知らなかった、iPhoneからiPadへ魔法のように画像をコピーできるなんて

iOSは、各メジャーリリースごとにたくさんたくさんの機能を導入するが、その中には残念ながら明らかではないものもある。そういったものがTikTok上で「あなたの知らないiPhoneの機能」というネタを生み出しているのだ。例題#4123131。この動画を見てみよう。

@initialfocus

#stitch with @partyshirt I am way too late to this party #apple #iphonetricks #iphone

♬ original sound – michael

Appleの昔からあるContinuity(コンティニュイティ)機能や新しいUniversal Control(ユニバーサルコントロール)については、もうご存知だろう。スマートフォンからノートパソコンにリンクをコピー&ペーストすることは、特に画期的なことではない。しかし、上に示したように、元Apple社員でさえ、ピンチジェスチャー(指3本使用)を使ってiPhoneとiPadの間で、まるで技術通の魔法使いがタロットカードの上でダイスをふるように、画像をコピー&ペーストすることができることを知らなかった。すでに何カ月も前からある機能を、よりクールに、より魔法使いっぽくしたものだ。同じApple IDを持つタッチスクリーン式のAppleデバイスを、2台使っていれば実行できる。

すでにご存知だった方、おめでとう。しかし、TechCrunch内のSlack(スラック)上の息抜きチャンネルでは、たむろしていたポッドキャストライター5人全員が、こんなことができるなんて知らなかったのだ。

画像クレジット:PM Images / Getty Images

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:sako)

【レビュー】iPad Air(2022)はアップルのM1チップを入手するための最も手頃な方法

正直に言えば、このiPad Airには最初少し戸惑った。AppleのiPadのラインナップは、追加されるたびに、さらに多くの価格帯を埋め尽くし、競合他社が参入する余地を少なくしている。しかもそれだけではなく、ラインナップも複雑化させている。

適正なデバイスを買おうとしている消費者にとって、2022年のiPadは少し戸惑いを招く。もし安価なものが欲しいなら、普通のiPadを買えばよい。子ども用に買うものだ。ハイエンドならiPad Proを黙って選ぶだけだ。オフィスで使う人やクリエイティブな仕事をしている人、ノートパソコンの代わりとして使っている人などがその対象となる。

今回登場した、AppleのM1チップを搭載したiPad Airは、これまでの機種以上にパワフルなものになった。最も厳しいものを除くほぼすべての操作で、iPad Proに匹敵する性能を発揮する。ベンチマークの結果をみる限り、中間程度のグレードが欲しい人にとって、iPad Proより200ドル(約2万4000円)安い新しいiPad Air(日本では税込7万4800円から)は、最高のパフォーマンスオプションになる。では、200ドルと引き換えに何を失っているのか?(なお日本のストアでの価格差は2万円)。ディスプレイには、円滑な表示を行う120hz対応のProMotion(プロモーション)技術が搭載されていない。iPad Proの強化されたカメラアレイも搭載されていない。

また、ストレージ量もおおよそ半分だ。おそらくこれが、iPad Airをラインナップに並べる際の最大の弱点だろう。まあ次のiPadとの価格差がこれだけあれば、基本構成で64GBのストレージしか搭載していない理由も納得だ。しかし、基本構成より上を考え始めると、iPad Proに飛びつかない理由を見つけることはすぐに難しくなる。

そのことは後で少し考えることにして、まずは新しい機能と仕組みについて整理しておこう。

まず、Appleの第1世代「インハウス」シリコンであるM1が手に入る。これはすごい。2021年M1を採用したiPad Proのラインアップと基本的に同じ性能ということだ。そして従来のiPad Airと比較して、約60%のスピードアップ が果たされている。この性能は、M1版MacBook Airに匹敵するもので、それほど驚くべきことではない。だが、ミドルレンジのiPadで大きな性能ロスがないのはうれしい。

フロントカメラも12MPにアップグレードされ、以前のAirから確実に改善されている。FaceTime(フェイスタイム)には、2021年のiPad Proで採用されたセンターフレーム機能の強化が施されている。他のレビューでも書いたように、これはビデオチャットを頻繁にする人にとっては、かなりの改善につながる。iPad Airをランドスケープモードにしたときに、自動トリミング機能とトラッキング機能によって、カメラの片側が空く奇妙な配置が軽減されるからだ。全体的に角度が自然で、ぎこちない感じがしない。色合いやコントラストに関わるビデオ通話品質も向上している。

画像クレジット:Matthew Panzarino

以上のことから、iPad Airは、Appleが現在市場に出しているFaceTimeデバイスの中でも高性能で多機能なものの1つになった。

2022年のカラーも注目すべきだ。私はブルーモデルを試用したが、これまでのブルー仕上げの中でも特にきれいで良い仕上がりだった。明るく、きらびやかで、本当にきれいに仕上げられている。基調講演を見ていたときには色に少し疑問を感じたが、実際に見てみるととても良いものだ。

画像クレジット:Matthew Panzarino

Touch IDはこれまで同様に高速に動作し、起動時に2本の指を登録するよう促されるため、初めてのユーザーにとっては、縦向きでも横向きでも、腕を捻ることなしに簡単にiPadのロックを解除できるようになるはずだ。利便性やシームレスさではFace IDに勝てないが、Touch IDが電源ボタンに搭載されたことで、ほとんどのユーザーにとっては大きな違いを感じさせないものになった。

AppleのiPhone以外のポータブルラインナップでのUSB-Cへの切り替えは、2020年のiPad Airで行われた。USB-Cの普及にともない、必要ならどこでもiPadを充電することがこれまで以上に簡単にできるようになった。デスクトップとの同期・転送を試したところ、Lightning対応デバイスよりもはるかに速いことがわかった。でも、これを行うカジュアルな消費者の数は日々減っていると思う。それよりも、MDMソリューションを使用してメンテナンスと導入を行うために、ドッキングされたiPadを定期的に消去して再インストールする可能性のある法人顧客にとって、これははるかに重要な問題だ。そのような顧客は、今回のiPadがより速く、より汎用的なポートを手に入れたことを大いに喜ぶだろう。

最後のポイントは、iPad Airの位置付けに関する質問の核心を浮かび上がらせる。iPad Proを800ドル(日本では税込9万4800円)で買う代わりにiPad Airを600ドル(日本では税込7万4800円)で買う顧客は誰だろうか?

Creative Strategies(クリエイティブ・ストラテジーズ)のCEOで主席アナリストのBen Bajarin(ベン・バジャリン)氏は、iPad Airの市場について「iPad Airは、高等教育機関や最前線で働く人々や高度なモバイルワーク環境で働く人々が有能なタブレットを必要とする一部の企業で、良い市場を見つけたと思います」と語る。

「M1を搭載した新しいiPad Airは、性能の向上と優れたバッテリーライフによって、さらに多くの法人購入者にアピールするでしょう」。

画像クレジット:Matthew Panzarino

さて、200ドル(約2万4000円)が200ドルであるということも重要なポイントだと思う。これは決して少なくない金額だ。また、バジャリン氏が指摘するように、このデバイスの顧客の多くが大規模なデプロイメントのために購入するのであれば、その差額の累積はすぐに大きなものとなる。

また個人で購入する場合、予算が限られていて、Proとの価格差にどうしても抵抗がある場合には、これとキーボードがあれば、Proが提供する機能の9割は手に入れることができる。これまでProMotionを使ったことがなければ、おそらく物足りなく思うことはないだろう。しかし、もし使ったことがあるなら、大きな喪失を感じることになる。iPad Proと並べてテストしたところ、ProMotionは、特に長時間のブラウジングやゲーム、ドローイングなどを行う際の使い勝手で、明らかに優位であることがわかった。高級なディスプレイほど高価で、実現が難しいのには理由があるのだ。とにかく優れている。しかし、AppleのLiquid Retina(リキッドレティナ)ディスプレイの色再現性などは、ここでもしっかりと発揮されている。

iPad Airと11インチのiPad Proは価格も性能も近く、iPad Miniも価格的にはそれに続いているため、400ドル(約4万7000円)を超えるあたりから、ラインナップが少し混み合ってくる感じがする。しかし、価格的な位置付けはさておき、iPad Airは非常に高機能で、しっかりした感触があり、使い心地の良いデバイスだ。繰り返しになるが、ProMotionを搭載したスクリーン、特に10インチ以上のスクリーンを使う機会がない方は、ここでは違いを感じないかもしれない。

画像クレジット:Matthew Panzarino

現在、iPadのラインナップが少し混雑していると感じる理由の1つは、AppleのiPad Proの2022年版モデルがどのようなものかまだ見えていないことだ。第3四半期になったら、新しいモデルが登場し、機能強化が図られ、小型のiPad ProとiPad Airの価格差が少し広がる可能性は十分にある。

2021年登場したiPad miniに、ヒントを見ることができるかもしれない。もちろんマジックキーボードはないが、主に本を読んだり、ビデオを見たり、メディア消費のための携行デバイスとして使ったりしている人にとっては、miniはすばらしい選択肢だ。iPad miniは最安のモデルではないので、低価格のiPadとまったく競合することなく、高価で高機能なものにすることができる境界に居るという点で興味深い。しかしiPad Airは、上のProと下のminiに同時に競合している。

そして2022年も、毎年と同じように、Appleのタブレット端末のラインナップは、市場で購入する価値のある唯一の製品であるという事実に立ち返ることになる。たとえ日頃はAndroidを中心とした携帯電話を使っていたとしても、他のプラットフォームを試してみたいと思っても、iPadのような機能、使い方、信頼性を提供するタブレット端末の選択肢は他にない。

そのためAirは、価格は似ているものの、(依然として売れ筋の)エントリーレベルの第9世代iPadを除けば、Appleのベストセラーの1つになる可能性があるので興味深い。とはいうものの、11インチiPad Proは、ストレージ容量とより良い画面を考えると、予算に敏感なユーザーの一部を誘惑するのに十分な価格に近い存在だ。

