、そのアクセス料金を年々値上げしている。それでも、一般消費者向けの部分での収益化を、思い切った方法で図る必要があった。

本日の発表の一環として、インドのExploreタブを「地域とコミュニティの豊かな多様性を反映させる」よう改善したと、Google マップのディレクター、Krish VitaldevaraとChandu Thotaはブログ記事の中で述べている。今回の模様替えで、レストラン、ATM、買い物、ホテル、薬局、そしてもちろん割り引き情報を素早く呼び出せるショートカットも追加したと、Googleは話していた。

さらに、Exploreタブのオプションとして、各都市のトップエリアの方向を示す機能も追加された。同社によれば、そうした地域を機械学習で特定しているという。「自分の街だけでなく、街の名前を検索するだけで、インドの他の街について調べることができます。出発前に、簡単に現地の状況が掴めます」とVitaldevaraとThotaは書いている。

3つめの新機能は「For You」と名付けられたものだ。新しいレストランや流行の場所など、個人の好みに合わせたおすすめ情報が表示される。インドのユーザーは、ひとつの店をフォローして最新情報やイベント情報を手に入れることができる。

「この機能はまた、Your Matchスコアを利用しています。これは、機械学習を使って、私たちが持つ無数にある場所の情報と、高く評価したレストラン、いいねをしたレストラン、行ったことがある場所など、ユーザーが追加した情報とを結合させます。初めてこの機能を使うときは興味のある場所を選択できますが、使っているうちに、その人の好みに合った、関連性の高いおすすめ情報が提示されるようになります」と2人のディレクターは述べている。

Googleは、インドでのマップの機能を引き続き拡大してゆく考えだ。数カ月前からは、タクシーが普段のコースを外れていないかを、または列車やバスのリアルタイムの運行状況を確認できる機能などを追加している。

インドには3億人のユーザーがいると見積もるGoogleは、今後もこの国をさまざまなサービスの実験台にするつもりだ。今回のアプローチによって、インドのスマートフォンの98パーセントで稼働するAndroid OSの提供者であるGoogleは、この国での普及率をさらに広げることができる。

しかしこれは同時に、Googleのインドでの影響力について独占禁止法違反の疑いによる捜査の必要性を国に抱かせることにもなっている。

インドのAndroidに対する独禁法捜査には穴がある(本文は英語)

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(翻訳:金井哲夫)

Google I/O 2019基調講演で語られた全内容のまとめ

先週末に行われたGoogle I/Oカンファレンスの2時間にわたる基調講演で、Googleは、新しいスマートフォンから次世代型の音声アシスタントなど、この1年間で開発してきたものを大量に発表した。

すべてを見ている暇はない? 大丈夫。そんな人のために駆け足で紹介しよう。

Google Pixel 3aと3a XL

噂のとおり、GoogleはPixel 3の廉価版を発売する。

価格を下げるために、プロセッサーのランクをちょっとだけ下げ(Snapdragon 845をSnapdragon 670に)、ストレージを64GBに制限し、無線充電機能をなくした。その代わりに、空いたスペースに3.5ミリのヘッドフォンジャックが付くという嬉しいオマケがある。

Pixel 3aは399ドル(約4万4000円)より。5.6インチディスプレイ、12.2メガピクセルのリアカメラ、そして、最初からAndroid Pが走る。Pixel 3a XLは479ドル(約5万2800円)から。こちらは画面が6.0インチになる。

TechCrunchのBrian Heaterが、今週初めにこのスマートフォンを試用している。彼のレビュー記事はこちら

Nest HubとNest Hub Max

Google Home Hubは、Nest Hubと名前を変えて、価格も149ドル(約1万6400円)から129ドル(約1万4000円)に下げられた。

同時に兄貴分も登場した。Nest Hubの画面を7インチから10インチに拡大してカメラを追加した、その名もNest Hub Maxだ。Nest Hub MaxはNestアプリに接続できるため、Nestの他のカメラと同じように使える。Googleによると、背面のスイッチでカメラとマイクをオフにできるという(残念ながらカメラかマイクのどちらかを生かすというのはダメみたい)。価格は229ドル(約2万5000円)。今年の夏に出荷予定だ。

Nest Hub Maxに搭載された新しいFace Match機能は、顔認証ができ、その反応をカスタマイズできる。この機能に関するGoogleのブログ記事には「Face Matchの顔認証は、デバイスに内蔵された機械学習機能によりローカルで処理されるため、カメラのデータは一切外に出ません」とのことだ。

