Bullpen Capital(ブルペン・キャピタル)が遠隔地の過小評価を受けているスタートアップへの資金提供に向け1億3000万ドルを調達

今年創立10周年を迎えるブルペン・キャピタルは、サンフランシスコに拠点を起く、ポストシード投資と呼ばれる投資に力を入れているベンチャーファンドである。共同創設者であるPaul Martino(ポール・マルティノ)氏によると、同社は既に500万ドル(約5億3000万円)を調達し、かつ「1000万ドル(約10億6000万円)の資金を調達する準備は整っていないものの、さらに500万ドル(5億3000万円)を得られれば大いに能力を発揮しそうな」スタートアップに資金提供を行っている。このブルペン・キャピタルがキャピタルコミットメントにおいて1億3000万ドル(約137億3000万円)に上る5回目の資金調達を完了した。

また同社には、新たなジェネラルパートナーとしてAnn Lai(アン・ライ)氏が加わった。ハーバード大学で工学博士号を取得した彼女は、かつてBinary Capital(バイナリ・キャピタル)(現在は閉業している)に在籍し、そこで創設者と地理的観点の両方から、より多様なスタートアップを取り込むことに関するテーゼを打ち立てたのだが、この考え方は、ブルペンが最も力を注いでいることでもある。

今週始めに行ったマルティノ氏とライ氏に対する電話取材の中で、彼らは、スタートアップのHemster(ヘムスター)を挙げながら、ブルペンとライ氏がそれぞれスタートアップにどういった考えを持っているか、またライ氏が約1年前にヘムスターの話をブルペンへ持ち込んだ直後に、同社が彼女を新たなGPとして迎え入れようと決めた理由を説明した。

ヘムスターは、たまたま「初めて起業する」「女性(Allison Lee)」が、「単独で」設立した。ベンチャーキャピタル業界では従来、これは三重に不利な条件とされている。

ヘムスターが行っていること(オンデマンドによる仕立てサービス)も、必ずしもベンチャー的観点から魅力のあるものには見えない。ライ氏のプレゼンテーションに対する彼の最初の反応は、「なぜ我々がこの会社に投資をしなければならないのか?」であったとマルティノ氏は認めた。

しかし、彼女には(最終的にはブルペンもライ氏の見方に同調したのだが)、ヘムスターがオフラインからオンラインショッピングへの継続的な移行をつかむための好位置につけている企業であるということがわかっていた。オンラインショッピングでは、あらゆる種類のテクノロジーを用いて、顧客により良いフィット感を保証するために体型を数値化しようとしてきた経緯がある。しかしヘムスターは、顧客と彼らの好むサイズデータを構築することを通し、デジタルリテールの世界で個人がどこででも使えるポータブルIDを開発できる可能性を持っていた。

同社はAlo Yoga(アロー ヨガ)やFarfetch(ファーフェッチ)と共に既にその技術を検証している。仮にすべてが順調にいけば、ヘムスターはゆくゆくは主要リテーラーのパートナーになるだろう。また「サイズ調整を行って気に入ったフィット感が見つかれば、リテーラーに関係なく、同じフィット感を再現できるのです」とライ氏は述べた。

ブルペンは、Eric Wiesen(エリック・ウィエセン)氏やDuncan Davidson(ダンカン・ダビッドソン)氏の2名のGPも運営に加わっているのだが、他の投資家により見過ごされているスタートアップの提案に耳を傾け、それを積極的に推進していく、という立場をとっている。

今週初めに行われた会談の中で、マルティノ氏は、Nigel(ナイジェル・エクレス)氏とLesley Eccles(レスリー・エクレス)氏夫妻が共同で設立した、スコットランド、エディンバラに拠点を置くゲーム会社、FanDuel(ファンデュエル)を挙げた。「どのファンドもこの会社を過小評価していました」とマルティノ氏。「同社の地理的位置もチーム組成も好条件とは言えませんでした。私たちが共同で投資するファンドとして接触した企業のうち、何社が『カテゴリー的に、夫婦からなるチームへの投資は、100%ありえない』と言ったかしれません」。

ファンデュエルはFlutter Entertainment(フラッター・エンターテインメント)に改名し、評価額は最終的に10億ドル(約1055億円)に達し、その後アイランド、ダブリンに拠点を置くブックメーカーのPaddy Power Betfair(パディ・パワー・ベットフェア)にその半額で売却された。 ファンデュエルのエグジットはマルティノ氏の指摘を裏付けるものだが、この話の結末はハッピーエンドではなかったことを伝える必要がある。今年はじめ、ファンデュエルの創設者は、プライベートエクイティ投資会社のKKRおよびShamrock Capital(シャムロック・キャピタル)を相手取り、この売却後、彼らがファンデュエルの創設者、初期の従業員、および初期の資金提供者を、スポーツゲームサイトにおける権益から締め出したとして訴訟を起こした

ブルペンの型破りな姿勢を示す最近の投資としては、アイルランドに拠点を置くコスメティッククリニックチェーンで、現在米国へ進出中のSisu Cosmeticsへの投資が挙げられる。創立2周年を迎えようとしている同社は、Greycroft(グレイクロフト)およびブルペンがリードするシリーズA資金調達で、今週初め550万ドル(約5億8000万円)を調達したと発表した。

ブルペンが提供する資金はすべて額面が似通っており、ざっと25のスタートアップを支援している。同社の資金提供は通常、400万ドルから600万ドル(約4億2000万円から6億3000万円)規模のラウンドに200万ドルから400万ドル(約2億1000万円から4億2000万円)が投資されるが、マルティノ氏は同社の新しい資金提供も同様だと見込んでいると語った。

ライ氏は、バイナリにおいては、女性求職者は顔写真を提出しなければならないなど、ハラスメントの社風があるとしてバイナリの共同創設者に対する訴訟を起こしていたが、この訴訟は今年始めに解決に至った。彼女は今回の資金提供では全体の4分の1の小切手を発行する立場となる。

やや有名なこの訴訟について、なにかコメントはあるかと尋ねたところ、彼女は、この訴訟は彼女の中では随分前に済んだことだと述べた。

関連記事:ベンチャーキャピタリストの「リーン」資金モデル
カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:資金調達 Bullpen Capital

[原文へ]

(翻訳:Dragonfly)

二足歩行ロボット開発のAgilityが約21億円を調達

米国時間10月15日、オレゴン州立大学からスピンオフし二足歩行ロボットのDigitとCassieを開発するAgility Roboticsは、2000万ドル(約21億円)を調達したと発表した。今回のラウンドを主導したのはDCVCとPlayground Globalで、Agilityのこれまでの調達金額の合計は2900万ドル(約30億5000万円)になった。ほかにTDK Ventures、MFV Partners、Industrial Technology Investment Corporation、Sony Innovation Fund、Safar Partnersも投資した。

Agilityのロボットは、筆者が近年見てきた中では洗練されているロボットのひとつだ。ダチョウからヒントを得たCassieは、その優雅な二足歩行の足取りでロボティクスに関わるコミュニティの想像力をまさにとりこにした。

2019年に発表されたDigitは、Cassieをベースにさらに進化し、階段などの地形を歩ける荷物運搬ロボットとなっている。これは、従来の車輪の付いたロボットでは難しいことだ。実は自動車大手のフォードがこの技術を気に入り、Digitの最初の顧客になると発表した。同社は自動運転の車と組み合わせてこのロボットを配送に使う計画だ。

Agilityは今回の調達で得た資金をもとに、ロボットを多様な用途に対応させる予定だ。共同創業者のJonathan Hurst(ジョナサン・ハースト)氏は、今回の調達に関する発表の中で次のように述べている。「今回の資金を投入して、物流業者やeコマースの小売店など、人間とともに働いて反復作業や肉体的負担が大きい作業、危険な作業を自動化するロボットを求める企業からの需要に応えていきます。我々はさまざまな業界にわたって、人間の作業を前提とした場所での業務を自動化するヒューマノイドロボットの開発と展開を加速することを楽しみにしています」。

ロボット業界の多くの企業がそうだが、Agilityも新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動停止で注目を集め、成長しているようだ。配送や物流に関わる多くの企業がサービスを自動化する新しい方法を模索している。Digitの現在の価格は25万ドル(約2600万円)と非常に高価だが、今後台数が増えれば価格は下がっていくだろう。