関連記事:【レビュー】iPhone SE(第3世代)は観念的なスマートフォンの理想像

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:FMatthew Panzarino

原文へ

(文:Matthew Panzarino、翻訳:sako)

【レビュー】第5世代のiPad Airと11インチiPad Proを比較してみた

iPad Air(第5世代)を発売に先立ってレビューした

iPad Air(第5世代)を発売に先立ってレビューした

第3世代のiPhone SEと同時に、第5世代のiPad Airが発売されます。iPad Airとしてはおよそ1年半ぶりのリニューアル。前回はiPhone 12に合わせたスケジュールで市場に投入されましたが、今回はiPhone SEと同タイミングでの発売になります。第4世代でProモデルの特徴を取り入れ、フルモデルチェンジを図ったiPad Airですが、第5世代では、その基本設計を踏襲しつつ、新たに「M1チップ」を搭載。高速通信規格の5Gにも対応しました。

筆者は、M1搭載の11インチiPad Proを真っ先に購入したクチですが、使い方を考えるとスペック的にはiPad Airで十分なのでは……と感じることも。ぶっちゃけると、M1チップの性能も引き出せているかどうか微妙なところではありますが(笑)、Magic KeyboardやApple Pencilが使えて、かつ処理能力がそれなりに高いiPadは必須アイテムではあります。そんな筆者が、M1搭載iPad Proユーザー目線で第5世代のiPad Airをチェックしていきます。

まずは外観から。iPad Proはよく言えばカラーリングを気にしないPro仕様、悪く言えば無難な2色展開でしたが、iPad Airはカラフルな5色展開。試用したブルーも、鮮やかな色合いがアルミの質感とマッチしていて、使っているとテンションが上がります。Magic Keyboardを付けてしまうと背面の違いがわかりづらいと思われるかもしれませんが、前面からもフレームがチラッと目に入るため、“Air感”は十分感じられます。

カラバリの豊富さはiPad Airならでは。今回試用したのはブルー

カラバリの豊富さはiPad Airならでは。今回試用したのはブルー

Magic Keyboardを装着しても、フレームからチラリとのぞく色でAir感を感じられる

Magic Keyboardを装着しても、フレームからチラリとのぞく色でAir感を感じられる

Proより0.1インチだけディスプレイは小さくなりますが、パッと見ではその差がよくわかりません。ただし、ベゼルが太いのはすぐにわかります。ここは好き嫌い分かれるところですが、筆者は狭額縁派。キーボードなどを装着せずに単体で使う場合、指をかける場所がほしいということで、Airの方が安心感がある人もいるでしょう。

次に処理能力ですが、M1を搭載していることもあり、レスポンスは非常によく、不満はほとんどありません。Apple Pencilで校正をするために使う「GoodNotes 5」や、「Lightroom」のような画像編集系のアプリもサクサク動きます。原稿はApple純正のPagesで作成して書き出すことが多いのですが、当然ながら動作には一切問題なし。何なら、この原稿もiPad Airで執筆しています。そもそもの話、原稿を書いたり、調べものをしたりという程度なら、M1である必要すらないのかもしれません。

日常的に業務に取り入れているアプリは、スムーズに動いた

日常的に業務に取り入れているアプリは、スムーズに動いた

日常的に業務に取り入れているアプリは、スムーズに動いた

Geekbench 5でのスコア。M1搭載のiPad Proに迫るスコアだ

Geekbench 5でのスコア。M1搭載のiPad Proに迫るスコアだ

個人的には、原稿執筆だけなら、PCよりもiPadの方が集中できます。これは、ディスプレイサイズが普段使っているPCより狭めで、iPadOSがPCと比べるとマルチウィンドウに制約があるためでしょう。もちろん、iPad AirでもSplit ViewやSlide Overで複数アプリを同時に使うことはできますが、それをするとメインの画面が小さくなってしまい、特に執筆作業には支障をきたします。

10.9インチとディスプレイが狭いぶん、画面に表示するアプリをどうしても厳選せざるをえなくなるため、目の前にある原稿に集中できるというわけです。作業中にTwitterで遊んだり、調べものをしていたつもりが、いつの間にかまったく関係のないサイトを読み込んでいたりということが減り、効率よく仕事ができます。文字入力のレスポンスがとにかくいいのもiPad Airの魅力で、テンポよく原稿を書いていけます。

本稿もiPad Airで執筆

本稿もiPad Airで執筆

iPad Proとの違いとして、画面のリフレッシュレートが60Hzという点は指摘しておきたいところですが、普段使いではあまり気にならないかもしれません。悲しいことに、筆者の動体視力が衰えている可能性は十分ありますが、自分の中では「これがないから絶対にPro」と断固主張するほどの差ではありませんでした。スクロールなどの滑らかさは確かにiPad Proの方が上ですが、仕事道具として使うぶんには、それほど気にならないと思います。

M1搭載iPad Pro使いとして少々気になったのは、Face IDに非対応なところ。Touch IDを統合したトップボタンも認証の速度は速く、iPad Air単体で使うだけならこれで十分なのですが、ことキーボード入力時はFace IDの方がUXとして自然。認証のために、指をいったんキーから離す必要がないからです。この点は画面表示の時間を長くするなどして、なるべくロックがすぐにかからないよう設定を工夫した方がいいかもしれません。

Touch ID対応は単体で使うぶんには便利だが、キーボード利用時には指を伸ばす必要があるのが難点

Touch ID対応は単体で使うぶんには便利だが、キーボード利用時には指を伸ばす必要があるのが難点

11インチのM1搭載iPad Proを購入した個人的な理由としては、5Gもありました。第4世代までのiPad Airは、4Gまでしか利用できなかったからです。筆者のiPadの利用シーンとして、取材時のメモ取りなどがありますが、発表会などで使われるメジャーな施設では5G対応エリアの場合も多く、せっかくなら高速通信がいいということでiPad Proを選んだことを記憶しています。第5世代のiPad Airは同モデルとして初めて5Gをサポートしたため、高速通信がマストというユーザーも買いやすくなったのではないでしょうか。

試しにドコモで「5Gデータプラス」を契約しているSIMカードを入れ、5Gエリアに行ってスピードテストをしてきましたが、第4世代のiPad Airまででは体感できなかったような速度を叩き出しました。これならば、動画のダウンロードやアプリのダウンロードなども快適にできます。ただし、高速通信が可能な新周波数帯の5Gエリアはまだまだ限定的なため、キャリアにももっとがんばってほしいと感じています。

5Gエリアで速度を測定。以前は1Gbps近く出ていた場所だが、対応端末が増えたこともあってか、500Mbps台にとどまっていた。それでも十分高速だ

5Gエリアで速度を測定。以前は1Gbps近く出ていた場所だが、対応端末が増えたこともあってか、500Mbps台にとどまっていた。それでも十分高速だ

11インチのM1搭載iPad Proユーザーとして第5世代のiPad Airを使ってみましたが、ビックリするほどこれで十分でした。無理をして最高峰のiPad Proを購入する必要はなかったのかもしれません(1年待てたかという問題はありますが)。ただし、上記のようにFace ID非対応なのが残念なポイント。Touch IDでロックを解除した後のキーボード利用時のみ、インカメラで簡易的な認証を行うなど、ソフトウェア的な工夫でなんとか解決してほしいところです。

(石野純也。Engadget日本版より転載)

【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデル

【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデル

第5世代のiPad Airは、最新のApple製品に取り入れられているカラーを踏襲しつつ、独自のブルーを加えた5色の展開。中核モデルであるiPad Airはカラーバリエーションが最も多く、プロのクリエイターに特化した機能と性能を重視したiPad Proとは異なるテイストの製品だ。

特に先代モデルからはiPad Proのエッセンスを取り入れ、同等スペックならドルベースで150ドル安価という「手を伸ばしやすい、しかしフル機能に近いiPad」という性格を備える。MacBookがそうであるように、Proはプロフェッショナルクリエイター、Airは洗練された使い方を求めるプレミアムな一般ユーザーという位置付けが明確化されている。

そのiPad AirにとうとうApple M1チップが搭載された。登場して1年半が経過しているM1だが、いまだにモバイルコンピュータ向けとしてはパフォーマンスと省電力性の両方で圧倒的。それが中核機に降りてきたというのが、第5世代の一番の注目点ということになるのだ。

M1搭載による利点は”爆速”ではなく”創造的”なこと

M1が搭載されたことで、単にCPUが高速になるだけではなくGPUやNeural Engineが強化され、機械学習処理を取り入れた写真修正、動画編集、3Dモデリングなど、さまざまなクリエイター向けアプリの応答性と処理の正確性が高まる。機械学習の最適動作が進めば、タッチ操作やApple Pencilで自動処理できる範囲も広がり、クリエイティブな作業へのハードルが下がる。【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデル

結論から言えば、iPadシリーズの中でもっとも費用対効果が高い中核モデルという性格はそのままに、最高の性能を得た本機は引き続きiPadシリーズの中でも、注釈なしに薦められる製品だ。

第4世代からの変化では、超広角のインカメラに「センターフレーム」という最新の機能が取り入れられ、5Gモデムも内蔵するなど時代に合わせたリフレッシュも行われている。たとえ第4世代モデルを安価に入手できることがあったとしても、永く使いたいならばあえて旧モデルを選ぶ理由もない。

ただし、これまであったコストパフォーマンスの高さは、Appleの戦略とは関係ないものの、円安に振れた為替トレンドにより(日本の顧客にとっては)少々、微妙な価格設定になっていることは否めない。

同じストレージ容量の11インチiPad Proと第5世代iPad Airの価格差は、米ドルベースでは150ドルなのに対し、日本円では1万4000円に過ぎない。このことでどちらを選ぶのか、悩んでいる方は多いのではないだろうか。

その答えは人それぞれだろうが、言い換えるなら為替の影響で価格が近づいた11インチiPad Proとの間で選択を悩む以外に、本機についての懸念点はほとんどない。【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデル

ではiPad Airと11インチiPad Proはどのような点が異なるのだろうか。わずかにiPad Airの画面が小さい一方、カラーバリエーションが多いことは承知しているだろうが、それ以外にも以下の点が異なる。