検索に拡張現実

一部の検索結果、たとえばあるモデルの靴や「大きなホワイトシャーク」などでは3Dモデルが見られるようになる。モデルをタップすれば、AR(拡張現実)を使って現実の映像の上にそれを重ねて見ることができる。

Google Lensのアップグレード

Google Lensにも、いくつか新しい機能が増える。レストランのメニューにGoogle Lensを向けると、人気の料理がハイライトされる。レシートに向ければ、チップや合計金額を自動的に計算してくれる。

ウェブ上でDuplex

昨年のI/Oで、GoogleはDuplexを発表した。スモールビジネス(レストランや美容院など)向けのAIを使った顧客サービスツールで、大量の電話に対応したり、よくある質問に応答したり、予約を管理したりできる。

今年はこれを拡大して、ウェブ上で公開する。例として示されたのが、インターネットによるレンタカーの予約だ。「(レンタカー会社)のレンタカーが欲しい」と言うと、そのレンタカー会社のウェブサイトが開かれ、自動的に予約が行われる。そこには、カレンダーに書き込んだ出張の日程がすでに入力されていて、Gmailに残っている前回のレンタカー予約確認のメールをもとに、好きな車種が選択されていた。

Googleの「次世代」アシスタント

Googleは、音声認識モデルのサイズを数百ギガバイトから500メガバイトほどに圧縮することができた。スマートフォンに搭載できる十分に小さいサイズだ。

音声認識モデルをローカルで持つことで、クラウドとのPingのやりとりによる遅延がなくなる。アシスタントとの会話も、ほぼ瞬間的に行えるようになる。デバイス上で走っているため、機内モードでも使える。Googleは、矢継ぎ早に命令(「Lyftを呼んで」や「懐中電灯を点けて」など)を連発してその様子を披露していたが、しっかりと応答していた。

Googleによれば、この次世代の音声アシスタントは、今年の後半に新型Pixelに搭載されるという。

GoogleアシスタントがWazeに

GoogleアシスタントがWazeに組み込まれ、「ほんの数週間以内」に使用可能となり、事故や道の陥没の通報などが声で行えるようになる。

Googleアシスタントのドライビングモード

「ヘイ、Google、ドライブしよう」と言えば、アシスタントはドライビングモードに切り替わる。画面には、チラッと見てわかるように、目的地の方向や音楽の操作系など、運転中に必要最低限の情報だけが表示される。

Googleマップのシークレットモード

ブラウザーのシークレットモードと同様に、Googleマップに追加されるシークレットモードでは、場所の検索結果や経路がGoogleアカウントの履歴に残らないようになる。

ライブ字幕とライブ筆記

Androidには、間もなく、スマートフォンで再生したメディアにその場で字幕を入れる機能が追加される。保存したポッドキャストや録画した動画にも字幕が付けられる。

Live Relay(ライブ中継)とGoogleが名付けた機能を使えば、電話での会話をリアルタイムで筆記させたり、文字で応答したりできるようになる。

下の動画は、Live Relayで実際に会話している様子だ。

https://platform.twitter.com/widgets.js
声に出したり耳で聞いたりしなくても電話ができるように、Live Relayは、デバイスに内蔵された音声認識と文章音声変換を使って、電話の音声のやりとりを代行します。

Project Euphonia

Googleは、そのAI音声アルゴリズムを使って、ALSや脳卒中の後遺症などのためにうまく話ができない人を支援する研究を続けてきた。それぞれの人の話し方にモデルを調整することで、コミュニケーション能力を向上させることができる。

https://platform.twitter.com/widgets.js
非営利団体とボランティアの協力のもとで行われているProject Euphoniaは、音声による会話に障害がある人たちのコミュニケーションを迅速化し自立を支援する活動です。

ダークなテーマ

Android Qにダークモードが追加される。手動で切り替えることもできるが、省電力モードになったときに自動的に切り替わるようにもできる。

集中モード

仕事が忙しい? それならFocus Mode(集中モード)だ。仕事の邪魔になるアプリの一覧を作って、スイッチを切り替えれば、集中モードをオフにするまで、それらのアプリは表示されなくなる。今年の秋にAndroidに搭載される。