カテゴリー:ロボティクス
タグ:Agility、資金調達

画像クレジット:David Becker / Getty Images

原文へ

(翻訳:Kaori Koyama)

分身ロボット「OriHime」開発のオリィ研究所がNTTと川田テクノロジーズから5億円を調達

分身ロボット「OriHime」開発のオリィ研究所がNTTと川田テクノロジーズから5億円を調達

遠隔操作可能な小型分身ロボット「OriHime」(オリヒメ)を開発するオリィ研究所は10月15日、第三者割当増資により総額5億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、日本電信電話(NTT)、川田テクノロジーズ。

調達した資金により、今後計画している新プロダクトの量産体制、ハードウェアおよびサービスの開発体制、営業・マーケティングの人材採用を強化し、外出困難者の就労支援事業の推進、分身ロボットOriHimeの普及、将来に向けた研究開発に注力する。

また、NTTおよび川田テクノロジーズとの強固なパートナーシップを構築することで、よりユーザーに求められるサービス・プロダクトを構築し、それらの社会実装を加速させる。

オリィ研究所は孤独の解消を理念とし「たとえ外出困難や寝たきりになっても、誰もが社会に参加できる未来をつくる」をコンセプトに、遠隔操作で自由自在に動かせるOriHimeを開発。

その他、視線入力システムによる意思伝達装置「OriHime eye+Switch」、遠隔操作での肉体労働を実現する「OriHime-D」の開発とそれを用いた分身ロボットカフェの実施、外出困難者の新しい働き方を開拓することを目的とした「アバターギルド」などの製品・サービスを提供している。

関連記事
オリィ研究所が分身ロボット利用の新しい働き方を開拓するプロジェクト公開、パイロットを募集
分身ロボット「OriHime」開発のオリィ研究所、Beyondなどから約2億3000万円を資金調達

カテゴリー: ロボティクス
タグ: オリィ研究所資金調達日本

クリエイターファーストのフィットネスプラットフォーム「Playbook」が約9.8億円調達

フィットネスコンテンツのPatreon(コンテンツ制作者向けクラウドファンディング)を目指すPlaybookが、シリーズAでE.ventures、Michael Ovitz、Abstract、Algae Ventures、Porsche Ventures 、FJ Labsから930万ドル(約9億8000万円)を調達した。

新型コロナウイルスの感染拡大により、パーソナルトレーナーやフィットネス業界は大打撃を受けた。ジムが閉鎖され、トレーナーが新規顧客を獲得する手段は閉ざされた、あるいは減ってしまった。Playbookは、コンテンツを通じてトレーナーの収入源を作ろうとしている。

Playbookのクリエイターには、ビデオを制作し視聴者を増やすツールが提供される。ほかの多くのフィットネススタートアップとは異なり、エンドユーザーではなくクリエイターのビジネスに着目している。収益化に適したツールとプラットフォームがあればトレーナーは視聴者を引きつけることができると考えているのだ。

Playbookは、クリエイターが固有のリンクでプラットフォームに視聴者を誘導すると、そのユーザーからの売上の80%をクリエイターに支払う。どのクリエイターからプラットフォームに来たかわからないユーザーの場合、トレーナーは再生された秒数に応じて支払いを受ける。

エンドユーザーの利用料金はシンプルだ。見放題のサブスクリプションで月額15ドル(約1600円)、年額99ドル(約1万500円)だ。

Playbookは、2020年6月にシードラウンドで300万ドル(約3億1600万円)を調達した(未訳記事)。同社のプラットフォームには魅力的なトレーナーがそろっている。Kevin Hart(ケビン・ハート)のトレーナーであるBoss Everline(ボス・エバーライン)、Gal Gadot(ガル・ガドット)とAlicia Vikander(アリシア・ヴィキャンデル)のトレーナーであるMagnus Lygdback(マグナス・リッドバック)、Ryan Reynolds(ライアン・レイノルズ)とBlake Lively(ブレイク・ライブリー)のトレーナーであるDon Saladino(ドン・サラディノ)などだ。

Playbookの共同創業者でCEOのJeff Krahel(ジェフ・クリエル)氏は、クリエイターに提供するテクノロジーのサービスを増やすことに取り組んでおり、そうすればほかのことはついてくるだろうと述べた。

クリエル氏は「このことが、Michael Ovitz(マイケル・オービッツ)氏を戦略的投資家として迎えた理由のひとつです。我々はテック主導の芸能事務所であり、クリエイター向けツールを備える優れたテックプラットフォームです。当社はほとんどアクセラレーターのように、クリエイターを支援して影響を最大化することを目指しています」と語った。

同社はクリエル氏のほか、Michael Wojcieszek(マイケル・ボイチェシェック)氏とKasper Ødegaard(カスパー・エデゴール)氏が共同で創業した。

今回の資金調達で、Playbookの調達金額の合計は1230万ドル(約13億円)になった。

カテゴリー:ヘルプテック
タグ:Playbook、資金調達、フィットネス

画像クレジット:Playbook

原文へ

(翻訳:Kaori Koyama)

建物のエネルギー消費をモデル化し持続可能性をもたらすCove.toolが6億円調達

Patrick Chopson(パトリック・チョプソン)氏とSandeep Ahuja(サンディープ・アフージャ)氏は、建物のデザインを持続可能性とコストの観点から最適化するソフトウェアを開発するcove.toolをアトランタで創業した。彼ら自身が建築家としてのキャリアの中で直面した問題を解決するためだ。

ジョージア工科大学卒業生の二人は、チョプソン氏の兄弟であるDaniel Chopson(ダニエル・チョプソン)氏とともに、EYP、P25、Skanska、JLLを始めとする世界22カ国の多数の建築家、技術者、そして開発者によって使われている一連のソフトウェアを開発してきた。同社のソフトウェアは、カリフォルニア工科大学、イリノイ大学、UNCシャーロットなどの大学や、彼らの母校であるジョージア工科大学でも教えられている。

今回同社は、ロサンゼルスに本拠を置く投資会社Mucker Capitalが主導したシリーズAラウンドで570万ドル(約6億円)の資金を調達した。ラウンドには、以前の投資家であるUrban.us、Knoll Ventures、アトランタのTechSquare Labsなども参加している。

同社が最初に生み出した製品は、建物のエネルギー消費をモデル化し、エネルギー効率を改善する方法についての洞察を提供するソフトウェアだ。cove.toolによれば、この製品は、以前なら外部コンサルタントが関与し約150時間かかっていた手作業を30分で完了できる作業に変えるという

このソフトウェアは、エネルギー消費、露光、反射、放射、水、新規および既存の建物に対する具体化されたカーボン目標などの要因を考慮することができ、さまざまなオプションを比較する機能を提供して、建築家や開発者がエネルギー目標を達成するために、最も費用効果の高い方法を決定できるようにする。最新のアップデートでは同社は、開発者が新型コロナウイルスのような感染性疾患の潜在的な蔓延を減らすための最も安全なデザインを考慮するのに役立つ、室内占有率計算ツールを追加した。

建物自身と建物の建築作業が気候変動を引き起こす温室効果ガス排出に大きく寄与している。建築建設世界同盟(Global Alliance for Building and Construction)と国際エネルギー機関(International Energy Agency)が発表したデータによれば、温室効果ガス排出は年間炭素排出用の39%を占めている(世界同盟レポート)。そして、世界中で続く都市への継続的な移住は、新しい建物や建設の需要がすぐには減速しないことを意味している。建物への需要が高まる中で、cove.toolのソフトウェアなどの技術を使えば、一般的な建設プロジェクトなら4万本ぶんの木に相当する資源を節約できる可能性があると同社は述べている。

建物の設計を最適化するためのcove.toolソフトウェアの例( 画像クレジット:cove.tool)

同社の最高経営責任者であるアフージャ氏は、「気候変動を押し止めるという意味で、建物の環境負荷を差し引きゼロにするための行動が無意味にならないようにするには、あと10年ほどの猶予しかありません」と語る。