  • Face ID(TrueDepthカメラ)ではなくTouch IDで個人認証
  • ディスプレイの最大輝度が600nitsに対して500nits
  • 超広角含めた二眼カメラ+LiDARに対しLiDAR非搭載の広角一眼のアウトカメラ
  • 縦横自在の4スピーカーに対し横画面のみでステレオとなる2スピーカー
  • 5個のマルチマイクによる指向性制御に対しデュアルマイク構成
  • Pro Motion対応120Hz表示・タッチパネルスキャンに対し60Hz
  • 外部接続端子がThunderbolt 4(40Gbps)に対しUSB 3.0(10Gbps)

このように並べてみると意外に大きな違いだ。

150ドルの価格差ならば、この違いがあったとしても、多くの人にとってiPad Airの方が適切な選択肢だと明言できたが、1万4000円の違いとなれば迷うのも無理はない。

中でも体験レベルが大きく異なってくるのは、

  • 縦横自在の4スピーカーに対し横画面のみでステレオとなる2スピーカー
  • 5個のマルチマイクによる指向性制御に対しデュアルマイク構成
  • Pro Motion対応120Hz表示・タッチパネルスキャンに対し60Hz

の3点だろうか。【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデル

縦横どちらでも使うiPadの場合、どの方向でもステレオ効果が得られる点は、2世代前のiPad Proが発表された時、随分と感心したポイントだった。その後、空間オーディオ再生に対応し、なおさら4スピーカーの良さが際立つようになったと思う。

マイクに関しては高音質の録音を求めない場合でも、ビームフォーミングに役立つ。オンライン会議時に生活音や背景ノイズを遮断するキーテクノロジでもあるだけに、iPadでオンライン会議をこなしたい人にとっては悩ましい違いだろう。

ProMotionに関しては、スクロール時などの”ヌルヌル感”や指にピッタリと吸い付いたようにドラッグする対象が動く感触的な違いはあるが、一般的な利用では大きな違いは出ない。しかし、絵を描くのであればApple Pencilの追従性向上は体感できるレベルにあると思う。

【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデル個人認証に関しては、Face IDが良いのかTouch IDが良いのかは好みや使い方もある。iPhoneではマスクありの認証に対応したFace IDだが、iPadでは引き続きマスクありでのロック解除はできない。

またディスプレイの表示品質に関しても、スペック上の違いはあるものの、通常、その差を感じることはほとんどない。どちらを選んでも色再現範囲が広く、ホワイトバランスや諧調表現も的確。業界水準を大きく超える美しいディスプレイだ。

【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデルなお、ベンチマーク結果などは誤差程度であり、両者の性能は”同じ”と思って差し支えないと思う。すなわち、タブレットとしても、モバイルパソコンと比較したとしても、ポータブルなコンピュータとしてはほかに比較対象のない、高性能で省電力な端末だ。

iPad Airを検討する際はこれらの違い、カラーバリエーションなどをどう考えるかだ。一方でiPad Pro以外にはライバル不在とも言い換えることができるだろう。

(本田雅一。Engadget日本版より転載)

アップルが「Peek Performance」で発表した最大のニュースまとめ

Apple(アップル)イベントの日がやってきた!Appleが(再びリモート / バーチャル)ステージに立ち、最近舞台裏で取り組んでいたことのすべてを明らかにする日だ。

ライブ配信を見る時間がなかった?大丈夫、我々がいる。今日の最大のニュースをすべて取り上げ、サラッと流し読みできるよう1つのパッケージにまとめた。気になる話題があればリンクをたどってさらに深く掘り下げ、それ以外は読み飛ばせばいい。エンジョイ!

新型iPhoneSE(第3世代)

画像クレジット:Apple

Appleのお財布に優しいiPhone、iPhone SEがアップグレードされた。A15 Bionic(iPhone13と同じチップ)を搭載し、ライブテキスト(カメラの画像から現実世界の文字をコピーする機能)のような処理ができるようになるとのこと。5Gに対応し、バッテリーの持ちも「向上」した。主に昔のiPhoneが懐かしいと思う人たちのために、4.7インチのディスプレイで(iPhone 13と同じ、より耐久性の高いガラスにアップグレードされた)、まだホームボタンがある(指紋リーダー付き)。

価格は429ドル(日本での価格は税込5万7800円)からで、3月18日に発売予定。

画像クレジット:Apple

関連記事:iPhone SEが税込5万7800円で再登場、クラシックなデザインはそのままTouch ID搭載

新型iPad Air

画像クレジット:Apple

Appleがノートパソコン製品ラインに最初に搭載した特注チップがこの最新世代に採用され、iPad AirがM1になる。また、広角の前面カメラが部屋の中をパンして、ビデオ通話中に自動的にユーザーの顔をフレームの中心に保つセンターフレーム機能もAirに搭載されている。

この最新世代のiPad Airは599ドル(日本での価格は税込7万4800円)からで、3月18日に出荷開始される予定だ。新しいiPad Airに関する詳しい記事はこちら

関連記事:アップルが「M1チップ」搭載のiPad Air 5を発表、ノートパソコンの代わりに

M1 Ultra

画像クレジット:Apple

Appleがまた新しいシリコンを手に入れた!ただしM1からM2へのジャンプではなく「M1 Ultra」でM1ラインを拡張した。つまり現在、M1、M1 Pro、M1 Max、M1 Ultraがある。基本的には2つのM1 Maxをブリッジして、OSからは1つのチップに見えるようにしたもので、超高効率でとんでもないパフォーマンスをもたらす。

M1 Ultraについての詳しい記事はこちら。しかし、Appleはこれをどこに入れるのだろうか?まず、M1 Ultraは新型の……..

関連記事:アップルがM1シリーズ最上位版「M1 Ultra」を発表

Mac Studio

画像クレジット:Apple

7.7×7.7×3.7インチ(19.7×19.7×9.4cm)という大きさのMac Studioは、まるでMac Miniが……そんなにMiniでなくなったようなデザインだ。Appleによれば、この新しいマシンはM1 Ultraのおかげで、CPUの処理速度が最速の27インチiMacの2.5倍、16コアXeonプロセッサを搭載したMac Proよりも50%速くなっているとのこと。

背面には、4つのThunderbolt 4 / USB-Cポート、10Gbイーサネットポート、HDMIポート、2つのUSB-Aポート、オーディオジャックを備えている。前面にはさらに2つのUSB-Cポート、SDスロットがある。

M1 Max搭載のMac Studioは1999ドル(日本での価格は税込24万9800円)から、ピカピカの新しいM1 Ultra搭載の場合は3999ドル(日本での価格は税込49万9800円)から。3月18日に出荷を開始する。詳しい記事はこちら

画像クレジット:Apple

関連記事:アップル、まったく新しいMac「Mac Studio」を発表

Studio Display

画像クレジット:Apple

新しいAppleディスプレイを待っていた方には朗報。Studio Displayと名付けられた最新モデルは、27インチの5Kディスプレイだ。12MP超広角カメラ(センターフレーム対応)内蔵、3マイクアレイ、空間オーディオに対応した6スピーカーサウンドシステムを搭載している。背面には3つのUSB-Cポートに加え、Thunderboltポートを1つ搭載している。Appleによると、傾斜スタンド、傾斜 / 高さ調整可能なスタンド、VESAマウントオプションと、複数の異なるマウントオプションが用意されるとのこと。

Studio Displayの価格は1599ドル(日本での価格は税込19万9800円)から。他の製品同様、3月18日に出荷開始予定だ。Studio Displayの詳細については、こちらの記事で読んでいただける。

画像クレジット:Apple

関連記事:アップルの新27インチStudio Displayはほぼ本体のないiMac

その他の発表

画像クレジット:Apple

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:Den Nakano

原文へ

(文:Greg Kumparak、翻訳:Den Nakano)

アップルが「M1チップ」搭載のiPad Air 5を発表、ノートパソコンの代わりに

米国時間3月8日開催されたイベントで、Apple(アップル)はピカピカの新しいiPad Airを発表した。M1 Appleシリコンチップが、私たちがよく知るiPad Airのボディに収められている。

A15チップではなくM1チップを採用したことは、iPadが単に大きくなったiPhoneではなく、ノートパソコンの代替品としての志を持っていることを示している。これは、iPad Proに搭載されているのと同じ種類のチップだ。iPad Air 5には12メガピクセルの超広角カメラが搭載され、iPadの全ラインナップが、ビデオ通話にカメラオペレーターを加えるセンターフレームをサポートするようになったことを意味している。

iPadのエンジニアリングプログラムマネージャーであるAngelina Kyazike(アンジェリーナ・カイザイク)氏は「これはiPad Proに搭載したのと同じM1チップで、8コア設計のCPUは前世代のiPad AirのA14に比べて最大60%高速のパフォーマンスを実現します」と発表した。「8コアのGPUは驚くべきグラフィックス性能を発揮し、実際、最大2倍の速さを実現します。新しいiPad Airに搭載されたM1は、最も速い競合タブレットよりも速く、同価格帯のベストセラーWindowsノートパソコンよりも最大2倍速くなっています」。

新しいiPad Air 5を紹介するiPadのエンジニアリングプログラムマネージャー、アンジェリーナ・カイザイク氏

新しいiPadは5Gチップを搭載し、従来よりも高速なUSB-Cポートを備え、Apple Pencilをサポートする。より優れたマルチタスクを可能にするiOSのiPadOSバージョンを搭載し、驚くような価格のデバイスに、率直にいってとんでもないパワーを詰め込まれている。

IPad AirはSmart Keyboard FolioとMagic Keyboardをサポートしており、ユーザーがiPad Airを機能的なノートパソコンにするために必要な追加機能が追加されている。

気候変動に敏感な筆者としては、Appleが持続可能性に向けた取り組みを続けていることに勇気づけられる。新しいAirは、筐体に100%リサイクルされたアルミニウムを採用し、ロジックボードのはんだなどにも多くのリサイクル素材を使用している。どれも小さなことだが、違いを生む。

