今日(米国時間9/18)のDisrupt SF Startup Battlefieldに登場したBridgefyをモバイルアプリのデベロッパーが利用すると、インターネットが使えないところでもデバイス同士がネットワークを作って互いに通信することができる。
2012年のBattlefieldでローンチしたOpen Gardenや、その意外なヒット作となったオフラインメッセージングサービスFireChatなどは、そんなネットワークアプリケーションの例だ。Bridgefyは、それらと同じことをする。
Bridgefyの協同ファウンダーでCEOのJorge Riosによると、ファウンダーたちはあるハッカソンの直前に会って友だちになり、全員がこのネットワーキングのアイデアに関心を持って、インターネットがなくても使えるメッセージングアプリを作ってみよう、という話になった。そのハッカソンでは二位になったが、スタンドアローンのプロダクトを作るよりは、ほかのアプリが使えるSDKの方に将来性がある、という点で全員の意見が一致した。
そこでアプリのデベロッパーたちは、AndroidとiOS用のBridgefy SDKを使ってBluetoothによるネットワーク機能を自分のアプリ上に作り、それによりデバイス間の通信を可能にする。ひとつの接続はBluetoothの100メートルという範囲に限定されるが、お互いのスマートフォンを中継機にすることによって長距離をカバーできる。このSDKでは、近くの全ユーザーにメッセージを拡散するブロードキャストネットワークも作れる。ただしOpen GardenのMeshKitと違って、ネットワーク内のスマートフォンのどれか1台をインターネットへの進入ランプとして使うことはできない。
ユースケースとしては、“災害現場での利用をメインに訴求していきたいが、教育やゲームやソーシャルメディアの分野でも便利でおもしろい利用がありえる”、という。“スマートフォン上のアプリを使いたいけど身辺にインターネット接続がない、というユーザーは世界的にとても多い”、とRiosは語る。彼はそのほかのユースケースとして、プレイに順番のあるゲームや、クルーズ船上、ライドシェア、チェックインなどを挙げる。
同社の技術は今、およそ35000台のデバイスに載っており、今商談を進めている企業ユーザーを数社獲得できればユーザーは一挙に数百万のオーダーになる、とRiosは語る。課金は、このSDKを使っているアプリのアクティブユーザー数をベースにする予定だ。
Open Gardenはその後経営トップが変わったりして、最近はその動向が伝わってこない。でも同社は、今年初めのMWC BarcelonaでMeshKit SDKを発表している。このようなメッシュネットワークは、同じ場所で複数のデバイスがそれを使う〔例: 会社のチェックインシステム〕、という状況がないとあまり有用でない。この制約を乗り越えることができれば、あるいは制約をうまく利用できれば、Bridgefyも本当の成長軌道に乗れるだろう。