アフージャ氏によれば、新しい資金を手にしたcove.toolは、グローバルな販売およびマーケティング活動を拡大し、いくつかの新しいプロジェクトを推進する予定だ。創業者の二人は、彼らのソフトウェアはすでにカナダ、イギリス、オーストラリアの建築基準を満たすように設計されていると語る。また同社は、火星環境向けにエネルギー効率の高い構造をデザインできるかどうかを確認する計画も立てている。

「火星のことをやるのは楽しいからです」とアフージャ氏はいう。「そのモデルがどのようなものになるかを知りたいのです」。

このソフトウェアの大きなセールスポイントは、環境の持続可能性が製品にガッチリ組み込まれていることだ。そのため、開発者がコスト削減にしか注意を向けていない場合でも、とにかく二酸化炭素排出量の改善が行われる。

「私たちのプラットフォームを使用する開発者は、持続可能性を気にするかもしれないし、気にしないかもしれませんが、間違いなくコストは節約できます」とアフージャ氏はいう。

製品ロードマップ上の次のステップは、建設管理者や開発者がcove.toolによるデザインを実際の建物に変えるために必要な、エネルギー効率の高い建材を提供できる市場の開設だ。

「誰もがまったく異なる悪いワークフローを採用しています」と、同社の共同創業者で製品開発責任者であるチョプソン氏は述べている。「私たちのソフトウェアは、すべての建物とすべての都市が実際に満たす必要のあるコストとオフセットカーボン目標の観点から、それらをまとめます」。

ここで描かれているロードマップは、建築家から請負業者までのワークフローを簡単にして、関係者全員がより緊密に調整できるようにすることだ。建築市場のそちら側に参入することで、cove.toolは非常に資金の豊富な他社と競合することになるが、それは市場の建築管理と調達に関わる領域が巨大であるためだ。

Procoreのような企業が、建築管理プロセスを簡素化するというお題目を掲げて、10億ドル(約1000億円)規模の企業になっている。

アフージャ氏によれば、cove.toolのマーケットプレイス製品は、2021年半ばに登場する予定である。リストに掲載する予定の数百のベンダーからの1000を超える製品のデータベースを、すでに蓄積しているということだ。

「製品データベースはたくさんありますが、内容を分析できるところはありません」とチョプソン氏は語る。「あるガラスが、他のどのガラスよりも優れていることを分析できるのは私たちだけです… それはあまりにもまとまりがないので、普通ならあるものと別のものを比較することはできません… 重要なのは、対象を分析し、分析結果を建物のコンテキストに反映できるようにすることです」。

最終的には、やはり効率と持続可能性に焦点が当てられるのだとチョプソン氏は語った。そして、急速に温暖化する世界では、他に重要なことはほとんどない。

Mucker Capitalのパートナーであり、cove.tool取締役会のメンバーとなったOmar Hamoui(オマー・ハモウイ)氏が声明の中で述べているように「持続可能なデザインは、建築業界で急速に必要になりつつある」のだ。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:Cove.tool、資金調達

画像クレジット:cove.tool

原文へ

(翻訳:sako)

フィンテック企業M1 Financeが約35億円のシリーズB調達のわずか120日後に約47億円のシリーズCをクローズ

3300万ドル(約35億円)のシリーズBを発表してわずか数カ月後の10月14日、シカゴ拠点のM1 Finance(エムワンファイナンス)は4500万ドル(約47億円)のシリーズCを明らかにした。

本ラウンドはシリーズBのときと同じLeft Lane Capitalがリードした。いわゆるインサイドラウンドはいま、2020年においては強気であることを心に留めておくべきだろう。より冷ややかにに見られていた前VC時代と真逆だ。他のM1の投資家にはJump CapitalClocktower Technology Ventures、そしてChicago Venturesがいるが、今回のラウンドにはJump CapitalとClocktower Technology Venturesだけが参加したようだ。

M1によると、シリーズCはシリーズBのわずか120日後だ。なぜM1がより多くの資金を調達したのか、そしてなぜLeft Lane Capitalが消費者向けフィンテックM1の2つのラウンドをリードしたかったのかというのはいい質問だ。

2月にTechCrunchはM1 Financeの運用資産残高が10億ドル(約1050億円)に達したと報じた。

M1 Financeは3種の従来型フィンテックサービスを1つにまとめ、これにより果敢にもパッケージ価格で展開している。このモデルはうまくいっているようだ。M1が6月にシリーズBを調達したとき、運用資産残高は14億5000万ドル(約1525億円)に達した。わずか3カ月ほどで約45%増えたことになる。かなり素晴らしい。

そして同社は10月14日、運用資産残高が20億ドル(約2100億円)を超えたことを発表した。4カ月で38%の増加だ。

シリーズCに向かう期間、M1のパーセンテージでの資産運用残高の成長率は緩やかだったが、調整していない資産運用残高ではより大きな成長となった。

そうした事実は今回の新たなラウンドを説明するものだ。もしあなたがLeft Lane Capitalで、ラウンドをリードして、その後急速に成長しているのを目の当たりにしたら、すぐに倍賭けしたくなるだろう。M1の持ち分を増やすだけでなく、他の投資家が登場してM1の持ち分を取得してあなたの持ち分を希薄化し、あなたのM1の直近のリードインベスターという地位を奪う前にラウンドを終わらせたいはずだ。

ゆえに、Left LaneはシリーズCをリードし、M1が成長を続けることを願っている。

売上高、成長

M1に関して面白いのは、今年初めに同社が資産運用残高におけるパーセンテージで売上高目標を明らかにしたことだ。同社は資産運用残高の1%ほどの売上高を目指す。同社のCEO、Brian Barnes(ブライアン・バーンズ)氏はこの数字を今週、TechCrunchに対し改めて確認した。

つまり、資産運用残高20億ドル超で、M1の売上高はランレートでおそらく2000万ドル(約21億円)ということになる。同社のこのところの成長が続けば、今年末までにランレート2500万ドル(約26億円)へと駆け上るかもしれない。

M1はいかにしてそれだけの運用資産をプラットフォームに集めているのだろうか。バーンズ氏はTechCrunchに対し、M1はユーザーベースを初年から3倍に増やし、加えて直近のユーザーは他のファイナンシャルプラットフォームを通じて多額の資金を持ち込んでいる、と話した。この組み合わせがM1を大きくし、そして急速に成長させている。

終わりに、Left Laneがおそらく他社にとられまいとシリーズCをリードしたかったという上の記述、つまり占有権は今日のVCマーケットでは当たり前のことだ。シリーズCについての質問への答えとして、バーンズ氏は「当社のシリーズCにかなりの投資需要があったことは幸運で、部分的にこれはマイルストーンを早く達成したことが影響している」と述べた。この言葉は、リードインベスターを巡って争った可能性があるように聞こえる。

M1のラウンドは今年我々が目にしている貯蓄と投資のブームを継続させる。と同時にこのラウンドは同社の勝ちでもある。同社が資産運用残高30億ドル(約3155億円)に達した時はさらに大きな勝ちとなる。カウントダウンを始めよう。

カテゴリー:フィンテック
タグ:資金調達、M1 Finance

画像クレジット: Bryce Durbin/TechCrunch

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

道路点検AI開発の東大発アーバンエックステクノロジーズが8000万円を調達、スマホとAIで道路の損傷状態を即時判別

アーバンエックステクノロジーズは10月12日、事業拡大を目的に8000万円の資金調達の実施を明らかにした。第三者割当増資によるもので、引受先は東京大学協創プラットフォーム開発とANRI。

同社が開発する道路点検AIは、これまで多くの自治体で実施されてきた車上からの目視による道路損傷確認業務を、スマートフォンとAI(人工知能)に置き換えて正確かつスピーディに実現し、業務の効率化を図るというもの。具体的には、自動車のダッシュボードなどにスマートフォンやドライブレコーダードライブレコーダーを搭載して、走行しながら路面の損傷を検出・録画・アップロードするシステムを構築。

サーバーにアップロードされたデータは、リアルタイムで、路線評価や維持修繕費の予測できる。同社ではこれを自治体ごとにカスタマイズしたものを提供していく計画だ。必要な機材は、スマートフォンやドライブレコーダーのみなので導入コストが低いのも魅力だ。なお、同社のプロジェクトは、2020年度のIPA未踏アドバンスト事業にも採択されている。