スペースグレイ、スターライト、ピンク、パープル、ブルーと虹のようなカラーバリエーションが用意されている。価格は従来のiPad Airと同じ599ドル(日本での価格は税込7万4800円)を維持し、3月11日から注文を受け付け、3月18日に出荷を開始する。

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Nariko Mizoguchi

ウクライナ侵攻を受けた販売停止によりロシアでアップル製品価格が暴騰

ウクライナ侵攻を受けた販売停止によりロシアでアップル製品価格が暴騰

DIMITAR DILKOFF via Getty Images

アップルはウクライナ侵攻を受けてロシアでの製品販売を停止しましたが、それによりロシア国内の小売業者が経済制裁とインフレに備えてか、iPhoneやMacの価格を大幅に引き上げていると報じられています。

ロシアのテック系サイトiPhones.ruによると、アップルがロシアでの一時的な販売停止を発表した後に、同社の製品は「ほぼ全ての場所で」価格が急上昇していると伝えられています。

最たる製品は16インチMacBook Pro(2021)のM1 Max/RAM 64GB/1TBモデルで、2日時点での価格は113万8070ルーブル、およそ110万円以上と見積もられます。ちなみに、ここ数日ルーブルは暴落しているので、全ての円換算は「およそ」となります。

ウクライナ侵攻を受けた販売停止によりロシアでアップル製品価格が暴騰
またiPhone 13 Pro Max(1TB)は30万ルーブル以上で、ほぼ29万円ほど。iPhone 13系で最も安いiPhone 13 mini(128GB)でも約9万円以上となっています。またApple Watch Series 7の最も高価なモデルは約19万円、12.9インチのM1 iPad Pro(2TB)は35万円ほどという高騰ぶりです。

またロシア国内では、欧米がロシアの大手銀行5行への経済制裁を実施したことから、それらの口座に紐付けられたApple Payも利用停止となっています

ウクライナの人々はもちろん、物価の高騰や物資不足に苦しめられているロシアの方々、原油や天然ガスなどが途絶する危機に晒されている全世界を救うためにも、ロシア軍の侵攻が一刻も早く中止されることを祈りたいところです。

(Source:iPhones.ru。Via iMoreEngadget日本版より転載)

ウクライナ副首相がアップルのクックCEO宛て公開書簡、ロシアでの製品販売停止とApp Store遮断を要請

ウクライナ副首相がアップルのクックCEO宛て公開書簡、ロシアでの製品販売停止とApp Store遮断を要請

JIM WATSON via Getty Images

ロシア軍の侵攻が続くウクライナの副首相兼デジタル・トランスフォーメーション担当大臣ムィハーイロ・フョードロフ氏が、アップルのティム・クックCEOに対してロシア国内におけるアップル製品の販売停止とApp Storeへのアクセス遮断を要請しました。しかし記事執筆時点では、クックCEOはこの要請に対する反応を示していません。

フョードロフ氏は「私はあなたに要請します。あなたはこれを聴くだけでなく、ウクライナ、欧州さらには民主世界全体を血まみれの権威主義の侵略から守るべく、可能な限りのことをするものと確信しています。どうかApp Storeのアクセス遮断や、ロシア連邦へのアップルのサービスや製品の供給を停止してください」と記した書簡をTwitterで公開しました。ロシアからアップル製品の供給を引き揚げることで、ロシア国内、特に若者たちの間で反戦の機運が高まることが期待されるとの主張です。

アップルは現在、ロシアでオンラインストアを運営しており、iPhone、iPad、Mac、AirPodsといった各種製品をユーザーにダイレクト販売しています。またロシアのApp Storeは最近、ロシア国内産アプリのユーザーへの推奨を手厚くするよう変更が施されていました。

ロシアは昨年、アップル、Google、Metaなどのハイテク企業が国境内に物理的な拠点を持つことを義務付ける法律を施行しており、アップルもここ数か月の間にロシアに事業所を設置し、モスクワで求人情報を出していたとBloombergは伝えています。

ティム・クックCEOは木曜日にTwitterで「ウクライナの状況を深く懸念しています。我々は現地チームのためにできる限りのことをしており、現地の人道的支援活動にも協力していくつもりです。我々は今まさに危険にさらされている人々のことを思い、平和を求めるすべての人々とともに行動します」とコメントしてはいました。しかし今回のウクライナ副首相の要請に対する回答はまだ確認できません。

(Source:BloombergEngadget日本版より転載)

キオクシアの三重県四日市工場と岩手県北上工場の一部操業停止により、SSD用チップが最大10%高騰する可能性

キオクシアの三重県四日市工場と岩手県北上工場の一部操業停止により、SSD用チップが最大10%高騰する可能性

iFixit

アップル製品向けにNANDフラッシュメモリを供給する主要サプライヤーの1つが生産工程の一部を停止したため、今後NANDフラッシュの価格が最大10%上昇するかもしれないとの予想が報じられています。

今月10日、半導体メーカー大手のキオクシア(旧東芝)は四日市工場と北上工場で生産工程の一部を停止したと発表しました。3次元NAND型フラッシュメモリ「BiCS FLASH」の部材に不純物が混入していたとされており、少なくとも6.5EB(65億GB)分の製造が減少すると述べています。

今回の件につき市場調査会社のTrendForce社は、SSDの主要構成要素であるNANDの価格が最大で10%高騰する可能性があると警告しているしだいです。

アップルはiPhone 13やM1 Pro/Max MacBook Pro、iPad Proなど、多くの製品にキオクシアのNANDフラッシュを使っていることで知られています。たとえば修理業者iFixitがiPhone 13 Proを分解した際にはキオクシア製のNANDフラッシュが1つ、16インチのM1 Pro搭載MacBook Pro(SSD 256GB)ではキオクシアのKICM225UZ0460 128GB NANDフラッシュが2つ確認されました。

世界的な半導体不足のなか、2021年のPC出荷台数は前年比15%増との調査結果もあり、2022年にはさらに伸びるとの予想もありました。そこにNANDフラッシュの不足や価格が高騰する可能性が生じたことは、今後数カ月にわたって影を落とすかもしれません。

TrendForceによれば、米ウェスタンデジタルとキオクシアの提携はNANDフラッシュ市場の約30%に相当するとのことです。両社は主にPC用のSSDとeMMcストレージを供給しており、それだけPCの生産量に深く関わっているといえます。

混入の原因は明らかになっておらず、市場に出回っている製品を回収する必要があるかどうか、また生産をいつ再開するかも不明です。

米9to5Macは、もしもNANDフラッシュが値上がりしても、アップルが自社製品の価格を引き上げる可能性は低いと推測しています。

なぜならアップルは部品の調達交渉をかなり前から行う傾向があり、今後の契約ではコストが上がる可能性はあるものの、直近の製品に影響するとは考えにくい。その後も影響があるのは数カ月だけで、そのコストはアップルが負担して価格に上乗せしないと思われる、というわけです。

ただし該当する工場で作られたNANDフラッシュを使ったアップル製品が、今後リコールされる懸念はあるとの趣旨も述べられています。アップルで何か動きがありしだい、本誌でもお伝えする予定です。

(Source:キオクシア。Via the VergeEngadget日本版より転載)

アップルの次期ハードウェアイベントは3月上旬か、新iPhone SE、iPad Air、27インチiMac Pro登場のウワサ

Bloombergによると、Appleは3月8日前後に次のハードウェアイベントを開催する予定だ。このイベントでは、第3世代のiPhone SE2020年のiPad Airの後継モデル、Apple Siliconチップを搭載した新しいMacが発表されるという。BloombergのMark Gurman(マーク・ガーマン)氏は、この日程は以前AppleがSEのデビューのために設定した3月から4月のタイムフレームと一致するが、潜在的な生産の遅れにより、同社が計画を変更せざるを得なくなる可能性があると警告している。

これまでどおり、記事ではiPhone SEシリーズとしては初となる5Gに対応すると報じられている。また、より高速なプロセッサやより優れたカメラも搭載されると予想されているが、現行モデルのiPhone 8時代のデザインは維持されるという。新型iPad Airにはプロセッサが刷新され、5G接続が追加される。Bloombergは、Appleが同イベントで発表するかもしれない新型Macについて多くを語らなかったが、最近のほとんどの報道では、同社が27インチのiMac Proの新モデルを発表すると指摘している。

新しいiPhone SEの話がいまいち盛り上がらなかった人への朗報は、AppleがiOS 15.4も2022年3月前半にリリースするとBloombergが報じていることだ。このアップデートでは、マスクを着用していてもFace IDでiPhoneのロック解除できる機能が追加される予定だ。

関連記事:ついにマスク姿でもiPhoneのロック解除可能に!アップルの最新ベータ版OSはマスク着用に対応したFace IDや待望のユニバーサルコントロールを提供

編集者注:本記事の初出はEngadget。執筆者のIgor BonifacicはEngadgetの寄稿ライター。

原文へ

(文:Igor Bonifacic、翻訳:Hiroshi Iwatani)

iOS・iPadOSとmacOS用の最新版Safari 15に深刻なバグ、Googleアカウント情報やブラウズ履歴が漏えいの恐れ

iOS・iPadOSとmacOS用の最新版Safari 15に深刻なバグ、Googleアカウント情報やブラウズ履歴が漏えいの恐れ
iOS・iPadOSとmacOS用の最新版Safari 15に深刻なバグ、Googleアカウント情報やブラウズ履歴が漏えいの恐れ

9to5Mac

iOS/iPadOSとmacOS用の最新版Safari 15にバグがあり、Googleアカウント情報や最近のブラウジング履歴が流出する恐れがあると報じられています。

Webブラウザ向けの指紋認証サービスを提供するFingerprintJSは、ブログ記事にてSafari 15にはIndexedDB実装にバグがあり、特定のWebサイトが自分のドメインのみならず、あらゆるドメインのデータベース名を見られると指摘しています。このデータベース名は、ルックアップテーブルから識別情報を抽出するために使用できると述べられており、実際に試せる概念実証デモも公開されています