PixelのGoogleマップにARモードが登場

数カ月前、GoogleはGoogleマップで使える新しいAR(拡張現実)モードを披露した。その目的は? 確実に正しい方向に歩行を開始できるようにするためだ。スマートフォンを目の位置に掲げると、画面に目の前の光景が映し出される。Googleマップはその映像とストリートビューのデータとを照合して、現在位置と方向を正確に割り出す。GPSだけを使った場合よりも確かだ。そして、正しい方向に矢印を表示する。

しばらくベータ版だったが、今日からPixelに搭載される。

消費者向けの基調講演の後、Googleはこれとは別に、開発者向けの基調講演を行った。内容は次のとおりだ。

  • Android開発の主要プログラミング言語はKotlinになったとGoogleは話した。
  • Kotlinでの開発用の新しいUIツールキットJetpack Composeを発表。
  • 今回発表されたNest Hub Maxなど、Googleのスマートディスプレイ・デバイス用のゲーム開発が可能になった。
  • 速度と安定性を向上させたGoogleのAndroid Studio IDEの新バージョンを発表。
  • Androidの開発者は、作動を続ける前にアプリの更新をユーザーに要請できるようになった。去年発表されていた機能だが、やっと実現した。

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(翻訳:金井哲夫)

β版を4カ月使ってわかったmacOS 10.14 Mojaveの本当に便利な新機能

自分の良識と、事情に詳しい人たちからの再三の警告に逆らって、私は最初にリリースされたときに、自分の仕事用コンピューターにMojaveをインストールした。当然、ベータ版にありがちなバグや不具合が発生し、その都度、自分の判断を後悔したのだが、こうした製品をじっくりテストするには、毎日使ってみるしかない。

私は、すべての機能を毎日しっかり使い込んだとは言わない。だがそれは、オペレーティング・システムのアップグレードというものの性質なので仕方がない。できるだけ多くのユーザーにアップグレードの恩恵が行き渡るようにするには、たくさんの領域をカバーする必要がある。各国に対応するための機能や、Appleの機械学習による提案などもあるが、私の場合、そうしたものは使用に際してあまり影響がなかった。

機能の更新は広範にわたっているものの、10.14は、私の近年の記憶の中では、間違いなく、焦点が定まったアップグレードだ。High Sierraは、いろいろな意味で(その名前からしても)、さらにその前のOSの微調整版だったが、それとは異なり、Mojaveからは、Appleの特別な使命感が伝わってくる。

この数年間、Appleは、デスクトップ・マシンの長年にわたる精神的支持者とされてきたクリエイティブ業界のプロたちから、「ボールから目を離している」という猛烈な批判を受けてきた。映像作家が頼りにしてきたFinal Cutの高度なカスタマイズ機能を、シンプル化とか洗練化という理由で廃止してしまったことでも、Appleは反感を買った。

だがその一方で、Appleは、Mac Proシリーズの幾多の苦難に関して、珍しく素直な見解を暴露している。「アップグレードや更新が滞っているとすれば、申し訳なく思っています。Mac Proのことですが、もっと良いものに置き換える予定です」と、Appleの国際マーケティング上級副社長Phil Schillerは、報道関係者との会合で述べた。

Microsoftなどの企業は、Appleが一般ユーザーに迎合してゆく姿勢をチャンスと捉え、成長が続くSurfaceシリーズをクリエイティブ業界のプロに売り込もうと考えている。クリエイティブ業界は、そもそもがそれほど大きな市場ではないのだが、映像作家、アーティスト、ミュージシャンなどが製品を使えば、それが一般ユーザーの購入時の判断に与える影響は大きい。

しかしAppleは、こうした心配への対応を開始している。Mac Proは来年までモデルチェンジはないが、ハードウエアの世界で大きな前進をもたらした。たとえば、iMac Proは、画面と本体を分離したモジュラー・デスクトップ型に代わるものとして、一体型を提示している。最新のMacBook Proは、ハイエンドのとんでもない性能を誇っている。

そこで中心的な役割を果たすのがMojaveだ。ここに込められた目玉機能の多くは、まさにそうしたパワーユーザーに向けたものだ。ダークモード、ギャラリー表示、ファイルのメタデータ、スタックは、新機能の中でも際立つものであり、クリエイティブ業界のプロたちが熱望していたものだ。