同社ではこのAIを活用して、道路のほか橋梁の点検AIの開発にも取り組んでいる。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:UrbanX資金調達

企業向け支出管理サービスを提供するフランスのSpendeskが約19億円を追加調達

フランスのスタートアップのSpendeskがシリーズBで1800万ドル(約19億円)を追加調達した。同社は2019年にシリーズBの一部としてすでに3840万ドル(約40億5000万円)を調達していたため(未訳記事)、このラウンドで5640万ドル(約59億5000万円)を調達したことになる。今回の追加調達ラウンドではEight Roads Venturesが投資している。

Spendeskはその名が示す通り、支出の管理に関するあらゆることを手がけている。企業の従業員にバーチャルカードと物理カードを発行し、承認ワークフローの構築や経費精算の管理をする。同社のプラットフォーム上で請求書や領収書をすべてまとめることもできる。

すべてをひとつのプラットフォームに集めることで、支出をリアルタイムで管理し、会計業務の時間を短縮できる。Spendeskで取引や領収書をまとめれば、処理はさらに簡単になる。データをXero、Datev、Netsuite、Sageに書き出すこともできる。

多額の経費を使う場合は上司に申請を送信する。上司が申請を承認すると、その経費を支払うための1回限りのバーチャルカードが送られてくる。

同様に、従業員があらかじめ決められた予算額の物理デビットカードを会社から受け取る方法もある。上司は部下のカードに経費を追加したりATMでの引き出しや週末の取引を禁止したりするなど、さまざまなことができる。従業員がモバイルアプリから支払いをチェックしたり、カードの残高を見たり、領収書を追加したりする機能もある。

Spendeskは月額サブスクリプション制のSaaSプロダクトだ。経済危機のため取引はおそらく鈍化しているが、同社はサブスクリプションの売上が前年比で2倍になったとしている。同社の社員数はわずか1年で100人から200人に増えた。

Spendeskは以前からヨーロッパ全体の中小企業をターゲットにしていて、4万人がこのプラットフォームを利用している。クライアントにはAlgolia、Curve、Doctolib、Raisin、Wefoxなどがある。SpendeskはJoseph Smith(トップ写真左、ジョセフ・スミス)氏を最高レベニュー責任者として雇用した(トップ写真右は同社CEOのRodolphe Ardant(ロドルフ・アルダン)氏)。

カテゴリー:フィンテック
タグ:資金調達、Spendesk

画像クレジット:Spendesk

原文へ

(翻訳:Kaori Koyama)

シードラウンドで約2.3億円を調達のCaliberがフィットネスコーチングプラットフォームを公開

新型コロナウイルスの感染拡大は、フィットネス分野に大きな打撃を与えた。米国時間10月13日、1対1のパーソナルトレーニングを手がけるスタートアップのCaliberは、Trinity Venturesが主導する220万ドル(約2億3000万円)のシードラウンドを経て、新たにデジタルコーチングプラットフォームを公開した。

Caliberは2018年にコンテンツモデルをリリースし、メールのニュースレターとフィットネスを指導するコンテンツのライブラリを提供していた。

「共同創業者たちは個人コーチングのアイデアをテストし始めたところでひらめきました。何よりも、人々は自分のフィットネスのルーティンに関して専門家による指導と真の意味でパーソナライズされたプランを必要としていることに気づいたのです」と共同創業者でCEOのJared Cluff(ジャレッド・クラフ)氏は語る。

これが現在知られているCaliberの始まりだ。

ユーザーがこのプラットフォームに参加すると、Caliberのコーチとマッチングされる。コーチは100人の応募から5人しか採用されず、まさに最高のトレーナーを厳選していると同社は言う。

こうして採用されたコーチは、最初はビデオか電話でのコンサルティングでユーザーと相談しながら、ユーザーの目標を考慮してその人に合うフィットネスプランを作成する。筋トレ、有酸素運動、食事を組み合わせたプランが完成すると、コーチはそのプランをアプリに入れる。

ユーザーはアプリで提示されたインストラクターからの指示に従い、進捗を記録する。興味深いのは、トレーナーとのライブビデオを予約するのではなく、アプリでコーチと非同期の対話をすることだ。

ユーザーはアップルのヘルスケアアプリをCaliberと統合して食事や有酸素運動を追跡管理し、コーチに進捗を全面的に報告することもできる。

コーチはフィードバックや励ましを与え、最終的には説明責任のレイヤーとなる。

  1. app_plan

  2. app_muscles_involved

  3. app_dashboard

  4. app_calendar

このように人間によるコーチングを時間のかかる非同期の方法で組み合わせることにより、Caliberは一般的なワークアウト生成アプリよりは高価だが実際に対面で指導するパーソナルトレーナーの平均価格よりはずっと安価な費用を設定している。

Caliberのユーザーの大半は月に200〜400ドル(約2100〜4200円)を支払っている。Caliberで働いている1099人のコーチは、ユーザーからの売上の60%を受け取る。

同社によれば、公開前にCaliberの会員数は直近の半年間で3倍になり、会員あたりのワークアウト数は150%になったという。年間経常収益は100万ドル(約1億500万円)を上回っているとクラフ氏は語る。

このプラットフォームの41人のトレーナーのうち、37%が女性で、およそ4分の1が白人ではない。本部メンバー7人のうち1人が女性で、創業者チームの3分の2がLGBTQだ。

クラフ氏は次のように語る。「最大の課題は、私が直近で所属していたBlue Apronが直面していた課題と似ているとも言えます。Blue Apronはミールキットに関するカテゴリーを作ろうとしていました。我々はブランドリーダーのいないきわめてバラバラの業界で、フィットネストレーニングに関するカテゴリーを構築しようとしています」。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Caliber、資金調達

画像クレジット:Caliber

原文へ

(翻訳:Kaori Koyama)

軌道の持続可能性を保つAstroscaleが約54億円を調達、静止衛星長寿命化や軌道上デブリ除去など業務を多様化

軌道上サービスとロジスティクスを提供するAstroscale(アストロスケール)がシリーズEのラウンドで5100万ドル(約53億7000万円)を調達し、これまでの総調達額が1億9100万ドル(約200億円)になった。日本企業であるAstroscaleは、軌道上機器類の寿命終了に関して新たなソリューションを提供する。すなわちそのソリューションとは、耐用年数を終えた宇宙船や人工衛星などを安全に軌道から取り除く容易な方法を提供し、衛星や衛星群を製造する企業の増加にともなって増えつつある軌道上デブリの一部を掃除して、軌道の運用をより持続可能にすることである。

Astroscaleはその後ミッションを拡張して、静止衛星の寿命延長も手がけている。これもまた、軌道上の活動の爆発的な増加が予想される中で、軌道の運用環境をより持続可能にしていくサービスの重要な一環だ。同社は2020年初めに、Effective Space Solutions(ESS)と呼ばれる企業のスタッフと知財の買収を発表したが、それは「宇宙ドローン」を開発している企業だった。その宇宙ドローンは既存の大型静止衛星のインフラに対して軌道上サービスを提供し、燃料の補給や修理を行う。

ESSは、Astroscale Israelのベースで、静止衛星の寿命延長も業務にしてグローバル企業になりつつあるAstroscaleの、新しい国際オフィスでもある。米国時間10月13日の投資はaSTARTがリードし、資金は今後のグローバルオフィスの設立と、チームを140名以上に増員するために使われる。

人工衛星などが軌道上で寿命を終えて発生したデブリを除去するAstroscaleの技術は、その最初のデモを2020年後半に行う予定だ。装置の打ち上げにはロシアのソユーズロケットが使われる。そのシステムは、軌道から除去するターゲットのデブリを見つけて掴まえる2基のスペースクラフトを用いる。

カテゴリー:宇宙
タグ:Astroscale資金調達日本

画像クレジット: Astroscale

原文へ
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

オープンソースのブラウザーフィンガープリント技術の商用化を目指すFingerprintJSが4億円相当を調達

シカゴの連続起業家Dan Pinto(ダン・ピント)氏が新たな資金を調達して、新しい企業を立ち上げた。それにより彼は、ウェブにおいて最も困難な問題の1つである詐欺防止を解決することを目的としてした数年前のオープンソースプロジェクトの商業化を目指す。