たとえばGoogleのサービスでは、ログインしているアカウントごとにIndexedDBインスタンスを保存しており、データベース名はGoogleユーザーIDに対応しています。ここで報告されている脆弱性を利用すれば、悪意あるサイトがユーザーのGoogle IDを抽出して、そのIDにより他の個人情報も抜き出せるというわけです。上記の概念実証デモでは、実際に(匿名であるはずの)アクセスした本人のGoogleプロフィール写真も表示されてしまいます。

このバグは、すべての IndexedDB データベースの名前がどのサイトでも参照できるだけであり、各データベースの実際のコンテンツへのアクセスは制限されているとのことです。

つまりデータベース名が分かるだけで、それ以上の中味を見たり、内容を改変したりはできないということ。GoogleユーザーIDはデーターベース名から分かるため個人を特定でき、またデータベース名から最近立ち寄ったサイトの履歴ものぞき見られるというわけです。

ちなみにChromeなど他のブラウザでの本来あるべき動作は、Webサイトが自分のドメイン名と同じドメイン名により作られたデータベースのみを見ることができる、というものです。

この脆弱性はiPhone、iPad、Macに搭載されたSafariの現在バージョンすべてで悪用できるとのこと。 FingerprintJSによると、11月28日にAppleにバグを報告したものの、まだ解決していないそうです。今後のアップルの対応を待ちたいところです。

(Source:FingerprintJS。Via 9to5MacEngadget日本版より転載)

アップルがiOS 15.2.1リリース、iPhoneとiPadにHomeKitの欠陥に対するパッチを適用

Apple(アップル)は、iOSおよびiPadOSに存在するセキュリティ脆弱性を修正した。この脆弱性は、HomeKitを介して悪用され、持続的なサービス拒否(DoS)攻撃の標的となる可能性がある。

Appleは米国時間1月12日にiOS 15.2.1およびiPadOS 15.2.1をリリースし、セキュリティ研究者のTrevor Spiniolas(トレバー・スピニオラス)氏によって1月初めに開示された、いわゆる「doorLock」と呼ばれる欠陥を修正した。このバグはiOS 14.7からiOS 15.2を搭載したiPhoneおよびiPadに影響するもので、Appleのスマートホーム基盤であるHomeKitを介して発生する。

このバグを悪用するには、攻撃者はHomeKitデバイスの名前を50万文字を超える文字列に変更する必要がある。この文字列がユーザーのiPhoneやiPadに読み込まれると、デバイスのソフトウェアがサービス拒否(DoS)状態に陥り、フリーズを解除するために強制リセットが必要になる。しかし、デバイスが再起動し、ユーザーがHomeKitにリンクされたiCloudアカウントにサインインし直すと、再びバグがトリガーされる。

ユーザーがHomeKitでデバイスを1つも追加していなくても、攻撃者は偽のHomeネットワークを作成し、フィッシングメールでユーザーを騙して参加させることができる。さらに悪いことに、攻撃者はdoorLock脆弱性を利用して、iOSユーザーに対してランサムウェア攻撃を仕かけ、デバイスを使用できない状態にロックして、HomeKitデバイスを安全な文字列長に戻すために身代金の支払いを要求することができると、スピニオラス氏は警告している。

スピニオラス氏によると、Appleは2021年のセキュリティアップデートでこの問題を修正することを約束していたが、これが「2022年初頭」まで延期されたため、同氏はこの遅れがユーザーに「深刻なリスク」をもたらすことを恐れてバグを公開したとのこと。

「Appleはセキュリティ問題を確認し、私はこの4カ月間に何度もこの問題に真剣に取り組むよう彼らに促したにもかかわらず、ほとんど為されていませんでした」と同氏は書いている。「頻繁に要求したにもかかわらず、この問題に関するステータスの更新は稀で、並外れて少ない詳細情報しか得られなかったのです」。

「Appleの透明性の欠如は、しばしば無償で活動しているセキュリティ研究者を苛立たせるだけでなく、セキュリティ問題に関するAppleの説明責任を低下させることで、日々の生活でApple製品を使用している何百万人もの人々にリスクをもたらしています」とも。

このアップデートは現在ダウンロード可能で、iPhone 6s以降、iPad Pro全モデル、iPad Air 2以降、iPad第5世代以降、iPad mini 4以降、iPod touch(第7世代)が対象となる。

画像クレジット:file photo

原文へ

(文:Carly Page、翻訳:Aya Nakazato)

アップル、自分でiPhoneやMacを修理するための純正パーツ・ツールを提供するプログラムを発表

Apple(アップル)からうれしい、そして予想外のアップデートがあった。同社は、ユーザーが自宅でデバイスの一般的な修理を行えるようにするための新しいプログラム「Self Service Repair」を発表した。このプログラムでは、故障したデバイスを持っているユーザーに、同社のGenius Bar(ジーニアスバー)で使用しているものと同じ「Apple純正」のツールや部品が提供される。

また、新しいApple Self Service Repair Online Storeでは、オンラインの修理マニュアル(動画ではなくテキスト)を提供する。これは、同社が独立系修理業者(現在、米国内に2800社とApple正規サービスプロバイダー5000社が存在)向けに、ディスプレイ、バッテリー、カメラの修理を中心にiPhone 12と13から展開してきたものと似ている。また、M1Mac向けの同様のサービスも「間もなく」開始する予定だ。

COOのJeff Williams(ジェフ・ウィリアムズ)氏は今回の発表のリリースの中で「Apple純正部品へのアクセスを拡大することで、修理が必要になった際の顧客の選択肢がさらに広がります」と述べている。「Appleは過去3年間で、Apple純正部品、ツール、トレーニングを利用できるサービス拠点の数を約2倍に増やしてきましたが、今回、自分で修理をしたい人のための選択肢を提供します」。

Appleは具体的な価格をまだ公表していないが、顧客が破損した部品をリサイクルのために郵送した場合、最終的な価格に対するクレジットを得る。2022年初めに米国でサービスを開始する際には、約200種類の部品やツールを提供する予定だ。修理作業を自宅で行っても機器の保証は無効にはならないが、修理の過程でさらに製品を破損させてしまった場合は無効になるかもしれない。なのでマニュアルをしっかりと読んだ方がいい。これらを確認した上で、Apple Self Service Repair Online Storeから部品を購入できる。

今回のニュースは、修理する権利の法制化を求める動きが強まっている中でのものだ。これには家電業界の一部の大物が反対している。米議会図書館は最近、ユーザーによる修理を妨げるDMCA(デジタルミレニアム著作権法)の適用除外を承認した。「違法な修理制限に対処するために、FTC(米連邦取引委員会)は法的権限に基づいて、適切な法執行や規制、消費者教育などの選択肢を追求していく」と記されたFTCの5月の議会への書簡を受けて、大統領までもがこの問題に取り組んでいる。FTCはまた、消費者が購入・所有した製品を修理する際の選択肢を確保するために、州または連邦レベルで議員と協力する用意がある、としている。

修理できるようにすることを支持する人たちは、計画的な陳腐化による価格負担の軽減や、E-waste(廃棄物)に関する世界的な関心の高まりなど、多くの問題を挙げているが、後者は過去数年間にわたってAppleが取り組んできた問題でもある。スマートフォンの技術が高度化するにつれ、家庭での修理がますます困難になっている。バッテリー交換が可能だった時代からは程遠い状況だ。こうした中、ユーザーの修理性を前面に押し出したFairphoneのようなブティック系の製品が生まれた。

Appleの新しいプログラムは、2022年以降、さらに多くの国で展開される予定だ。それでも同社は明らかに、状況が許す限りユーザーに正規販売店での修理を奨励しているが(特にAppleCare+に加入している場合)、自分の手で解決したいと考える多くのユーザーにとっては、これはすばらしい一歩となる。

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

iPadで視線によるタイピング、会話、アプリ操作が可能になるケース「TD Pilot」をTobiiが発売

アイトラッキング(視線計測)技術を手がけるスウェーデンのTobii(トビー)は、その技術をApple(アップル)製のタブレットに導入し、iPadを身体障がい者のための強力なオールインワンツールにするためのケース「TD Pilot」を発表した。iPadにTD Pilotを装着したユーザーは、視線だけでアプリを起動したり、すばやくタイピングしたり、合成音声で話したりすることができる。

iPadOS 15では、iPadにアイトラッキング用ハードウェアをネイティブに統合することが可能になったが、Tobiiはおそらく、その分野で最も知られた名前だろう。

筆者はオールインワンのスクリーン型アイトラッカーや、独立型のPC用周辺機器など、同社の製品を数多くチェックしてきたが、いずれも非常にうまく機能した。しかし、Apple側の制限があったせいで、アイトラッキングは主にWindowsマシンで行われてきた。筆者は個人的には気にならないものの、iOSを好む人もいるだろう。今後はiOSでも同じようにアイトラッキングが利用できるようになる。

画像クレジット:Tobii

TD PilotはiPadに装着する大型のケースで、前面にはアイトラッキング装置(実際には驚くほど小さく、カメラが内蔵された小さな帯状のもの)、背面にはステレオスピーカーに加えて、テキストを表示するための小さなスクリーンが備わる。このデバイスのユーザーは、Tobii独自のテキスト音声変換アプリ「TD Talk(TDトーク)」または他の任意のアプリを使って、テキストまたは音声でコミュニケーションをとることができる(単に話すだけではなく、その気になればDJにだってなれる)。

このデバイスは、設定や記号コミュニケーションなど、Tobiiが用意する他の小さなアプリ群も利用できる。

「医学的にも認証されており、Appleの性能基準を満たしていると認定されています」と、Tobii Dynavox(トビー・ダイナヴォックス)のFredrik Ruben(フレドリック・ルーベン)CEOは述べている。「これにより、ユーザーは市場をリードするこの技術にアップデートとサポートが継続されると知ることができ、信頼して使うことができます。また、人気のある技術に向けて開発される可能性がある、安全ではない『ワンタイムハック』を避けることができます」。この発言は間違いなく、アイトラッキングをネイティブにサポートしていない以前のバージョンのOS用に作られた他社のソリューションを暗に示しているのだろう。