ひとつお断りしておくが、私を「クリエイティブ業界のプロ」に含めるためには、みなさんが抱いているその定義をうんと広げていただく必要がある。Appleが近年のイベントで、写真家やプロデューサーやインタラクティブ・アーティストを持ち出すとき、正直言って、私もその一員だと思い込んでいるからだ。

ともかく、私は毎日の仕事の中で、前述の機能の多くを便利に利用させてもらっている。この4カ月ほどの間、ほとんどの時間をこれらの機能と過ごしてきたその経験を活かして、ここに、私がもっとも便利だと感じたMojaveの新機能を紹介しよう。

スタック

新しいmacOSのバージョンが登場し、新機能が加わるごとに、見た目にわかりやすいものは、すぐに日常の操作で活躍するようになる。その新機能により、作業が速くなり、生産性が上がり、整理もつくと思えば、わくわくする。しかし、それらが体に染み込むには時間がかかり、慣れようとする努力が次第に失われ、最後にはそんな機能があったことすら忘れてしまうのがお決まりのパターンだ。

その原因が、私の無秩序で特異な整理方法にあることはわかっている。そこは、どんなに責められても仕方がない。しかし、そうした機能は善意で作られているものの、操作が厄介なのだ。スポーツジムの入会金を払っただけで、新年の抱負が守られるわけではない。それと同じだ。

ところがスタックは、率直に便利だ。Appleがデスクトップ・ベースのフォルダ・システムを廃止してから、私のデスクトップは散らかるばかりだった。コンピューター内の適当な場所に汚れた洗濯物を放り出すような感じで、だらしないし、自分でも嫌だった。でも、どうしたらいい?

ひとつの解決策は、Mojaveにアップグレードすることだ。Appleはダークモードを旗艦機能として力を入れているようだが、地味ながらスタックが最高に便利な新機能だ。デスクトップが散らかっていたら、壁紙をControl+クリックするか、メニューバーの「スタックを使用」を選択すれば、ファイルを自動的に重ねて(スタックして)くれる。

デフォルトでは、ファイルはタイプごとに分類されるようになっているが、ドロップダウン・メニューで、これを「最後に開いた日」、「追加日」、「作成日」または「タグ」に切り替えることが可能だ。パイル(重ねたアイコン)をクリックすれば、重ねられたアイコンが展開し、一瞬にしてすべてを見ることができる。

そうそう、「スタックを使用」をもう一度クリックすると、すべてが元の場所に戻り、無秩序なデスクトップを取り戻すことができる。

ダークモード

AppleがWWDCでMojaveを発表したとき、「ダークモード」は観客の絶大なる関心を引いた。それは、会場が開発者で埋め尽くされていたからだ。この機能を使いたくてうずうずしているのは、開発者ばかりではない。暗室で画面を見る時間が多いビデオカメラマンやカメラマンにとっても、この機能はありがたいはずだ。

これを有効にすると、対応するアプリも、みなデフォルトでダークモードに切り替わる。境界線と背景は暗くなり、暗い背景では文字が白くハイライトされる。数カ月前、私がMojaveを使い始めたころは、対応するアプリケーションが少なくて悲しい思いをした。その当時、対応していたのは、メール、連絡帳、カレンダー、Safariリーダーなどの付属アプリがほとんどだった。

それは無理もない。あれは、お手本を示していたのだろう。それから状況は少し改善された。Dark Mode Listのサイトによれば、macOSとiOSの両方で、現在少なくとも78のアプリがダークモードに対応しているという。

まだ始まったばかりだ。道のりは遠い。これに対応したアプリと非対応のアプリを切り替えながら使うと、その効果は薄れてしまう。現在、Safariは対応しているが、FirefoxやChromeは対応していない。Apple製品でも、Pagesなど、あらかじめインストールされていないアプリは対応しない。対応リストが開発者向けツールに大きく偏っているのは、仕方のないことだ。

Mojaveは今日(9月24日)正式リリースされたが、私は、多くのアプリメーカーがいち早くダークモードに対応することを期待している。それまでは、それを必要とする人にとって便利な機能であり、その他の人には、ちょっと素敵なオプションということになる。

ダイナミックデスクトップも面白い新機能だ。ただし、今のところ選べる壁紙は、標準のモハベ砂漠の画像と、Solar Gradientの2種類しかない。どちらも、1日のうちに変化し、太陽が沈むとだんだん暗くなる。これはダークモードと組み合わせると面白い。登場して久しいブルーライトを軽減する機能Night Shiftに、新しい楽しさを加えるものだとも言える。壁紙の種類がもっと増えれば嬉しい。