ピント氏が2020年1月に立ち上げたFingerprintJSは、あらゆるアプリのためのサービスとして、ブラウザのフィンガープリントを提供する新しいタイプのツールキットだという。

同社の元となったオープンソースのプロジェクトは、すでに500万回ダウンロードされ、8000のウェブサイトがサービスを利用している。FingerprintJSによると、数百の有料顧客がいる。そのブラウザーフィンガープリンティング技術は、さまざまな企業が数年前から利用している。

FingerprintJSは、市販されているのと同じキャンバスフィンガープリント、オーディオサンプリング、WebGLフィンガープリント、フォント検出、ブラウザプラグインプロービング技術を利用しているが、クッキーを使用せずにブラウザのユニークな識別子を生成することで、特定のデバイスからのフィンガープリントを非識別化している。企業はこの識別子をデータベースに保存し、その行動を追跡することができる、と同社はウェブサイト上で説明している。

プロジェクトのプロジェクトのGitHubページによると、このオープンソースプロジェクトは5年前にValentin Vasilyev(バレンティン・ヴァシリエフ)氏によって始められたものだという。ヴァシリエフ氏とピント氏は、ピント氏最後のスタートアップであるMachinioで一緒に仕事をしていたが、同社は2018年に売却された。2人は2020年1月にヴァシリエフ氏のプロジェクトを中心にビジネスを立ち上げ、プロジェクトの事業化を支援するために400万ドル(約4億2000万円)の資金調達を行っている。

「オープンソースのコミュニティが、これまでの成功の鍵だった。今後もそれをベースとして構築を続け、あくまでもデベロッパーファーストでいきたい。ソフトウェアエンジニアは技術を知っているため、私たちの製品が効果的に詐欺を防ぐことも理解し始めている」とヴァシリエフ氏は声明で話している。

FingerprintJSの声明によると、投資家はNexus Venture Partners、これにHack VC、Entrepreneur Roundtable AcceleratorのファンドであるRemarkable Ventures、そしてエンジェル投資家でIndeedの会長で共同創業者であるRony Kahan(ロニー・カハン)氏が参加した。

Nexus Venture PartnersのトップであるAbhishek Sharma(アビシェーク・シャルマ)氏は、「FingerprintJSのAPIを使って開発者は、自分のコードに詐欺の検出と防止機能を迅速に組み込むことができる。FingerprintJSのチームとのパートナーシップがうれしいのは、彼らのプロダクト優先でボトムアップの技術開発が素晴らしいからだ。これまでそれらは、トップダウンのエンタープライズへの売り込みに依存していた」と声明で述べている。

今後、FingerprintJSの進路の邪魔になりそうなのが、EU一般データ保護規則(GDPR)だ。規制の中には、ブラウザーフィンガープリントの一部技術の使用を禁じている条項がある。また、ChromeやFirefox、Safariなどのブラウザーにはウェブサイトがオンラインのビジターを追跡するために使ってもよいデータの量を制限する独自のコントロールがある。

しかし、ピント氏は負けていない。「私たちには、Stripeが決済処理で行ってきたように後付けではなく、顧客がアプリケーションに不正防止を構築できるようにすることで、不正技術市場を混乱させるユニークな機会がある。オンライン詐欺は、悪意のあるユーザーが詐欺を犯すために常に身を隠そうとするシェルゲームだと考えて欲しい。既存のソリューションは訪問者が誰であるかを理解しようとせずに、訪問者ごとに詐欺スコアを生成しようとする。私たちは悪意のあるユーザーを一意に識別することにフォーカスしており、それによって根本的な詐欺問題を直接解決する」とピント氏は語っている。

カテゴリー:セキュリティ
タグ:FingerprintJS資金調達フィンガープリント

画像クレジット:ByoungJoo / Getty Images
原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

いまだに非効率な実験室の備品管理をサポートするGenemodが1.8億円を調達

Genemodは実験室の在庫を管理するソフトウェアで、ワシントン大学医学部大学院やカリフォルニア大学バークリー校、国立衛星研究所などが利用している。同社はこのほど、高名なベンチャー投資家たちから170万ドル(約1億8000万円)を調達した。

その小さなシードラウンドはDefy.vcがリードし、OmicronやUnpopular Ventures、Underdog Labs、そしてCanaan Partnersが参加した。

同社によると、この資金でプロダクト管理のソフトウェアを開発しこれまでの在庫管理サービスを補強したい、という。また同社は、それらはすべてデータ共有を行うコラボレーションで新薬を開発していくという新しい道を築くための踏み石だ、という。

製薬業界のためのコラボレーションソフトウェアを構築している企業は他にも存在し、大金を調達して開発に参加しているOwkinやWithin3の2社はその例にすぎない。

Genemodのセールスポイントは、同社のサービスにより研究者が自分が使用するツールの理解が高まる点であり、またツールを待つ必要がなくなり、実験が遅延しない点だ。

同社のCEOであるJacob Lee(ジェイコブ・リー)氏は「生命科学の分野は、世界最大の健康問題を解決するために、常に研究が行われているが手作業で、独善的で、非効率な工程で進められている」と語る。

Defy.vcはGenemodに投資するだけでなく、グロウスパートナーとして2020年後半のプロダクトロードマップの踏破を助ける。Defy.vcの共同創業者で専務取締役のNeil Sequeira(ニール・セケイラ)氏は、そのためにGenemodの取締役になる。

2018年に創業されたGenemodは、インキュベーターVenture Out Startupsの最初の卒業生で、ここはプレシードの投資も行い起業を助けている。

関連記事:バイオテックや医薬品研究のコラボサービス「Within3」が105億円超を調達

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Genemod資金調達

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

スペースデブリ問題に取り組むアストロスケールがシリーズEで累計210億円を調達

スペースデブリ問題に取組むアストロスケールがシリーズEで累計210億円を調達

持続可能性な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、デブリ)除去サービスに取り組むアストロスケールホールディングスは10月14日、シリーズEの追加調達として、第三者割当増資により総額約55億円の調達を実施し、累計調達額約210億円を達成したと発表した。

引受先は、リードインベスターのエースタートが運用するASエースタート1号投資事業有限責任組合をはじめ、アイネット、清水建設、スパークス・イノベーション・フォー・フューチャーが運営する宇宙フロンティアファンド、ヒューリック。

アストロスケールは、宇宙機の安全航行の確保を目指し、次世代へ持続可能な軌道を継承するため、スペースデブリ(宇宙ごみ)除去サービスの開発に取り組む世界初の民間企業。 2013年の創業以来、軌道上で増加し続けるデブリの低減・除去策として、今後打ち上がる人工衛星が寿命を迎えた際や恒久故障の際に除去を行うEOLサービスや、既存デブリを除去するためのADR(Active Debris Removal)サービス、衛星寿命延命措置(LEX。Life EXtension of geostationary satellites)、宇宙空間上での宇宙状況把握(SSA。Space Situational Awareness)、軌道上サービスの実現を目指し技術開発を進めてきた。

また、長期に渡り安全で持続可能な宇宙環境を目指すため、技術開発に加え、ビジネスモデルの確立、複数の民間企業や団体、行政機関と協働し、規範やベストプラクティスの策定に努めている。

現在アストロスケールは、本社・R&D拠点の日本をはじめ、シンガポール、英国、米国、イスラエルの5ヵ国約140名を擁し、グローバルに事業を展開。

英国では、軌道上でのサービス業務を行うミッション運用基盤として、最先端の国立軌道上サービス管制センターをオックスフォードシャー州ハーウェルに構築。2020年度打ち上げ予定としている大型デブリ除去実証衛星機「ELSA-d」(エルサディー)の運用に向け準備を進めている。ELSA-dでは、回転状態に対するデブリの捕獲や、非協力物体に対する近傍接近、ランデブ・ドッキング、軌道離脱を一連のシステムとして世界で初めて実証実験を行う予定。

また2019年開設の米国拠点では、デブリ問題に事業開発や法規制の面から取り組み、各業界リーダーや政策立案者と密なコミュニケーションを醸成。加えて、2020年6月には子会社のイスラエル拠点を設け、LEX技術の発展を担っている。