Tobiiのアイトラッキングデバイスは誰でも購入することができるが、同社の説明によると、個人のニーズに合わせたソリューション提供の一環として、医師やセラピストから指示されるケースが多いという。その場合は保険でカバーされるが、当然ながら個人によって異なる。筆者は具体的なコストを尋ねたが、Tobiiは回答を避けた。

願わくは、アイトラッキングソリューションによって最も力を得られる人たちが、保険やその他の方法でこの便利なガジェットを簡単に手に入れることができるようになって欲しいものだ。この製品はすでに出荷が始まっているので、発売を待つ必要はない。下の動画で、実際に使用している様子を見ることができる。

画像クレジット:Tobii

原文へ

(文:Devin Coldewey、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

NetflixがiPhone、iPadユーザーにもモバイルゲーム提供開始

先週、Netflix(ネットフリックス)は初のモバイルゲームのラインナップを全世界のAndroid(アンドロイド)ユーザーに提供した。本日、そのゲームの提供がiOSユーザーにも拡大された。「ストレンジャー・シングス」のゲーム2本と、その他いくつかのカジュアルゲームが含まれているラインナップは、Androidと同じ方法でiOSユーザーに配信さる。つまり、クラウドからストリーミング配信されるのではなく、App Store(アップルストア)から直接ユーザーの携帯電話やタブレットにインストールされる。

Android版のリリースにともない、Netflixは、ユーザーがカタログを閲覧してプレイしたいゲームを見つけることができる「ゲーム」タブをアプリ内に導入した。しかし、実際にゲームをプレイするには、Google Playにアクセスして、ゲームを端末にインストールしなければならない。最初の起動時に、ユーザーは、Netflixの認証情報を使ってゲームにサインインすることになる。

Netflixによると、iPhoneおよびiPadでのNetflixゲームの提供でも、同様のシステムを採用しているとのことだ。ただし、今回ゲームのダウンロードは、Google Playではなく、Apple(アップル)のApp Storeからになる。また、ゲームを開始する際には、Netflixの会員情報を使った認証が必要となる。

このシステムは、ゲームアプリに対してより寛容な内容に、2020年変更されたAppleのApp Storeのルールに準拠していると同社は考えている。

クラウドゲームサービスの増加に対応するために更新されたものだが、Appleのポリシーによると、開発者は、カタログ内の各タイトルが専用のApp Storeリストに掲載されている場合に限り、ゲームカタログへのアクセスを加入者に提供する集中型のアプリを提供することが認められている。これにより、Appleは各ゲームタイトルを個別に審査することができるという。このシステムは、定額制のゲームサービスGameClub(ゲームクラブ)が、会員のみがプレイできるクラシックゲームのタイトルをより幅広く提供するために開発したものだ

しかし、iOSでのNetflixゲームの実装と、Androidでの仕組みには、1つの違いがある。

Android版のNetflixユーザーには、アプリに専用の「ゲーム」タブがあるが、iOSユーザーにはない。その代わり、iPhoneユーザーには、アプリ内にゲーム専用の列が表示され、そこで任意のゲームを選択してダウンロードすることができる。一方、iPadユーザーには、(6番目に固定された)「ゲーム」タブが表示され、カテゴリのドロップダウンメニューからゲームにアクセスすることができる。

画像クレジット:Netflix

NetflixはTechCrunchに対し、AppleはNetflixのゲームにおいてすばらしいパートナーである一方で、ゲームタブが、独自の「アプリストア」を提供するアプリを禁止するApp Storeのポリシーに抵触するかどうかは、Netflixにとって完全には明らかではなかったと述べている。Netflixは、iOSユーザーにゲーム体験を提供する上でゲームタブは重要ではないと考え、ゲームタブなしでサービスを開始することを決定した。ただし、将来的にこの規則がより明確になれば、現在Androidで提供されているタブのように、iOSアプリに「ゲーム」タブを追加できるようになるかもしれない。

発売にあたってのゲームのラインナップは、Android版と同じだ。これには、BonusXP(ボーナスXP)の2つのタイトル「ストレンジャー・シングス:1984」と「ストレンジャー・シングス 3:ザ・ゲーム」の2タイトル、Frosty Pop(フロスティ・ポップ)の「ティーター」と「シューティング・フープス」の2タイトル、Rogue Games(ローグ・ゲームズ)の「カードブラスト」の1タイトルが含まれる。前者2作品は、Netflixの人気番組「ストレンジャー・シングス」のスピンオフ作品で、後者3作品はカジュアル作品だ。

長期的には、Netflixはこのカタログに他の追加要素やジャンルを加えて拡大する計画を持っている。例えば、同社は9月に「Oxenfree(オクセンフリー)」などのストーリー性のあるタイトルで知られる独立系ゲーム開発会社のNight School Studio(ナイトスクールスタジオ)を買収し、Netflixゲームのライブラリーをさらに充実させている。

Netflixは、ゲームへの関心を、直接収益を得る方法ではなく、加入者を楽しませ、維持するためのもう1つの方法であると説明している。現在のところ、ゲームは無料でダウンロードでき、広告もなく、アプリ内課金もない。同社は、カタログが充実してくれば、テレビ番組や映画だけでなく、同じアルゴリズムを使ってモバイルユーザーに新しいゲームを提案することも可能だとしている。

Netflixは「私たちは、ゲームを、オリジナル映画やアニメーション、台本のないテレビへの進出と同様に、当社のもう1つのコンテンツカテゴリーであると考えています」と2021年第2四半期の株主向けのお知らせで述べ、まずはモバイル機器向けの無料ゲームに重点を置くとしている。そして「オリジナル番組への進出から約10年が経過した今、会員のみなさまがゲームにどのような価値を見出しているのか、より深く知るべき時期に来ていると考えています」と述べた。

編集部注:US記事では全世界での開始となっているが、本稿作成時点(2021年11月10日)、日本でのiOS端末ヘの同サービスノ提供は確認できていない。

画像クレジット:Netflix

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

iPadをPCのディスプレイとして使える「Luna Display」が(ようやく)Windowsに対応

Astropad(アストロパッド)の「Luna Display(ルナ・ディスプレイ)」は、iPadをセカンドディスプレイとして使用できる優れたプロダクトだ。当初はMac向けに発売されたが、Apple(アップル)自身がこれに競合する機能を導入したため、Astropadはこの2年ほど危機に瀕していた。しかし、米国時間10月13日、ついにLuna DisplayがWindowsマシンにも対応し、Astropadはマルチプラットフォームプロダクトへの転換を成し遂げた。

Astropadがプロダクトを市場に送り出すためにしてきた苦労は、並大抵のものではない。TechCrunchでは、同社とそのプロダクトの長く困難な道のりを追い続けてきた。同社が最初のプロダクトを発売したのは5年ほど前のこと。2018年には無線モジュールを追加して、厄介な配線を排除した。その急速なスターダムへの上昇は、しかし2019年にアップルが「Sidecar(サイドカー)」を発表したことで水の泡となる。Luna Displayというプロダクトは事実上意味を失い、同社は危機的状況に陥った。

関連記事
ワイヤレスでポータブルなiPadディスプレイアダプターLunaが80ドルで発売
もうアップルのSidecarが手放せない

名誉のために言っておくと、同社とその創業者たちは、提供するプロダクトの透明性を保つことに長けていた。アップルに打ちのめされた後も、創業者たちは明かりを絶やさず、1年前にはWindowsプロダクトの開発に軸足を移すことを発表。クラウドファンディングのKickstarter(キックスターター)で40万ドル(約4540万円)を集め、プロダクト開発に拍車をかけた。

ノートPCの左側に差し込まれた赤いドングルがLuna Display。ここでは、セカンドディスプレイとして動作しているiPadに無線で接続されている(画像クレジット:Astropad)

Kickstarterプロジェクトの中で、Astropadは当初、2021年5月の発売を約束していたものの、プロダクト開発の世界ではよくあることだが、同社と6000人のKickstarter支援者は、途中で何度も遅れを受容することになった。長い間待たされたが、ついにそのWindows対応版が、Luna Displayバージョン5.0とともに登場した。少なくとも資料を見た限りでは、このプロダクトは期待が持てそうだ。

Luna Displayのドングルは、パソコンに接続するとMacやWindowsのOSと通信し、iPadのジェスチャー、Apple Pencil、外付けキーボードの使用を可能にする。遅延はわずか16msとのこと。アップルがSidecarで謳っている9msという遅延時間には及ばないものの、リアルタイムの入力を必要としないほとんどのユースケースでは十分な速さだ。言い換えれば、このディスプレイを負荷の高いデザイン作業やゲームに使うことは期待できないが、Chrome(クローム)のタブやWord(ワード)の文書を表示するにはまったく問題ないはずだ。

同社によれば、Windowsへの対応を熱望する顧客は多く、現在までに合計8000件の予約が入っているという。辛抱強く忠誠心が高いフォロワーたちは、待ち望んでいたプロダクトをようやく手にすることができ、歓喜に震えるに違いない。

このソリューションには、いくつかの異なるモードが用意されており、iPadをセカンダリーディスプレイとして使用したり、他のMac(旧いモデルも含む)をセカンダリーディスプレイとして使用したり、あるいはモニターを持たないデスクトップ機を「ヘッドレス・モード」で動作させることができる。つまり、iPadをMac Miniのメインディスプレイとしても使用することができるわけだ。

関連記事:古いMacもセカンドディスプレイ化してしまうLuna Display

Astropadは、このソリューションを実現するためのソフトウェアスタックの構築に、プログラミング言語「Rust(ラスト)」を採用した。AstropadのCEOであるMatt Ronge(マット・ロンゲ)氏は、低遅延ソリューションを構築するために比較的新しい言語を使用することの長所と短所について、興味深い考察を行っている

「Rustによって、Mac、iOS、Linux、Android、Windows上で簡単に動作させることができる、高性能でポータブルなプラットフォームが実現します」と、ロンゲ氏はいう。「これにより、潜在的な市場規模が飛躍的に拡大するだけでなく、当社のLIQUID技術(低遅延、高品質のビデオストリーミング技術)に多くの興味深い新用途を見出し、Rustベースのプラットフォームを追求していくことができます」。

Luna Displayは接続方式によって、USB-C(Mac&Windows対応)、Mini DisplayPort(Mac対応)、HDMI(Windows対応)の3タイプが用意されており、価格はいずれも129ドル(約1万4600円)。現在、Astropadから直接購入することが可能だ

画像クレジット:Luna Display under a Luna Display license.