スクリーンショット

一般のみなさんよりも、私がいちばんこの恩恵を受ける人間であることは、認めよう。私は、日々の仕事でこれを使っているからだ。スクリーンショットを撮影すると、画面の右下にサムネールが現れる。iOSのときと似ている。

それは数秒経つと画面から消える。撮影結果を素早く確認できる、便利な機能だ。サムネールをクリックすると、画面いっぱに拡大されて、必要ならば編集もできる。また、スクリーンショットのデータは、プレビュー、メッセージ、メール、書類、クリップボードなど、好きな場所に保存できるようになったので、デスクトップが散らかる心配がない。

Shift+Command+5を押すと、小さなコントロールパネルが現れる。そこで、画面全体、ウィドウ、画面の一部の撮影かが選べるようになっている。さらに、画面全体または画面の一部の動画撮影もできる。動画は少しだけ使ってみた程度だが、静止画のスクリーンショットは、この記事の画像を準備するときも大いに役立った。

連係カメラも、ここで紹介しておくべき便利な機能だ。これは、Appleのデバイス間の連係機能を柔軟にする新しい道筋を示すものだ。名前が堅苦しいが、Pages、Keynote、Numbers、メモ、メール、メッセージ、テキストエディットといったMac付属のアプリに組み込まれている。

アプリを開いたら、「写真を撮る」をクリックする。すると、Macは接続されたiPhoneまたはiPadを使ってメディアをキャプチャーできるようになる。写真を撮影し「写真を使う」をクリックすると、それだけで写真がアプリに挿入される。魔法のような、よくできた機能だ。正直言って、これまでこうした機能を使う機会は、そう多くはなかった。ノートパソコンで原稿を書いているとき、近くにあるものを撮影して記事に反映できたら面白くなるのにと残念に思ったことが、何度かある程度だ。

しかし、書類をスキャンしてPDFに読み込ませるのは便利かも知れない。数カ月前、中国のビザを申請するときに、その機能を使えばよかった。新しい機能が山ほどあるわけだが、重要なのは、それを日常の仕事の流れに組み入れる機会を逃さないことだろう。

Finder

「ギャラリー表示」は、以前のCover Flowを改良したものだ。ファイルの大きなサムネールが表示され、その下に小さなサムネールが並び、スクロールできる。画像は完全な形で表示されるので、とくに大量の画像をスクロールさせて確認したいときに便利だ。

完全なメタデータを追加できる機能は、明らかにプロを意識したものだ。写真をクリックすると、サイドペインに大量の情報が示される。ほとんどのユーザーは、その情報の意味すらわからないだろう。標準的なファイルサイズや画角に加えて、カメラのモデル、絞り値、EXIFデータなども表示される。

クイックアクションでは、iPhone式の編集ツールがサイドペインの下部から使えるようになる。これで画像の回転もできる。私の仕事では、この機能が大変にありがたい。Adobe PDF風に、いろいろな方法でマークアップできたり、ハイライトやサインの記入なども可能になる。これによって、「プレビュー」がちょっと無駄な感じになってしまった。その目玉機能がデスクトップから直接使えるようになってしまったからだ。

iOSアプリをデスクトップで使う

これは、戦略的な視点からすると、もっとも興味深い新機能だ。Appleは、開発者に対しても、一般ユーザーに対しても、長年の噂になっていたmacOSとiOSの統合は「ない」と断言した。そこで私たちは、みんなで安堵のため息をもらしたのだが、Appleはその境界線をさらにぼかす新しい方法を示した。

Appleは、モバイル用アプリを簡単にデスクトップ版に変換できるようにしたのだ。なぜか? ひとつには、Appleが、MacのApp Storeでもっとデスクトップ用のアプリを売りたいからだ。それには、経済的、エコシステム的、セキュリティー的な理由が数々あるが、その中でもっとも大切な理由は明白だ。またAppleは、人気のソフトメーカーに、Appleのすべてのプラットフォームにコンテンツを作ってもらうことを、とても重要に考えている。