カテゴリー: 宇宙
タグ: アストロスケール(Astroscale)資金調達スペースデブリ日本

関連記事
FCCが軌道デブリ規則を2004年以来初めて更新
宇宙産業スタートアップAstroscaleがJAXAと共同でスペースデブリ処理へ
衛星による毎日全地球観測インフラの実現へ、東大宇宙系スタートアップが総額25.8億円調達

細胞治療に向けた細胞量産技術開発に取り組む「セルファイバ」が1.05億円を調達

細胞治療に向けた細胞量産技術開発に取り組む「セルファイバ」が1.05億円を調達

細胞ファイバ技術を用いた細胞大量培養ソリューションの開発を手がけるセルファイバは10月14日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資として1.05億円の資金調達を実施したを発表した。引受先は、リアルテックホールディングス運営のリアルテックファンド3号投資事業有限責任組合(グローカルディープテックファンド)。

セルファイバではこれまでに、高生産細胞培養技術を構築。すでに小規模試験における技術評価を完了し、2020年10月より事業会社1社と共同開発を開始した。さらに2020年度内に異なる細胞種類・用途の共同開発の開始も予定しているという。

今回調達した資金は、主として実験環境の拡充に伴う設備投資、開発加速のための専門人材採用、研究開発に充てる予定。2020年10月より実験室面積を2倍に拡張し、間葉系幹細胞およびiPS細胞の培養技術について、実製造へと移行するためスケールアップ、加えて規制への適合に取り組む。

細胞治療に向けた細胞量産技術開発に取り組む「セルファイバ」が1.05億円を調達

2015年4月設立のセルファイバは、ひも状の細胞塊を形成する世界初の技術「細胞ファイバ」をコア技術とする東京大学発スタートアップ。「『細胞をつかったものづくり』で地球規模の課題解決に貢献する」をミッションに掲げ、現在は主として細胞治療用途の細胞量産技術開発に取り組んでいる。

細胞医薬品はがん免疫治療などを中心に注目が集まる一方で、依然手作業に依存した製造工程が主流となっており、製造の合理化が喫緊の課題とされる。セルファイバは、ファイバ培養技術を用いて高額な細胞医薬品の製造コストの削減・大量製造を可能とし、誰もが手の届く細胞治療の実現を目指していく。

細胞ファイバ技術は、髪の毛ほどの細さの中空ハイドロゲルチューブ内に細胞を封入し、培養する技術。周囲のゲルが内部の細胞を保護しつつ過剰な凝集を防ぐため、従来の懸濁培養(フラスコやタンクを用いて細胞を培地に浮遊させた状態で培養する方法)では困難だった、高品質な細胞を高密度で培養する「高生産培養」を実現した。また、細胞の分離回収が容易なことから、自動培養装置と組み合わせることによって1ロットあたりの生産量を飛躍的に高めることが可能となる。

ハイドロゲルで被覆されたひも状細胞塊「細胞ファイバ」の顕微鏡観察像

ハイドロゲルで被覆されたひも状細胞塊「細胞ファイバ」の顕微鏡観察像

カテゴリー: バイオテック
タグ: 細胞ファイバ資金調達セルファイバ日本

「個人事業主」向けバックオフィスプラットフォームのCollective、シードラウンドで9億円を調達

米国だけでなく世界中で自営業者の数が増えている。数ある中でも特に大きな原因となっているのは、優れたソフトウェアが利用できること、柔軟な働き方が必要とされていること、高いスキルを要するサービスを提供できる場合には特に高報酬が期待できることだ。

ちょうど1年前、フリーランサー向けのデジタルプラットフォームであるFreelancers UnionとUpworkが公開したレポートの推定によると、米国の労働者の35%がすでにフリーランスに転向しているという。国内でも世界中でも新型コロナウイルスの流行が依然として続いており、何千万という人々が働き方を大幅かつ継続的に変えることを余儀なくされているため、フリーランサーの割合は急上昇することが予想される。

大半のフリーランサーは、自身のビジネスの安定的成長には関心を持つが、人や物事を管理する作業は煩わしいと思っている。当然ながら、そうした自営業者の経済力に目を付ける抜け目のないスタートアップが登場している。その代表例が、サンフランシスコを拠点とする、創業2年半、従業員数20名のスタートアップ企業、Collective(コレクティブ)だ。コレクティブは、これまであまり注目されてこなかったが、同社が言うところの「個人事業主」向けに確定申告書類の作成や簿記といった事務管理サービスを構築してきた。同社は最近、シード投資ラウンドで865万ドル(約9億1300万円)の資金調達を終えたばかりだ。

この投資ラウンドをリードしたのはGeneral Catalyst(ゼネラル・カタリスト)とQED Investors(QEDインベスターズ)の2社で、Uber(ウーバー)共同創業者のGarrett Camp(ギャレット・キャンプ)氏、Figma(フィグマ)創業者のDylan Field(ディラン・フィールド)氏、DoorDash(ドアダッシュ)経営幹部のGokul Rajaram(ゴクル・ラジャラム)氏などの有名エンジェル投資家たちも参加した。

コレクティブの共同創業者兼CEOのHooman Radfar(フーマン・ラドファー)氏に、同社のミッションである「自営業者コミュニティのパワーアップ、支援、つながり形成」や提供しているサービスの内容について話を聞くことができた。

TechCrunch(以下、TC):以前会社を興し、2016年にその会社をOracle(オラクル)に売却する前に、早々とベンチャーキャピタル業界に転身して、ギャレット・キャンプ氏のスタートアップスタジオExpa(エクスパ)で仕事をしておられましたね。起業支援ではなく起業する側に戻ってこられたのはなぜですか。

ラドファー氏(以下、HR):AddThis(アドディス)やエクスパでの経験やエンジェル投資事業を通して、財務管理業務は大変な仕事だということがわかりました。小企業にとって、会計、税務、コンプライアンスといった一連の業務は、本当に厄介なものです。

2年前、[コレクティブの共同創業者の]ウグル[Ugur Kaner(ウグル・ケーナー)氏]がエクスパにやってきて、「お手軽スタートアップ」プログラムなるものを売り込もうとしてきました。起業支援ビジネスを立ち上げる話だったのですが、[どちらかというと起業に伴う事務作業や管理業務を引き受けるのが狙いでした]。ウグルは私と同じ移民で、起業に関する財務に疎く、追徴税を取られる羽目になった苦い経験がありました。フリーランサーにとって、こうした追徴税は企業よりも厳しいのです。我々が提供しているサービスのオーダーメイド版のようなものを提供しようとするスタートアップもありますが、我々から見れば「そんなサービスなんて必要ないんじゃないか」と。このようなサービスはいわば便利な道具のようなものですが、それを1つのプラットフォームにまとめると、非常に強力なサービスになり得るのです。

TC:そうした業務をコレクティブで一手に引き受けるということでしょうか。それともサードパーティーの協力を仰ぐのですか。

HR:両方です。我々は、会計や税務といった事務管理業務をメインに行うオンライン・コンシェルジュであると同時に、S法人(小規模法人)の設立のお手伝いもします。そうすれば、LLCとして起業するよりも資金を大幅に節約できますから[LLCとS法人とでは税金の要件が異なる]。ですから、統合レイヤーがあって、その上にダッシュボードがあるというイメージです。S法人の場合は給与支払名簿が必要ですから、そこはGusto(ガスト)と提携しています。ガストのサービスは当社のサブスクリプション契約に含まれています。QuickBooks(クイックブックス)とも提携しています。コンプライアンス業務についてはサードパーティーと協力して対応しています。当社のビジョンはこうした事務管理業務を簡素化してオートパイロット方式で行えるようにすることです。まさに時は金なりです。起業家には、面倒な事務仕事をしている時間などないことはよく分かっていますから。

TC:料金を教えてください。

HR:税務、会計、企業バンキング、給与のコアパッケージで、月200ドル(約2万円)です。簿記と、より包括的なサービスを含むフルパッケージについても現在試験的に導入中ですが、徐々に[それに近い姿か]その方向に向かうと思います。フルパッケージは追加料金になります。