原文へ

(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

iFixitが新型iPad mini(第6世代)を分解、表示が揺れる「ゼリースクロール」問題を分析・iPad Air(第4世代)と比較

iFixitが新型iPad mini 第6世代を分解、表示が揺れる「ゼリースクロール」問題を分析

iFixit

修理業者iFixitがiPhone 13 Proの分解に続き、新型iPad mini(第6世代)の分解動画を公開しています。今回の記事では、新iPad miniの画面表示が揺れる「ゼリースクロール」問題について深く掘り下げ、iPad Air(第4世代)との比較などを行っています。

iFixit恒例の修理しやすさスコアは、10点満点中の3点です。分解の結果、アップルは新型モデルでバッテリー交換しやすくするよう検討したものの、最終的には断念し、今まで通りバッテリーを本体に固定したとの推論に達しています。

さて、真の本題ともいえるゼリースクロール問題について。この症状は長いWebページなどを素早くスクロールすると、画面上の文字や画像がゼリーのように揺れて見える現象のこと。ディスプレイの左右で画面書き換え速度が違うために起こるもので、アップルも事実と認めつつも「液晶画面の正常動作である」趣旨を回答しています。つまり公式見解では不具合ではない、というわけです。

iFixitが新型iPad mini 第6世代を分解、表示が揺れる「ゼリースクロール」問題を分析

iFixit

iFixitいわく、ゼリースクロールは液晶デバイス一般では珍しくないとのこと。では、なぜ新型iPad miniで顕著に目立っているのか? それは画面のスキャン(書き換え)方向が、本体内でディスプレイを駆動するコントローラーボードの配置に関係しているため、と推測されています。

新型iPad miniでは、この部品は(縦置きした場合に)左側、縦向きに配置されています。かたや同じ問題が発生していない第4世代iPad Airでは、コントローラーボードが上部に配置されています。すなわちAirでは、ディスプレイが更新される方向がスクロールの動きと平行になっており、やはり画面が一度に更新はされないものの、横に並んだ文字が分割されないため影響は目立たない、というわけです。

iFixitが新型iPad mini 第6世代を分解、表示が揺れる「ゼリースクロール」問題を分析

iFixit

その逆に新型iPad miniではディスプレイ更新の方向とスクロールが垂直になっており、横方向に書き換えのタイミングがずれるために左や右に傾いて見えるということ。この推測であれば、iPad miniを横置きしたときにゼリー現象が目立たなくなる現象も説明が付くと思われます。

またiFixitは、アップルが新型iPad miniに安物のディスプレイパネルを使っている可能性もあり、そのために書き換えが予想以上に目立っているかもしれないと述べています。

ディスプレイのスキャン方向は設計的にどうしようもありませんが、もしも画面パネルの品質によるところが大きければ、「当たり」(たまたまパネル品質がいい)の個体を引き当てれば、ゼリースクロールも抑えられているはず。どうしても気になる場合は、製品の受け取りから14日以内に受けられる交換手続きを利用してもいいかもしれません。

(Source:iFixit(YouTube)Engadget日本版より転載)

【レビュー】2021年版miniは衝撃的だった初代以降、最も「iPad」らしいiPadだ

iPad miniを愛する人たちは、数年ごとにこの特別なデバイスが存続するのか、それとも切り捨てられるのかを固唾を呑んで見守ることになる。新しいiPad Proのようなデザイン、A15 Bionicチップ、新しいディスプレイ技術を採用して、大きくモダンに生まれ変わったばかりなので、しばらくはその心配をする必要はないだろう。

また、iPad miniは一部の市場で非常によく売れているため、それほど心配する必要もないだろう。パイロットや医療従事者、産業従事者といったプロフェッショナルは、仕事に欠かせないものとしてタブレット端末を活用している。基本的に、Apple(アップル)のiPadは十分な普及率と互換性を備えた唯一のデバイスだ。空の上のコックピットは、基本的にiPadがないと成り立たなくなっている。パイロットの脚や白衣の大きなポケットなど、スペースが限られている場所では、iPad miniが圧倒的な存在感を示している。

もちろん、iPad miniが旅行に最適なポータブルサイズであり、長時間の読書や視聴をする際に手に持ちやすいと感じる人も同じようにたくさん存在する。

今回の新しいiPad miniは、そのよう人たちのために、ハードウェアとソフトウェアを最新のものになっている。iPad AirおよびProのデザイン言語を取り入れたminiの再設計は、Appleの「トップエンド」のiPadデザイン理論が統一されたということであり、歓迎すべきことだ。

画像クレジット:Matthew Panzarino

エントリーモデルであるiPadも、同じ価格でありながら舞台裏でアップグレードされている。これはすばらしいことだ。新デザインの採用や新しいApple Pencilとの互換性はないが、それでもこの価格では非常に高性能なマシンだ。タブレット市場は基本的にAppleが独占しているため、エントリーモデルを大々的に投入することも可能だったが、価格の割には非常に優秀で、使ってみると速さと親しみやすさを感じることができる。IPSディスプレイとA13 Bionicは最先端ではないかもしれないが「iPadが欲しい」というニーズだけであるなら、このベーシックなモデルを購入してもまったく損をしないのはうれしいことだ。

しかし、iPad miniにはその両方が備わっている。価格もそれに見合うものだ。499ドル(日本では税込5万9800円)という価格は、Appleはこの製品でエントリーポイントを狙っていない。そのメッセージは明らかに「このサイズで作れる最高のiPad」というものであり「より小さく、より安く」ではない。

このメッセージは、フォームファクターは好きだが、1、2世代遅れているのが嫌なユーザーには理想的なものだろう。

画像クレジット:Matthew Panzarino

最大の新機能は、iPad Airで導入された上部に搭載されたTouch IDだ。ほとんどの場合、すばやく簡単に動作する。しかし「ロックを解除するために休んでいる」のに、誤って電源ボタンを押して電源を切ってしまうという厄介なループが発生する可能性もある。しかし、全体的にはAirよりも使いやすいといえるだろう。手がより小さなminiのエッジにフィットしやすいことを考えると。

使い勝手はこれまでとあまり変わらないものの、依然として残っているユーザビリティに対する指摘には、分割表示の実装でかろうじてクリアしている。機能的には問題ないが、時として少々窮屈に感じることもある。ここにもっと良い解決策があるかもしれない。アイコンのサイズも、縦方向では少し粗いが、横方向では完璧なものに感じられる。要するに、iPad mini専用に調整したバージョンのiPadOSが必要だ。リニューアルされたモデルを手に入れた現在、私はiPad miniを独自の使いやすさの次元に引き上げるために、2022年の進化を求めたいと思っている。

それ以外は、すべて本当に楽しい。スピード、軽さ、そして大きくなった画面サイズは、初代iPad移行、最も「iPad」らしいiPadの1つだと思う。初代iPadは、今思えばかなり重かったが、実際に使って触ってみたときは、本当に衝撃的だった。コンピュータの純粋な「スラブ(平板)」だった。今回のminiでは、その感動を思い出した。

ここ数日、iPadで読書やブラウジング、映画を観ているが、とてもいい感じだ。新バージョンのApple Pencil(側面のフラット化とマグネット式充電により実現)が追加されたのも良い点で、これによりすばらしいスケッチツールとなった。

iPad miniは、iPad Airが持つすべての機能とそれ以上の機能を、最新の技術を駆使して小さなパッケージに収めたものだ。全体的にとても魅力的だ。もし迷っている人がいるのであれば、まずそのことを知ってほしい。

画像クレジット:Matthew Panzarino

画像クレジット:Matthew Panzarino

原文へ

(文:Matthew Panzarino、翻訳:Katsuyuki Yasui)

生まれ変わったiPad mini 第6世代は「いにしえの理想的な電子手帳」を超える存在だった

生まれ変わったiPad mini 第6世代は「いにしえの理想的な電子手帳」を超える存在だったあくまで”個人的に”ではあるが、2021年秋のApple新製品発表会で、最も購買意欲を湧かせてくれたのはiPad miniだった。無論、iPhoneは今回も想像以上にこだわったカメラを搭載しているが、カメラは使いやすさや画質など絶対的な性能に加えて感性領域の評価もあり、必ずしもスペックやプレゼンテーションの内容だけでは結論づけられない部分もある。

しかし第6世代iPad miniは、スマートデバイスを日常的に使う上でそれらの使い方、あるいはiPhoneの買い替えサイクルや製品選びなどをも変える可能性がありそうだ。

例えば近年のスマートフォンは内蔵カメラの画質を訴求してきたが、カメラのアップデートにさほど興味がない、どちらかと言えば動画、電子書籍、ゲームなどを中心に端末を使ってる人にとっては大画面の最新スマートフォンに買い替えるよりも、iPhone SEなどのコンパクトな基本モデルとiPad miniの組み合わせの方が使いやすいかもしれない。

あるいはiPadシリーズをタブレットとして使いつつ、シームレスで相互の行き来ができるMacと組み合わせたいという人もいるだろう。MacBook Airが仕事のために必須だが、移動時や待ち時間にはコンパクトなiPad miniを活用したいなら、両方を持ち歩くというのも悪くはない。

iPad miniの300グラムを切る重量は、大型のスマートフォン2台ぶん程度。これをどう考えるかだが、コロナ禍で変化したライフスタイルの中で、スマートフォン、パソコン、タブレットの関係性、使いどころを考え直す機会になるかもしれない。