それを実現するために、Appleは、自社製アプリのボイスメモ、株式、ホーム、Newsのうち3つをデスクトップでも使えるようにした。なかでもNewsは、私が大いに利用するアプリのひとつとなった。ウェブブラウザーでいくらでもニュースが見られるのに、独立したニュースアプリを使うなんて馬鹿げてると思われるかも知れない。しかし、それをインストールして、キュレーションの設定を行うと、私は、最新ニュースの通知をとてもありがたく感じるようになった。

ニュースを見る方法は無数にあるが、Newsは手軽に見られるところが便利だ。とは言え、私が直接そのアプリを開くことは、あまりない。画面に現れる通知から、面白そうな話題をみつけるということがほとんどだ。幸いなことに、それほど頻繁に通知が出るわけではない。もしそうだったら、頭がおかしくなっていただろう(訳注:日本語モードではNewsは使えません)。

ボイスメモも面白い新機能だ。iOSとのクラウドを使ったシェアリングでは、これがキラーアプリになる。iPhoneで何かを録音すれば、それをデスクトップで聞いたり編集したりできる。デスクトップでは、あまり鮮明に音声を録音することができないので、iPhoneを取り出して録音するのが理にかなっている。

この動作は、録音中であることをほかの人に気づかせる役割も果たす。音源にマイクを近づけるのも簡単だし、録音中にキーボードを叩く音を気にしなくても済む。

iOSアプリのデスクトップ版は、ユーザーエクスペリエンスの観点からも面白い。サイズは変わっても、内容はほとんど変わっていない。そこがポイントだ。一から作り直すより、すでにあるものを移植するほうが、よっぽど簡単だ。もちろん、Macにはタッチスクリーンがないので、ポインターで操作しなければならないのだが。Macの画面を指でタップしそうになったところを見られたら、ちょっと恥ずかしい。

私は、Appleのスマートホーム・アプリのデスクトップ版ホームを使っているときに、それをやらかしそうになる。iOS版と同じ、四角いタイルが並んでいるからだ。しかし、オリジナル版と同じ画面デザインであることには、ユーザーにしてみれば意味がある。家のすべてのホームアクセサリに、仕事場でも移動中でも、同じインターフェイスで操作できるのは便利だ。

その他いろいろ

あとは、箇条書きでさくっと行こう。

  • 32人対応のFaceTimeのチャット機能は、秋の終わりごろにmacOSに追加される予定だ。面白そうなので、ぜひ試してみたい。大きな画面じゃないと、管理が難しそうだ。
  • MacのApp StoreとiTunesも作り変えられた。この更新は、ユーザーとの結びつきを強めるための、人による情報の提供を推進するというAppleの方針に従ったものだ。音楽のようなものは、人間が紹介文を書くのがよいと私も考える。
  • Macも、iPhoneと同じように、アプリがカメラやマイクにアクセスするときにユーザーの同意を求めるようになった。だからって、急いでカメラのマスキングテープを剥がすべきだとは思わないが、これは良いことに間違いない。
  • Appleによると、Safariのセキュリティー機能が強化され、去年追加されたインテリジェント追跡防止機能も強化された。

ウェブページを閲覧すると、そのデバイスの特性を利用して、広告主がユーザーを追跡できるようにする「指紋」が作られる恐れがある。Safariでは、単純化したシステム・プロファイルを共有することで、これを阻止できるようになった。強化されたIntelligent Tracking Prevention(インテリジェント追跡阻止)機能が、ソーシャルメディアの「いいね」ボタンや「シェア」ボタンやコメント欄などの埋め込みコンテンツが、ユーザーの同意なしにユーザーを追跡することを防いでくれる。

アップグレードしよう

Mojaveはアップグレードする価値があるか? たぶん、ある。無料だし、面白い新機能がたくさん入っている。これを、TechCrunchのMac Proのレビュー記事のタイトルのように「開発者へのラブレター」と呼んでよいのかどうかわからないが、その新しいハードウエアとともにAppleは、クリエイティブな業界の人々に、Macの未来に彼らの居場所があることを明確に訴えている。

どこまで役に立つかは、人によって違って当然だ。しかし、私の場合は、たくさんの新機能が私の仕事のやり方をいい感じに効率化してくれたことを感じている。株式、ダークモード、そして改良されたスクリーンショットは、職場と自宅のマシンでベータ版を使ってきたこの数カ月の間に、とても便利であることがわかった。今日、すべての人たちに最新版が公開された。あなたも、確実にそのすべての試すことができるのだ。

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(翻訳:金井哲夫)