TC:こうしたサービスが料金に見合うものであることを、個人事業主にどのようにアピールされますか。

HR:米国には、年収10万ドル(約1000万円)以上[の個人事業主]が300万人近くいます。そうした個人事業主が上記の[各種サービスの]うちすでに利用しているものがどのくらいあるのか考えると、当社のサービスは大いに利用価値があります。クイックブックスやガストは、当社経由で利用したほうがお得です。出費を抑えることで節約できます。ポイントは、S法人をすぐに立ち上げることです。S法人には普通所得税がかかりますが、配当は所得と課税方法が異なります。所得税より税率が低くなります。ですから、給与データを取り込み、各州の支出の集計を見て、「キャッシュフローの状態から判断すると、お勧めの方法はこちらになります。これで、この配当を規制に準拠した方法で認識できます」と伝えます。

TC:有益な顧客データを蓄えることになりますね。そうしたデータはどのように利用するのですか。

HR:第一に考えるべきことは、然るべき人だけがデータにアクセスできるよう配慮することです[我々はプライバシーを重視しています]。とはいえ、データの使用権を獲得すれば、そのデータを集約していろいろなことができます。たとえば、理論的には、新しい形の財務スコアを作成することも可能です。個人事業主の場合、住宅ローンや通常のローンを組むのが難しい。クレジット会社側に彼らを査定するためのツールがないからです。ですが、数年に渡る財務履歴があれば、自分が真っ当な人物で、きちんとした会社を経営していることを示せます。

これから会員ユーザー(もうすぐ2000人になる)が増えれば、別の面白い方向性も見えてきます。会員数の力で、会員が安価で保険に加入したり、クレジットを容易に利用[信用が提供される]できたり、401kに対応[サポートを受けられる]できたりといったことが実現します。

TC:プロジェクト管理からグラフィックデザインまで、他にもできることはたくさんありそうですね。

HR:現時点では、コアサービスを確実に提供したいと考えています。

Uber(ウーバー)はライドシェアリングに、Uber Eats(ウーバーイーツ)は食品宅配に、透明性と安心感をもたらしました。調理中とか、配達中とか、到着予想時刻といった情報を確認できるからです。我々は、多くのものについて、そうした高レベルの透明性と説明責任が提供されることを当然と思うようになっていますが、会計処理サービスに関してはそうなっていません。これはおかしな話です。ユーザーのお金を扱っているにもかかわらず、透明性も説明責任も果たされていない。この状態を変えたいと思っています。

TC:「個人事業主」を対象にするということは、断片化の度合いが大きい市場を相手にすることになります。潜在的な顧客にリーチできるよう、どのような企業と提携しようと考えていますか。

HR:現在交渉を進めているところですが、まずネオバンクが浮かびます。他にも、看護師と医師、不動産仲介業者、ライターのための垂直市場などが考えられます。多くの可能性があります。

写真は、コレクティブの共同創業者たち。左から順に、CTOのBugra Akcay(ブグラ・アッケイ)氏、CEOのフーマン・ラドファー氏、CPOのウグル・ケーナー氏。

関連記事:フリーランサーのための公平なマーケットプレイスを目指すBraintrustが約19億円調達

カテゴリー:ソフトウェア

タグ:フリーランス インタビュー 資金調達

[原文へ]

(翻訳:Dragonfly)

エッジコンピューティングのスタートアップEdgifyが6.9億円のシード資金を調達

エッジコンピューティング用のAIを開発するEdgify(エッジファイ)が、Octopus Ventures、Mangrove Capital Partners、および名前を伏せた半導体の巨人の支援を受けて、650万ドル(約6億9000万円)のシード資金を調達した。その巨人の名前は明かされていないが、TechCrunchはおそらくそれはIntel(インテル)またはQualcommInc(クアルコム)であろうと推定している。

Edgifyのテクノロジーを使うことで「エッジデバイス」(インターネットの端にデバイス)が、膨大な量のデータを解釈し、AIモデルをローカルでトレーニングし、その結果を同様のデバイス同士のネットワーク全体で共有することができるようになる。またコンピュータービジョン、自然言語処理(NLP)、音声認識、その他の形式のAIからすべてのデバイスをトレーニングすることができる。

このテクノロジーはMRI装置、コネクテッドカー、スーパーのレジ、モバイルデバイスなどのCPU、GPU、NPUを備えたあらゆるものに適用することができる。例えばEdgifyのテクノロジーは、すでにスーパーマーケットで使用されている。

EdgifyのCEOで共同創業者であるOfri Ben-Porat(オフリ・ベン=ポラット)氏は、声明の中で「Edgifyはどんな産業分野の企業に対しても、エッジデバイス上で直接ディープラーニングとマシンラーニングモデルのトレーニングを可能にします。これにより、クラウドへのデータ転送の必要性が軽減され、中央での再トレーニングの必要なしに、いつでもほぼ完全な精度を達成することができます」と語る。

同じくEdgifyの取締役会に参加するMangroveのパートナーであるHans-Jürgen Schmitz(ハンス=ユルゲン・シュミッツ)氏は「複数の産業を横断してAIの採用が急増すると考えています、その中でEdgfyは、たとえば医学や製造業などの中で長期的かつ重要な可能性を発揮できると思います」とコメントしている。

また、Octopus Venturesのパートナーでディープテック(破壊的ソリューションとなり得る最先端技術)投資家のSimon King(サイモン・キング)氏は「私たちが生きる相互接続された世界がますます多くのデータを生成するにつれて、大量の情報を処理するためにエッジのAIは、ますます重要になってきています」と付け加えた。

いわゆる「エッジコンピューティング」は、現在、ディープテックの最前線の1つと見なされているのだ。

カテゴリー:IoT
タグ:Edgify資金調達エッジコンピューティングエッジAI

原文へ

(翻訳:sako)

急成長するタイの物流スタートアップFlash Expressが約210億円を調達

タイのeコマース企業と協業している創業2年のロジスティックスタートアップFlash Express(フラッシュ・エクスプレス)は米国時間10月12日、新たな投資ラウンドで2億ドル(約210億円)を調達したと発表した。新型コロナウイルスのパンデミックによる需要で急成長中のマーケットに賭けるようだ。

シリーズDラウンドは、タイのコングロマリットである石油大手PTTの子会社PTT Oil and Retail Business Public Company Limitedがリードした。他に、東南アジアで大きなコングロマリットであるDurbelとKrungsri Finnovateも本ラウンドに参加し、Flash Expressのこれまでの調達総額は4億ドル(約420億円)になった。

ドアツードアのピックアップと配達サービスを展開しているFlash Expressは、この分野における民間企業としては2番目の規模だと主張している。Alibabaからも出資を受けているFlash Expressは小包1つの配達料金60セント(約58円)という低価格でマーケットに参入し、あっという間にかなりのマーケットシェアを獲得した。

同社はこの1年間、積極的に事業を拡大した。2019年の今頃、同社の配達拠点は1100カ所だったが現在では5000カ所を超え、138年の歴史を持つ郵便事業者のThailand Postを上回っている。

Flash Expressは現在、1日あたり小包100万個を配達している。昨年の今頃は5万個だった。同社はまた、完全自動分別システムにより1分間に小包10万個をさばけるようにするテクノロジーにもかなり投資した、としている。

CEOのKomsan Lee(コムサン・リー)氏は、調達した資金は新たなサービスの導入や他の東南アジアマーケットへの進出(具体的な国名は明らかにしなかった)にあてる計画だと述べた。「当社はまた、配達の質を高め、ロジスティックの効率化を図れる新たなテクノロジーの開発も準備している。さらに重要なことには、当社は中小企業の投資コストを下げることでそうした企業をサポートしたいと考えている。これは長期的にデジタル時代のタイ経済全体に貢献するものだと確信している」。

Retail Business Public Company Limitedは、増大する消費者の需要に対応するためにFlash Expressのロジスティックネットワークを活用する計画だ、と企業戦略、イノベーション、持続可能性を担当する上級副社長のRajsuda Rangsiyakull(ラージスダ・ランシヤックル)氏は述べている。

Flash Expressは、同様にAlibabaから出資を受けているBest Express(ベスト・エクスプレス)、2019年8月にIPOを申請したKerry Express(ケリー・エクスプレス)と競合する。

オンラインショッピングやデリバリーはここ数カ月急増したが、タイのロジスティックマーケット全体は今年、史上初めて縮小するとの予測がある。タイ運輸・物流協会の会長Chumpol Saichuer(チュンポール・サイチュアー)氏は先月、タイのロジスティック事業はすでに世界経済後退で大きな打撃を受けていると述べた。