関連記事:5分でわかるiPhone 13シリーズまとめ。iPad mini(第6世代)やApple Watch Series 7も発表

当面は現役で活躍してくれそうなパフォーマンス

電源ボタンにTouch IDを搭載する

電源ボタンにTouch IDを搭載する

第6世代iPad miniのハードウェアとしての概観を、極めて大雑把に説明するならばiPad Airをほぼそのまま小さくしたものだ。パフォーマンスの面ではiPad Proに劣るもののiPad Airよりも強力で、1世代前のA12Zを搭載するiPad ProよりもSoC性能は高い。

12MP広角カメラを備える

12MP広角カメラを備える

搭載されるSoCは最新のiPhone 13シリーズと同じA15 Bionicとなるが、A15 BionicにはGPUが5つのバージョンと4つのバージョンがある。5 GPUバージョンはiPhone 13 ProシリーズとiPad miniに。4 GPUバージョンはiPhone 13(およびmini)に搭載される。

新しいGPUはコア数が増加しただけではなくアーキテクチャや動作クロック周波数も上昇してパフォーマンスが上昇。Neural Engineをはじめとした機械学習処理のアクセラレータも強化されている。このあたりはGeekBench 5とGeekBench ML(機械学習処理のベンチマーク)のスコアを掲載しておくので参考にしていただきたい。

興味深いのは同じ5 GPU版のA15 Bionicでも、iPad miniとiPhone 13 ProではCPUのスコアが違うこと。これはiPad miniではCPUが3GHzで動作しているのに対し、iPhone 13 Proでは3.2GHzで動作しているからだ。

これについてAppleは理由を明らかにしていない。熱の制御なのか、それとも意図しての制限か。しかし、過去の製品の例からすると、おそらくラインナップや価格差などを差別化したものではないだろう。

何らかの理由で、iPad miniではCPUとGPUの性能のうちGPU性能を重視したということなのだと推察されるが、ひとつにはiPad miniをAppleがポータブルゲーム機としても訴求していることと関係しているかもしれない。

現代のSoCは電力をどこに使うかを制御しながら全体のパフォーマンスを形作ることが多いが、iPad miniの場合は(スマートフォンに比べ)十分に高速なCPUパフォーマンスを確保しつつ、画面が大きなiPad miniの画面に見合うGPUパフォーマンスを割り当てたかったではないだろうか。

インターフェースはUSB-C

インターフェースはUSB-C

いずれにしろ、ミニタブレットというジャンルは低価格を意識した製品が大多数で、このモデルのようにパフォーマンスがトップクラスというモデルはない。言い換えればライバルは不在で、当面はパフォーマンス不足を感じずに済むと言える。

高価なミニタブレットと考えるか、最高のMac製品のパートナーと考えるかで評価が分かれる

ところで本機はiPadシリーズとしては初めて、ディスプレイの縦横比が4:3ではない製品となる。そのため縦横比4:3で固定されたアプリを使う場合は少しだけスクリーンが余るのだが、実使用上、気になる場面はほとんどなかった。

今後の話では縦横比が変化しても問題なく動作するアプリが順次増えていくだろう。さらに未来の話をすれば、iPad Proなどにも縦横比が異なる(今回のiPad miniは16:10よりも縦長で3:2よりも横長)サイズの製品が登場する可能性もありそうだ。

そうした従来のiPadシリーズと少し異なる部分はありつつだが、サイズやスピーカー構成の違いを抜きにすれば、前述のとおりiPad miniはiPad Airを小型化した上で最新のSoC搭載で高性能化した製品である。

12.9インチiPad Proと重ねたところ

12.9インチiPad Proと重ねたところ

となると、サイズが小さいとはいえ、約6万円からという価格も納得の設定だ。あらゆる体験がコントロールされた最高峰のタブレットと同等の品質をそのまま電子手帳ライクなフォーマットに落とし込んでいるのだから、大昔の電子手帳大好き世代にはたまらなく夢のある製品だろう。

ただ、ミニタブレットというジャンルに6万円は払いにくいという意見があることも理解はできる。実際のところ、Apple製品の中でも「mini」という名前が付く製品は、iPhoneを含めてかなり苦戦している。スタートダッシュは良いが、一部の小型製品ファンにはウケるものの、長続きしないのが現実。そうした人の目からは”高価なミニタブレット”と映るかもしれない。

しかし、冒頭で言及したようにMacとの連携は極めて良好で、それはiPhoneとの使い分けでも同じだ。Hand Offを使えば、それぞれの作業の続きを別の端末で継続できるし、Macを使っているならば外出先でのiPad miniとの連携は魅力的だと思う。いや、個人的にはそこがこの製品のキモだろうと。生まれ変わったiPad mini 第6世代は「いにしえの理想的な電子手帳」を超える存在だった

これこそがAppleの狙いなのである。業界標準に準拠しつつも、自社製品の間は密にOSレベルで結合していく。高価なミニタブレットと考えるなら、大ヒット商品とはならないかもしれない。しかし、MacやiPhoneのオーナーが併用する端末として価格を考えずに評価するならば、バッテリー持ちが良く閲覧性の高い、そして5Gモデムを持つ端末として面白い位置付けにある製品だと思うのだ。

いにしえの電子手帳を最新の技術で作り直したなら

生まれ変わったiPad mini 第6世代は「いにしえの理想的な電子手帳」を超える存在だった古いAppleのファンならばNewtonという端末を覚えている人も少なくないだろう。Newtonは個人のあらゆる行動をサポートするコンパニオンになるはずだった。ちなみに開発に協力していたシャープは、Newtonと同じOSを導入したGalileoという端末を発売する予定だった。

Newtonとは何かといえば、それは電子手帳の発展版だ。手帳だけにさっと記録し、アイディアを書き留めておき、ほとんど意識しないうちにデータが同期されている。そんなイメージで考えればいいかもしれない。

一方で、iPad miniは全てのiPadアプリとiPhoneアプリが動作する手帳スタイルの高精度なペン入力が可能な端末。ペン入力といってもメモ書きを書くレベルではなく、絵を描くレベルの製品だ。

生まれ変わったiPad mini 第6世代は「いにしえの理想的な電子手帳」を超える存在だったもし、いにしえの電子手帳を最新の技術で作り直したなら──そんな想いがよぎるが、当時想像していた製品はこれほど完成度が高くなかった。本機が必要、欲しい人は、自分自身で判断できていることだろう。

iPad miniは唯一無二の存在だが、その重要性は使い方による。毎日持ち歩く電子ステーショナリーとしてならば買って損はない製品だ。

(本田雅一。Engadget日本版より転載)

最もスタンダートなモデルとして登場したiPad 第9世代は「廉価版」のお手本

最もスタンダートなモデルとして登場したiPad 第9世代は「廉価版」のお手本9月15日の発表イベントではiPhone 13シリーズ、Apple Watch Series 7、iPad mini 第6世代と一緒にiPad 第9世代も発表されました。ほかの製品にくらべると大きな変化もなく地味ですが、Appleの製品戦略的には、普及の鍵を握る重要な位置づけの製品と言えるでしょう。

関連記事:第9世代iPad発表 20%高速でセンターフレーム対応

ボディーは2019年に発売されたiPad(第7世代)のものを引き継いでおり、別売の周辺機器も共通となっていますが、中身はパワーアップしています。

デザインは変わらず、画面下のホームボタンがTouch IDを兼ねる

デザインは変わらず、画面下のホームボタンがTouch IDを兼ねる

現行iPadでは唯一のLightning端子搭載モデルとなる(ほかはUSB-C)

現行iPadでは唯一のLightning端子搭載モデルとなる(ほかはUSB-C)

Apple Pencilは第1世代が利用可能(税込1万1800円)

Apple Pencilは第1世代が利用可能(税込1万1800円)

miniには用意されていない純正キーボードに対応(税込1万8800円)

miniには用意されていない純正キーボードに対応(税込1万8800円)

キーボードカバーは旧デザインのものだが、後ろに畳んだりスタンドにできたりと、これはこれでなにかと便利だったりする

キーボードカバーは旧デザインのものだが、後ろに畳んだりスタンドにできたりと、これはこれでなにかと便利だったりする

質実な進化

SoCはA12 Bionic→A13 Bionicになり、処理速度は前モデルより20パーセント高速化。Appleは最も普及しているChromebookよりも3倍高速であるとアピールしています。A13 Bionicは、iPhone 11シリーズやiPhone SEが採用しているニューアルエンジンが強化されたチップ。これらは現行モデルでもあるため、無印iPadで同じチップを採用することで製造ラインを絞り、コストパフォーマンスにも貢献しているわけですね。

背面カメラは低照度とオートフォーカス性能が向上。出っ張りがないので裸で置いてもカタつかない

背面カメラは低照度とオートフォーカス性能が向上。出っ張りがないので裸で置いてもカタつかない

前面カメラは解像度12MP。超広角レンズになり、iPad Pro、iPad mini 6thと同じくセンターフレームを利用できるようになりました。

物理的にカメラが動いているかのように正確に追従

物理的にカメラが動いているかのように正確に追従

またディスプレイについても、エントリーモデルで初めてTrue Toneに対応しました。

あらゆる環境下で、画面が自然に見えるよう自動で色味を調整

あらゆる環境下で、画面が自然に見えるよう自動で色味を調整

10年の節目にふさわしいiPad

マルチタスクやクイックメモなど、iPadOS 15の機能をサクサク使えて税込3万9800円~(Wi-Fiモデル・64GB)、ペンを一緒に買っても5万円前後ですから、どう考えてもお買い得と思います。ちなみにセルラー版(LTE対応・5Gは非対応)は税込5万6800円〜。

最もスタンダートなモデルとして登場したiPad 第9世代は「廉価版」のお手本iPad誕生10年目に、最もスタンダートなモデルとして登場したiPad(第9世代)。文教市場や企業導入を視野に入れたモデルではありますが、初めてiPadを持つ方や、しばらくiPadを使っていなかったような人への再エントリーモデルとしてもオススメしたいです。

iPadとiPad miniの動画レビューも公開していますので、こちらもチェックしてみてください。

Engadget日本版より転載)