カテゴリー:ニュース
タグ:Flash Expressタイ物流 / ロジスティクス資金調達

画像クレジット:Flash Express

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

インドのフィンテックRazorpayが約106億円調達しユニコーンに

近年急成長しているインドのフィンテックスタートアップの1社であるバンガロール拠点のa href=”https://crunchbase.com/organization/razorpay” rel=”noopener”>Razorpay(レーザーペイ)が新たな投資ラウンドで1億ドル(約106億円)を調達し、切望していたユニコーンクラブの仲間入りを果たした。決済処理を専門とする同社が10月12日に発表した。

創業6年のRazorpayが明らかにしたところによると、新たな投資ラウンドのシリーズDはシンガポールの政府系ファンドGICとSequoia Indiaが共同でリードした。この資金調達によりRazorpayのバリュエーションは「10億ドル(約1055億円)ちょっと」になった、と共同創業者でCEOのHarshil Mathur(ハルシル・マトール)氏はTechCrunchとのインタビューで語った。

既存投資家のRibbit Capital、Tiger Global、Y Combinator、Matrix Partnersも本ラウンドに参加し、Razorpayの資金調達総額は2億650万ドル(約220億円)になった。

Razorpayは小規模事業者や企業にオンラインでの決済や支払いのサービスを提供している。近年、同社は事業所へのローン貸付にもサービスを拡大し、また法人クレジットカードを発行するネオバンキングプラットフォームも立ち上げた。

マトール氏とShashank Kumar(シャシャンク・クマール)氏はIIT Roorkee(インド工科大学ルールキー校)で出会い、2014年にRazorpayを立ち上げた。2人は、10年ほど前に若いスタートアップなど小規模の事業者にとってオンラインで金をやり取りすることがどんなに難しいかを知り、決済事業分野でのチャンスの模索を初めた。当時、インドには決済会社が少なく、Razorpayはかなりの資料を準備しなければならなかった。

総勢11人の同社の初期のチームは同じアパートをシェアし、共同創業者たちは銀行から協力を得られるよう100人超のバンカーにあたった。やり取りはゆっくりしたもので、長い間デッドロック状態となった。共同創業者の2人は投資家への説明でも幾度となく同じような困難にぶつかり、無力感を味わった、と昨年のインタビュー時に2人は回顧した。

Razorpayを取り巻く状況は変わった、という表現は控えめなものだろう。同社はインドで最大の事業者向けの決済プロバイダーとなった、とマトール氏は述べた。Prosus VenturesのPayUと競合するRazorpayはクレジットカードやデビットカード、モバイル財布、そしてUPIなどあらゆる種類の決済方法を受け付けている。

「Razorpayは、顧客エクスペリエンスとプロダクトイノベーションにかなり力を注ぎ、この分野でリーダーとしての地位を確立しました」とGICでプライベートエクイティを担当する最高投資責任者のChoo Yong Cheen氏は声明で述べた。「GICは世界中で主要フィンテック企業と提携してきた長い実績があり、決済やバンキングの変革に共に取り組めることを嬉しく思います」

Razorpayの顧客には格安ホテルチェーンのデカコーンOyo(オヨ)、eコマース大企業Tokopedia(トコペディア)、フードデリバリースタートアップのZomato(ゾマト)やSwiggy(スウィギー)、オンライン教育プラットフォームのByju’s(ビジュース)、配車サービス大手Gojek(ゴジェック)、サプライチェーンプラットフォームのZilingo(ジリンゴ)、発信者IDサービスのTruecaller(トゥルーコーラー)、旅行チケット発行のYatra(ヤトラ)やGoibibo(ゴイビボ)、通信大手Airtel(エアテル)などが含まれる。

Razorpayは今年、顧客1000万近くの250億ドル(約2兆6000億円)の処理を見込んでいて、これは昨年の5倍の額となる、とマトール氏は話した。

成長は部分的には新型コロナウイルスパンデミックによるもので、新型コロナが多くの事業所でのデジタル受け入れを加速させた、との認識を示した。

ネオバンキングと資本に関しては、RazorpayXとRazorpay CapitalがRazorpayの来年3月末までの売上高の35%を占めると予想している、とマトール氏は語った。

同氏は、Razorpayの決済サービスが引き続き最も早い成長が見込まれる事業であり、また成長するのに多額の資本を必要とせず、同社は新たに調達した資金をベンダーの決済、経費や税金管理、その他の機能などを含むネオバンキングのサービス拡大に使う、とも話した。

2025年までに5000万の事業所と協業することを狙っている同社は、ネオバンキング分野での事業拡大に向けてチャンスを模索していて、今後いくつかの企業を買収するかもしれない、ともマトール氏は述べた。

「当社は業界の成長に大きく貢献し、サービスを受けられていない事業所マーケットでの浸透を促進し、新たなプラクティスや考え方を業界に提供し続けます。今回の資金調達は当社の成長戦略と完璧に一致します」と話した。

新型コロナパンデミックがインドでの資金調達を低迷させているが、オンライン学習プラットフォームのUnacademy(アンアカデミー)やPine Labs(パインラブズ)を含むインドのスタートアップ6社がユニコーンとしてのステータスを維持している。

カテゴリー:フィンテック
タグ:インド、

画像クレジット: Razorpay

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

クラウド型建設プロジェクト管理サービスのANDPADがセコイア・チャイナなどから20億円調達

クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を運営するアンドパッドは10月12日、2020年7月に続くシリーズCのエクステンションラウンドをクローズし約20億円の資金調達を発表した。本ラウンドはMinerva Growth Partnersをリード投資家として、Sequoia Capital Chinaが新規投資家に加わっている。なお両投資家ともに日本での投資第1号案件となる。アンドパッドこれまで約27億円を調達しており、今回を合わせた累計調達額は総額約87億円になる。

リード投資家のMinerva Growth Partnersは、メルカリでCFOを務めた長澤 啓氏とモルガン・スタンレーでGlobal Internet Banking、Global Software Banking Group日本統括責任者を務めた村島健介氏、香港の独立系資産運用会社Pleiad Investment Advisorsが共同で設立。主に日本のレイトステージの未上場スタートアップを中心に投資を行うグロースファンドだ。

セコイア・キャピタル・チャイナは、TMT(テクノロジー、メディア、通信)、ヘルスケア、消費者/サービス、産業技術の4つのセクターに焦点を当てており、過去15年間で中国の約600社の企業と提携している。

「ANDPAD」は、現場の効率化から経営改善まで一元管理できるクラウド型建設プロジェクト管理サービス。電話・FAX・メールなど、アナログな現場のコミュニケーションをチャットアプリで集約できるほか。アプリを起動すれば図面や工程表の最新のデータを確認できる。営業管理やオンライン受発注などの機能も備える。

同社によると、2016年のサービスリリース以来、契約社数2000社、利用社数5万社を超えているとのこと。国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)にも登録されており、現在14万人以上の建設・建築関係者が利用しているクラウド型建設プロジェクト管理サービスだ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ANDPAD、資金調達

個人ECのノーコードによるアプリ化サービス提供のAppify Technologiesが2億円を調達

個人ECのノーコードによるアプリ化サービス提供のAppify Technologiesが2億円を調達

個人ECをノーコードでアプリ化できる「Appify」(アッピファイ)提供のAppify Technologiesは10月12日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資として、J-KISS型新株予約権方式により総額約2億円の資金調達を実施したと発表した。引受先はEast Ventures、グリーベンチャーズ、エンジェル投資家。

今回調達した資金をもとに、海外も含めたAppifyのさらなるプラットフォーム連携拡大・開発およびエンジニアを中心とした人材の採用を進めるとしている。

Appify Technologiesは、月額1万円未満のサブスクリプション型でアプリをノーコードで作成できるAppifyを提供しているスタートアップ企業。コロナ禍で需要が拡大するBASEや日本での導入が加速しているShopify、サブスクリプション型モデルで支援を募ることができるCAMPFIRE Communityといったプラットフォームと連携し、様々なネイティブアプリの作成が可能という。

カテゴリー: ソフトウェア
タグ: Appify TechnologiesAppify資金調達ノーコード日本